【獗烙】それは結実した日の決闘

広大野人

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シナリオID:2429

オープニング

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 帝国領内でトレイシーとシュナンは突如、野盗の集団に襲われた。
 エクエスの頑張りと隠し持っていた『神実の力』を使ったトレイシーのおかげで野盗を返り討ちにして、3人は無事だった。
「こんな所にも野盗が出るなんて、驚きました」
「世も末だぜ……」
 エクエスとシュナンの言葉に頷きながら、トレイシーは別の事を考えていた。
 どう考えても野盗の存在が不自然過ぎるからだ。
(順当に考えて、私を『始末』しに来たって所だよね……刺客はフォーゲンかゾンバルダだと思ったけど……)
 トレイシーは遠く故郷の地を見つめるのであった。

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 港町ウシタの混乱は極まっていた。
 治安を守るべき衛兵と自警団は互いに反目。連日のように現支配体制の退陣を訴える人々が列を成して領主館前に押し寄せている。
 領主館を守ろうとする衛兵と市民達を守ろうとする自警団の動きは、ちょっとしたスレ違いから暴力沙汰へと発展した。あくまでも対話で解決を図ろうとする穏健派が割って入ったが、時すでに遅し……どこからか飛翔した威嚇用の矢が直撃して地面に倒れ込むと、これを機に住民達は怒り叫び、衛兵達に襲い掛かった。
 領主館の門は堅く閉ざされており、破られる事が無いと分かると、蜂起した住民達は市内の有力者や衛兵の詰所に向かって雪崩れ込む。
「全く、どれだけ待たせたものか」
 ロディン伯爵が大窓から住民達の様子を眺めながら酒の入ったグラスを揺らしていた。
 この街で住民達が反乱を起こす事は計画済みだった。
 後はナラゼの幼稚な統治のせいで反乱が発生し後見人としての立場で反乱を鎮圧したと王都に報告するだけだ。
 そして、ナラゼの処遇は既に決まっている。
「手筈通り、進めさせろ」
 屋敷に訪れた一団について確認を取って来た部下に命じる。
 計画はこうだ――住民蜂起で領主館が襲われ現領主ナラゼが殺害された。ナラゼが家出してしまったので、背格好の似た浮浪者の子供が一人、犠牲になった訳であるが、それで心を痛めるロディン伯爵ではない。
「昼頃には決着がつくだろう。ゾンバルダが来たら通せ」
 そう言ってから、グラスの中の酒を一気に呷るのであった。

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 好き放題に暴れている市民を古屋敷から見下ろしていたジード・ランスウッドは部屋に入ってきたフォーゲンに振り返る。
「何か問題が発生したか?」
「ユーゲンの姿が見られておりません。また、ロディン伯爵の状況も不明のままです」
「暴動に巻き込まれて死んだ話は誤報だろう。細かい所で計画にズレが生じるものは仕方ない事だ。町の事はゾンバルダに任せ、我々は脱出する」
 黒手袋をはめた手で仕込み杖を掴んだ。脱出の為に『準備』は出来ている。
 どのような形であれ住民の蜂起は必ず終わりが来る。その時、王都から騎士団が派遣されるのか、あるいは近隣領地から貴族の私兵がやってくるのか分からないが、この街に残るリスクは大きすぎる。
 それに組織(ソーン・クリエ)の目的の為に、住民蜂起さえ起これば用はないのだ。もちろん、手元に残るのであれば良いが、拘っている訳でもない。
「待ち合わせ場所でユーゲンを待つ。来なければそれまでだ」
「分かりました。私は脱出の妨げとなる可能性が高い王国騎士の排除に向かいます」
 フォーゲンは深く頭を下げると音もなく部屋から出て行った。

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 戦況が逐一届く。
 ここは自警団の本部ではない。
「ナラゼというガキ一人見つけられないのは、どういう事だ? 元家臣のリストは手にあるのだから、片っ端から回っていけ!」
 ゾンバルダの怒鳴り声が響いた。
 街中の混乱に乗じて現領主を暗殺する。暗殺するタイミングが早すぎても遅すぎてもダメだ。いっそのこと、街の外に逃亡して『領主を放棄』していれば、こんな手間を掛ける事もなかったのだが……。
「元家臣は知らないと白を切る者もいるので……」
「何のための住民蜂起だ。混乱に乗じて全て皆殺しにしろ。その後、投石器で家ごと壊すんだ!」
 無関係であっても関係ない。
 戦場はいつでも無慈悲である事をゾンバルダは誰よりも知っていたし、利用しない手は無かった。
 そこへ別の部下が慌てた様子で飛び込んで来た。
「た、大変です。幾つかの倉庫が荒らされています」
「馬鹿かっ! 放置しておけ!」
 混乱に乗じて上手く立ち回りするはずが、自分達の首を絞めている事になっている。
 もっともこれは王国騎士エナハルト・ティルムが手配した兵士達による住民蜂起の妨害活動であるが、そんな事、ゾンバルダが知る由もない。
「俺達も出るぞ! 蜂起を確実なものにした後、集合場所に移動する!」
 ゾンバルダはそう宣言すると大剣を手にした。
 ここからは戦いの連続になるからだ。
「どこかで、タイミングを計るしかねぇが……まぁ、良い。冒険者や王国騎士に邪魔されたくはないからな」
 そして、大剣を担ぐと力強く踏み出すのであった。

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 幸か不幸か、幹部の一人、ユーゲンが屋敷に訪れたのはゾンバルダが出発した直後の事だった。
「あれは……ゾンバルダさんと推薦された人達? なぜ、ここに?」
 深まる疑念。だが、確たる証拠が見つからなければ裏切りとは断定できない。
 それに今は住民蜂起の最中だ。蜂起が成るか成らないかは、ゾンバルダの働きに掛かっている以上、引き留める訳にもいかない。
(……潜入は得意じゃないけれど、行ってみるか)
 もし、裏切りの証拠が示す物が出てこればジードとフォーゲンに報告すれば良い。何もなければそれでも良い。
 そんな事を思いながら屋敷へと入るユーゲンは、ここを警備している者が居る事に気が付かないままだった……。

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 王国騎士エナハルトは数名の部下と共に無法を働く連中を叩きのめしながら街中を回っていた。自警団の倉庫を一つひとつ潰している隊とナラゼを護衛している隊と分けているので戦力としては極めて小さくなっているが、この日の為に準備してあったので兵士達の練度も高く、街中の地形も頭に入っている。
「ここまで準備が出来たのは冒険者達のおかげか」
 速やかに住民蜂起を沈める為には、衛兵の詰所を守っていくと同時に『神実の力』で強化されている自警団員を無力化していくしかない。
 ふと、殺気を感じ、エナハルトは通りの真ん中で立ち止まった。
「これ以上は進ませない」
「フォーゲン……やはり出て来たな」
 数名の部下を引き連れて現れたのは組織(ソーン・クリエ)幹部フォーゲンだった。
 険しい表情を浮かべており、狙いは自分自身である事をエナハルトは悟る。
「狙いは分かっている。この混乱に乗じて、ジード様の邪魔をするつもりだろう」
 向けられた鋭い視線に対してエナハルトは剣を構えた。
 ただし、その口元は笑っていた。
「邪魔するのは僕だけじゃないさ。冒険者も居る」
「……まさか、貴公……わざとか!」
「ご名答。ジードの傍を離れない護衛役をどうやって引き剝がすか……案の定、少し派手に動いただけで釣れたから、案外、そっちも切羽詰まっているのかな?」
 余裕の表情でエナハルトに対し、フォーゲンは懐疑的だ。
「冒険者達がジード様に辿り着くとでも?」
 混乱する街中で追跡するなど至難の業だ。
「僕はそう信じているからね。そして、打ち倒す事も出来ると」
「なるほど……だったら、これ以上の無駄話は必要ないな。貴公を倒し、ジード様のもとに駆け付けるのみだ!」
 間合いを一気に詰めたフォーゲンの強力な一撃を、エナハルトは真っ向から受け止め、火花が散った。

解説

●目的 現状の打破 ●状況 冒険者達は住民蜂起の知らせと王国騎士エナハルト・ティルムからの依頼を受けて、冒険者ギルドから港町ウシタに急行し、街の入口に到着しています。 行きたい場所、関わりたい人物が居る場合、一般判定を行って、数回成功した時点で到着できます(難易度は場所や相手によって変わります。スキルや行動なども判定に影響します)。 また【結実ナル獗烙】の称号をお持ちの方は、称号付与の理由に記された人物に対して会いに行く場合、判定が有利になります。 ●行動指標 今回のシナリオは『戦闘型のフリーアタック』となります。 登場するNPCの元に到着できれば、戦闘あるいは護衛などが可能です。 特にNPCと関わる予定が無い方は住民蜂起の現状を打破する事になります。その場合、『神実の力』で強化された自警団員を無力化する事を求められます。 なお、戦闘や護衛は永遠に続くものではなく、想定されたラウンドを経過すると、敵の逃亡や住民蜂起の波に巻き込まれ、終了する場合があります。 ●NPC ===組織=== ジード・ランスウッド:詳細はキャラクターページ参照。 フォーゲン     :中年紳士。かなりの実力者。エナハルトと交戦中。 ユーゲン・フォリング:組織の内政官。非授恵者。 ゾンバルダ     :40歳位の屈強な男。自警団の取り纏め。強い。 コンザ       :ゾンバルダの部下の一人。投石器を扱う隊を率いる。 ※組織のNPCには数名の護衛が付いている。 ======== ===その他=== エナハルト・ティルム:王国騎士。剣の腕前は確かなイケメン。開始時、フォーゲンと交戦中。 サーンゾ      :元山賊の男。港町に滞在中。開始時、船内。 ナラゼ       :ウシタの幼き少年領主。元家臣の家に避難中。 ロディン      :領主館にて滞在中。 ========= ※NPCとの関わりにおいては、これまでの関わりによる友好度が存在します。友好度による『差』はあるものとしてご理解下さい。 ●その他 ※王国騎士エナハルトは『ジード率いる組織が暗躍した事』と『ロディン伯爵の不当な治政による事』が住民蜂起の原因であると王都に報告する予定であります。その為には、ジードもしくは幹部級の打倒(捕縛しても極刑は免れませんの生死は問いません)とナラゼの生存は絶対条件となります。 ※状況によってアドリブ対応が多くなる場合があります。 ※ジードが紐付けされておりますが相談掲示板で質問への回答も含め発言致しません。

