不屈なるフィラム
革酎
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シナリオID:734
オープニング
リーンエス王国西部の、ディズル大湿地帯に領境を接するベルティック男爵領内の某集落。
その入り口たる垣根門周辺に三名のリザードマン戦士が佇んでいた。彼らは一様に、垣根門から続く集落内への路地に視線を落としている。
「間違い無いか」
「はい。あの御仁とは二日前にメーンスの武具工房で顔を合わせたばかりです」
年長の戦士に問われ、年若いリザードマンは緊張の面差しを返した。
今、彼らが目にしているものは全身が干からびて、半ばミイラ化している遺体であった。普通に考えれば死後数週間は経過していると見るべきなのだが、年若いリザードマン戦士は、その生前の姿を二日前に見たばかりだと主張しているのである。
つまりこの半ミイラ化遺体の死亡推定時刻は、ここ二日以内。遺体の状況から考えても、極めて異常であるといわざるを得ない。
「全身の水分を一気に奪われたか、或いは……」
「エーテルを吸収し尽くされたか」
年長の戦士の言葉を受け継ぐように、やや老齢に差し掛かっている戦士集団の長が静かに声を繋いだ。
と、そこへ集落内を捜索していた四人のリザードマン戦士達が垣根門へと引き返してきた。いずれも緊張を帯びた表情で、生存者がひとりも居ないことを目線だけで語っている。
この日、リザードマン達はとある隊商を商業街メーンスまで護衛する任務を終え、次なる依頼をこなす為に街道を北上中であった。
本来ならばこの集落もただ素通りするだけの筈であったが、垣根門の内側に半ミイラ化遺体を発見するという異常事態に接し、脚を止めざるを得なかった。
一体、この集落で何があったのか。
誰もが疑念と戦慄を胸の内に抱き始めた瞬間、異変が生じた。リザードマン戦士達を包囲する様な形で、幾つもの巨大な触手状の何かが、硬い路面を突き破って這い出してきたのである。
ぬめぬめとした粘液をまとい、朝の光を不気味に照り返す異形の触手群。その先端は十字に裂け、四つ割れの顎の様に鋭い牙を内側に並べていた。
顎の内側には血走った眼球が張り付いており、リザードマン戦士達をまるで捕食対象として見ているが如く、僅かな喜色を湛えてじっと凝視していた。
四つ顎の触手の群れが一斉に動き、リザードマン戦士達に襲い掛かってきたが、年長の戦士が振るった刃が四つ割れの顎のひとつを一瞬で叩き落とすと、全ての触手が慌てて地中へと撤退していった。
斬り落とされた四つ割れの顎はまるで風化するかの様に、黒い塵と化して虚空へと消えた。
●宣戦布告
「魔獣ではない……クリーパーだな。それも幾分特殊な個体だ。被害者の死にざま……普通にエーテルを吸収するだけではああはならぬ」
老齢の戦士集団長が得物を携えたまま、穏やかな声で断じた。曰く、触手の群れの本体がこの集落内のどこかに潜んでいる筈だという。
すると年長の戦士が年若いリザードマンに振り返り、鋭い声を飛ばした。
「メーンスの冒険者ギルドで戦力を掻き集めてくるのだ。このクリーパーは、捨て置けぬ」
一日か二日程度でひとつの集落を壊滅させる強敵だ。そんな化け物を放置すれば、周辺に点在する他の人里が脅威に晒されることとなる。
