【大地再甦】聖女の戦い 襲撃の猿面人
望月誠司
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シナリオID:1907
オープニング
法衣に身を包んだ長い黒髪の少女が笑顔を浮かべて手を太陽に向かって振り上げた。
●
浄化の儀式を行い大地の穢れを祓う。
そして萎びていた作物に活力を与え再生させる。
帝国辺境に建つ町アルサーラムとその近隣に建つ村アウストラリスの二ヶ所にて、エーテル浄化者シェリルはその業を成し遂げた。
それらの結果『アルサーラムの聖女』と呼ばれたシェリルはさらに噂を聞きつけた近隣の村々から浄化を依頼され、あちらこちらへと赴き大地の浄化に励んでいた。
「せーじょさまありがとう! おれいにこれあげる!」
浄化の儀式を終えた村にて、効果を確認すべく護衛のツェツィーリアと共に畑の様子を確認して回っていると、年齢は六歳程度だろうか、十二歳のシェリルよりもさらに小さな少年から声かけられた。
少年は笑顔を浮かべ礼だといってピカピカに磨かれた小石を差し出してきた。
「わぁ、きれーですね! これってなんです?」
シェリルが小首を傾げて問いかければ少年を笑顔を浮かべて、
「やまでひろったきれーないし! おれのたからもの!」
恐らく、少年が普段から磨いていたのだろう、小石の表面は滑らかで光沢を放っている。
たぶん、そこら辺りに転がっている何の変哲もない石で金銭的には無価値なのだろう。だが、この年頃の少年はそういったガラクタを本当に宝物のように思って大切にしているという事を、孤児院で育ったシェリルは良く知っていた。
「わたしが貰ってもいいんですか? 大切なものなのでしょう?」
「うん! でもせーじょさまのおかげでまたメシ喰えるよーになって、みんなよろこんでるから! おれい!」
ニシシと少年が笑う。
彼にとってこの石は大切なものなのだろうが、それでも――あるいはだからこそ――くれるようだ。
シェリルは笑顔がこぼれた。
「なのですか、それなら、もらっちゃいますね。ありがとう!」
礼を言って小石を受け取る。
その後、二言三言、言葉をかわしてから家の手伝いがあるとの事で。少年はシェリル達にぶんぶんと手を振ると小走りに畑道を戻って、畑内で作業している父親らしき農夫の方へと駆けていった。
畑には冬野菜の緑色の葉が列を成して並んでいた。輝く朝陽を浴びて瑞々しく輝いている。青い空に白い鳥が飛んでゆき、ピチチと鳴き声を響かせている。
「――どうやら今回も浄化の儀式は上手くいったみたいだね」
「はい、上手くいって良かったです、本当に」
金髪の若い女兵士の言葉にシェリルは頷いた。
この村は超大型クリーパー・天霧りに消ゆる幽界樹が巻き起こした事件の影響で例によって不作になっており、食料的に危機的な状況にあった。
だが、萎びていてとても食べられそうになかった作物が浄化の儀式によって再生し、村はなんとか餓死者なくこの冬を乗り越えられそうとの事だった。
(エーテル浄化者って大変だけれど悪くはない)
シェリルは貰った小石を青空に向かい翳した。
滑らかに磨かれた表面が陽の光を浴びて煌いている。
黒髪童女は表情を綻ばせると懐に入れ、再び護衛兵と共に歩き出した。
そんな時、悲鳴が響き渡った。
何事かと見やれば、背から翼を生やし尻から蛇を生やす異形の黒狼が空を渡り大挙して飛来してきていた。
「魔獣だぁああああああああっ!!」
農夫が叫び、少年の手を引いてシェリル達の方へと走り出す。
「シェリル!」
「ツェツィ!」
二人は同時に叫んだ。
「逃げるよ!」
「助けないと!」
金髪娘の青い瞳と黒髪童女の黒い瞳がぶつかりあった。
「貴方が再起不能になったり死ぬと皆困るの!」
「わかりました!」
シェリルは笑顔で答えると法衣のスリットに右手を差し込んで、腿に留めてある鞘から短剣を引き抜いた。杖を左手に農夫と少年に向かい全力で駆け出す。
「あああああああ!! このクソ餓鬼ぃぃいいっ!!!!」
背後から響いた悲鳴じみた怒声に黒髪童女は吹き出した。
エーテル浄化者に覚醒してから聖女だなんだといわれてるが、やっぱり昔馴染みのツェツィーリアからすれば自分はあくまで孤児院にいた『クソ餓鬼』の一人なのだろう。
エーテル浄化者は戦闘向きの授恵者ではないが、授恵者ではありシェリルもまたただの十二歳の子供ではない、以前に冒険者達から手ほどきを受け、以降もツェツィに見て貰いながら修練を続けていたから戦う力を持っている。
シェリルは駆けつつ杖をかざすと先端から閃光を撃ち放った。
放たれた光を顔面に受け黒狼がぎゃんと悲鳴をあげて墜落する。どうやらあまり力の強い魔獣ではないらしい。
直後に光の矢が飛んで、宙で炸裂、竜巻の如く逆巻いて後続の黒狼達を次々に薙ぎ払ってゆく。ツェツィーリアの射撃だ。
羽付き兜を被った金髪の女兵士が短弓を手にシェリルの脇を抜けて駆けてゆく。どうやらやる気になったらしい。
「死ななきゃいいんです! ツェツィ! すべてを守ってください!」
シェリルは杖から閃光を再び放ちつつ叫んだ。
「無茶を言う?! 私が死ぬわ! 暴君か!」
ツェツィは再度光の矢を放って黒狼を薙ぎ払うと短弓を腰のベルトに納め、親子とすれ違い「後ろにいてください!」と背後に庇うと背からロングサーベルを引き抜いた。
シェリルは親子の傍らに立った。
「偶にそうです! ごめんなさい! いよいよ危なかったら貴方は逃げてください!」
