古き因習と新しい風
真柄 葉
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シナリオID:1106
オープニング
極北にほど近い場所にある村『フェンガリ』。
雪豹のハーフビーストの一族が古き因習を心の拠り所に細々と生を繋いできた村は、先日突然起こった因習の終焉によって縋るべきものを失った。
100ほどしかいない村人達は、その事実に愕然となる。今まで『それ』に縋っていさえすればよかった。因習に決められた事に従っていればよかった。何も考えず何も疑わず、ただ崇めていればよかった。
しかし、それが突然終わったのだ。拠り所にしていた『征竜様』は北へ去ったという。因習で決められた掟を破り、資格のない者を供物として捧げようとしたために……。
村人達の動揺は計り知れないものがあった。
そんな中、一人の青年が立ち上がる。
彼の名はクルスス。
先代の村長からその役職を引き継いだ青年は、動揺する村人達に向け因習からの脱却を唱え、村の開放を訴えた。
村人達は突然の宣言に驚くとともに困惑する。
全てを因習に依存し、自ら考える事をしてこなかった村人達は、突然村の行く末を問われたのだ。
クルススは声の続く限り訴えた。村を開き、外との交流を始めよと。
しかし、村人達の殆どがクルススの声に耳を貸すことはなかった。自分達が縋っていたものを失った矢先に、そのような訴えをされても、誰ひとりとして考える余裕などなかったのだ――。
●
「一体どうするのじゃ!」
分厚い机に大きな拳を振り下ろし、初老の男が声を荒げた。
「なぜだ……なぜ、征竜様は我々をお見捨てになった……」
他の席からは嘆き悲しむしわがれた女の声が聞こえる。
「やはり、掟を破った事が問題だったのだ……」
「ではどうすればよかったのだ! 16の女などもうおらぬのだぞ!」
「あの様な偽りの供物を用意せず、誠心誠意をもって征竜様にお伝えしておれば……」
「落ち着け、皆の衆……」
紛糾する会話を割って、最奥に座る老人が声を上げる。
老人の名はグラウクス。長年、村の因習を司る長老会の長として君臨し続ける男だった。
グラウクスは会に集まった老人たちをゆっくりと見渡すと、再び口を開く。
「征竜様は一時的に北へお戻りになられただけだ。どの様なご用があっての事かはわからぬが、すぐに戻っておいでになる。征竜様を崇める我々が、信仰に疑問を持ってはいかん」
グラウクスは老人たちを安心させるよう、ゆっくりと断言した。
「……そうじゃ、最長老の言う通りじゃ」
「うむ! 村は見捨てられたのではない! 征竜様は一時的に旅立たれたにすぎん!」
「そうだな。なぜその考えに至らなかったのか……流石、最長老じゃ」
と、グラウクスの言葉に老人たちが同調する。
「しかし、村長はどうする。あ奴、征竜様がお留守になったことをいい事に、村を開こうなどと訴えておるぞ」
「まったく、あの青二才め。なんと恐れ多い事を……」
話題は変わり、征竜がいなくなった事を機と捉え、色々と動き始めている若造の話となった。老人達は因習を破壊しようと動くクルススの行いを非難し始める。
「あの者こそ征竜様の罰を受けるにふさわしい!」
「そうじゃ、いっそ供物に捧げてしまえばいい!」
そんな、過激な発言まで飛び出し始めた。
「落ち着けと言うただろう。征竜様はそのようなこと望まれておらぬ。つい先日、征竜様が機嫌を損なわれたことを忘れたのか」
と、再び口を開いたグラウクスに、老人たちは一斉に押し黙る。征竜が北へと去った原因が、掟に定められた供物を提供しなかったことにあると信じているから。
「ともあれ、奴とは一度話を付けねばならぬかもしれんな」
グラウクスはそう呟いて、部屋のドアへと視線を向けた。
●
「クルスス!」
「クルートさん、どうしました?」
突然扉を開け飛び込んできた男に、クルススは首を傾げた。
「何がどうしましたかだ! 今しがた長老会から呼び出しがあったぞ!」
「……そうですか。ついに来ましたか」
クルートの言葉にぐっと顎を引いたクルススは、静かに答える。
「どうするつもりだ。長老たちはお前のやってる事を糾弾するつもりだぞ」
「ええ、わかっています。ですから会議への参加は極力遅らせるつもりです」
「遅らせる……? だが、遅らせたからといって、何が変わるんだ。何か解決策でもあるのか?」
クルートは不安そうにクルススに問いかけた。
「はい、実は――」
「兄様! お返事き……ましたよ」
と、クルススが答えようとしたら、妹のクシェンが部屋に飛び込んできた。
勢いよく飛び込んできたクシェンだったが、そこにクルートの姿を見つけ、急にしおらしくなる。
優雅にお淑やかに。クシェンはゆっくりと部屋を横切ると、クルススに手紙を渡した。
「お返事? クルスス、一体何の話だ」
クルートは一瞬クシェンの変容に驚いたものの、すぐにクルススに問いかける。
「冒険者に依頼を出しました。いま、その返事が来たようです」
と、クルススはクシェンから受け取った手紙の封を開けた。
「ぼ、冒険者!? 部外者をこの村に入れるのか!?」
「はい。そもそも、村を開こうというのです。部外者が村に入ってくるのは当然ではないですか」
