オークが多くなり過ぎた話

わるいひと。

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シナリオID:626

オープニング

「あー、お前ら。手が空いてたらちょっと一仕事してくれ」
 ギルドマスターは頭の後ろをかきながら手招きする。すごく面倒そうな顔だ。
「ちょっと人里が殆どない山岳部の複数の洞窟に、大分昔に大規模な人型亜人の集落があったんだ。
 その集落は一度完全に狩り尽くしたんだがな。
 最近になって人里付近でオークの出没がぽつぽつと出始めたから、人を派遣して偵察に行かせたんだ」
 なんだか先が読めた。
「まぁ想像しての通り、そこにオークが住み着いて増えまくっていたそうだ。
 しかも昔の洞窟だけじゃ収まりきらずに地上にも大規模に集落を広げて、
 とりあえずどこまでいるのか見当付かない」
 マスターは大きく溜め息をついた。
「そういうわけで仕事だ。内容は大規模なオーク狩り。
 大昔の討伐の際と同規模で人数を駆り出すことになった。
 オークなら手間取るほどの相手じゃない。個体差はだいぶあるがな。
 とにかく数が数だし範囲も広い。可能な限り探して、殲滅してきてくれ」
 さっさと行ってこい、とばかりにマスターは手をしっしっと振った。

解説

・目的  集落付近一帯のオークを可能な限り殲滅する ・敵  オーク×とにかくたくさん   とにかくやたらたくさん増えたオークです。   授恵者ならまず問題なく倒せる強さです。   数が多いので参加者の人数次第で適度なところで撤退するのも選択としては問題ないです。 ・場所  1:地上集落    ここだけでもかなり多いです。    2の洞窟に入るにはここをある程度制圧する必要があります。  2:洞窟集落    かつて別の人型亜人の巨大集落のあった場所。    今は更に拡張されてわんさか増えているので狩り尽くしましょう。  3:周辺地帯    集落から一時的に離れているオークなどが点在しているでしょう。    徹底的に探して可能な限り狩ってください。

マスターより

わるいひと。です。 お財布に優しいイベシナで皆でオーク狩りをしようというシナリオを出してみました。 皆様の多くのご参加をお待ちしております。

リプレイ

 大規模なオークの複数集落レベルの殲滅作戦。
 当初ギルドマスターは割と強引に仕事を与えるつもりだったが、案外乗り気な冒険者たちが集まってあっさりと人数が揃った。

 そして今は出発前のブリーフィングといったところである。
 ギルドの一角を使い、壁に貼り付けた大面積の地図を前に人里から集落までの侵攻ルートをマスターが説明する。
 手伝いの受付嬢が席に付いている冒険者たちにそれぞれ地図の写しを渡す。キオルティスもそれを受け取った。
 そして作戦の最中で息切れが予想されるので、適度なタイミングで前線を支える者と交代して制圧済みの区域に下がり、休息を取ってコンディションを回復することなどが指示された。

 そして、総勢25名の作戦参加者たちはビッグオウムへと乗り込み、一斉に空へと飛び立った――。

●地上部制圧戦・前
 今回の依頼で出現報告のあった人里に降り立ち、道中ちらほらと現れるオークたちを蹴散らしながら一行は侵攻する。
 次第にその数は増えていき――ついに、問題の集落の地上部分へと到達した。

「おーほっほっほ、オークがどんなに増えたとしても無駄無駄無駄であることを教えて差し上げますわ!」
 バンビは高笑いとともに最速で氷嵐をぶっぱして開戦の狼煙を上げた。
 別にテンション上がって適当に範囲攻撃を叩き込んだ訳ではない。ちゃんと考えあっての攻撃だ。
 数が多いことで最も厄介なのは、まとまりがなくとも数の圧力でこちらを突破しようとすることで。
 これにさえ注意していれば烏合の衆と変わらない。
 敵に気付きを与えないように考えて立ち回るバンビである。

「オークが……多く……なるほど!」
 ニーラ・メッコは今回の依頼の裏側(ネタ)を察した。まぁそのまんまだからね。
「とにかく、まずはオークをやっつけまくるよ!
 先に進むためにも、洞窟の掃討に向かった仲間が撤退するためにも、ココの確保は大事だよね!」
「そうッスね。洞窟内へ向かう人が行きやすいようにちゃちゃっと制圧していきたいッス。
 洞窟内へ地上のオークが行かないようにもキッチリ倒していかないと、ッスね」
 アンジェリカ・ミュクーサ・リーズデルトが同意した。
 それぞれが天に掲げた杖に魔力が収束する。
「いくよ! ニーラ☆インフェルノ!」
「爆炎ッス!」
 立て続けに解き放たれた爆炎2と爆炎がオークの集団へと叩き込まれ、その身を焼き尽くした。