マスターより

 おはようございます。当依頼にて53作目となった広大野人です。  個人連作として展開していた【獗烙】は今回のシナリオにて、ジード率いる組織との決戦になります。  判定内容やシナリオ結果において、一件落着となるか、もしくは追加シナリオが発生となるかは分岐する予定であります。どちらにせよ、事後シナリオは発生します。  今回、冒険者達もやるべき事、成さなければならぬ事が多くあります。  その為の戦力の割り振り、各人の目的の共有、スキルや装備の準備など参加者の皆様でよくよく協力して臨んでいただければと思います。  難易度は『非常に難しい』です。私が出す高難易度シナリオは些細なミスや取り違えなのも重大な結果に影響する可能性が極めて高い上にNPCの生死にも強く影響を及ぼします。  これまで皆様が辿った道のりとNPCとの関わりを通じ、敵幹部級の行動指標を推測した上で、臆さずに挑戦して下さい!  

リプレイ

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 逃げ惑う市民、貴族に対する不満を声高らかに叫ぶ者、火事場泥棒のような事をしている者……実に様々な人々で、街は大通りから小さい路地に至るまで混沌を極めていた。
 ベルク・オスマットは港町ウシタに入ると真っ先にサーンゾ達が停泊している港へと向かう。
「ふむ、ずいぶんと混乱していることだ。なら、流言飛語は実に浸透しやすかろう」
 この状況を逆手に取り、ロディン伯爵と組織(ソーン・クリエ)の動きに影響を与えるつもりなのだ。
「こっちだ!」
 いつでも出航ができるようにしていたサーンゾが手を振ってベルクを呼ぶ。
「出航は、噂を流してからだ」
「噂?」
 サーンゾの問いにベルクは深く頷いてから説明する。
 現領主であるナラゼの暗殺を、ロディン伯爵と自警団を代表するゾンバルダが手を組んで謀っており、間一髪、旧家臣団に保護されて港から船で脱出する――という噂だ。
「噂の真偽を確かめに、向こう側の注意は引けるからな」
「なるほど。それじゃ、言いふらし回ってから出航って、船長に伝えてくるぜ」
 立ち去ったサーンゾを見届けてから、ベルクは口元まで布で覆うと音も無く駆け出す。
 沖合に出た彼らが、後に、大事な一つの成果を果たす事になるとは、この時誰も知る由が無いのであった。

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 イヴェール・イリュジオンが暴れ回る自警団員を叩きのめしていた。
 いくら『神実の力』で強化されていると言っても、経験を積んだ冒険者の敵ではない……問題があるとすれば、自警団員の数だ。
「やはり……狙いは幼い領主の命なのですね」
 戦術的な話になれば『神実の力』で強化した自警団員総出で領主館を襲撃するだろう。だが、街の至る所に自警団員は分散し、街の混乱を増長させている――幼い領主を混乱に乗じて暗殺するのが狙いだ。
 となると、ロディン伯爵と自警団は繋がりがあると推測できる。
(伯爵は手を汚さずに街の全権を手に入れようとしている……可能なら主犯を証人として捕まえたいですが……)
 そう思いながらも、イヴェールはこの街の元家臣達が住まう家が記された地図を広げて現在地を確認する。
 ナラゼが元家臣に頼って家出するのは、ロディン伯爵の想定内なのだろう。だとすれば、元家臣達に危険が及ぶ可能性はとても高いのだ。
(それに……後の事を考えれば、元家臣の方々は失ってはいけない人材でしょうから)
 仲間達が『行おうとしている事』を実行するのだとすれば、将来的に欠かせないからだ。
 見境なく暴れている新たな自警団員を叩きのめし、イヴェールは元家臣の一人が住んでいる家へと向かった。
 一先ずは避難を……そして、幼い領主を支えてもらう為に。

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「何してんの!?」
 勝手口から不用意に入ってきたユーゲンの首ねっこを掴まえて、クレア・エクレールは彼と共に食材保管庫へと入った。
 ユーゲンから指示された屋敷に、表向き、給仕として入り込んだクレアと違って、彼は明らかに不法侵入だ。ユーゲン一人だと確実に発見されていただろう。
「ボクが証拠を集めるまで待てなかったの?」
「状況が変わった。この屋敷からゾンバルダが出て来た以上、すぐに確認する必要があるんだ」
 狭い保管庫の中で身を寄せ合う二人。
「じゃ、ほら」
 太もものベルトに挟んでいた封筒と書類を取り出すと彼に渡す。
 ユーゲンは驚いた様子でそれを受け取った。
「詰所の詳細図と人員じょうきょ」
「声が大きいよ」
 クレアの手が容赦なく彼の口を塞ぐ。
 二人は保管庫の隙間から厨房を確認し……誰もいない事にホッとした。
「この封蝋はロディン伯爵家のもの……ゾンバルダの住民蜂起を確実なものにする為に情報を流したとしか」
「それって、つまり……」
「間違いない。ゾンバルダとロディン伯爵は繋がっている」
 ロディン伯爵が住民蜂起を阻止する方向で動いているのなら、ゾンバルダに情報を渡す必要はない上に、自警団や組織(ソーン・クリエ)の中でこの情報が秘匿にされる理由も無い。ゾンバルダは計画されていた以外の事をやろうとしているのだ。
「組織は裏切られたって事ね」
「ゾンバルダの狙いがどこにあるか分からないけれど……ジード様に急いで伝えないと」
 厨房が安全だと把握し、保管庫から顔を出したユーゲンにクレアが声を掛ける。
「……無茶するね、貴方も」
「僕は……幹部だから」
「貴方は何を失くしたの? 何が、貴方をそこまで追い立てるの?」
 その問いにユーゲンは証拠をクレアに返しながら答える。
「……僕の周囲には期待しかなかった。期待に応え続ける重みは……時として人を違う存在にさせる。僕が失ったものは『自分』なんだろう……けれど、僕は初めて自分の意思で組織に入り、幹部になった」
 だからだろう。彼がナラゼの処遇について思う所があるような事を口にしたり、組織の為に無茶ができるのは。
「集合場所はここからだと遠い。間に合うかどうか分からないけど……」
「待ち人がいるなら尚の事急がなきゃ」
 混乱極まる街中の様子を見て立ち止まった彼の手を引き、クレアは駆け出すのであった。

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 自警団のシャザリアに化けたエミリア・シバは投石器数台の移動を指揮しているコンザに動揺を装って接近していた。
「これは一体……ゾンバルダ様はどちらに!?」
 コンザは自信満々そうな表情を浮かべていた。
「ゾンバルダ様は衛兵の詰所を潰して回っている。君も一緒に――ぐぇ!」
 非授恵者にエミリアの不意な攻撃は止めようもなく、コンザは気絶する。
 手際の良さに取り巻きの動きがも止まった。
 次の瞬間、『神実の力』を手にするが遅かった。エミリアの電光石火な身体捌きの方が早かったからだ。
 突然の事に事態をよく知らされていなかった投石器を動かす役の自警団員達は恐れのあまり四方に散らばるよう逃げ出してしまった。
「コンザちゃんは縄で縛りあげとくとして……残った投石器は壊しておく必要があるわね」
 投石器部隊が生き残っていたら、自警団の動きを邪魔するような指示が出せたが……できないものは仕方ない。それよりも……とエミリアは視線を街中へと向けた。
(住民蜂起を確実にする為に衛兵の詰所に向かっていたとしたら……)
 ゾンバルダの動きを誰が止めているだろうかと思ったからだ。
 エーテルを集中してエミリアは詰所へと向かう事にした。コンザに化ける事は出来るだろうが、きっと、詰所の襲撃には間に合わない……そんな予感を抱きながら。

