【豆充】マザキヤ 春のパンまつり?

大和気 いぐる

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シナリオID:519

オープニング

『マザキヤ 春のパンまつり』をご存知だろうか。

 穀倉地として周辺に名を知られる都市同盟の街、マザキヤ。
 毎年、春の予兆を感じるこの時期。
 この街では、意中の相手にパンを贈って、告白する風習があった。

 土地柄、パン屋や小麦農家の多い場所である。
「私はこんなに美味しいパンが焼けますよ」と意中の相手にアピール。
 将来の嫁、婿候補として認めてもらおう、そんな風習である。
 特定の相手がいない人も義理パンをバラまいて、アピールする。

 ついでに、旅人や隊商にもパンやその材料を売る。
 さらにはパンづくり教室なども開催して、盛り上がっていた。
 ちなみに、たくさんパンを買うと、白いお皿がもらえる。

 だが、今年。
 辺境都市群で興った空前のカカオブームは、同盟にも及んでいた。
 おまけに、恋人たちの告白(バレン王子とタイン王女にちなむ)イベントまでつけて。

「なんとかならんのかね」
「なんともなりませんよ。なんで俺に言うんです?」

 パン職人組合長はマザキヤの冒険者ギルド支部長に泣きついた。
 支部長は渋い顔だ。
(しぶちょうだけに)
 ついでに暇なのか、ダジャレをこっそり考えていた。

「地元民はともかく、旅人はパンよりカカオに夢中だ。
 このままでは、長らくつづいた、春のパンまつりの伝統が――!」

「あー、じゃあ、チョコパンでも作りゃいいんじゃないですかね」
「それだ!」
 投げやりな支部長の提案に、パン職人組合長は飛びついた。

「いや、そう上手くいきますかな」
 異論をはさみこんだのは、陶工組合長だ。
 例の白いお皿の提供者である。

「カカオブームに乗じて、チョコパンを出す街は他にもあります。
 ムラキヤやパスコーの連中は、おそらくそうするでしょうな」

 ちなみに、ムラキヤとパスコーは近くの街の名称である。

「だが! しかし! マザキヤには連中にないものがあります!」
「皿ですか」
「皿ですね」
 あっさり発言を先読みされて、陶工組合長はしょんぼりした。

「でも、皿がもらえるだけで、そんなに人は来ないでしょう」
「ふふふ……誰が、皿をあげるだけなんて言いましたか?」
 陶工組合長の復活は早かった。

「我々、陶工組合が、春のパンまつりの裏で何を行ってきたか。
 皆さんも知っているでしょう――?」

「いや、そんな悪どい口調で言われても」
「失敗作を処分するのに、協力してもらってただけでしょう」

 マザキヤのもう一つの名産、陶磁器。
 その制作過程では、どうしても失敗作が生まれる。
 陶工たちは、そのたび失敗作を割り、処分してきた。

 そして、若者たちが、恋を成就させるこの季節。
 その駆け引きの過程では、どうしても失恋と独り者が生まれる。

 どうせ失敗作を割るなら、うっぷんの溜まった若いモンにやらせよう。

 そんな趣旨の裏イベントである。
 非モテの若者は、陶工組合の裏庭で、悲しい叫びと共に皿を割るのだ。

 あんまりにも気の毒な魂の叫びを聞いてしまった場合。
 陶工組合の面々は、その者にそっと正規品の白いお皿を差し出す。
 ついでに、パン職人組合も、ヤケ食い用のパンを差し入れる。

「たかが皿割り、されど皿割り!
 流行りっぷりからして、告白イベントは大陸中を席巻するでしょう。
 大陸規模で告白イベントがあれば!
 すなわち大陸規模で非モテが発生するはず!
 マザキヤは、その嘆き悲しみを受け入れる街になるのです!」

(チョコ難民の受け入れかあ)
 支部長は、遠い目になった。

「非モテパワーをマザキヤに!」
(なんて嫌なパワーだ)

「いいですとも!」
(いいですとも! じゃねーよ)