後続の黒狼達が迫って来る。
「できるかっ!」
女兵士が叫んで曲刀を一閃、牙を剥き突撃してきた狼の首が刎ね飛んだ。
「じゃあ諦めて! 一緒に天国いきましょう!」
シェリルは右手に握る短剣で飛来した黒狼の爪を受け流し、杖から閃光を放って撃墜する。
「クソ餓鬼めっ! 最悪だっ!!」
「ありがとう! 愛してます!」
二人は村人の親子を庇いながら魔獣の群れと戦い続けた。
●白い鳥が飛んでいる
浅からぬ手傷を負い、血塗れになりつつも黒狼もまたその数を減じさせ、勝利が見えてきたその時だった。
(あれは――)
いつの間にか、猿の顔を持つ人間のような生物が姿を現していた。
ひょこひょこと畑を歩きシェリル達に近づいてきた猿面人は、手にした細長い鉄の棒をツェツィーリアへと向けた。
次の瞬間、血飛沫を吹き上げながら首がなくなった女兵士の胴体が倒れた。
「えっ?」
シェリルは頭が真っ白になった。
生き残りの黒狼の一匹が飛び掛かってきて、シェリルの喉笛に喰らいついた。
(あ)
激痛と衝撃と共にシェリルが倒れる。
少年の悲鳴が聞こえた。
(ご、めん、な、さ、い……)
小さな聖女はすべてに謝りながら、狼に喉を食いちぎられ鮮血をぶちまけながら絶命した。
その後、猿頭人は鉄の棒の先を黒狼達へと向け、次々に真っ二つに両断して殺すと、農夫は既に狼によって殺されていたが、庇われて生きていた少年をやはり鉄の棒を向け見えない刃を飛ばして斬り殺した。
そうして猿人は村の中心の方へとまたひょこひょこと歩いてゆき、殺戮の嵐を巻き起こしていったのだった。
●かくて
「――という夢を見たのじゃ」
早朝リブラネスタの冒険者ギルドに駆けこんで来た預言の魔女が言った。
彼女の予知夢は必ずあたる、その実現を阻止しようとしない限り。
「今から向かえばギリギリ間に合うと思うのじゃ。どうか彼女らを助けてあげて欲しいのじゃ」
オペラは居合わせた冒険者達へと依頼したのだった。
解説
マスターより
リプレイ
冬のシルトラース帝国の故地は酷く凍える。
それでもその村の畑には聖女の力で甦った冬野菜の瑞々しい緑色の葉が、列を成して並んでいた。
しかし――今は、その緑達は、噴出した血で赤黒く濡れていた。
畑の土は踏み荒らされていた。
一部の作物は薙ぎ倒されて、土から露わになり転がっている。
翼を生やした黒い狼が、毛並みを赤黒く染めながら畑に横たわっている。夥しい数だ。
狼には未だ健在なものもいて、彼等は羽付き兜を被った女兵士と、法衣を纏った幼い少女、そして農夫の親子を取り囲んでいた。
さらに彼方からひょこひょことした動きで人型の――しかし決して人ではありえぬ猿面の――異貌の存在が棒を手に近づいてきている。
(シェリル様……!)
柔らかな長い金色がフードの内よりこぼれ躍動している。
瓶底メガネをかけた新緑のような緑瞳のエルフ少女が駆けていた。ララノアである。
(エルオンタリエを結成した直後に解散なんて……させませんっ!)
シェリルを助けたかった。
だから走った。全力で走った。桜色の唇から白い息を吐き出しつつ、華奢で小柄な身を包む、ぶかぶかのローブの裾を靡かせながら駆けた。
(シェリル様とツェツィーリア様の死の運命、何としてでも避けなくては……)
銀色の瞳を持つエルフ娘、ネーヴェ・グラヌローザもまた全力で走っていた。雪のように白く長い髪が躍っている。
(必ずやお二人を、……皆様方を助けますわ)
前方を見据え、二人のみならずこの場のすべての人々を守る、そう決意を固める。
「――やれやれ、またずいぶんと無茶をすることじゃな。後でお説教じゃ」
ベルク・オスマットもまた駆けつつ状況を見渡し呟いた。
113cmの幼い童女のような小柄な体躯、くすんだ光沢のない銀の長髪に、三白眼の紅の瞳、左目には額から頬に達する長い斬り傷の傷跡がある。
シェリルには以前、体術の先生として護身術を教えた事があった。
「……まぁ奴ら相手に持ちこたえて見せたことは褒めてやるべきなのじゃろうがの」
しかし、予知夢によれば、それは間も無く崩れる。
急がねばならなかった。
(予知夢で分かるだけでもありがたいのですが、駆け付けられるのがギリギリのタイミングとは……)
白鱗のリザードマン、アクティオンもまたベルクのやや後方を駆けつつ胸中で呟く。とにかく走った、可能な限り速く。
それは予知夢における行動から猿面這者は「より動けそうな目標から狙っている」ように感じた為だ。
「外部要因が無く予知夢通りなら猿面の狙いは聖女の護衛でしょうが――」
長めのウルフヘアーに一房三つ編みを垂らしている壮年男が言った。
黒いフード付きの外套を靡かせつつ駆けている彼の名はキーゼ、流行り病で故郷の村と妻子を喪った元治療士なのだという、妙に戦場に慣れた男だ。
「ええ、外部要員が来た」
アクティオンは思う。
出来る限りの速度で動けば、かの猿面這者の注意を冒険者達の側へと引きつけられる可能性があるのではないか。
(贅沢を言っていられる状況ではありません。ただ成すべきを成しましょう)
弓の射程に入る。
足を止め、矢筒から二本の矢を引き抜く。
素早く一本を矢に番え放ち、目にも止まらぬ速度で連続して二本目も放つ。ラピッドショットだ。
狙いは一般人の農夫と少年にとって脅威である翼持つ黒い狼。
二本の矢が旋転しながら唸りをあげて飛び、狙い違わず二匹の黒狼の胴と首筋にそれぞれ突き刺さった。
衝撃が炸裂し、悲鳴をあげて狼達が吹き飛び倒れる。
