住民2人→18人の村の再出発
紀藤トキ
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シナリオID:1685
オープニング
「……あとは、村の状態と今後の見通しについて、か」
幸い、農業に造詣の深い冒険者もいたし、学識のある冒険者もいた。村には将来性があるとの彼らの見解を添え、また巡回ルートの拠点として都合が良い立地である事も付記する。安請け合いはしたくなかったので確答は避けたのだが、それほど分の悪い話ではないとアロイスは思っていた。
「彼らにとって、良い結果になると良いが」
その後、帝国軍の現在の本部であるヴィントから部下の弓兵の待つヴァイセントラフ砦へ帰りついた彼を、追い越して先についていた命令書が出迎えた。
「……転属? あの村に? 部隊全員でか」
「ははぁ。そろそろかと思いましたが、お役御免ってことですかね」
書面を手に首を傾げたアロイスへ、部下が訳知り顔で言う。どういう事かと問えば、何のことはない。もともと帝国正規軍ではないアロイス達は、いずれ役務を解かれるだろうと思っていたのだという。
「隊長も俺たちも街の衛兵隊上がりですからね。向こうも気を遣ってくれたんですよ」
そう言われてみれば随分昔の話のような気がする。去年の夏までアロイスは授恵者でもない下っ端の弓兵で、仕事は街の警備兵だった。帝国が滅んだあのろくでもない日に、生き残りの市民を連れて逃げる途上で授恵者の力に目覚めたのだ。ヴァイセントラフ砦に何とか辿り着いてからは、行きがかり上そのまま軍に協力してきたがきちんと教育を受けた軍人と言う訳ではない。小部隊として使うならともかく、兵団の一部として扱うには色々と不足な点もあろう。
「まあ、雇い主の街も無いですし、この先の予定もない。何もない村で再出発っていうのも悪か無いですな」
「という事は、隊は解散で私は隊長じゃなくなっても良いんじゃないか?」
言っては見たものの、今後も有事の際は招集が掛かる事もあるようだ。となるとヴィントの正規軍との連絡も絶やす訳にも行かず、代表者が必要ではある。つまり、これまで通り若造のアロイスが面倒な役目を押し付けられる流れだった。その後、残っている弓兵隊の面々に命令を伝え、念のために希望を取る。
「命令通り廃村へ駐屯、そこの警備隊として再出発をする。あるいは正規軍へ志願する。もちろん隊を抜けて一市民として再出発を図るのも構わないが」
「いやあ、ここにいる連中は行き場が無くて残ってるんですぜ。今更どこへってなもんだ。隊長だってそうでしょうや」
「へへっ、俺は酒場のマリーちゃんがいるから除隊して所帯を持とうかな」
「……あの商売女、誰にでもいい顔してるぞ」
「知ってた!!!!」
ワイワイ言いながらも、脱落者は居ない。まあ、そんなところだろうとアロイスも思う。であれば、廃村の警備兵として新たな人生を歩むのも悪くはない。
「……でも、マリーちゃんは無理でも誰か女の子来てくれないかな。いや、この際女の子じゃなくてもいいんだけど」
「ああ……、食事作るの美味ければ野郎でもいいんだが。しかしあまりにも華が無い」
「タントちゃんがいるじゃないか」
「マスコット枠じゃなくて、もう少しこう、身近なアイドルが欲しいんですがねえ!!」
わいわい騒ぐ部下たちを見ても、後ろ向きな物はいないようだ。しかし、彼らだけで移り住むわけでもないらしい。というか同行者の選別というのが警備隊としてのアロイス達の最初の任務になるらしい。
「……ふむ。ヴィント市にいる者で、移住を希望する者は帯同して良いと。……どういった人材が良いのだろうな」
「よし、俺マリーちゃんに告白してくる!!!!」
