【CP】アッシュヴァレー急襲

蔭沢 菫

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シナリオID:945

オープニング

 アッシュヴァレー城の城門の前に集うのは屍の騎士団。艶やかな黒髪を結い上げたメリザニア・フレーデは漆黒の甲冑を身につけ、瘴気を放つ骨の馬にまたがっている。彼女に付き従うは弓を持たされた生ける屍の兵士、そして甲冑と槍を身に着けた骸骨兵ら。死より蘇らせられたマンティコアがどんよりとした目で女主人を見つめている。メリザニアの額に輝くはサークレット。大粒の石が一つだけはめ込まれた鉄のそれは、彼女の趣味というにはあまりにも武骨で異質。カットを施された漆黒の金剛石ともみえるそれは、仄暗い悪意とエーテルを辺りに投射しているようにさえ思える。
「それでは、参りましょう。あまり待たせてはいけませぬもの。わが君も、あの子も。ええ、冒険者たちも、そうね」
 最後の言葉に浮かぶは嗜虐的な響き。嫣然と笑みを浮かべるメリザニアがひと声号令をかけると、死者の軍は動き始めた。
 アッシュヴァレー城から、災厄がゆっくり、ゆっくりと近づいてくる。

 時は戻る。
 ヤコブ・ヴィリアンの客将にしてヴァンパイアであるメリザニア・フレーデについての調査が終わった、と冒険者らが告げられたのはある日の朝であった。天幕に呼び寄せられた冒険者たちが目にしたのは、隠しきれない疲労を気力で補っているラサハル・アーヴィングの姿であった。
 難民キャンプ警護の指揮の一部を執っているラサハルは、迫りくる様々な内外の危機に心身共にすり減らされている状態であった。それに加えてラサハルの孫であるマイリヤ・アーヴィングがメリザニアにヴァンパイア化の儀式を途中まで行われ、人ではないものに変えられつつある、という現状もまた、彼の心に大きな負担を与えていた。それでも彼は帝国軍人らしい規律正しさと自制心を失わず、毅然とした態度を取り付けている。
「諸君、メリザニアについての調査が終わった。これが朝の朗報だ。だが、どのようなことも朗報だけではすまぬもの」
 卓の上に引かれた地図、メリザニアのいたアッシュヴァレー城のすぐそばに、黒い駒が置かれているのに、冒険者は気付く。
「メリザニアが動いた、と斥候から連絡が入った。全力で迎え撃ちたいところだが、敵数は数多。それにほとんどがアンデッドで構成されているため、持久力で競り負けるだろう――何も対策をせず、しばらくすれば、この地は一方的に蹂躙されるだろう」
 どさり、と書類の山が冒険者たちに渡される。それはメリザニア・フレーデという女性について書かれた調査報告であった。
「メリザニアの出自は分からぬ。ただ、人間であった時は在野の優れた魔術師で、傭兵として雇われていたらしい。やがて何らかの理由でヤコブの『子』となり、今に至る……といったところ。各地で美しい子どもを攫っては支配し、おのれの『餌』兼『小姓』にする、というのが普段の行動だ。彼女が『子』を求めたというのは初めてのこと」
 静かな声でラサハルは続ける。
「日光などの弱点は克服しているが、ヴァンパイアとなったことで少々、慢心の『癖』が付いたらしい。そこが付け入る隙か。自身に負担のかかるヴァンパイア化の儀式をわが孫マイリヤに行ったというのも、このようなキャンプ、おのれが万全でなくても倒せるという傲慢故であろう。……腹立たしいが、直接対峙ではその可能性が高い」
 では、どのように、と冒険者は問う。ラサハルは厳格そうな顔に更に皺を増やし、告げる。
「アッシュヴァレー城は谷間にある城。キャンプに近づくまでは細い谷間の道を通らねばならん。幾ら疲れ知らずのアンデッド軍であるとはいえ、隊列が伸びることまでは止められない。故に、そこを急襲する。 メリザニアが得手とする魔法は召喚であり、死霊術を使ったという話は聞いたことがない……何らかの方法で、疑似的にアンデッドを支配しているのだろう。斥候の話では、黒い宝石の付いた似合わぬサークレットを付けていたという話もある。恐らくは、これが鍵であろう。アンデッドの統率が崩れれば、彼女には痛手であろうよ……」

 神官たちの祈りの声の中で、白皙白髪の少女が苦しそうに身じろぎをする。その目は血を落としたかのような薄紅、肌は死に近づく人の蒼白。途中で止められたとはいえ、ヴァンパイア化の儀式は少女の心身を蝕んでいる。ラサハルはその様子をみていた。