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 街中の状況を幼い領主であるナラゼはカーテンの隙間から覗いていた。
 父が大切にしてきた街。黒煙が一つ、また一つ上がる度に、街が壊れていく……それが悲しくて、悔しかった。
「父さん……ぼく、このままなにもできないのかな……」
「そんな事はございません」
 背後から響いた声にナラゼは振り返る。
 そこには、レティシア・レインフィールとキリアン・フィッツジェラルドの姿があった。混乱を極める街中を何とか抜けて辿り着いたのだ。
「暴動を鎮静化させるには、ナラゼさん自身の意志を伝えるより他ないです」
 キリアンの台詞にナラゼは目を丸くして驚く。
 住民達が蜂起したのは自分のせいだと思っていたからだ。
「ぼくの……いし?」
「蜂起は伯爵と組織が利用し合い、作為的に起こされたものございます」
 真剣な表情でレティシアは幼い領主の疑問に答えると、王国騎士から預かった一枚の印刷物を渡した。
 そこには、組織(ソーン・クリエ)の正体と自警団の関係。ロディン伯爵の不正行為の証拠が記されていた。いずれも冒険者達が調査して得ていた情報だ。
「私はこれより広場で演説に向かいます。この事実を大勢の市民に伝えるのです」
 そこで言葉を区切り、レティシアはナラゼの前に進むと腰を落として目線を揃える。そして、少年の手を取った。
「もし、勇気を出して頂けるのであれば……私と共に戦って頂けませんか? 貴方は皆様と共に私が守ります」
「レティシアさま……ぼくのこえは……きいてくれるのでしょうか?」
 街の人は誰も聞いてくれない――そんな不安が全てを覆っていた。
 この騒ぎの中、ナラゼが一人で叫んだ所で誰も見向きもしないだろう。けれど、今から行おうとしている事は、誰もが耳を傾けるだろうという確信がレティシアにあった。
「ナラゼ様のお父様を、市民達は知っています。もちろん、良い面も悪い面もでしょうが……それでも、領主として認めていたはずです。だから、聴いてくれるはずです。この街が誇りを失っていなければ」
「……ぼく、いってみたい。みんなのまえで」
 少年の台詞にレティシアは深く頷くとスッと背を伸ばした。
 そうとなれば、ゆっくりしている時間はない。キリアンは短弓を手にすると窓から外の様子を伺う。今の所、敵の気配はない。
「分かっていると思いますが、演説をするという事は危険を承知しなければなりません」
「はい」
 即答した少年の覚悟を確認し、キリアンは矢に手を伸ばす。
 演説中、レティシアもナラゼも無防備になる。王国騎士の部下もいるが絶対に襲撃を防げるという保証はないのだ。
「どんな状況になっても演説するという事を……ナラゼさんが、領主であるという事を、示すのです」
「ぼくが……りょうしゅ……」
「『勇敢で、町の多くの人に好かれるような領主』になりたいのであれば、無様な姿を見せてはいけない。僕達はナラゼさんの背を押す事はできる。けれど、最後の一歩を踏み出すのは、君しかできないのだから」
 同時にそれは、この少年を必ず守るという宣言でもある。
 ナラゼが姿を現す以上、自警団も組織もロディン伯爵も――見逃すはずがない。
 キリアンに出来る事は、幼き領主を狙う、敵狙撃手をいち早く発見し、撃たれる前に無力化する事だ。それがどれだけ難しい事か、彼自身が誰よりも理解していた。

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 人の気配が消えた馬車ターミナルのホーム。
 メドゥの指先『黄の中指』ジード・ランスウッドは幾人かの護衛と共に約束していた時間を待っていた。
「……先に冒険者が現れたか」
 視線の先にミア=リゼルとシルヴィア・A・カペルの姿を認め、話しかけるように告げた。
 護衛達が一斉に抜刀しつつ『神実の力』を手にする。
「ご無沙汰しております、せんせい。今は……そう、呼ばせてください」
「ジド様の考え方は好ましい。今後の王国にとって必要な考え方だ。けれど、貴方のやり方はその理想を歪めている」
 十分の間合いを保って眼前に立つ二人にジードも剣を抜いた。
「我と戦う意味を理解して立っていると……なるほど、よくぞここまで辿り着いた」
「せんせいの望む未来は、わたしが望む未来です。……ツィトリ(わたし)に、せんせいのやり方は否定できません……」
 台詞を区切ったミアは、息をゆっくりと吸い込み、言葉を紡ぎ続ける。
「……だから、せんせいが『人であれ』と願った私にしかできない役割を果たし……過去と共に生きる。せんせい、私と一緒に来てくれませんか」
「せいせいと呼ぶのなら……我が返事は言わずとも分かるだろう、良く出来た子よ」
「では……御隠居なさいませ」
 一歩進み出たミア。エーテルを高めていく様子に護衛達も『神実の力』を服用していく。
 シルヴィアも意識を集中させながら、ジードへ言葉を投げ掛けた。
「こんなやり方では、ジド様が望んだ“より良い国造り”には繋がらない。今の王家のように着実に進めるのが最良……ジド様は早すぎたんだ」
「そう、思っていられるうちは、なにも変わらん。だからこそ、我が成すのだ。この国の全てを、根幹から作り直す」
「貴方達は法で裁かれるべき。法は民の為に私達が維持すべきものだから」
 スッとジードが剣先を挙げた。
 『神実の力』を服用した護衛達に合図を出す為だ。
「この国の法とは、一部の者達に都合が良いように作られたものだ。それで『欠ける』者が生まれる。だからこそ、この国を一度、壊さなければならぬのだ!」
「人も国も、変われるし、欠落も埋められる……『欠ける』者が生まれるのは悲しい事かもしれないけど……希望でもある。それを壊させない」
「ならば、我を倒し、示してみせよ!」
 振り下ろされる合図と共に、護衛達が一斉に駆け出して来た。
 それに対し、シルヴィアは冷静に状況を見極めながら強力な支援を魔法行使。初手、防御に専念するミアに幾つもの剣が振るわれるが、どれも傷をつけるには至らなかった。
「盤上遊戯のセオリーは、負けない体勢をつくる事……でしたね、せんせい」
 『神実の力』は非授恵者の身体能力を向上させるものだが、細かい指示や臨機応変な戦い方には不向きだ。その為、ミアに集中した攻撃は、それさえ耐えられれば、絶好のチャンスとなる。
 シルヴィアが放ったメテオライトが護衛に深手を負わせてた。
 もう一度、撃てば確実に護衛は全滅するだろう。
「なるほど。しかし、我にたった二人で挑むのは無謀というものだぞ」
 空間を飛び越すように駆けたジードの鋭い一撃。それをミアは辛うじて細剣で払い流すのであった。

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 剣同士が幾度もぶつかり合う――王国騎士エナハルト・ティルムと組織(ソーン・クリエ)幹部であるフォーゲン。二人の力量は高いが、経験の差という意味ではフォーゲンが一歩リードしていた。
「王国騎士の肩書が泣くぞ」
「流石に手強い……」
 ジリジリと間合いを詰めるフォーゲンの動きがピタっと止まった。
 直後、辺り一帯に向かって無数の光弾が襲来。フォーゲンとその部下達を巻き込む。
「奇襲だったけど、あれを避けられるとはな」
 視界の良い建物のベランダから飛び降りたのはエリザ・A・ミシャールだった。
 フォーゲンを挟むような位置取りを確保したが、大胆不敵にも、エナハルトに背を向けてエリザに振り返る。
「ここで対峙とは……宿命か。だが、こちらの役目は終わっている。無駄足だぞ」
「役目を終えた? 違うね。アンタは役目から逃げただけだ。短命を嘆くならば、その今際の際まで足掻いてみせろ」
「言ってくれる。なら、本気を見せてやろうか」
 フォーゲンは一瞬だけ、街のある方角に視線を向けて深く一礼。
 その意味をエリザはすぐに理解できた。フォーゲンは無傷でジードと合流する事を諦めたのだろう。
 礼から姿勢が直るのを待って、エナハルトが突貫した。騎士道かどうか分からないが、真面目な彼らしい。
「エリザさん、援護をお願いします!」
「当然だ」
 短く答えながら、エリザは杖先をフォーゲンへと向ける。
 敵の力量はよく分かっている。だからこそ、チャンスを生む為に攻勢は続けなければならないのだ。

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 コンザの姿に化けたエミリアが衛兵詰所に到着した時、そこは既に惨状となっていた。
 衛兵達の総指揮に関わる規模の大きな建物。当然、衛兵の数も多いのだが……。
(これは……酷いわね)
 そこへ、詰所の中からゾンバルダ達が姿を現す。
 詰所が完膚なきまで叩かれてしまえば、街の混乱は容易には収まらないだろう。
「……コンザ、どの通りを抜けて来た」
「もう、それどころじゃなくて、王国騎士のせいで……」
 言い訳のような台詞の直後、エーテルを伴った鋭い突きが放たれた。
 辛うじて避けると間合いを取る。
「てめぇ……冒険者だな」
「さっきのは符号だった訳ね。折角、仕込もうと思ったのに……残念。ところで、肩の調子はどう? ゾンバルダちゃん」
「冒険者がこそこそ動いているのは分かっていたからな。それに、てめぇには貸しもあるようだな」
 エミリアを取り囲むようにゾンバルダの護衛共が広がった。
 手練れ……という訳ではなさそうだが、授恵者のようだ。
「おねえさんが投石器を全部壊したわ。仲間達も王国騎士もそれぞれ状況を打開する為に動いている。組織(ソーン・クリエ)の目論見通りいかないわよ」
「てめぇは運が良かったな。急ぐ必要がなければ、なぶり殺しだったからよ」
 それが合図となってゾンバルダの護衛が一斉に襲って来た。
 死角からの一撃を華麗な動きで避けると別の角度から突撃してきた者の首筋を剣先で切り裂いた。
「待ちなさい!」
 二人同時に向かって来た敵の攻撃をいなしながら叫ぶが、ゾンバルダは騒乱の街中へと消えて行ってしまうのであった。