事情を説明すれば、冒険者ギルドが周辺の村々から報酬を都合してくれる筈だから、費用については考える必要は無いだろう。先ずは兎に角、この恐るべきクリーパーを討伐し得る人数を集めて来いというのが、年長の戦士から発せられた指示であった。
「我等はここに残り、奴をこの場に釘付けにする」
クリーパーにとってはリザードマン戦士達もまた、捕食対象である。この場に踏みとどまって戦いを仕掛けることで、敵が他の集落へと移動するのを阻止する構えであった。
「行け……フィラムの戦士に敗走の二文字は無い」
年長の戦士に背中を押され、年若いリザードマンは徒歩で約二時間程度の距離にある商業街メーンスを目指した。
彼らは、ディズル大湿地帯に点在するリザードマン部族の中でも、特に勇猛で知られるフィラム出身の戦士達である。
フィラムの戦士は故郷を離れ、大湿地帯のみならず、シラー砂漠や王国国境付近等、如何なる環境に於いても安定して戦い続けることが出来る。彼らは常に修練を重ね、長い研鑽の日々を送り続けてきていた。
この異国の地で恐るべきクリーパーを相手に廻しても、一切怯むことは無い。まさにその言葉の通り、フィラムの戦士に敗走の二文字は無かった。
解説
マスターより
リプレイ
年若いリザードマンの弓兵イオを案内役とした冒険者達がその集落の垣根門へと辿り着いたのは、陽がやや西へ傾き始めた頃であった。
垣根門の前には数名のリザードマン戦士が疲労困憊の様子で座り込んでいたが、ひとりだけ、老齢の戦士は仁王立ちとなったまま集落内方向に鋭い視線を突き刺していた。
(この雰囲気……似ている)
イオのすぐ後ろに位置を取っていたナハティガル=ラーが、傍らで歩を進めているルチル・プルメリア・グレイハーツをちらりと盗み見る。そのルチルが随分と親しげな様子で、渋面の老戦士に手を振った。
「やぁ、ツヴォルグ師父。元気そうで何よりだね」
「おぉ……ルチルではないか。これはまた随分と久しいな」
トレードマークたる頭蓋面の奥で僅かに頬を緩めたルチル。
そのルチルに対し、フィラム部族の戦士集団長ツヴォルグは、皺深い面に幾分の驚きと喜色を交えた笑みを浮かべた。
このふたりのやり取りに、他の冒険者達は互いの顔を見合わせていたが、彼ら以上に驚いていたのはイオだった。彼はルチルがフィラム出身だとは知らず、たまたま掻き集めた冒険者の中に同族が居た、という程度の認識しか無かったのである。
「イオはまだ戦士として駆け出しだからな。ルチルを知らんのも無理は無い」
と、そこへ垣根門の奥から引き返してきた年長の女性リザードマン戦士リビーダが、冒険者達と挨拶を交わしながらイオに笑いかけた。イオはただ目を白黒させて困惑するばかりである。
「ルチル。アンタの親戚か何かか?」
ツヴォルグやリビーダの堂々たる佇まいの中にルチルと同じ雰囲気を感じ取ったナハティガルは、己の疑問を素直にぶつけた。ルチルは頭蓋面の裏側で苦笑を浮かべ、小さく肩を竦める。
「そういえば、いってなかったかな。あたいはフィラム出身さ」
成程、道理で――ナハティガルは合点がいったと頷き返した。
だが今は、場合が場合だ。ルチルはのんびりと旧交を温める様な真似には時間を割かず、直ちに状況の聞き取りへと頭を切り替えていた。
「大体のことは彼から聞いていますが、現時点の最新状況はどうなのでしょう?」
フードを後ろにずらして左右に視線を流しながら、キーゼが問いかけた。リビーダは、まだ敵の本体を発見するには至っていないと頭を掻く。曰く、この戦士集団は武勇に秀でてはいるものの、捜索や調査活動は今ひとつ不得手なのだという。
