【学乱】悪役令嬢の受け渡しはお手柔らかに
陵かなめ
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シナリオID:1022
オープニング
「ヒュー様、ごきげんよう」
「ごきげんよう」
廊下ですれ違う学友に挨拶をしながらヒュー・K・アーリスは教室内をさり気なく見回した。
現在学園では生徒会総選挙について話す生徒が増えている。
教師を含めて浮足立つ者も多い。
したがって、生徒が一人登校してこなくなったことを気にかける者はいないようだ。
「……アーニー、君は無事なのか?」
誰にも聞こえぬような声でヒューが呟く。
さて。
「ヒュー君、そろそろ決断をして欲しいところなのだがね」
「……バニスター伯爵」
肩を叩かれ、ヒューはぎくりと体を強張らせた。
「ふむ。ここではしがない教師の一人だがね。それで、決断はしてくれたかな? 貴族派の立候補者に支援して欲しい件だよ」
「そ……」
白昼堂々生徒の自治に干渉しようとする発言をするバニスター伯爵。
ヒューは俯く。
「決断を急ぎたまえ。君の元婚約者は戻ってこないそうじゃないか。きっと不幸な『事故』にでもあったのだろうね。君のご家族が同じような『事故』にあわないことを願っているよ」
はっはっはと、大きく腹を揺らしバニスター伯爵は笑う。
生徒会総選挙で貴族派の生徒を支持すれば、自分も貴族派の一員となるのだろう。
「くそっ……。冒険者たちは……間に合わなかったのか?!」
伯爵が去った後、ヒューは表情を歪ませ立ち尽くした。
●フラートン男爵家
「学園はどうなってしまったのでしょうか。一日家に引きこもるのは落ち着きませんわね」
アーニー・グレイス・フラートンは侍女の淹れたお茶を口に運びながら窓の外を見た。
自室から見る景色は平和そのもので、馬車が襲われたことなど嘘のようだと思う。
学園内で貴族にあるまじき行いをしているとされ、アーニーは婚約者から一方的に婚約の破棄を宣言された。
その不名誉な噂を確かめるため、アーニーはバニスター家へ馬車を走らせているところを襲撃されたのだ。
あの『事件』があってから数日が経過した。
「そろそろ取引の日時ですわね」
襲撃から助けてくれた冒険者達が、アーニーと報酬を引き換える取引の日時と場所を聞き出したのだ。
「依頼は出しました。あとは……よろしくお願いします。冒険者様たち」
今は冒険者を信じて身を隠すしか無い。
アーニーは再びお茶を口に運び、ため息をついた。
●依頼
『貴族令嬢と誘拐の報酬を引き換える場所が分かりました。
身代わりをたててその場に乗り込み、取引に来た者を捕らえてください。
貴族令嬢の誘拐を企てた首謀者の情報が欲しいです。
アーニー・グレイス・フラートン』
冒険者たちへ向けた依頼が張り出された。
ギルドの受付から詳しい説明と補足が言い渡される。
「フラートン男爵家アーニー嬢の乗る馬車が襲われた事件があってね。まあその襲撃事件自体は解決したさ。襲撃犯の生き残りも秘密裏に捕らえてある。しかし首謀者が不明のままだ」
そこで、この依頼だという。
『誘拐したアーニー嬢』と『報酬』の取引場所を利用して首謀者を明らかにしたいようだ。
「この依頼はね、アーニー嬢と襲撃犯に扮装して引き換え場所に乗り込もうって寸法さ」
アーニーの身代わり役と襲撃犯である野盗に扮装する者が必要だ。
取引相手が現れたところを捕らえることができれば首謀者を知ることも可能になるだろう。
「取引場所は馬車の襲撃があったところから山を一つ越えた森の中のあばら家になる。アーニー嬢は生粋の貴族。その立ち居振る舞いは控え目で上品さ。一方、襲撃者である野盗たちは荒くれ者だね。着ている服も薄汚れている」