解説

目的:メリザニア・フレーデへの襲撃、及び討伐。 舞台:アッシュヴァレー城から続く狭い細い谷間の道。アンデッド兵の隊列が進んでいます。メリザニアは列の中央でマンティコアに身を護らせながら騎乗状態で進んでいます。斜面は急で木々が生い茂っており、道からの可視性は悪いです。また急なため、そのまま斜面に立ち続けるのは難しいでしょう。(対策がない場合、谷間の道での混戦状態が主となります)襲撃時間は好きな時間を選択できます。 敵: メリザニア・フレーデ:ヤコブ・ヴィリアンの客将にして『子』、美貌のヴァンパイアです。日光下でも行動にペナルティを受けません。攻撃に重きを置いた召喚術を得意としています。また、額のサークレットを使い、アンデッドに指示を出しているようです。1ターンに2回攻撃を行いますが、そのうち1回は行動阻害の副次効果が付いた単体の魔法攻撃を確実に行います。骨の馬に騎乗していますが、そちらは攻撃はして来ません。また、弱めの再生能力を持っているようです。彼女を倒すことで、マイリヤはヴァンパイア化の儀式から解放されます。 アンデッド・マンティコア:死霊術で束縛されているマンティコアです。メリザニアを庇うように立ちまわるほか、スリップダメージの付く攻撃をしてきます。1体だけです。 スケルトン:雑兵です。近接物理攻撃しかしませんが、数が多いです。道が狭いため一気には押し寄せませんが、倒したところから増援がやってきます。また、甲冑を身に着けているため、丈夫です。 ゾンビアーチャー:雑兵その2。遠隔物理攻撃しかしませんが、数が多いです。同じく、倒したところから増援がやってきます。ただし、狙いが甘く、三分の一の確率で味方にに誤射をします。

マスターより

こんにちは、ろばたにスエノです。アンデッドの軍を急襲し、ヴァンパイアの将にとどめを刺しましょう。

リプレイ

 昼だというのに、静かに、静かに死者の軍が谷間を行く。数えるのも嫌になるほどのスケルトンの兵士が規律正しく行列し、一匹の死せるマンティコアがうつろな唸り声をあげながら女主人の横へと付き従っている。軍を率いるは黒髪のメリザニア・フレーデ、蒼白の肌に漆黒の鎧も美しく、しかしその額に輝く黒い宝石がはまったサークレットからは忌まわしいエーテルの気配が漂っていた。