「い、いや、そうなんだが……」
毅然と話すクルススとは対照的に、クルートは困惑を隠せない。
今までほとんど外との交流がなかった村に、いきなり部外者が入ってくる。村長であるクルススに好意的なクルートでさえ困惑するのだ。他の村人達は何と思うだろう。
「長老会の申し出に、私は冒険者の方を出席させるつもりです」
そんなクルートに向け、クルススはとんでもない事を打ち明けた。
「なっ!? クルスス、お前気でも触れたか!?」
「私はいたって冷静ですよ。この村の為に今何が必要か。それだけを考えています」
驚き目を剝くクルートに、クルススは尚も続ける。
「それに会議だけじゃない。冒険者の方々にはこの村の現状を調べてもらい助言を貰うつもりです」
「助言……? いったい何の事だ」
「そのままの意味です。外を知らずこの村の生活圏でのみ暮らしてきた我々では、この村や周辺の『価値』がわからない。だから、見識ある冒険者の方々に見ていただくのです」
「確かにそれはそうだ。話は分かる……だが」
「ご心配もわかります。一族以外のヒトなどこの村にはいない。見た目の違う部外者に、村人はいい顔をしないでしょう」
「そこまでわかっていながら、招くのか」
「はい、招きます」
再度確認してくるクルートに、クルススは小さく微笑んだ。
「しかし、もし冒険者に何かあればこの村はギルドを敵に回すのではないのか? 俺も詳しくはないが、冒険者ギルドは世界に影響のある組織だと聞くぞ」
「もちろん、村に来ていただいた冒険者の方に危害が及ばないように、護衛もつけますよ」
「護衛?」
そう言って振り返ったクルスス。そこには妹のクシェンが楽しそうに微笑んでいたのだった。
解説
マスターより
リプレイ
「噂に違わぬこの寒さ。これはスヴァン殿に感謝せねば」
村へと入ったハリス・アル・ターミルは友人から贈られた毛皮に身を包んでいた。
「全くだ。この寒さは我々リザードマンには堪える」
「同感です。ターミルさんの毛皮が羨ましく感じますね。……どこかで見た気もしないでもないですが」
と、フェイサル・セイフとアクティオンの両名が、毛皮ハリスに羨望を向ける。
「この程度の寒さで弱音とは、竜人は難儀な生き物じゃの」
そんな三人にク・サーヤ・クッセーワが、(若干距離を置かれながら)話しかけた。
彼女の薄着は常夏のそれ。マントで防寒してはいるが、効果のほどは甚だ怪しい。
「お前が特殊なだけなんじゃねぇの……?」
と、普段は上半身裸のナハシュでさえ、革のマントに毛糸のセーターで完全防寒している。
「でも、本当に寒いね。まだ雪とか残ってるよ……」
「ええ、本当に。場所が変わればもう夏の季節なのに」
ララベル・サン・ディーベルとリノアが村を見渡した。
既に7月。ロスガリアの各所では海も開かれようかという季節に、極北に近いとはいえ村のあちこちに積雪が残り、時折降雪もあるという。
「これくらいの寒さが何だ。このてい……い……い……くしゅん!」
「はは、無理はよくないよ。ちゃんと防寒しようね」
強がって薄着で来たアルフィー・リッパーにコートを渡したアリオン・リュー。
「さて、村に入ったはいいけど視線が痛いね。案内役っていう人はまだかな」
「……どうやら来たようだ」
と、アリオンに答えたスヴァン=ウォルフ=ユーウェンが村に視線を向けると、一人の少女が手を振っていた。
●
「それでは各自、細心の注意を払いつつ調査を行いましょう」
アクティオンの言葉に頷いた9人は、調査の為、手分けして各所へ向かう。
「では、我々も」
仲間を見送ったアクティオンがスヴァンに声をかけた。
「気を付けろ。あの老害どもの頭の固さは一度や二度死んだくらいでは治らん」
「……随分とお詳しいですね。しかし、それも覚悟の上です。そちらこそ、あの若い村長さんにガツンと喝を入れてあげてください」
「……喝か。なるほど」
小さく頷いたスヴァンは、そのまま身を翻し村長であるクルススの家へと向かっていった。
「さて、行きますか」
一人になったアクティオンは村でも一際大きな建物へと向かう。途中、村人達からの好奇とも忌避ともとれる視線にさらされたが、フードを目深にかぶり出来るだけ早足に過ぎ去った。
集会所の木戸をノックし中へ入ると、一斉に向けられた長老達の視線がアクティオンを射貫いた。
●
アクティオンが集会場へと入った同じタイミングで、建物の裏では――。
「さぁて、うまく引き付けてくれよ」
建物裏に潜むナハシュが呟いた。
「さて、裏口はっと……」
早速と【探波】と【透視】を駆使し裏口を見つけると施錠の有無を確認し、音を立てないように侵入する。
建物の奥から漏れ聞こえる会話はアクティオンと長老たちのもの。ナハシュは【探波】を駆使しつつ、建物内に怪しい場所がないか探る。そして、最奥に個室を見つけた。
「へっ……あからさまだが、どうかな」
【透視】で探れば中は無人。ナハシュはゆっくりとドアを開けた。中は質素な造りではあるが、要人の部屋だと感じさせる調度品が置かれている。
「最長老の部屋か……?」
ナハシュは潜入する前に聞いたクシェンの話を思い出した。
