私の心が壊れてしまう前に
広大野人
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シナリオID:2424
オープニング
「あれだ……ほら、昆虫なんか分かりやすいだろ。いかにも危ない奴は危ない色をしているじゃないか。けど、人間は違う。危ない奴ほど……聖人みたいな微笑みを浮かべるんだ」
と如何にも柄の悪そうな顔で言ったのは王国騎士イェルド・ルリンだった。
諸々の諸任務を果たし、実績を積んできた彼ではあるが、その王国騎士に相応しくない態度が災いして、お偉いさん達からの評価はあまり良くない。
そういう事で、やけくそな仕事や無理難題な仕事が彼に回ってくるのだ。
「それで、これが今回の任務だ。ばっかじゃねぇーの……大物貴族にも顔が利く大商人の不正を掴んで潰せなんてよ」
ポンっと渡された依頼の申込書を受け取る受付嬢のアーネリー。
口は汚いが字が超絶綺麗なのだ……そこはどうでもいい事だが。
「正面から捜査……という訳にはいきませんよね?」
「あぁ。王国騎士だろうが冒険者だろうが、証拠も無しに強制捜査はできねぇ。だが、尻尾が掴めねぇのに証拠も糞もねぇ」
「それで……この依頼。潜入捜査なのですか」
事件の発端は、幾人かの女性が行方不明になる出来事からだった。
捜査の結果、諸事情で行先の無い若い女性達を拉致して、地方の人手が足りない農場などに『労働力』として売り出されているらしい。半ば『奴隷』として扱われているケースや、無理矢理、嫁がされているケースなんかもあった。
「人身売買を行っている商人ガイバンが証拠を残さないようにやっているからな。被害者には言葉巧みに上手い事を言って、連れ出すらしい。だから、逆手にとって潜入させるのさ。潜入して証拠さえ掴めば、貴族に顔が利いても意味はねぇ」
「作戦としてはありだとは思いますが……大丈夫ですか?」
「ガイバンは警戒心が高いだろうから、半端な潜入はまず、バレる。冒険者には悪いが『潜入役』には制限をかけさせてもらう。まず、男はダメだ。おっと差別じゃねぇぜ。ガイバンが女性しか選ばないのだからな。あと、見た目は明らか歳を取ってなきゃ、大丈夫だろうか……あ、アーネリーも行けるか?」
突然の指名に受付嬢は驚きの声をあげる。
「え? わ、私ですか!?」
「あ。ダメだ。おっちょこちょいだから、すぐにボロがでる」
「さ、最近はしっかりしています!」
カウンターから身を乗り出して叫ぶアーネリーだった。
●
商人ガイバンが人身売買で使っているアジトは古屋敷の地下室だった。
「新しいビジネスには、若い女性が必要だ。それも……美女だ。地方の豪族に高値で売り飛ばす。その為にはきっちりと『調教』もしておかないといけない」
得意気に語るのは商人ガイバンだった。
『調教役』となるスタッフ達に仕事をレクチャーしているのだ。
「だが、傷物にする訳にはいかない。痣や切り傷は商品としての価値を下げるからな……そういった行為は極力避けろ。大事なのは『心』を壊す事だ。なに、難しくはない。人の心は我々が思っている以上に、脆く儚いのだからな」
「どうすれば『心』を壊せるのでしょうか?」
「用意したマニュアルをまずは熟読しろ。何もやる気が起こさせないようにさせる。それは目に見える暴力じゃない。心で殴るんだ。心で切り刻むのだ。痛いかどうかは問題じゃない。痛いかもしれないという恐怖が、孤立無援という孤独が、救いは無いという絶望が、人の『心』を壊すのだ」
そのやり方はマニュアルに幾つか書いてあった。
というのも、ガイバンはこれまでの経験で、人には幾つかのパターンがあると感じていた。
脆い所を責めるのがもっとも効率的なのだが、そこは人によって違うのだ。
孤独に弱い者には孤独を、恐怖に弱い者には恐怖を与える――例えば、真っ暗闇の部屋。あるいは骸が転がっている部屋。もしくは、虫だらけの部屋に閉じ込める。
水や食料も普通のものではないし、不要な会話も避ける。
「もう一度言う。『心』を壊せ。命を奪わなければ殺人ではないのだ。罪にも問われない。むしろ……これは、慈善活動なのだ。社会の役に立たない者を我々が再教育して、必要な所へと送っているのだ」