 ひとしきり盛り上がると、二人の組合長は、支部長をじっと見た。

「なぜ、見てるんです」
「いやあ……」
「冒険者ギルドも、なんか協力してくれないかナーって」

 正直、あんまり協力したくない。
 でも、言っちゃうとカドがたつ。

「……わかりました。
 冒険者がこの街にきたら、お小遣いを出すことにします。
 幸いウチの支部は、新年に何もなかったんで、余剰資金があります」

「決まりですね。やりましょう」
「やりましょう」

 そういうことになった。

解説

 マザキヤの「皿割りまつり」で、うっぷんを晴らしてください。  または、「春のパンまつり」で意中の人にパンを贈ってください。 (今年はチョコパンが人気らしいです)  どちらがメインになるかは、プレイングの比率次第です。  カップルさんは、たぶん祝福よりは嫉妬されるでしょう。  なので、ちょっと憎まれ役でもかまわないよ、という方だけどうぞ。  皿割りまつりで晴らすうっぷんは、別に恋愛関係に限りません。  開催側はマザキヤに従来どおり人を集めたいだけだったりします。  大いに叫び、独創的な皿割りを見せつけてください。  ヤケ食いのほうに注力していただいても、かまいません。  料理人の方なら、飛び入りの差し入れも受け付けています。  また称号で、マザキヤの白いお皿を様々な理由で差し上げる予定です。  なお、当シナリオと直接関係はありませんが、マザキヤでは「冬のパンまつり」も開かれています。  どんなものか知りたい方は、リプレイ「【聖祭】マザキヤ 冬のパンまつり」をご参照ください。

マスターより

 はじめましての方が多いかと思います。  大和気 いぐる です。  どこかで聞いたような祭りですが、この物語はフィクションです。  実在の製品や企業などとは一切関係ありません。  皆様の悲喜こもごも、お待ちしております。

リプレイ

●
「まつりを盛り上げたい?
 チラシで、行商人に噂を流せば、すむじゃろ。」

 半ば呆れ気味に、アリシア・リターナーは言った。
 言われた冒険者ギルド支部長は渋い顔だ。

「しぶちょうだけに」
 先回りしたら、悲しそうな顔になった。

「個人的には、ミニ魔獣(モン)パンで有名なダイチーを推したいんじゃが」
「そーいうこと言うなら、小遣い返せよ……」
 おっと、依頼人の機嫌を損ねるのは、まずい。

「冗談じゃ、冗談。
 せっかく来たんじゃし、わしも参加しよう。
 パンを買ってスタンプ溜めて、白いお皿を貰うんじゃろ?」

 そのへんの商業知識はバッチリだ。
 パンのおともに、ワインとチーズも持ってきた。

「一応、早くポイント達成すると、一目置いてもらえるぞ」
「まあ、暇じゃし。試しにやってみるかのう」

 アリシアは商品リストに目を通した。
 白チョコペストリーは時期的にも狙い目。
 ソフトダブルは弱体化(ナーフ)。
 かわりに、ダブルメテオ……じゃと? 新商品か。

「ふっ……なかなか、おもしろい」
「がんばってなー」

 やる気になったアリシアを、支部長は投げやりに見送った。

●
 ロウトフェダーは大いにやる気だった。
 わざわざ皿割りまつりの呼び込み係を志願したくらいだ。

 独り身の人は仲間!
 カップルやモテモテさんは敵!

 なんというか、いっそ、清々しい。

「お兄さん、暗い顔してるな~。
 え、なに? フラれた? そんな時は皿を割ろう!
 ほれ、チョコパン! 皿割りまつり会場にはもっといっぱいあるぜ!」

 声をかけられた若者は、弱々しい笑顔を浮かべ、会場に向かっていった。
 そんな調子で、どんどん人を呼び込んでゆく。

 一方、カップルを見かければ。

「ん~、お二人さん。仲がおよろしいことで。
 じゃあちょっと、今から皿割りまつりの紹介をしまーーす!
 オラァ、しねぇ!」

 バリーン!!