「オーク共め、殲滅するぜ!
 俺の名は――『【オークキラー】アルベルト』だ!」
 高らかに名乗りを上げたアルベルト=V=シュタールシュヴェーアト。
 チャージングでオークの集団に接近すると、闘気槌2で纏めて薙ぎ倒す。
「オーク狩り放題か。なるほど……憂さ晴らしには丁度良い。
 豚人、と聞くと美味そうだが所詮害獣。その風貌は醜く斬るのに罪悪感も抱かん。
 でっぷりとした脂肪は斬り応えがあってそこそこ愉しいんだ」
 スヴァン=ウォルフ=ユーウェンもアルベルトに続く。
 ペインキルで痛覚を遮断した彼は、防御を捨てた狂戦士となり範囲攻撃で戦場を暴れ回る。

「ふーん……ま、生存競争ってヤツなのかな」
「まぁ……増えすぎて影響出るなら駆除するしかないよな」
 月とケン・Z・ブラッドリーのコンビは口にはしたが、その声音に同情やその類の色はない。
 まずはケンが天眼で視野を確保して周囲の敵の配置を確認。
 月を始めとする仲間の方へと追い立てるように追い込みをかける。
 そしてケンの後方の月は纏まってきた敵を範囲攻撃で一度に焼き払う。
 ケンも追い討ちをかけるように薙ぎ払いで斬り伏せるのも忘れない。

 キリクはロープと食べ物を使った簡単な罠を張って、転倒したオークを射る作戦でいたが――。
「……乱戦になりすぎていて罠を張る余裕もオークが食べ物に目が眩んでやってくる余裕もなさそうだな」
 仕方がないので普通に貫通衝撃射を使うことにしたとき。
「攻撃するんだろう? ちょっと補助をかけさせて欲しいんだ」
 戦闘中の仲間をサポートして回っていたゲルトが輝刃をキリクに付与した。
「助かる」
 輝刃を付与された一射が纏めてオークたちを貫く。
 キリクに堅甲も付与すると、互いの武運を祈ってゲルトは戦場で別れた。

「なんでこんなに増えるまで放置されてしまったのでしょうか……。
 まあ、今更言っても仕方がないですから退治はちゃんとやりますけど」
「えぇ。人里の方まで被害が出る前に退治する、です」
 ライル・クライブスが半ば呆れながらもやる気を見せる言葉に、蒋・璃龍が応える。
 地上の制圧に集中するライルはある程度消耗しても構わない気構えで敵陣に切り込む。
 璃龍は味方と連携しながら集落を包囲するように攻め込んで逃がさないようにし、殺界や闘気槌での範囲攻撃で纏めてオークたちを始末する。

「腕試しに丁度だ、どこまで殺れるか一丁やってみるか」
「ちょっとした魔法使いごっこでもしようか」
 太刀にエーテルブレードを纏わせたカルフ・オルヴォとウォーリアながら杖を手にするサイラス。
 カルフはまず様子見に間合いに入らないようにして一体釣り出す。
 そこから破鎧砕、強打と続けたところすんなりと倒せたのを見て。
「少数なら普通に攻撃していけそうだな」
 敵の力量を把握すると、少数ずつ引き離すスタイルのままそこからは一気に仕掛ける。
 サイラスは魔法をバンバン撃ちまくり纏めてオークたちの命を刈り取る。
「ブレスごっこもなかなか楽しいもんだな」
 本人はちょっとしたドラゴン気分を味わってみてテンションが上がっていたり。