ポイントは、相手に気取られないこと。
「取引に現れた者たちをよく観察して、どこの誰が仕組んだことなのか少しでも情報を引き出してほしいのさ。交渉の会話で引き出すもよし、持ち物で判断するもよし。その辺は任せるよ」
うまく扮することができれば、相手も油断するだろう。
「もちろん、取引する者は一人では来ないだろうね。護衛がいるかもしれない。取り押さえるときには多少の抵抗もあるはずだ。いいかい、相手は生きた証拠さ。殺さずに一網打尽にしてほしい」
取引中に情報を引き出し、最後に捕らえるという作戦だ。
情報と生きた証拠があれば、アーニーも安心して学園へ通うことができるはず。
事件に巻き込まれたアーニーは冒険者を頼ってきた。
その思いに報いてほしいと、受付職員は語った。
解説
マスターより
リプレイ
森の中にあばら家がぽつんと建っている。
手入れは行き届いておらず、ところどころヒビが走っているのが見えた。
うっそうと茂った森の木のおかげで、周辺から中の様子を伺うことはできないようだ。
「誰もいないようだ」
周辺を探っていたベルク・オスマットが仲間を呼ぶ。
『アーニー』を受け取りに来た『何者か』の正体を探るのが今回の仕事だ。ベルクは『今回の仕事のために雇われた盗賊』という体でこの場にいる。
仲間たちは取引する相手が来る前にと、あばら家に足を踏み入れた。
あばら家の中は薄暗く、埃が積もっている。
見たところ、ひと部屋だけの簡素な作りだ。かろうじて形を残しているテーブルや外から伸びてきた植物の蔓が、長い間放置されていた場所だということを物語っている。
サマエラ=フォリウムは人一人が座れる場所を見繕い、ララノアに声をかけた。
「ララノア、すまないが縛らせてもらう。力を入れれば解ける程度にしておくからな」
「ぇとぇと……緊張しましが……アーニー様のために頑張るでし……ッ」
ララノアは耳を髪とフードに隠しながらサマエラに近づく。
アーニーは金髪碧眼だ。今日、この取引の場で何者かに引き渡される予定だった。
だが実際は身代わりを立てて取引相手を明らかにする手はず。
アーニーの代わりを務めるのがララノアというわけだ。
ララノアは一瞬躊躇して、しかし意を決したように眼鏡を外した。この眼鏡は目立ってしまう。万が一取引相手に見咎められたら作戦は台無しだ。
だから仕方がない。
「……ちゃんと側に持ってまし……大丈夫……しっかり……っ」
何度も何度も確認しながら、大切な眼鏡をローブにしまう。
近くに枯れた枝が積み上げられていたので、杖は底に隠した。ダガーは足にくくりつけている。
「……はい、あの……大丈夫でし……」
「承知した。痛ければ言ってくれ。目隠しもさせてもらうぞ」
サマエラが手際よくララノアを縛った。
もちろん、冒険者であるララノアが力を込めればすぐに解ける程度だ。目隠しも行うとララノアは『まるで攫われて縛り上げられている令嬢』のような姿になった。
サマエラがうなずく。よほど間近で見なければ、誰か分からないだろう。
自分自身はわざと汚したマントを身に着けている。取引に来る何者かは、自分たちのことを野盗だと思っているはずだ。
わざわざ警戒させるわけにはいかない。そのための野盗の装いだ。
フードを目深にかぶったゴブロウタはひと通りあばら家の中を歩いた。
ギシリと、床がきしむ音がする。
「窓は二箇所で、扉はひとつか」
部屋の構造自体は単純だ。ふたつあるうち、ひとつの窓は小さい通気口のようなもの。
もうひとつの窓だけおさえることができれば、敵を逃がす心配はないだろう。
「おっと、到着したようだぜ」
窓から外をうかがうと、黒いフードをかぶった集団があばら家に近づいてくるのが見えた。
