『女狐』の神具

真柄 葉

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シナリオID:1998

オープニング

 ロスガリア大陸には古の時代に造られていた、古代の道具が多数存在する。
 現代では再現不可能といわれる技術を用いて造られたそれらを、総称して『神具』と呼んだ。

 そして、ここに『神具』と呼ばれるものの一つがあった。

「本当にいいんだね?」

 瞳に鋭い光を湛える女性が問いかける。

「も、もちろんだ。私の目利きに間違いはない……!」

 対するのは丸々と太った豚の様な体形の男。貴族の真似でもしたいのか、上質な衣装を身にまとい、体中に成金趣味丸出しのアクセサリーをぶら下げていた。

 そして、この二人の間に置かれているのが、緻密な細工が施された金の天秤だった。
 天秤は窓から差し込む光を受け、怪しく光り輝いている。

「それじゃ、品を見せてもらおうか」

 女性に言われ、神妙に頷いた男が太い指から指輪を一つ抜いた。

「これこそが、私が手に入れた『魔道の指輪』! どうだ感じるだろう、この膨大なエーテルを! そして、この吸い込まれそうなほど赤く輝く澱宝石! そうだ、こんな物、現代の技術で作れるわけがない! まるで『神具』だとは思わないか! いや、これが神具でなくて一体何だというのだ!」

 男が早口でまくしたて、血のように赤い宝石が嵌ったシルバーリングを掲げる。

「ふっ、大した自信だね。よほど苦労したと見える」
「はんっ、何を言うか! 私にかかれば、この程度の品を手に入れるなど容易い!」

 女性が送る同情の視線を、男は跳ねのけた。

「そうかいそうかい。それなら惜しくはないね?」
「ぐっ……それよりも、ちゃんと証明してもらえるんだろうな!」
「ああ、もちろんさね。この『天秤』に認められた品として、我々セルッティ商会がその名を持って証明し、鑑定書を発行させてもらうよ」

 女性――ヴィルジニア・テレーザ・セルッティの余裕に満ちた笑顔に、男は憎々しげに顔を歪ませる。

 丁度二人の間に置かれた天秤。その名を『果断の天秤』という。
 セルッティ商会主ヴィルジニアが所有し、全ての真贋を見破ると言われる『神具』だ。

「さぁ、いつまでそこに突っ立っているんだい? まさか、アンタ程の男がここまで来て『やっぱりやめる』なんて、玉の小さなことは言わないでおくれよ?」
「あ、当たり前だ!」

 平然と煽ってくるヴィルジニアに、男は唾を飛ばし天秤へと向かう。
 そして、男は大きく息を吸い込むと――。

「『果断の天秤』よ、私は宣言する!」

 部屋に響き渡る大声を上げると、持ち込んだ指輪を片方の皿に乗せた。
 男が乗せた指輪の重さで、天秤は左に傾く。

「この指輪こそ炎神ボルガニスクの加護を受けし『魔道の指輪』であり、唯一無二の品である! さぁ、天秤よ、その力を持ってそれを証明せよ!」

 天秤が左に傾ききったことを確認した男は、高らかに決まり文句を謳い上げると、もう一方の皿に『真実の分銅』と呼ばれる重りを乗せた。

 天秤が揺れる。

 二つの皿はゆっくりと近づき、水平で停止しすると――――右へと傾いた。

「なっ!? ま、待てっ!!」

 男が焦って手を伸ばすも、もう遅い。皿は傾き続け、ついに右へと傾ききった。

「はは、残念だったね。その指輪は『魔道の指輪』じゃない。――いや、無かった」

 右手を突き出したまま膝から崩れ落ちた男を見下ろし、ヴィルジニアは残っていた『真実の分銅』を皿から下げる。

 見下ろしながら、ヴィルジニアは、右の皿に乗っていた『真実の分銅』に下ろした。

「さ、詐欺だ! 今、そこにあったのだぞ、いきなり消えるわけがない!! そうだ! お前が魔法か何かで隠したのだろう! この薄汚い女狐めが!!」

 男は両の皿とも空になった天秤を指さし、口汚くヴィルジニアを罵る。
 そんな看過できぬ男の態度に、奥に控えていたヴィルジニアの部下達が動こうとするが――。

「いいよ、好きに言わせてやりな」

 彼女は小さく手を上げて、それを制した。
 そして、ヴィルジニアは机を回り男の前に立つと――。

「アタシは言ったはずだよ、偽物であれば消滅すると。その覚悟があるのなら乗せればいい、と」
「ぐっ……! くそっ、覚えていろ! この代償は高くつくからな!!」

 長身の彼女に見下ろされ、男は逃げるように部屋から退室していった。

「ふんっ、塩でも撒いときな」

 男を見送ったヴィルジニアは、そう部下に言うと神具の置かれた部屋に併設された私室へと下がる――――。

●

「はぁはぁ……」

 ドアを閉めるなり、ヴィルジニアはその場へとへたり込んだ。

「流石に……こたえるね」

 完璧な防音処理が施された私室に、苦しげな声が響く。
 神具を使った後は必ずこうだ。神具という人の手に余る代物を相手取る代償なのだろう。

「だけど、まだだ……こんな事でアタシは――」

 極度のエーテルの枯渇現象に見舞われたヴィルジニアは、何とか体を起こすとドア近くのチェストの引き出しに手をかけた。
 音もなく開いた引き出しの中から薬瓶を取り出すと、その中身を口に含む。
 チェストの上に置かれた水差しからコップに水を注ぐと、一気に煽った――。

●数日後――

「ふんっ、見た目通りの小者だねぇ」

 部下から上がってきた報告書を、机脇の火種に投げ入れ焼却すると、ヴィルジニアは呼び鈴を鳴らした。
 すぐに控えの部屋から部下が顔を出し、頭を下げる。

「またですか」
「ああ、またいつもの逆恨みさね」

 うんざりする部下に向け、ヴィルジニアは同情する様に肩を竦めた。

「それではいつものように処理いたしましょうか」
「ああ、そうしてくれるかい。二度とそんな気を起こさないように、徹底的にだ」

 部下にそう告げつつ、火種の中で燃える報告書に視線を送ったヴィルジニアが、ふと何かを思いつき視線を戻す。

「いや、待ちな」

 『準備』の為に部屋を出て行こうとした部下を、ヴィルジニアが呼び止めた。

「準備はなしだよ。そのままギルドへ向かっておくれ」
「ギルド……まさか冒険者ギルドですか?」
「ああ、そうさね。リブラネスタが誇る冒険者ギルドへ向かうんだ。そして、こう依頼してきておくれ。天下の至宝『果断の天秤』が賊に狙われている、助けて欲しい。とね」
「しかし……」
「はは、アンタの心配もわかるさね。冒険者などに大切な神具の護衛を任せるのか、と言いたいんだろう?」