ガイバンは優しさ溢れる微笑みをスタッフ達に向けるのであった。
解説
マスターより
リプレイ
「最初から傷物かよ。まぁ、この国じゃ、それが好みの奴もいるか……衣服で見えない場所に、傷を増やせ。これじゃ中途半端だ」
ルベア・ベルニの背に残る傷痕を見て、ガイバンが告げる。
割り当てられた牢獄に他の冒険者や被害者が居ないだけマシだが……ガイバンの無情な台詞にルベアは声を発する事すらできなかった。
(行先のない若い女性、労働力、奴隷……ここは王国で、私は半獣人なんだから……そう、よね……)
ガイバン達はルベアの肢体の爪傷のようなものを見て、虐待されていた半獣人だと思っただろう。種族差別が残る王国らしい発想といえばその通りだが。
奴らの一人が短刀を抜いて近づいてくる。
無力な女性と思われているのか、拘束具はまだ付けられていないので暴れる事は可能だが、強襲作戦を台無しにする訳にもいかないし、丸腰で勝てる見込みもない以上、無理はできない。
怪しく光る先端が自身の皮膚を切り裂くよりも、父の願いを無下にされてしまうのではないかという恐怖に、ルベアはギュッと目を瞑った。
シルヴィアが通されたのは完全な暗闇だった。
「食事を喰わない事への反省が必要だ。お前はここで頭でも冷やせ」
そう、ガイバンから言われ、牢獄の奥へと叩き入れられた。後方から鍵を閉める音が響く。
「私は働きたいだけ。こんな犯罪、領主が黙ってはいないわ」
「犯罪ではない。矯正だ」
淡々と言い残し、ガイバンが立ち去ると、二重三重に扉と鍵が閉まる音が響く。
どうやら、光や音が漏れないような特別室のようだ。
(傷ものにすると価値が落ちると言っていたから……大丈夫……なはず……)
自身にそう言い聞かせる。
この闇は傷ついた記憶を呼び起こすに十分だったからだ。視界はなにも見えていないはずなのに、子供の頃の恐怖が鮮明に浮かぶ。
――旅の途中に立ち寄った村。魔獣の群れの襲撃……村人に手を引かれ逃げる子。暗闇の中で、重い何かが落ちた。
ごとり、と……忌々しいほどの音と共に。
恐怖と無力さの中、助けがくるまでは短い時間だったのに、永遠ではないかと思うほど長かった。
(大丈夫……必ず、助けが来るのだから……)
黒一色の景色の中、シルヴィアはただ神経を研ぎ澄ませ続けるのであった。
人によって恐怖や絶望の種類が違う事をガイバンはよく熟知していた。服をひん剝いた程度では、傷物にした程度では、心を壊す事ができない人物も居るという事を。
「……ったく、手間掛けさせやがって。てめぇはそこからこれでも見上げてろ!」
「ま、まって、せめて、もう一口!」
シルク・メイプルリーフの懇願する声が空しく響いた。
粘性の高い液体を掛けられ、紐で縛り上げられた服がなまめかしい彼女に、あらゆる拷問は役に立たなかったが、観察眼鋭いガイバンが見破ったのは、シルクの食事に対する思い入れだった。
「これ以上、食わせる物もねぇ。というか、まだ食うつもりか!」
「お願いします!」
こいつは教育の必要がないのだな……とガイバンは判断した。
(早く売り飛ばそう……食費が掛かってしょうがない)
内心、そう思いつつ、シルクの懇願を無視して立ち去った。
残されたシルクは絶望と共に天井からぶら下げられた揚げパンを見つめる。ゆらゆらと揺らめきながら、揚げたて特有の香りが彼女を容赦なく襲う。
「た、耐えられそうに、ないかもです……」
そんな言葉を漏らすのであった。
ローザリカ・L・ディオールは後悔していた。
潜入の為に役作りをしたが、拉致された後、奴らに利用される事になったからだ。
奴らがよく通る廊下に面した鉄格子の牢獄で、ローザリカは両手を縛り上げられ、天井に繋がれていた。辛うじて足が届くように調整されたのは単に躰の価値が下がらないようにという『商品』への配慮だけだ。
はぎ取られた衣服が隅に無造作に広がっている。
(こんな輩に……見せてやるものでは、決してないというのに……)
美しい曲線を描く肢体のラインも、手入れを続けている肌も、甘い香りがする髪も……自身の全ては、彼のものなのだから。
廊下を抜ける奴らが見せる下卑た視線が、それだけで心に突き刺さる。
「無駄にでかすぎだ」
「俺はでかい方が良いな」