こんな森の中のあばら家にわざわざ集団で来る暇人などいないだろう。
「あれが取引相手か。揃いのローブに上等の明かりとは、いかにもだな」
ベルクが肩をすくめた。
やがてドアがノックされ、扉が開かれる。
「さあ、お上品な取引先のご到着だ」
ゴブロウタはそう言いながら、あばら家に入ってくる集団を見た。
●交渉
小屋に入ってきた男たちは、フードで目元を隠している。
それは自分も同じことだと思いながらゴブロウタは取引相手の人数を数えた。明かりを持つ男が一人。その後ろで腕を組んでいる男が中心人物だろうか。その二人を守るように五人のフード姿の男達がいる。五人の男達は帯剣しているようだ。彼らは護衛役、ということだろう。
「例の女はここだ。目立つも騒ぐも困るので、ローブを着せ気絶させておいた」
サマエラが身体の向きを斜めにして、床に転がっている『アーニー』を見せた。
『アーニー』役のララノアは微動だにしない。
気絶したふりをしてじっと周囲の様子をうかがっている。
「ほう、それがフラートン男爵家のご令嬢か」
集団の真ん中で腕組みをしていた男が威圧的な物言いをした。
そして『アーニー』の様子を確かめようと、近づいてくる。その進路を遮るように、サマエラが向き直った。
「それで、報酬についてだが」
「ちっ、ゴロツキが。金なら用意している」
蔑んだ口調から、野盗をバカにしていることが伝わってくる。
(プライドが高い方なのでしょうか……)
目隠しで視界が塞がれている代わりに聴覚を研ぎ澄ます。ララノアは男の声から受ける印象を考えていた。
「まぁ待て、取引前に見てくれ……人数が少ないだろう?」
向けられた蔑みの視線をさらりと躱し、サマエラはいかにも大変なことのように大げさに両腕を広げてみせる。
「は?」
「どうも態々護衛を雇っていたようで、交戦する羽目になってな」
「な……! どういうことだ!!」
途端に慌てた様子を見せる男をなだめるようにサマエラが続けた。
「始末はしたが、被害も受けたわけだ」
な、とベルクに同意を求める。
ベルクはふうと大きく息を吐きだして頷いてみせた。
「雇い主の頭が護衛に手傷を負わされたせいで、受け渡しの護衛まで仕事になってしまったよ」
「くそ、どういうことだ」
「これは、どこからか襲撃の情報が漏れていたのか――」
サマエラの言葉に、取引先の男達はギクリと体を強張らせた。
その雰囲気に紛れてゴブロウタが窓を閉じる。立て付けの悪いあばら家の窓が軋んだ。護衛役の一人がゴブロウタを見る。
ゴブロウタはフードに手をやりながら落ち着いて言った。
「他所から襲撃されないようにな」
折しも、『野盗』が『アーニーの護衛』を『始末した』という話題が出たばかりだ。警戒をするに越したことはないと雰囲気で訴える。
「くそ、どこから情報が漏れた!! まさか屋敷の誰かが?」
「落ち着いてください。皆、――家に忠誠を誓っております」
(やはり、貴族……ですよね)
気絶したふりを続けるララノアが心の中でつぶやいた。小声で相談しているつもりなのだろうけれど、とぎれとぎれに聞こえてくる声から大まかに推測はできる。
おそらく貴族の関係者とその護衛といったところだろうか。
さて、相手が貴族の関係者だと感じ取って行動したのはベルクだ。
「ところでお宅らのお上は裏の人間をお求めだったりしないかい?」
「何だと?」
男達は急に話を切り出したベルクを凝視する。
「今ちょっと懐が寂しくてね。銭がもらえるなら何でもやるよ?」
「貴様は盗賊団の一員だろう? 信用できないな」
「おかしなことを言う。その盗賊団と取引しているのはお宅らじゃないかい?」