勢いよく出ていく兵士を見送ってから、アロイスは思案顔で命令書を眺める。ヴィントにいるのは手に職がある者、ない者。農業経験者や大工職などは今でも開発に引っ張りだこで確保しにくかろう。あるいは身寄りのある者、ない者。男性、女性。老いた者、若い者。条件としては、種族も考慮すべきかもしれない。現在の帝国はゴブリンを受け入れる方針ゆえに、募ればまとまった移住者がゴールディから来る可能性もあるだろう。
「ボウノ氏の意見も聞きたいところだが……」
「いや、それは隊長が決めないとダメなんじゃないっすかね? 責任の所在的に」
「決定はするが、希望は問いたい。村の元来の住人は彼ら2人なのだから」
アロイス達が向かい、彼らの駐留をまずは告げる必要がある。その際に希望を聞いて、それからヴィントへ戻るのが手順としては妥当だろう。あとは、村の経営など誰も経験が無いのでアドバイスも欲しい。おそらくはボウノもそう言った知識はない筈だ。
「最低限、どういった人材が欲しいか。集団としてはどういった者たちを望むか。ああ、それに冬に備えて何を必要とするか、もあるな。幸いバルディオン将軍が復興資金をつけて下さってはいるが、余裕がある訳でもない。優先順位は決めねば……」
思案気に腕を組みつつも、アロイスは困ったときの常として冒険者ギルドを頼るつもりであった。
「冬越しの為の物も運ぶから荷馬車が要るな。道中の護衛と、助言を求める依頼をギルドに出そう」
何せ、あそこは冒険者である以外に様々なキャリアを積んでいる者がいる、人材の宝庫のようなものだ。色々アイデアを貰いつつ、最終的にどうするかは自分が決断すればよいだろう。
解説
マスターより
リプレイ
アロイスが自分達が駐留する事を告げ、ボウノは嬉しそうに頷いた。既に一度会っている面々とは再会を祝し、初めて会うジュスト・ヴェルジーとは自己紹介を交わす。
「実働としてはお役に立てることは少ないけれど、助言位なら出来そうだ」
「いや、その。ありがとうございます。私はボウノと申します」
「はじめまして! 私はタント、5歳です!」
ジュストの所作から滲む育ちの良さに少し恐縮するボウノ。タントは一礼してから続く姿に目を輝かせた。兵士たちの私物を積んだ荷馬車の後ろに、村の冬越しの必需品を積み込んだ冒険者たちの荷馬車が2台。ハリス・アル・ターミルの黒汗馬と、ストレガ・L・リベルガストラのミニビヒモーへ手を振ってから、トーラの方へ目を向けるも。
「ムームーは今回お留守番です。ごめんなさい」
出立前に、ビヒモーの肉がどうのと会話をしたせいでへそを曲げたのだろうか。
「飼うならはじめは、ニワトリなどがお勧めですよ」
現実的な所を提案するシルク・メイプルリーフに続き、牧草地の規模を確認したハリスとトーラが、羊やビヒモーの放牧も視野に入れる事を薦めた。そうなると専門知識が欲しくはなる。ボウノも交え、移住者に求める条件を考え始めた。
「農夫の方はもちろん。医師、商人、聖職者、大工、鍛冶屋といった方々にも来て欲しいですが……」
「農業と畜産、建築に関しては知識や技術が必要ですね」
「読み書きと金勘定のできる人間がシュタイナー1人では大変だろう。補佐ができる人間と……。あとは医師か薬師はやはり欲しい」
シルクがざっと数え上げ、ハリスとフェイサル・セイフが所見を述べる。
「医者は確かに。後は根性があれば良いんじゃないかな。ただ、タント君もいるから犯罪歴などは確認した方が良い」
「農業や建築、あとは織物や畜産……。あ、でもわたしもやる気があれば誰でも良いと思います!」
ヨル・スレイマンが職能以外の内面に言及し、欲しい職能を指折り数えていたトーラもやる気は大事だと思う。「確かに、何もないような場所に来て頂く訳ですしねえ」とボウノが眉を下げると、ルチル・プルメリア・グレイハーツが弱気を諌める様に首を振った。
「ここにはここの長所があるだろ? まずは食料に不安が無い事だな」
