【豆採】あの素晴らしい豆をもう一度

STANZA

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シナリオID:709

オープニング

 それは特別なカカオ豆だった。
 その豆から作られたチョコレートは、フルーツのような香りとマイルドな苦味、それに酸味と渋みのバランスが絶妙で、口溶けの良い滑らかな舌触りはまるでバターかアイスクリームの如く。
 だがその生産量はごく僅かで、貴族でさえ滅多に口に出来ない幻のチョコとさえ言われている。
 菓子職人も、どうにか他の豆でその味わいを再現出来ないものかと試行錯誤を繰り返してみたが――

「無理! やっぱりあの豆でなきゃ、あの味と香りは再現出来ないわ!」
 だがエドゥノーグ商人ギルドの手元にも、在庫はもう殆どない。
 その豆はとある冒険者がダンジョンで偶然見つけたもので、同じものはもう二度と手に入らないだろうとも言われていた。
「やっぱり発酵に鍵があるのよね……完全に発酵した状態のものを見付けたって話だし」
 カカオ豆はカカオの実(カカオポッド)に詰まっている。
 取り出された豆は、発酵と焙煎を経て漸くチョコの原料となるのだが、その時に香りを決める最も重要な要素となるのが発酵の工程だった。
「せめてどんな環境で発酵が進んだのか、それがわかれば再現出来るかもしれないけど……」

 だが遂に! ワレワレはその手がかりを掴んだ(件の冒険者から無理やり聞き出した)!
 それはダンジョンの奥深く、コウモリの生息密度が異様に高い場所にあったと、その冒険者は語った。
 宝箱に入っていたのか、はたまた敵からドロップしたのか、或いは無造作に山積みになっていたのか……詳しい事は語られなかった。
 だが細かいことはどうでもいい、どうせあの不思議なダンジョンでは同じシチュエーションなど二度と現れないのだから。

 キーワードはコウモリ。
 巣を見つけるとか、追いかけるとか、倒しまくるとか、多分そんな感じで突き進めばきっと見付かる筈じゃないかなめいびー。
「見付けてくれたら報酬の他に、その豆で作った超高級スペシャルチョコをあげる! だから頑張って!」

 チョコの誘惑に抗えなかった冒険者達は、意気揚々とダンジョンに潜る。
 だが彼等は――いや、最初の発見者以外は誰も知らなかったのだ、そのカカオ豆の真実を。
 それを正直に告げれば、商人ギルドはあの豆を買い取りはしなかっただろう。
 捨てて来いと追い返したに違いない。
 何故なら――いや、それは自分の目で確かめてもらおうか。

解説

ダンジョンの奥で幻の超高級カカオ豆の真実を探れ! ■お仕事 ・幻の超高級カカオ豆を持ち帰る(必須) ・幻の超高級カカオ豆が出来る環境を調べる(必須だが報告の義務はない) ■ダンジョン ・特にトラップやギミックなどはなく、無限にも思える通路がひたすら枝分かれしながら続いている。 ・通路の幅と高さは平均すると3m程度。PCがやっと通れる様な狭い場所もある。 ・足元は滑りやすく、うっかりするとスライダー状態で強制連行。ただ、それを利用してみる手もあり。 ・カカオ豆があるのは高い天井にコウモリがみっちりぶら下がった、広々とした場所(コウモリの巣)。 ・道中を含め、コウモリの他には敵や生き物の気配はない。 ■敵、もしくは水先案内獣 ・カカオコウモリ フルーツを主食とする草食性のコウモリで、カカオの実が大好物。 カカオの実を丸呑み出来るほど大型だが攻撃性は低く、危険を感じるとすぐに逃げ出す。 丸呑みされた実は強力な消化液で硬い皮ごと消化されるが、何故か種は消化されずにそのまま排泄される。 巣の真下には糞が山盛り。 ■その他 目当てのカカオ豆がどんな状態で何処にあるのか、賢明な冒険者諸氏にはもうおわかりだろう。 その真実を明かすか否かは諸氏の判断に委ねる。 また、副産物も田畑の肥料として優秀なものであるため、分別せずに丸ごと持ち帰ることも可能。 その場合は依頼主の印象悪化と価格の急落が避けられないだろうが、説得によって回復も可能、かもしれない。 なお字数という強敵が控えているため、帰り道の心配は無用(必要な仕事が終われば自動的に帰還します) ※OPや解説で明記されていない部分の解釈はお任せします  設定や世界観の範囲内で、ご自由にお楽しみください