「どうせ助けはこないんだ。大人しく従えよな」
顔を背けるローザリカ。
足が僅かに着いているとはいえ、繋がれているせいで、体力も奪われていく。それでも、彼女は耐えていた。
彼が必ず助けに来る。それは絶対に信じられるから。
「……ジュスト」
小さく呟いた彼の名が、心の芯を支えていた。
●強襲
彼女に呼ばれた気がしてジュスト・ヴェルジーは強襲目標となる屋敷に鋭い視線を向ける。
(……幾ら仕事とはいえ、ロゼをなんて目に)
絶対に許さないと言った内心は、決して表に出さず平静を装っているが、オーラが全身から放たれているのは、彼の激情な一面か、はたまた未熟な一面か。依頼開始直前、彼女に耳元で囁かれた台詞が今も耳の奥に残る。
そんな彼の隣にティトリー=R=アルバートが並び立つ。
「心配……ですね。いや皆さん僕よりもずっと頼りになる方々ですが、潜入調査は危険なものですから」
嫌な予感もするが、声には出さなかった。
突入開始時間まで後僅かな事を確認し、ネーヴェ・グラヌローザとエル=バ=ノイアンの二名は音を立てずに抜刀した。
「組織の壊滅を目指すと共に、主犯格にはきちんと法の裁きを受けて頂きたく、可能であれば殺さず生け捕りとしたいところですが……」
「危険な任務だからな……潜入班の状況をいち早く把握しておきたいところだ」
拷問なのか意識を失ったのか、テレパスが通じなくなっているのだ。
作戦の総指揮を執るイェルドが険しい表情を浮かべ、冒険者達に視線を向ける。
「包囲の展開は俺が必ず敷く……だから、もう行け!」
ジュストは深く頷くと杖を力強く握った。
「分かった。ノイアン殿、前衛を任す」
「任された。俺にとって盾役は慣れた動きだからな」
先頭を託されたノイアンが踏み出す。その斜め後ろにネーヴェが続く。
ヒーラーである彼女は少なくとも、キャスターの二人よりかは前衛向きだからだ。必要に応じ前衛役と回復役を兼ねる事になる。
「突入と同時に支援魔法を順番に掛けます」
「はい。一気に突破して……早く助けましょう」
ネーヴェの予告にティトリーがそう応えるのであった。
屋敷まで一直線に駆け抜け、見張りを勢いごと吹き飛ばし、4人はアジトの中に入った。騒ぎを聞きつけ、入ったすぐの広いロビーで人身売買組織の連中が冒険者達を取り囲む。
ガイバンが余裕めいた表情で杖を振るった。
「馬鹿め! その人数で何ができるか! 全員捕らえろ! 男も顔がよければ売れるからな!」
「掛かって来い! ただし、俺を倒せる自信がある者からなっ!」
ノイアンが大上段に白龍丸を掲げ力強く叫ぶ。
下手人共の多くが彼に殺到するが、力量差は明らかだった。繰り出される槍や飛び道具を無駄のない動きで捌き落としていく。
(彼女は、度胸あるが繊細でもある……心配だが、嫌になるな……彼女を最優先にできないのは……信じてはいるけれど……シルヴィア)
掠めた槍先と無視しながら、ノイアンは心情を吐露。ガンっと強く踏み込むと共に白龍丸で周囲の雑魚共を薙ぎ払った。
一気に部下の数が減ったが、授恵者らしき野郎共が一斉に攻撃を繰り出してくる。その為、ネーヴェがフォローに入った。
「ノイアンさんを先に落とすおつもりでしょうが、させないです」
攻撃が集中したノイアンに回復魔法を掛けつつ、敵シーフの攻撃に対して、エーテルを纏わせた盾で防ぐ。最優先は戦線を維持する事だと、ネーヴェはよく理解していた。
「屋敷は既に王国騎士によって包囲されています。大人しく降伏するべきでございますわ」
「王国騎士だと? 証拠も無いのに無駄な事だ!」
どうやら冒険者達の潜入は発覚していない。
人質を取られる可能性がないので、一気に攻め立てる絶好の機会だ。ネーヴェは後方のティトリーに視線を向けて合図を出した。
「私の魔術の練度はそれほど高くないので、突入支援に徹して……あれ、今何かすごい勢いで……ああ、流されていってる……」
注ぎ込まれているエーテルを受け、ティトリーは横に並ぶジュストに意識を一瞬だけ向ける。
アタッカーであるキャスターには冷静さが特に求められる。それは効率良く敵を撃破する為に最適な魔法を行使しなければならないからだ。つまり、キャスターとしての実力に秀でている彼の側面支援する事が、今求められているのだろうし、期待されているのだろう。