「その点に関しては、間違いありません。この地を素晴らしい場所にできるよう、尽力致しましょう!」
専門家のハリスが太鼓判を押す。一方、ジュストは高所からの意見を述べた。
「建築、農業の経験者がまず必要なのは、統治、発展し易い土台を作る人材が必要ってことだね」
だから、もめ事が起きにくい事も大事だと言い、最終的には挙げられた職業全てが必要だという。
「そのうえで優先順位としては、そうだね。暖かい家と食事、家族の存在は心を穏やかにする。その妨げになる飢えや寒さ、病や怪我、外敵といった不安を解消出来る人材は優先したい、かな」
移住ではなく、報酬や待遇を明示して一時の働き手を募る手もある。滞在するうちに移住したくなることもあるだろう。
「お2人と軍人さん達に抵抗が無いなら、種族は限定せず募るのが良いと思う。その場合は、来る人も異種族に偏見がない人にして貰わないといけないね」
「種族ではなく他国からの民という事であれば、今の帝国にわざわざという点で警戒は必要だとは思う」
「……この村にはエーテル浄化者がいるのだ。いずれ知られれば襲撃は、高い可能性で起きるのだ」
ジュストの言葉に、アロイスが帝国の人間としての忌憚ない意見を返し、ストレガは声を潜めて防衛の必要性に念を押した。軍の小隊規模が駐屯し国のバックが見えているとはいえ、血迷う者がいないとは限らない。
「そうでした。タントちゃんが、攫われる心配もしないといけないですね」
トーラはしょんぼりしつつも、やはり優先順位は住む場所や食べ物、衣服だと思う。それらはお金で賄えるし、支度金を使って必需品を揃えて、防衛には余った人手を回す方が良い。
「うむ。余裕がないうちは少しづつで良い。いずれは堀や柵、矢来や櫓などを整備していく必要があるのだ」
ボウノは頷いた。娘が狙われる立場になった事を彼は理解している。安全も村の長所になるとルチルはメモを取り、フェイサルは村に望む姿でいうならば、「助けを求める誰かに応えられる村が良い」と述べた。ボウノも同感と言う。
「この冬はどうなるか。悩んでいたときに助けて頂いたわけですから。人を助けるだけの余裕がある村になりたいものです」
そういう事ならば、ヨルは生存という意味での安全も頭に置きたいという。
「帝国の冬は厳しいから、寒さ対策と食料が最優先かな」
「もちろんなのだ。食糧庫は倉庫と別に欲しいし、薪に余裕があれば燻製小屋を作って備蓄を作るのだ」
ストレガの発言から、焦点は人から施設へと変わった。冒険者が荷馬車を出したおかげである程度の材料は持ち込めている。
「牧草地は来年に備えて、今から整備を進めるのも良いのだ」
「周りに罠を置くと良い。食糧確保にもなって一石二鳥だろ?」
牧草地については活用する前提でストレガとルチルがそう述べた。弓兵らに簡単な罠をレクチャーし、ついでに森へ狩りへ行く事にする。
「狩猟経験者は私と行くのだ。大物を獲って夕食と、何なら保存食の材料も確保できればなお良いのだ」
「そっちとは別に、将来を考えるとどれくらい取れるのかは確認したいね。身を隠すのが得意な人はあたいと来てくれるかい?」
食糧確保と資源調査を両立させる欲張りセットだ。幸いに元本職が数名おり、他の隊員も彼らの手伝い位はできるらしい。素人のボウノが森に入るよりよほど安全で良いとルチルは思う。
「解体は上手な人に任せるようにしてね。毛皮や魔獣の素材は取引で生活用品に換える事が出来るから」
ジュストの言に任せておけとストレガは頷き、解体に適した水辺をボウノに尋ねに行った。皮や骨は売り物に、小骨は肥料になる。内臓も今日食べてしまうなら貴重な栄養になろう。肉は干し肉に加工して備蓄する。
「アロイス殿は残るのだ。というか村長を決めておくのだ」
一緒に狩りに行きかけた所をストレガに止められ、アロイスは「そういえばそんな事もあった」などと苦笑した。事情を話すとアロイスとボウノの間で遠慮合戦が始まる。