マスターより

こちらの世界ではお久しぶりです、STANZA(すたんざ)です。 で、久々の依頼がコレかよお前っていう……ね。 解説を読んでもピンとこない方もいらっしゃるかと思いますので、もうひとつヒントを出しておきます。 リアルではコピ・ルアクという似た様なものがあるそうですよ、こちらはカカオではなくコーヒーですが。 だいじょうぶ、ばっちくない。 では、よろしくお願いします。

リプレイ

 初潜入のダンジョンという事で、冒険者達も最初は緊張気味に押し黙っていた。
 だが奥へと進むにつれて、小声で軽くお喋りをする余裕も出てきた様だ。

「えへへ、食べ物につられました」
「わかります」
 エリオン・ザ・スターシーカーが、ランタンを手に慎重に足を運びながらちょっと恥ずかしそうに笑うと、すぐ前を歩くエイミー・アルドリッジが答える。
「今回のは菓子職人をして大絶賛という話ですし」
「最近チョコばかり食べてる気がするが、確かに幻のチョコは別腹だな」
 前の方からブルーテ・ビシアのそんな声も聞こえた。
「こんな洞窟の奥深くにある豆、まさにお宝って感じだな!」
 殿を務めるギド・フェルミの声が後ろから追いかけて来る。
「まぁ最近のカカオは洞窟から採るのが主流らしいけど」
「しかしコウモリ、生息密度、発酵、詳細語らぬ発見者……ちょいと不穏だな」
 ブルーテの呟きに、エリオンが「前の冒険者さんも、もう少し教えてくれたらいいのにねー」と返す。
「やっぱり企業秘密ってやつなのかな?」
 でも秘密を探る為にダンジョンを探索するなんて、いかにも冒険者という感じでワクワクする。やっぱり森の外には素敵な物がいっぱいだ。
「そうですね、ちょっとした冒険を味わえそうです」
 エイミーの声も少し弾んで聞こえた。
「探索、頑張ろうね」
「幻の超高級豆! その秘密はコウモリさんに隠されているということですが、果たして!」
 エルナ・クルプファルツの声(ナレーション)と共に、探検隊は奥へ奥へと進んで行った。

 先頭を歩く海神・江流(ウミガミ・エル)は、そこに棲む無害な生き物や敵を刺激しないように、明かりを持たずに歩いていた。
 ランタンを持つブルーテはその光が届かない程度に距離を開けて後に続く。
 列の真ん中あたりと後方にも光源を持つ者を配置した為、全員が良好な視界を保ったままで探索を行う事が出来た。
 が、見えるからと言って確実に危険が避けられるとも限らない。
「このへん濡れて滑りやすく……はわ!」
 遅れ気味な事を気にしたエリオンが、つい焦って足を踏み出し――つるん!
 思わずすぐ後ろを歩いていたギドの服をがしっと掴み、道連れに!
 しかも少し下り坂になっていたものだから、前を行くギャメルをド突き倒しエルナを巻き込みエイミーを突っ転ばして数珠繋ぎスライダー!
 エフィルミアは咄嗟にエアーライドで飛び上がり、「掴まって下さい!」とロープを投げ……ようとしたが絡まってほどけない!
 最後の希望、ブルーテが踏ん張って止めようとしてみたが――
「無理!」

「ここ狭くなってるから気を付け――」
 江流が振り返った直後に悲鳴が上がり、ドスンという響きと共にカエルが潰れた様な声が聞こえた。
 人崩(なだれ)は止まった。そこだけ急に狭くなった通路に大柄なブルーテが詰まるというラッキーなアンラッキーによって。
「はわわわ、ごめんね大丈夫!?」
「問題ない、ほら人崩も止まったし結果オーライ!」
 オロオロしているエリオンに、ブルーテは余裕で親指を立てる。
 結構な勢いでぶち当たったけど、鍛えてますから(ヒールかけたし)!
 他の皆もこの程度のアクシデントはあって当然(だってコメディだもん)と余裕の表情だ。
 狭い隙間をどうにかくぐり抜け、一行は更に奥へと向かう。より慎重に、より注意深く、コメディの神様に隙を見せない様に。

「エフィ、これはどっちだろう?」
 分かれ道で立ち止まった江流がエフィルミアに尋ね、探波での走査を頼む。
「こっちですね。向こうは行き止まりみたいです」
 他にも探索系のスキルやダンジョン知識など、各自が使えるものを総動員して様子を探り、エイミーがマップを作り、途中で見付けた宝箱は残らず開けて、普通のカカオ豆しか出て来ないことにちょっとガッカリしたりして――

「今度はどちらもずっと奥まで続いていますね」
 何度目かの分かれ道で、判断に迷う事態が起きた。
 だが大丈夫だ、ぼくらには超嗅覚が自慢のギャメルがいる!
「オレの出番だな!」
 ギャメルは前に出て、空気の匂いを嗅ぐ。
「こっちだ、幻の豆と同じ匂いがする」
 ギルドで嗅がせて貰ったそれは、微かに他の豆とは違う匂いがした。
「この匂いがきっと美味さのヒミツなんだろうな」
 他の豆にはない匂い、その原因が間もなく明らかに!

