【帝国】それは意思か手駒か

革酎

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シナリオID:891

オープニング

●怪物達の奇行
 シルトラース帝国南部都市ヴィント奪還の作戦準備は、各地で着々と進行している。
 そんな中リーヴァー・シュランドル帝国子爵は、ヴァイセントラフ砦に駐在する顔馴染みの武官から是非にと頼まれた依頼について、検討を進めていた。
(ヴィント周辺のクリーパーに関する調査か)
 ロモズ旧村の旧村長宅内。リーヴァーは燭台が照らし出す淡い光の中で執務卓に向かい、ヴァイセントラフ砦からの依頼文書を静かに凝視していた。
 ヴィント奪還作戦に際しては当然ながら、その周辺を徘徊するクリーパー共の排除が必須となる。ところがこれらのクリーパーには奇妙な動きが見られるという報告を、何度か耳にしていた。
 曰く、ヴィント周辺では異なる種のクリーパーが同士討ちをしない。
 曰く、戦闘時には仲間を呼び寄せる様な行動が見られる。
 曰く、稚拙ながら連携行動を取る様な動きがある。
 いずれも従来のクリーパーから考えれば、あり得ない様な報告内容ばかりであった。わざわざ危険を冒してヴィント周辺まで偵察の足を延ばしている帝国兵達が自身の観察眼を誤り、出鱈目な報告を出しているというのだろうか。
 或いは対クリーパー戦に於ける己の非力さと恐怖心から偵察そのものをボイコットし、適当な嘘をでっち上げているのだろうか。
(矢張り、信頼出来る者の視点で確認させる必要があるな)
 しかし相手は無数に近しいクリーパーの群れだ。一般人が主兵力であるロモズ歩兵団には少々荷が重い。
 今回ばかりは授恵者のみで調査活動を実施しなければならないだろう。
 リーヴァーは新米秘書のカレンディアを呼び、次の様に命じた。
「ロモズ歩兵団の各隊長及び副長のうち、授恵者に対してのみ招集をかけろ。但しこれは歩兵団としての任務ではないから、招集に応じるか否かは各自の自由だ。それから近隣の町に所在する冒険者ギルドに対しても、調査要員募集の告知を打て。本任務の報酬財源はヴァイセントラフ持ちだ」
 執務室を辞してゆくカレンディアの後姿をぼんやりと眺めながら、リーヴァーはクローゼット脇に立てかけてある愛用の長剣をちらりと眺めた。
(今回は私も出るか。この目で直接、クリーパー共の動きを見ておきたい)
 それにしても、とリーヴァーは考える。
 もしも、現在寄せられている不思議な報告内容が全て事実だったとしたら、それは一体何を意味するのであろうか。
 クリーパーに自我が芽生えているのか。或いは何者かに支配されているのか。
(意思を持ったにせよ、手駒になったにせよ、一層厄介になっているということだけは間違い無いな)
 リーヴァーは腰を浮かせ、夜の闇の中で漆黒の陰を見せる稜線と、その向こうに瞬く無数の星々に視線を向けた。あの空の下に、目指すヴィントが黒い霧に覆われて鎮座している。
 その奪還作戦を成功に導くには、まだまだ多くの壁が立ち塞がっていた。

解説

状況:  PCの皆様はリーヴァーと共にヴィント近郊にまで接近しているという状況からスタートします。  クリーパーはそこかしこを徘徊していますが、リーヴァーからは特に戦術等は指示されていない為、誘い出すか、或いは突撃を仕掛けるかは皆様の自由です。  但しリーヴァーはロモズ歩兵団長という立場上、余り無茶な行動には出ません。重大な危険を察知した場合は即座に撤退指示を出してきます。 敵:  ヴィント周辺を徘徊する無数のクリーパー共です。その総数は不明で、小型や中型が付近一帯にうようよと蠢いています。強さも千差万別ですので、細心の注意が必要です。  そして今回はただ戦うだけではなく、それらクリーパー共の動きをしっかり観察し、その結果をヴァイセントラフ砦に報告する必要があるということをお忘れなく。 NPC:  主なNPCはリーヴァー・シュランドル帝国子爵ですが、場合によってはロモズ歩兵団遊兵1番隊長のディーグ・ディオロンと重兵2番隊長のアーギス・マーレイ(いずれも授恵者)が登場する可能性もあります。

マスターより

 皆様、こんにちは。  連動【帝国】でのシナリオをご提供致します。  今回はヴィント周辺を徘徊するクリーパー共に戦闘を仕掛け、その奇妙な行動を調査します。  大半は小型クリーパー乃至中型クリーパーですが、数が多い為、決して侮れません。加えて、OP本文で述べられた様な奇行に出る可能性があります。  仮に別種のクリーパー同士が連携戦術を取ってきた場合、例え小型でも相当な脅威となり得ます。  心してかかって下さい。