 無言で頷く部下を、ヴィルジニアは頼もしく思う。

「それでもさね。今のアタシ達には冒険者の力が必要なのさ」

 そんな部下を安心させるよう、普段は滅多に見せる事のない柔和な笑みを浮かべ、ヴィルジニアは部下を送り出した――。

解説

●目的 襲撃者から神具を護ってください。 ●場所 リブラネスタにあるセルッティ商会本館。 3階建ての石造りで、ちょっとした貴族の屋敷程の大きさがあり、建物中央に中庭を抱えた『回』のような形をしています。 神具が置かれているのは建物の2階。ヴィルジニアが執務室としても使う部屋にあります。 部屋は2階の南東にあり、壁には鉄材を用いるなど、部屋自体がまるで金庫の様になっています。 ただ部屋には窓もありますので、外部からの侵入も警戒する必要があるでしょう。 ●人物 ヴィルジニア・テレーザ・セルッティ 『女狐』の異名をとる程の大胆不敵・厚顔不遜な女性であり、ヴィルジニア商会の主にして、リブラネスタ市長。同盟領の代表をこなす事もあります。 神具『果断の天秤』所持者。 ●神具 『果断の天秤』 全ての真贋を見抜くと言われる神具。 天秤に真贋の判別をしたいモノを乗せ、『宣誓』と共に『真実の分銅』を乗せれば、その傾きによりモノの真贋がはっきりする。 この天秤の前で偽造や贋作は無意味であり、もしそれらを試そうものなら、この世から消滅せしめる力を持っている。 ●補足 襲撃の情報は、ヴィルジニアが大陸中に張り巡らせてある情報網に引っかかり知られることになりました。 襲撃者に対する作戦は二通り。 本館で待ち伏せるか、敵のアジトへ乗り込むかです。 ヴィルジニアの情報網はかなり強固なので、街の3か所にあるアジトの存在をすでに察知しています。 襲撃者の正確な数までは残念ながら把握できませんでしたが、その構成員には多数の授恵者が混じっていると予想されています。 ちなみに敵のアジトは『教会の裏にある小屋』『港の倉庫』『宝飾店の二階』です。 また、ヴィルジニアは噂の操作を行う事が出来ますので、襲撃者の耳に届くよう噂を流す事も可能です。 例えば「三日後の深夜、警備が手薄になる」とか「明日の正午に『天秤』が本館から運び出される」とか。 とにかく、もう手を出す気が起きないように、コテンパンにやっちゃってください。

マスターより

お世話になっております。真柄 葉と申します。 なんと今回のシナリオで、100シナリオを達成する事が出来ました! これも全てシナリオへご参加いただける皆様のおかげです、本当にありがとうございます! そして、100シナリオのメモリアルという事で、新NPCのお披露目をいたします! 「新」とは言いましたが、お披露目するのは皆さんもご存知『ヴィルジニア・テレーザ・セルッティ』です。 この度、セルッティ商会主にしてリブラネスタ市長である彼女をお預かりしましたので、紹介すると共に、これからも定期的に彼女にまつわるお話をご提供できたらと思っております。 そして、今回のシナリオで彼女の持つ神具もお披露目しています。 彼女の力の一端となる神具共々、これからもよろしくお願いいたします! (※以前のシナリオのOPでちょくちょく顔を出していたのは彼女です。色々計画しているようなのでお付き合いください。もちろんPL情報ですが) シナリオで不明な点がありましたらヴィルジニアが答えしますので、相談掲示板で「Q:」でお伝えください。 これからも200シナリオ300シナリオを目指し頑張って参りますので、今後ともよろしくお願いいたします!

リプレイ

 その『稼ぎ』を象徴するかのような一際立派な建物がある。
 重厚な石造りで三階建ての威容を誇るこの建物は、リブラネスタの豪商ヴィルジニア・テレーザ・セルッティを主と仰ぐセルッティ商会の商館であった。

「ヴィルジニア女史に直接見(まみ)える幸運を神に感謝しよう」

 その尊大な口調とは裏腹に優雅に膝を折って見せるローザリカ・L・ディオールが、ヴィルジニアに名乗る。
 執務室に集められた冒険者達は、依頼主である彼女と対面していた。
「ああ、こちらこそよろしく頼むよ、イカれた天秤の寵児殿」
 貴族の礼に則った挨拶をするローザリカに、ヴィルジニアは不敵に笑う。
「その名は……僕の事を知っておいでなのか」
「ふふっ、どうだかね」
 驚くローザリカから視線を巡らせ、ヴィルジニアは他の冒険者達を見た。
「ヴィルジニアさん、この『果断の天秤』を試してみたいです!」
 と、天秤を前に目を輝かせていたルアンナ・ミュラーがヴィルジニアに話しかける。
「ほう、これを使いたいのかい?」
「はいっ! 偽物は消えるんですよね? 私が手作りしたメロンパンを乗せて『これはリーンエス王国のパン屋で買ったメロンパンです!』ってやってみたいです!」
「なるほどねぇ。もちろん構わないさね」
「本当ですか! やったー!! ……って、その手はなんでしょう?」
 ヴィルジニアの承諾に喜ぶルアンナだったが、彼女が伸ばした手に首をかしげた。
「何と言われても、天秤を使うんだ、『対価』を差し出すのは当然だろう?」
「えっ!? お金とるんですか!!」
「おやおや、商人相手にタダで取引しようなんて思っていたのかい?」
「うっ……ちなみに、おいくらくらいでしょう?」
 肩をすくめるヴィルジニアに、ルアンナは恐る恐る問いかける。
「そうだね。特別にこれでいいさね」
 そう言って、ヴィルジニアが立てた指は1本。
「ひ、100……は少ない? 1000Gですか……?」
「ははっ、嗤えない冗談を言うもんじゃないよ。桁がもう二つ違うさね」
 完全におびえるルアンナに、ヴィルジニアは凄艶な笑みを向けた。
「本来なら更にその倍は貰う所だけど、冒険者とはこれからも友好的な関係を築きたいからね。まけておいてあげるよ。さぁ、どうする?」
 と、問いかけるヴィルジニアに、ルアンナは首をぶんぶんと横に振る。
「真実など曖昧なものを乗せる割には、随分と暴利ですね」
 そんな二人の会話を耳にしつつ、グレイブ・ヤードは『果断の天秤』を眺めていた。
 彼は考える。この壮絶な力を持つ神具は一体何のために造られたものなのか。
 物の真贋など、必要とするのはごく一部の人間だけだ。そんな馬鹿げたものを計り、あまつさえ消滅せしめる力を持ったこれには、一体どんな意味が込められているのか。
 あるいは、『紛い物』を見極めるために神々が遣わした物か――。
「どんなものであるにせよ、それに価値があるのなら対価を求める。何も難しいことはないさね」
 そんなグレイブの呟きを聞いたのか、ヴィルジニアが声をかける。
「……俗物的な考えですね。いえ、別に貴方を否定しているわけではありませんので、悪しからず」
 グレイブは最低限の謝罪を述べると、ヴィルジニアと天秤から離れた。

「しかしまぁ、それだけの『対価』を払う程、この神具とやらには価値があるのだろうな。特に彼女の様な商人には」
 と、グレイブに代わり天秤を眺めていたシグルド・オルセンは、ヴィルジニアをちらりと見る。
「価値ですか。本物かどうかを見極めるだけのものに、私はそれほど価値があるとは思いませんけど」
 そんなシグルドの呟きに、エルファリアが応えた。
「そうか? 本物がわかるのは便利だと思うが……まぁ、なんであれ、一つの真実がわかってしまうのは怖い物ではあるな」
「そういうものでしょうか。そもそも真贋なんて気にしなければいいと思いますよ。使えるかどうかに本物かどうかなんて関係ありませんし」
「はは、それもまた真理だな」
 淡々と否定するエルファリアにシグルドは苦笑する。