「村長さんにボウノさん、補佐にアロイスさんで良いのではないでしょうか?」
最終的に、トーラの発言でそういう事になった。ここの生まれの者が村長になるべきで、アロイスには招集が掛かる可能性もあるという理屈に両者とも納得したようだ。
「でも、元の村長宅はアロイスさん達に使っていただくのが良いと思います」
「ええ、私とタントの2人で広い家なんてもてあましますよ」
申し訳なさそうにシルクが言えば、滅相も無いとボウノは首を振る。タントの方も、広い家に住みたいとは言わなかった。
「でも、高いとこのおへやは良いなあ」
「村で一番高い建物ですから、当座の物見櫓を兼任できないかと思いまして」
「ふむ。この冬は隊の方達には少し不便を我慢していただき、そこに住んで頂くのが良いでしょうか」
シルクの提案に、ハリスが言う。保管庫も兼用すれば、守るべき場所が少なく済む。外れにあるボウノ家近くには、交代で部隊員がテントを張る事にした。
「初めは一部屋で構わないのだが、傷病者を収容する為の場を確保できないか?」
「傷の手当程度ならできる者がいる。ひとまずは当番制にしよう」
「それは良かった。治療師を常駐させようと思ったら、結構お金も掛かるからね」
フェイサルの提案に、アロイスはそう返答する。本格的な医業は無理にせよ、応急手当ならば彼らでも可能と知ってジュストは安堵した。ならばとフェイサルはボウノへ向き直り、これまで村で見聞きした病について確認する。幸い、一般的な病のみのようだ。
「基本的な薬草は、種を持ってきた。植えるべき季節や栽培環境などは後で説明する。鉢植えよりは薬草畑が作れれば良いのだが……」
「私、小さい畑なら作りたい!」
野菜や麦と違う物を植えると聞いてやる気満々のタントを連れて、村の図面を広げた。ハリスとトーラ、ボウノと畑の区割りを考える。これから人が増えるのだから、タントの能力も活かせるよう計画的に耕作地を増やすべきだ、とハリスは考えた。
「なるほど、ここまでは水路があるのですか。やはりこの立地は素晴らしい。再建が進めばこの地の兵站の要となるでしょう」
水伝いに小さな魔獣がやってくる事もあるため、春に閉ざしたままの水路があると知り、ハリスはにっこり笑う。
「村の若いので何とでもなる程度でも、年寄りや娘が1人の時に出くわしたら始末に負えないと思いまして」
「いえ、それは正しい判断です。一度引かれた水路を開けるのは容易な事ですから、春になる前に何とかしましょう」
幸い、男手は多い。ついでに水源の様子を見て、魔獣の元を断てるならそれも良し。育つかどうかはまだ分からないが、ボウノ家に近い一角が薬草畑になる事となった。
「今のうちに耕して、肥料を入れておきましょう! タントちゃんも手伝ってくださいね」
「……この薬草は、病や傷と戦う武器だ。保存して備えとしても良いし、売っても良い稼ぎになる」
「大事なもの、なんだね。わかった」
トーラに笑顔で頷くタントへ、フェイサルが神妙な顔で告げる。子供ながらに責任を感じたのか、少女は唇を結んで頷いた。同じ地図を見ていたシルクが、冬の後を見越して住居を建てる事を考える。
「あまりにも古い家屋は薪にする方が良いでしょうし。新築する住居は基本的に家族で住める様に大きめにしたいですね」
フェイサルのいう「助けを求める誰かに応えられる村」を為すには愛が必要で、その為には良き家とベッドがあれば良い、とニコニコ笑顔のシルクに、男性陣は微妙に居心地の悪い顔をした。多分、それを彼女に告げた神父は産めよ増やせよ的な意味で告げたのだろうが、今の住人の組み合わせでは何も生まれない。
「将来的には所帯を持ってくれそうな女性が来てくれれば、ありがたいね」
ジュストが言うのは、当事者には切実な話かもしれない。