「コウモリさんが多くなってきましたね!」
 光が届かない高所を孤高者の捜波で探ったエルナの言う通り、辺りには次第に生き物の気配が濃くなり始めていた。
 それに伴って、洞窟内の空気も変わってくる。
「何だ、この匂い……」
 ギドが思わず顔を顰める。
 濃度が低いせいか臭いとは思わないが、ほんのり漂う夏場の生ゴミ感。
「ギャメルは大丈夫――」
「これも仕事のためだ! オレは最後まで頑張るぜ! 絶対にこの任務をなしとげてみせる!」
 あ、だめだこれ高濃度の生ゴミ臭でテンションおかしくなってる。
「ほら、これで少しは楽になるだろ」
 香水を染み込ませた布を手渡されたギャメルは、それを思い切り吸い込んで――
「うぎゃ!」
 超(犬並みの)嗅覚には良い匂いの香水さえも凶器となる。
 だが仲間の厚意を無にしない義理堅い漢、それがギャメル!
「ありがとな、お陰でリフレッシュ出来たぜ!」
 え、なんか変な声出てた? あんまり良い匂いだから驚いただけさ!

 先頭を行く江流は、低い天井にぶら下がっていた一匹のコウモリにそーっと触れ……ようとして、逃げられた。
(……コウモリは視覚じゃなくて超音波の反射で物の位置を把握するんだっけか)
 となると、いくら気配を殺しても気付かれてしまいそうだ。
 触れなければ動物交感も使えないが、同じ命あるもの同士なら気合で通じると信じて心で念じてみる。
(邪魔してごめんよ。カカオ豆を採りに来たんだけど、何か知らない?)
 反応はない。
(巣に案内してくれるだけでも良いんだけど)
 と、コウモリが音もなく飛び立った。
(偶然、かな)
 後を追ってみると、天井の高い大きな広場の様な場所に出た。

 エンライトの光に浮かび上がったのは、天井を埋め尽くす真っ黒な塊。
 そして足元にも真っ黒な塊。
「うわ、これ、糞だね。踏まないように気を付けようっと」
 エリオンが思わず足を引っ込めるが、そこは一面の……つまり踏まずに歩くのは無理、という密度。
 ここが彼等の巣である事は間違いない。
「まずは一匹捕まえてみるか」
 先程の件で忍び寄りは無効とわかった。ならば光縛呪の準備をして待ち構えるエリオンの方に誘導しよう。
「あ、ちょっと待って下さい!」
 エルナが広場の奥を指差した。
「向こうにコウモリさんが逃げ込めるくらいの広い場所があるんです。こっちに向かってきて変な場所に迷い込んでは大変ですから!」
「わかった、僕はそっちで待ってれば良いんだね」
 エリオンが足元を気にしながら広場を横切って行く。
 準備が出来たら追い込み開始だ。
 江流がわざと大きな身振りで空気を乱しながら壁歩きで近付き、驚いて飛び立った所でエイミーがエアーライドを使って更に追い立てる。
 地上ではギャメルがヤケクソ気味にわーわーと走り回っていた。頭上から何かがボトボト降って来るが、それが何かは考えたらダメなやつだきっと。
 コウモリはエーテルの光に捕らわれると、抵抗する素振りも見せずに大人しくなった。
 ひとまず三匹ほど生け捕りにしたら、ギドとエフィルミアが威嚇攻撃で残りを追い払う。
 これで頭上の安全は確保出来た……色んな意味で。
 さて、幻のカカオ豆はどこかなー?

 逃げたコウモリの後を追ったエルナは、手の届かない場所に固まっている(動物交感が使えない)彼等に気合で思いを伝えてみた。
「ごめんなさい! ちょっとだけ場所をお借りしますね!」
 そこの壁には見覚えのある物が無数に突き刺さって……いや、生えていた。
「まさかここは、カカオの実がなる壁!?」
 エルナは超速で理解した。
 ここが彼等の餌場である事を。
「なるほど、豆ではなく実を丸ごと食べるんですね!」
 という事は……ん? あれ? なんかちょっと嫌な予感がするよ?
 エルナは足元に目を向ける。そこにも黒い物体が積み上がっていた。
「……あ、まさかこの中にあるモノが……」