「神具にどれほどの価値があるかは知らんが、この程度の依頼で同盟の重鎮と縁を結べるのは悪くない報酬だ」
 と、隅で隙無く部屋の様子を窺っていたベルク・オスマットは呟いた。
「なんだい、アタシと縁を結びたかったのかい?」
 そんな呟きが聞こえたのか、ヴィルジニアはベルクに歩み寄る。
「ふん、我ではない。我が主の事よ」
「主? ああ、確かアンタは――」
 と、ヴィルジニアはふんと視線を逸らすベルクを舐めるように見た。
「ふふっ、どうやら知らないようだから教えてあげるよ」
「なに?」
「――――落ち延びて来たレイウェストを庇護したのは、アタシさね」
 ヴィルジニアの物言いに鋭い眼光を向けて来たベルクの頬がピクリと揺れる。
 それは公然の事実だ。
 しかし、彼女が何故わざわざそれを口にしたのか、わからないベルクではなかった。
 ヴィルジニアはこう言っている。『帝国に多大な貸しがあるのは自分だ』と。
「貴様、殿下の御名を呼び捨てにするとは……」
 ベルクはそこまで口にしてやめた。この女が『女狐』と呼ばれる所以と、敵対すべき相手かどうかを。
「……いや、なんでもない。依頼は滞りなくこなそう。それでいいのじゃろう?」
「ああ、それでいい。頼りにしているよ」
 再び視線を逸らせたベルクに、ヴィルジニアは満足げな笑顔を向けた。

「ふむむ……。これじゃ、一般不審者は入るのは難しそうですね」
 渡された本館及び周辺の地図、そして警備状況の資料を眺めつつエルナ・クルプファルツは唸った。
 エルナは外部から侵入できる経路や、潜伏できる場所など自分がもし襲撃者であったらと、何度も資料を眺めるが、その隙が見当たらない。
「仮にもリブラネスタの長がおいそれと賊に弱みを晒すわけにはいかない。と言ったところでしょうか?」
 そんなエルナの返しに、ヴィルジニアは無言で不敵な笑みを浮かべた。
 それは立場故の警戒であり、自信なのだろう。
 難攻不落の要塞。常に命の危険にさらされる者が心安らげる場所。
 それを作るために、ヴィルジニアはこの建物に一切の妥協を許していないのだ。
 エルナは感心半分憐れみ半分にヴィルジニアを見つめる。
「ここが頑強な砦である事は十分にわかったよ。それに加えて、俺達が警戒に当たる事で『天秤』の安全を万全なものにする。今回の依頼はそういう事だろう?」
「ああ、そうさね。今回の奴等も、そしてこれからの奴等も二度とそんな気が起きないように、完璧に潰しておくれ」
 海神・江流に問われ、ヴィルジニアは口元に弧を作った。
「潰すのはかまいませんが……そうですか、逆恨みですか」
 そんな会話を聞きバンビが呟く。
「偽物をつかまされた自分が悪いのに、嘘が看破されたから責任転嫁とか恥ずかしすぎますわね。そんな小者、魔導書の角に頭をぶつけて死んでしまえばいいのですわ」
「ああ、まったくだ。俺もそう思うよ。でも、そんな物分かりのいい人間ばかりじゃないってのも確かだからな。おかげで仕事が減らない」
 ぷりぷりと憤慨するバンビに、江流は肩をすくめて応えた。

「そろそろ計画を練るぞ。皆集まってくれ」
 そう言ってシグルドが皆に声をかける。
「まず、襲撃者が来るタイミングだ。こちらの都合のいいように調整できれば――」
 戦術眼を持つシグルドがまとめ役となり、作戦の詳細を詰めていく――。

 資料を基に冒険者達が立てた作戦は、大きく二つ。
 三つあるアジトの一つを潰すと同時に、この本館で残りの敵を迎え撃つというものだった。
 アジトを襲撃するのは、いくら潜んでも無駄だと悟らせるため。
 本館で迎え撃つのは、襲撃者程度がいくらきてもこの強固な守りは揺るぎもしないと知らしめるため。
 もちろん、それをお膳立てする冒険者の能力があってこその作戦だ。

 ヴィルジニアは組み上がっていく作戦内容を、少し離れた場所からじっと聞いていた。
「なぁ、市長さん。天秤の偽物(レプリカ)とかねーかな。本物を囮にするのは流石に危険だと思うんだわ」
 と、そんなヴィルジニアにサイラスが問いかけた。
「ああ、あるよ。幾ついる?」
「幾つって、うへ……一個でいいわ」
 不敵に微笑み答えたヴィルジニアに、サイラスはうんざりと舌を出す。
 それはこういう事(逆恨み)があると日頃から想定していなければ出ない答えだ。サイラスは呆れると共に、指を一本立てた。
「すぐに用意させるよ」
 そんなサイラスの反応を面白そうに見つめるヴィルジニアがすぐに部下を呼んだ。
「ヴィルジニア女史、少しいいだろうか」
 サイラスに代わりローザリカが声をかける。
「女史は『噂』の操作も可能だと聞いたが、今回はその情報網も使わせてもらえるのだろうか」
「ああ、もちろんさね。それで、『どんなもの』を『誰』に向けて『どの規模』で『いつ』流したいんだい?」
「……そうだな」
 ヴィルジニアの自信に満ちた返しに、ローザリカはそこまでの情報操作が可能なのかと内心動揺した。
 もちろん、そんな感情を表に出す程、ローザリカも未熟ではない。
 彼女は思考するふりをしつつ間を置くと、改めて口を開く。
「では、こういう噂を――」
 ローザリカの語る計画に、ヴィルジニアは小さな笑みを湛えたまま静かに耳を傾けた。

●

『セルッティ商会本館で、王国のとある貴族が「果断の天秤」を交えた重大な商談に臨む』

 その日、リブラネスタに流された噂は、瞬く間に広がった。
 ある者は、新たな挑戦者か! と沸き立ち。
 またある者は、また貴族の道楽か、と呆れ。
 そして、また別の者は――。

『――明日の朝か。間違いないんだな』
『はい、既に街中で噂になっています』
 港に数ある倉庫の一つ。『借主募集』の看板が下げられた空き倉庫に、蠢く気配があった。
『罠の可能性は』
『街の端にある宿に貴族が滞在しているとの情報が。タイミング的にも明日の商談に臨む貴族かと』
『……よし、その商談を狙う。他の仲間達にも伝えろ』