リプレイ

●冒険者を悩ます奇行の数々
 シルトラース帝国南部の都市ヴィントから見て、南東に位置する小高い丘。
 既に陽は暮れ、月明かりが周辺をほのかに照らし出している。
 そんな中で、焚火を燃やした一角だけは活気づいていた。
 頂きから裾野を見下ろす岩場で、リーヴァー・シュランドル帝国子爵は能面の様に表情を崩さず、冒険者達が持ち寄ってくる報告結果をじっと凝視している。
「矢張り多いですね」
 その傍らで別の報告結果に目を通していたコルネリウス・アーラが、リーヴァーの仏頂面にちらりと視線を送った。
 コルネリウスはイズレンディル・パラリムやセリオス・オーガスト、ルチル・プルメリア・グレイハーツ、或いはサフィラ・アズラク・ナハルハルアリーブといった面々による遠隔偵察結果を取りまとめ、細かく分類し続けていた。
「大体、こんなところか」
 焚火近くに陣取り、ヴィント周辺の地図を広げていたナタリア・フィッツジェラルドが、集められた報告結果からクリーパー共の大体の位置を記し終え、コルネリウスに面を向けた。
「小型だけでおよそ200、中型は40、大型は今のところ発見は無し……散らばっているから良い様なものの、一カ所に集結されると面倒な数になりますね」
 ナタリアの隣りでクリーパーの総数と配置を分析していたゼラルム・エルホワイトが、唸る様な声を静かに響かせた。
 単純にヴィント周辺を東西南北の四つに分割すると、それぞれに小型50体、中型10体という配置になる。これが果たして偶然なのか、或いは防御陣形として配置されたものなのか。
「統率する個体なんかが居たとしたら大変なことになるぞ」
 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが大きな体躯を窮屈そうに屈めて、ナタリアの横合いから地図を覗き込み、鞘の先でヴィントの南東辺りを軽く小突いた。
「例えばこの辺の中途半端な位置から進軍すりゃあ、左右から挟撃される。誘導するか、どこかを一点突破するかでもしねぇ限り、苦戦は必至だな」
 アルベルトの戦術的視野から見た分析に、ナタリアは渋面で頷き返した。その間も、脱出経路候補やクリーパーが迎撃に出てきた際の予測進路をメモに書き留める手の動きは止めない。
「矢張りどう見ても、これは戦術的配置と考えるのが自然でしょうね。クリーパーにそこまでの知能があるかどうかは分かりませんが……」
 コルネリウスの声に、その場の面々の視線が一斉に集まる。
 各エリアのクリーパーは見た目も特徴も様々で、同一形態で揃っている方が寧ろ珍しいという程にバラエティーに富み過ぎていた。
 通常では考えられない構成である。異なるクリーパーが平和裏に、同じ区域でおとなしく共存しているなど、従来から知られている習性とは大きくかけ離れていた。
 と、そこへセリオスとサフィラが引き返してきた。
「どうやら奴らは、視覚で見ている訳ではなさそうだ」
 セリオスは、自らが羽織っているマントの端を軽く叩いた。このマントは、周辺に溶け込む様な保護色に近しい色合いのものをわざわざ選んできたものだ。それが全く機能しなかった。
「それに、全然こっちに顔向けてなくても、急にぱっと振り向いちゃったりするんだよ」
 サフィラ曰く、クリーパー共は一見すると所在無さげに徘徊している様にも思えたのだが、その経路を分析してみると、互いの距離が或る程度保たれており、効率的な索敵間隔を維持しているのだという。
 突然こちらの気配を察して振り向いた、というサフィラの台詞から、ナタリアとゼラルムはひとつの仮説を立てた。
 即ち、ヴィント周辺のクリーパーはエーテルで敵の位置を見定めているのではないか、と。
「あり得る話ですね。昼夜関係無く、そして視界関係無くこちらの位置を特定する動きを見せている以上、そう考えるのが自然でしょう」
「……となると、ますます厄介だな。敵中深くに忍び込む斥候は、陽動無しにはまず不可能だ」
 ゼラルムの分析を受けて、ナタリアは腕を組んで考え込んだ。
 それから更に少し間を空けて、イズレンディルとルチルが戻ってきた。
「うーん、駄目だね。威力偵察で注意を引きつけないと、奥の方まで潜り込むことが出来ないよ」
 ルチルもサフィラと同様の報告を口にした。つまり、ナタリアが示した懸念が裏付けられた格好だった。
 更にイズレンディルが、珍しく難しい表情でナタリアが広げている地図を指先でとんとんと叩いた。
「矢張り連中は全く無駄の無い、常時索敵態勢を維持しています。エーテルを喰らって自身の存在を保全するという基本原則から大きく外れています。どう見ても現在のヴィントを守っていますね」
 現在のヴィント、というイズレンディルのひと言に、ゼラルムは面を上げた。
「今のヴィント……となると、彼らの異常行動の原因がほぼ確定した様なものですね」
 即ち、天霧りに消ゆる幽界樹。
 最早疑いの余地も無いだろう。