 冒険者らは、各々身を木々にロープで結び付け、もしくは得意の平衡感覚で斜面の木々に潜伏していた。
『敵の大将を倒せばマイリヤって娘も助かる可能性があんだろ?まぁ、俺たちに任せとけって!』
 ハヤト=ガラン=ヴォルファングはラサハル・アーヴィングに告げた言葉を思い出している。初老の毅然とした老軍人はその言葉を聞き、表情を崩さぬまま、しかし確かな信頼の視線をハヤト、そして冒険者たちに返していた。
 ナタリア・フィッツジェラルドはラサハルたちのメリザニアに関する調査に感謝の意を浮かべていた。朗報だけではなかったとはいえ、調べ尽くした為に果たしてどれ程の犠牲が出たことだろうか――実際に還らぬ者もいただろう。
(彼らに報いるという意味でも、急襲を成功させることは大きな意義がある)
 その横でレヴァーレ・クアルムと、ゴブロウタ、セリオス・オーガストもまた死者の軍を見つめていた。
(なんか大事になっちまったが、ここでケリつけねぇとな)
 心の中でつぶやくゴブロウタ。レヴァーレとゴブロウタはアッシュヴァレーの潜入調査に赴き、実際にメリザニアを目にしていた。
 レヴァーレは目を凝らし、メリザニアとの距離をはかる。その横ではセリオスが斑の耳をぴくぴくと動かしながら、頭上から俯瞰するが如き視点で敵軍の様子を眺めていた。心の中ではかる。あと二十拍。十拍。五拍。三、二、一――敵将メリザニアが、冒険者たちの正面へと近づいてくる。
「今だ」
 セリオスの短い言葉は冒険者たちの間に広がり、ロープの落ちる音、枝の折れる音がかすかに響く。何事と見上げたメリザニア。その反応よりも早く、冒険者たちは油断しきっていた一同へと攻撃を仕掛ける。
 セリオスが輝く矢を放つ。炸裂した光の破片は降り注ぎ、スケルトンの兵士らの隊列を崩しメリザニアへの道をひらく手助けとなる。道が細いのが幸いしてか、スケルトン兵の列もまた薄い。
「疲れ知らずのアンデット軍か……不気味っていうか、というか真っ向から戦ったって持久力負けするだろうな」
 それに続くは彼の番たるゴルバルティア。
「だけど、そのメリザニアってのを倒すまでくらいなら粘って見せるさ!」
 白い髪をなびかせ、威嚇するかの如くセンザンコウの尾を鳴らし、光と共に突撃すれば、盾でアンデッド・マンティコアを打ち飛ばさんとする。むろんマンティコアは何が起きたか分からず列の後方へと飛ばされ、どんよりとした瞳をゴルバルディアへと向ける。そこに宿った悪意はそれのものか、それとも操り主たるメリザニアのものか。
「さて、吸血鬼を討ちに行きますか」
 鍔無しの刀をすらりと取り出したヴィルヘルミナは足に力をこめ、一瞬のうちにメリザニアへと近づく。鋭い一撃が彼女を捉えたか、と思ったが敵もさるもの、即座にエーテルの障壁を展開し、己が身を守る。
「全く、どこから嗅ぎつけたことやら。ですが、それだけの数でこの軍に勝てるとお思いかしら?」
 嫣然とした口調ながら、浮かべる表情は明らかな軽蔑と嘲笑。だが、そこにふいに襲い来るは黒い影。
「なめてくれるなら結構。あの世で後悔してもらおう」
 そういいながら、一気に間を詰めてメリザニアへと吶喊したのはケン・Z・ブラッドリー。身を低く屈めて首狩刀を一閃すれば、メリザニアの乗る骨馬の足の一本が耐えきれず砕け、バランスを崩す。
「折角のいい女が相手なんだ。やっぱ地に足つけてやり合ってこそだろ」
 ひらりと飛び降りたメリザニアは、「不躾な男だこと」とケンをねめつけ、指を鳴らす。一瞬、目を持つ茨に縛られた少女が宙に現れ、それが何事かを叫べば、天から狂うが如き数多の光弾が降り注ぐ。それは美しくも身を焼く光の雨。冒険者たちは光に焼かれ、その様を嗜虐的な笑みを浮かべてメリザニアは眺めた。
「生憎、私は術師。自ら斬り合う程愚かではありません――そこな鱗持ちの女は、しばらく私の兵と遊んでいてもらいましょうか」
 苦痛の声をもらす冒険者たちにくすりと笑うまま、もう一度メリザニアは指を鳴らす。エーテルの茨がゴルバルティアに絡みつき、その足を締め上げる。
「ちっ、足を取られたかっ」
「ええ、ええ。いきなり襲い掛かって来る行儀の悪いけだものには躾をしませんと――」
 マンティコアに何事かを告げようとするメリザニアであったが、その瞬間、隊列の後方に、石礫が降り注ぐ。石礫は広域に被害を及ぼし、スケルトン兵の一部が崩れ、マンティコアは咆哮する。
「綺麗になったものですね」
 してやったりと言いたげな表情を浮かべたレヴァーレの手には、魔導書が一冊。
「おっと、まだ残っています、クアルム」
 短杖をゴブロウタが動かせば、再び石礫が降り注ぐ。運よく一撃目を避けていたスケルトンもガラガラと崩れ落ち、後方は空となる。
「お掃除完了ッス、さあ、次はどうするッスか、メリザニア」
 メリザニアは謎めいた笑みを浮かべていたが、その瞳には怒りの色が浮かんでいた。

「人を捨て、人には身に余る力に味を占めた……艱難辛苦こそ人の重みが試される」
 静かな声はナタリアのもの。
「失敗、犠牲、生きている限り人はそれでも試練に挑み続けねばならない」
 声はエーテルと絡み合い、勇気の鼓舞と化す。仲間に淡い光が宿ったのを見たナタリアは、祭刀をメリザニアへと向ける。
「私の人生の糧でもあるが、お前たちについて調べたとされる将兵らが、そうであったようにな。それを通す為にも、屍群をなぎ倒すことを以って証明してやるさ」
 聖なる技がゴルバルティアのエーテルを活性化させ、足の束縛を解いた。目くばせで感謝するゴルバルディア。
 と、ふいに何かの気配を感じ、メリザニアは咄嗟に腕で己を庇う。しかし、遅かった。銀の風の如くメリザニアの頭上を飛び超えたのはハヤトであった。
「チッ、吸血鬼なんかじゃなきゃあんな美人すぎる女、放っておかねぇのによ! 貰っていくぜ!」
 手には無理やり奪い取ったメリザニアのサークレット。それはぞっとするほど冷たかったが、手放すことなく――空いた場所へと着地する。
「このゴブリンの盗人風情がっ」
 切り札を奪われたメリザニアは蒼白の顔にもはや隠しもせず憤怒の色を浮かべる。
「ええい、最後の命令です――暴れなさい!」
 メリザニアの声に呼応して、サークレットが震える。規律正しかったアンデッドの群れは今や混沌の渦と化した。
 なだれ込む骨の群れ、雨のように降る矢。それらはメリザニアにも等しく降り注ぐが、彼女は痛みを気にせず唯怒り狂っていた。
 