「光の子よ、回れ。舞え。集え。無数に降り注ぐ、力ある雨となりて、敵を貫け! 光弾!」
ティトリーの周囲に発生した多数の光弾が雑魚を巻き込んだ授恵者共に襲い掛かる。
威力が特段に高い訳ではない。けれど、敵の注意を引き、隙を生じさせるには十分だった。
なぜなら、ジュストの強大無比な魔法が直後に放たれたからだ。
「悲しみに振れ、哀しみに奏で、命を裂く唄よ、響いて舞え。我が眼前に立つ不遜な者共に見えざる浄罪を爆ぜろ! 翠風挽歌!!」
激情が入り混じった詠唱と共に、不可視の波紋がガイバンを中心に巻き起こり、広範囲に爆発。エーテルの衝撃が一帯を襲った。
手加減する気などなかった。屋敷に入った瞬間、耳に届いた……いや、耳からなのか、テレパスなのか分からないが、確かに彼女の声が聞こえたのだ。
自分の名を呼び、助けて求める声が……。
「もう少しだけ待っていて。早く綺麗にしてしまうから」
ジュストの顔は理性的な笑顔を魅せていた。
その聖人みたいな笑顔に恐怖を覚えながら、ガイバンはエーテルの奔流に吞まれていくのであった。
●心偲
人身売買組織を打ち倒し、生き残った僅かな連中共をイェルド達に託して、冒険者達は見つかった地下空間へと駆け下りていく。
「助けに参りましたわ。もう大丈夫です」
ネーヴェが被害者を見つけ出して手を取りながら優しく声を掛ける。辛い目に遭って怯えた心に少しでも寄り添えるようにと思っての事だ。
幸いな事に心を完全に壊された者はまだいないようだった。
地下空間は広く碁盤の目のように広がっており手分けして探しているが暗闇の中で声も出せずに怯えている被害者を探すのは大変だった。
いち早く拘束から解かれたシルクも手伝って、次々に囚われていた若い女性達を保護していく。
「預けていた武器は役に立たなかったけど、回復なら手伝えるのです」
「シルク様も……その、大丈夫でございますか?」
ぬるぬるの液体を掛けられ、縄で縛られていたわりには元気な様子だった。
「大丈夫です。救いを求める人に手を差し出す事こそ、私の役目ですから」
誇らしげに豊満な胸を張って答えた彼女の口元には、揚げパンの欠片がついたままだったけれど。
暗闇の中、微かに感じられる気配とテレパスを頼りにノイアンはシルヴィアを抱き締めた。
「俺だ、落ち着け」
攻撃する素振りを見せたのは一瞬の事。防音対策が施された奥の部屋では、強襲の状況が分からず、彼女は魔法で光を灯さずに耐えていたのだ。
「……他の被害者や仲間達は?」
真っ先にその事を確認してくる辺り、彼女の真面目で真摯な姿勢がとても感じられる。
同時に、ノイアンにとっても、そこは『信用されている』事だと理解していた。誰よりも真っ先に駆け付けたい気持ちがあるが、それをシルヴィアが承知しない事を知っているから。
それでも、大切に思う気持ちが少ない訳ではない。
気を張っていたシルヴィアの肩の力が抜け、全てをノイアンに委ねてきた。安心させるように抱きしめている腕に力を込める。
「皆は大丈夫だ」
「なら、良かった……」
落ち着いた様子でも離れようとしないシルヴィアの耳元でノイアンは小さく囁く。
「しばらくは一緒に寝るか?」
「……馬鹿」
シルヴィアは照れ隠しのように顔を背けて短く応えるのであった。
おどおどしながらティトリーは一つひとつの牢獄を確認していた。
「あ、あの……僕、怪しいものじゃありません! 助けにきました! って、ルベア嬢、ここに!」
「待ってたわ。この人に掛ける物を」
ルベアは冷静に周囲の状況を確認し、牢獄を脱出すると他の被害者をいち早く救出していたのだ。女性にブランケットと甘いものを渡し、他の仲間に保護をお願いする。
そうやって、助けられていく人達を見守りながら、ティトリーは不意に言葉を紡いだ。
「……心の傷は魔法では癒えませんし、怖かったと思います。ルベア嬢は大丈夫でしたか?」
「怖かった? ……そうかもね。ただ、もっと、どうしようもなくなるんじゃないかって気もしてたかな……助けてくれて、ありがとう」
微笑を浮かべてルベアは答える。ティトリーは恥ずかしそうに杖を抱き締めた。
「貴方は……私にとって……。あっ、僕が勝手に思ってるだけなん、ですけど……」