 なんかもう、ほとんど、八つ当たりだった。

「な、なんなの、あの男」
「恋人がいないから、僻んでんだよ……」

「!!」

 まあ、図星である。
 訂正するなら、ロウトフェダーは、女性だ。
 体型だって、標準程度には、女らしい。
 シャルガネ風の服で目立たないだけだ。たぶん。

「俺の恋人は迷宮ですけどーー!?」

 その叫びは、我ながら、ちょっと悲しかった。

●
「えっ? 皿を割るのか? 勿体なくないか?」
 ベルタークは、皿割り会場で説明を受け、目を丸くした。

 うず高く積まれた綺麗なお皿。
 これら、全てが不良品なのだという。

「十分使えそうですよねえ……」
 シャロン・ラ・モリエールも同感のようだった。

「あまり流行るのは関心せんなあ」
 スヴァン=ウォルフ=ユーウェンがうなずく。

「でも……失敗作ですもんね」
 エシギも複雑な思いで、皿をながめた。
 自分も職人の端くれだから、一応、理屈はわかる。

「それでも、憂さ晴らしになるなら……。
 誰かと違って、まだ価値があるのかも……」
 虚ろにつぶやく。

「いや、でも! いいじゃないですか!
 この歪んでるとこ、うぎゃあって感じで! 私、使いますよ!」
 妙な雰囲気を感じてか、シャロンが明るく言った。

「歪んでますか……」
「お皿のことですからね!?」

「一応、破片はモザイク画にしたりしますよ。
 轢いて陶土にまぜたり、シャルガネ風の金継ぎとか」

 陶工の説明によると、再利用もされているようだ。

「不良品を持ち返るなら、産地はふせてくださいね」

 思う所はあったが、職人側の事情もあるのだろう。
 冒険者たちは、ひとまず納得して、皿割りまつりを楽しむことにした。

●
「あ、ねえねえ君、ちょっとそこでお話ししない?」
 ベルタークは、相手のいなさそうな女の子を選び、声をかけていた。
 パンまつりに賑わう街は言うにおよばず、皿割り会場でも。

 背が高く、精悍。どこか優雅な身のこなしの彼である。
 当然、女の子たちの反応は悪くない。
 と、なれば、会場のあちこちからは、矢のような視線が突き刺さった。

(だが受けてたとう、その僻み……!!)

 陸にあがっても元海賊、その程度では怯まない。

 それに、ただのナンパというわけでもない。
 
 マザキヤでは良質な小麦やパン、それから食器も手に入る。
 女の子と楽しくお喋りして、なおかつコネも作れれば最高。
 現・料理店のオーナーとしては、そんな思惑もある。
 おっと、そうだ。レシピも見ておくべきか。

 ベルタークは色気以外に、食い気にも目を向けることにした。

●
 シャロンは油断なく、会場を見回っていた。

「パンを食べられるのなら、非モテってことにしときましょう。
 どのみち恋人、いませんし……」

 我ながら、少々寂しいセリフだ。
 だが、ここのところ、踊る小熊亭の無料配給しか食べていないのだ。
 まずは、色気より食い気だ。

 色とりどりのパンが、次々に会場に運び込まれてくる。

「ほんとに、タダでいいんですか?」
「ワケあり品だから。味は保証するけどさ!」

 パンを搬入していた、おかみさんが笑って答えた。

 なるほど、いびつなもの、焼き色にムラがあるもの。
 おつとめ品なのか、少々くたっとしているものがある。

(それなら、遠慮は無用……!)

 あとは、最近の寂しい食生活を取り戻すだけ。

 そうそう、タダで貰えるなら、白いお皿だって見逃せない。
 最後に会場の後片付けでも手伝って、おねだりしてみよう。

●
 お小遣いを貰ったからには、参加せねばなるまい。
 ロサード・シュナイダーは決意を固めた。
 支部長は「義務はなし! 好きに楽しめ」と言っていた。
 だが、そう言われても、ちょっとピンとこない。

 しいて自分の欲求を省みるならば……。
 うん。――チョコパンは食べたい。

 皿割りまつり会場には、パンが積んであった。
『おつとめ品チョコパン 差し入れです』の札。

 なんと、タダだ。
 なんて冒険者に優しい街だ。
 これは是非とも盛り上げたい。

 口にパン、両手には皿。
 意気揚々とロサードは会場に入った。

「もむもむむむむぐぐー」

 手にしたお皿を手早く投げ割り、次の皿を早業で補充する。
 そして、続けざまに投擲。
 パリンパリンパリン!!