 エンライトの光は全てをクリアに明るく照らす。
 地上の堆積物も、皆の頭上から降り注いた何かも。
「あの糞の山に豆っぽいものが……? え、噓でしょ?」
 エフィルミアは思わず二度見三度見。
(未知の発酵方法、コウモリのいる場所でしかとれない……)
 それらの事実が今、答えを導き出す。
「そういう事ー!?」
「先の発見者が言い淀んでる時点で何となく察してたが、うん、圧巻だな」
 ギドが光を失った目で笑う。
「まぁなんとなく予想はできてた」
 江流は「やっぱり」という顔だ。
「ま、まさか……いやいや馬鹿なそんなことあっていいわけがないでしょう、カカオだよ!? 高級菓子だよ!?」
 うっかりピーンと来てしまったエリオンはささやかな抵抗を試みるが、それが失敗に終わる事は最初からわかっていた。
「諦めて帰るわけにいかないし……やれそうなことはやらないとね……」
 頭や肩にもくっついてるし、ここでやめたら汚れ損だ。
「大丈夫です、肥料のようなものと思えば苦ではありません……!」
 エルナは豆だけ拾って麻袋に入れ、ピュアウォーターだばぁ!
「うん! 見た目は大丈夫! 匂いの方は……」
 あ、意外と良いかも。出自を気にしなければ、このまま食べても良いくらい……食べないけどね!
 エリオンも持ってきた水で洗ってみる。
 うん、確かに綺麗にはなったけれど。
「何か大事な物をなくした気分」
 さよなら、特別なチョコをぜひ食べてみたいと目を輝かせていた僕。
 いっぱい豆を持ち帰ったら食べられるチョコも増えるかも、とウキウキ麻袋や手袋を用意していたブルーテも、やはり今では無心で手を動かしている。
 考えるな、考えたら手が止まる、豆と豆以外に分けて、ひたすら麻袋に詰め込むんだ。でもご褒美のチョコは食べてみたい。
「だいじょうぶ、乾燥してれば匂いはそうでもないし、ばっちくない!」
 エフィルミアもやはり無心、乾燥したモノなんて見当たらないけどだいじょうぶ。
「ほら、フルーツ感もありますし!」
「全部洗いたいけど、洗ってないのも必要だよな」
 ギドは香水を染み込ませた布で口元を覆い、気合いを入れて掴んだ豆をそのまま麻袋にポイポイ。
(最近こんな依頼が多い気がするな……)
 何かの陰謀か?
「発酵ってパンやチーズ作りのアレか。確かアレって温度と菌とかが関係してたな」
 ギャメルは粉塵を吸い込まないようにバンダナをマスクにして、せっせと豆を分別していく。
 そのついでに湿気や気温、風の流れなど洞窟内の環境を確認し、黒い山の表面と内部の温度を手で確認してみる。
「体感でわかる範囲だが、環境の調査も仕事だからな」
 古そうに見える山に見た事もないキノコやカビが生えているのは、栄養が豊富なせいもあるのだろう。
「こいつは肥料にも使えそうだぜ」
 それはさておき、まずはこの不都合な事実をどう報告するか、だが。

「真実をしらせないのも不誠実な気がするし、しらないままでいた方が幸せだし、どうしたもんかなぁ」
 せっせと豆を拾いながら、ギャメルが呟く。
「私としては商人ギルドの一部上層部にのみお話しするのが得策かと思います」
 エイミーの言葉に、ギャメルは「おっ、名案だな!」と顔を輝かせた。
 他の皆も大方がその意見に賛成の様だ。
「結果として舌鼓を打ったとしても、過程が過程ですので正体を知ってしまった者の精神衛生上、宜しくない事も考えられますから」
 今のところ食中毒や感染症といった事件の報告はない為、単純に印象(イメージ)の問題という事になるだろう。
「個人的には罰ゲームのアイテムにもなりそうですが」
「いや、なんか他にも似た様な食材があるって話だよ」
 江流の声に、驚いた皆の視線が集中する。
「珍味とかそういうの扱ってる商人にそれとなく訊いてみたんだけど、わりと抵抗なく受け入れる人が多いらしい。高いのに結構売れるとか」
「正体を知っていても、ですか」
 エイミーの問いに厳かに頷く江流。
「わかる、真実を知ってなお味は気になるその気持ち」
「世界は広いんだね……」
 ブルーテの呟きに、思わず目を細めた何とも言えない表情(チベスナ顔)になるエリオンだった。
「でも今回のはやっぱり秘密がいいな。損する人が出ちゃうのも、コウモリが乱暴な扱いされるのも嫌だよ」
 捕獲したコウモリも役目が終わったら元の場所に戻してやりたいし。
「私としては、共生……聊か乱暴な言い方としては飼育を試みるのも手ではないかと思ったのですが、難しいでしょうか」
 それが無理でもカカオの木を近場の森に植えるなりして生育環境を整えるくらいなら可能な筈、とエイミー。
「後はコウモリが餌を獲り、そこから理想のカカオ豆を作り、ギルドの者が回収する……都市伝説でも流布すればプレミア的な価値の暴落を防げるのと真実の隠蔽とで一石二鳥と思います」
「採集が冒険者独占にしておけるならそれもいいよね」
「だな、一般人が不用意に立ち入るのも危険だし」
 嬉しそうに言ったエリオンに、ギドも頷く。
「最初の発見者も今回のメンバーも、全員冒険者だったから出来たことだ」
 今回コウモリが驚異にならなかったのは、徹底的に戦闘を避ける方向性で動いたせいかもしれない。もし面白半分に攻撃する様な連中があの場に踏み込んだら……
「そいつらが返り討ちに遭うのは自業自得だが」
 乱獲、殺戮、からの巣の放棄……想像するだけでも碌な事がない。