「やれやれ、あんまり荒事は好みじゃないのだけれど……。
 ベルだけ危ない目に遭わせる訳にもいかないし……宿代も尽きてきそうだしね……」
 イル・シャーリィはララベル・サン・ディーベルの宿に泊まっている客人だ。
(オークの大規模進行とかなったら大変だもんね、人々の平和な暮らしを守る為にも頑張らなくちゃ)
 こんな具合で彼が熱血しているから依頼に付き合うことにはしたものの。
(付き合いはそこそこだけど実は一緒に戦うのは初めてなのよね……。剣を合わせた事くらいならあるけど)
 内心コンビで初めて戦うことに戸惑いもある。
「イル、行くよ……デュエットの始まりだ」
「腕前……拝見しようかしら。頼りにしてるわよ」
 イルがララベルに囁くと、踊るように敵陣に切り込んだ。
 ふたりで疾風足でオーク集団を逃がさないように回り込み、刃煌めかせるたびに敵の首が飛ぶ死のワルツ。
 首のない死体たちのダンスホールで背中合わせに並び立つ。

 こうして冒険者たちの戦いぶりによって、最初の洞窟への道が切り拓かれた。
「……洞窟への進路が確保できましたわね。私はここから内部の制圧に向かいたいと思います」
 ネーヴェ・グラヌローザは知人であるスヴァンへ話しかけた。
「そちらは任せるとする。俺はここいらの連中を片付けたら周辺の狩りに行く」
 答えながらも彼は闘気槌2でオークたちの命をまとめて刈り取る。
「それでは、また後ほど」
 その背に言葉をかけると自身も背を向けて、ネーヴェは他の殲滅を目的とする冒険者たちと共に洞窟へと踏み入った。

●洞窟内殲滅戦・前
「私たちの愛と、勇気と、希望の力を一つにー!!」
 コハクを筆頭とする【喫茶店】のメンバーのひとり、ユークリア・フィナンシェ。
 高らかな声と共に、彼女に堅甲、輝腕2、輝刃2を洞窟突入前に順に付与し、あとは維持していく。
 そして自身はエンライト、看破、暗視で隅々まで索敵しながら一同は進む。
 カメリア・ローレンスも探波を始めとする各種索敵スキルで地形を確認しつつ、トラップを特に警戒する。
(コハクからの反対はあったけれども、守られるだけの私ではないわ。
 何よりコハクが私を守りたいと思うように、私もコハクを守りたいと思うもの)
 コハクからリアママと慕われる彼女の決意は固い。
 そしてすぐに最初のオーク集団と遭遇。
 すぐさま4人目のメンバーであるキーゼがレゾナンス・オブ・ヴァローを全員に、輝足をコハクに。
 そしてユークリアがサークルプロテクションを使う。
「さて、思う存分狩って下さい、皆さん」
「いってくる」
 付与を大量に施されたコハクが頷き、先手必勝からの疾風足での突撃。
 あとは闘気槌2やダブルエッジでの連続攻撃と暴れ回る。
 カメリアも彼女に続く。
 反対を押し切って前線に立っている手前、自身も無理はしないように前に出過ぎず。
 コハクとカバーし合える位置でダブルエッジや衝撃刃を駆使して戦う。
「前に出過ぎよ。皆と合流しましょう」
「リアママ。わかった」
 背中を合わせたふたりは戦場と化した洞窟内の通路で言葉を交わす。

●周辺地域遊撃・前
「エレノアと申します。宜しくお願いしますね。大量の数、放っておけば脅威になりますものね」
 エレノア・D・グリフィスは狼のフェルズを伴い周辺地帯の遊撃するメンバーに挨拶した。
(先日はついつい無理をしてしまい宙を舞ってしまったので、今回は慎重にいきましょう。
 ええ、今回はフェルズがついていてくれるのですものね。
 モンスターにかち上げられて宙を舞ったりすることはありませんわ。きっと)
 彼女はつい最近の失敗(黒歴史)を思い浮かべた。
 今回あるとしたら孤立したところを取り囲まれるくっころ展開くらいだろうけど、この心構えで臨めば問題ないだろう。
 遊撃メンバーのロイ・アウレアの発案で、分け方は一任し狩り残しや洩れを用心し集落を起点にそれぞれの狩場を区分けする。
「宜しくお願いね、フェルズ」
「わふっ」
 微笑んでフェルズの背を撫でると、彼女たちは戦場へ向かう。

「がんばろう、ね。セロンさん」
「はい。漏れのないように仕留めましょう」
 【帝国】のティトとセロンガード・シュタインドルフはコンビを組んでの狩りである。
 セロンガードが超視覚や孤高者の捜波で索敵した情報をティトにテレパスで共有。
 そしてその情報を位置感覚も用いたティトが最大限に活用する。
 セロンガードは目と射程で。ティトは足と前衛での回避能力でお互いをフォローし合いながらオークを狩る。