クシェンによれば、最長老は集会場に住み込んでいるのだという。
「さて、お宝はっと」
ナハシュは音もなく侵入すると、何か征竜に繋がる証拠でもあればと探る、が……。
「……なんもねぇな。手紙の一つでもあるかとも思ったけどよ……」
思わず愚痴る程に何もない。征竜信仰にまつわる像や本すらもそこにはなかった。
「ここじゃねぇのか?」
ナハシュは訝しみ隣接する場所に隠し部屋がないかスキルを駆使して探るが、やはりそれらしきものもない。
「ちっ……ハズレか」
ナハシュはそう吐き捨てるとさっさと捜索を打ち切った。
●
アクティオンは視線を受け流すと深く一礼。最も奥に座る人物へ声をかけた。
「招き入れていただき感謝いたします」
「……用件を聞こう」
最長老グラウクスは長話をする気はないと短く答える。
「この度、村長クルスス氏の依頼により冒険者ギルドより馳せ参じたアクティオンと申します」
「……用件を手短に願おうか」
前口上を続けるアクティオンに、グラウクスは首を振った。冒険者を無下にはできないが、打ち解ける気もないと言葉からよくわかる。
「……自分は冒険者である立場から、公平な立場で双方の言い分を聞くつもりです。依頼主はクルスス氏ではありますが、長老であるお歴々の意見を無視するようなことはいたしません」
そう説明しつつ、アクティオンは最長老を【洞察】する。
「双方、意見こそ違えど、村の未来を想っての話し合い。クルスス氏の改革は推すに値すると考えている一方で、自分は長くこの村を支えてこられた長老方の意見を尊重すべきであると思っています」
アクティオンの言に長老たちが騒めきだした。
「……ふむ、では我々にも味方するという事か」
「いえ、味方はしません。ですが公平に物事を判断いたします。長老方がどのような方策でこの村の未来を見ておられるか、それもしっかりと判断させていただきます」
「なんだとっ! 我等は征竜様のお戻りを待てばよいのだ! 征竜様さえ戻られれば、村は以前の様な平穏を取り戻す!」
そんなアクティオンに長老の一人が立ち上がり唾を飛ばす。
「征竜様が……戻られる?」
アクティオンは長老から出た言葉に思わず首を傾げた。
この村に巣食っていた征竜は以前、自分達の手で葬った。それが戻ってくる訳はないのだ。
「……なるほど、そのような理由があったのですか」
アクティオンは平静を装いながら長老たちを【看破】する。
嘘はない。
長老たちは本気で征竜が戻ってくると思っている。
「わかってもらえたか、冒険者よ。我等に外威は不要だ」
と、アクティオンが納得した風に見えたのだろう。グラウクスが話しかけてきた。
「……わかりました。貴重なお時間をありがとうございます」
そう言うと、アクティオンは集会場から退室した。
●
「本当に人が少ないな」
アルフィーは廃屋の屋根に上り、村の様子を観察していた。
村全体を見渡せる場所に陣取っているにもかかわらず、今まで見たのは双子と思しき少女二人だけ。それ以外の人影はまるで見えない。
「気配はするが……やっぱ、ビビってんのか」
今、村に冒険者が来ている事は周知されているからか、気配は建物の中からしかしない。
「……その気持ちわからなくもないけどよ」
アルフィーがふと呟く。
自分自身、過去に『よそ者』として似たような経験を受けたから。その時の光景はよく覚えている。
アルフィーは脳裏に浮かんだ光景を振り払うと、今度は村の外周へと視線を向ける。
そこには外から戻って来たであろう村人に接触を試みる仲間の姿があった。
●
「そのように警戒されずとも、何もしません」
ハリスは狩りの獲物を腰に下げた若者三人と村の入り口で話していた。
若者三人は初めて見るリザードマンに戸惑いつつも、事前に聞いていた冒険者なのだろうと話しかけに応じた。
「まずは冷えた体をこれで温めてください」
ハリスは戸惑う若者たちへ温かいココアを差し出す。
若者たちは初めて見るそれを興味深く眺めていたが、一人が口を付けると他の二人も続く。
「ご存知かとは思いますが、私はこの村へ調査に来た冒険者です。貴殿達若者の意見を伺いたい」
ハリスは一息ついた若者へ話しかけた。すると、若者の一人が家へハリスを誘ってくれた。
「……なるほど、主産業は狩猟ですか」
ハリスは家の中を一目見るなり、フェンガリの食生活を見通す。
「確かにこの様な寒冷地では農耕は適さない。狩猟以外に糧を得る道がないのは頷けます」
と、ハリスは自らを納得させるように頷いた。
「すみません、話がそれました。単刀直入にお伺いします。征竜様は生きているのですか?」
ハリスの問いかけに若者たちはひどく驚くと、ひそひそと何やら話始める。
「世界には数多の征竜伝説があります。我々リザードマンの世界にも征竜様の伝承がある――」
と、ハリスはそんな若者たち微笑むと、村の征竜とまるで違う竜人達の征竜の話を始めた。若者たちは最初怪訝そうに話を聞いていたが、次第に聞き知らぬ話にのめり込んでいく。
「――これにて終了です。少し長話をしてしまいましたね」
ハリスが小さく顎を引く。すると青年たちから感嘆の声が漏れ拍手する者もいた。
「今一度問います。貴殿達の征竜様は生きているのですか?」