「……なーんて会話が繰り広げられているんですかね?」

 そんな倉庫を見つめる目。
 その一つ、ルアンナが遠巻きに倉庫を見やりながら呟いた。
「ご明察。まさにその通りの会話が繰り広げられていましたわ。後ついでに言えば、天秤を使う時は護衛は中に入れない。襲撃はそのタイミングしかない。とも」
 そんなルアンナに、バンビが淡々と答える。とっても耳のいい彼女には倉庫内の賊たちの会話が筒抜けだった。
「なんといいますか、模範的(テンプレ)な襲撃者ですね。まぁ、わかりやすくて助かりますけど」
「潜伏場所も古典的(テンプレ)、やる事もありきたり(テンプレ)。まったく、道化ならもう少しひねりを考えてもらいませんと、楽しみがありませんわ」
「まぁ、そう言ってやるなって。こっちには潜伏場所を探す手間が全くないっていうアドバンテージがあるからな」
 うんざりするバンビに、エルファリアと江流は苦笑する。
「それで、動くならどのタイミングですかね。商談は明日の朝ですし、夜明け位です?」
「そうだな……」
 と、ルアンナに問われて江流が戦術眼をもって予測を立てる。
 襲撃を朝に合わせるのなら、この場所から本館までの距離を見ても、夜明け頃動く可能性が高い。
「……できれば人目に付きたくないから倉庫内で完結したいな。となると相手が動く時間に合わせるのが一番か」
「賛成ですわ。今日は早めに寝て、明日は早起きいたしましょう」
 まるで遠足前の気軽さで言ったバンビに、三人は笑って頷いた。

●
「館内の警戒はこれで良しっと。あとは、屋外の進入路ですけど……」
 『天秤』が安置された東の応接室。その真下となる一階に相棒の栗鼠を潜ませ終えたエルナは中庭へと繰り出していた。
「不審な人物は……やっぱりいませんか」
 万が一の場合、冒険者と悟られないために清掃員に扮したエルナは、本館の中庭から覗く四角の空を見上げる。
 頭の中で思い出した屋敷と周辺の地図。どこからなら襲撃者は侵入してくるか。エルナは中庭を掃きながら考えるが――。
「うーん、これではどう頑張っても隙は……はっ!」
 と、悩めるエルナは空を見上げながら、気付いてしまった。
「これはもしかして、完全無欠の要塞のようなこの屋敷で、どれだけ隙を演出できるかっていう事ではないでしょうか!?」
 そうであればあのヴィルジニアの余裕な態度と、冒険者達に任せた意図も納得がいく。
「そうとわかれば、よしっ! やってやりますよっ! 依頼者さん(ヴィルジニアさん)のご期待に大いに応えてみせようではありませんか!」
 そう言って拳を握ったエルナは、本館へと駆けて行った。

「――っし、こんなもんかね」
 『商談』の会場となる応接室では、サイラスが天秤(レプリカ)に細工を施していた。
「器用なものですね。一目では全然わからない」
「わかられてちゃ、細工になんねーし。とはいえ、必要ないかもしれねーけどな」
「そんなことはありませんよ。私達が舞台に上がれない以上、この細工も活きてくるでしょう」
 当然の仕事だと無関心を決め込むサイラスに、グレイブは頷く。
 天秤の護衛に当たるため、冒険者達は直接の護衛を提案した。
 しかし、ヴィルジニアは首を縦に振らなかった。
『神具はおいそれと人に見せるものじゃないんだよ』
 それがヴィルジニアの言い分だ。
 神具が作動している瞬間は、あくまで使用者と所持者のみが同席を許される。
 その神秘性が話題を呼び、神具の価値を最大限まで引き上げる。彼女はそう言った。
「まぁ、私達が直接傍にいなくとも、この屋敷なら問題なさそうではありますが。腕の立ちそうな人間も、ゴロゴロいましたし」
 と、グレイブは屋敷に入ってからすれ違ったヴィルジニアの部下達を思い出す。どれを思い出しても一筋縄ではいかない。そんな雰囲気を感じさせる人間ばかりだ。
「何か思惑があるんだろーよ。それが何かまでは知りたくもねーけど」
 と、サイラスはグレイブにちらりと視線を向ける。
 それは口外に『わかっていても、あまり首を突っ込むな』と告げていた。
「……そうですね。意味のない詮索はやめておきましょう」
 グレイブは肩をすくめゆっくりと首を振る、その時だった。

「バーン!! 皆さん!!」

 自ら擬音を発しドアを開けたエルナが飛び込んでくる。
「私わかってしまいました! この依頼はですね!」
「あー、そうだな。頑張って天秤を守ろうぜ」
 そんなエルナの元へ近づいたサイラスが、言いたくてうずうずしている彼女の肩にそっと手を置いた。
「え、あ、え? はい、それはもちろんなんですけど……そうじゃなくて、この依頼は」
「わかってるって。逆恨みなんて幼稚なことしてくる悪漢をコテンパンにやっつけるんだろ?」
 サイラスはエルナから手を離すと、くるりと背を向けた。
「んじゃま、しっかり仕込んでしっかり撃退しよーぜ。それが『仕事』だ」
 そう言ったサイラスに、グレイブは静かに頷き、エルナは首をかしげながらも元気に「はいっ!」と答えた。

●
 翌日早朝――。
 ようやくニワトリも目を覚ます頃、それは始まった。

「だ、誰だ!?」

「私です!!」
 「いや誰だよっ!?」なんてツッコミが奥から沸き起こるが、そんなものは関係ない。
 ルアンナは、開け放った扉からコツコツと足音を立て倉庫内へと踏み入った。
 意表を突かれた襲撃者たちも、すぐさま切り替え迎撃態勢に移る。
「無駄ですよ! 貴方達が神具を狙っている悪党だと、もう全てわかっているんですから、大人しく覚悟を決めなさいな!」
 少女(ルアンナ)がビシッと指を指した。
 しかし、相手も神具を狙おうとしている精鋭。たかが後ろにエルファリア(モブ)を連れた少女一人に何ができるのかと、余裕を崩さない。襲撃を前に気持ちの高ぶった男達はノコノコと現れては啖呵を切ったルアンナを完全に舐めていた。
「……わかりました。そちらがその気なら、わかりやすくやってあげますよ」
 そんな男達の反応(舐めプ)に苛立ちを覚えたのか、ルアンナは静かに怒り武器を取り出す。
「倉庫を壊したら駄目ですからね。ほどほどにして下さいよ」
「わ、わかっていますよ。ちょっとした威嚇です、威嚇!」
 後ろのエルファリアに注意され、ルアンナは用意していた魔法(タイダルストリーム)をそっと取り下げる。
 ここは大都市リブラネスタの港だ。いくら空き倉庫とはいえ、どでかい音なんて立てようものなら、すぐに自警団が飛んでくる。
「何をごちゃごちゃ言ってるか知らねぇが、バレちゃ仕方がない。お前達に恨みはないが、消えてもらおう……!」
 なんて、こそこそと話している二人(少女とモブ)に、襲撃者の一人が襲い掛かってきた。
「授恵者ですか。まぁ、居るって事は知ってましたけど」
 これに対して前に出たエルファリアはルアンナを後ろに庇いつつ、その剣撃を受け止める。
「何っ!?」
 モブらしき女が自分の剣を受け止めたのが信じられなかったのか、男は一瞬隙を見せた。
「その程度の実力じゃ、あの要塞は突破できませんよ。出直してきた方がいいんじゃないですか?」
 もちろんエルファリアがその隙を逃すわけもなく、男の剣を大きく弾き飛ばした。
「くそっ、こいつら冒険者だ! 一気にやるぞ!」
 ようやく二人の正体を悟った男達は、表情を一変させると一斉に襲い掛かってくる。
「沢山来ましたのでお願いします。わかっているとは思いますけど――」
「壊しませんから、安心してください!」
 かぶせ気味にエルファリアに答えたルアンナが、エーテルの満ちた武器を掲げ魔法(フリーズボルト)を放つ。
 魔力は氷塊と化し、襲撃者たちの足元を凍り付かせた。
「ぐっ、キャスターか!」
「ウォーリアもいますよ」
 ルアンナの魔法で完全に勢いを殺された襲撃者たち。そこへエルファリアの容赦ない攻撃が加えられる。
「もう観念した方がいいんじゃないですか!」
 後ろでは、追撃の魔法(メテオライト)を用意するルアンナが威嚇していた。
「くそっ、こんな所で足止めを食らっている場合ではないのだ!」
 相手が一筋縄ではいかないとようやく悟ったのか、リーダーらしき男の合図と共に、襲撃者たちが小さな筒を取り出した。
「あれは、閃光塗弾――」
 と、エルファリアが即座に見破るも、一瞬遅い。襲撃者たちが放った閃光が倉庫を白に染めた――――。