 ロイは相棒の狼ルプスと共に自分の担当範囲を回る。
「さぁ、一緒に行くぞ!」
「がぅっ!」
 勇ましく吠えて応えた相棒を先行させてエーテルリンクによる第二の目として斥候を任せる。
 自身は捜波とホークアイの索敵、位置感覚で迷うことを防止して、森の中を足音を消して走る。
 やがて少数のオークを発見。
 1体、2体……とルプスと協力して仕留めていく。
「お疲れさま、ルプス」
「くぅん」
 相棒の背を撫でてやる。
 単独での長期行動となるため、ロイの基本方針は温存での戦闘だ。
 ――こうした戦闘を何度か繰り返して自分の担当範囲が終わった後、一度戻りロイとルプスは仲間たちと合流した。

●地上部制圧戦・後
 戦闘開始から時間が経過した地上部の集落制圧。
 オークたちは数こそ多いのだが、今回の任務で集まった参加者はそれなりに手練れ揃い。
 正直、単に密集しているところを範囲攻撃で纏めて薙ぎ払われて始末されている。
 一部の参加者がある程度の段階で洞窟や周辺地域へと移っているが、離脱する前に残る参加者たちを一度交代で前線から下げて休息を取らせる。
 コンディションが回復した地上部の集落を制圧する冒険者たちは、たとえ人数が減ろうとオークたちはそれ以上に損害を与えているので遠慮なしに暴れ回る。

「ニーラ☆ブリザード!」
 アーケインテンペスト改を設置した上でのニーラの氷嵐がオークたちの身体を氷の刃で切り刻む。
 彼女のものを含む複数のアーケインテンペストをなんとか抜けてきたオークがいるが、
「スタティックフィールドッスよ!」
 アンジェリカがそれ以上の進行を許さない。
「ガンガンいきますわよ!」
 バンビの氷嵐が立ち往生するオークたちを仕留める。
「ほんといくらでもいますね……。まあもう大幅に狩ってはいるのですけど」
 ライルがダブルエッジとフェザーステップでオークの首を刎ねながら戦場を駆け。
「1、2、3体っと、あんま来るんじゃねぇよ……死に急がなくて良いんだぜ」
 カルフは間合いに入らずに寄ってくるオークを片っ端から斬り捨てる。
「みんないっくよー……! ――スターダスト☆ニーラ☆アターック!」
「爆炎、いくッス!」
「これも一興ですわね! 氷嵐!」
 ニーラのメテオライト2、アンジェリカの爆炎、バンビの氷嵐が立て続けに放たれ、オークたちが纏めて飲み込まれる。

 ケンの薙ぎ払いがオークたちの首を纏めて跳ね飛ばし、月の爆炎2が更に奥にいたオークたちを食い荒らす。
 そうしてぽっかりとできた空間に背中合わせにふたりは構える。
「ま……これだけいっぱいいりゃ、首狩りの練習がてらにゃ丁度いいか?」
「首狩ったら興奮する……? ふふ、どっかで鎮めてあげよっか」
 戦場のさなかにもかかわらず、月が背後からしなだれて囁き、誘惑する。
「後にしろよ」
「後ならいいんだ?」
「そういう意味じゃねぇ」
「ふふ♪」
 ケンにあっさりスルーされた月だが、これが彼女の平常運転なので気にもしていない。
 ……一応このやり取りの間にオークたちが突っ込んで来ていたが。
 先んじてケンが張っていた殺界に嵌り動けなくなったあとに切り刻まれていた。
 地に転がるオークたちの死体を一瞥し、ケンは呟く。
「それにしては最近、コイツラ増え過ぎだろう?」

 凄絶な――蹂躙されるオークたちの視点からだが――戦いの果てに、地上部の集落にいたオークたちはすべて始末された。
 この戦場で戦っていた者たちは交代で休息を取りつつ、未制圧の洞窟から敵が出てきたら対応する。
 全員が休息を終えると洞窟から出てくる敵を抑えるだけの戦力を残し、彼らは内部の殲滅へ向かった者たちと合流しに向かった。