●得るべき情報
 今回の調査は、二段階だ。
 初段は既に行われた遠隔からの周辺偵察。
 そして二段目が威力偵察と、極力ヴィントに接近した上での隠密調査であった。
「では予定通り、二班に分かれて行動します」
 イズレンディルが地図上を指差し、威力偵察班と隠密調査班の予定経路を指し示した。
 威力偵察班にはイズレンディルの他に盾役のコルネリウス、接近戦火力のアルベルト、遠隔戦火力のゼラルムとルチル、後方支援のナタリアが参戦。
 そして隠密調査班にはセリオスとサフィラに加え、ドワーフの軽戦士ディーグ・ディオロンが万が一の補助として参戦し、ふたりをバックアップする。
 リーヴァーは丘の麓まで下りて両班の動向を見極め、状況によって支援に廻るという役どころであった。
「今回は情報を持ち帰ることが最大にして唯一の任務となる。無理だけはするな」
 リーヴァーの緊張を帯びた声に送り出されて、ふたつの班が同時に動き出した。
 威力偵察班はアルベルトとコルネリウスが先頭を走り、その直後にナタリア、後衛にイズレンディル、ゼラルム、ルチルが並ぶという布陣である。
「一体ずつでも脅威な上に、連携まで取ってくる……確かに歩兵団には荷が重いね」
 道中、ルチルがロモズ歩兵団内では同僚に当たるイズレンディルに小さく零した。
 そのイズレンディルは軽く頷き返す一方、周辺に対して警戒の視線を送り続ける。イズレンディルもルチルもナタリアが諸々の情報を書き込んだ地図情報は全て記憶していたが、流石にクリーパー共の動きは読めない。
 ルチルも相棒の栗鼠ラトを隠密調査班に同行させており、両班の連絡役として神経を尖らせていた。
「ここからは連戦だ。各自、力の出しどころを間違えるな」
 中衛を走るナタリアからの声を背中に受けつつ、コルネリウスとアルベルトは互いに目を合わせた。最初に仕掛けるのはコルネリウスだが、どの個体を狙うのかはアルベルトが決める。
「まずは、あいつだな」
 アルベルトが、体長1メートル程になる蜘蛛タイプを指した。
「では、参ります」
 コルネリウスは愛用の剣『雪割草の誓い』に淡い光を帯びさせ、盾を構えたまま一気に距離を詰めた。
 敵もコルネリウスの接近に反応した。鈍い震動の如き不気味な音が、辺り一帯に鳴り響く。すると驚く程の速さで数体の小型クリーパーが接近してきた。いずれも形状が異なり、同種とはいえないものばかりだ。
「あれは統率個体……いえ、そうともいえませんか」
 ゼラルムは術式発動の基本態勢を取りながら、素早く分析を加えた。そこへルチルが反応し、頭蓋面の奥で瞳を煌めかせる。
「退路は塞がれていないから、後ろは気にする必要は無いね。ちょいと仕掛けてみようか?」
 ルチルの問いかけに、ゼラルムは頷き返した。まずは魔術による連携遮断と、鏃による足止めに対して、敵がどう動くのかを見てみようという訳だ。
 後衛三人は立ち止まり、それぞれの攻撃に移行。ゼラルムが魔術で一部の敵の足を止め、ルチルが射撃で別の敵の出足を押さえる。そしてイズレンディルが氷嵐を仕掛け、直接打撃を与えた。
 前衛のふたりは割り込む様にして飛び込んできた別の鳥型クリーパーの対処に当たる。最初に目を付けた蜘蛛タイプは布陣の中でも、やや後方に位置したままで動こうとはしなかった。
「盾役に、柔らかい鳥型か?」
 ナタリアが敵のちぐはぐな行動をメモに書き留める。些細なことでも全て情報として残すのが、自身に課した役割であった。