「時間を食った。急いで他の者達と合流するぞ」
 閃光が部屋を染める隙に、襲撃者たちは裏口から脱出を図る、が。

「こっちは出口じゃないと思うけど?」

 裏口を塞ぐ様に現れた江流により、足を止められた。
「くっ! 相手は一人だ、突破するぞ!」
 閃光が収まれば二人(ルアンナとエルファリア)が来る。襲撃者たちは追い立てられるように江流へと殺到した。

「いつ、一人だと錯覚した?」

 襲撃者たちが江流の余裕の笑みに気付いた時にはもう遅い。頭上から降り注いだ無数の光弾(メテオライト)が襲撃者たちを撃ち抜いた。
「カッコつけ過ぎじゃありませんこと?」
「余裕を見せつけたって言って欲しいな」
「そんなもの見せつけなくてもよろしいですわ、勿体ない。この程度の輩、最速で殲滅すればよろしいのですわ」
 肩をすくめる江流の背後から現れたバンビは、既に致命的なダメージを負っている襲撃者たちに向け、1発2発と高速で光弾(メテオライト)を追撃していく。
「さて、まだやるのかな? こっちは徹底的に締め上げろってオーダーを貰ってるから、やる気があるなら付き合うけどね」
 バンビの魔法(メテオ連打)により、地に伏せた敵リーダーの前に江流がしゃがみ込んだ。
「く、くそっ! 何故この計画が……!」
「なぜって、言われてもなぁ」
「あなた方はあの方を舐め過ぎですわ。その程度の実力であの方を相手どろうなんて100万年早いですわ。もちろん俺達にもですわ」
 江流に並びしゃがみ込んだバンビが、魔導書の角でリーダーの頭をガンガンやっている。
「さて、どうする? 降参するならここで手を引いてやる。なにせ俺達はあんたらを“うっかり殺しちゃっても”お咎め無しらしいんでな」
 本の角に連打される度「ぐはっ!」だの「ぶべっ!」だの叫んでいるリーダーに苦笑しつつ、江流が再び問いかけた。
「そうです、諦めなさい。ここから巻き返しは不可能ですよ」
「ほら、あなたの部下は全員お縄につきましたよ」
 と、背後からルアンナとエルファリアも合流し、男はついに観念した。

「それじゃ、ご主人様によろしくな」
 襲撃者を全て捕縛し終えた江流は、倉庫の隅で成り行きを見守っていたエルナの栗鼠に声をかける。
 栗鼠は小さく鳴いて応えると主人(エルナ)の元へと走っていった。
「うーん、めぼしい資料とかはありませんね。出てきたのは地図位です」
「ケチな盗賊ですこと」
 と、ルアンナとバンビが埃まみれになって帰ってくる。
「当然ですよ。そもそも、依頼主がこの人たちを嵌める為に仕組んだ事ですし。本物の資料なんて渡すわけありません」
 そんな二人に答えたエルファリアがリーダーの男をちらりと見た。
「まぁ、別に信じなくてもいいですよ。どうせ、あなた達は市長さんへ引き渡しますし、お問い合わせしている暇もないでしょうし」
 そう言ってエルファリアは視線を切る。男の心の内に疑念の芽を植え付けて――。

●
「ちっ、倉庫の奴等はやられたか」
 本館を望む建物の影。部下からの報告に黒頭巾は憎々しげに唾を吐いた。
「しかし、この程度は想定の上だ。お前達、手筈通りに行くぞ」
 闇の中で頷く気配がする。
 襲撃者たちは本館を望める位置でじっと息を殺した。
 数刻も待つと、本館へと一台の馬車が吸い込まれていく。
 襲撃者たちは声も立てずに行動を開始した。

「ふんっ、隠密の何たるかがまるでわかっておらんな」

 そんな様子を見下ろす紅眼がある。
 本館の屋根の上、影に潜むベルクは、路地から姿を現した襲撃者たちを完璧に捉えていた。
「しかし、歯がゆいな。わざと通せとは」
 しかし、ベルクはその行動を止めない。組織だって行動する賊を忌々し気に見下ろしつつ、敷地への侵入を許したのだ。
 襲撃者は前庭の低木に身を潜ませると、辺りを窺っている。【探波】や【捜波】で中の様子を探っているのだろう。
「さぁ、間違えるなよ。貴様らが『天秤』へと辿り着く道は、一本しかないのだからな」
 ベルクは影でほくそ笑む――。

●
「お疲れ様です。交代の時間です」
 正面玄関を警備する男に声をかけたグレイブ。
「ああ、よろしく頼む」
 応えた男は平服を纏うグレイブと一瞬だけ視線を交えると、その場を後にした。
(さて)
 正面玄関の警備へと就いたグレイブは、正面の前庭をぐるっと一望する。
 ヒーラーであるグレイブには索敵能力はほとんどない。しかし、そこかしこから漏れ出た逸気は敏感に感じ取れた。
(正面突破なんて馬鹿な事を考えないでくださいよ。ルートはあちらです)
 グレイブはそれらの気配へ向け、道を示す様にわざと隙を作る。
 すると、気配が一斉に動いた。
(そうです、そちらです。ようこそ、神の御座へ)
 グレイブは気配の移動を感じつつ、気付かぬふりを続けた――。

●
 襲撃者たちは前庭から西へと回り、中庭へと続く吹き抜けで索敵スキルを使い様子を窺っている。

「うーん、バレバレなんですけどね」

 そんな中庭の様子を、建物の三階から見下ろす者がいた。
「12……いえ、18名ですか。なるほどなるほど、想定内ですね」
 眼下の敵の動向をじっと見つめるエルナは、小さく呟く。
 襲撃班から栗鼠を経由してアジトでの情報は既に受け取っていた。倉庫にいた敵の人数を考えれば、今下にいる襲撃者の人数は妥当なものだろう。
「さて、うまく気付いてくださいよ」
 エルナは襲撃者誘導の為に、既に気配(栗鼠)を適所に忍ばせている。索敵スキルが使える事を逆手に取った誘導策だ。
 襲撃者たちはエルナが用意した気配に気づいたのか、それを避けるように中庭へと侵入を果たした。
「そうです、そこでもう少し待っていてくださいね」
 襲撃者たちが用意した物陰へ潜んだことを確認したエルナは、鋭い聴覚を持つ階下の仲間(ローザリカ)にだけ届く様な小さな声で合図を送る――――『作戦開始』だと。