だからこそ冒険者を呼び集めることにした、というのがリビーダやツヴォルグの判断だったのだろうが。
「探すか炙り出すか……どっちにしても、手間がかかりそうですね」
強力な攻撃魔術を駆使するレイヤ・ダライ=カホールも、標的たるクリーパーが姿を現さないことにはどうにもならないと腕を組んだ。くりくりとよく動く愛らしい瞳で垣根門の向こう側を覗き見るも、地面に穿たれた幾つもの不気味な穴が目に入るばかりで、敵の本体位置を突き止める材料になりそうなものは、何ひとつ見当たらなかった。
或いは井戸や地下室かとも考えを巡らせてみたが、恐らくフィラムの戦士達もその程度のことにはすぐに思い至り、既に捜索済みだろう。実際、レイヤがそれらの可能性を口にしてみたが、リビーダはお手上げだといわんばかりの調子で小さくかぶりを振るばかりであった。
そのレイヤに、キーゼが背負っていた弓を手に取りつつ、矢張り囮策しかないでしょうと低く応じた。
「幸い、囮役の人員は道中既に決めてありましたし」
「あ……そういえば」
キーゼとレイヤは、マタリキー・T・ヒーローに揃って視線をぶつけた。このマタリキーが囮役として、敵を誘い出す段取りになっていたのである。
マタリキーは引きつった笑みを返してきた。妙な悲壮感が漂っていた。
●囮作戦
武装を解除し、一般人を装っているマタリキーは集落内の広場にひとり、ぽつんと佇んでいた。
フィラムの戦士達は如何にも強そうで頼りになる。そんな彼らを囮にするのは心苦しいということで、ここはマタリキーが一肌脱ぐことになった。
いつ襲われても良い様に、そして仲間達の支援が遅れたり、或いは届かなかった場合に備えて、マタリキー自身も一瞬で防御を固められる様にとイメージトレーニングを重ね、精神を研ぎ澄まし、全身の感覚をあらゆる方向に向けて解き放っている。
(さぁ、いつでも来いす。化け物なんか怖くないす。寧ろ怖いのは……)
マタリキーは自身の腰に巻かれているロープに視線を落とし、次いでそのロープが地面を這って、手近の家屋の陰へと続いているのを目線で追った。その先端は、家屋の陰に身を隠しているギーゼラがしっかりと握り締めている。
そのギーゼラと、目が合った。ギーゼラは瞳を輝かせ、敵の出現は今か今かと期待に胸を膨らませている。
(何であんなに、嬉しそうなんすか)
ちょっと不安になってきた。
敵の攻撃を受けても、キーゼとギーゼラが強力な治癒術で援護してくれるだろう。
その点については信頼しているし、何の不安も感じていないのだが、どうもギーゼラの変なわくわく感が凄まじい圧力となって、マタリキーに襲い掛かってきている。
ギーゼラはギーゼラで、抑え切れない程の高揚感が胸の内に湧き上がってくるのを実感していた。
(フフフフフフ……楽しみだなぁ! 舞う血飛沫!)
マタリキーが聞いたら卒倒しそうな期待感を、ギーゼラは心の底から楽しんでいる。日頃ならばギーゼラは、堅甲の如き術はまず使わない。だが今回は、惜しげも無くマタリキーの身に施してやった。
理由は簡単で、マタリキーが死んでしまったら癒す相手が居なくなるからだ。この集落に辿り着いた直後、リザードマン戦士達の傷を癒してやったギーゼラだが、その心を満足させるには至らなかった。