 一方、セリオスとサフィラは威力偵察班に一定数以上の敵が殺到し始めたところでヴィント外壁を目指したのだが、早い段階で頓挫していた。
 外壁近辺に留まっている巨人タイプの中型クリーパーが、全く動こうとしないのだ。
(んー……もうちょっと近くまで行けると思ったんだけどなー)
 そのサフィラの肩をセリオスが軽く叩き、手信号で別方向を示す。少し離れた岩場に、人間の大人サイズの人型クリーパーが佇んでいる姿があった。
 もしや――サフィラは逆方向にも視線を送る。矢張り同じように、同タイプのクリーパーが棒立ちになっていた。いずれも全身に霧状の何かを纏わりつかせている。遠隔攻撃が可能なタイプなのかも知れない。
「何か違和感があるなー……もしかして、持ち場を守ってる、ってこと?」
「恐らく、そうだ」
 サフィラとセリオスは小声で意見を交わす。ヴィント外壁から離れた位置を徘徊している個体が哨戒ならば、外壁近くで佇む個体は見張り役ということか。
 つまりヴィント周辺に展開する全クリーパーは、要塞警護の手順を踏んでいることになる。
 これ以上の接近は危険だと判断したふたりは、セリオスがクリーパー個体の情報を、サフィラがクリーパーの配置情報をそれぞれ書き留め、次のポイントへと向かった。

●突破への道
 威力偵察班はヴィント外壁から離れた位置で、三度の戦闘を消化した。
「同士討ちをしない、増援を呼ぶ、そして連携……いずれも事実だったな」
 ヴィント外壁から少し距離を置いた平原で、ナタリアは自身のメモに視線を落とした。
 更に、最初に敵を発見したクリーパー、即ち仲間を呼び寄せた個体がその戦闘に於ける司令塔役になるというのもひとつのポイントだった。
 盾役に向かないタイプが前衛に立つという奇妙な行動を取っていたのだが、司令塔役が最後まで動こうとしない為、これは結果としてその様に見えるだけなのかも知れない。
「それと、最初に敵と見做した相手に戦力を集中させるという動きもありましたね」
 周囲を警戒しつつ、イズレンディルが戦闘中の記憶を呼び起こして分析を加えた。
 初戦コルネリウス、二戦目アルベルト、三戦目ゼラルムと、各戦闘で最初に攻撃を仕掛けた者に対してクリーパー共は殺到した。逆に、真正面にでも割り込まない限り、他の冒険者は後回しにしようという勢いだった。
 だが何より重要だったのは、斃されたクリーパー共が霧散する際、果実の種の様な物を残したという事実であろう。この種状物体も最後には霧散したのだが、従来のクリーパーとは明らかに異なる死に様だった。
「果実の種……いよいよ幽界樹の支配という線が強くなりましたね」
 ここまで範囲攻撃魔術を惜しみなく駆使してきたゼラルムが、幾分疲労の色を浮かべながらも納得した様に頷く。この種状物体の存在は彼の仮説を裏付ける決定打といえるだろう。
「つまり彼らは手駒、という訳ですね」
 ゼラルムの意見を受けて、コルネリウスも結論を下した。
 クリーパーの戦闘力や各個体の特徴そのものは、何ひとつ変わらない。ただ、彼らが手駒として連携を取るということだけが違った。
 尤も、その連携を取る、という部分が何よりも厄介なのだが。
「さて……皆の体力から考えて、最後にもう一戦といったところか」
 元帝国軍従軍治癒師として、仲間達の身体状況をつぶさに確認していたナタリア。確かに、これ以上の連戦は危険が伴う。
 誰も異を挟まないことを確認してから、ルチルはラトを通じて、次戦を最後に撤退行動へと移る旨をセリオスとサフィラに伝えさせた。