(メリザニアは動揺している。仕掛けるなら今か)
 セリオスの引き絞った矢は光を帯び、今や焼けつくような輝きを放っていた。指を離せば一直線に飛び、突き刺さるはメリザニアの肩。エーテルの障壁で軽減したものの、その光は黒の甲冑の肩を砕いていた。
 ゴルバルティアはマンティコアやなだれ込んできたスケルトンと対峙していた。防御に重きを置いた立ち回りを狂乱状態のアンデッドたちは捉えることは出来ない。マンティコアの何度目かの毒尾を避け、ゴルバルディアは肩で息をする。レヴァーレの作りだしたくろがねの壁は、メリザニアとマンティコアを分断していた。合流の心配は、ない。それはある種の救いであった。
 そこから少し離れて複数のスケルトンを相手取っているのはヴィルヘルミナ。愛刀銀月にエーテルの光を纏わせ地面にたたきつければ、そのまま衝撃が走り、スケルトンを吹き飛ばす。ナタリアもまた、同じようにエーテルの光を纏わせた武器でスケルトンを一網打尽にせんと攻めかかる。吹き飛ばされたスケルトンの生き残りは立ち上がりわらわらと二人へと押し寄せて来るが、ゴブロウタとレヴァーレの光弾や石礫の雨、水流がそれを薙ぎ払う。
 今や戦局は冒険者に有利に傾いていた。とはいえ、全てが有利という訳でもない。疲れを知らぬ敵がどんどん湧き、冒険者たちの手札は確実に減っている。それに加えてメリザニアが自軍のアンデッドを巻き込んで大規模な術を行使する為、じわじわと全体的に削られて行っているのだった。ナタリアとゴブロウタの癒しのオーラや光が、味方を立て直さんと広がり煌めくが、それでも支えられる量には限りがある。ヴィルヘルミナは数に押されてなるものか、と再びのエーテルの衝撃を放つ。

 しかし、一瞬。逃走経路が見えた一瞬、メリザニアは背を向けて逃亡せんと駆けだした。わらわらとその間になだれ込もうとするスケルトン。道は細くなり、確実に消えようとしていた。
「逃さねぇよ……最後まで付きあってもらうぜ」
 そこに割り込んだのはケンであった。エーテルを纏わせた言葉はメリザニアの心を縛る。その隙に執拗に追いかけるケン。そして俊足を生かしてハヤトも追いつき、叫ぶ。
「どうした? ヤコブの客将ってなそんなもんか? ヤコブってのもたかが知れてんな!」
 仕える主の名を出されたメリザニアは怒りのあまり足を止める。術師としては愚策であった。しかし追い詰められ、『親』を馬鹿にされたメリザニアにはそのような判断はもはや出来なかった。
 血を代償に己が力を増幅させれば、放つは生けるが如き炎。敵の身を蝕む怒りの炎。
「そのまま苛まれ燃え尽きるがいい!」
 しかし、メリザニアは驚愕することとなる。直に蝕む炎をものともせず、ケンが笑みすら浮かべて立っていたからであった。その横では身をかわしたハヤトが忍刀を片手にこれまたにやりと笑っていた。

「うるぁ!! ブレイブファング傭兵団のハヤト様が相手になってやんぜ!!」
「楽しかったぜ!!  だけどこれでしまいだ!! その首狩らせてもらうぜ!!」
 野蛮人が、と言いたげな顔で唇をかむメリザニア。光弾で応戦するが、もはや追い詰められたキャスターに明日はない。
 ハヤトの三連撃が、ケンの一閃が、メリザニアを捉える。
 黒い鎧も、ヴァンパイアの強靭さも彼女を守る役には立たず。そこに、セリオスの矢も加勢する。
「てめぇの敗因は唯一つ。人をやめて得た力による人への慢心だ。死戦においては何事にも全力なやつが最後に笑うのさ」
 答える間も与えられず、首と胴体が生き別れとなったメリザニアに、獰猛な笑みを浮かべてケンは言い放つのだった。