「纏めると、こうなるでしょうか」
 エフィルミアが言った。
「そのいち! これを取りに行くのは大変で、冒険者じゃないと無理です! 金に目がくらんだ一般人に手を出されると危険なので製法は教えられません!」
 こうすれば豆の価値は下がらないし、冒険者じゃないと取れないというプレミアもついて商人もギルドもWinWin!
「そのに! 強い敵は出てこないので、今後初心者冒険者さんがお金を稼ぐのに役に立ちます!」
 ギルドとしても貧乏な初心者が無理をして死んでしまうのは痛手だし、こういった報酬は高いけど簡単な依頼は必要でしょ?
「信頼の置ける冒険者を選べば、巣が荒らされたりする心配もありませんしね」

 方針は決まった。
「コウモリさん、お邪魔しましたー!」
 巣の状態を出来るだけ元に戻し、エルナが別れの挨拶を叫ぶ。
 後は来る時に作ったマップと要所に設置したロープなどを頼りに帰るだけだ。

「外に出たら、まず水浴びだな」
 歩きながらギドが言った。
「食べ物を持って帰るのに、この有様じゃ拙いだろ」
 もっとも、未洗浄の豆や副産物の匂いはどうにもならないが――


 その後、市場に流通する幻の豆はほんの少しだけ幻ではなくなったが、その製法は極秘のまま固く守られているという。

 なお、追加報酬として配られた例のチョコを彼等がどう扱ったか、記録は残されていない。

マスターコメント

お世話になっております。STANZAです。 この度はご参加ありがとうございました。 無事、この世界のチョコの歴史に新たな1ページが刻まれた様です。 ……で、貰ったチョコは皆さんどうされたのでしょう……
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:多い8 / 4〜8人

2021年03月29日 11時09分32秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ギャメル

    ヒーラーのギャメルだ。みんな、よろしくなー! 探索用に超嗅覚、運搬用にマジカルポケットあたりを用意しておこうかな? 幻の超高級カカオ豆の真実……報告するか秘密にしとくか……。 真実を報告するのが誠実ではあると思うけど、知らない方が幸せな内容でもあるし、まだオレの中でも方針は定まってねぇや。

  2. エイミー・アルドリッジ

    メイドにしてシーフのエイミーと申します。よしなに。 幻の超高級カカオ豆の正体が、まさかその……コウモリさんの老廃物というのは想像がつきませんでした。 ですが何も知らずに味わった方々の評判は上々だったそうで、上手くいけばそれらを肥料にしてカカオ畑の作物の純度を上げる事が出来ないものか、確かめてみたいです。 それにその、排泄物から作られた結果となったチョコにしても、ちょっとした罰ゲーム用の品にも?( 何はともあれ、店の評判や噂もあって、糞だけでも上記の通りに使えないか交渉してみる必要がありそうです。 戦闘に際してはエアーライドで無理矢理空を飛びつつ、腱撃や毒撃で状態異常をばらまいておきましょうか。

  3. 海神 江流

    シーフの海神江流だよ。今回は宜しくね。 まぁ、説明読む限り発酵はコウモリの腹の中で進んでるって事だよね。 カカオ豆の体を保ってたって事は、コウモリの消化器官では消化しきれない感じなのかねぇ 腸内菌とかまでは難しいだろうけど、温度や湿度を再現するくらいまでは実現できない事もないだろうから、そっち方面で助言出来たらいいかと考えては居るけれど。 真実を伝えるべきか否かはここでの相談の結果に従うつもりだよ。 エアーライドも持っていくけれど、洞窟内だし壁歩き主体でコウモリに手が届きさえすればいいかなって心づもり。 武器が届かないなら衝撃波でも放っておくかなと。