今、目の前でマタリキーが囮となり、敵に襲われて酷い目に遭おうとしている。そのマタリキーを、ギーゼラが癒す。生殺与奪の権を敵には握らせず、マタリキーの生命の行方をギーゼラが握っている。そう思うだけで、ギーゼラは幸福の絶頂の中に居ることが出来た。
広場の反対側の家屋の陰ではセリオス・オーガストが愛用の弓に矢をつがえ、その傍らに控えるバーネット・フォーサイスは攻撃魔術をいつでも発動出来るよう、詠唱の構えを取ってじっと息を潜めていた。
セリオスもバーネットも、そしてギーゼラも、触手に位置を悟られぬ様、家屋に付随する板張りの足場に身を置いている。他の冒険者達やリザードマン戦士達も同様だ。キーゼに至っては、屋根の上で弓を構えている。
リビーダの説明によれば、どうやらあの触手共は地面に直接足を付けている者を優先的に狙う傾向にあるらしい。
体温か、音か、振動か、或いは他の何かを感知しているのかは分からないが、地表と肉体の間に何らかの障害物が挟み込まれていると、敵の反応が鈍くなる傾向があった。
そこでキーゼの発案により、マタリキー以外は全員が地表との直接の接触を避けることになった。
「しかし……敵の位置もはっきりしないな」
マタリキーが囮の準備を整えるまでの間、セリオスは集落内の土中の気配を隈なく探り続けたが、敵の本体と思しき反応はどこにも検知出来なかった。触手が地中を掘り進む音や振動は集落内の至る所で蠢いていた。ところがそれらの動きは余りに不規則で、起点らしい起点が絞り込めなかったのである。
「やっぱ、触手ごと本体を地上に引っ張り出すしかないか?」
セリオスに頷き返しながら、バーネットは眉間に皺を寄せて考え込んだ。或いは地表を破壊して掘り起こすのもひとつの手だが、どこまで掘り起こせば良いのかが見当もつかない。
こいつは中々に厄介だ、とバーネットが唇を尖らせていると、マタリキーを包囲する様な形で地面が数カ所、不自然に盛り上がった。
ルチル、キーゼ、セリオスが敵の出現予測ポイントに鏃の先端を素早く固定し、レイヤとバーネットは術式の発動態勢に入る。
ギーゼラは治癒術の準備に入り、同時にナハティガルは接近戦に備えて得物を構えた。
そして、遂に現れた。
合計七本の触手が、地面を突き破って陽光のもとに姿を現す。あの特徴的な四つ顎が十字に割れて、鋭い牙と不気味な眼球がマタリキーを標的に据えた。
●手がかり
少しばかり想定外の事態が生じた。
触手の群れはマタリキーを引きずり込む様な動きは見せず、その四肢や胴、頭等に、同時に食いついてきたのである。周囲から一斉に噛みつくという形は、一定の方向に獲物を引きずり込むのではなく、その場で喰い殺すことを目的とする攻撃運動だ。
マタリキーは噛みつかれ、傷を負う。それをギーゼラが癒す。また傷を負う。ギーゼラが癒す。その繰り返しであった。ギーゼラは至上の悦びに打ち震えた。
「あぁッ! 素晴らしいッ!」
マタリキーは苦痛に悶え、顔を歪ませている。少なくともギーゼラにはその様に見えた。
(今、貴方は僕を求めているんでしょうッ!? 大丈夫ッ! 私がちゃぁんと助けてあげるからッ!)
ギーゼラは何度も何度も自身の治癒の力を盛大に行使することが出来た為、心底嬉しそうで、満足な様子であった。
逆にツラいのは、マタリキーひとりであった。四つ割れの顎の隙間から、彼の涙目が訴えくる。
ホゥワァァイッ!
冒険者ピィィポォォォウッ!
おぉかしぃぃっすよぉぉうッ!