「無事に冬を越したら、部隊の方々にもそれぞれの家を建てたいものです」
ハリスは畑の位置と勘案しつつ家を建てる場所の検討に入る。既存の家屋は立地が妥当な場合もあれば、何故ここに建てたのかという場所に建っている家もある辺りが村人達の歴史を思わせた。
「村の入り口には、花壇を作ったらどうかな」
「わあ。いいの?」
「タント嬢はどんな花が好きだい? 君が好きな花がたくさん咲くような村にしていけると良いね」
ヨルが村のトレードマークになれば良いと夢は大きく打ち上げ、喜ぶ少女にジュストが優しく微笑む。タント的には花はどれも好きで、季節に咲く花を探しては移植していたのだそうだ。枯れてしまう物もあり、根付く物もあり、咲かない物もあり、種を取っても芽が出ない事もあり、2年足らずの間で色々な経験をしたらしい。
「良ければ後程、詳しく伺ってアドバイスなどしましょうか」
試行錯誤しながら勤しむ少女の話に、ハリスの農民魂に火がついた。
●
時間を忘れて相談していた間に、ルチルやストレガが帰ってきたようだ。
「花壇。いいじゃないか。冬でも花は育つのかい?」
「うん。私はあの花が好きだよ」
ルチルに問われ、タントはちょうど花瓶に挿さっていた白い花を示す。なるほど、と頷いたルチルはストレガと視線を交わし、兵士の1人を手招きした。
「酒場の娘、まだ諦める気はないんだろ? ならば、お嬢ちゃんの花を使わせてもらうのはどうだい?」
「村の広報や商売のため、街へ定期的に行く者は必要なのだ。向かうたびに酒場に通って口説くと良いのだ」
「ふぇ、あ、なるほど? って何で知ってるんで!?」
道中、他の兵士が彼が振られた話を散々していたので今更である。
「と言う訳で、人の恋路を応援する為さ。少し花を分けて貰えないかい?」
「いいよ。あ! トカゲのお姉ちゃんもお花をつけておしゃれしてみない? きっと大きなトカゲさん達もびっくりするよ!」
などと言いつつ、タントはルチルに訳知り顔で囁く。
「前に村に来たトカゲさんも『うるさい村の女どもから離れて兄者との2人旅は最高ですな』とか言ってたから、気が付かないかもしれないけどー」
村でも、卵の殻が尾に付いているような時期からそんな話をしている同期もいたなあ、と遠い目になるルチルである。ハリスをちらりと見れば、今は亡き同胞が幼女に何やら誤解を招きかねぬ言い方をしていたと知って目が泳いでいた。
「申し訳ありません。娘がはしゃいでしまって……」
慌てて頭を下げるボウノに、いやいやと首を振る。本当はタントと同じ年頃の子が居ればいいのだろうが、なかなかそうもいかない。そういう意味でも、村に女性が来てくれれば良いのだがと思う一同だった。
「村の名前、ですか?」
「ああ。援助を受けるにも名前が必要なので」
ボウノは新しく村の名をつけたいという。「昔の名前には、色々と思い出もあるので」と言う時は、父親というより途方に暮れた若い男性の顔になっていた。冒険者達から上がった案は2つ。ウェスト村は感触も良かったのだが、笑顔のタントが「皇子様の名前の後ろだね!」と口にしたせいで、恐れ多いとボウノが遠慮した。提案者のトーラも顔を赤くして撃沈している。
「じゃあ、ソーレっていうのはどうだろう。どこかの国の言葉で太陽という意味らしい。植物を育むタント君は太陽のようなレディだからね」
「ソーレ村か。悪くないですな」
ヨルの提案に、タントは照れてボウノは頷く。村の名前も決まり、これで大枠は固まった。後は、ここに滞在する間の手伝いが残るだけだ。その間、ストレガとハリスはそれぞれの荷馬車の役務への提供を申し出て喜ばれる。街への買い出しに1往復。その間に畑の事などを手伝ってほしいと言われた一同は、予定の許す限りはと了承した。
「冬用の温かい衣服。十分に干された薪。鶏を10羽、うち3羽が雄。それに今は穀物類や調味料は購入した方が良いな」