さらに光の矢が一本飛んだ。
放ったのはセリオス・オーガスト、銀髪の猫科の半獣人の青年だ。
威圧感を発揮し、天眼を用いて戦場を俯瞰的に見つつ迫り来る猿面這者の眼前へと向け撃ち放つ。
光矢が飛び、炸裂して直径5m程度の範囲で濃い煙が出現してゆく。
半径にして2.5m程度の煙の壁に対しハヌマーンは斜めに動いて濃煙空間を迂回する。
「こっちに注意を向けてるとは思うが……まぁ念のためだ」
バーネット・フォーサイス、紫髪の小柄なハーフリングは足を止めると竜皮で装丁された魔導書を掲げエーテルを解放した。
要救助者達に近づけぬよう、彼等を中心に不可視の重力場を展開してゆく。
さらにバーネットは眩く輝く球体を出現させ撃ち放った。
彗星の如くに光が空間を貫いて飛び、黒毛を生やす狼の胴へと吸い込まれるように命中、凶悪な爆裂を巻き起こし、血肉を撒き散らさせながら吹き飛ばした。黒狼の骸が畑の上に転がる。
(畑もなるべく荒らしたくないな)
命がかかってる場面だが、畑も遠からず一家の生活がかかっている。そんな言葉が脳裏を掠める。
マリイ・パルティス、銀髪の細身で小柄なエルフ娘は、ペットの大きなリボンを首元に巻いた白狼コルデラを要救助者達の元へと走らせ、自身もまた駆けつつ雨傘の先端を向けた。
高級感溢れる瀟洒なデザインと色合いの美しい傘だ。
だが、中骨には魔力を宿した宝石が組み込まれており、魔法杖としても機能する仕込み傘でもある。
「その白い子、私の友達でとっても優しい良い子なんです! 仲良くしてくださいね!」
一般人の少年を不安がらせないように声を投げつつ、金色の瞳で黒翼狼を睨み狙いを定める。傘の先より蒼白い閃光を撃ち放つ。
唸りをあげて飛んだ一条の光が、黒い毛皮の上から狼の側胴を撃ち抜き、衝撃力を炸裂させ、赤色を宙に舞わせながら吹き飛ばした。
同時、
「手習い程度とは言え人の教え子にずいぶんと舐めた真似をしてくれたな駄犬と糞猿が。生きて帰れると思うな!」
小柄な影が舞った。淀んだ紅い瞳が輝いている。
ベルクは放たれた矢の如く空間を駆け抜けると、刀身が黒く染められた二振りの短剣を閃かせた。
三連の黒い閃光が一刹那の間に突き抜け、翼持つ黒毛の狼を斬り刻み、鮮血の海に沈める。
「えっ、ベルクさんっ?! マリイさんとコルデラ?!」
振り向いたシェリルから喜びと驚きの混じった声があがった。
彼女達は預言の魔女から予知された事実は知らないから、突然偶然にベルク達がやってきたように見えているのだろう。どうしてここに、という奴だ。
「よく頑張りましたね……後はお任せを」
すれ違いざまに言葉を置き、長い銀髪を靡かせ少女が剣と盾を構え突撃してゆく。イヴェール・イリュジオンだ。防御に意識を集中しつつ、迫り来る猿面這者ハヌマーンの眼前へと踏み込んでゆく。
「サルのバッタモンか。ハッ、バナナでも食ってなってなもンだ」
鼻を鳴らしつつアーテミシア、エーテルを解放し爆発的に加速している自称ドワーフのエルフ少女が、174cmのスタイルの良い身を躍らせながら駆けてゆく。側面に回り込む動きだ。
「預言の魔女が予知夢に見たのです。僕らは依頼を受けやってきました」
駆けつけたキーゼがシェリル達へと告げつつ波動を開放した。キーゼ、ベルク、ネーヴェ、そしてシェリル達のエーテルが急激に増幅・上昇してゆく。HoBだ。
「もう大丈夫! あとは私達にお任せを!」
マリイが強気な言葉で鼓舞するように言って、ネーヴェが全身を輝かせた。眩く暖かい太陽の日差しにも似た癒しの光が周囲へと放たれてゆく。光を浴びたシェリル達の傷が癒え、その身から痛みが引いて、生命力が回復してゆく。
「シェリル様、ツェツィーリア様、村のお二人と共に安全な場所までおさがりください」
雪色の髪のエルフ娘は二人に農夫たちを連れての撤退を要請し、ツェツィは即頷いた。
「了解、感謝します! ご武運を!」
「えっ、でも……」
「お早く! 邪魔なだけです! ここにいても! 我々は!」
女兵士の直言にシェリルが目を白黒させ、ネーヴェは己の胸に手をあて銀色の瞳で黒髪童女を見つめた。
「お二人が守って下されば、私達は安心して目の前の敵と対峙出来ます。どうかここは私達にお任せ頂けませんか」
「……わかり、ました」
いつも笑っている童女は、ネーヴェを黒瞳で見つめ返すと表情を歪め、俯きつつ頷いた。
「すみません、有難うございます……どうか、皆さんご武運を!」
四人は天眼で敵味方の位置を把握しているネーヴェからの誘導を受け、ハヌマーンとは逆の方向へと駆け出してゆく。
「分業ですよ」
既にハヌマーンの方を向きエーテルを練り始めているキーゼが言った。
「貴女方の仕事は人と土地を守ること、僕らの仕事は殺すことです」
男の視線の先では一連の会話の間にも激しい攻防が行われていた。
●
予知夢からの情報に拠ればハヌマーンの風刃は至近距離では撃てないらしい。
イヴェール、精神を防御に集中させつつ2mの猿面人型生物へと肉薄する。至近距離から殺気を籠めエーテルを噴出する。シーザーロア。
人身猿面這者が殺気に反応し、闇色の瞳がイヴェールを見た。
猿面人が手に持つ鉄の棒が風車の如く回転、その回る勢いを乗せて棒の先端が突き出され迫り来る。
金瞳の少女は竜の鱗が張られた盾に素早くエーテルを収束させ、眩く光輝かせながら前面に翳した。重点硬化だ。鉄の棒と光の盾とが激突し、轟音と共に強烈な衝撃が荒れ狂う。
(――!)