そんな声無き声が聞こえた様な気がした。少なくともレイヤとナハティガルはその様に解釈した。
が――。
「何というか、厚切りにバラされそうだな」
「そうですか? どっちかっていうと、薄切りに細かくされそうなんですけど!」
ナハティガルとレイヤは冷静にお互いの分析を交わす。痛い目に遭っているのはマタリキーだから、どこまでも落ち着いて議論することが出来るのかも知れない。
しかしいつまでも呑気に眺めている訳にもいかない。冒険者達とリザードマン戦士達は一斉に動いた。
まずナハティガルが足早に接近し、触手の群れを追い払う形で刃を振るい、マタリキーを救出した。ナハティガルとマタリキーが離脱すると、今度はセリオス、ルチル、バーネット、レイヤの出番だ。
鏃で触手を迎撃し、スリップダメージを叩き込んだところで、全ての触手が地中へと消えた。その後を追う形でレイヤが穴の中に炎の一撃を叩き込み、次いでバーネットが地表を掘り返す程の勢いで豪風を炸裂させた。
ところが、これ程の攻撃を短時間で仕掛け、地面をもひっくり返した筈なのに、本体の姿は無く、触手共はまんまと逃げおおせた。
場が落胆の色に染まりかけたが、しかしルチルとセリオスは或る違和感に気づいた。
「随分、湿っぽいじゃないか」
「これは土中の水分というには、かなり多いな。ほとんど水溜まりだ」
触手の群れは土中のあちこちを蠢いていたが、その表面は湿潤で粘液に覆われていた。つまり、それだけの水分を常に維持出来る環境に居るということになる。そして地中の穴の内側はというと、炎に焼かれ、豪風に吹き飛ばされても尚、これだけの量の水が満ちている。
思わぬ盲点に、ルチルもセリオスもこの時ようやく気付いた。
「この集落に水場はあるかい?」
「井戸なんかじゃなく、池か沼ぐらいの規模のものがある筈だ」
ふたりの問いに、リビーダは首肯を返す。農作業用の溜池が集落の外れにあるとのことであった。
触手が地表の真下を這い廻ることから、本体は土中に居る――その先入観が冒険者達とリザードマン戦士達の目を曇らせていた。
敵は、水中に居たのだ。
●討伐
居場所さえ分かれば、最早何も怖いものは無い。
キーゼとギーゼラの力で傷を癒したマタリキーも戦列に加わり、冒険者達とリザードマン戦士達は件の溜池へと急行した。
まずレイヤとバーネットが範囲攻撃魔法を仕掛けて敵を炙り出す。
クリーパーは獰猛な唸り声を上げながら水上へと姿を現した。
「ありゃあ、まるで甲羅付きの蛸か触手持ちの巻貝ってところだな」
バーネットは幾分呆れた様子でクリーパーの外観を評したが、その感想は同時に、この場の誰もが共通して抱いたものであったろう。
しかし逃げられては元も子も無い。バーネットはすかさず敵本体の周囲に稲妻の如き魔術の光を迸らせた。逃走は出来ぬと腹を括ったのかどうかは分からないが、クリーパーは岸へと急接近し、無数の触手を躍らせて反撃へと転じた。
いよいよ接近戦だ。
「よぉーし! どんどん蝕んじゃいますよー!」
バーネットが足止めを担当するならば、レイヤは敵の防御力を破壊する役目だ。緑色の光弾を叩きつけ、しっかりとお膳立てをしてみせた。
やがて、双方の距離が詰まる。
リザードマン戦士達が触手の対処に全力を注ぎ、冒険者達が本体破壊へと走った。
ルチルとセリオスの強烈な破壊力の鏃が、甲殻を突き破って本体へと到達する。その直後に宙空を奔るナハティガルと、地上を直進するマタリキーが同時に間合いを詰め、それぞれの得物を叩きつけた。
「本体の核となる心臓部を穿ち、貫く……これで終いだ」
「散々がぶがぶやってくれたすけど、ただの囮じゃねぇすよッ!」
ナハティガルの三段連撃とマタリキーの闘気槌で、クリーパー本体の勢いが随分と怯んだ。相当に打撃が蓄積している。後は一気に押し切るのみだ。
ここで再び、バーネットとレイヤの出番である。バーネットが魔弾、レイヤが光弾を雨あられと叩きつけ、仕上げとばかりに豪風とタイダルストリームが炸裂した。
溜池周辺に、魔力の破壊波が吹き荒れる。轟音とまばゆい光が醜い化け物の巨躯を呑み込んだ。