ジュストに買い出しの指示を受け、一刻も早くと帰路に就く兵士は3名。手を振って見送る幼女に、そっと腰をかがめて目線を合わせたトーラが頭を下げた。
「タントちゃん、お願いを聞いてくれてありがとうございました」
「ふぇ?」
当人はピンと来ていなかったようだが、トーラは皇子を助けて欲しいという自分の願いがタントの決断に与えた影響が大きいと自覚していた。そして、自分も大変なのにトーラが悲しまないようにと考えられたタントを凄いと思った、という。
「……へへへ、やだなあ。そんなことないよう」
花壇を誉められたり、お手伝いを誉められたりしたのとはまた別なのか、感謝されて誉められたタントは照れて逃げ出した。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2021年12月12日 16時41分39秒 公開
相談掲示板
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 アロイス殿とその部下がまるまるついてくるとはなるほどなのだ。 もう冬になるから野菜を植えるなら寒さに強いやつを選ぶと共に降雪対策が必要と思うのだ。 このへん専門家のハリス殿御意見どうぞなのだ。 村の名前は決まってないが当座の長はボウノ殿かアロイス殿だろう。が、タント殿を長にして二人が補佐として運営する形もいいのだ。 とりあえず住む家は寝れる程度までは片付けさせるとして 急に人が増えた分の食料備蓄を考慮して必要なら私は狩りをしてくるのだ。
No.2
シスターシルクです とりあえず村の復興手伝いということであれば手伝う責任があるのではなかろうかと思っちゃったりしましたので来ちゃいました。 必要なのは住居と食料燃料の備えですね。 弓兵がメインらしいので防衛機能として物見櫓的なものもあったほうが良いでしょうか
トーラです。 よろしくお願いします! 16人も増えるなら住むところと食料は大事ですね。 前回はお肉が貴重みたいでしたし、狩りをするのはいい考えだと思います。 それと、お医者さんがいないのも心配のひとつみたいでしたし、畑に薬草なんかを植えれないでしょうか? もし、薬草等の知識がある人が居たら協力して貰えると助かります。居なかったら習得も考えますので。
キャスターのジュストだ、よろしく頼む。 間もなく冬が来るし、食料と住居問題は優先的に対応してあげたいね。食糧は少しでも多い方が精神的に余裕が出ると思うし。 だから冬前の方針としては『越冬の準備を整える』になるのかな? 住居を整え、森で食料や薪を集め、毛皮などは生活に利用しつつ余剰分は売って穀物や森では賄えない物を買って備蓄する、と。 施設としては住居の整備の他、貯蔵庫や、今後医師や治療師を常駐させる場所や病人が出た場合隔離・療養させる施設はあった方が良いと思ったよ。その一部としてトーラ嬢の言うような薬草畑などがあると医療者不足をカバーできそうだ。 ただ生憎俺はそちら方面に明るくないから、詳しい方の知恵を借りたいところ。 当座の移住者に求める条件なんだけど…… 現在の移住者が男性多めならやはり女性優先、になるのかな。 勿論力仕事や技能を持っている男性も必要ではあるんだけれど。 定住して所帯を持ちたいと考えている層が一定数いないと村としての発展は見込めないから。
No.5
猟師は元兵士のみなさんがやれなくもないので医師、商人、聖職者。このあたりは出来れば今後の発展の為にも呼んでおきたいですよね。