イヴェール、尋常じゃなく硬い。
内部に通って来た衝撃は、イヴェールの装甲の前ではたいしたものではなかった。
だが、その衝撃は銀髪少女の身体を浮かび上がらせた。後方の宙へと大きく吹き飛ばしてゆく。
(距離が――)
離される訳にはいかない。
着地した少女は、畑の土を抉りながら堪え、前方へと再度踏み込まんとする。が、その時には既に猿面人の鉄の棒の先端がイヴェールへと向けられていた。
闇色の猿の双眸が見ている。
咄嗟に身と盾を傾斜させ翳す。
直後、世界が揺れた。
不可視の風の刃が盾に激突し、轟音と共に壮絶極まりない衝撃がイヴェールの身に襲いかかる。
痛みは無かった。
ペインキルで痛覚を遮断しているからだ。
だが、全身が悲鳴をあげていた。盾を持つ手が、肘が、肩が、嫌な音を鳴らしている。
しかし、少女はギリギリ耐えていた。
まだ立っている。
が、その時、空気が唸る、不気味な音が聞こえた。
風の刃だ。二発目。
エーテルを全開に盾を傾斜させ構える。
轟音が響く。
世界が、回転した。
蒼い蒼い冬の空が見えた。
掠れて薄れ、そして、何も見えなくなった。
(冗談きついぜ化け物が)
アーテミシア、瞬間的に加速し突撃しつつ視界の隅にてイヴェールが倒れる姿を捉えていた。イヴェールが二発耐えられないという事は、自分も同じように二発は耐えられないという事だ。
そして他の誰かだったら確実に一撃で倒れ、そして頭部などの急所、あたりどころが悪ければ一撃で死ぬ。
予知夢にあったツェツィーリアのように。
ララノアが進路を塞ぐべくハヌマーンの眼前へ踏み込んだ。赤い結晶が柄にあしらわれた刀を振り上げ立ちはだかる。
その切っ先から輝くエーテルが噴出し巨大な光塊を形成してゆく。闘気槌だ。
「通せんぼ! でし!」
気合と共に金髪の眼鏡少女は全力で刀を一閃した。
猿面人の背後よりアーテミシアが迫っていたが、闘気槌は狙った対象以外はすり抜ける。
唸りをあげて振り下ろされた光塊がハヌマーンのみを捉えて打撃し、衝撃を与えた所へ背後からアーテミシアが飛び掛かった。
「その飛び道具はやめろ」
風刃を撃たせては不味い。
身の丈2mの猿面人の背後より肉薄し、両腕を伸ばす。無手だ。武器を持っていない。
背後から抱きつくように組み付いた。羽交い絞めは背が低い側はやりにくいので、両腕を外側から輪のように巻きつけて内側、胴体へと押し付け、両腕の動きを阻害する。
「ご自慢の棒だって寄られりゃ上手く振れないだろうがよ」
万力の如く、全霊を籠めて締め上げてゆく。ハヌマーンが暴れ回る。力と力の勝負だ。
セリオス、銀髪の青年は竜骨の複合短弓に矢を番え、命を蝕むエーテルを鏃に纏わせていた。
組み付き中であるから、一歩間違えるとアーテミシアにあたってしまう。
誤射せぬように精神を研ぎ澄まし、銀色の瞳で静かに睨み据え撃ち放つ。
旋転する矢が鋭く飛び、激しくもがいているハヌマーンに回されたアーテミシアの腕を掠めて猿面人の胴に突き刺さった。
命を蝕むエーテルが猿面人の身に浸透してゆく。
アクティオンもまた竜骨の短弓を月が満ちるが如く弧状に、目一杯に引き絞っていた。
番えられた鏃の先端にエーテルが強力に収束してゆく。重力波のエーテルだ。グラヴィティボルト。
白鱗のリザードマンの男は金色の瞳でもがくハヌマーンを睨むと精密に狙いを定め撃ち放った。
一閃の矢が唸りをあげて空間を貫き、鋭く猿面人の胸に炸裂、身動きを阻害する重力波エーテルがハヌマーンに纏わりついてゆく。
他方、
(予知夢の場面には、なんとかギリギリ間に合ったが……やはり凄まじい破壊力だな)
紫髪のハーフリング、バーネットは要救助者達の避難を見て胸中でほっと息をつく一方、頑強無比のイヴェールが速攻で沈められたのを見て、改めて気を引き締めていた。
エーテルを操り右手を掲げ収束させ一本の蒼白く眩い光の槍と化してゆく。
「あたれよ!」
アーテミシアへの誤射にならない事を祈りつつ駆けると跳躍、宙で身を反らしひねりざま勢いをつけ光の槍を握る右腕を振りおろす。投擲。手から放された光槍が唸りをあげて飛び、ハヌマーンへと迫る。
猿面人は咄嗟にかわさんするも金髪のエルフ少女に組み付かれていて身動きがとれない。蒼い光の槍がハヌマーンの身に直撃し、炸裂、蒼白い光が纏わりついてゆく。スネアージャベリンだ。
マリイ、先程の言葉で鼓舞せんとしたのは何よりも己自身だった。ヒュアデスの傘の先端をもがき暴れる猿面人へと向ける。
――目を狙いたい。
アーテミシアに組み付かれていて回避が制限されているこの状況でこそ魔弾で撃ち抜いて、敵の攻撃精度を低下させたい。
が、この角度から撃つと、かわされた場合、背後にいるアーテミシアにあたらないだろうか?
(……いや、身長差があるから大丈夫、の筈)
多分。
26cm身長差があるので、万一かわされてもアーテミシアの頭にはギリギリ中らない、筈。
マリイは攻撃に意識を集中させ、精神を研ぎ澄ますと傘の先端に光を収束、球形に膨れ上がらせ猿面人の闇色の双眸を睨み撃ち放った。
閃光が空間を貫き、ハヌマーンは拘束されつつも咄嗟にかわさんと首を横に振る。
アーテミシアから拘束されていても部位狙い、かわせるタイミングだった、通常ならば、しかしアクティオンのグラヴィティボルトによって行動が阻害され回避力が大幅に低下していた。
光の球が頭部を横に振った猿のこめかみへと命中、凶悪な爆裂を巻き起こし骨肉を吹き飛ばしてゆく。
ハヌマーンのこめかみから握り拳程の範囲が抉れ、その左目は視力を失った。
キーゼは聖女達へと先の言葉を発しつつエーテルを効率的に操作、イヴェールへと癒しの光を放ち、さらに光の球を出現させ撃ち放った。
光を浴び、光球を身に受けたイヴェールの傷が癒され、生命力が回復してゆく。ヒールとサイドヒールだ。
キーゼのそれは通常のものよりも大幅に回復効率が強化されている。
シェリル達を恐らく安全圏と思われし範囲まで離脱させたネーヴェは踵を返し、ハヌマーンの方へと駆ける。
同様に離脱中攻撃されてもかばえる位置についていたベルクもハヌマーンへと向かった。
●
インベイシブのエーテルがハヌマーンの身を蝕んでゆく。
猿面の這者は片膝をつき身を前に折るように屈むと、アーテミシアを背負い投げるようにして拘束を振り払った。