●洞窟内殲滅戦・後
 途中から合流した者たちも加わり、既に複数の洞窟を殲滅しているこちらの冒険者たち。
 一度攻め込めばオークたちは袋の鼠と化した。

「私ったらなんてうっかりなんでしょう、間違ってエーテルブロー2のスキルを二つも購入してしまいましたわ」
 頬に手を当てたネーヴェの一言。あるよね、買い間違い。スキルじゃ子猫のアーテルのおもちゃにもできない。
「そんな折、依頼が舞い込んで参りましたの。これはまたとない機会ですわ。
 私のエーテルブローが火を吹きましてよ!」
 今回割とお茶目な彼女。エーテルブロー2をぶんぶん振り回してオークたちを殴り倒していく。
 とはいえはしゃいでいても、合間に味方へサポートするのも忘れない。

 捜波と暗視を駆使して進むキリク。
(……これはなんともおあつらえ向きだな)
 直線状の道の先にオークたちが隊列を成しているのを捜波で確認した彼は、相手に気付かれていないうちに隠蔽状態となり暗闇の中を待ち伏せる。
 やがて接近してきて十分に引き付けたオークたちを、不意打ちで放った貫通衝撃射が貫いた。

 璃龍とサイラス、アルベルトは協力しながら洞窟内を探索する。
「オークを残らず全滅させないとな」
「そう、ですね。後の禍根を断ち切り、ませんと」
 アルベルトの言葉に応じる璃龍。
 彼女は仲間と協力してマッピングし、分かれ道などで手分けしながら確認しに行ったことが分かるよう壁に印をつけ進む。
 探索漏れがないようにし、隠し部屋などがないかも調べる念の入れようである。
「敵だ!」
「それじゃ、ブレスごっこやるから下がってくれよ!」
 アルベルトにサイラスが前に出て応え、タイダルストリーム2を通路上のオークたちへと放つ。
「おォッ!」
 残ったオークたちにアルベルトがチャージングで接近し、闘気槌2でトドメを刺した。
「さて、まだ残りを探さないとな」
 アルベルトは2人に振り返って告げる。

 さて、こちらはコハクにバフをガン積みさせて暴れさせている【喫茶店】。
「……ははははは。……はははははっ」
 返り血を浴びたまま金色の瞳を輝かせ、オークを屠るその口元は三日月ように嗤っている。
 その暴れっぷりは無敵になるスターでも取って身体が点滅してるようなバーサークぶりだ。
 BGMも加速しているだろう。返り血で真っ赤だから3倍速かもしれない。
「うーん、くっころユークリアの出番は無さそうですね……」
 スーパーハクちゃんを眺めながら呟くユークリア。命名は彼女による。
 だからエレノアさんの時にも言ったがそれは集団の中で孤立したみたいなシチュエーションでしか起きないって。
 彼女はキーゼと一緒に行動しているので、どちらかと言えば今敵陣に突っ込んでいるコハクがバフ切れ起こしたら可能性はまだあると思う。
 それでも範囲攻撃を積んでいるので平気で切り抜けるだろうが。
「オークのお肉ってそういえば食べれるんでしたっけね? キーゼさんはいける方でしょうか?」
「やめてくださいこんな時に」
 たった今メテオライト2でオーク肉を大量生産したキーゼがげんなりする。
「……ねぇ、そんなこと考えている暇があったら手伝ってくれない?」
 コハクを突出させないように気を配っているカメリアから苦情が来た。
 もっとも彼女はそんなに忙しくはない。異常なほど大切な人に対して過保護なコハクがカメリアの周辺の敵を片っ端からミンチにしているからだ。ママ呼びしているというのにどちらが保護者かわかったものではない。
「私もやるんですか!? じゃあハンマーでトドメ刺しておきます、えいっえいっ★」
 ユークリアがぶんぶか振るった戦槌が、ごきゃっとオークの頭を殴り付けその首をへし折った。
 倒れた身体は首が180度下に回転している。
「……フィナンシェ氏、セリフの可愛らしさと行動があってませんね?」
 キーゼがツッコんだが、なんかもう彼もこの空気に慣れてきていた。

 この後に地上部を制圧したメンバーも戦力として合流し、残った洞窟もすべて殲滅が完了。
 総員休息を取り回復した後に、大詰めとなる周辺の残党の大規模な山狩りが開始された。

●周辺地域遊撃・後
 これはまだ地上部および洞窟内のオークの殲滅が済んでいない間のこと。
 地上部を制圧する参加者の一部が合流し再編成された後に、
 戦況の変化によって逃亡を試みたオークや参加人数がまだ足りなかった分だけ漏れがあったオークたちを捜索し、確実に仕留める。