 明け方になって、サフィラとセリオス、ディーグの三人は丘の麓で待機しているリーヴァーのもとへと引き返してきた。
「敵は、どこかに補充源を持っているな」
「威力偵察班が数を減らしてるのに、あたし達が戻ってきた頃にはまた違う個体が当たり前の様に歩いてたもんね」
 セリオスとサフィラの報告に、リーヴァーは冷静に頷き返した。
 これ程の数のクリーパーが徘徊している以上は、補充源たるエーテル溜りが必ずどこかにあるだろう。それは決して驚く程のことではない。問題は、その充填数だ。今回の威力偵察結果から、ヴィント周辺に留まるクリーパー総数は、現在の数字を大きく超えることはなさそうだ。
 この数を超えて出現したクリーパーは、幽界樹支配下の個体に駆逐されていると見て良い。この事実はヴィント攻略に向けて、ひとつの検討材料となるだろう。
 サフィラはリーヴァーの背後で休憩に入っている威力偵察班をちらりと盗み見た。どの面々も、相当に疲れ切っている。コルネリウスがイズレンディルの太腿を枕にして熟睡中なのはご愛敬ではあったが。
 撤退戦ではナタリアも渾身の火力を発揮した模様で、珍しく疲労の色が濃い表情を見せていた。
 そんな中で、アルベルトとゼラルム、ルチルの三人が重い腰を何とか持ち上げて最後のラップアップに加わってきた。
 終始、圧倒的な接近戦能力を発揮してクリーパー共を蹴散らしていたアルベルトと、強大な火力で増援をことごとく叩いたゼラルム。そこにルチルの射撃が加わって何とか敵を蹴散らしたが、矢張りこの人数では第四戦までが限度だった。
 だが、それだけで十分だ。ヴァイセントラフ砦に報告出来る材料はひと通り揃ったと見て良い。
「これでヴィントまでの突破への道は、大体見えたな」
「要は幽界樹……あれを何とかしないと収まらないということですね」
 アルベルトとゼラルムの言葉で、取り敢えずこの場は散会となった。その足でサフィラは、未だ熟睡しているコルネリウスの傍らへと歩を寄せる。涎が、可愛らしかった。
「そろそろ、起こしましょうか」
 イズレンディルが、コルネリウスの頬を伝い落ちる涎を指先で掬い上げて拭った。後で本人が知ったら、顔から火が噴く程の勢いで真っ赤になるだろう。
 一方、ナタリア、セリオス、ルチルの三人は丘の向こうに待機させてある馬車へと荷物を運んだ。
 彼らには帰路、荷台での情報分析と取りまとめの作業が残されている。面倒ではあったが、自身の情報として残すことが出来る貴重な時間帯でもあった。
「天霧りに消ゆる幽界樹に、黒い霧か……」
 ヴィント方面に軽く振り向き、ルチルは声細に囁いた。
 決戦の時は、すぐそこにまで迫っていた。

マスターコメント

 皆様、お疲れ様でございました。  ヴィント攻略に向けて、クリーパー関連の貴重な情報が諸々入手出来ました。  何をどう調べ、どこにポイントを置くのかがしっかりと考慮されていましたので、無駄の無い情報収集が出来たと思います。
ショートシナリオ

ショートシナリオ難しい 報酬:多い8 / 4〜8人

2021年05月29日 21時01分36秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ナタリア・フィッツジェラルド

    ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 件のクリーパーに関してだが、私の見立てでは統率体といえる大ボス格が居るのではないかと思っている。 別の報告官の依頼でも、ザコ複数が拙いながらも連携をとっていたのだからな。 段階的にではあれど、自我が芽生えたと仮定するなら動きは少しくらいは洗練されたものになっている筈……最終的にはこの目で確かめた方が早いが。 スキルは本職には及ばんかもしれないが、範囲攻撃としてメテオライト2を持っていくか、無数のクリーパー相手の持久戦重視で回復系スキルを山積み+サークルプロテクションを持っていくかのどちらかだな。

  2. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    情報屋のルチルだ。よろしく。 アタイの見立てでも統率個体の存在か知性や自我の発達のせいだと思うね、この動きは。 今回はどちらかというと、クリーパーの殲滅よりヤツらに何が起きてるかの原因究明の方が重要な依頼だ。 迂闊に戦闘しては連携を取る集団に囲まれる流れになるだろうし、調査が済むまで戦闘は最終手段と見た方がいいだろう。 勿論、戦闘から得られる情報はあるがね。 この場合は持久戦に備えるよりは突破力を高めて囲まれないようにした方がいいという考えだ。

  3. コルネリウス・アーラ

    ウォーリアのコルネリウスです。よろしくお願いします。 既に出ているように、統率個体か変異による知性の発達など考えました。 後者であれば原因となるきっかけや影響を与えた何かも有りそうですね。 報告にあった情報が正しいかどうかの確認と、実際に戦闘を行い情報を得る流れでしょうか? 戦闘ではルチルさんの仰るように囲まれるのは避けたいですから、ある程度慎重に動きたいですね。

  4. セリオス・オーガスト

    ・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえずただ倒すだけでは無く観察を最優先だな。 統率個体がいるというなら最初は様子見で隠れて観察とかでもよさそうだな

  5. イズレンディル・パラリム

    エルフのキャスター、イズレンディル・パラリムです。 と、皆さん見知った方ですので自己紹介も不要のような気は致しますね。 皆さん宜しくお願い致します! 予想に関して皆さんの仰る通りな気は致します。 統率個体はまだわかりやすいですが、知性の発達だと怖いところはありますね。 平時より統率された規則正しい行動を取るか、行動を指示するような個体はいるか、兵卒と隊長のような組織だった指示系統はあるか、クリーパー同士の意思疎通はあるか、など可能な限り確認をしていきたいですね。 >調査方針 調査の大まかな方針ついては、予想を裏付ける為のピンポイントな調査を行うか、もしくは、可能な限りの多様な調査で情報を収集するか、どちらかになるかとは思います。 私としては「可能な限りの多様な調査で情報を収集」を推したいです。 想定外の事もあるでしょうから、なるべく多くの情報を集めたいと思っております。 具体的な手段については… 遠方からクリーパーの動きを観察、ヴィントの偵察(近辺まで隠密で接近)、等でしょうか。 もちろん、一通りの偵察後は戦闘もですね。 戦闘も全員が参加するのではなく一部のメンバーは戦闘中も周辺やヴィントを偵察する、というのも良いかもしれません。 調査は可能な限り様々な手法を取っていきたいですね。