「むぐぐぐ、もっぐもむむむ。むぐぐぐ」

 くわえたパンのせいで、決め台詞を理解するものはいない。
 だが「いいぞー!」「もっとやれー!」との声援がとぶ。
 盛り上げには成功したようだ。

「もぐぐぐ(チョコパン)、もぐぐぐもむむむ(おかわりください)」

 どういうわけか、そちらは通じたようで。
 配膳係は、チョコパンを差し出してくれた。

●
「私のバカバカーーッ! ウァァーーンッ」
 エルシー・サリバンは腹の底から叫んだ。

「一緒に国を出て。同室で寝起きして。
 何でも知ってる幼馴染だと思ってたのに……」

 今思い出しても恥ずかしい。

「男だったんだよーっ……!!」

 己の迂闊さを呪い、両手に持った皿を頭に叩きつける。
 もちろん、エーテルで防御は固めておいた。
 痛いのが好きなわけではないのだ。

 皿の割れる音が響くが、思惑どおり痛くはない。よし。

 気がすむまで割れば、荒れた気持ちも静まった。
 よく考えれば、それで態度を変えるような子じゃない。

「男でも、親友は親友だよね!」

●
 物を思い切り壊すのは、憂さ晴らしにはいいようだ。
 スヴァンは思った。

 単純に叫んで体を動かせば気持ちがよい。
 慣れれば、皿が割れる音も、妙な爽快感がある。
 再利用もされていると知れば、罪悪感も減った。

 要領がわかってきた。
 何枚も重ねた皿を上からまとめて――。

「そォい!!!」

 叩きつけ、割る。

 うん。動いたら、お腹がへってきた。
 そうだ。タダでパンが貰えるとか。
 甘めの……そうだ、チョコパンが食べたい。

 スヴァンは、いそいそと、差し入れの並ぶ卓へと向かった。

 つやつやした、チョコパンが山積みになっている。
 素晴らしい。おつとめ品? これが?
 普段では味わえない、チョコの甘い匂い。
 空前のカカオブームに感謝しつつ、スヴァンはパンにかぶりついた。

●
 エドゥノーグにでも乗り込んだほうが良かったか。
 アウル・アンサラーは舌打ちした。
 危険手当で大儲け、とはいきそうにはない。

 とはいえ、依頼は依頼。
 請けたからには完璧にこなしてみせよう。

 そういえば、実は人集めが目的のイベントだとか。
 ならば、それなりに注目を集めてやるのがスジだろう。

「おらっ!」

 皿を次々放り投げ、矢で射抜き割ってみせる。

「暇なヤツが居りゃ、投げて寄越せや。
 俺が割ってやるからよォ」

 溜まりはじめた人だかりに、挑発的に声をかける。
 悪ノリ気味に飛ぶ皿が増えてゆくが――。

 天からの眼が、全ての皿を掌握する。
 磨き上げた弓の冴えは、誤りなく、それらを砕ききった。

 見世物になってやる気はないが、感嘆と歓声は悪くない。
 興が乗ってきた。
 そういや、なんか叫ぶのが習わしだっけ?

「■■■(ピー)!」「■■■(ピー)!」「■■■(ピー)!」

 出るわ、出るわの悪罵の山。
 アルパカ獣人(ハーフビースト)の係員が怒った顔で近づいてきた。

 何だよ。駄目ならそう言っておいてくれ。
 アウルは皮肉げに、肩をすくめた。

 そんじゃあ、黙ったまんま盛り上げるとしますかねェ。

●
 皿を割るとしよう。
 ハッタ・ムラムラは、大きな白黒の体を起こした。
 美味いパン、結構。高品質なお皿、実に結構。
 だがしかし。ハッタには言いたいことがあった。

「黒い皿も欲しい!」
 パリーン!

「白い皿と黒い皿がセットになったとき!」
 パリーン!

「まつりは完成を見せるのだ!!」
 パリーン!

 そう、貰えるお皿は「白いお皿」だった。
 何故、白い皿だけなのだ。バランスが悪い。

「そこまで言うのなら」
 陶工組合の職人が、黒いお皿を差し出した。

「おお、よくぞ」
 受け取り、空いたほうの手を差し出す。
 片手に黒い皿、片手に白い皿。それが理想だ。

 だが、陶工は首を振る。
 何故だ。

「皿割りまつりで、さしあげる皿は、一人一枚。
 あなただけ二枚では、バランスが悪い」

 なるほど、一理ある。

「あとは、パンまつりで白い皿を入手してください。
 あなたの手で、まつりを完成させるのです……!」
 陶工の瞳は、熱かった。

 おれの手で。まつりを――。
 ハッタは、うなずいた。

 パンの購入点数を稼ぐとしよう。
 皿割り会場を後にするハッタ。

 差し入れに来ていたパン屋が、それをニヤリと見送った。

●
 アルマン・アルスターは思った。

 皿を割ろう。
 力いっぱい皿を割ろう。
 全身全霊を込めて皿を割ろう。

 何気なく、空を見上げれば。
 つがいの小鳥が仲むつまじく、飛んでいた。

「うおああああクッソどいつもこいつもキャッキャキャッキャいちゃこらしやがってクソがああ!! こちとら『かーわいーい』とか『イケメン』とか言われたことがあっても、生まれてこのかた、彼女という生き物になんか遭遇したことないんだコンチクショー!!!」

 ほとばしるような、早口だった。

 ぱりぃぃん……。

 彼の容姿は、エルフらしい端正なものだ。

 はーはーぜーぜーぜーはーぜーはー……。

 だが。涙目で、肩で息をする姿は――。
 恋愛芝居のただ中で踊る、悲しき二枚目半(ピエロ)そのもの。
 いわゆる『残念なイケメン』というやつだった。

 すべてを察した陶工が、白いお皿を差し出した。
「……なに? えっ、正規品? くれるの? ありがと……」

 慈愛の目で配膳係が、チョコパンを差し出した。
「えっ……こんなに……いいの? あ、ありがと……??」

 アルマンは、どこか腑に落ちない顔で、それらを受け取った。

●
「それでは失礼して……」
 エシギの地声は、あんまり大きくはないけれど。

「帰れぇぇ! 厄介客(クレーマー)ーー!!」

 エーテルをのせてみたら、とんでもない大音声が出た。

「何が愛想がないだ!
 スマイル欲しかったら、■■(ピー)で営業スマイルもらってこいや!!
 お前らなんてなぁ、僕がその気になればズタズタにできるんだからな!!」