  4. エイミー・アルドリッジ

    すみません、見直してみたらあくまで目的はカカオ豆の真実や秘密を探る事であって、戦闘や討伐ではありませんでしたね。 どちらにせよ海神さんの言うように、カカオの実を消化する過程でこうなったとも思われますから、理想を言えばカカオコウモリの飼育といいますか家畜化が出来れば商人ギルドや菓子職人にとっても大きな一歩となる事でしょう。 魔獣の類かとも早合点しまして、それ相応の凶暴性があるとも思いましたが、どうやら草食性で攻撃力も低いとの事。 ただ、仮に家畜化の為に生け捕りにしようともなれば危険を察知するとすぐに逃げ出すとの事ですから一筋縄ではいかず、ダンジョンに生息する事でしょうから生育環境を整える事も難しいのかもしれません。 私としてはとりあえず、ギルドの一定以上の上層部にのみ真実を話し、その上でオオコウモリ絡みの是非を問おうかと思ってます。

  5. エルナ・クルプファルツ

    エルヴンシューターのエルナです!皆様よろしくお願いしますね! 幻の高級カカオ豆を持ち帰るのが目的ですね!その製法も見た目も大分アレですが……! 豆自体はコウモリさんたちの巣の真下に山盛りになっているアレの中を探せば入手できるかと思いますね! 綺麗により分けて洗浄したものと、天然の状態そのままにアレごと採取したものとに分けて持ち帰るというのが良さそうかなと思ったりしました! 製法について依頼主に言うかどうかについては、私は言ってしまってもいいのかなと思っていたりします! 綺麗により分けて洗浄したものは、アレの中にあったなんてとても分からないわけですから、商人ギルドの方たちが不都合な真実に口を閉ざせば、販売する上での問題は何もないかなと! 好事家になら真実を知っても需要はありそうですが……!

  6. エフィルミア

    シーフのエフィルミアです!よろしくお願いしますっ。 だいじょうぶ、ばっちくない。ばっちくない。(大事な事なので二度) 超嗅覚は一歩間違えると苦しみが増しそうですね…。嗅覚があると発見は楽になりそうですが…。 こう、尊い犠牲になってしまわないか心配でっ。 コウモリはすぐ逃げるみたいですし、チョコの発酵には欠かせない存在なので 倒さずに威嚇攻撃だけして逃がしたいですっ。 製法については…私は内緒にしとく方が得かなって思ってます。 エイミーさんの言う様に「ギルド上層部にだけ話す」に一票です! コウモリの巣でこのカカオ豆を取りに行くのは大変で、冒険者じゃないと無理! 金に目がくらんだ一般人に手を出されると危険なので製法は教えられない!ってした方が 豆の価値は下がらないし、冒険者じゃないと取れないというプレミアもつくし 強い敵は出てこないので、今後初心者冒険者さんがお金を稼ぐにも役に立つかなっと。

  7. エリオン・ザ・スターシーカー

    エリオンだよ。これが初めての依頼なんだけど、お役に立てるように頑張るね。 コウモリは追い払って、その隙に目的のものを回収するのが楽そうだね。 目的のものが、その……ブツの中、というのは、推測できていいのかな? コウモリが関わってることはわかっているから、追いかければいいのかな。 やっぱり超嗅覚は役に立ちそう。でも……えっと、気をつけてね? 僕はあんまり情報公開しないほうがいいんじゃないかなって思ってるよ。 思い込みって解くの難しいし、それで損する人が出てきちゃうのも、なんだかなあって。 ギルド上層部にのみ報告なら、賛成だなー。

  8. ギャメル

    エフィルミアにエリオン、臭いのこと心配してくれてありがとうな。 オレとしちゃあひどい目にあうのはまっぴらなんだが、背後で糸を引いているヤツが面白がってやがる! 周りに強い敵は出ないっぽいから、臭いに悶絶してるゴブリンがいても全体的には危険なことにはならない……はず! 超嗅覚で探索にあたるぜ。 わあっ、エイミーの案はいいな! ギルド上層部にのみ報告って手もあるんだな。いい感じの落としどころだと思うぜ。