「……わからねぇよ」
「わからない。なるほど、では少し質問を変えます。貴殿達は征竜様に生きていてほしいですか?」
次いで発せられたハリスの質問に青年たちは目を剥き口を閉ざす。青年たちは目を泳がせなかなか言葉を発しようとしない。
「なるほど……それほどまでに征竜は根深い存在ですか」
青年たちの反応にハリスは確信を得る。それは自らが予想していたものと相違ないという事。
「ありがとうございます。それでは話を変えて、この村で育つ植物について――」
一転、ハリスは話を変え村や村付近の植生を訪ねた。
●
「なるほど、そこまで信仰が根深いとは……」
フェイサルは目の前で酒に舌鼓を打つ老人達に聞こえぬよう呟いた。
手土産にと持参した蒸留酒が功を奏し、老人たちに話を聞く機会を得たフェイサルは、その話を聞くにつれ深く考えさせられていた。
「では、病気やケガも全て征竜様がお助けくださると」
フェイサルの言葉に老人の一人がこくりと頷く。
普通に考えるならば、征竜を信仰の対象としておくとしても、生活は別だ。
しかしこの村はどうだ。全ての生活基盤が征竜の意向とやらに直結している。
「次の神官の選別を行わなくてはな」
フェイサルがそう考えていると、老人の一人がぽつりと呟いた。合わせるように別の老人達も同意する。
「征竜の神官とやらはやはり必要なのですな」
そうフェイサルが呟くと、老人たちは少し戸惑いながらも首を縦に振った。
「神官の選定を征竜様が戻られるまでに行う。そうして万全の態勢で征竜様を迎える、と……なるほど、お歴々の考えは承知した。しかし、征竜様はいつお戻りになられるのか」
フェイサルの問いに老人たちは互いに顔を合わせると、皆して首を振った。
「わからない……という事か」
ふむと頷いたフェイサルは、これ以上老人達から引き出せる情報は無いと判断し、敬意を持って礼を述べると部屋を辞した。
●
「そんなのいないと思うんだけどなぁ」
空き家の入り口で首をかしげるクシェン。
「それはやってみないとわからないよ。征竜様を信仰する人は意外と多いからね」
クシェンの許可を得て空き家の捜索を行っていたアリオンは、苦笑交じりに答えた。
「そう言うもんなんだ」
「ああ、居なくなったとはいえ、ここに征竜様がいたことは確かなんだ。征竜様の痕跡を巡りたいという巡礼者も居るかもしれない。そういう人たちの為に、宿泊施設や移住者の為の家屋の整備をするのは悪くない。産業らしい産業がないこの村なら、そういうのも利用していかないと」
「ふーん、難しいのね」
わかっているのかわかっていないのか、クシェンは丁寧に説明するアリオンの言葉に生返事。
「そんな事よりさ、外の事を教えてよ! リブラネスタって街はすごいんでしょ?」
「え? あ、ああ、大陸の中では今一番活気がある街かな」
「すごい! いいなぁ、そんなところ行ってみたいな」
「そうだね。巡礼者たちが訪れるようになれば道も整備されると思うし、訪ねる事は出来るかもしれないね」
「ほんとに!? うわぁ、早く来ないかな巡礼者」
「いや……まだ何もできてないからね?」
と、アリオンが夢見る乙女なクシェンに苦笑していたら――。
「あっちはハズレだ。なーんもねぇ」
入口からナハシュが現れた。
ナハシュは入り口に居たクシェンの頭に手を置くと、そのまま中へと入ってくる。
「そうか、ありがとう。という事はやっぱり、この元神官の家が怪しいか」
「だな、いろいろため込んでねぇか。調べねぇと」
二人は入口で首をかしげるクシェンを他所に、建物の捜索に取り掛かる。
一見すれば主を失った単身者の家。
しかし、スヴァンの話では随分と私腹を肥やしていたらしい。ならば、どこかに隠された部屋の一つもあるかもしれない。
「見える所には大したものはなかったよ。後は隠し部屋とかかな」
「なかなか腹黒い奴だったみてぇだしな。きっとなんか隠してるぜ」
そう言うと二人はスキルを駆使しつつ建物の捜索を始めた。
後ろから「わたしつまんないからいくねー」とクシェンの声が聞こえる中、念入りに捜索を進め――。
「おいおい、嘘だろ。こんなもんしかねぇのかよ」
「確かにため込んではいるね……ため込んではいるけど」
床下に隠し部屋を発見し開けてみたのだが、そこに入っていたものは。
「食料ばっかじゃねぇか」
「だね。確かにこの村では食料が最重要だろうけど……」
出てきたのは食料や酒ばかりであった。
「本とか手紙とか、そういうカッコタルショウコでも出てこいっつーの」
「そうだね、そう言うものがあれば会議でも優位に立てたのかもしれ……」
「うん? どうした?」
「いや、もしかしてこの村。文字を読み書きする文化がないんじゃないのかと思って」
「げっ、マジかよ」
「クシェンに聞いてみないとわからないけどね。そうなると……」
「有利になる材料がねぇな」
「ああ、ちょっとまずいかもしれないね」
二人は互いに顔を見合わすと頷き、早々に建物から退去した。
●
「やはり来てくれたのですね」
「俺は冒険者だからな。依頼があれば出向く」
スヴァンはクルススの元を訪れていた。
「ふふ、貴方は意外と嘘が下手なのですね」
「……なに?」