ベルクは言いながら男達に近づいた。
「今の王国じゃ需要はあると思うがね? 特にお貴族様あたりには」
「どちらにしろ、盗賊風情と行動をともにはできんなあ。なにせ、我らは――」
「今はそれどころではありません。早く令嬢を」
護衛のうちの一人に諭され、交渉役の男が咳払いをする。
ゴブロウタが今の護衛役を密かに注視した。
あれは先程、窓を締めた時に目があった護衛だ。おそらく勘が良いのだろう。もしかしたら腕が立つのかもしれない。
「さ、さあ、さっさとその女を寄越せ」
「――まぁ、そのあたりはいい。ただこちらとしては、危険手当など期待してもよいだろう?」
サマエラが前に出る。
ゴブロウタも、いつでも動けるように態勢を整えた。
ベルクは薄っすらと笑みを浮かべていた口元を引き締め男達の動きを見る。
「ほら、約束の金だ。持っていけ。そして何処かに消えろ」
男が懐から袋を取り出し、床に投げ捨てた。
じゃらりとコインが擦れる音がする。
男達はこれ以上話をするつもりがないというふうに、一斉に『アーニー』へと近づいた。
「その明かりは上等のものだな。家紋が刻まれているのだろう」
「……は?」
「照会すれば、お前たちがどこの家の者か分かるはずだ」
フードも、服装も、上質ではあるが男達の正体を示すほどのものではない。
しかし、先頭に立つ男が持つ明かりだけは違うとサマエラは看破した。繊細な作りの明かりは、とても一般人向けに量産されたものとは思えない。おそらく家に合わせて注文生産されたものだろう。家紋か、それに準ずるものが刻まれていてもおかしくない。
「こいつ……」
護衛役の男達が剣を抜く。
「やけに勘のいいやつがいたものだな。まあいいさ。相手はたったの3人だ。秘密を知られるくらいなら、始末してしまえ」
交渉役の男の言葉で、その場にいた者たちが一斉に動いた。
●戦闘
「盗賊は斬り捨ててもいい。どうせゴロツキどものなど、何の役にもたたん……ん?」
交渉役の男が言い終わらないうちに、扉の近くにいた護衛役が一人、うめき声を上げて倒れ込んだ。
いつの間にか男達の背後に回り込んだベルクが男の足を斬ったのだ。
痛みに悶絶する護衛役の男に当て身を食らわせて意識を失わせる。
「何とも、容易いな」
その後エーテルの光の縄で拘束すれば、男は動くこともできないようだった。
「そ――」
窓の近くにいた護衛はゴブロウタがねじ伏せる。剣を叩き落とし、流れるような動作で脚を蹴り上げて転がした。その後は、腕をねじって抑え込むだけだった。
「は、はなせ……っ」
「俺らと同じでないんだな」
相手は抵抗らしい抵抗をしてこない。
いや、ゴブロウタに抑え込まれて身動きがまったく取れないようだ。
これは力加減を間違えると絞め殺してしまいそうだと思う。
「これを使ってくれ」
「助かるぜ」
ゴブロウタはサマエラからロープを受け取り、男を縛った。
「ぐ……ぐ、この……」
「おとなしく眠っていたほうが身のためだと思うぜ」
そう言って視線を合わせて眠りに誘う。
その間にベルクが次の一人に飛びかかって無効化していた。
「この――」
異変に気づいた護衛役がサマエラに斬りかかってくる。
サマエラはその男を軽々といなし、交渉役の男に向かって光縛封を発動させた。
「えぇ?! こ、これは何だ!! おい! 何とかしろ!!」
「どうやらお前は重要人物のようだ。そこで少し待っていろ」
サマエラは自分に斬りかかってきた男と明かりを持っていた男を縛り上げる。
一方、ゴブロウタは気をつけていた護衛役と対峙していた。
他の者と違い、慎重に距離を取ってくる。訓練で技術を身に着けた一般人といったところだろうか。
「だが、それだけだ」
「くっ……」