 エシギは、厄介客の顔を思い浮かべつつ、皿を引っ掻いた。
 ギギギギギ――! と不快な音が、会場に響き渡る。
 さすがに怒られるかとも思ったが――。

「そうだー! 腹たつよなー!!」
「お客様は神様なんかじゃねー!!」

 同意する声が、いくつも飛んだ。
 こういう場だ。溜め込んでいる商工関係者は多かったらしい。

「あぁ、思いっきり叫ぶって結構スッキリしますね……!」

 エシギの顔は、ずいぶんと晴れやかになっていた。

●
 ティラミス・ノーレッジは、かなりノッていた。

(割るぜー! 超割るぜー!)

 発想はちょいと後ろ向きだが、見た目はなかなか豪快なまつりだ。
 一緒に盛り上がるのも、面白そうだ。

 だが、そこらの若者たちのように、溜め込むモノはない。
 自由気ままな、その日ぐらし。そいつが信条だ。

 と、なれば。
 叫ぶ内容ではなく、皿の割りっぷりで盛り上げるしかないだろう。
 こちとらシーフだ。身軽さには自信がある。

「はっ! せいっ!!」

 小気味良いかけ声と共に、白い皿が宙を舞う。
 それを追いかけて、空中で真っ二つに割り斬れば、どよめきと――。

 わあああっ!!
 一瞬遅れて歓声がわきあがった。

 伊達な羽根帽子と小粋なマント、青銀色の毛並み。
 何より、素早い身のこなしは、観衆を魅了するのに十分だった。

 予想以上のウケっぷりに、気を良くする。
 本職の芸人というわけじゃないが、なに、気負う必要はない。
 奇抜な割り方が出来なかったところで、地面に落ちれば皿は割れる。

 その後も、次々と皿で皿を撃墜したり。宙返り割りを披露したり。
 ティラミスは観衆を沸かせつづけた。

●
 皿がほしい。タダで。
 そう、別に非モテだから来たわけじゃない。
 恋愛なんて、興味ないし。
 ギャメルは、自分に言い聞かせた。

 ふと、大きな歓声が耳に入った。
 喝采を浴びているのは、ティラミス。見知った顔だ。
 ようし、オレだって。

「ゆーしゅーな冒険者らしく活躍してぇ!」

 ギャメルは、皿を放り投げた。
 まずは空中で一回転、それから華麗に魔術を放ち、皿を撃ち抜く。
 イメージは完璧だ。

 イメージだけは。

 ばきゃっ。

 目の前に広がる火花。
 痛みに思わずうずくまる。
 一応、皿は割れていた。魔術じゃなく、ギャメルの頭で。
 大丈夫だ、ケガってほどじゃない。

「あらあら、大丈夫?」
 鈴が鳴るような、かわいらしい声。

「へ、へっちゃらだぜ……泣いてもいねぇよ!」
 精一杯の見栄を張り、顔をあげる。

 そこにいたのは、太ったおばちゃんだった。
 おばちゃんは「えらいねえ」なんて言いながら、お皿をくれた。
 
 悲しくは、ない。目当てのお皿は貰ったのだ。
 だから、ギャメルは泣いてなんか、いないのだ。

●
 小遣い目当てに来たはいいが、さてどうしよう。
 イーヤ・レプリスには、特にプランが無かった。

 決まった相手はいないが、一夜の恋の相手には困らない。
 皿割り? まあ、お茶を濁す程度なら参加しても。

 失敗作を手にとり、イーヤは妖しく微笑んだ。
 大げさな魔法や軽業なんて必要ない。
 大きく皿を振りかぶって、叩きつけるだけ。

 豊満な肢体が、艶かしく、悩ましげに、揺れる。
 上下に、左右に。
 ぼいん。ぱりーん。ぼいん。ぱりーん。

 あら、目が離せないの? 正直な人たち。嫌いじゃないわ。
 見たいの? この毛並みの、奥の奥まで?
 そうね、すこしだけ、魅せてあげる。

 会場の一角は今や、昼らしからぬ熱気に包まれていた。

 ムラムラムラムラムラムラァッ!!