クルススは入り口に佇むスヴァンにそう言うと、部屋の中へと招き入れる。
「クシェンは役に立っていますか?」
「さぁな。別の仲間を案内しているんだろう」
「そうですか」
椅子に腰かけたスヴァンに白湯を出しつつ、クルススは対面に座る。
「勝てるのか」
「勝たせてくれるのでしょう?」
「他人任せか。長の言葉とは思えんな」
「新米なもので、すみません」
白湯に口を付けつつスヴァンはクルススを見る。不安と期待の入り交じる表情。笑っているのか自嘲しているのか、その顔には覇気を感じない。
「俺も会議に出よう」
「貴方もですか?」
「あの老害どもが何を仕掛けてくるかわからないからな」
「なるほど……しかし――」
「心配するな。口を開くつもりはない。ただ、俺に対する悪意には反論させてもらう」
そう言うと、スヴァンは右目を覆っていた眼帯を外す。
「その眼は……」
隠れていた金眼、そして目の下の痣を見つけ、クルススが息を飲んだ。
「この村に関して俺がどうこう言う資格はないし、そもそも興味もない。だが、お前達兄妹にとっては違うのだろう」
「……ええ、かけがえのない故郷です」
「ならば、精々悔いの無いように会議に臨むんだな」
「貴方に見られている前だ、無様な姿は見せられませんね」
「……ふん。せいぜい虚勢で終わらない事だ」
●
「そうか、若者はそのような見解を持っているか」
「老人の頑固さもなかなかなものですね」
フェイサルとハリスは互いに得た情報を交換する為、一旦村の外で交流していた。
「作物の方はどうだ。何か産業となりうるものはあるか」
「いえ、残念ながら。実際には開墾して見なければわかりませんが、採集のみで産業たり得る作物はありませんね」
「ハリスの見立てでそれか……それほどまでに不毛なのかこの村は」
「ええ、よくぞ今まで生きながらえてきたと思える程に」
「よほどの狩猟の腕があるのだろうな。雪豹達の身体能力のなせる業か」
二人は意見を交換しつつも村の現状について理解を深めていく。
「遅くなった」
そんな二人の元へアルフィーとアクティオンが合流した。
「そちらは何か情報を得られましたか?」
アルフィーに向けハリスが問いかける。
「いや、目ぼしいものは何も」
「ふむ、村の様子におかしい所はなかったですか」
アルフィーは建物の屋根からずっと村の様子を伺っていた。
「人口は限りなく少ないな。あと、雪豹のハーフビースト以外のヒトはいないようだ」
そんな中でも得られた数少ない情報を伝えるアルフィー。
「こちらも直接会っては見ましたが確証は得られませんでした。ただ、嘘を言っていないのも事実ですね」
そして、アクティオンは集会場での一連の流れを三人に聞かせた。
「決定的な証拠……いや、長老たちを説き伏せる材料がないな」
「ええ。ですが、相手方も村長派を説き伏せる材料に乏しいように思いますね」
「説き伏せる必要があるのか?」
そんなアルフィーの呟きに三人のリザードマンが視線を向けた。
「あいつらは言い張っていればいいんじゃないのか? 征竜が帰ってくるって。そうすれば、今の掟はずっとそのままだ」
アルフィーの言葉に三人は気付きを得る。
「なるほど、時間稼ぎ……とも違いますか。現状の固定、いや、停滞でしょうか」
「自分もそう思います。停滞を狙い、現状を長引かせる。事によっては永遠に続けるつもりなのかもしれません」
「なんと愚かな……同じ征竜様を崇める身として、これは許せぬ類の信仰だな」
「だけど、それが今一番効果的なのも確かなんじゃないのか?」
そう言ったアルフィーに、三人は明確に反論する言葉を持てなかった。
●
「ほ、骨とか落ちてないよね……」
「怖いのなら外で待っておれ」
「べ、別に怖くないよっ!」
ララベルとサーヤは、偽征竜がねぐらにしていた洞穴へ足を踏み入れた。
二人は最初、代々供物が捧げられてきた祭壇を調べていたのだが、丸太で組まれただけの祭壇に特に変わった個所を見つけることはできなかった。
そして、次に目を付けたのが『征竜が住んでいた洞穴』である。
サーヤの灯す松明の炎を頼りに、洞穴の捜索を始める。巨体であった偽征竜がねぐらとしていただけあって中は広い。
二人は松明の炎に照らされた洞穴を念入りに捜索し始めた。
「なんだか、大冒険してる気分だね!」
「まぁ、骨が出るかもしれんがな」
「ひっ……!」
そんな話をしつつ捜索する事僅か10分。
「穴じゃな」
「穴だね」
二人は洞穴の奥にさらに奥へと続く洞窟を見つけた。
「これ、あからさまに怪しくない……?」
「うむ。怪しさがプンプンしてきよるの」
「臭うの……?」
「誰が臭いじゃ。いくらそちでも言ってよい事と悪い事があるぞ……!」
「ち、違うってば! サーヤが臭い……訳じゃなくて、奥から何か臭うのかなって!」
「その間が引っかかるが、まあよい。漂ってくるのは臭いではない。しいて言えば……気配じゃな」
「気配? ……何も感じないけど」
「よい。入ってみればわかる事じゃ」
「えっ!?」
「怖いのなら外で待っておれと言ったじゃろ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