●
 短期決戦を挑んだミアとシルヴィアであったが、ジードに対しての攻勢は今一つ不足していた。決定打に欠けたのだ。しかし、護衛が全滅したジードも攻めあぐねた。
 ミアとシルヴィアが二人ともヒーラー故、継戦能力が異様なまでに高かったからだ。
 そこへゾンバルダが姿を現し、均衡が崩れる。
「ジード様。詰所を破壊しました。一帯は暴徒で溢れかえっております」
 言葉が嘘ではない事は建物の外から聞こえてくる怒号が証明していた。
 近くで火災も発生しているようで焦げ臭い煙が徐々に流れ込んでいる。
「頃合いだな……冒険者を突破して街から脱出するぞ、ゾンバルダ」
「はい」
 ジードの斜め後ろに控えるように立ちつつゾンバルダが大剣を構える。
 その様子にミアとシルヴィアもエーテルを高めた……唐突に訪れた僅かな沈黙。突破を許せばジード達を逃してしまう。
 必ず止めるとミア達が覚悟を決めた時――別の扉が開かれ、ユーゲンがクレアを伴って飛び込んで来た。
 青年は一瞬、状況を見渡し……慌てた様子で叫ぶ。
「ジード様、ゾンバルダから離れて下さい! その男は伯爵と繋がっています!」
「なにっ!?」
 直後、ゾンバルダの大剣がジードの身体を貫いた。
 淡いエーテルの光が無ければ、間違いなく即死していただろう。
「ゾン……」
「ったく、ここで始末するのは早かったが、目的の品さえ手に入れば問題はない」
 剣で貫いたままゾンバルダはジードの懐から小瓶を奪い取る。
「せんせいっ!」
 慌てて駆け寄ろうとしたミアに向かってゾンバルダは残酷な視線を向けた。
「おっと、まだ爺は生きてるぜ。メドゥとも関わりのある証人……簡単には死なせたくはないだろう」
「自らの主を裏切った上に、人質にする……どれほどの外道か分かっているのか?」
 シルヴィアの言葉にゾンバルダはニヤリと笑う。
「外道? おおいに結構。俺は人を超えるのだ!」
 その叫びに、ジードが絶え絶えに呟いた。
「『瞳』を使えば……人では……なくなる、ぞ……」
「知った事かっ!」
 火の手がホームに回って来た事を確認し、ゾンバルダはジードに刺さっていた大剣を雑に引き抜くと、逃げるように黒煙の中へと飛び込んだ。
「せんせい! せんせい!」
 力なく倒れたジードの傍に駆け寄ったミアの悲痛な叫び。
 その苦しさと哀しさを――シルヴィアはよく分かっている。だからこそ……ゾンバルダを追う事を止めた。
 火の回りが早いのだ。一刻も早く建物から抜け出さないと危険だろう。
「このままだと煙に巻かれるか、天井が崩壊するよ」
 クレアの言う通りだった。
 意を決したユーゲンが駆け出すと、床に隠されたレバーを引き上げる。重い音と共に隠し通路が現れた。
「こっちだ!」
「私が支える。ミアは止血と回復魔法を」
「落ち着いて、ミアさん。大丈夫、助かるはずだよ」
 ユーゲンの言葉に頷くとシルヴィアはジードの身体を支え、その反対側をクレアがフォローした。
「は、はい……」
「止さんか。我を置いて、早く行け……巻き込まれるぞ……」
 ジードの力の無いか細い声にミアは首を横に振った。
 こんな結末、望んでいないのだから。
「私、諦めが悪いので……だって、せんせいの弟子ですから。せんせいがずっと変えようとしてきた事を……私たちが変えるんです。私たちが選ぶ未来を、見届けてほしいのです」
「無茶を……言うな……老い先、短いの、だぞ……」
「まだまだ長生き……して下さい……せんせい」
 滑り込むように隠し通路の中へと入る。
 間一髪。脆かった天井があっけなく崩れた。間に合ったのは運が良かっただけだろう。

●
 エリザの援護のおかげで押し切れないフォーゲン。
 数回エナハルトと切り結び、一瞬の隙を突いてエナハルトを転ばすと、フォーゲンは宙で転がるように転身。一気にエリザへと間合いを詰めた。
 もちろん、その動きはエリザも予想していたものだ。だが、如何せん前衛職と後衛職では埋められない差も存在する。
「被弾覚悟か!」
「無傷で勝つのを諦めただけだ」
 まるで後先考えていないような突撃。
 フォーゲンもエリザも無事では済まない――が、そうなる前の最後の一歩、踏み込んだフォーゲンが飛び跳ねるように後方へと下がった。
 通りの屋根の上からルベア・ベルニが強襲を仕掛けたからだ。
 手元に残る僅かな手応えと共にルベアはエリザを庇うように立つ。
「久しぶりね」
「……覚えているぞ。組織内で要注意人物という形で、だがな」
 額に流れた血を乱雑に拭いながらフォーゲンは構え直す。
 対峙するルベアはいつでも飛び掛かれるように姿勢を落とした。
「覚えてる? アナタ……まだ『神実の香り』が出回ってた頃に、『欠けたものは満たされることはない』……なんて言ってたのよね」
「よく覚えていたな、その通りだ。そして、それは今も変わらない。人は『欠ける』と満たされる事は二度とないのだ」
 怒りや恨みが入り混じった強い光がフォーゲンの瞳に宿る。
 だが、ルベアは臆する事なく堂々と正面から受け止めた。
「……それね、嘘、というか、『欠けた』事を言い訳にした、傲慢よ!」
 『欠けた』事から前に進む事を止めただけだ。それ以上、傷つきたくないが為に。
 ルベアは短剣の先を真っ直ぐに向けた。
「自分で言うのも何だけど、満たしたわ……おたくの『元』研究者を。彼女の『欠落』を」
「トレイシーに出来た事を、全員に出来ると思う事こそ、思い違いというものだ」
 そう言いながらもフォーゲンの表情は、少し緩んでいた。
「分かっていないのだ。それが当たり前のように出来る事ではないのだと。君がトレイシーにとって……特別な存在だったという事だ」
 次の瞬間、フォーゲンが圧倒的なスピードで斬り込んで来た。
 その一撃を受け流すルベアは軽く躰を捻って下段から昇り上がるような蹴りを放つ。ぐっと大きく仰け反った所へ挟撃するようにエナハルトが白兵戦を挑む。
 およそ人間とは思えない動きでフォーゲンは回避。逆に肘打ちと踵落としをエナハルトとルベアに見舞う。
 衝撃で剣を落としたエナハルトは――しかし、ルベアのすらりとした足首を掴んでいた。
「な、にっ!?」
 驚いたのはフォーゲンだ。
 『欠けて』いた事を手放せない彼には想像もできなかっただろう。人は放した手で新たな事を掴める事を。
「エリザさん!」
 仲間の名を叫びながら、ルベアはエナハルトに引っ張られるまま、フォーゲンの死角から短剣で足の腱を切り裂く。
 直後、エリザが放った魔法がフォーゲンに直撃した。