 ヴィルヘルミナの気力は大分消耗していた。大量のスケルトンを相手取るエーテルの光を銀月が纏うことはない。
 それでも一体一体をせめてしとめんと刃を振るい続け、そこでいつしか、相手が先に地面に伏していたことに気付く。
 見れば周囲のアンデッドは倒れ、動くことはない。遠くからマンティコアの首を片手にぶら下げたゴルバルティアがやって来る。
「勝利、ですね」
 柔らかな笑みに安堵の色を浮かべたヴィルヘルミナは、刀をしまい、辺りを見回した。仲間たちは各々傷を押さえ、疲労を顔ににじませながらながらやって来る。
 奥からは、ゴブロウタとセリオス、レヴァーレがやってくる。レヴァーレは自分の作りだした壁を見て、満足げな表情だ。
 ナタリアは埃まみれになった銀色の髪を払い、祭刀を鞘へしまい、皆の無事を確かめている。
 そして、やってやったといいたげなハヤトとケンが、メリザニアのサークレットと首を持って合流する。
 サークレットの中心にあった宝石はヒビが入り、もはや忌まわしい冷たさもない。冒険者たちが見ている横でそれはさらさらと自壊する。メリザニアの首はいまだに美しい顔のままであったが、その表情には己の敗北の意味が分からぬという疑問と己を追い詰め打ち倒した冒険者たちへの恐怖がありありと刻まれていた。

 難民キャンプのテントで、一人の少女が目を醒ます。その髪は雪の白、瞳は星の銀。白い肌に生者の紅を浮かべ、ああ、おじい様、と声をあげれば神官たちが己が神へと感謝の祈りをささげた。
 ラサハル・アーウィングは部下へと声を張り上げる。久しぶりに希望を見た人の表情が男の顔に浮かんでいた。
「アッシュヴァレーへと馬を出せ! 冒険者たちを迎えに行くぞ!」
 兵士らは歓声をあげてから、命令に従った。
 ラサハルはマイリヤを抱きしめた。軽快な鼓動、そして蘇りつつある確かな温かさ。生に満ち溢れた娘が確かにそこにいた。

マスターコメント

チームワークと作戦、そして範囲攻撃の勝利です。負けました。 女吸血鬼は倒れ、難民キャンプの人々の命が、そして一人の少女の命が助かりました。 今はこの勝利を祝いましょう。 MVPはキーアイテムを盗んで状況をひっくり返したあなたに。
ショートシナリオ

ショートシナリオ難しい 報酬:多い8 / 4〜8人

2021年06月02日 01時33分49秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ゴブロウタ

    ちょっと縁がありましたので、参加を。 (事前の潜入依頼に顔を出していた) 初高難易度ですが、よろしくおねがいします。 ひとまず、気になったことをいくつか。 >方針 ・襲撃の時間帯  こちらは昼間かな、という印象。  照明準備の手間も要りませんし、ざっと見たところ相手に昼夜影響なさそうなので。 ・大枠の戦闘方針  ・メリザリア対応  ・マンティ対応  ・それらの支援(+雑兵対応)  辺りの分担になるでしょうか?  メリザリアが複数行動だったり、雑兵の数が所謂無限湧きみたいなところがあるので 「雑兵を倒して他方へ」という形にはなりにくそう、とは思っています。  そのため、主力2方面+それらの支援の3班構成かなぁ、とは思いました。  ただ、最大8名で現状半数、との状況が変わらない場合は  ・メリザリアへの一点突破  ・支援+マンティと雑兵足止め  との2班が次善の策、になるでしょうか……  この辺りの分岐、班構成の判断のデッドラインも後々決めておく必要があるかな、 とは思いました。

  2. ヴィルヘルミナ

    ヴィルヘルミナです。今回はよろしくお願いします。 人が集まってからの方が良いかなと思っていたのですが、これ以上は流石にまずそうなので。 いかにメリザニアの撃破を成し遂げるかに集約される感じですか。 向こうの兵自体は倒してもきりがないほどに多いようですが、サークレットを破壊すれば統率は崩せるのではないかという見立てみたいですね。 戦場は狭い谷間の道との事なので、向こうの数の暴力は活かしにくい地形になっていますね。 その分、メリザニアに到達するまでの骸骨の群れの長さも相応に感じますけど。 数が数なので、できればキャスターの方などの範囲攻撃が欲しいところなのですが…人の集まり次第ですね。 メリザリアに接近してもマンティコアが邪魔なので、これをどう対処するか。 対処に手間取ればその間に後ろから行動阻害付きの魔法攻撃が飛んでくるのでかなりの痛手になりますし。 こちらに関しては私の方でドラゴンズチャリオットを使って一時的にどかそうかなとは考えていますが。

  3. ハヤト=ガラン=ヴォルファング

    おーっす! ゴブリンのシーフ、ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、みんなよろしくな!! この少数で当たるとなるとなかなかハードな依頼だな! 俺はまず怪しいサークレット奪取を狙ってメリザニアに特攻かますつもりでいんぜ! 襲撃時間帯は昼間で賛成だ。 アンデッド共の時間に合わせる義理もねーしな!