やがて、敵は動かなくなった。クリーパーの巨体と無数の触手は、黒い塵と化して虚空に消えた。
「流石、冒険者だな。大したものだよ」
ツヴォルグの称賛に、偽りは無い。フィラムの戦士は武勇を誇るが、自らが強者と認めた者は心から讃える。彼らがディズル大湿地帯で永きに亘り精強な戦士を育て続けることが出来ているのは、そのような気質を具えていることにも一因があるのかも知れない。
「はぁー……あれぐらい、かっこ良くなりてぇすね……」
マタリキーから見れば、フィラムの戦士達こそが歴戦の勇者に思えた。無論、この素直さが彼の良いところでもあったが。
「フィラムの戦士達よ。此度は良い経験をさせて貰った」
「わたしもカホールに帰ったら、皆さんとご一緒出来たことを土産話にしますねー!」
ナハティガルとレイヤの言葉に、リビーダやイオは心から嬉しげな笑顔を返した。
「また近いうちに、顔出すよ……暇があればね」
ルチルからの別れの言葉を背に受けつつ、フィラムの戦士達は次なる任務へと旅立っていった。彼らには新たな戦いが待ち受けている。
それは、冒険者達も同様であった。
マスターコメント
ショートシナリオR難しい 報酬:標準8 / 4〜8人
2021年04月03日 08時50分06秒 公開
相談掲示板
ヒーラーのギーゼラです。よろしくお願いします。 敗走しない勇猛な戦士!いいですねぇ、とてもいいです! フフフフフ、血で染まった鱗は美しいですねぇ!ちゃぁんと癒して立ち続けられる様にしなくっちゃ! 『エーテルを吸う』という行為が単純に『HPを吸い取る』だけなら回復すれば何とかなるのですが 触手に捕まったら【束縛】や【窒息】、下手をすると【流血】の可能性もありますねぇ。 いかに捕まらない様に立ち回るかが重要でしょうか。 触手だけを倒してもすぐ再生しそうですし、地中から引きずり出して本体を叩きたいところですが、どうしましょうねぇ。
キャスターのレイヤ・ダライ=カホールです。よろしくお願いします。 今回はフィラムの戦士たちと一緒ですね。 心強くはありますが、敵は得体が知れません。注意が要りそうですね。 先だって戦士たちが生存者を捜索しているのを考えると、 見えるところには本体は居ないみたいですね。 本体も地中でしょうか…うーん、どうやって引きずり出すべきか。 あるいは毒とか(BSスリップ)でじわじわいくのもいいかも…。
ども、ウォーリアのマタリキーす。 ……あれ、普通にやばそうな感じすね。 (……ギーゼラ先輩のほうがやばそうすけど……) ふーむむ。本体が地中だとしたら、引っ張り出せないと延々と触手と戦うことになったり、逃げられたりしそうすね。 レイヤさんがいうようにスリップで本体にダメージがはいるのは大事そう。 もう一つは、あえて触手に捕まる人を立てて、その人をロープなりでくくっておいてセルフヒールなりで耐えさせてる引っ張り上げる……とかすかね。 地中っていっても、敵が潜れるくらいの場所みたいですし、土も触手の動きで柔らかくなってそうすから、引き上げることはできそうな気も。
情報屋のルチルだ。 ……助力はあるが敵の戦力は未知数。情報は少ないが勝てるように予測と対策を練って行きたいね。 (言ってる事はあれだがヒーラーとしての仕事はしてくれるようだな) 依頼を受け、アタイたちが到着するまでにクリーパーの足止めはできているという事になるのかね。 であれば近くに生物の気配があれば簡単に吸い寄せられそうな気がするが、「エーテルを吸い取る」という性質がありそうなら攻撃を受けるより攻撃を避ける囮の方が有用かね? それか吸収攻撃をされてもそれ以上のダメージを与えられるようにしておくかだな。 だが吊り上げるなら敢えて受けてからの方がいいね。触手だけ相手にしてもいつか逃げられてしまいそうだ。 触手の量を考えると総重量は重そうだから思ったように吊り上げられないだろう。うまく引っ張り上げたり、捕まえられるようにするには触手を排除して弱体化させるとかになるな。 無数とは書いてあるが、無限の生命力を持ってるわけでもなし。再生できるにしても上限はあるだろう。 とりあえず、アタイは捜波や探索向けの汎用スキルをつけて探してみるかな。