すたすたと先を行くサーヤに何とか追いつき、(ちょっぴり香る)マントの裾を掴みつつララベルは洞窟の奥へと進んでいく――。
「へぇ、こんな所が」
「うわぁぁぁ!!」
突然聞こえた声に、ララベルが飛び上がった。
「なんじゃ、騒々しい。あの声はアリオン殿じゃ」
頭を押さえしゃがみ込んでしまったララベルに、サーヤは腰に手を当て溜息。
「ご、ごめん。驚かせたかな」
そんな二人の元へ、アリオンが頭を下げながら合流した。
「これは何の洞窟?」
アリオンはサーヤに問いかける。
「まだわからん。しかし、何やら怪しい匂いがプンプンしておるわ」
「う、うん、確かにちょっと臭いが籠ってるね……」
「……そちもか」
口元に腕を当てるアリオンに、サーヤは嘆息しつつも洞窟の先を目指す。
洞窟は広く、三人で歩くのに支障はない。三人は松明の光で闇を照らしながら奥へと進んでいった。
「ねぇ、さっきからちょっと気になってる事があるんだけど」
「ふむ、そちもか」
「あ、二人もだったのか」
声を上げたララベルに、二人が答えた。
「え、二人も感づいてたの?」
立ち止ったサーヤとアリオンを交互に見つめるララベル。
「ああ。というか、わかりやすいじゃろこれ」
「そうだね。この洞窟――真っ直ぐすぎる」
再び洞窟の先の闇を見つめながら、サーヤとアリオンが呟いた。
洞窟は入って以来一度も角を曲がっていない。カーブすらない。
「それはいいとしても、どこまで続いておるのじゃ」
「ずいぶん奥まで来たしさ。もう何もないんじゃないのかな」
「だから、怖いなら帰れと言っておるじゃろうが。終点にこそ金銀財宝ザックザックかもしれんのじゃぞ」
「本当にあるの……?」
「あれば一発逆転。征竜などに頼る間でもなく、村は富むじゃろ」
「そうだけどさ……」
サーヤとララベルがそんな話をしていたら――。
「二人共! これを見て……」
天井を指さすアリオンがぽかんと口を開けていた。
「なんじゃ?」
と、サーヤが松明を上に向ける。
「これは……」
「見て! 前にも何かあるよ!」
サーヤが天井のものに目を奪われていたら、今度はララベルが前方を指さした。
「えっ、これって……」
それにアリオンが驚く。それはまるで三人を奥へといざなう様に、そこにあった――。
●
「始まったな」
ナハシュが小さな声で呟いた。
冒険者達は集会場の外で待機しつつも、スキルで中の様子を見守る。
いよいよ始まった村の行く末を決める会議。村長派からはクルスス、ハリス、スヴァンの三名が参加している。
「結局、決定打になる様な案は提案できなかったか……」
アルフィーの口ぶりに悔しさが滲む。
「こればかりは仕方がない、と割り切る事が出来れば気が楽なのですが……」
「まだ負けたわけじゃねぇだろ。あの村長が何とかするかもしれねぇじゃねぇか」
「なんともならないから俺等を頼ったんだろ?」
「落ち着け。私達がここで何を言っても会議が好転する訳ではない。それよりも――」
そんなアクティオン達三人にフェイサルが声をかけると、村の北側にそそり立つ岩山へ視線を移した。
●
「征竜様の御心は単なる農夫に過ぎない私には計り知れません。しかし、わかる事もあります」
ハリスはじっと見つめる長老たちに向け滾々と説く。
「淀んだ水が腐る様に、向上心なく祈りにのみ縋る者達に未来などありません」
「ふむ、では何をすればいいというのかね?」
ハリスの言にグラウクスが質問を投げかけた。
「産業を起こし村を発展させるのです。この厳しい気候にも合った作物が必ずある。作物を育て外との交流を持ち、この村の価値を上げる事が出来れば、古き因習などに頼らずとも未来は切り開けると考えます」
ハリスは淀みなく答える。この停滞した因習を捨てない限り、衰退は止められないと。
「切り開く必要などない」
しかし、グラウクスはハリスの意見を一蹴した。
「我々はただ征竜様のお帰りを待てばいいのだ」
そして、先ほどから何度も口にしたセリフを呟く。
「これだけ言ってもわかりませんか……なんと愚かな」
温厚なハリスが思わず口に出してしまう程、目の前の老人たちは因習に凝り固まっていた。
議会に沈黙が流れる。村長派が改善案を提示しても、長老派は征竜を待つの一点張り。先ほどから話はまるで進んでいなかった。
「話はもう無いようだな。それでは現状維持という事で――」
「ま、待ってください。まだこちらからの提案は残っています!」
沈黙を見てグラウクスが会議の終了を提案してくるが、クルススが声を上げ反対する。
「残っている? ふむ、では聞こうか」
「そ、それは……」
再びどっしりと背もたれに体を預けたグラウクスの表情には勝利の色が浮かんでいる。
一方、クルススは次の句が出せず言い淀んだ。
再び沈黙が流れる中、声を上げたのはずっと沈黙していたスヴァンだった。
「本当に征竜は帰ってくるんだろうな」
(……時間を稼ぐ)
(すみません……)
スヴァンは小声でクルススに伝えつつ、最長老に向かう。
「当然だ。征竜様が我々を見捨てるはずがない」
スヴァンはグラウクスをじっと睨み付けた。
「なるほど……それは、この眼に誓って言えるんだな?」
と、スヴァンは突然眼帯を外した。
――ガタッ!