「パカパカパカパカパカパカァッ!!」

 奇声をあげて、アルパカ獣人(ハーフビースト)の係員がカッ飛んできた。

「これあげるので、帰ってください」

 ものすごい勢いで、記念品の皿を押し付けられた。
 どうやら、やりすぎてしまったようだ。

 イーヤはペロリと舌を出した。
 それすら、どこか扇情的なしぐさだった。

●
 アルマ・ヴァレンタインの一日(イベント)。
 朝、早く起きて、準備体操。
 ランランランとおさんぽ。
 ついでに花だんの手入れも。

 たどり着いた会場には、お皿の山。

 もうこれで(出逢いのチャンスが)終わってもいい。
 だから、ありったけを。

 高まるエーテルに、アルマの髪は逆立ち、うねった。

「ウオオオオアアアアーーーーッッッ!!!」

 グワシャーッ!!

 大音響が、会場に響き渡った。

「お、女の子がっ!! 皿の山に突き刺さって!!」

 度肝を抜かれた係員が、集まってくる。
 皆、百日くらい寿命が縮んだような顔をしていた。

 気にもせず、むくりと破片の山から起き上がるアルマ。

「名前が、ばれんたいんなのに!
 今年もボクは無敵のソロ軍団っ……チクショー!!」

 鬼気迫る表情でアルマは皿を割り続け、周りを驚嘆(ドン引き)させた。

 気の済むまでやった、その後は。

「浄化をおおおお!」

 なんか、こう、エーテルロードが開かれた。
 アタック、アタック、アタック、ボクはヒーラー。

●
 リンタロウ・イナバからは、近づきがたいオーラが出ていた。
 目つきの悪い彼が鬱々としていると、はっきり言って、怖い。

 彼もそれには自覚的だった。
 常々、姉からもそう言われている。

 そう、姉だ。
 先日、その姉から手紙が届いたのだ。
 衝撃の内容だった。

『姉は先日、許嫁と結婚しました。』
 聞いてないぞ。クソ姉貴。

『彼はとても優しく、使用人にも慕われ……』
 そいつは、よござんしたね。

『また、夜は色っぽく情熱的に、何度も求められ……』
 まてまて。身内の閨事情なんざ知りたくない。
 だいたい何枚あるんだコレ!?

『追伸:こちらでもお見合い相手探すけど。
 もしも、いい人がいるなら、連れて来るのよ』

 リンタロウは吠えた。

「うっせぇ! 余計なお世話だボケェ!!」
 パリーン!

「どうせ俺ぁ独り身だよ畜生!」
 パリーン!

「どうすりゃいいんだよ!
 どういう反応すんのが弟として正解なんだよ……!」

 ポンと、背中を誰かに叩かれた。
 アルパカ獣人(ハーフビースト)の係員が渋い顔をしている。

「あの。過激な内容の手紙の朗読は、ちょっと……」

「すみませんでした」
 リンタロウは、真顔になった。

●
 エルナ・クルプファルツは、服からして、気迫が違った。
 シャルガネ風の豪華な服に、細やかな文様の刻まれた杵。
 そちらの出身者から見れば、どう見ても新年の装いだ。

「シャルガネにはカガミビラキという風習があるんだとか!
 鏡を割るそうですが、お皿も似たようなものでしょう!」

 発言も、同様に正確さには欠けた。
 だが、細かいことを言う者は、いなかった。

「さあ、いっぱい割りますよー! まずはお皿選びですね!
 ユークリアさんは沢山割りそうですし、重ねやすいお皿を!
 はい、どうぞ!」

 次々重ねられるお皿に、ユークリア・フィナンシェは、息をのんだ。

(神は試練を与えたもうた……)

 こちらもシャルガネ風の白い胴着だ。
 頭にきりりと巻いた鉢巻が、様になっていた。

 こういう時は、そうだ。『気』をためるのだ。
 以前見かけた、シャルガネ出身の大道芸人がやっていた。

 澄んだ清流を頭に思い描く。
 呼吸を整え、その流れと一体化する。
 ついでに、夢とか希望とかマザキヤの若者のオモイとか。
 なんか力になりそうなものは、全部そこにのせる。

「ほああぁぁぁ~~~たぁっ!!!」

 ずいぶんと、かわいらしい怪鳥音が響いた。
 いろいろを詰め込んだ手刀が、段積みの皿へと落ちる。
 落雷の音が、轟いた気がした。

「はうっ……!」

 ユークリアは、衝撃を堪え、手をぶるぶる振った。
 大した痛みはないが、お皿も見事に全割り、とはいかなかった。
 とはいえ、仕込み(イカサマ)なしに割れた皿は、十枚中六枚。
 立派なものだろう。