フェイサル・セイフ、ヒーラーだ。今回も宜しくお願いする。 前回は子供の意見を聞くという大事な所を失念していたし、今回も励まなければな。 さて、当座の方針としては既に話が出ているように衣食住、それも本格的な冬の到来への備えだな。 建物に関しては傷んでいるとはいえ元々の建造物が幾つか遺されているようだが、 これを補修・修繕あるいは簡易的な改装を加えて使っていく事になるか。 >医療関係 では、そこは私も少し見てみよう。【医療・薬学】であればほんの少しばかりだが心得がある。 もしかすると森や村の周囲に使える薬草の群生地等もあるのかも知れないが…… 薬、特に解熱剤や痛み止めのような常備薬の備蓄というのは大いに越した事は無い。 これから住民や来訪者の数を増やす、あるいはアロイスが報告したというように軍の巡回拠点に使うというのであれば、 有事に備えた余裕の為にも供給源は確保しておくべきだ……薬草の栽培、良いと思う。 そしてそれに関係して、医療拠点になり得る建物が無いかは確認しておこう。 以前の村ではどういう病にかかる者が多かったかも、ボウノ氏に尋ねておく必要があるな。 >当座の住民 商人や聖職者、医師というのは賛成だ。呼び込むのは難しいかもしれないが、一人いるだけでも大分違う筈だ。 後は……そうだな、職種では無いが、できれば読み書きや金勘定のできる者がいると良いのではないか? アロイスは問題無いようだが、彼の負担も減らせるなら減らすべきかと思うし…… 読み書きのできる人間がいれば、手紙や書物で外部と知識・情報をやりとりする事もできるだろう。
ハリスと申します、出遅れました、申し訳なく。 >農業関連 ふむ、しかし現在は冬ですから…あまり農業に関しては力になれないかも知れませんね…( もちろん、越冬に備えて畑の掃除や土起こしを行うことは大切ですしそのつもりですが。 人が増えるということならば、この機に春以降を見据えて農地を拡充してしまうのも手では ありますね。ただその場合、人を集める折に農業知識のある方を何名か募る必要が出ますが。 >村の復興について 一先ず私は馬車が出せますから、建材や薪となる木を運ぶ折にでも使って頂ければと。 私も建築は行なえますから、農地整備が一段落したらそちらも手伝うことができます。 住居に関しては、傷んだものは再利用するよりは解体し資材に当てるのが得策かと。 万に一つも事故が起きれば少ない住民が危険に晒されますし、帝国の冬は厳しいと聞きます。 代案は、兵舎などで寝ることに慣れているであろうアロイス殿他弓兵の方々に負担をかける ことになりますが、個別に造るより共同住宅として大きめのものを建てておくのが良いかと。 住民のための個別の住居については、各々の職種や気質により好む立地などもあるでしょう。 決め打ちで建てるよりは、移住の相談の折に希望をお聞きした上で作業する方が良い筈です。 勿論安定すればアロイス殿他皆様の家も用意しますし、作った共同住宅は酒場か倉庫として 転用することもできますので、無駄にはならないかと。
情報屋のルチルだ。よろしく。 既に幾つか案は挙げてもらっているようだから…獣の警戒や狩猟・採収について口を挟もうかと考えている。 物見櫓も設置できればいいだろうが、一先ずは住居の整備が最優先だろうからね。罠の設置ぐらいはできるようにしておきたいと思うが。 父娘二人暮らしの時分より必要な食糧が増えた代わりに、狩りに向いてる人手も増えた。 当座の食料はストレガが確保に行くようだから今後のために兵士へ助言をしておこうかと。 弓兵としては彼らの方が経験を積んでそうだが、生活のための狩りとなれば言える事はありそうだ。 後はアロイス隊以外の移住者周りかね。 お目当ての子がいる兵士はちょっと厳しそうだが確かに将来的には所帯について考えておくべきだ。 行き場のない難民を対象に求人を出しておくくらいはやろうかね。