  9. ブルーテ・ビシア

    シーフのブルーテ・ビシアだ。よろしくな。 それにしてもこれ最初に見つけた奴はよく持ち帰ろうとしたな……。 超嗅覚等で索敵、ギャメルが心配になりつつコウモリの密集地帯探す、と。 見つけたら周囲を精査。幻のカカオ豆の在り処に気づく、流れか? コウモリはエフィルミアの言うように威嚇攻撃で散らせるならそれでいいかなと。 製法については、上層部など一部にのみ報告で俺もいいと思う。 信じて貰えなかったら、洗浄済みの一部を渡して 依頼の品に間違いがないか確認して貰えばいいしな。 その後どうするかは商人ギルドのことだし向こうで上手くやりそうなもんだが。

  10. ギド・フェルミ

    最後になっちゃったごめんよ!シーフのギドだ、よろしく頼むねー。 意外なところから高級品が出てきたもんだな、残り物には福があるってやつ? 超嗅覚で探索しながらコウモリ捜索だな。ギャメル……あ、あんまり無理するなよ! すぐ見つかればいいが長時間の探索になると気が滅入りそうだな…気休めに香水とか持って行くか? 威嚇して追っ払うのも賛成、戦闘しないならそれに越したことは無いしな。サウンドボマーあたりなら持っていけるぜ。 製法の報告は上層部だけでいいと思う、先入観って結構大事だからな。 信じてもらえそうにないなら製造過程を証明するために、カカオ食べてそうなコウモリ一匹仕留めて持って帰るとかもどうだろう。

  11. エイミー・アルドリッジ

    とりあえず、私の方は先に仮プレだけ済ませておきました。 調査結果の報告が主ですので、洞窟探索の方はまだ手付かずですが、カカオコウモリに関しては生態調査という事で軽くちょっかいをかける程度に留めるつもりです。 コウモリの生態とか性質も、報告しておかねばなりませんから。 あれほど舌鼓を打ったのですから、精錬の際には臭いが気になっても仕方のない所ではありますが。 その過程で特にそんな話を聞いていない辺り、異臭は糞(?)を見つけた時には既に風化しきった程時間が経過したという事も考えられますね…… 何がしかの菌や老廃物も一緒に排されたとなれば、超嗅覚で目星をつけるというのは大変有難いです。 他に気になる事と言えば、その精錬した豆を使ったチョコを食べた事で感染症や食中毒になったという話を聞いたかどうか、ですか。 消化と発酵の結果としてあれ程の美味になったとしても、カカオコウモリの腸内細菌が人間や他種族にとって無害かどうかの保証も無いでしょうから。

  12. 海神 江流

    パンダは笹を食うけど、自分で消化できないから、その糞については殆ど匂いがしないってのを聞いた事がある。ので 似たような状況なら、発酵したカカオ豆自体にはそれを感じさせるような匂いはしないのかもしれないね。洗浄するのは必須だろけども。 そのくらいで済むようならお上にだけ報告しといたがバレたとしても凄い騒ぎになったりしない…といいな。 これで作ったお菓子を提供するための調査な訳だし、クレーマーの温床になるような取り扱いにならないように気をつけたいね。 お上に報告した時に、そういう食べ物を取り扱う流通の専門家さんを交えてどの程度の周知に留めるのか相談してみるのも一手かも。 その道のプロなら、一見食すを躊躇うような贖罪の取り扱いなんてのに慣れてるかもしれないしな。 現地ではカカオコウモリを一匹捕まえて連れ帰れないか試してみようと思うよ。 生きてる方が色々有益そうだしね。

  13. ギャメル

    >ギド 心配サンキュー! オレは道具枠がいっぱいで香水は持っていけそうにないー。 超嗅覚のない人も強い臭いは感じるだろうから、香水とかバンダナで自衛するのもいいかもな! >洞窟 通路はかなり複雑だな。マッピングとかしとくか。 灯りも必要かな? エンライトを持っていくつもりだが、生け捕りとかを考えてる人の邪魔しちゃうようなら教えてくれ。他の手段を考えるぜ。

  14. エリオン・ザ・スターシーカー

    マッピングは必要だよね、きっと。帰りの心配はいらないみたいだけど、ちゃんと把握しておかないと同じ場所ぐるぐるしちゃったりしそうだし。 他にどんな準備があるといいかなあ。滑りやすいみたいだし、複雑に枝分かれしてるし、バランス感覚とか方向感覚とかもあると使える? 僕はひとまず洞察を準備してみたよ。看破よりもこっちかなって……ぴーんとくる、的な……だって普通の発想じゃないもんね…… コウモリの捕獲はしたほうがいいって僕も思うから、光縛呪も持ちました。

  15. ブルーテ・ビシア

    出発時点では豆の状態は知らないわけだが、 「豆をたくさん持ち帰る」目的で麻袋を持っていくつもりだ。 これにまとめればマジカルポケットにも入れやすいかと。 あとは拾い集めるために手袋とか……ピュアウォーターも要るか……? 俺の方も補助的に索敵しながら進むとしよう。 ランタンを持ってくのと、スキルは捜波とダンジョン知識は入れる予定。