グズグズしてはいられない。
一気に距離を詰めると、男を殴りつけた。
「あ――」
勘の良い護衛役の男が沈む。
最後に残った護衛役は、『アーニー』に向かってダッシュした。
「くそ、この女を盾にすれば……!!」
その時、今まで床に伏していたララノアがロープを解いて目隠しを取る。大切にしまっておいた眼鏡を装着すると、間を置かずに魔矢を放った。
「ぁぁあの……出来れば傷つけたくはありませんで。と、投降してくだしゃい!」
これは牽制するだけのものだ。
だがララノアに向かってきた相手は驚いてその場に尻餅をついた。
相手の様子を見て、慌てて近づきロープで縛る。
「な……! お前は……誰だ!!」
光縛封に捕らわれている交渉役の男が驚きの声を上げた。
ローブに隠していた耳が出て顔を見せたララノアは、アーニーではなかったのだから。
●発覚
あばら家の戦闘はあっという間に決着が着いた。
だが、まだ聞き出せていない情報がある。
「ところでアーリス家に関して何か知らんかね? 君たちの関係者だと考えているのだが?」
ベルクが冷ややかな視線を男達に向けた。
すでに全員を拘束している。護衛役と明かりを持った男達は眠らせているため、必然的に交渉役の男が答えることになるのだが――。
「アーリス家だと? どういうことだ? あの腰抜けが一体何をした?」
交渉役の男はアーリス家という名前を聞いて嫌そうに顔をしかめた。
「ほお、なら聞き直そうか。アーリス家に何をした?」
徹底的に聞かせてもらおうかというベルクは、無表情だ。ただ冷たい目を、交渉役の男に向ける。
「ぐ……」
男はベルクを見上げ、ゾッとした表情を浮かべた。
さて、ベルクに脚を切られた男がうめき声を上げて目を覚ます。
「ん……」
「ぁ……お怪我を……手当てしまし……。だ、大丈夫でし……?」
その脚に包帯を巻いているのはララノアだ。
「……すまない」
小声が聞こえてララノアは顔を上げた。
じっと相手の様子をうかがう。もしかしたらと思い、声をかけた。
「本当はこんなことを……したくなかったのでは?」
「それは……」
「貴様!! それでも、我が家の騎士か!! 当主に絶対忠誠を誓った身だろうが!!」
交渉役の男が声を荒げ、護衛役の男はぐっと言葉を飲み込む。
「……。もちろん、その通りです」
そしてあばら家に沈黙が訪れた。
「貴族って、厄介なものなんだな」
「そのようだ」
ゴブロウタとサマエラは顔を見合わせる。
ベルクが無言で交渉役の男に近づいた。
「どうやら貴様に聞くのが早いようだ。アーリス家に何をしたのかも含めて徹底的に聞かせてもらおうか?」
この光縛封は、交渉役の男を守る役割も果たしている。
必要なら光縛封を解こうと提案するベルクの姿を見て、男が叫んだ。
「ふざけるな!! この私に……バニスター家の侍従に何かしてみろ!! そうなったら伯爵家が黙っていると思うなよ!!」
「あ……それは――」
護衛役の男が慌てて止める。
しかし遅かった。
「ぁ……あなた方は……バニスター伯爵家様でしょうか……」
控え目なララノアの指摘をうけて、バニスター家の侍従がしまったという表情を浮かべた。
捕らえた男達はギルドへと引き渡した。
「アーニー殿はバニスター家に向かっていたはずだが、だとしたら何故道中襲わせたんじゃろう? バニスター家で拉致するほうが楽だと思うがな」
ベルクが疑問を口にする。
襲撃も取引もバニスター家の指示ならば、あまりに回りくどい。
「ぁ、あの……アーリス家様のことは、すこし下に見ている印象でし……」
ララノアが感じたことを述べる。
同じ伯爵家でも、そのようなことがあるのだろうか。
「何にせよ、貴族ってのは、相当厄介なものなんだな」