●
 商談が始まった。

「ほう、これがかの有名な『果断の天秤』か」

 応接室へと招かれた紅の麗人(ローザリカ)は、机の上の天秤を見て大袈裟に感動して見せる。
「お嬢様、ご当主様が困惑されております。お控えください」
 興奮する主人(ローザリカ)を執事(シグルド)が諫めた。
「何を言う。この様な貴重な宝物を前に、興奮せぬ者があろうか。セルッティ殿もそう思うだろう?」
「ああ、その通りだね」
 紅の麗人(ローザリカ)が同意を求めると、ヴィルジニアは薄く笑って頷いた。
「それでは、早速神具の実力を拝見するとしようか! お前は部屋から出て待機していろ」
「はい、仰せのままに、お嬢様」
 主人(ローザリカ)に言われ執事(シグルド)が部屋のドアを開ける。
「では始めよう! 『果断の天秤』に見守られし、華麗なる商談を!」
 紅の麗人(ローザリカ)はドアが閉まるのと同時に、殊更に大きく声を上げた――――。

――ガシャンっ!!

 それは突然だった。
 ローザリカの声を合図に、貴重なガラスのはまった窓が外側から蹴破られる。
 同時に、3人の襲撃者が床へと音もなく着地した。

「動くな。我々は天秤さえ――」

 武器を構え声を上げた敵リーダーの手が止まる。
「なに……」
 襲撃者たちは互いに背を合わせ、全周囲に警戒する。
「くっ、罠か……」
 それもそのはず、護衛は退室し貴族と市長(ローザリカとヴィルジニア)の二人だけだと思っていた部屋に護衛がいたのだ。それも二人も。
 護衛の一人――シグルドがドアを開けたのは退出する為ではなく、サイラスを呼び込むため。
 シグルドはすぐさまヴィルジニアを背後に隠し、サイラスは襲撃者たちの背後に回るとその退路を断った。
「……だが!」
 襲撃者は貴族(ローザリカ)に狙いを定めると、床を蹴る。
 護衛の無い貴族(ローザリカ)さえ人質に取れば、逆転の目はある。そう思っての行動だったのだが――。

「目の付け所は悪くない。だが、相手の実力を読む術も学ぶべきだな」

 襲撃者の一撃をひらりとかわしたローザリカが、エーテルを纏う扇でその背を打ち据える。
 眩く爆ぜる焔の花弁。
 打ち据えた箇所から、花開くように紅焔が爆ぜた。

「くそっ、貴族まで罠か! だが、手勢がこれだけだと思うなよ!」
 紅焔に焼かれ地に伏した仲間を見やり、別の者が口笛を吹く。
「……どうした、何故来ない!」
 しかし、襲撃者が想像していた事態は一向に訪れない。その代わりに響いてきたのは、仲間の断末魔だった。
「外も始まったか。ヴィルジニア、少し下がっていろ」
 そう言ってヴィルジニアを下がらせたシグルドが、壁に立てかけてあった槍を取る。
「残念だったな。罠はこの部屋だけじゃないんだ」
 シグルドは槍(紅旋槍)の切っ先を襲撃者に向けた。
「まー、相手が悪かったわな。今度からは相手をちゃんと選ぶんだな」
 そして、サイラスもまた残った一人に蹴りをくれて昏倒させる――。

●
 襲撃者突入の合図は、冒険者達にとっての強襲の合図だった。
 突入の第二陣として待機していた襲撃者3人は、高所から放たれたエルナの魔弾に気付く間もなく撃ち抜かれる。
 異変に気付き、すぐさま退避行動に出ようとした残りの襲撃者たちは、吹き抜けに現れたグレイブによって退路を断たれた。
 進退窮まり中庭の中央で応戦態勢に入った襲撃者の前へ、ベルクが音もなく近づいていく。

「知っているか? 人の骨というのは数えるのが億劫になる程、沢山あるのだ。さて、貴様らは何本もつかな?」

 凄烈な笑みを浮かべ近づいてくるベルクに、襲撃者たちは恐怖し、半狂乱に襲い掛かった。
「貴様ら程度の雑兵が束になって掛かってこようが、我等は揺るぎもせん! それはこの屋敷とて同じ事よ! 貴様らの行い、そして、その背後の恨み全てが無駄だと知れ!」
 返すベルクが武器を取り、襲い掛かってくる襲撃者達と刃を交える。

 一方、ベルクと襲撃者たちの死闘を、グレイブは吹き抜けに陣取ったまま静かに見つめていた。
「神具を巡りここまで大掛かりな『事件』になる。それほどまでの価値があの神具(偶像)にある……とは思えませんがね」
 時折ベルクから逃げてくる襲撃者を無力化しながら、グレイブは静かに考える。

 そして、建物三階から襲撃者達を狙い撃つエルナは、壁を駆けあがり逃れようとする者達を、光弾(メテオライト)で叩き落としていた。
「さぁ、これで最後です!」
 残った魔力を全部込めて、まだ動いてる襲撃者に向けて解き放った――。

●
「さて、これで終いと。外もそろそろ終わりだな」
 襲撃者3人に縄をかけたシグルドが、壊れた窓から外を見た。
 中庭では鬼神の如き勢いで敵を屠るベルクの姿。そして、三階からはエルナの正確無比な魔法が襲撃者の急所を捉えている。
 数分もしないうちに制圧は完了するだろう。
「ヴィルジニア女史、貴重なガラスをすまない。これは我がディオール家が責任をもって修繕させてもらおう」
「なに、気にしなくていいさね。この程度、アンタ達と知己を得られた事に比べれば安いものだ」
「それはこちらの台詞だ……いや、その好意ありがたく受け取るとしよう」
 そう言ってローザリカは差し出されたヴィルジニアの右手を取った。

 そんな二人のやり取りを、サイラスは天秤の細工を解除しながら見つめる。
「……おーこわ。知己にして一体何をやらせるつもりかね」
 その小さな呟きは誰の耳にも届かなかった――。

 冒険者達の完璧な罠に阻まれ、神具を狙った襲撃は失敗に終わる。
 捕らえられた襲撃者はヴィルジニアに引き渡され、同盟領の法によって裁かれるだろう。

 こうして、冒険者の活躍により神具『果断の天秤』にまつわる一連の騒動は、幕を閉じたのだった――。

マスターコメント

おつかれさまでした! そして、お見事でした! 皆さんが提案してくださった作戦もとても素晴らしく、特に噂を利用した誘導策はカッコよかったです! 襲撃者の処遇は特に決めていなかったのですが、しっかりと捕えてもらえたので色々楽しい事になるんだろうと思います、ヴィルジニア的に。 そして、ヴィルジニアの思惑にちょっぴり気付いた方もいらっしゃいましたね。さてさて、彼女は一体何を考えているのやら。それは今後明らかになってくるかもしれません。 それでは今後ともよろしくお願いいたします!
ロングシナリオ