とてもかっこよくて、素敵で、傷つけられたくない人だと、種族や身分関係なく大切にしたい友人であると、告げた。
そんな風に言われるのが慣れていないせいか、ルベアも恥ずかし気に視線を外す。
「褒め過ぎな気もするけど……でも、大切にしたいって言ってくれるのは嬉しいかな」
「押しつけがましいかもしれませんが、大事にしたい繋がりだと……思って、ます」
不安そうに姿勢が小さくなるティトリーの背をルベアは軽く叩いて応える。
「……私の方こそ、そう思ってるわよ」
その笑顔は暗い地下空間で一際、輝いているようでもあった。
天井に繋がれていた縛めを解き、彼は彼女の躰を受け止めると、マントで覆い、抱き締める。
「よく頑張ったね」
幼い子を扱うような態度は、いつもなら怒られていただろうが、そんな様子は見られなかった。
今はどうか……強がらないで欲しいと彼は思う。
「ゆっくり休んで。話は後でいいから」
その台詞に彼女は彼の胸板に顔を埋めながら首を小さく横に振った。
「……ただ、傍にいて欲しい」
きっと彼は休んでいる間も傍に居てくれるだろう。それでも、言葉に出したかった。彼がこんなにも近く感じられるのだから。
「もちろんだ、ロゼ……」
彼の言葉と共に力が込められた腕は――僅かに震えているようだった。
(あぁ……そう、なんだ……心が壊れそうだったのは……)
彼の方だったのだろう。
彼女はただ彼が助けにくる事を信じていれば良かった。けれど、彼は彼女が無事である事を祈るしかできない立場にあったからだ。
今なら素直に幸せを感じられる。彼は私のために、こんなにも必死だったのだから。
「……ジュスト……ジュスト……ジュスト……ジュスト……ジュスト……」
甘えるよう、ただひたすらに彼の名を繰り返す。
いつもは軽口を言われる所だろうが、彼はただ何度も頷いてくれるのであった。
抱き合う二人が愛の言葉を囁き合うのは……今、必要ないのだから。
マスターコメント
ショートシナリオR難しい 報酬:多い8 / 4〜8人
2022年09月04日 23時55分50秒 公開
相談掲示板
No.1
シスターシルクと申します おもしろそうなことをなさっていますね。 ちょっと潜入してみたく思います
キャスターのジュストだ、よろしく。 男ということで必然的に【脱出援護班】になるかな。 敵の生死問わず、強襲ということで火力高めにしていくつもりでいるよ。 ……元より手加減するつもりはないんだけれど、【潜入調査班】の状態によっては少し手に力が入り過ぎてしまうかもしれないな。
ヒーラーのネーヴェ・グラヌローザと申します。 単独での依頼参加は久しぶりになります。 色々と勝手を思い出しながらになりますので、皆様方にはご迷惑をお掛けしてしまうかもしれませんが、精一杯努めて参ります。何卒宜しくお願い致します。 今回は女性の割合が多いようですし、メンバー的にも今のところは【脱出援護班】に回る方が都合宜しいかなと考えておりますが、何か浮かべば潜入班に切り替えるかもしれません。どのみち失敗すれば強襲班に編入されますから、潜入の手は多くてもいいのかな、と。 ともあれ、生死問わずと言うことですので火力高めに、且つサポートも出来るように致しますわね。個人的にはこの場で殺めてしまうより、しっかりと裁きを受けて頂きたく。
ヒーラー、この依頼をリクエストしたローザリカだ。 参加してくれた皆へ感謝を。 さてさて、思いのほか厄介な相手だが……野放しにして良い輩ではないのは明白だ。 裁くため生かすのも、うっかり力加減を間違えるのも僕はどちらも止めるつもりはないかな。 役割については【潜入調査班】として動きたいと思っている。 ネーヴェ君が言ってくれているように必ずしも成功するとは限らない以上、 潜入の手は多くて構わないと思うし各々やりたい役割で臨んで貰えたらと思う。 男性諸君には手数をかけるが……その、なんだ。頼りにはさせて貰おう。