「ああ、そのようだ」
ゴブロウタとサマエラは、やはりしみじみと顔を見合わせる。
「アーニー様が……安心できますように……」
連れて行かれる男達の背中を見送り、ララノアがつぶやいた。
「お二人の婚約も……元に戻るとよいのでしが……」
この先、それぞれの家はどうなるのだろう。
しかし野盗と取引していた男達は全員捕らえた。この語、叩けばいくらでもホコリが出るだろう。新たな事実も分かるかもしれない。
ともあれひとまず、冒険者たちは報酬を受け取り依頼を終えた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜8人
2021年06月24日 21時59分05秒 公開
相談掲示板
ゴブリン、ヒーラー。サマエラだ。 よろしく頼む。 扮装しての情報引き出しと、全員の生け捕りが役割だな。 扮装では、扮し方にも依るのだろうが、角が目立ちそうなので、 私はひとまず、野盗のように振る舞っておこうか。 情報の探り方は自由と……何れにしても、すぐ取引に進むより、 会話で時間を稼いだ方が、諸々チェックするにも都合が良いな。 荒くれ者らしい範囲で、報酬の値上げ交渉など、仕掛けてみても良いかもしれない。 戦闘面は、殺さず逃がさずとなると…… でき得る限り囲むか、それでなくとも極力逃げ道を塞ぐ位置取りは、しておきたい。 逃走者への殺さない程度の追撃用に、遠距離攻撃も持つべきか。 火力調節も難しいな、負傷具合によっては敵への回復も行っておく。 光縛封も、使い出がありそうなので持ち込んでみよう。
ぇとぇと…ひ、ヒーラーの…ララノアでし…ッ よよよろしくお願いいたしましでッ(がばちょ サマエラ様も…ご一緒できましで…嬉しいでしっ 取引相手様の…捕縛… ぇと…武器にエーテルを流さずに使ったら… 一般的な攻撃に…ならないのでしかね?(ぅーん 遠距離攻撃でも…射程が長いことや威力を…見せつければ… 逃亡の意思を…ぇと…挫けるかもと…ふと… 扮装の役割は…ぇぇと…他の方のご希望次第で… 一応…金髪ではございますが…
ウォーリアのゴブロウタです。 よろしくお願いします。 >捕縛 あー、ちょいと臭い話なんですが。 実は悪名高い?「めちゃくさい」スキルを取ってまして。 力づくで抑え込んだ後にめちゃくさい嗅がせたら昏倒するかな? と搦手を提案しておきます。 ただ、難物なのは仕方ないですかね。 それ以外ですと、ヒュプノシスが使えます。 こちらもちょいと手間取りますが、抑え込んだ後なら使えそうかな? とは思いますが。
ありがたい、これで出発できるな。 ララノアは此度も同行でき、私も嬉しく思う。 2人とも、よろしく頼む。 扮装面、アーニー役に悩むところだったので、 希望次第ではララノアに頼めたら、大変助かる。 アーニー役については、力を入れればすぐ解ける程度に、見た目だけ縛る感じだろうか。 捕縛は……そうだな、闇雲だと難しそうなので、有効か試せることは試してみたい。 事前確認できるものは確認してから、実践してみるのが良いか。 私の方は、火力控え目のスキルもいくつかと……神霊達の腕で窒息させたりなど、 動きが止まれば、ロープで締め上げよう。ヒュプノシスも、これなら使えそうだ。 ……そちら(めちゃくさい)は……うむ。ちなみに、オンオフはできるのだろうか……?
遅くなってすまない。 シーフのベルクだ。 我は毛色も違うし見てくれ的にも令嬢役は無理なので賊の紛争をすることにしよう。 捕縛はそうだな。 我は手足を潰して捕縛しよう、足を潰しておけば縛る前に逃げられると言うこともなくなるだろう。 >めちゃくさい …かまわないとは思うが。 誤爆の危険は大丈夫だろうか?