エルフの少女戦士が放物線を描いて宙を舞い、やがて落下して受け身を取りながら大地を転がる。ベルクが牽制すべく狐の如き俊敏さで踏み込んだ。
二本の短剣が閃き、黒い嵐が巻き起こる。ハヌマーンの身から鮮血が噴出する。猿面の這者は立ち上がりつつ鉄棒を振るう。意識を回避に集中させている銀の長髪の小柄な女は、即座に後方に飛び退き鮮やかにかわした。軽快な機動で間合いを広げてゆく。
アクティオンが竜骨の短弓に矢を番えエーテルを収束させ、バーネットが魔導書を翳す。
弦音を響かせながら矢が放たれ、ハヌマーンの胴に突き立ち痛打を与える。攪乱のエーテルがまとわりついてゆく。が、エーテルは甲高い咆吼と共に吹き散らされた。抵抗された。直後、バーネットから放たれたエーテルが猿面人の身へと絡みついてゆく。呪力が壮絶に高い。ハヌマーンの抵抗を押し切って、その筋力を大幅に低下させてゆく。魔蝕だ。
ハヌマーンは矢とエーテルを受けつつも、先程ベルクへと向かい振るった鉄棒を回転させ、流れるように上下を入れ替えながらアーテミシアへと振り抜いた。
筋肉質な体躯の金髪のエルフ少女は、緑色のガントレットを装着している左腕を翳す。
ドワーフ謹製の肩から指先までを隙間なく覆う曲面装甲と、異貌生物の鉄棒とが激突して轟音が鳴り響く。
アーテミシアは衝撃に身体が浮き上がってゆく中、右手を鋭く伸ばした。棒の先端を掴み、奪い取らんとする。ディザーム。
が、ハヌマーンは棒をすぐに後ろに素早く引いた。伸ばされた手が棒を掴むも、滑り、抜けてゆく。
金髪のエルフ少女が吹き飛んでゆく。棒の先端が向けられていた。
猿の右の闇色の瞳と、抉れた赤い虚ろの左がアーテミシアを見ている。
セリオス、エーテルを収束させた矢を番え竜骨の複合短弓を目一杯に引き絞っている。攻撃タイミングに割り込み、注意を逸らすように矢を撃ち放つ。
唸りをあげて閃光の如く飛んだ矢が、ハヌマーンの身に突き刺さり、錐の如く回転しながら骨肉を抉って深々と刺さり凶悪な衝撃力を炸裂させる。
猿面人の身が揺らぎ、しかし魔力の解放は止まらず、鉄の棒の先端から壮絶無比の破壊力を秘めた風刃が解き放たれる。
着地したアーテミシア、即座に身体を傾けつつ畑の土を蹴り、横っ飛びに低く転がった。
唸りをあげて先程までアーテミシアの首があった空間を風の刃が突き抜けてゆく。アクティオンのグラヴィティボルトやマリイの目潰し、セリオスの射撃等により命中精度が大幅に低下し、狙いをつけるのに時間がかかっていたのだ。故に余裕をもってかわせた。
畑の土の上を一回転して起き上がったアーテミシアは、自身の左腕へと右手をあてヒールをかけながらハヌマーンを睨み言った。
「ドワーフの戦士がそう簡単に死ぬかよ」
他方、ネーヴェ、白く長い髪を持つ銀瞳のエルフ娘は、宗教的な装飾の施された刀を振り翳し、己自身と身に纏っている装備からエーテルを引き出し増幅すると、強い光と成して撃ち放った。
「今、手当ていたしますわ」
光がイヴェールを照らし、その白肌の身を包み込んで傷を癒し、高効率で生命力を急速に回復させてゆく。ネーヴェのそれもまた通常の回復術よりも効果が高い。
さらにララノアが倒れているイヴェールへと駆け寄ってその傍らに跪き片手をあてた。
精神を集中させ、天地を巡るエーテルの流れと接続する。
自身を介して生命力に転化しイヴェールへと送り込んでゆく。命の河だ。
銀髪少女の身が急激に回復しその傷が瞬く間に癒えてゆく。
キーゼ、ネーヴェとララノアが回復にあたっているのを見てハヌマーンの防御特性を考える。有効なのは物理か魔法か。外見からでは察する事は出来ない、ので、とりあえず撃ってみる。戦場の霧にはとりあずカタパルトをぶち込んで効果を観測するのが戦人の習わしだ。
バイアーディスの骨腱及び竜石で作られた強力な複合弓に、呪の刻まれた鏃を番え狙いを定め撃ち放つ。
矢は旋転しながら唸りをあげて飛び、命中、鋭く突き立った。
次いで物理射撃をすべく二本目の矢を矢筒から引き抜く。
同時、マリイ、傘を向け意識を攻撃に集中させ狙いを澄ましていたエルフ娘は、キーゼの攻撃に重ねるように雨傘の先端にエーテルを収束させていた。
光球と化し、撃ち放つ。
唸りをあげて眩い光の一閃が空間を走り抜け、アクティオンのグラヴィティボルトで動きが鈍っているハヌマーンへと襲いかかる。
狙いは、残された右の目。
猿面這者は飛び退きつつ咄嗟に頭部を横に振り、光球がこめかみを掠め彼方へと抜けてゆく。
かわされた。
アーテミシアの組みつきを振りほどいた分、先より回避力が上がっている。
インベイシブのエーテルがハヌマーンの命を削ってゆく。重力波のエーテルが掻き消される。
イヴェールが金色の瞳を開いて起き上がり、ベルクが意識を回避に集中させつつ石火の如く踏み込んだ。
身の丈113cmの銀髪の小柄な狐娘が、右手に携えた黒く染めた爪状の短剣を左袈裟に振り下ろし、左手に握る黒い直刀の短剣を右から左へと薙ぐように振るい、さらに右の手首を返して下から上へと振り上げた。
一刹那に三条の黒い閃光が走り抜け、赤色が宙に散る。ハヌマーンが棒を振り下ろし、鉄塊が落雷の如く唸りをあげ、ベルクは半身に体を捌いてすり抜けるように回避、再びステップして間合いを軽快に広げてゆく。
バーネット、魔導書を左手に持ち、ハヌマーンへと右手の指先を向けその先端から光で球体を形成し撃ち放ち、アクティオンが攪乱のエーテルを籠めて再度射撃する。
光球が唸りをあげて飛び、ハヌマーンの胴に爆裂して痛烈な破壊力を炸裂させる。態勢が揺らいだ所へ攪乱の矢が突き刺さり、エーテルがまとわりついてゆく。
アーテミシアが瞬間的に加速しながら低く踏み込み、ハヌマーンに飛び掛かった。
猿面人とエルフ娘が再び激しく揉み合い、イヴェールが加速して踏み込み、ハヌマーンの右腕へと宝剣を突き出す。
鋭い切っ先が猿面人の腕に突き刺さり、アーテミシアとの攻防にもがく中でその手から鉄棒がこぼれ落ちる。
ネーヴェは祭刀を翳すとエーテルを操り、ララノアへと向け放った。
フードを跳ね上げ眼鏡を外したエルフ娘の身が淡い光に包まれ輝いてゆく。
「シェリル様を……いじめましたねーー!」
腰まで流れる柔らかな金髪を靡かせ、ララノアは祭刀に蒼い光を収束させ振り上げながら踏み込んだ。
――シェリル様の無茶も、分かるのです……
今のこの敵に、私では敵わないかもしれないけれど……それでも!