  4. セリオス・オーガスト

    ・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む 現状の人数で行くなら全員でメリザニアに突貫になりそうだな 襲撃の時間は俺も昼間で問題ないと思う。 やるのだったら斜面の木に各々潜んでメリザニアがちょうど目の前ぐらいに来た時に奇襲を仕掛けるとかどうだろうか。そのままメリザニアに向けて突貫。間にいるの突破して一気に近づくとかだが。 参加者が8人いるならゴブロウタの言う通り3手に分かれてそれぞれに対応しても可能だろうが

  5. ナタリア・フィッツジェラルド

    ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 回復役のみならず、スリップダメージや行動阻害の効果に備える必要があると見て参じた。 ゾンビアーチャーは1/3の確率で誤射をするという話だが、よしんばスケルトンに当たったとて丈夫だという話だから、せいぜい一瞬の隙が生まれる程度だろう。 最悪メテオライトやタイダルストリームなどのアクションスキルを自前で用意して範囲攻撃になりそうか……現段階では、それも含めて私が立候補しよう。

  6. ナタリア・フィッツジェラルド

    言い忘れたが襲撃に際しては私も昼間に賛成する。 情報では、向こうは特に昼間だと何か特殊な行動をしてくるという話は無いからな。

  7. レヴァーレ・クアルム

    レヴァーレ・クアルム、キャスターです。 ゴブロウタさんと同じく少々縁があり……参加させて頂きました、よろしくお願いします。 >方針 ひとまず人数は8名揃ったようですし、既に挙がっている ・メリザニア ・マンティコア ・骸骨兵 とそれぞれ主に対応するのでも良さそうでしょうか。 乱戦となれば専念は難しいかもしれませんが……主目標とすれば大丈夫かな、と。 >襲撃 時間については俺も日中を推します。 日が落ちているとこちらには不利しかないと思います。 後は襲撃する場所というか、タイミングですか。 取り得る選択肢としては正面、横、背後というところになるかと思いますが……奇襲としての効果が見込めるのはやはり横から、オーガストさんの言うように斜面に潜んである程度敵隊列を行かせてからの襲撃ですかね。 メリザニアへの最短距離になるというメリットといざという時の退路確保が難しいデメリットが共存してはいますが。 範囲攻撃は一通り使用できますので、その辺の役目は引き受けます。 プラス、ジャマーによる統率阻害も試そうかと考えています。

  8. ゴブロウタ

    >全体方針 ○襲撃時刻 昼 ○襲撃位置 斜面に潜伏 ある程度敵隊列を行かせ、メリザニア近傍の敵側面を突く ○編成 ・メリザニア対応:   他方敵を友軍に任せて敵将を討つ ・マンティコア対応:   メリザニア対応への横槍防止としてマンティコアを足止め。   勿論、倒してしまっても(ry ・支援(+骸骨兵)   他方の支援と骸骨兵対応   他方が危急の場合は加勢も視野に  こんな感じでしょうか?(確認  編成に関してはクアルム様のおっしゃるように 「乱戦の場合に備えて主目標として扱う」  という形になるとは思いますが。  流れとしては恐らく、  初撃で支援を含む範囲攻撃保有者が一発デカイの撃ち込む  ↓  敵布陣が荒れたところにメリザニア対応とマンティコア対応が突っ込む  ↓  メリザニアと他方を切り離すように動きつつ、メリザニアを討ち取る  という感じでしょうか?(各自の提案のまとめと確認を兼ねて >個人 この配分なら短杖Re+盾(種類は直近の枝場潜り(DA)の稼ぎ次第)の構築で、 ・無印ヒールでの回復 ・メテオライト2での範囲攻撃 ・カバリングでの範囲攻撃運用者の護衛 この辺りを念頭に動こうかと思います。 多分配置としてはマンティコアか支援辺りになるかとは。 勿論、直近支援がほしい、という話ならメリザニア対応にも回れます。 どちらかと言うと「何処の辺りで戦うか」の位置づけになるとは思うので。

  9. レヴァーレ・クアルム

    ゴブロウタさん、まとめをありがとうございます。 方針、それぞれの動きについて俺の方では相違ありません。 斜面に潜む場合は解説にもある通り何かしらの対策をしておかないといけませんから、そこは注意が必要ですね。 個人的には火力と状態異常を得意とするメリザニアとは相性が悪いようにも思いますので骸骨兵を範囲攻撃で散らしていければと。 いざという時の退路確保も含めて考えていきたいです。 ただまあ、結局はメリザニア対応が今回のキモなのでそちらの動き次第ではマンティコアやメリザニアへの攻撃に積極的になる事も可能です。