ロングシナリオ普通 報酬:多い10 / 6〜10人

2022年03月21日 12時02分58秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. シグルド・オルセン

    ウォーリア、シグルド・オルセンだ。よろしく頼む。 依頼は久しぶりなんでリハビリがてら瀕死になるまで頑張っ……たら怒られそうだな。 作戦は二通りあるが、一番気楽なのは待ち伏せだろうとは思うが、こちらから仕掛けてアジトの一個や二個くらいは潰して襲撃者の数を減らしとくのもありっちゃありか。さすがに本館、アジト三ヶ所全てに人員を配置するのは難しいか?アジト三ヶ所潰す場合は本館の守りはなくても良いと言うなら楽なんだがな。 俺は特になければ本館で神具の守りに行こう。

  2. エルファリア

    エルファリアと言います、よろしく。 >アジト襲撃か本館待ち伏せか どっちもやっちゃっていいんじゃないです? 「手を広げ過ぎて人数分散が厳しいのでは」という場合は、例えばアジト襲撃は早めにアジトを一つ潰すぐらいで止めておいて「(他のアジトの存在がバレていないという体で)いつもの逆恨みをいつも通り潰したから、もう警備は元に戻した」みたいな噂を流してもらうとかですね。 アジトを少数潰すことで市長さんがあからさまに油断したり罠を張っていないと思わせることも出来ますし、その上で「バレなかったアジトがある」という自信が行動を軽率にしてくれないかなって。 これなら待ち伏せは総戦力で出来ますしね。

  3. グレイブ・ヤード

    ヒーラー、グレイブ・ヤードです。 >襲撃と防衛 私自身は基本防衛で考えておりますが、 襲撃に関してはあくまで私見ですが。 仮にこちらからアジトに襲撃を行うとしたら適当なのは「港の倉庫」かなとは思っています。 理由としては「依頼人であるヴィルジニア・テレーザ・セルッティ氏の権限で公的に調べることが許される場所」と考えたからですね。 市長ですもの、怪しいならず者が集まっているなら治安維持の名目で叩くことは何ら不自然ではありません。 えぇ、「知らない一般民衆にとっては何ら違和感がない」のです。 状況を知っている側からすれば脅しに見せられますけどね。 他二か所は理由がどうにも付けづらい。 一か所を潰した上で「兵を集めさせて」不信さを増やすとかはできそうですけどね

  4. 海神 江流

    シーフの海神江流だよ。 今回は宜しくね。 >襲撃と防衛 両方やる感じなら、移動力のあるシーフはどっちかってーと襲撃向きかな? 大手を振ってやれるのは港の倉庫ってのはグレイブさんに同意だけど、隠密行動前提なら宝飾店の二階とかってのも行けなくはなさそうに思う。 事前に1つアジトを潰せるなら、防衛で追い返した賊が、残った2箇所に逃げ込むのを見越して追撃するなんてのも悪くないように思うかな。

  5. エルナ・クルプファルツ

    エルヴンシューターのエルナです! 皆さまよろしくおねがいしますね! >襲撃と防衛 私もグレイブさん同様、基本防衛の考え方ですね! 襲撃するなら港の倉庫、というのも良さそうでしょうか! えるさんの提案も踏まえると 倉庫襲撃→本館で待ち伏せ→残りのアジト襲撃 という流れになるでしょうか! いい感じだと思います! >個人行動 私自身は襲撃に加わらずに本館の警備にあたろうかなと思っています! 襲撃組にリスさんをつれていってもらって、入れ違いで本館が襲撃された際には素早くお知らせしようかなと!

  6. ベルク・オスマット

    シーフのベルクだ。よろしく頼む。 基本防衛の案に賛成かな? 入れ違いになったとき素早く戦力を戻せるかどうかを考えると防衛主体がいいと思う。 もちろん事前にアジトを一つ潰すのは良い案だと思うしその際は港の倉庫が適切だと思う。

  7. ルアンナ・ミュラー

    キャスターのルアンナです、よろしくお願いします。 さっそく港のアジトを襲撃するんですね、了解しました! それなら私も襲撃班に加わりますよー!

  8. ローザリカ・D・ケレス

    ヒーラーのローザリカ、よろしく頼もう。 ヴィルジニア女史の依頼を受けれるとは光栄だよ。 >襲撃と防衛 僕も防衛主体に賛成というか、僕自身は防衛側で動きたいと思っていたよ。 天秤や商会に手を出そうとしたから酷い目にあったと印象付けるためにも盛大に”歓迎”したい。 相手にも授恵者が多数いるようだし…… 襲撃をしかけるにしても一箇所に絞るのがやりやすいだろうか? 戦力面でも、行動の立てやすさでも。

  9. No.9

    サイラスだ、よろしくなー 基本防衛、港倉庫襲撃後噂流して油断誘う その後総戦力防衛、防衛後襲撃組は追撃? 的なながれでいいかね? 襲撃 ルアンナ 防衛 シグルド エルナ ローザリカ (敬称略) てな感じぽいから襲撃行くか防衛行くかは様子見。

  10. グレイブ・ヤード

    今回、主目的は「神具の防衛」なので、 私はこちらからの襲撃は事前準備(必須ではない)と思っています。 >襲撃について 私としてはあちらに「大義(理由や名目)を与えない」事も必要かなと。 足を引っ張りたい方は沢山居そうですからね。 一応公的な方のご依頼ですし。 港の倉庫以外のアジト襲撃に関しては、「倉庫で手に入れた情報」という理由付けで動くというのも手かもしれません。 (依頼人の情報網関係とか表に出すようなものじゃないですし) >大事なこと 「我々にできる事はあちらにもできる」 程度はともかく同じ人ですしね。 とりあえず忘れずに行きましょう。

  11. エルファリア

    ふむ、結構防衛重視の方が多い、と。 まあそうなると主戦場は本館ですかね。 あまり事前に敵戦力を削らない方向性なら、敵の襲撃については噂をうまく利用して誘導したいところですが…… 迂闊に神具を動かしたとかだと警戒させるだけでしょうし、窓とか構造上弱いところを漏らしつつ、そこに仕掛けてきたらカウンターとかです? 襲撃も一か所でもやるなら、あくまで施設に集まっている集団の情報で動いただけで、逆恨みはばれてないような印象付けとかもですかね。 >襲撃について >名目を立てやすいのは港の倉庫 襲撃かけるならここ、という意見については特に異論ありません。 やっぱり水際防御一辺倒より多少は仕掛けたいので、言いだした身でもありますし襲撃するなら私も入ろうかと。 襲撃 ルアンナ エルファリア 防衛 シグルド エルナ ローザリカ (敬称略)

  12. No.12

    防衛重視というか攻めてく場合極端に行けば大義名分持って蓄えとかもあるであろう拠点速攻で殴る必要がある気がするし用意のできる防衛の方がというか とりあえず考えたけど防衛側行くわ 三分の一削れるかもしれないとしても、行ったら俺防衛戻れないし