●
 広場に王国騎士が事前に用意していた印刷物が舞う。
 幼い領主であるナラゼが、この度の騒ぎに対して演説する――という噂も合わせての事だから、広場はあっと言う間に人でいっぱいになった。
 流石の自警団も組織も伯爵も、ここで市民に向かって手を出す事はできないだろう。
「ウシタに住まう市民の皆様。この街に危機が迫っております」
 レティシアがその台詞と自身の名を口にするのは二度目だった。
 今でもその時の事を覚えていた人は大勢いたようで、広場を見渡せるバルコニーに姿を現したレティシアに歓声が上がった。
 何事かと人々の注意が向く。
「此度の蜂起は誘導されたものでございます。メドゥの指先である『黄の中指』ジード・ランスウッドが率いる組織の幹部であり自警団を指揮するゾンバルダと、街を不正に支配しているロディン伯爵。この二人の陰謀によって、この騒ぎになっているのです」
 大きな騒音に負けず、レティシアの声は響いた。
 サウンドボマーの力によるものだ。演説が終わるまで無防備を晒す事になるが、レティシアは堂々と衆目にさらす。
 それが貴族というもの。自らの役割と言わんばかりに。
「このままでは鎮圧までに多くの血が流されます。ロディン伯爵だけが利を得るような事を見過ごす事ができません……私は、領主であるナラゼ様と共に争いを止める事を、今、ここに宣言します」
 広場の喧噪が急速に収まる。
 誰しもが、レティシアの姿を見て、その言葉と意味を――確かめようとしていた。そこへ、即席で用意された台にナラゼが上がる。
 あまりの人数の多さ、視線に怯えてしまう。
 そんな少年の肩にレティシアは優しく手を置いた。
「ナラゼ様の想うままに」
「はい……」
 一度深呼吸してから、少年は広場を見渡す。
 かつて、父がそうしたように。
「ぼくは……ナラゼです。父さんがのこしてくれたこのまちを……ぼくはだいすきです。父さんみたいにはなれないかもしれないけれど……ぼくは、父さんのようなりっぱなりょうしゅになりたいです」
「「「ナラゼ様!」」」
 広場の片隅から幾人もの元家臣達がバルコニーに向かって来る。
 イヴェールが保護しつつ、ここに辿り着いたのだ。ゾンバルダとは遭遇しなかったが、それなりの数の敵を打ちのめしてきた。だが、全ての敵を倒した訳ではない。
「そいつは偽物だ。街を混乱に陥れようとしているだけだ!」
 どこからかそんな叫びが響き、武装した一団が元家臣達を追うように迫る。
 ……が、その先頭の男は足の脛を切られ、無様に転がった。物陰から様子を見ていたベルクがやったものだ。
「さて、組織(ソーン・クリエ)がメドゥの指先に属する実質的な下部組織と知れた今、それに与する者や指揮下にある団体は、実質、国家反逆者として扱っても問題はなさそうな話になるな」
「馬鹿な、そんな事ある訳ない!」
 脛を抑えながら立ち上がった敵の目の前に、王国騎士が刷った印刷物が舞い落ちた。
「メドゥの指先は王子を狙うような輩共。その組織に属しているゾンバルダ。自警団員はこのままだと反逆者に協力しているという立場になるが、それでも良いと?」
 挑発するようなベルクの台詞に自警団達はお互いに顔を見合った。
 それだけではない。街の住民達も彼らに疑いの目を向けると、団員が自警団員を証する腕章を引きちぎった。それも次々に。
 狼狽えたのは彼らを指揮していた自警団の幹部達だった。恐らく、ゾンバルダの息がかかった者だろう。
「こ、ここまで騒ぎを大きくして無事に済む訳がない! 伯爵も領主も、皆!」
「そうであろうな。幼い領主には辛く苦しい罰もあるかもしれない。しかし、これから民を統べていくのなら、通らなければならぬ道。その覚悟を、あの少年は背負って、あそこに立っておるのだ。貴様に人の事言えるのか?」
「くっ……。ま、まだだ!」
 逆上した男だったが、ナラゼに向かうよりも早く、ベルクが一撃で無力化させた。
 腕章を外さない連中は一斉に『神実の力』を手にする……だが、幾重にも取り囲む市民達の圧力に誰一人として、服用はできなかった。
 ゆっくりとイヴェールが進み出る。
「決着はつきました。民意は幼き領主にあるのです。降伏して下さい」
「……俺達はゾンバルダにそそのかされただけだ。あいつがメドゥの指先に関わりがあるなんて知らなかったんだ」
「話は後で存分に」
 広場の方が決着ついた事を見届け、キリアンは番えていた矢を外した。
 演説の最中から、物陰に隠れて狙撃や襲撃を狙っていた敵を、目立たないように影から排除していたのは彼だったからだ。
 スッと高台からバルコニーに乗り移る。
「これで騒ぎが収まればいいですが……」
 広場に集まった市民の数は多いが、状況が落ち着くまでには相当な時間が必要になるだろうかと考えるキリアンだった。

●
 虫の息となって地に伏せたフォーゲンに、転がっていた剣を拾ったエリザが近づく。
 手当をしても生き延びる事はできないだろうし、捕縛しても極刑が待っているだけだ。事後処理をエナハルトから託されたエリザが出来る事……それは一つしかなかった。
「優しい事だな……」
 フォーゲンの口から皮肉めいた台詞が小さく漏れた。
 この場で介錯する方が、心残りが少ないだろうと思っているエリザに向けて言ったのだ。
「そういえば……アタシは旅するエルフでね。アンタの故郷や息子の話を、もう少し聞いてもいいかい?」
「背負われるつもりはないぞ」
「そんなんじゃないさ……ただ、エルフの一生は長いからね。気が向けば、そう、足が向くこともあるかもしれないから」
 その『優しさ』にフォーゲンは穏やかに目を閉じると、ゆっくりと語り出す。
 故郷の風景と――自慢の息子の話を。

 フォーゲンの介錯を見届け、エナハルトは部下を数人伴い、ジード……いや、愛する人の元へと向かおうとしていた。
「それでは、ルベアさん。エリザさんと共に後の事、お願いします」
「ミアさんのとこに行くのはいいけど……出来る限り手は出さないで欲しいな。あの子の決着なんだから」
 エナハルトは返事をせずに微笑みを残し走り去っていく。
 決着に間に合うかどうか分からないけれど、無事にいてくれるように――そう願うルベアであった。

●
 詰所の本部が破壊されていた事で騒乱はすぐには収まらないものの、多数の市民や元家臣達と共に、ナラゼは領主館へと戻った。
 どこかで状況を把握していたようで、領主館にはロディン伯爵の姿は無かった。本領に逃げ帰ったのだろう。
「王都からの連絡待ちでございますね」
「少し待ち遠しいです」
 レティシアの言葉にイヴェールは頷く。
 騒乱の中で冒険者達が見つけた証拠が決めてとなるので、きっと悪い知らせにはならないからだ。
 疲労困憊のナラゼを補佐していたキリアンは、冒険者達の部屋に戻って来た。
「今、元家臣達との再会している所です」
 そう言いながら微笑を浮かべる。
 水を差すような事はしたくないから、もう暫くはそのままが良いだろう。
「これから先も大変になるだろうな」
 ベルクが何気なく発した台詞に一同は頷いた。
 けれど、幼い領主はきっと大丈夫だろう。あれだけの覚悟ができたのだから。

マスターコメント

 お疲れ様でした&ご依頼にご参加いただき、ありがとうございました。  最終決戦……依頼の達成度は『大成功』です。これは、エナハルトの狙い通り、『ソーン・クリエ幹部級の討伐もしくは捕縛』『ナラゼの生存』を達成した事に加え、『ゾンバルダとロディン伯爵の繋がり』を明らかにした事によって、『大成功』に相当すると判断しました……が、あくまでもギルドを通じた依頼として『大成功』ですので、各々、思う事は多くあると思います。  とはいえ、流動的な状況の中、よくここまで……と思っています。ルートや判定によっては『最悪』な状況や事後シナリオで冒険者が不利になるパターンもあったので。  そんな訳で、ゾンバルダの行方、ジードの容態、ナラゼの今後……色々と気になる事あるかと思いますが、事後シナリオで明らかにしていきたいと思います。  それでは、改めて、依頼へのご参加、ありがとうございました。また機会があれば冒険者の方々のご参加の程、お待ちしております。
ロングシナリオ

ロングシナリオ非常に難しい 報酬:多い10 / 6〜10人

2022年09月16日 20時21分41秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. シルヴィア・A・カペル

    シルヴィアだ。今回もよろしく頼むよ。 戦闘型のフリーアタックは初めてだ。 >個人行動 ずっとジードについて調べてきたし、決戦はジードを倒しに行くよ。 捕縛して王国法で裁きたいけれど、大人しく捕まるような相手ではないし、捕まえる余裕すらないかもしれない。捕縛が難しい場合は生死を問わない方向で行くつもりだ。 >ミア ミアもジードに会いに行く予定かな?(もし違っていたらごめんね) もしそうなら二人で一緒に彼を探さないかい? 一般判定は何方かが成功すれば成功扱いになるんじゃないかなと思う。もし別の行動を考えている場合は遠慮なく断ってね。

  2. ミア=リゼル

    ヒーラー、ミア=リゼルです。よろしくお願いしますね。 戦闘型のフリーアタック…は私も初めてです。解決すべきことが多く、フリーアタックということなのでおそらく…その(メタ読みになるんですが)これで決「着」というわけではないのかな…と。ここでしかるべき行動を積んで、臨むべき舞台に臨む…という感じがしますね。 なので今はまだ個々に動いて手数を稼ぐ方が良いのかな、とは。目標もばらけていますし。 >個人行動 そうですね、私もエナハルトさんからジードさんとの決着を薦められているので…今回はそちらにあたろうかと。とはいえ大人しく捕まってくれるとも思えませんから、手傷を負わせることができれば上々……でしょうか。いずれにせよ捜索&戦闘どちらも手は抜けません。 そういう意味では、シルヴィア先輩が一緒にいてくれるとしたら心強いです。

  3. エリザ・A・ミシャール

    エリザだ。いよいよ大詰めだね。よろしく頼むよ。 フリーアタックということなので、仔細は戦域が重なっているメンバー間で調整することにして、考えるべきは大局に対して抜けが無いことが大事になるかね? オープニングとして章立てがされているのは以下の6項目だろうか。 ・トレイシーの護衛 ・ナラゼの護衛 ・ジードとの対決:シルヴィア・ミア ・ゾンバルタとの対決 ・ユーゲンへの対応 ・フォーゲンとの対決:エリザ アタシは前回でフォーゲン関連で【結実ナル獗烙】を貰っているから、素直にそちらへ廻ろうと思う。

  4. クレア・エクレール

    やっほー、シーフのクレアだよー。 ボクはユーゲンとの縁があるし、ユーゲンのフォローにいこうかなって考え中。 元々一枚岩な組織じゃないみたいだし、今回で全部綺麗に片付くわけじゃなさそうだからね。 それに住民の蜂起に関する計画書やなんか物的証拠があれば報告する時にも役立ちそうだし、そのあたりの回収頑張ろうかなって。