集会所内が一瞬騒然となる。
「何故貴様が……いや、それがどうした。貴様などに誓う必要はない。征竜様は戻ってこられるのだからな」
しかし、流石最長老というだけはあるのか、グラウクスは長老たちに平静を求め、スヴァンに切り返した。
「そうか、戻ってくるんだな。人の肉を喰らうしか能のない獣が」
そう言うとスヴァンはチラリとハリスを見る。厳密にはハリスの纏う毛皮を見た。
「……貴様、なにが言いたい」
「さぁな、それくらい自分で考えればいい。その脳髄が腐ってなければ考えられるだろう――」
●
「あった! すごいものがあったよ!!」
集会場の外で待つ一行の元へララベルが駆けてきた。
ララベルは息を切らしながら仲間達へ駆け寄ると、洞窟の調査の結果を報告し始める。
「――なかなか大冒険だったんだよ! でね、その先で見つけたのが――」
「壁画だったんだ」
ララベルが勿体ぶる様に溜めた話題を、後ろから来たアリオンがあっさりばらした。
「ちょ、アリオン! それ僕が言おうとしたやつだよ!」
「ごめんごめん、あんまり悠長なことしていられる雰囲気じゃなさそうだったから」
と、アリオンはララベルに謝りつつ仲間達を見た。その表情には焦りの色が浮かんでいる。
「その壁画とは何だ。起死回生の一打となるものなのか」
改めてフェイサルが戻ってきた三人に問いかけた。
「そうじゃな、書かれていたものがアレじゃからな」
「アレとは?」
「征竜じゃ」
『えっ!?』
サーヤの言葉に一行は驚きの声を上げた。
「それに奥へとさらに続く階段があった」
「階段? 洞窟に階段があるのか……?」
「うん、そうなんだ。それはどう見ても人が造った物だった」
フェイサルに説明するアリオンの声は子供の様に弾んでいた。
●
「茶番はもうよい。会議を終わるぞ」
スヴァンの話も尽き、いよいよ会議の終了が迫る。
「ま、待ってください!」
話し合いを引き延ばそうクルルスが立ち上がった、その時だった。
「征竜に会いたいのなら、直接会いに行けばいいじゃろう」
突然、集会場の入り口が開かれる。
そこに立っていたのはサーヤを筆頭とした冒険者達だった。
「なんだお前達は! 今会議中じゃぞ!」
長老の一人が唾を飛ばすが、冒険者達は我関せずと集会場へと足を踏み入れる。
室内が混乱する中、アリオンがクルススに近づき囁きかけた。
「……っ!? そうですか、ようやく見つかりましたか」
アリオンの言葉を聞いたクルススはわざと聞こえるように大きく声を上げる。
もちろんその報告内容を知っていたわけではない。内心、動揺を隠せないほど驚いている。それでも平静を崩さず声を上げられたのは、隣にスヴァンがいたからだろうか。
「一体何が見つかったというのだ」
流石に看過できぬと思ったのか、グラウクスが問いかけてくる。
「大したものではありません。極北への道が見つかっただけです」
「なに……」
いきなりの話に、グラウクスは声を曇らせた。
「我々は極北へ赴き征竜様とお会いしてきます。再びの守護をお頼みする為に」
よくもこれだけ口から出まかせが出るものだと自分でも感心しつつ、クルススは続ける。
「な、何を馬鹿な。我々は待っておればいいのじゃ」
反論するグラウクスには明らかな動揺が見て取れる。もちろん周りの長老たちにもだ。
「それはいつまでか。明確に期限を決めねば住民から不満が出よう」
「ぐっ……」
クルススに代わり問うたフェイサルにグラウクスは言葉を詰まらせた。
「極北など、ヒトの身で越えられる場所ではない」
それでも何とか反論を試みるが――。
「俺達が連れていけばいいんだろ? 簡単な事じゃねぇか」
そうナハシュが言い切った。
「そういう事です。しかし、極北へ行くためには色々と準備が必要です」
「そうですね。まず最優先は資材の確保。そして、食料の確保でしょう」
クルススに視線を向けられハリスが答える。
「沢山いるんだろ? それじゃ、置く所がいるな」
ハリスに合わせるようにアルフィーが口を開いた。
「それは我が村で提供しましょう。幸い空き家も場所も沢山ある」
茶番にも似たやり取りが淀みなく続く。一切の打ち合わせもなしに。
「人の確保もいると思いますが、雇うための資金は用意出来そうですか?」
「残念ながら村に余裕はありません。人夫はぜひ村人を使ってください。皆、身体能力に優れた者たちばかりです」
更にアクティオンが問いかけ、クルススが答える。
「でも、最優先はあの道の調査だよ! 罠とかあったら大変だもん!」
「そうですね。調査が必要なのは認めます。どこか支援先を探しましょう」
ララベルが北を指さすのを見て、クルススが頷いた。
「何を勝手に進めておる! 誰の賛同も得ておらんぞ」
流れるように話がまとまっていく中、グラウクスが珍しく声を荒げる。
「お前達の賛同など必要あるのか? 何を言おうがこちらの意見を聞くつもりはないのだろう」
スヴァンが色の違う両目でグラウクスを睨み付けた。
「村の土地を使用する権利は村長である私にあります。それにこれは村の為ですよ」
クルススは二人の間に割って入ると、グラウクスに話しかける。
「村の為だと……?」
「ええ、長老方の為と言い換えてもいい。あなた方の為に一刻も早く征竜様をお連れ致します」
そう言ったクルススに、グラウクスだけでなく、長老たちの間に反論できる者は居なかった。
マスターコメント
ショートEX普通 報酬:標準10 / 4〜10人
2021年07月14日 11時42分21秒 公開
相談掲示板
スヴァンだ、よろしく頼む。 会議か……俺は村周辺の調査を主にやろうと考えている。
僕はアリオン。ウォーリア……はあんまり関係無さそうだね。皆、よろしくね。 何か長老方を説得するのに足るものを見つけられるよう、頑張ろう。
シューターのアクティオンです、よろしく。 まあ、なんだかんだ村の運営が軌道に乗れば悪い気はしないだろう、あるいは文句を言おうにも言えなくなるとは思うのですが……どうやってそこまで持っていくかですね。
シーフのサーヤじゃよ。前回に引き続き、村に大変革をもたらそうと考えて居る。 まあ、祭壇の奥の偽い竜がおった穴倉は見ておきたいところじゃのう。
フェイサル・セイフ、剣と癒しの術を少々使う。 今回はよろしくお願いする。 さて、信仰心というのは素晴らしい物だと私も信ずるところだが…… この村は少々、その在り方に難儀な物を抱えているようだな。 我々の仕事は村長のクルスス氏の望みを叶える為の材料を用意する事になるのだろうが、 その為の道筋として考えられるのは、まず一つはアクティオンの挙げたように利を説いて納得させる。 あるいは長老派の頼りにするモノを誰の目にも明らかな形で貶めてしまう、辺りがよく使われる方法だろうか。 ……しかし気になるのは、最長老のグラウクス氏か。 周囲を落ち着かせる為でもあろうが、彼らの言う所の"征竜様"が近々戻られるなどと、 何の根拠、あるいは用意も無しに軽々しく口にできる物だろうか、とは思うのだが。
アルフィー・リッパーだ。よろしくな。 あのジジィ、何か知ってんのか、征竜が一旦出て行ってるだけって嘘を本当にする算段でも立てているんだろうか?(うーんと考え込んで) しかし、供物として犠牲を払っていたなんて胸糞悪いな…それだけして村を守らねばいけなかったのか。 俺は村の外をちょっと探ってみようと思う
僕は、ララベル・サン・ディーベル。 みんな、よろしくね!