ナハティガル=ラー。 不意討ち暗殺何でもござれのシーフだ。 初見の者も、そうではない者も宜しく頼む。 集落に到着次第、【捜波・改】で集落内に散らばる敵の現在地を確認する予定だ。 触手も無限に生えている訳ではないと思うので、 ある程度触手を撃破すれば、おのずと本体が地上に現れる可能性は高いかと。
キャスターのバーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 地面に潜った状態の敵を探すとなると、囮役を用意するのが無難な所か? とはいえ、襲われるリスクと引き換えだから、その辺りはしっかりフォローする必要は有るが。 あとは、相手がどれだけ深く地中に潜っているか次第で、 地上まで誘き出すなり引き上げるなりする必要があるのか、 そのまま地面越しに攻撃して仕留められるのかが変わるから、 ある程度の位置を確認したら、捜波とかでしっかり捕捉したいな。
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む バーネットの言う通り地中に潜ってるなら囮を出すのが手っ取り早く敵をおびき出せるだろうが、割と危険だろうな とりあえず俺は超聴覚で地面に耳をつけて音が聞こえないか試してみるつもりだが 触手をいくつか潰せばいくら狂った本体が出てくるとかなら楽なんだが、最悪出てきた触手を捕まえて引っ張り出すとかも考えたほうがいいかもな
フフフフフ、マタリキーさんとルチルさんから熱い視線を貰いましたね!興奮しちゃう!! 心配しなくても、ちゃぁんと癒してあげますから大丈夫ですよ。じわじわと優しく優しく! 囮を用意するならば、さっさと囮を使って引きずり出したいです。 無数にある触手を相手にして消耗するよりも、体力もスキルも残っているうちに速攻で決めた方がいいかと。 NPCのリビーダさんとツヴォルグさんは熟練の戦士ですし、固そうで囮にぴったりですねぇ! 血塗られた鱗が見たいなんて下心は全くありませんけどね?フフフフフ。 僕達が辿り着いた時点で満身創痍の可能性もありますが、ヒールしてあげればまだ頑張れるでしょう?まだまだ行けますよね?勇猛な戦士ですから! 捜波を使える方が数人いるようなので、敵の居場所を突き止め全員で一斉攻撃をしたら 地面を抉って攻撃出来る気もしますねぇ。 【爆】がついたスキルとか破壊力ありそうですけど、どうなんでしょう?
さて、飛び込みですがよろしくお願いいたします。 ひとまず囮を立てる方針は了解を。 但し、 ー 四つ顎の触手の群れが一斉に動き、リザードマン戦士達に襲い掛かってきたが、年長の戦士が振るった刃が四つ割れの顎のひとつを一瞬で叩き落とすと、全ての触手が慌てて地中へと撤退していった。 ー 斬り落とされた四つ割れの顎はまるで風化するかの様に、黒い塵と化して虚空へと消えた。 とあるので。 迂闊に早々触手を倒すと逃げられそうですかね。強者を見極め逃げる程度の知能指数はあると言うことですし。 囮役には死なぬよう、殺し過ぎぬよういい塩梅がほしいですか。 ショップで売ってるペットあたりを生餌用で囮で使えればいいのですが。 こういう時用に猪ありますので、放します? あと、【爆】スキルは地中内には不向きですね。あれは定点指定ですが、指定地点まで射線並びに視線が通っている必要があるので。 地面の硬さ次第ですが、直線範囲あたりが適任ですか。
>囮 言い方はともかくウォーリアである二人は囮に向いているね。彼らの性格なら問題なく引き受けてくれそうだ。 知能が高そうだし、触手の多さから同時に複数箇所へ攻撃できる線もある。囮が多く居た方が回復手の方にも攻撃が飛んできて崩れる危険を減らせるだろうね。 だがリンクしてないペットを生き餌として放流するのは賛成しかねる。 リンクしてないペットは完全に制御できると限らないし、行動を封じた獲物を連れて地中に逃げ込む動きも考えられるからね。 釣り出すなら長く触手相手に耐えられる事が推奨されるだろう。徒に餌をやる行為は避けた方がいいんじゃないか?