ローザリカ、魅力的な依頼へのお誘いありがとう。 ヒーラーのシルヴィアだ。今回はよろしくね。 【脱出援護班】となる男性が三人いるし、ネーヴェが言ってくれたように潜入に失敗する可能性もある。【潜入調査班】の手は多くて良いと思うよ。 敵さんの処遇については、王国法で裁きたい所ではあるけれど……まぁ戦いの間にうっかり力加減を間違えたり悲しい不運に見舞われたりというのはよくある事だ。『心』を壊す拷問とのことだから展開次第では私自身もどんな動きになるか分からない……かも。だから各人にお任せするよ。 私は【潜入調査班】として潜入を試みるよ。 【脱出援護班】には手間を掛けてしまうだろうけど、どうかよろしく頼むよ。
後輩たちの危機を察しまして…ティトリー=R=アルバートです…!よろしくお願いしまふっ(ガチッ …イタタ… 私は男なので…男です!なので、【脱出援護班】に回らせてもらいますね。できれば今までの悪事を詳らかに…そして、これまで被害に遭われた女性らの足取りをしっかり掴んで、ケアに繋げていきたいですね。
シーフのルベアよ、宜しく。 美女…かどうかは知らないけど、人手が多い方が良いって言うし私も【潜入調査班】の方かしらね。
ウォーリアのノイアンだ。お誘いありがとう…と、よろしく頼む。これで全員顔出しはできた、な。 【潜入調査班】はシルク、ローザリカ、シルヴィア、ルベア。 【脱出援護班】はジュスト、ネーヴェ、ティトリー…と、俺、だな。 もろもろ移動したいとかがあれば適宜更新してほしい。 ・人の背丈を越える武具やペット等は持ち込めない ・他に捕らわれている女性数名の保護 援護班は以上のことに留意したいな。地下室への入り口はサクッと見つかるようだから…
No.9
いちおうテレパスを所持していくので外部の方はよろしくおねがいします
俺もテレパスは持った。 【脱出援護班】は犯罪者たちを無力化したら人質救出、の流れになると思うけど。 でも戦闘に余裕あるなら誰か一人は人質の救出に回って貰っても良いかも。 一応アーケインストリームで複数人の動きは同時に鈍らせることは可能。 狭い通路はタイダルで一気に道を拓いて、開けた場所に複数いたら範囲識別の真・空間爆砕かメテオライト。 タフそうな奴は魔弾使用を考えている。 とりあえず俺とネーヴェ殿、ティトリーで数は一気に抑えられるがその分守りは心許無い。 ノイアン殿しか前衛がおらず、負担をかけてしまい申し訳ないがよろしく頼む。
守りは任せてほしい。盾役は慣れた動きだからな。いざというときは自分でリカバリーができるようにもしておこう。 汎用スキルは調整中なんだが…テレパスは決まっている感じだな。俺が攻撃を引きつけている間に、頼む。
前衛の件ですが。ジュスト様とティトリー様はキャスターで、守りの面は確かに心許なく感じます。故に、私も前に出るつもりでおりました。 面攻撃はキャスターのお二方にお任せ致しまして、私は皆様が攻撃に集中出来ますよう、回復主体の動きを取るつもりでおります。 もし戦闘に余裕があるようでしたら、私が人質救出に回りましょう。囚われているのは女性ばかり、であれば同性である私が向かった方が安心して頂ける可能性は高いかと。 一つ考えていることがあるのですけれども、潜入捜査班の方々の武器を予めお預かり致しまして、【マジカルポケット】に格納して持ち込むことは可能なものでしょうか。 もしこれが出来そうであれば、汎用の一枠はマジカルポケットにしようかと思うのですが……。 もう一つの汎用スキルにつきまして、被害に遭われた女性達の心のケアを致したく、今回は【洞察】を持ち込むつもりです。 もし【マジカルポケット】が不要ということであれば、持ち込む汎用スキルを再考致しますわね。
No.13
可能であれば武器を預かってもらえるとありがたいですね
でしたら私の汎用2枠目は【マジカルポケット】に致しますわね。 武器を預かる旨は私のプレイングに記載致しますが、各自プレイングにもネーヴェに武器を預ける旨を記載して頂けますと、確実かと存じます。 ワールドガイドにて、無断で預かることは出来ないと明記されておりますので…… どうぞ宜しくお願い致します。
ギリギリになってしまって申し訳ない。 ネーヴェは潜入調査班の武器について気にしてくれてありがとう。お言葉に甘えて、私の方でもプレに「ネーヴェに武器を預ける」と書かせて貰うね。どうかよろしく頼むよ。 私の汎用スキルは演技とテレパスの予定だ。