「フィナンシェ氏、相変わらず豪快……」
 キーゼが、遠くから怪我がないことを確認しつつ、つぶやく。
 カメリア・ローレンスも、パンをほおばりつつ、同意した。

「うう……なななんと!?
 私の手刀に耐えた、選ばれしお皿が出ました……!」

 それでもユークリアは、にこやかに観衆にアピールする。

「選ばれしお皿は、エルナさんにおまかせしましょう!
 製作者には美人エルフさんとお近づきになる口実が!?
 やばいですねっ☆」

 陶工たちの反応は、苦笑いする者あり、赤面するものあり、と様々だ。

 話を振られたエルナのやる気は、最高潮。
「さあ、いきますよー! どっかーん!!」

 思い切り叩きつけた杵の下で、大きな音をたてて皿が砕け散った。
 ついでに地面もへこんでいた。
 おおお、と会場にどよめきがあがった。

「ふう……なんだかとてもすっきりしました!
 ……記念品のお皿、私も貰えますよね?」

 対応する陶工の表情は、なんだか少し強張っていた。

(私も、それなりに人寄せをやっておきますか)
 キーゼは人知れず、意欲的になっていた。
 あまり顔に出ない彼だが、祭事を楽しむ機微はある。

 会場の係員に声をかけ、余興で魔術を使ってよいか聞く。
 係員は快く、人の誘導を行って、場所を空けてくれた。

 エーテルを集めて、感覚を鋭敏にする。
 何枚も皿を空中に放り――。
 それらは、地面に落ちる前に、無数のエーテルの光弾に撃たれ、弾けた。

 光の饗宴に、歓声と拍手が乱れとぶ。

「さあさ、お手すきの方はお皿を投げてくださいね。
 見事撃ち抜けましたら、拍手喝采!」

 表情が変わらないのは、素人の限界。
 それでも次々皿を撃ち抜いて、観衆は大いに賑わった。
 十分に注目を集めたといっていいだろう。

「ま、こういう使い方もオツなものでしょうね」

 マリイ・パルティスは目を丸くしていた。
 みんな、ずいぶん楽しそうに皿を割っている。

「本当に、本当に壊しちゃってもいいのでしょうか?」
 不安げに確認すると、戻ってきたキーゼが苦笑した。
「むしろ、頼まれてるわけですし。思い切りいきましょう」

 たしかに、そのとおりだ。
 ユークリアは、今度は八枚割りに成功したと喜んでいる。
 意外と簡単なのかも? よし自分も――。

 マリイは、手近な皿を見繕い、おずおずと手刀を振り上げた。

「てぇぇぇっ」

 ごつ。
 鈍い音がした。

「……いっ……ったぁ……」

「いきなり分厚いのは無謀ですよ……。
 どれどれ……ああ、よかった。怪我はないようですね」
 キーゼが、かいがいしく手の様子を見る。すっかり保護者だ。

 エルナも慌てて、すっ飛んできた。
「大丈夫ですか? 割り易そうなお皿を選んであげましょう!」

 選ばれたお皿は、薄手のものだった。
 よく観察すれば、細かいヒビも入っている。

(天使さん降臨です! これならいけそう!)
 心中でエルナに喝采をおくり、再度の挑戦に向けて奮いたつ。

「てぇぇぇい!」

 気合の声は、いまいち、しまらなかった。
 それでもパリンと綺麗に、お皿は割れた。

「見てください、カメリアさん!」
 マリイが破片を見せびらかして笑う。

「きれいに割れたわね」

 言いながらも、カメリアは少し考えこんでいた。
 パンの買い出しに夢中で、皿割りは見るだけと、決め込んでいた。
 だが、よく知る面子がみんな、あんなに楽しそうにしている。
 自分も試してみれば、よかっただろうか。
 ……まあ、でも。無理をすることでもないか。

「休憩にする? 甘いものはどう?」
 そう声をかけると、マリイはうれしそうにパンのカゴを覗き込んだ。
「どれがおすすめですか?」

 困った。どれも違った、味や食感、風味の良さがある。
 それでも、あえて選ぶなら……。

「これは、早めに食べたほうがいいって」

 ココアを練り込んだ生地を軽く揚げたパンだ。
 切れ目には、チョコ色の生クリームがたっぷりのぞく。

「わあっ、お菓子みたい。
 エルナさん、ユークリアさん! 休憩にしませんか?」

 呼ばれて、どれどれと二人がやってくる。
 即席のティータイムが始まった。

 パンをつまむ女子らを、ながめながら、キーゼは思った。
(……そのうち、パンを贈る相手とか見つかるんでしょうかね、皆さん)