  6. アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト

    ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 観察も必要だが、クリーパーの連携がどの程度のものなのか、連携はクリーパーの知性の発達によるものなのか、それとも強力な統率個体によるものなのかを確認するために威力偵察を行う必要もありそうだな。 必要ならば、俺が行ってみようか?

  7. ゼラルム・エルホワイト

    エルホワイトと申します。クラスはキャスター どうぞよろしくお願いいたしますね 特異個体や統率個体の可能性については既に出ている様ですので、私から提示できる可能性としましては件の”天霧りに消ゆる幽界樹”の影響である可能性、でしょうか 現段階ではクリーパーの特異性の報告がヴィント周辺のみに絞られている以上、ヴィント自体に特異性がある事が推測されます 幽界樹自体が多数のクリーパーを統率しているのか、幽界樹自体或いは黒い霧にクリーパーの発達を促進する機能があるのか、或いは他の理由かは不明ですが、可能性として考慮して置く事に損はないかと 戦闘は最終手段にしたいという点においても同意見です 数ではあちらの方が圧倒的に有利ですので、囲まれでもしたら堪りませんからね。戦闘を行うにしても、囲まれる前に撤退する程度の心構えで居たいとは考えております ただ、戦闘でのみ得られる情報があるのもまた事実です。特に、異種間の連携や、仲間を呼ぶ際に別種を呼ぶかどうかは可能であれば確認しておきたい所ではあります あとは・・・・・・そうですね。作戦時間に関しても決めておいた方が良いでしょうか? 敵の夜目が効くか否かは不明ですが、パラリムさんの仰る様に隠密行動をするのでしたら、夜間の方がある程度都合は付くでしょう もっともこれは全員が暗視を所持している事が前提の様なものですので、相談は必須となりましょうが また、隊を分けるというのでしたら遠距離でのコミュニケーション手段は必須でしょう 私からはテレパスを活性化可能ですので、必要であれば声をかけていただければと

  8. サフィラ・アズラク・ヴォルファング

    にゃ!あたしで最後かなっ? シーフのサフィラだよっ!よろしくねっ! んー…(依頼の詳細を読み込み) やっぱり統率してる親玉が居そうだよねー。 ゼルラムが指摘したとおりの『特異点と化したヴィント』の影響なのか、はたまた別の原因で統率個体が現れたのか見極める必要もあるねっ あたしも戦闘は見つかった時の自衛と撤退時の退路確保にとどめた方がいいと思う! 連携とかを確かめるための強行偵察は数が少ない群れをねらってやった方が安全かなっ? 作戦時間については…うーん、あまりかっちり決めない方がいいかなぁって思うよ 昼と夜でクリーパーの活動に変化があるかもしれないから、両方見ておきたいかなっ 汎用に暗視とテレパス持ってくのは賛成っ! 個人では捜波・改を持ってくよ!

  9. サフィラ・アズラク・ヴォルファング

    にゃ…ごめん、ゼラルムだったね… 名前間違えちゃった

  10. イズレンディル・パラリム

    >方針 各種調査を実施しつつ、威力偵察のための最低限の戦闘も行う、という形でしょうか。 下記の分担で分かれて実施できると良さそうですが、いかがでしょうか? ①周辺の調査(非戦闘) ②ヴィントの偵察(非戦闘/隠密) ③威力偵察(戦闘) ただ威力偵察に関してはある程度人数が居ないと危険だとは思いますので、以下のように前後半に分かれて動くのはいかがでしょうか?  ●前半:「①周辺の調査(非戦闘)」を全員で実施  ●後半:「②ヴィントの偵察(非戦闘/隠密)」(少数名)と「③威力偵察(戦闘)」で分担 後半の戦闘がヴィント偵察の陽動にもなれば一石二鳥ではありますね。 戦闘はアルベルトさんにも是非、頼らせて頂きたいです。 >推測や調査方法 一旦皆さんに出して頂いた内容をまとめてみますね。 過不足や間違いなどあれば指摘頂けると助かります。 ***** ●原因の予想 ・統率個体の存在 ・変異による知性、自我の発達 ・天霧りに消ゆる幽界樹の影響 ●調査方法案 ・遠方からクリーパーの動きを観察 ・ヴィントの偵察(近辺まで隠密で接近) ・情報収集の為の威力偵察(被包囲を避け情報収集後は速やかに撤退) ・戦闘発生中の周辺及びヴィントの動向偵察 ●調査で確認する事項 ・仲間を呼ぶ際に別種を呼ぶかどうか ・異種間の連携の有無 ・平時より統率された規則正しい行動を取るか ・行動を指示するような個体はいるか ・クリーパー同士の意思疎通はあるか ・幽界樹自体が多数のクリーパーを統率しているか ・黒い霧にクリーパーの発達を促進する機能があるか ●検討事項 ・作戦時間は日中か夜か *****