あ。囮……囮、すね。 俺しましょうか。というのも、あの二人のほうが俺より強そうですし、俺はこんなナリですし、あまり強く思われない気がするんす。 駒としても俺のほうが潰しがきくんで、囮をたてるなら俺がするっすよ。 ただ、具体的にどう釣り出すかが微妙なんで、鎧の上にロープなりで巻いて引っ張り返す……みたいな感じとかできたらいいんすかね…… イノシシは……そうっすね。徒に命を散らしちゃうかもなんで、そこはこう、ビシッと俺らがするとして、ぼたん鍋はまたの機会に……。
多少の怪我も、まあ、ギーゼラさんが……(ちらっとみる)…… …………………………………………いるすから………………………………………………。
>猪 まあ思い付き程度なので。かしこまりました。持ち込みはやめておきましょう >囮・回復 ヒーラー二名体制なので、多少は持つかと思いますよ 音か振動かエーテル探知か…目立って引寄せるのはお任せしましょう
>【爆】 地面を抉るの…できなくもないですね。 爆発の起点まで射線が通ってる必要はあります、なので触手が引っ込んだ後の穴に打ち込む感じなら。 ちょっと試しにやってみようと思います。うまくいけば結構広範囲が掘れるかも
>地面 まぁ、範囲攻撃とかで地面を吹き飛ばせるかどうか、試すだけ試すのは有りだと思う。 やるだけやってみて、無理なら地上に引きずり出すなり誘き出すなりに切替れば良いだろうし。 >個人行動 とりあえず、俺はいつも通り足止め担当だな。 姿を補足出来たらアーケインテンペスト改とスタティックフィールドで、 地中に逃げられない様に動きを止めるつもりだ。 あとは範囲攻撃の豪風で、地面を掘り返せないか試してみる。
……あ、キーゼさん、ヒーラーだったんすね……いやすみません……なんかこう、勝手に……キャスター……いやウォーリア……みたいな気持ちになってたす。 【爆】、いい感じに掘れたらよさそうすね。触手の出本を狙えばいい感じになりそうな。 バーネットさんの足止めが効いている間に畳み掛けられるようにしたいところ。がんばるす。
はい!僕が!私が!居ますよ! フフフフフ、頼りにされてるなんて嬉しい!! 安心して、思いっきりパクッと食われてきてくださいね!! マタリキーさんが囮をしてくれるなら、NPCにはマタリキーさんに繋いだロープを引っ張ってくれるようにお願いしましょう。 そうすれば僕達は回復と攻撃に専念出来ますし。 【爆】スキルについて教えてくれてありがとうございます。 フフフフフ、レイヤさんの派手な攻撃は盛り上がりそうですねぇ。楽しみです。 バーネットさんの足止めもとても助かります。動きが鈍った相手は甚振りやすい! ルチルさんとナハティガルさんの捜波や、セリオスさんの聴覚も心強いですねぇ。 ギーゼさんも回復役をありがとうございます。うっかり死なせちゃう危険も減って安心! 僕自身は敵の地中からの攻撃で足場が悪くなっても問題ないように【バランス感覚】と 敵が地中に隠れても見えるかもしれない【サーマルアイ】を持っていこうと思います。 あとは敵が毒を持っていても大丈夫なように【解呪2】と囮を固くするために【堅甲2】。 他は【サイドヒール改】と【ヒーリングオーラ】、【ヒール】【ヒール2】の回復たっぷり仕様です! 到着次第、疲弊したNPC達にヒーリングオーラを掛ける予定です。
今更だが、触手を根の様に地中を這わせているだけで、 本体は地上に居る可能性めあるな。 ……まぁ、探す事には変わりないし、大きく方針に変化は無い、か?