  10. ケン・Z・ブラッドリー

    ウォーリアーのケンだ よろしくな スケルトンとゾンビの数がはっきりしていないが・・・まぁ、尽きることはないと思っておいたほうがいいか 現状側面からの強襲でメリザニア・マンティコア・雑兵を分断してそれぞれ対応に回るって感じで合ってるか? とりあえず、雑兵に関しては友軍任せでいいと思うがその分俺らはメリザニアとマンティコアの対応をしっかりやらないとな 俺の希望はやっぱり大物のメリザニアを狙いたいところだが・・・ウォーリアー相手に相性悪いことこの上ないのがネックだな ハヤトがサークレット狙った特効を仕掛けるみたいだがそれがうまく言ったときの動揺をついていきたいところだな とはいえただ突っ込んでいってもサークレットをすんなり取れるかはわからんからハヤトが仕掛けやすい状況を作らないとな あと側面で待つ際は何かしらの準備しないと斜面にいることの維持は難しいとあるがこれは周囲の木々にロープを使って体をつなぐことで解消できるんじゃないかなと思う

  11. ゴブロウタ

    >メニザニア対応 将を射んと欲すれば先ず馬を射よ、じゃあないですが。 馬に乗ってるそうなんで、サークレットの破壊/奪取は射撃以外だとやりづらそうかも。 (以下引用) >>メリザニア・フレーデは漆黒の甲冑を身につけ、瘴気を放つ骨の馬にまたがっている。  というわけで、何らかの手段で落馬させるのも一つの手でしょうか。  ドラゴンチャリオット辺りで「馬だけ」を吹き飛ばしてみます?  ただ、馬ごとメリザニアが飛びそうなのが欠点なのですが……  もしくは、馬の脚の2本を切り飛ばすか。 >個人  枠を埋めてった方が他の人も、と思いまして。  ひとまず「支援担当」で確定させておきます。  突入路確保のメテオライト2を初動から展開。  後は様子を見てマンティコアにちょっかい掛けたり、回復したり。  場合に寄っては他の支援担当への攻撃をカバリングで防いだり、といったところで。

  12. ヴィルヘルミナ

    メリザニアへの行く手を遮るマンティコアにまずチャリオット使用を考えています。 距離によってはメリザニアにそのままぶつけられないかなとは思いますが。 計3回使えるので、希望のタイミングがあればその旨は組み込む事もできます。使用するタイミングが訪れるかは別の話ですけど。 ただ、チャリオットは使用の際に勢いをつけるために助走が必要なのか射程2固定なんですよね。 スケルトンの数によってはへクスを占有されて通過できないので、使えるかどうかは状況次第になりそうです。 潜伏は全員で行うのでしょうか?人数が多くなればそれだけ看破されやすくもなりそうですけど。

  13. レヴァーレ・クアルム

    >ブラッドリーさん 分断して各個、というのは状況的に難しいと思うので、それを狙いつつも乱戦を想定して動くのが良いかと思います。 ひとつ気になったのですが、友軍というのは何を指しているのでしょうか? 今回はこの依頼の参加者8名で敵軍全隊に当たると思うのですが……見落としなどあれば申し訳ありません。 >馬 なるほど、少なくとも多少は注意を引いたり隙が作れる可能性がありますし、いいかもしれませんね。 近接戦闘を仕掛ける場合でも相手が馬上でない方がやりやすそうです。 ヴィルヘルミナさんの指摘もあるのでチャリオットよりは脚狙いでしょうか。 >潜伏 個人的には彼我の戦力差から分散するのは危険ではないかと思います。 例えば正面から数名が陽動兼足止めとして骸骨兵に当たったとして、今回谷が戦場で敵の隊列が伸びているという事でその数名がメリザニアのいる隊列中央まで到達できず、結果メリザニアに対する手が足りなくなるのでは、と。 しかし看破の危険性も仰る通りで……谷の両側に4名ずつ、とかではどうでしょうか? または、考えがあれば教えて頂ければ別の方法も浮かぶかもしれないですし、お願いできれば。 >斜面対策 ブラッドリーさんの言うようにロープでの固定、それにバランス感覚があると安定感が増すかと思います。 とりあえず俺はそのつもりで。 >個人 現状メリザニア対応が少ないように感じますのでそちらに回ろうかと思います。 とはいえメリザニアに直接攻撃というよりは先程出た馬落としやマンティコアや骸骨兵との分断を軸にしていこうとは思いますが。