  11. コルネリウス・アーラ

    イズさんは方針を纏めてくださってありがとうございます。確認しやすくて助かりますし、流れも問題ないと思います。 皆さんの意見も踏まえますと、やはり前半は偵察を重視・最優先し戦闘は最後が良いですよね。 威力偵察にある程度人数が必要という点は同意です。 私は隠密もあまり得意とは言えませんし、後半の行動は③威力偵察の方に回れればと思っています。 >作戦時間 どちらかに絞る必要が無い場合はサフィラさんの仰るように活動の変化の有無についてもありますし、夜目が効くかなども出来れば確認したいかなと思っています。 暗視・テレパスは両方とも所持が可能です。

  12. ナタリア・フィッツジェラルド

    天霧りに消ゆる幽界樹……また見慣れないワードが出てきたが、他の依頼でも言及されているみたいだな。 隠密に関しても、装備はそれっぽく出来ても調査の為に何が出来るのかが現段階では思いつかん……それに威力偵察にしても、極力情報収集を維持出来る環境も肝だ。 なので私も後半は3を希望だな……暗視とテレパスは私も持っている。 帝国の将兵によると、あくまでクリーパーについては「戦闘時には仲間を呼び寄せる様な行動が見られる」と抽象的に書かれている程度だから。 仮に鳴き声や咆哮、なんなら我々と同一の言語を有している等であれば、それこそ最も目立つ特徴だろうから報告に挙がって当然だろうが、それが無いとなれば何らかの仕草でそれを行っている可能性が高い。 動物に何がしかの生体器官があるように、件のクリーパーにもその為の機能が備わっているのか……卓で愚痴っても詮無き事だが。 プレイング作成にあたっては、一般アイテムは紙と筆記用具持参で、調査結果や敵の動きを逐一したためて、帰還次第提出というのを考えてるよ。 あとは撤退時に光縛封を置いて、少しでも敵の足止めや撤退の時間稼ぎを行ったりだな。

  13. サフィラ・アズラク・ヴォルファング

    イズはまとめありがとー! 隠密と言えば、あたし!ってことで ②ヴィント偵察に行ってくるねっ! 調べることは ・天霧りに消ゆる幽界樹の影響の確認 ・統率個体の捜索 ・平常時/戦闘時のヴィント周辺の動向 ・異種間の連携の有無 ・昼夜での行動の変化 って感じかなっ? 他に調べて欲しいことがあった言ってくれると助かるよっ!

  14. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    見つかった時点で即座に仲間を呼ばれて以降厳戒態勢って可能性も考えられるからね。 威力偵察は最後に、陽動も兼ねて行う方針で賛成だ。 調査内容に加えるなら連中の拠点やら集まってる所についてだろうか。 これを調べるなら敵陣の中に潜り込む必要があるんで無理は言えないが。 アタイ自身は①の周辺偵察がメインでリンクの範囲内であれば②でペットを送り込もうかね。 暗視・テレパスは両方とも持ってるから配分可能だよ。

  15. ゼラルム・エルホワイト

    パラリムさんの案に異論はないのですが、ヴィントの偵察というのは、最初に仰っていた通り、周辺まで近づくだけで内部までは入らない、という認識でよろしいのですよね? 万が一認識に齟齬があってはいけないので、確認をしたく あ、私自身は偵察と陽動のどちらでも可能です。隠蔽の値も比較的低く留めているつもりではありますので >作戦時間 確かに、これは特に限定する必要性はなさそうですね。失礼いたしました あとは・・・・・・そうですね。可能であれば、ヴィントから遠ざかっていった際のクリーパーの挙動を観察したい所ではありますね ヴィントが原因であれば、離れれば離れる程に異常行動するクリーパーは少なくなるとも考えられますので