  16. エイミー・アルドリッジ

    コピ・ルアクについて少し調べてみましたが、成程かなり乱暴なやり方でコーヒー豆を作られているのですか…… もしサンプルの為にも捕獲を試み、ギルド上層部の説明にも使うのであればエフィルミア様の案のように都市伝説、カバーストーリーの流布も考えた方がいいかもしれません。 幾ら好物といえども無理矢理カカオの実を食べさせ続けるのもストレスを溜めるだけでしょうし、これ程の美味ともなれば下手に騒ぎが大きくなるとカカオコウモリの乱獲の可能性もあります。 それにプレミア価格がつく事や、アレな真実の隠蔽もあって一石二鳥といえましょう。 位置感覚でしたら私は持ってますのでマッピングを行いましょうか? ダンジョン知識とは別物と思われますから、過信は出来ないかもしれませんが。 灯りにランタンはこちらも持っておくのと、マッピング用に羽根ペンと紙持参で参ります。 ダンジョン探索とか、カカオコウモリの捕獲を試みる性質上ではありますが、シーフが多いですね( 私も壁歩きを習得して、とも思いましたが広さや内部構造次第では皆様の足を引っ張りかねませんか…… 正直な話を申し上げますと ◆その他 の項目で 「その場合は依頼主の印象悪化と価格の急落が避けられないだろうが、説得によって回復も可能、かもしれない」とありますので。 これは話術と交渉、どちらが有用なのか気になっている次第ですので。

  17. エフィルミア

    マッピングありがとうございます! マッピングをお手伝い出来る様に、探波を持っていきますねっ。 コウモリを見つけるための捜波も持ちました! ブルーテさんも捜波を持ってくれるみたいなので、2人いれば安心かと思います。 一般スキルは採集と看破にしてみましたっ。エリオンさんの洞察と合わせれば、完璧な布陣!多分! 威嚇射撃用の魔矢とカカオ豆採集時の明かり用にエンライトを持ったので、 コウモリ捕獲後はさくさくカカオ豆を採りましょう!

  18. ギド・フェルミ

    >ギャメル あ、そしたら俺が香水持っていって渡そうか。 コウモリってハッカの匂いとか嫌いらしいし追い払いにも使えればいいかなと。 見た感じで今のところの皆が持ってくアイテムとスキルまとめるな。 パッと見だから抜けがあるかもしれない! ■エフィルミア 探波、採集、看破、魔矢、エンライト ■エイミー 位置感覚、ランタン、羽ペン、紙(マッピング) ■ブルーテ 捜波、ダンジョン知識、ランタン、麻袋 ■ギャメル 超嗅覚、エンライト ■エリオン 洞察、光縛呪 ■江流 エアーライド、壁歩き(コウモリ捕獲) 洞窟探索のスキルは一通りそろってるかな? 俺も豆持ち帰り用の麻袋と水は持っていくとして、 スキルは帰った後に依頼主との話し合いのために洞察と交渉あたりを持っていこうかと思う。

  19. 海神 江流

    マッピングは助かるね、ありがとう。 素直に頼らせてもらうよ。 【暗視】を持っていこうと思うんで、俺が先頭に立とうか。 エンライトや松明の明かりでコウモリやらに逃げられたり、警戒されたりってのを避けれると思う。 カカオ豆の持ち帰りは必須なんだし、手持ちが増やせるようにバックパックを用意しておくことにするね。

  20. ギャメル

    >エイミー 位置感覚ある人にしてもらえると助かる! ありがとう。 道具は羽ペンと紙の他に、インクがあるといいかも! 灯りは、エフィルミア、ブルーテ、オレの三人が用意してあるから、任せてくれー! 話術と交渉は、エイミーがどんな感じで話すかで変わってくるかもな。 話術は日常的な会話で使うものらしいぜ。 こちらが有利になるように相手に損得勘定させるなら交渉かな? >ギド おっ! サンキュー! みんなで良い香りをくんくんして悪臭を紛らわせながら進んでいくんだー! >江流 先頭よろしくな!

  21. エイミー・アルドリッジ

    灯りは3名が用意され、海神様が暗視を担うと……有難いです。 考えてみれば筆記用具は羽ペンですから、インクが無いと書けませんね。 フェルミ様が交渉を担うのなら、私は話術スキルで斬り込んでみようかと思います。 副産物の利用に関しては交渉が必要と思われますが、必須条件やカカオ豆が出来る仕組みを伝えるにあたっての意見具申なら、私からは話術をも試してみたいです。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0