  5. キリアン・フィッツジェラルド

    どうも、シューターのキリアン・フィッツジェラルドです。 今回も宜しくお願い致します。 ジード及び幹部格の打倒も必須条件ですが、ナラゼさんの生存も条件に含まれるんですよね…… 前回、護衛に関わった身でもありますのでナラゼさんの護衛に徹するつもりです。 その際、孤高者の双波で索敵を完璧なものとするか、ゴリラとの連携で不審者を通しづらくするべきか、まだちょっと考えておきたいところです。 ・トレイシーの護衛 ・ナラゼの護衛:キリアン ・ジードとの対決:シルヴィア・ミア ・ゾンバルタとの対決 ・ユーゲンへの対応 ・フォーゲンとの対決:エリザ

  6. ミア=リゼル

    …はっ。ううむすみせん最初から今一度よく読んでみたのですが、やはりここを最終局面で詰める気持ちで臨んだ方がいい気がしてきました…私の書いたことはあまり気にしないでください。ちょっと手ぬるい態度でしたね…。 【こちら側の目的完遂のための条件】 ・ジードもしくは幹部級の打倒(生死問わず) ・ナラゼの生存 敵幹部級の行動指標を推測して先回りする行動が求められる…として。 動きが分かりやすいのはゾンバルダさんたちやロディン様ですが…全員の動きを一度俯瞰して共通認識としておく作業が必要そう、ですね。ちょっともう一度丁寧に読み込んでみます…(いそいそ

  7. シルヴィア・A・カペル

    ミアはお誘いの快諾ありがとう。改めてよろしくね。 ここで決着になるか否かは分からないけれど、全力で戦おうと思っているよ。各人の動きについても、一般判定や戦闘についても考えていこう。私ももう一度報告書を読み返してみるね。

  8. ミア=リゼル

    先程は失礼しました…シルヴィア先輩もありがとうございます。 とりあえず依頼がこけそうになる流れを作ってしまった責任をとるためにご用意できるものを…(いそいそ 個別行動表は、エリザさんが作ってくださったものをお借りしますね。 ●大目標 ジードもしくは幹部級の打倒(生死問わず)&ナラゼの生存 ●個別行動 ・トレイシーの護衛: ・ナラゼの護衛:キリアン ・ジードとの対決:シルヴィア・ミア ・ゾンバルダとの対決: ・ユーゲンへの対応: ・フォーゲンとの対決:エリザ ●NPCたちの現況とメモ(★印はPL情報) ※組織のNPCには数名の護衛が付いている。 ===組織=== ジード:★待ち合わせ場所にて待機。ロディン伯爵の現況を知らない。 ユーゲン:★屋敷。ゾンバルダについて調査中。 ゾンバルダ:★蜂起を確かなものにしてから「集合場所」へ。ロディン伯爵と組んでいるものと思われるがナラゼの処遇について知らされていない。 コンザ:投石機使う人 フォーゲン:エナハルトと交戦中。 ===その他=== エナハルト:フォーゲンと交戦中。 サーンゾ:港町に滞在中。開始時、船内。 ナラゼ:ウシタの幼き少年領主。元家臣の家に避難中。 ロディン:領主館にて滞在中。 ● 不明点 ・トレイシーへの刺客の正体 こんな感じで……

  9. ミア=リゼル

    ちょっと気になったのが、 【「待ち合わせ場所」にくるはずのユーゲンさんが屋敷に到着していること】です。 ゾンバルダさんと伯爵側から情報操作等があり、ジードさんとユーゲンさんではなくジードさんとゾンバルダさんが「合流」することになっているのでは…と思いまして。そうするとゾンバルダさんの狙いはジードさん…? というところまでは考えたのですが…まあ私の推測はちょっと雑で突飛な自覚はあるので話半分で…

  10. クレア・エクレール

    はいはーい、ちょっと抜けがあったから訂正! ●個別行動 ・トレイシーの護衛: ・ナラゼの護衛:キリアン ・ジードとの対決:シルヴィア・ミア ・ゾンバルダとの対決: ・ユーゲンへの対応:クレア ・フォーゲンとの対決:エリザ

  11. ミア=リゼル

    急いでいるとよくない!!!ありがとうございます!!!

  12. ベルク・オスマット

    シーフのベルクだ、よろしく頼む。 我もナラゼ殿の護衛になるだろうか? サーンゾのところに行ってからになるが、前回手を打っておいたからいざとなれば一時的に投石機の届かない洋上に退避させることも可能だ。 ●個別行動 ・トレイシーの護衛: ・ナラゼの護衛:キリアン・ベルク(?) ・ジードとの対決:シルヴィア・ミア ・ゾンバルダとの対決: ・ユーゲンへの対応:クレア ・フォーゲンとの対決:エリザ

  13. クレア・エクレール

    ユーゲンに関してはゾンバルダに対する疑念があったから合流前に何らかの証拠が欲しかったんだろうけど、上司との約束を反故にするようなタイプには思えないんだよね。 やることあるので先へ行っていて欲しい旨くらい伝えておいて良いようなものだけど、そうなってない辺り情報伝達がうまくいってない可能性は確かにあるかも。 ただ、ユーゲンを助けて護衛の名目で傍につけば待ち合わせ場所とやらには辿り着き易くなると思う。 問題はボクが把握した情報をどうやってジードと対決したい人に渡そうかなってとこかなぁ。

  14. ルベア・ベルニ

    シーフのルベアよ、今回も宜しく。 行動はまだ少し考え中。 前回の称号付与理由的にはナラゼの護衛なんだけど…。 トレイシーの護衛が果たして今回必要なのか、という悩みどころがあるのよね。 必要なら、特に私はそこに責任を持つべきだと思うし。 悩む理由はメタ読みに近いんだけど、以前の【若木】で彼女が護身用に持っていた『神実の力』を使わせずに依頼を完遂した時に、そのことが後々別連作で活かされることになるって言われてて、それはまさに今回のOPのことだと思うし。 流石に組織の連中も遠く離れた帝国領にいるトレイシーの生死を確かめたり、追撃を送る余裕とかある…? という疑問があるのよね。 ただこれも推測だから外してたら色々後が怖い…っていう。 で、行ったら行ったで何が問題かって、何も起きなかった時なのよね。 距離的にウシタでの事態に関われ…なくはないだろうけど、行くと決めた時点でウシタのことに割けるプレ字数は減るし。 その辺りもあるからもう少し考えるわ。

  15. エミリア・シバ

    シーフのエミリアよ、よろしくね。 フォーゲンちゃんも気になるけど今回の連動ではかかわらないようにしてたので おねえさんは投石器の指揮官経由でゾンバルダに行けないかやってみる予定ね。 ●個別行動 ・トレイシーの護衛: ・ナラゼの護衛:キリアン・ベルク(?) ・ジードとの対決:シルヴィア・ミア ・ゾンバルダとの対決:エミリア(可能なら) ・ユーゲンへの対応:クレア ・フォーゲンとの対決:エリザ

  16. エリザ・A・ミシャール

    >トレイシーの護衛 これについては既にルベアが挙げてくれている懸念は尤もなところだね。 あくまで今回の目的は「現状の打破」であることだし、依頼に対する優先度としては彼女の安否は大目標に対してどうしても一段下げざるを得ない。 むしろどちらかと言えば、ロディンの確実な確保や証拠の保全が求められているとも読めなくはないね。 (ロディン伯爵の不当な治政を立証する必要がある為) ……とはいえ、この一連の事件も長い。 トレイシーに対して特段の思い入れがある奴がいるなら、それに対してフォローのひとつくらいは入れられる余裕がどこかに無いかとも思っているよ。フォーゲンについてはエナハルトに対して深追いするつもりは無いだろうから、ジード&フォーゲンとの対決、のようにまとめる手も無いわけではないだろうさ。 とにかく最重要は ・ナラゼの無事 ・ジードの身柄の確保 この2点だね。特にナラゼの無事は代えが利かない。 最悪ジードは逃がしても、幹部級を複数抑えていれば報告としての体裁は保てそうだからね……

  17. レティシア・R・クラティアス

    ごきげんよう。 ヒーラーのレティシア・レインフィールと申します。 皆様、よろしくお願い致します。 >トレイシーの護衛 状況に「冒険者達は~街の入口に到着しています」とある点や 此度関わる事が可能な方(NPC)リストにお名前が無い点。 以上の二点から私は【若木】で彼女が『神実の力』を使用されなかった事で 此度の襲撃で自衛が出来た事により 私達はウシタ対応に専念出来るようになった、と解釈しておりました。 ただ私の解釈が間違っている可能性もございますので 彼女の対応希望の方がいらっしゃればご判断はお任せ致します。 >ナラゼ対応 既に挙げられておりますように、彼の生存は最優先事項の一つになりますので 問題となるのは確実な護衛による生存のみに絞るのか それとも今後の領主としての立場確保も視野に入れるのか、となりますでしょうか。 ご年齢的にエナハルト様を始めとした外部に助力を求められただけでも 充分な可能性もございますが、彼の動向次第では住民蜂起の被害を抑える事も可能かと。 ただ彼が表に出る分、危険性は増す点はございますし 伯爵様対応にも関わる事ですのでタイミング等も含めて 皆様とご相談させて頂けますと有難く存じます。