>扮装 ぁの…は、はい……でででは、私がアーニー様役を… どうしましょう…貴族令嬢の服では目立つからと… 町娘の格好に着替えさせたといえば… ローブやメガネも…そのままで大丈夫でしょうか… …気絶しているフリもしたほうが…瞳の色も分からずよいのかなと思いましたが… そうなると…観察は…お任せしてしまうことになるかもで…(ぅぅん ぇぇ…軽くしばっていただければ…良いかと…思いましでふ(ぺこー >めちゃくさい ぇっと…これは…そんなにも凄いのでしか?(かくり
ローブはそうだな、目立ち難いようにで通すとして、メガネは……ううむ。 気絶の振りも行うなら、いっそメガネごと布で目隠しもしておくか……? 観察面は、アーニーが聞いていないからこそ漏れる言葉というのも、あるかもしれないので、 そちらを聞き逃さないよう集中してみるのも、情報入手の一手になるやも。 めちゃくさい、は……なぜ匂うのかの理由にも、依る気はするが…… 確かに誤爆にだけ、注意できればと思う。 (使うこと自体には反対無いスタンス) 戦闘面は、火力に傾け過ぎないようには注意しつつ、ひとまず闘気槌でまとめて打ち、 あとは消耗具合に応じて追撃するか、先の神霊達の腕などで捕縛するか……で予定しておく。 位置で言えば、前衛に立とうかと。
や、やはり…メガネは……。。。 あぁぁあの…い、いろいろなものが…かかっておりましで… が、がんばりましゅ…(ぷるぷる め、目隠しもしましでしたら…ぁああぁぁの… メガネ…その…ろろろローブの中にでも…隠しておきましで… でででは…超聴覚で周りの音を拾いたいと… アーニー様おひとりの時にも…話すことは…あるでしょうか… 捕縛タイミングは…話の具合を見て…で大丈夫でしかね… ぁぁあの…わたしも、めちゃくさいなるものは…初めてでしので… 特にこれといって反対は…いたしませんでし…(ぺこー 戦闘面は逃げないように…遠距離攻撃を…用意しておきましね…
>絡め手 確か「オンオフ可能」の類の記述がなければ常時発動、という扱いだったはずです。 なので、ヒュプノシスで済むならそちらでやっといたほうが良いでしょう。 というわけで、無力化後のヒュプノシス、という流れでいこうかと思います。 無力化はまあ…抑え込めればなんとか?でしょうか。
了解した、軽く縛ったり目隠ししたりはこちらで書いておくので、 メガネ等、大事なものの扱いについて記載してもらえたら、扮装完了かと思う。 ララノアはアーニー役、あらためてよろしく頼む。 捕縛タイミングはそうだな、極力情報を搾り取ってからにするとして…… 逃げ道をできるだけ塞げたらor戦闘を避けられなくなったら、あたりで、 開始して、良いだろうか? 絡め手面も了解だ。 意識を刈り取り切れなかった敵の抑え込みは、私も行うつもりなので、 そこでヒュプノシスを頼むとか、協力もできそうだな。
取り急ぎ、探りのための会話についてだが、こちらの人数が少な目なのを示しつつ、 「女に護衛が付いていたせいで被害を受けた、危険手当が欲しい」 との方向で、いこうかと思っている。 何か不都合あれば変えるので、その際は教えてもらえたら、幸いだ。
サマエラ様…あのあの、色々とありがとうございましッ(ぺこーーっ わ、私は情報を聞き出した後でしので…残留思念で、違った方向からの情報がないか… ぇとぇと…みてみようかと思いまし! でででは、皆様現地にて… えっおーでございまし!
こちらこそ、対応してもらえてありがたい、ありがとう。 情報については、私は会話の他は洞察で表情を窺うとか、そのくらいになりそうなので…… 別方向からも調べてもらえるならば、それも大変ありがたく思う。 そうだな、それではあとは現地にて。 良い結果目指して、頑張ろう。