  13. 海神 江流

    防衛が疎かになったら意味がないってのには同意なんで、重きは防衛ってのは異論なし。 襲撃はするなら、防衛の方とタイミングの調整は必須かなぁという気はするかな。 襲撃かけたけど、あちらさんもう出張った後で誰もいなかったとか目も当てられん。 かといって、先んじての仕掛けが早すぎて、襲撃自体に及び腰になられると、これもよろしくないのかなと思う次第。 襲撃かける側に足が速いのが一人くらい居た方がなにかの時に融通効くだろうから、襲撃側に入ろうか。 シーフの移動力なら、防衛に途中合流ってのも出来るかも知れんしね。 ・襲撃 ルアンナ エルファリア 海神 ・防衛 シグルド エルナ ローザリカ (敬称略)

  14. エルファリア

    >タイミング だったら、噂であちらさんの襲撃時期を誘導しつつ、襲撃場所については出がけを潰す感じでしょうか。 残り2カ所も動き出してからだともう襲撃の情報を聞いて行動修正の暇もないでしょうし、襲撃も踏み込むというより動き出した瞬間を叩くなら「早過ぎる」も回避できるかと。動き出すまで待つなら現地に早めの到着は出来るので、「遅すぎた」も回避できそうでしょうし。

  15. グレイブ・ヤード

    あ、私は防衛のほうで考えておりますよ。 防衛の流れについては基本は神具安置場所(本館)の周囲を警戒という感じですかね? ただ、下手に一か所を重点的に回ってたりすると却って「ここにありますよ」とアピールするようなものなんですよねえ・・・。

  16. ローザリカ・D・ケレス

    >防衛 神具を安置している執務室周辺の防衛の気ではいたんだが…… うまく作戦が立てられそうなら本館内の別の場所に敵を誘導出来たらと思う。 その、なんだ。執務室で戦闘が起き、荒れてしまうのは避けたいというのが理由になるかな。 果断の天秤を使用するような商談が入っていると噂を流し、 いかにも天秤が保管されていそうな執務室以外を襲撃するよう誘導できないだろうか。 例えばだが…… 『午後からの重要な商談前に東側の応接室に天秤が運び込まれ、 必然的に警備は東側が厚くなる(から他は手薄になりそうだ)』とか。 警備が薄いと見せかけて、侵入経路を実質誘導。 そこに僕ら冒険者が潜んでおくとかそういう作戦が取れたらと思った。

  17. 海神 江流

    >襲撃のタイミング そうだね、エルファリアさんの言ってくれたタイミングでいければちょうど良さそうだと思う。 >港の倉庫への襲撃 現状3人。増えてもあと一人だろうからシナリオ作りましょうかね。 例えば、正面からルアンナさんとエルファリアさんがアプローチかけてもらってる間に、探波で構造情報拾って出入り口の数確認して、俺は退路塞ぐ感じで裏口から回り込むとか。 そんな感じは如何でしょかね。 合わせておきたいのは、襲撃した際にとっちめた賊(言い方)の処遇と、制圧出来た後どうするか。ってあたりなんだけど。

  18. ルアンナ・ミュラー

    >港の倉庫への襲撃 私達が正面からドカンと派手にやってる間に裏から回って挟み撃ち、という作戦ですね。私はOKですよ♪ 悪党達の処遇はそうですね…。とりあえず縛り上げて連行して、市長でもあるヴィルジニアさんに一任してみては?

  19. ベルク・オスマット

    我は防衛に回るかな? 双波で常時周辺を警戒しておいて流す噂次第では警戒する場所を密にすれば噂に信憑性を出すとともに警戒の薄い場所も演出できるだろうし。 ・襲撃 ルアンナ エルファリア 海神 ・防衛 シグルド エルナ ローザリカ グレイプ ベルク (敬称略)

  20. シグルド・オルセン

    サイラスも防衛側って言ってるし、加えておくぞ? 全体的に防衛寄りみたいだな。ローザリカの言うように、本館での戦闘場所を別のとこに誘導できたら良いなとは思うが、襲撃するやつらちらっとそういう情報を漏らすことで精度を上げられないか? 俺は念のために神具周辺の守りに行こう。いざとなったら殺界辺りでどうにかしよう。 ・襲撃 ルアンナ エルファリア 海神 ・防衛 シグルド エルナ ローザリカ グレイプ ベルク サイラス (敬称略)

  21. バンビ

    すっかり出遅れました、バンビですわ。 襲撃側に行きたい思いますわ ・襲撃 ルアンナ エルファリア 海神 バンビ ・防衛 シグルド エルナ ローザリカ グレイプ ベルク サイラス (敬称略)

  22. エルファリア

    >襲撃 こっちが表で挟み撃ち、私も問題ありません。元々正面から行く気でしたしね。 処遇については、「もう手を出す気にならないくらいコテンパンに」って話ですし、処遇を市長さんに任せるのだと手堅くはありますが、うーん…… 襲撃の実戦力が雇われ者だったら、叩きのめした上でアジトの情報漏れが「依頼者(今回逆恨みした誰かさん)からバレた」みたいなことを匂わせたら、「なにやってんだ」と雇われ者がそのまま襲撃者の大元へ向かってくれたり、はないですか。 まあうまく転がせなさそうなら市長さんに好きにしてもらうのでいいかと。

  23. 海神 江流

    >襲撃 お返事ありがとね。 襲撃のタイミングは先の案のとおりエルファリアさんが触れてくれる感じで考えちゃっていいかな? タイミングについて襲撃班内の案に同調って感じにしておくよ。 バンビさんもよろしくね。

  24. エルナ・クルプファルツ

    間があいてしまいました! >防衛 天秤自体の位置を偽装する場合、本来の保管場所と偽装先の両方において敵さんに探波を使われないようにする必要があるかなと思います! 非接触で構造を把握できる探波を使えば、天秤が実際にどこにあるのかはわかってしまうので……! 探波の射程は5〜10m程度なので、位置を偽装するなら天秤保管場所と偽装保管場所のその距離までは不審人物さんを近づけないようにする工夫が必要そうです! こちらの捜波はベルクさんが行って下さりそうなので、私は敵斥候さんの干渉を感知できるように、感波を持っていこうかなと思っています! 感波反応時の連絡用にテレパスも所持して行きますね!

  25. バンビ

    結末をわざわざ依頼主に手間を割かせるのもなんですから コロコロしちゃってよくありません?

  26. ローザリカ・D・ケレス

    >防衛 なるほど、探波などは頭から抜けてしまっていたから指摘助かるよ。 連絡用のテレパスについても、忘れず所持していくようにしよう。 僕自身の行動予定は、流す噂の詳細について触れるのと、 防衛については偽装保管場所付近で構えるつもりだよ。 戦闘については周囲に被害を及ぼさないよう、近接攻撃を主にしようかな。

  27. エルナ・クルプファルツ

    >防衛 テレパス準備ありがとうございます! 襲撃班についていかせるリスさん経由の情報も、テレパスで共有させてもらいますね! 私自身は杖装備なことを活かして、いかにもキャスターっぽい感じの振る舞いをすることで、感波装備を敵さんから隠しつつ、敵斥候さんの場所や規模をできるだけ暴いていこうと思います!

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0