私は……誰かを守れる人になりたいのですッ。
思いと共に一閃、魔法の光を纏った祭刀の切っ先が、アーテミシアに拘束されつつも咄嗟に頭部を横に振ったハヌマーンの頭部を掠めて、首元へと喰い込み、鎖骨を斬り裂きながら抜けた。
血飛沫が散ると共に猿面人の口から悲鳴じみた奇声が発せられる。
なお厳密に言うと、現時点ではハヌマーンはシェリルを虐めてはいないのだが、ララノア達が妨害せずに放っていたらシェリルを喰らうつもりではあったので、過去形ではなく未来系ではあった。阻止された未来。
ハヌマーンの味方への連撃に備えて様子を見ていたセリオスだったが、拘束中の為、このまま押し切れるかと判断しエーテルを解放、鋭く矢を撃ち放ち、猿面人の胴を痛烈に貫いた。キーゼもまた再び弓を引き絞り物理属性の矢を撃ち放つ。矢は狙い違わずハヌマーンの身を貫き、突き刺さり具合からすると先の魔法攻撃の方が効いていただろうか。
有効度を見極めたキーゼだったが、ただ、その観測結果を活かす機会は幸か不幸か発生しなかった。
次の瞬間、意識を攻撃に集中させ狙いを澄ませていたマリイが、雨傘の先端より光の球体を撃ち放ち、アーテミシアに拘束されているハヌマーンの、その残った右目ごと爆裂と共に頭部を吹き飛ばしたからである。
「うげ、なまぐせぇ」
噴き上がった鮮血を浴びたアーテミシアが、臭気に柳眉を顰めつつ拘束をとくと、猿頭を失った這者の胴体は、畑の上へと崩れ落ちていったのだった。
●
戦後。
「しっかしまぁ、大分荒らしちまったな……」
死屍累々の畑を見やってバーネットは嘆息した。まぁ命には変えられないし、広い畑の中で見ればほんの一部分ではあったが、後処理は大変そうである。
冒険者達は負傷を治療すると避難していた四人と合流した。
「シェリル様……ご無事です? 頑張りましたね……」
ララノアは十二歳の黒髪少女をねぎらった。
シェリルは笑顔を見せて、
「有難うございます! おかげさまで、私も他の皆さんも無事です! 助けに来てくださって、今回は本当に有難うございました。本当に……」
言葉の途中で、黒髪童女は笑顔のまま瞳を潤ませ、ぼろぼろと涙をこぼし始めた。「……あれっ?」と呟き目元を拭う手が震えていた。
「……聖女、やめたくなりましたか?」
ララノアはシェリルの意志を尊重したかった。
問いかけるとシェリルはララノアを見上げ、表情を歪めて無言で首を左右に振った。
「そうですか」
金髪のエルフ少女は黒髪童女をぎゅーっと抱き締めた。
シェリルが小さく呟いた。
「……くやしいです、聖女とかいわれても、私は……見捨てないといけないと、私が、弱いから」
そう言ってララノアを強く抱き返して泣いていた。
「怖いも辛いも後悔も……きっとたくさんあります……でも、一緒なら大丈夫っ」
ララノアはシェリルの頭を撫でながら言った。
「――共に、乗り越えましょう」
冬の空は冷たく澄んで、蒼く晴れていた。
●
「皆さんに深く感謝するのであります聖女様。誰も死んでいないのですから。そうそう上手くはいきませんよ、普通。普通なら、死んでます。あの猿はやばかった。これは、とても上等な結果です。まぁ普通なら、あんな猿がほいほい農村に出て来る事もそうはないとは思いますが……」
女兵士がそんな事をシェリルへと言っている。
「ツェツィーリアさん、人に被害がなかったのはお二人のおかげです。シェリルさんもよく頑張りました」
マリイが微笑して言うと女兵士は「有難うございます」と真面目な表情で一礼し、シェリルは赤い目ながらも笑顔を見せて「有難うございます!」と元気に返した。
(どこか見覚えが……)
そんな女兵士と聖女の顔を見てイヴェールはふと思い、こっそりマリイに聞いてみると去年の夏にアルサーラムの湖で引率した孤児院の子供達の中の一人だとの事だった。あの後にエーテル浄化の力に目覚めたのだと。
(ああ、あの時の)
思い出したイヴェールが「お久しぶりですね」と声をかければ「あっ……あなたは人間投石機のおねーさん! お久しぶりです! 今回も有難うございました!」と聖女から一礼された。
ひゅーまのいどとれびゅしぇっととはなんぞや、と内心銀髪少女戦士は思ったが、まぁ、子供達の間での年上に対する渾名などに深い意味はないのだろう、そう呼ばれる心当たりなど無い、ちょっと子供達を湖面に向かってぽいぽい放り投げただけである。
そんな事よりも、だ。
「――村人を救う為に戦った事、私は間違いでは無いと思います」
聖女の価値を思えば彼女の行動は望ましくない、それでもイヴェールはそう思う。
述べると、シェリルは嬉しそうに笑った。
「有難うございます!」
「また同じような事があった時、シェリルさんはどうしますか?」
問いかければ、シェリルは悩むそぶりを見せつつも「きっとまた同じ事をすると思います」と答えた。
(今回は運悪くクリーパーと遭遇し、運良く予知夢があって間に合いましたが……また同じ事が起きれば次こそ本当に死にかねませんね……)
イヴェールは、その後マリイと共にツェツィーリアと話をした。
預言の魔女の予知夢では全員が死亡していたとマリイが告げ、
「本人の意識を変えられないのであれば護衛を増やした方がいいのでは?」
とイヴェールは言った。