 ロイは今、オークの一集団を相手取っている。
 数にして8。しかし、今は相棒のルプスだけではなくもうひとりの仲間がいる。
「ロイ、前は任せろ!」
 堅甲を自身にかけたゲルトがルプスと共に前衛を担ってくれている。
 ルプスと連携して敵を直線状に纏めて、彼はロイへと輝刃を付与した。
「助かる! 貫けッ!」
 輝きを纏った弓から放たれた貫通衝撃射が鮮やかな光を残し敵の列を穿つ。
「なんとかなったな。そっちは大丈夫か?」
「平気だ。多少はもらったけどオレはヒーラーだ」
 ロイの言葉に自身で回復をかけながらゲルトは答える。
「わふっ」
「ルプスもおつかれ」
「あぁ。いつもありがとうな」
「くぅん」
 共に前衛で戦ったルプスにもゲルトは声をかけ、相棒の背を撫でるロイ。
 ふたりと一匹は他の敵を探して次の場所へと赴く。

「1つ、2つ――セロンさんッ!」
「はい!」
 ダブルエッジでオークの首を2体分撥ねた後、【帝国】のティトはバックステップを取り相方のセロンガードへと叫ぶ。
 彼女が立っていた位置に放たれた炸光矢2が炸裂し、オークたちを切り刻んだ。
「このグループは、これで片付いた、ね」
「そうですね。彼らが来た方向から推測するに、集落から逃走しようとしていたようです。
 向こうはそれだけ優勢に進んでいるようですね」
「そうなると、もっと逃げようとする敵がいるかもしれない、ね」
 話し込むティトとセロンガードのふたりに、新たな声がかけられた。
「脱兎ならぬ脱豚……といったところか。もちろん、みすみす見逃してやる気はないがな」
 狩場を移したスヴァンが大剣を地面に突き立てて現れた。
「逃がさないように追い込むなら手を貸すが、どうだ?」
 その提案に、
「ありがとう。よろしく、ね」
 ティトが喜んで受け、
「たいへん心強いです」
 セロンガードも頷き、3人はオークの駆逐に向かう。

 フェルズを連れてオークを探すエレノア。
 そんな中、思いもよらない相手と遭遇する。
「……エレノア? あなたいたの?」
「あら、イルさん。奇遇ですわね」
 ララベルと共に周辺の掃討へと行動を移した友人のイルと出会い、微笑みを浮かべる。
「――がぅッ!」
『――ッ!』
 しかし、束の間の邂逅はフェルズの吠える声で中断させられた。
 即座に各々の武器を構えたところで、イルの横合いの茂みからオークが飛び出してくる。
 反射的に迎撃を試みたイルだったが、
「イル危ない!」
「なッ!?」
 庇おうとしたのかララベルに突進され、ただでさえ反射的に身体を動かそうとしていたところにまさか相方が突っ込んでくるなど想定も対応もできるはずがなく。
「……ちょっと……どこ触ってるわけ?」
 周囲の温度が一気に下がったと感じるほどの冷ややかな怒りの視線でララベルを睨み付けるイル。
「あわわ、ごめん!」
 その視線に射竦められ、ララベルは慌てて飛び退いて地面に腰を抜かす。
 ふたりがそんなことをしている間、ずっとフェルズと共にオークの死体に矢を撃ち続けていたエレノア。
「気付いてくれてありがとうね、フェルズ」
「くぅーん」
 近寄って微笑むとその背を撫でてやり、死体から矢を回収する。
 自分たちのやり取りを見ぬふりをしてくれる友人に、変なところを見せてしまったと思っていたイルは心の中で感謝。

 この後に再度集落へと戻ってきた作戦参加者たち一同。
 既に集落の制圧は済んでおり、そこからは全員総出での周到で徹底的な掃討戦が行われ――、
 ついに、今回の作戦における戦闘はすべて終了した。

●臭い物には
 地上部および洞窟内のオークの完全殲滅、そして周辺地域のオークを徹底的に駆除して回ったところで全員集合し、後始末にかかる。
 死体は腐敗して疫病の元となっては困るので、手間ではあったが引き摺り出してまとめて焼いておく。
 洞窟は別の出入り口はないことが分かったので、すべて入り口を総員で魔法やらなにやら叩き込み崩落させて再利用されないようにした。
 ぶすぶすと異臭を放ちながら焼かれて小さくなった死骸を埋めておき、作戦に参加した冒険者たちはビッグオウムを留めた人里へと帰還する。
 二度とこの地に、人に敵対する存在が住み着かないことを願いながら――。