  18. レティシア・R・クラティアス

    >ゾンバルダ対応 「組織のNPCには数名の護衛が付いている」との事ですので 出来ればこちらも単独ではなく複数で対応をされた方がよろしいでしょうから エリザ様の仰るように個別対応を纏めて行えるようにしたく存じます。 例えば、これはナラゼ様にも関わる事ですけれど 住民蜂起は仕組まれたものであり、即刻止めるべきだと演説をして頂くのは如何でしょう。 これにより彼の位置が伝われば、ゾンバルダ様対応班とナラゼ様護衛班で共闘が可能かと。 ただ、ある程度人が集まっている場所でなければ効果が薄い点や 蜂起直後に行っても騒音等により掻き消されてしまう可能性はございます。 事前準備として此度も私が演説+サウンドボマーを行ってもよろしいのですけれど ナラゼ様のものも含め、他班の作戦への影響もございますので その辺りについてもご相談させて頂ければ、と。 >個人 一先ずナラゼ様の護衛とさせて頂きますが 作戦次第では他班との共闘等も視野に入れております。 ●個別行動 ・トレイシーの護衛: ・ナラゼの護衛:キリアン・ベルク(?)・レティシア ・ジードとの対決:シルヴィア・ミア ・ゾンバルダとの対決:エミリア(可能なら) ・ユーゲンへの対応:クレア ・フォーゲンとの対決:エリザ

  19. クレア・エクレール

    あ、トレイシーに関してはボクも今回は除外していいかなって思ってた。 で、他に関してはナラゼ君護衛とゾンバルダ対決は多分連携した方がやりやすそう。 それとジードと対決するには約束の場所がわからなきゃ行けないから知っているフォーゲンかユーゲン方面のアプローチが必要だけどフォーゲンが口を割る可能性は低いというか彼的には自分が王国騎士や冒険者の足止めをしている間にジードが逃げてくれればそれで良しって考えてそうだから。 そんなわけでフォーゲンとの交戦はジードと対決したい人は目的から離れちゃうかもだけど、目標の1つの達成とエナハルトさんの負担が減らせる箇所かな、と。 ナラゼ君に関してはレティシアさんが少し触れてくれてる今後領主として生きていく選択をする場合は見えるところに出すことで暴動の抑制とゾンバルダの誘導は出来る……かな? 蜂起が「完全」に成ったらゾンバルダは約束の場所へ移動を開始する。 蜂起を中途半端な状態にすればゾンバルダは約束の場所へ移動できないはずで、配下がナラゼ君をどうにか出来ないナラゼ業を煮やして自身からやってくる可能性はありそうだなって。

  20. キリアン・フィッツジェラルド

    トレイシーさんに関しては必須条件に入っていない……というのも多分にありますけど、敵からしたらナラゼさんの抹殺並みに戦略的な旨味があるのかどうかというと、首をかしげる所があるかもしれませんね。 フォーゲンとの交戦は、僕としてはエナハルトさんの援護に向かえる分、後顧の憂いを断てるのでは?という風に認識していたのですが。 成程、ジードの居場所を割り出すという点でも意味があるという事ですか。 それに楽観的な見方かもしれませんが、前回の話でミシャールさんが接触を図ったのを見るに、昔語りをしたりとか、ひとまずの為すべきと思った事は為せたようですから、同時に此処がフォーゲンとの決戦の機会という事になるのかもしれませんね。 ナラゼさんとレインフィールさんによる演説……傾聴させる、という点の補強ですと例えばサウンドボマーを僕あたりが担って、代わりにカリスマで補強させるというのはどうでしょう? その際、もう1枠は警護といいますか、汎用スキルにおける索敵に関しては超聴覚を持って行くつもりです。

  21. ミア=リゼル

    トレイシーさんについては皆さんと同意見、で… >ユーゲンさん ああなるほど、そうですよね… 現在ユーゲンさんが把握している情報を考えると、私たちが表立ってクレアさんについていくわけにはいかない…ので…隙を見てメモを残すという行動は難しそうですし、近くで待機しておいてテレパス…くらいしか思いつきませんが、汎用スキルを一つ埋めてしまうので可能なら代替案を考えたいところです…。

  22. シルヴィア・A・カペル

    トレイシーについては皆と同じ意見。 無事刺客を撃退したから彼女は大丈夫という事だと思っていたよ。 >ナラゼについて 既に言って貰っているようにまず生存第一だね。生き残ればエナハルトから報告を受けた王国が後ろ盾になってくれると思う。ナラゼも被害者側だと情報も広めてくれるんじゃないかな。 同時にナラゼの立場を明確にする・住民にナラゼの現状を理解してもらうというのも今後の為に重要だから、今回レティシアと一緒に演説して貰うのは良い案だと思う。ナラゼ護衛班・ゾンバルダ対応班で連携出来るのも良いね。 >ジードの居場所について フォーゲンは……口を割らなさそうだね。遭遇すれば足止めをされてしまいそうだ。あと、エナハルトが「冒険者はジードに辿り着く」と信じてくれているから、フォーゲンとの対決は彼やエリザに任せてジードの追跡を頑張りたい気持ちもある。ジードの口ぶりからすると時間制限も有りそうだし(勿論此処も相談次第で)。 待ち合わせ場所は、ウシタを出るつもりなら街中にはしないと思うのだけれど……(悩 >クレア クレアがユーゲンと一緒にジードとの待ち合わせ場所に行ってくれる&ジード対応班に情報を伝えてくれるならとても助かるよ。此方も何か手伝える事があれば遠慮なく言ってね。 (勘違いがあって書き直したよ。二度も申し訳ない)

  23. イヴェール・アーチボルト

    ウォーリアのイヴェール・イリュジオンです。 どうぞよろしくお願い致します(ぺこり) さて、事の経緯を把握している訳では無く、因縁がある相手がいる訳でもないので私は『神実の力』で強化された自警団員を無力化を主に行動する事になると思います。 街中で遊撃してるので必要があれば戦闘なら手伝うかも知れません。

  24. レティシア・R・クラティアス

    >ユーゲン対応班とジード対応班の連携 ジード様の居場所については推測や自力での捜索以外ですと 確かにユーゲン様から待ち合わせ場所の情報を クレア様経由で得られるのが一番可能性がございますね。 テレパスや伝言メモ案以外で私が思い付くものですと 先ずは此度、彼が訪れた屋敷はユーゲンのご反応的に 前回調査でクレア様が彼から調査依頼を受けた伯爵様所有の屋敷と推測されます。 そして住民蜂起後、鎮圧前に組織幹部が脱出される事も推測が出来ますので 唯一こちらの正体を悟られず友好関係を結ばれている彼から 脱出手段や待ち合わせ場所を聞き出す事は可能と判断し ジード様対応班は先ず彼の捜索名目で仲間と悟られない距離を保ち同行。 可能な範囲内でユーゲン様の確保と屋敷脱出の補助を行いつつ クレア様が情報を得られた後、ジード様対応班が襲撃を行い 足止め名目でユーゲン様には先に移動をして頂くか離れて頂き 交戦演技で接近された際、小声で情報共有をされるのは如何でしょう? ユーゲン様の移動後は両班の別行動は可能でございますし 仮に彼が残られても他班のテレパス連絡で応援を求められたように演技され 不本意ながら撤退される形にされればよろしいのではないかと存じます。 以下の報告書でユーゲン様が組織関係者と推測可能な情報を得られておりますので 容姿から推測しお名前を出し、更にこの時の事を交戦演技時にお話されれば 恐らく両班の繋がりは怪しまれないのではないかと。 【獗烙】再び港町にて (https://alpaca-connect.com/world/world0/scenario/1594)

  25. レティシア・R・クラティアス

    >幹部対応方針、確保優先度 此度はジード様か幹部級の打倒を求められており 生死不問とされておりますが、こちらについてもご意見を伺う必要がございますね。 目標としては少々おかしな表現となってしまいますけれど 組織との決着という面では確かにジード様が最良ではございます。 フォーゲン様はジード様に次いで、という認識でございますね。 ただ町の今後や伯爵様対応も見据えますと ゾンバルダ様を特に優先して打倒される必要があるのではないかと存じます。 逆にユーゲン様は此度で町に滞在中の幹部全員の打倒が難しいのであれば 今後も情報を得る為、敢えて逃がされてもよろしいかもしれません。 個人的に、スターシャ様のお名前が無いのが気掛かりではございますが 恐らく前回の依頼でのご様子から既に脱出されておりますし……。