力不足等ではなく、シェリルの浄化による功績とその役割の重要さに対し、守りの手薄さは正直、不安要素なのではないかと。
「敵は魔獣やクリーパーだけではないのですから……」
二人の言葉に根が真面目そうな女兵士は熟考するようなしばしの沈黙の後、
「アルサーラムの町に持ち帰って上役達と相談してみます」
と言った。
曰く、町長と守備隊長と相談してみるとの事。
お役人仕事だなぁと思ったものの、彼女の立場、権限では決められない事なのだろう。アルサーラムは辺境の小さな町なので、大体は予算と人手に問題がある。
ただ、そうする以上、ツェツィーリアも現状の体制だと不味いのではないか、と思っている様子ではあるようだった。
かくて、村を滅ぼし聖女達を殺めると予言された魔獣とクリーパーは冒険者達の活躍により撃退された。
またマリイは立ち去る前に、畑での魔獣の骸の除去などを手伝い、その面でも村人親子に感謝されたのだった。
マスターコメント
ロングシナリオ非常に難しい 報酬:標準10 / 6〜10人
2022年02月25日 11時09分45秒 公開
相談掲示板
さて、よろしくお願いします ひとまず最序盤は 1.戦闘可能NPC2名の回復 2.非戦闘NPCの確保 3.敵の引き付け ここを最優先で、ですかね。 NPCの離脱を敵が許してくれるなら、まずはその実施。 不可能な場合を含めての2次策まで、でしょうか。 猿面がメイン2回となるとかなりの高機動ですからね。 前線がしっかり釣らないと、多少の距離のゆとりなど無いに等しいでしょう。 回避型メインがいる場合、棒術回避からの追撃が脅威ですが、今回はそこまでいませんからね。 何名が2発耐えられるかどうか、という問題はありますが。 例えば、シューターの方にお願いするなら、濃煙などによる一時的な敵視界と射線の妨害+近接による敵の注意引き。 又は耐久を高めた光縛封、でしょうか。 安全に回復する、という意味では一時的な妨害にはなるかと。 ハヌマーンの特性として物理+物魔なら、防御は物理偏重の方が安牌ですね。
シューターのアクティオンです、よろしく。 >初動 概ね異論なく。 ただ、黒翼狼についてはさっさと落としてしまうのもありかな、とは。引き付けや押しとどめにしても、早々にハヌマーンに集中できるようにする意味はある。 「残っているのが5体」であって、配置がどうなっているかは分からないですが……生き残りの数が少ないこと、遠距離攻撃はないことを考えればそうばらけていることもないでしょうし。 まあ、魔獣とハヌマーンは別に味方同士でもないようなので、位置取りと立ち回り次第ではハヌマーンの手数を魔獣に消費させることもできる可能性もありますが……
ウォリアーのアーテミシアだ。よろしくな シューターとヒーラーの比率がちと高いか。 とりあえず1・2・3は教科書通りに行くか? 3.壁役が敵をひきつけ 2.足の早い奴が非戦闘員を確保して 1.ヒーラーが戦闘可能な二人を回復する 棒術は大して怖くねえけど風刃がなー まあ流石に一発で生命600とか持っては行かねえとは思うけど
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 >初動 はないな。 その流れなら我は2のNPC保護に回ろう。 できれば安全圏までの離脱前護衛したいところだな。 安全が確保できた段階で戻って参戦がいいのだろうか?
ヒーラーのネーヴェ・グラヌローザと申します。どうぞ宜しくお願い致します。 初動はキーゼさんの挙げて下さった3点で異論ありません。 ひとまず初手は、1.戦闘可能NPCの回復に回りたく存じます。 ヒーラーが多いですから個別ヒールでも良さそうですが……ハイパーヒーリングオーラで一気に回復させれば初手の回復手は一名で済みますから、今のところそちらを視野に入れています。 アーテミシア様も仰ってますが、やはり風刃が厄介でしょうか。ブルーフレアで防御は底上げしておきたいところですね。
ウォーリアのイヴェール・イリュジオンです。 どうぞよろしくお願い致します(ぺこり) 初動の最優先項目については異論はないです。 その中で言えば私は引き付け役になりますが、猿頭に関しては抵抗が並みならシーザーロアで注意を引くのが無難でしょうか…? 風刃の威力がどの程度のものか分かりませんが…負傷していたとはいえ、実力のあるシューターの方を一撃で仕留めていましたから、防御力と生命力の無い方が狙われる状況だけは避けたいですね…
キャスターのバーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 >初動 序盤はキーゼが挙げてくれた要点を抑える形で良いと思う。 >交戦 黒翼狼については簡単に落とせるって事だし、アクティオンの言う様に 可能なら初動の内に落としておくのも有りだと思う。 あと、ハヌマーンの抑えについては、念のため移動阻害とかもつけた方が良いかもな。 >シェリルとクライン シェリルの方も一応戦闘能力は持っているが、あまり強くないって事だし、 態勢を立て直したら二人にはこのまま距離を取ってもらい、 黒翼狼の排除と等の援護に努めてもらうのが良さそうか?