ヒーラーのヨル・スレイマン。宜しく。 既に出ている医療機関と食料貯蔵庫は、やっぱり優先的に欲しいかもね。 インフラ、特に最低限の水道が残っているのはありがたいところだ。 他には、集合住宅にも重なるけど、簡易的でもいいので宿屋があると旅人や村を下見にくる人を受け入れ易くていいんじゃないかなと。そのあたりを提案してみようかな。冬の間は集会所を兼ねてもいい。 急ピッチで作業をする分、恐らく今年の越冬が一番辛くなることを考えると、今回の移住者に求める条件は「根性」にならんでもない気がするんだけど⋯⋯。医療関係者、農業関係者に来て貰えると嬉しいね。 「とりあえず此度の冬を乗り越える」「春以降に本格的に村人を集められる」を柱に、手伝えそうなことを考えてみるよ。特に住居は、今住む分だけでなくてもリフォームできれば今後のためにもなる。 傷んじゃったのはハリス君の言うように解体でいいと思うね。薪にもなる。
そういえば、村の名前も考えてほしいとの事でしたね。 タントちゃんの名前を聞いた時から、D○IHATSUという名前が浮かんで離れないのでちゃんと考えておきたいですね(亡くなったお母さんの名前はきっとミラさん) フェイサルさんが薬草を担当して貰えるなら助かります。 わたしも解熱などに使えるハーブや、春に収穫できる葉物野菜なんかを植えれないか考えてみます。
移住者について 酒場の子にフラれたとしてもファンとして定期的にでも 砦や市に通って交流を持ってもらう人材は必要と思うのだ。噂話程度でも。 行商がやってこれると助かるし、 警備兵として異変の兆候を砦に知らせる等。 資材等運搬に私もミニビヒモーと荷車出すのだ。
>移住者 医療関係者か農業関係者ねぇ、探せば自分の知識を活用したい意欲的な者がいるかもしれないね。 その方向で求人をかける準備もしておこうか。 酒場の娘を気に入ってる彼にも、定期的に街へ向かってもらう方針で行くなら求人方面でもちょっと協力して欲しいしね。 >村の名前 名付けたい者がいるならそちらに任せるつもりだな。 一案として思いついたのは花の名前を使う事か。確か、農作と関係なく少女は自分で花を育てていた。好きな花の名前を付けたら、気に入ってくれるんじゃないかと。
今植えれる野菜を考えてたんですけど、もう12月ですし、肥料を畑に馴染ませる必要もあるので春に種蒔きできるようその準備を提案することにしました。 それと、放牧地があるので、春以降の方針として畜産はどうでしょうか? 乳や肉もとれるようになればボウノさんの心配も減りますし、毛は衣類に、糞は発酵させて肥料にも出来るので農村には有用だと思います。
出発が差し迫ってまいりましたね。 概ね案は出ているようですから、あとは動くのみ。 この村を素晴らしい場所にできるよう、共に尽力致しましょう。 >畜産 素晴らしい提案かと。帝国にはビヒモーという家畜もいる訳ですし、弓兵が駐留するなら猛獣 などから守ることも出来るはずです。トーラ殿の言う衣類や肥料などの用途のほか、運搬作業 などを手伝わせる事もできますから、村の発展に大きく寄与できると思われます。 私からも将来的な牧草地や厩舎の整備等について起案させて頂きましょう。
村の名前、か。 何をもって正解とするような話でも無し、何か妙案や込める願いがあれば提示してみるのが良いだろう。 移住者に求める人材に関しては現状、主に特定の技能や知識を持つ人間をとなるようだが…… これはそれぞれが提案する今後の方針とも直接関わって来る以上、それに応じて変化するのだろうな。 >トーラ うむ、宜しく頼む。 薬それ自体の製法や用法は多少なりとも知恵は貸せるが、それなりの量をとなると農業の領分と言って良い。 これに関してはハリスの土起こし等とも重なるし、ボウノ氏とも知識の共有が必要だな。 そしてなるほど、畜産か。放牧地が残っているのを失念していた。 相手が生き物である故、本格的にやるのであれば知識のある人手も必要ではあろうが…… ……例えば豚の肉などは疲労回復や風邪などの予防に効くと聞く、口に苦くない良薬だな。