  26. レティシア・R・クラティアス

    >伯爵対応 こちらの作戦次第では伯爵様の動向にも影響が出ると推測されますけれど 現時点では昼頃には決着がつくだろうと彼は予想されており ゾンバルダ様との契約を逆手に取るのであれば 場合によってはゾンバルダ様へのフェイクカバーで自白を狙うという手もございますね。 ただゾンバルダ様の推測される目標と気質的に 契約達成後に伯爵様からの口封じ防止の為 契約書を始めとした何かしら対等に渡り合われる為の切り札所持の可能性がございます。 クレア様次第ではございますけれど、ユーゲン様との別行動後などに 屋敷内部でそういった類の物を捜索・確保をして頂くのも一つの手かと。 あとは、仮にゾンバルダ様を捕縛出来た場合 個人的にはあまり好きな考え方ではございませんけれど 伯爵様も道連れに、と誘導出来ましたら組織=メドゥの指先との繋がり証言で 充分に罪状として利用は可能かと存じます。 >キリアン様 お気遣い感謝致します。 ただ、サウンドボマーは「自身が鳴らす音を増強」する為 演説に利用するのであれば私自身がご用意をさせて頂く必要がございますので キリアン様には警護面などで頼りにさせて頂ければ、と存じます。

  27. シルヴィア・A・カペル

    >ジードの居場所について 調査についてだけれど、クレアから情報を貰えたらとても有難い。 ただ今回はフリーアタックであるのに加えて、「行きたい場所、関わりたい人物が居る場合、一般判定を行って、数回成功した時点で到着できます」と書かれているから、誰かから情報を貰う事は必須ではなさそうだ。最悪一般判定でもジードの追跡は可能だと判断している(何方が早いかは分からないけれど、ジードは逃亡しようとしているから屋敷へ向かう時間を使うリスクも結構高め)。 追跡は【結実ナル獗烙】効果の使いどころでもあるしね。【結実ナル獗烙】で得られたかもしれない時間的有利が消えてしまう可能性が有る。補正が貰えるならフル活用したい。 反乱中襲撃のふりをすると屋敷内に潜む敵の相手もしないとだから時間が掛かってしまうし、嘘だと見抜かれる可能性もある。クレアがユーゲンに疑われるのは避けたい。かつシナリオ難易度が高いし、単純に字数が足りない( 先述のエナハルトの件もある。私はジードの追跡に専念して、もしクレアから情報を貰えるなら調査判定が失敗した時の保険にさせて貰いたいと今の所は考えているよ。 調査判定の成功度が高くなると思うし、ミアに同行連携して貰えたら嬉しいけれど、勿論ミア次第で。

  28. クレア・エクレール

    そうだね、今回色々同時並行で動きそうだし『想定されたラウンドを経過すると、敵の逃亡や住民蜂起の波に巻き込まれ、終了する場合があります』ってあるから結構時間判定や行動判定が厳しめな予想がするから他所からの情報なしでジード追跡に専念して貰うのもありだとは思う。 ボクはユーゲンに『君の欲しい情報はボクが代わりにとってくるから、早く安全なところへ』って感じでジードの元へ早めに行くよう誘導するような行動を考えてたから希望者はそれを追跡して貰えれば良いというか保険として使って貰えたら。 レティシアさんが挙げてくれたようなゾンバルダと伯爵とのやりとりを証明できるような書類とかはばっちり入手できるように頑張るよー!

  29. ルベア・ベルニ

    >行動 皆の意見も踏まえて色々考えたけど、やっぱりトレイシーは大丈夫だと思うのよね。 だから称号補正を踏まえるとナラゼの護衛かと思ったけど…ジードもしくは幹部級の打倒が必要となると、あまり護衛に偏りすぎても打倒の手が足りなくなる気もしてる。 向かうなら…フォーゲンのところかしらね。 フォーゲン自身との因縁絡みはエリザさんに委ねるけど、エナハルトにも何かあっちゃいろいろな意味で困るわけだし。

  30. ミア=リゼル

    >クレアさん、シルヴィアさん そうですね、その流れで承知しました。 クレアさんはおひとりですから、十分にお気をつけて…! シルヴィアさんの考えも了解です。 いただいたきっかけと、それから戦術眼を持ち込もうかと。 残り一枠は少し考えていて…シーフが相手ですから、看破…と思ったのですが、レベルが心もとないので。 >エナハルトさん こ、これは…言っていいか悩みどころではあるのですが。 今回そばにいられない分、心配で…。 なので、彼のこと…よろしくお願いします(ぺこ

  31. ベルク・オスマット

    ふむ、ナラゼ殿の生存は絶対条件として、ゾンバルダと伯爵の繋がりを証明できれば領地関係に関してはこちらの勝確になりそうだな。(つい先日王族の首狙ったテロ組織の下部組織幹部と癒着とか、普通に反逆の意図ありと取られてもおかしくない) まぁこの場合ナラゼ殿の連座を防ぐ必要も生まれるのだが…(その辺は王国騎士殿に骨を折ってもらうこととして) とりあえずナラゼ殿の脱出は本当に最終手段にした方がよさげではあるな。 とは言え万が一に備えて船は準備させておくが。 いや、いっそ船を囮にするか?(ナラゼ殿が船で脱出しようとしているとか噂を流して)

  32. シルヴィア・A・カペル

    >ジードの追跡 クレアもミアも反応ありがとう。 私とミアの二人でジード追跡に専念する方向で行かせて貰うね。クレアが言ってくれたように、追跡に失敗した場合ユーゲンの追跡も視野に入れたいと思っている。 追跡方法と戦闘についてはこれから考えるよ。 >ミア 看破はLv4だ。上限ではないけれど、もし良かったら私が持って行こう。 戦術眼はLvが低いからミアに持って行ってもらえると有難い。

  33. エリザ・A・ミシャール

    >エナハルト これについては守り切れるように、無事にミアへと送り届けられるように最善を尽くすよ >ルベア 同行してくれるならありがたい。 スレッドが長くなるので貼っては無いが、個人行動だと思っていたのでプレイングは既に出来上がっているんだ。共有が必要なら言って欲しい。

  34. レティシア・R・クラティアス

    >ナラゼ護衛班とゾンバルダ対応班連携 まだご意見を伺っていない方もいらっしゃいますので現在は検討中の段階ではございますが 仮に演説でゾンバルダ様の誘導を行われる場合 元家臣の皆様の被害を防ぐには、早期の内にナラゼ様の存在を明らかにすべきかもしれません。 問題は演説の場所になりますけれど 現在ナラゼ様が滞在されている家臣の方のお家ではなく 演説面と護衛及び戦闘面で適した場所を選定される必要がございますね。 前回の町の襲撃時には中央広場を見下ろせる屋敷のバルコニーで演説を致しましたので 位置的にそちらを再度利用させて頂くか 仮に使用が不可能であった場合に備え、他の候補も見繕った方がよろしいかもしれません。 あとは、エナハルト様の部下の皆様の一部はナラゼ様の護衛について頂いておりますので そのまま護衛等のお手伝いをして頂くか 場合によっては別のお願いをさせて頂くのも一つの手ではございますね。 >一般人対応 蜂起に参加されていない方は安全確保の為 何人かで纏まって家屋内に避難して頂くよう演説に盛り込む予定でございます。 他にも何か演説への盛り込み可能な案がございましたら 可能な範囲内で対応をさせて頂きます。

  35. レティシア・R・クラティアス

    >情報戦 そういえば、前回の依頼の時点で 「ジードが『黄の中指』である事など記された印刷物の手配は進んでいる」 「後は、配布を効果的に行う為のタイミングを計る事だ」とございましたが もし可能であれば一部を此度の依頼で利用されるのもよろしいかもしれません。 例えば演説時や別班でも人が集まっている場所がございましたら 手渡しではなくばらまかれる形にはなりますけれど 此度の住民蜂起に疑念を抱く方を増やせるのではないかと存じます。 勿論、識字率の問題点はございますので それを踏まえて、という形となりますでしょうか。 仮に配布されるのであればジード様の正体の他は スターシャ様とゾンバルダ様が組織の幹部である、という部分になりますでしょうか。 ただ、恐らく印刷物はチラシのような物と推測しておりますが 情報分別が難しい形でしたら此度の利用は難しいかもしれません。 >クレア様 伯爵様との遣り取りの証拠がございましたら 万が一、伯爵様が逃亡等を図られてもナラゼ様や町の安全確保は出来ますので 恐れ入りますがよろしくお願い致します。

  36. ルベア・ベルニ

    これだけ取り急ぎ。 >エリザさん プレイング、共有させてくれると助かるわ。 どう立ち回るかの基準にもなるしね。

  37. ミア=リゼル

    >シルヴィアさん ありがとうございます。では私は戦術眼の方を… 戦闘についても後ほど詰めていきましょう。 >エリザさん 頼りにさせていただきますね。ありがとうございます… フォーゲンさんとは一度立ち会いましたが、手強い相手。 どうかお気をつけて…

  38. エミリア・シバ

    申し訳ない、先週末から後ろの人周りがごたごたしてしまってこれなくなってしまっていたわ。 もう色々出ているけれど、ナラゼちゃんの命は最優先で問題ないわ。 >ゾンバルダの誘導 前の発言通り私はゾンバルダへ最終的に行けたら行く予定だけれども。 1.投石器部隊の指揮官コンザに接触してゾンバルダの所在確認と投石器部隊を混乱させる 2.上記を足掛かりにゾンバルダへをみつけ計画の邪魔や撃破などを試みる(可能ならコンザに成りすまして奇襲) 今回の主な行動は上記のように動く予定なので、レティシアちゃんが演説で誘導するしないでも、どちらでも私の行動はあまり変わらないような行動になると思うので、レティシアちゃんのの思うようにと思うわ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0