まあオレもサルに行くか。 風刃が棒から出るなら組み付きが成功すれば封じられるかもしれねえな。 棒で殴られて追加で風刃が最悪のコンボだな。かわしても後ろが直撃するかもしれねえし、脆いやつは直線状には入らないほうがいいだろ
>戦闘可能なNPC二人の回復 >非戦闘員の確保 これ、本当に最初の初動は自分達も対応する必要がありますが、戦闘可能な二人が復帰可能であればそのまま非戦闘員の確保(域外への離脱)はお願いできないですかね。 その分、こちらはハヌマーンに早めに全力投入できるようにならないかな、と。 >初動 こちらは……ハヌマーンに狙われるとかなり厳しそうなので、非戦闘員の安全確保が最初でしょうか。 黒翼狼を落としにかかれれば、と。
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえず初動はキーゼの案で問題ないと思う。 俺は濃煙で相手の視界を塞ぐようにする。 そのあとは先に猿にインベイシブアローでも打ち込んでから邪魔になりそうな狼でも排除するか まあアクティオンの言う通り猿が狼の排除もしそうだから放置でもいいのかもしれんが
>初動 ある程度それぞれ得意分野での動き…が一番理想ですが。 相手のINI値が分からない以上、可能な限り最初手は猿面及び黒狼への牽制ですかね。 あるいは敵より早く動けて庇える人間がNPC護衛につくか… 敵を抑えるにも何をするにも、いざ陣容を整えようとする前に敵にやられたら元も子もありませんから。 恐らく救助対象は、誰一人一撃もたないでしょうからね。 >NPC離脱 狙えるならば、アクティオン氏のあげるよう、NPC授恵者2名に護衛しつつ下がってもらうのが理想でしょうか。 >濃煙 提案はしていますが、使いどころには注意ですね。 猿面はメインアクションが2回行える…つまり、 メインアクションで濃煙の範囲から離脱→サブアクションで調整→メインアクションで攻撃 という一連の流れが1ラウンドで行えます。 うまく使おうとするならば、 ・煙内で敵を有効的にとらえることが出来る手段 ・煙内に敵を抑え込める方策 この二点が必要かと。 >黒翼狼 予知夢の結末的にも猿面と連携はないでしょうが…逃がす際に邪魔にはなりますからね。 早々に間引く必要性については同意です。 ただ、猿面にここを狙う際の隙をつかせない形は必要でしょうか。
シューターのマリイと申します。よろしくお願いしますね。 >初動とか 流れに異論はありません。 個人的な動きはちょっと悩み中ですね。意識を向ける相手が多いほど大変ですしなるべく早く減らしたいところですし、狼の撃破に回ろうかなと思いつつ。射程を生かしてなるべく早めに猿を攻撃してこちらに引き付けたり妨害するのもありでしょうか。 >NPC離脱 一般人お二人がうまく動けない可能性もありますし、シェリルさん達2人について行ってもらった方が確かに安心ですね! 私のペットも念のためつけておこうと思います。
>初動など 救助対象NPC被弾時、スケープセイントでダメージを肩代わりする手もありましょうか。 使用回数やダメージ量を考慮致しますと、あくまで万一の場合を想定したサブ的な運用になると思いますから、牽制ないし護衛そのものは他の方にお願いしたいところに御座いますが……。 私自身の動きは初手回復は変わらず、以降を魔法攻撃にするか補助中心にするかは少し悩んでおります。 >NPC離脱 これは皆様仰る通りだと思います。シェリル様達を回復したら、そのまま護衛しながら下がって頂けるよう、私からもお声掛けさせて頂きます。
>相手のINI値 格段に(特筆すべき程)早いかはわかりませんが、遅くもなさそうです。 少なくとも初動については、動くタイミングを計っている余裕はなさそうかと。 >黒翼狼 ハヌマーンが勝手に落としてくれるかも、と自分で言っておいてなんですが、予知夢でもクライン君→黒翼狼→生き残りの順で狙っているので、(負傷状態とかは考慮に入れず)強そうな順で攻撃している感もあるような。 射手で早めに落としておくのが安牌、ですかね、やはり。
>NPC それじゃあシェリルとクラインの二人は、農夫と少年を護衛しつつ退却って感じか。 あとは、二人が態勢を立て直して退却するまでの間、俺らで敵を抑えておかないとな。 >個人行動 ひとまず初動では足止めにグラビティフィールドとスネアージャベリンを使って、 ハヌマーンと巻き込めれば黒翼狼も移動を妨害するから、濃煙も使いやすくなると思う。 その後はメテオライト3も駆使して黒翼狼を排除してから、ハヌマーン対応に入るつもりだ。 あとは、ハヌマーンには魔蝕3も使って物攻を下げておく。
>流れ 改めて纏めますと。 序盤 a.負傷者及び非戦闘民の救護 b.敵性体の誘引及びa狙いの抑制 中盤~ 〇a回復次第非戦闘民連れて離脱依頼及びその警護 〇黒翼狼の早期殲滅 〇猿面の撃破 こんなところですかね。 >猿面対応 幸い予知夢で初手の敵の狙いははっきりしていますから。 外部要因がない限りは猿面の初手はシューター狙いでしょう。 まずはこの初撃をいなすのが必須ですかね。メインアクション2回と考えると、追撃がある可能性も考慮すべきかと。 ラウンド処理がどう行われていたか、ですが。 移動込みでシューターより早く動いた猿面、虚を突かれたとはいえ対応に遅れ狼に肉薄を許した聖女、となると。行動順としては 猿面>シューター と 狼>聖女 はあり得そうなところ、ですかね。 現状通り、早く動ける順から、まずは助けることを最優先、でいいでしょうかね。 >個人 とりあえず並程度には耐久性はあるので。猿面寄りで回復中心で動きましょうかね。
遅くなりまして(がばちょ礼 だいたいの流れは把握いたしまして…特に今出ている案で異論はなく…(こくこく ぇと…では私はブルーをお持ちしましょうか… もう一つは、サイドにするか…念の為にリヴァを持っても良いかなとも…(ぅーん 個人的にはシェリル様をお守りしたくありますが… シェリル様方の撤退まで、敵の動線を塞ぐようにするくらいしか思いつきませんで…(ほむん もしくは前に出てお猿さん対応でも良いかなと思っておりまし(あぅあぅ
オレはまあサルの相手だが・・・回り込んで組み付いてみるか うまくすれば時間稼ぎと風刃封じが出来るかもしれねえし。あとは武器狙いしてみるかね
では安全に撤退して頂くためにも先に狼を落とす方向で行きますね。ラビットショットで二体狙っていこうかなと思います。 >猿 んー、確かに遠距離攻撃等が煩わしいと思ったら潰しに行く知能はあるかもしれませんね。 なるべく相手の間合いには入らないよう気を付けたいところですが……さてさて。 あとは、そうですね。私も目など敵の行動に支障が出そうな部位は狙ってみますね!
ララノア氏が猿面対応に回るおつもりなら、こちらは一歩引いて補助と救護に回りますが。 いかがしましょうか
えとえと…散々悩みましたが… お猿さんで…ま、前に出たいと!ふ、不安はあるのですけどっっ キーゼ様は有難うございます(がばちょ礼) サイドとリヴァを持っていこうかなと思うのですが…ハウリングをお願いできましでしょうか… リヴァがそんなにいらなければハウリングでもいいかなと思うのですが…(うーん)
と、すみませんぎりぎりなのですが、とりあえず弓と言いましたが変更して杖で行きますね! それと今回は作物付きの畑なのでちょっと動きにくい所もありそうですと、ちょっと今更ですが。