  14. ケン・Z・ブラッドリー

    >分断 分断といっても完全に切り離すのではなく連携を断つくらいの心づもりだな >友軍 ん?てっきり難民キャンプの警護の一部であるラサハル指揮下の舞台と連携して戦うと思っていたのだが違うのか? ここでどうにかしないとキャンプを守るのは難しいと本人が言っていたから彼らが雑兵の相手をし、俺らが将を狙うってのが大筋だと思ってたよ

  15. ゴブロウタ

    >友軍の話  行き違いか何かだと思いますが。  今回の依頼の範囲では我々8人で対応するが、目的(メリザニア討伐)を達した後に 残った雑兵はラハサル指揮下の部隊が後々掃討する  という話なのかな、と横から。  私が先のまとめで出した「友軍」は「メリザニア対応以外の参加者(PC)」という意味で使っています。

  16. ヴィルヘルミナ

    >潜伏 隠れる場所は既に挙げられている斜面に生い茂っている木々でいいと思います。他に隠れられそうもないですしね。 アンデッドがどうやってこちらを識別しているかは気になりますが、分からないので対策が立てようがないですし。 隠蔽を下げればその分、潜伏はしやすいですが調整も簡単ではないので。 斜面は立ち続けるのは難しいとの事なので、潜むなら各々で対策しておきたいですが。 >ドラゴンズチャリオット 効果【吹飛】の判定が「対象の重量が160~440kg程度の場合は吹き飛ばせる距離は半分になり、それ以上の場合は0となる」 と記載されていたのでマンティコアがこれより重かったら不発になりそうです。 もし駄目だったら、申し訳ありませんとしか言えないのですが。

  17. ナタリア・フィッツジェラルド

    初手ではゴブロウタがメテオライトを仕掛けるならこちらからはタイダルストリームを使っておこう。 場所は狭くて細い谷だ、半ば隊列のパターンは固まっている事が考えられる。 その後はメリザニア対応で、レゾナンス・オブ・ヴァローや聖別を主体とした支援を行う。 1ターンに2回攻撃で、そのうち1回は行動阻害のBSだ。その影響を受けたら敵の物量に圧し潰される危険性が高まる。 それにヤツを庇うように立ちはだかるマンティコアの相手をもする事にもなり、こいつもBS使いだからな。 ところで、弱めの再生能力というのはメリザニアの事なのか、それとも馬が持ってるという事なのか……

  18. レヴァーレ・クアルム

    >友軍 ゴブロウタさんの仰っている認識でいます。 少なくともどこにもキャンプの護衛戦力の明言がないのでないものとして考えています。 全ての敵に8人で対応する想定ですね。 >ドラゴンズチャリオット 効果詳細ありがとうございます。 仮に吹き飛ばせずとも無駄にはならないでしょうし、そこはやってみるしかなさそうですね。 >個人 初手はゴブロウタさん、フィッツジェラルドさんとタイミングを合わせて範囲攻撃を撃ちますね。 メリザニアやマンティコアを巻き込む形でなるべく広範囲にダメージを与えられればと思っています。 その後はメリザニアを見つつマンティコアや骸骨兵との連携阻害を狙っていきます。

  19. ケン・Z・ブラッドリー

    おーどうやら俺が深読みしすぎちまったみたいだ すまない。 とりあえず俺はメリザニアへの対応主体で動くつもりだ 俺が派手に対応すればその分ハヤトがやりやすくなるだろう

  20. ハヤト=ガラン=ヴォルファング

    >再生能力 これはメリザニアの能力のことじゃねーか? 俺はそう認識してるぜ。 >個人行動 ケンが派手に暴れてくれるらしいからな、メリザニアがケンに意識を集中してる間に気配を消して近づけるだけ近づいて一気にサークレットを奪取しに動くな! 馬に乗っててもエアーライド使って駆け抜けりゃ届くだろーしよ。 サークレットを奪ってアンデッド共の指揮を乱したら、その後はメリザニアに張り付いて倒すまで攻撃しかけんぜ!

  21. セリオス・オーガスト

    あまり顔出せずに済まん。 とりあえず俺はメリザニアやマンティコアに向かうのを斜面から援護する予定だ メリザニアまでの直線ルートにいる敵の排除と、排除している間の後ろからの攻撃を防ぐのも含めて近いアンデットの排除だな。 サークレットを奪取したらアンデットの指揮もなくなるだろうからマンティコアかメリザニアを攻撃して倒してから残ったアンデットの掃討の予定だ

  22. ゴルバルティア

    やべぇ、来るの遅くなったぜ ウォーリアのゴルバルティアだ えっと…とりあえず前衛するぜ

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0