マスターコメント

当初予定していたよりもあっさりと人数が埋まったので、50人でもよかったかも……などと。 (ただし執筆で倒れる) 皆様の活躍によりオークは完全に駆除されました! 参加された皆様お疲れさまでした。 それと、ファンレターはいつも読ませていただいており、 読ませていただく度に執筆の励みになっております。 LPというご利益はあるので、一言くらいの内容でも送っていただけると喜びます。 それではまた次のシナリオで。 皆様のご参加お待ちしております。
イベントシナリオ

イベントシナリオ普通 報酬:標準25 / 4〜25人

2021年03月09日 10時50分33秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ニーラ・メッコ

    キャスターのニーラです! よろしくね!

  2. ロイ・アウレア

    シューターのロイ・アウレアです。 何時も通り、ヨロシク! 全部倒す気で行くか、撤退のタイミングを決めておくかは参加者数次第として 討伐位置を分けるとしたら「1」「1→2」「1→3」「3」かな? それで良いなら、索敵能力を生かし、3:周辺地帯に行くつもりです。 或いは、1:地上集落→3:周辺地帯、になると思う。

  3. アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト

    ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 討伐位置は1:地上集落→2:洞窟集落を希望するぜ オークは1体残らず全滅させたいな。

  4. スヴァン=ウォルフ=ユーウェン

    ウォーリアのスヴァン。 多くのオークを討伐するぞ。 2へ行くのは数を減らしてからが得策だろうか。俺は1⇒3と行こうと思う。 まあ全滅させる勢いで行くから順番は関係ないかも知れんが。

  5. ネーヴェ・グラヌローザ

    ヒーラーのネーヴェ・グラヌローザと申します。どうぞ宜しくお願い致します。 討伐は1→2で参りたく存じます。 私のエーテルブローが火を吹きましてよ! 合間合間に皆様方の治癒も致しますわね。

  6. 蒋・璃龍

    ウォーリアの蒋・璃龍、です。よろしくお願いする、ます 討伐位置は1→2にするつもり、です 数が多いみたいなので、範囲攻撃ができるスキルを多めに持っていくつもり、です

  7. コハク

    シーフコハク、どうぞよろしく。 今日は満足できるまでオーク狩れるとの事でるんるんとやってきた次第。 希望としては1→2になるかなぁ。

  8. エレノア・D・グリフィス

    シューターのエレノアですわ。 どうぞよしなに。 私は3メインでいきましょうか。

  9. キリク

    シューターのキリクだ、よろしく。 1,→2の順で行こうと思っている。ロープと食べ物でちょっとした罠でも仕掛けようかな。

  10. ロイ・アウレア

    討伐位置の表明を一覧にしてみるよ。 迷ってる人や偏りが気になる人は参考にして欲しい。 【1】 【1→2】 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアト ネーヴェ・グラヌローザ 蒋・璃龍 コハク キリク 【1→3】 スヴァン=ウォルフ=ユーウェン 【3】 エレノア・D・グリフィス ロイ・アウレア

  11. カルフ・オルヴォ

    カルフ・オルヴォ、 ウォーリアだ。 動かなくて良い場にしとくかね。 【1】 カルフ・オルヴォ 【1→2】 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアト ネーヴェ・グラヌローザ 蒋・璃龍 コハク キリク 【1→3】 スヴァン=ウォルフ=ユーウェン 【3】 エレノア・D・グリフィス ロイ・アウレア

  12. アンジェリカ・ミュクーサ・リーズデルト

    キャスターのアンジェリカッス。アンジェなり何なり好きにどーぞッス。 1→2or3の人が多そうッスから、ずっと1で取りこぼしが無いようにって感じに動こうかと思ってるッス。

  13. セロンガード・シュタインドルフ

    シューター、セロンガードです。 私は3に向かいましょう。 【1】 カルフ・オルヴォ アンジェリカ・ミュクーサ・リーズデルト 【1→2】 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアト ネーヴェ・グラヌローザ 蒋・璃龍 コハク キリク 【1→3】 スヴァン=ウォルフ=ユーウェン 【3】 エレノア・D・グリフィス ロイ・アウレア セロンガード・シュタインドルフ