ハリスと申します、どうぞ宜しく。 いやあここは冷えますね。スヴァン殿から譲って頂いた毛皮があって助かりました( >行動 この村に留まるにしろ、新天地を探すにしろ、我々冒険者としては村の現状を詳しく 知っておく必要があると見ております。私は村の視察と、村長を支持しているという 若い方々との会話を通じて交渉の材料となり得るものを探してみましょう。 もしこの地でも農業ができるようならば活路はありそうなのですがね…。 >偽征竜 過酷な環境の中で人々を纏める為には仕方なかったのかもしれませんが……我々には 及びも付かぬ存在である征竜様が定命の者を贄と欲するなど、冒涜も良い所です!! そもそも征竜様はかつての神話に語られる世界の危機の折に、それまで単なる蜥蜴に 過ぎなかった我等の先祖とともに戦い、その戦功を認めリザードマンとして昇華させ 「真の同胞となれる日を待つ」と仰られたと伝わっております。我々リザードマンが 研鑽の徒となったのは、征竜様が無条件に人々を庇護するような存在ではなく、その 魂を磨こうとする者にこそ加護をお与えになるものと考えたからに他なりません。 長老会が村をより良くしようとしているならば解りますが、寂れるばかりを放置し 偽りの希望に縋るばかりでは、仮に本物の征竜様がおわしたとて、この村に加護を お与えになるとは私は思いません。あくまでも村の方々が征竜様への信仰と敬意を 持ち続けたいというならば、村人の各々が自らこの地を良く変えようとする気概… 村長殿の言うような、開拓と変革への機運を持つ必要があると思っております。 ……おっと、つい長々と…失礼致しました。
>長老勢 ふむ、最長老の「征竜様は一時的に去っただけ」「近々戻ってくる」は単純に「今まで通りで良い筈だ」という頑迷さの表れかとも思っていましたが…… 先の神官のように、実情を知った上で「征竜」の名を使っていたのなら、何かあるという可能性も否定できませんね。 >行動 上記の「最長老に何かある」前提で(そうでなくとも、解説にある「あるもの」を探るために)調査をする方が多いのならば、敢えて自分は最長老達と事前に話をしてみましょう。 特に最長老が何かを隠しているなら話をしてみることで糸口が掴めるかもしれませんし、それに「話をする」という形でやんわりと拘束することができれば村の調査がスムーズに行くこともあるかもしれない。 それに……現状、村長派と長老派は対立しているとはいえ、「村をよくする」というならば、長老派は「敵対者」ではなく「ともに良くするために協力すべきもの」であるはず。 頑迷だと切って捨てるのは簡単ですが、「因習の名の下に犠牲を強いられた若い者達」の位置に「村の改革の名の下に置いていかれた高齢の者達」が入るだけでは意味がない、でしょうし。 征竜の名を使った犠牲、許せぬ気持ちは、こちらも分かりはしますが……(こほん)
ナハシュだ。今回はよろしく。 方法や場所は考え中だが、会議に参加はせず調査飲みでと考えている。 >長老勢 グラウクスだったか?一時的に去っただけなら良くある文言だが、すぐお戻りになるってなぁ確かに少し気になんな。そういう解釈にすることで信心を揺らがせねえってことなのかもしんねえが、調べるのはありだと思う。 足止めついでに話を聞いてくれんのも助かるな。
俺は会議に参加しないつもりだったんだが……少し気掛かりな事が出来た。 クルススと共に参加しようと思う。調査やらは時間に余裕があれば、する。
ではわらわは調査専念にさせてもらおうかの。 わらわが会議に行ったところでつまみだされるのがおちじゃロウしな。
征竜様の姿も見たこと無くて本物と勘違い……僕も征竜様に対する信仰は持ってるつもりだけど、他人事じゃ無いよね。征竜様の巫女って存在も全然知らなかったし。 スヴァンさんが会議に出てくれるのは何だか心強いね。調査の方で、手伝えそうな事が有れば言ってくださいね。
……ん、やはりハリスは随分と熱が入っているな。 『天に溶けし征竜』様の事を思えばその意気込みも、重ねて見るのも自然ではある。 一口に征竜様やその信仰といっても様々な姿形や考え方があろうが……そこはな。 さて、気付けば相談期間も残り一日と少し、か。 私は会議には参加せず、村の年長者の方々に話を聞けないか試してみようと思う。 今は彼らも不安を何とか抑えようと苦労している筈、緊張を解すのも重要だろう。 勿論、その間に人目を搔い潜り誰かが何かをしていても気付かれない……という事もあるやもしれんが。 ……ただ、気になる点を挙げておいてなんだが。 先の疑問はどちらかと言えば私のグラウクス氏への疑心や先入観ありきのモノではある。 調査に当たる上ではそこばかりに捉われず、他に気になる部分も皆で潰して行ければ心強い。