  16. イズレンディル・パラリム

    >ヴィントの偵察 そうですね、実際どこまで偵察できるかはわかりませんので、現場の判断(プレイングでの臨機応変な指定)になるかとは思っておりますが、現実的には行けてもヴィントの周辺までかなとは思っております。 >調べること サフィラさん、書き出して頂きありがとうございます。ルチルさんからのご提言も含めて頂いて 後は私もそれで大丈夫だと思います。 何か思いつく事があれば記載致しますね。 >威力偵察(戦闘) こちらも仕掛け方をある程度合わせておきたいですね。 敵に囲まれないように、小集団を狙って仕掛ける、持久戦より突破力、 という方針は出ておりましたね。 小集団に仕掛けて殲滅、敵の増援が過多になり次第、速やかに撤退、という流れでしょうか。 ナタリアさんの仰る通り戦闘中も情報収集は維持したいですね。他は、戦闘前に退路の確認、戦闘中の周辺警戒、等もしておきたいところです。 >担当 分担について宣言があったものを記載させて頂きますね。 私は③に手をあげますが、どちらも大丈夫ですので相談次第で変更致します。 スキルは超視覚、と他は検討中です。 ●前半 ①周辺の調査(非戦闘) 全員 ●後半 ②ヴィントの偵察(非戦闘/隠密) サフィラ ルチル(ペットを送り込む) ③威力偵察(戦闘) アルベルト コルネリウス ナタリア イズレンディル

  17. ナタリア・フィッツジェラルド

    明日の23時に締め切りか…… こちらからは先にプレイングを提出し、周辺の調査パートの際に偵察任務が済んだ際の脱出経路の確保を組み込んでみた。

  18. コルネリウス・アーラ

    気づけば締切が近づいていましたね! >威力偵察 そうですね、流れとしてはイズさんと出してくださっている形でよいかと思っています。 退路確保と撤退時の殿については私が引き受けますね

  19. セリオス・オーガスト

    と、あまり顔出せなくて済まん とりあえず方針は了解した。 俺は②のほうを希望しておく。持っていくのは暗視と隠密にしていくつもりだ ●前半 ①周辺の調査(非戦闘) 全員 ●後半 ②ヴィントの偵察(非戦闘/隠密) サフィラ ルチル(ペットを送り込む) セリオス ③威力偵察(戦闘) アルベルト コルネリウス ナタリア イズレンディル

  20. イズレンディル・パラリム

    もう今日中に出発でしたね! セリオスさんは②ですね、宜しくお願い致します! ナタリアさんは脱出経路の確保を、コルネさんも退路確保と殿をありがとうございます。 私は敵分布や周辺の地形状況の情報収集を行い、交戦地点と脱出経路候補の選定に活かす旨を入れておきますね。また、川や池があればウォーターウォークで水上を移動して敵の追撃を止められそうですので、そういった場所があれば、と注釈付き提言として入れさせていただきました。 戦闘中は超視覚+サーマルアイで周辺を確認して敵増援を警戒します。 その他、範囲火力の担当と、敵の連携を考慮しての対処を入れる形になります。 こちらで相談させて頂いた共通の方針については、下記の通りに記載させて頂きますね。 何か相違などありましたらご指摘頂けると助かります。 ***** +全体方針 多様な調査を実施し多くの情報を収集する ●前半 全員で周辺調査(非戦闘) 非戦闘方針で敵と遭遇避ける ●後半 下記2班に分かれ行動 ①ヴィントの偵察(非戦闘/隠密) ヴィント近辺に隠密で接近 ②威力偵察(戦闘) 情報収集を目的とした戦闘を実施 ヴィント偵察の陽動兼ねる +威力偵察方針 敵多数は避け小集団と戦闘 敵からの被包囲を回避 敵増援過多で速やかに撤退

  21. リーヴァー・シュランドル

    今夜には出発だ。 各自、白紙だけは無いように注意して欲しい。 諸君の健闘を祈る。

  22. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    時間が経つのも早いものだな…。 リーヴァー卿、ご忠告痛みいる。 イズレンディルは全体方針の記入ありがとう。いつも助かっているよ。 持って行くのは暗視と超聴覚。威力偵察時は射程が取れる方なもんで範囲攻撃で突破口の形成に支援しつつ、露払い的に退路の確保をしていこうと思うよ。

  23. ゼラルム・エルホワイト

    間も無く出発ですね ヴィント偵察が3名とのことですので、私は陽動の方へと赴こうかと 汎用スキルは暗視とテレパス。テレパスは陽動班ではフィッツジェラルドさんが活性化しておられますが、念のためという事で その他のスキルに関しましては範囲攻撃を重視。今回は敵の数が多いとの事ですので、兎に角面での制圧が出来ればと また、アーケインを持ち込んでおりますので撤退時の支援も行うつもりでおりますし、敵が罠を避けるだけの知能があるのかを測る事ができればと

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0