  14. ゲルト

    ヒーラーのゲルトだ。ルートは1→3で行くぞ。 【1】 カルフ・オルヴォ アンジェリカ・ミュクーサ・リーズデルト 【1→2】 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアト ネーヴェ・グラヌローザ 蒋・璃龍 コハク キリク 【1→3】 スヴァン=ウォルフ=ユーウェン ゲルト 【3】 エレノア・D・グリフィス ロイ・アウレア セロンガード・シュタインドルフ

  15. ロイ・アウレア

    表明ありがとうー。 今回の仕事は、オークの数が明確ではなく、授恵者ならまず問題なく倒せる強さって事なので 思うに、無双して楽しんでくださいって事と感じてるが >適度なところで撤退するのも選択としては問題ないです と、あるので一応、撤退条件を提示したいと思ってます。 今考えてるのが「スキルを使い切り尚且つ、生命が5割減 の人が全体の5割を超えたら」だが、どうだろう? こちらのプレに書いておいても良いかな?他の案も大募集なので意見下さいねー。 それと、2へ向かう人は1でスキルを使い切らない様に温存して欲しいのと 少し共闘を意識してくれると、長く狩れると思うので、皆で狩り切る勢いで頑張ろうね。 以下、個人的にだが 3へ向かう人は、森の中からスタートする人が多いかな? 良かったらだが、人数に応じ、狩場を集落を起点にして区切って手分けすると書きたいんだが…どうだろう? それぞれにやりたい狩り方はあると思うので、無理はせずご一考ください。

  16. No.16

    サイラスだ、よろしくなー とりま1〜2いこうかな?と

  17. ライル・クライブス

    シーフのライル・クライブスです。 よろしくお願いします。 僕は1に専念しようかなと思います。 【1】 カルフ・オルヴォ アンジェリカ・ミュクーサ・リーズデルト ライル・クライブス 【1→2】 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアト ネーヴェ・グラヌローザ 蒋・璃龍 コハク キリク サイラス 【1→3】 スヴァン=ウォルフ=ユーウェン ゲルト 【3】 エレノア・D・グリフィス ロイ・アウレア セロンガード・シュタインドルフ

  18. ニーラ・メッコ

    私は 1:地上集落 でひたすら範囲攻撃してオークをやっつけることにするよ!

  19. ララベル・サン・ディーベル

    僕はシーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、よろしくね! イルと組んで動いて、地上集落から周辺地帯に移行する感じで動いてみるね。 【1】 カルフ・オルヴォ アンジェリカ・ミュクーサ・リーズデルト ライル・クライブス ニーラ・メッコ 【1→2】 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアト ネーヴェ・グラヌローザ 蒋・璃龍 コハク キリク サイラス 【1→3】 スヴァン=ウォルフ=ユーウェン ゲルト ララベル・サン・ディーベル イル・シャーリィ(一先ず代理記入) 【3】 エレノア・D・グリフィス ロイ・アウレア セロンガード・シュタインドルフ

  20. イル・シャーリィ

    シーフのイル・シャーリィよ。 よろしく。 ララベルと共に1→3でいかせて貰うわ。 【1】 カルフ・オルヴォ アンジェリカ・ミュクーサ・リーズデルト ライル・クライブス ニーラ・メッコ 【1→2】 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアト ネーヴェ・グラヌローザ 蒋・璃龍 コハク キリク サイラス 【1→3】 スヴァン=ウォルフ=ユーウェン ゲルト ララベル・サン・ディーベル イル・シャーリィ 【3】 エレノア・D・グリフィス ロイ・アウレア セロンガード・シュタインドルフ

  21. バンビ

    ハイスビートキャスターのバンビですわ。 1で集中的に範囲殲滅に当たりますわね。 【1】 カルフ・オルヴォ アンジェリカ・ミュクーサ・リーズデルト ライル・クライブス ニーラ・メッコ バンビ 【1→2】 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアト ネーヴェ・グラヌローザ 蒋・璃龍 コハク キリク サイラス 【1→3】 スヴァン=ウォルフ=ユーウェン ゲルト ララベル・サン・ディーベル イル・シャーリィ 【3】 エレノア・D・グリフィス ロイ・アウレア セロンガード・シュタインドルフ

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0