●
 サマエラ=フォリウムが言いたいことは決まっていた。
 最初は、そんなつもりはなかったのだ。
 不用品の処分がてら、不満の解消とは合理的な催しだな。
 とか、そんな感想だった。
 スッキリした顔の人々を見るうち、気が変わった。

 自らに燻る、どうにもやるせない思い。
 ぶつけてみれば、何かが変わるかもしれない。

 一枚の歪んだ皿を手にとり、思いをはせる。
 大きく、息を吸い込んで。

「――金が!!  足りん!!」

 サマエラは叫んだ。

「武器を揃え、道具を揃え、技術を身に付け。
 そうして強くなる道があるのは、良い。
 それは、とても良い」

 拳を、ぎゅっと握りしめ、天に突き上げた。

「だが! 型落ちの品などは!
 どこかで!  売るなりさせてもらえないか!
 依頼をこなせど、こなせど!
 金が!!  足りんのだッ!!」

 一瞬の静寂。――そして。

 うおおおおおおっ!!

 冒険者たちの雄叫びが、あがった。

「だよなあっ!!」
「俺も困ってたんだ!」
「実装はよ!」

 アルパカ獣人(ハーフビースト)の係員が、何故か申し訳なさそうにしている。
 その背中は、震え、ちょっと丸くなっていた。

●
「みんなー! 差し入れだよー! よかったらどうぞー!」
 アスティン・ヴェルラインは、料理を持ち込んでいた。
 腕には、それなりに覚えがある。
 それに、ちょっと狩りがうまく行き過ぎたのだ。
 こういう時は、皆にふるまってしまうのが一番いい。

 猪肉を使った手製のベーコンがメイン。
 他にも、芋との炒め合わせや、一口サイズのベーコンパンなど。
 なかなか、美味しく仕あがったと思う。

「おお、チョコパンで口が甘かったんだ。助かる」
 スヴァンがパンを受け取り、ほおばる。
 やっぱり塩や野菜で、適度に味覚を変える提案は、良さそうだ。

「ありがとう! 厚切りベーコン、おいしいな!」
 ギャメルが、笑顔で称賛した。

「わ、ありがとうございます。
 最近、まかないが出る依頼が全然なくて、参ってたんですよ。
 むむむ……これは。貴方、かなりデキますね?」
 聞けば、シャロンも料理をたしなむらしい。
 二人は、地元の差し入れや、レシピの情報を交換しあった。
 専業料理人でなくとも、レパートリーが広がるのは嬉しい。

「いただきます。……悪くないですね」
 エシギは淡々と感想を述べた。
 そのわりに、カギしっぽが機嫌良さそうに揺れている。
 気に入ってもらえたらしい。

「おいしそう! ありがとう!」
 アルマは、憑き物が落ちたかのように、パンにかじりついている。
 いっぱい動き、食べるのは、気分が良いのだろう。

「できたら、野菜とベーコンはさんだパンとか、ある?」
 ベルタークが声をかけてきた。
 レタスとトマトがあったと思う。
「はい、どうぞ」
 即席サンドを差し出すと、彼は目を輝かせた。
「ありがとう! これが、好きなんだ」

 冒険者に限らず、一般人の参加者も、沢山の人が喜んでくれた。
 差し入れを置いていた簡易卓は、すっかりきれいになっていた。
 獲りすぎたものを無駄にせずにすんだようだ。
 アスティンは、満足げに息をついた。

●
 ミルル・マルル・ピスタチオは困っていた。

 いろんなパンを試したい。
 もちろん、ポイントも溜めたい。
 主婦から絶大な支持を得るマザキヤの皿、見逃す手はない。

 だけど、小柄な自分に沢山のパンはちょっと荷が重い。
 誰か協力(シェア)してくれる人はいないものか。

「そこの素敵な(胃袋が大きそうな)お方!
 私とパンデートしませんか?」
「私? 大歓迎だよ!」

 同じ種族ということもあってか、エルシーが気軽に応じてくれた。

「何から食べよう? 甘いのからでも良い?」
「ええ、もちろん!」

 サクサクのペストリー。
 蜂蜜がたっぷり染み込んだの。
 当然、チョコパンだって。
 口が甘くなったら、惣菜やナッツ入りのパンを。
 クッキー生地を使ったパンも見逃せない。

 二人は尻尾をふりふり、ご機嫌で店をめぐった。

「ねえ、ミルルさんは、どんなのが好き?」
「そうですね……もっちりハード系が好きですね♪」

 意外にも、割合お腹にたまるタイプだった。
 シェアする相手が必要になるのは、必然か。

 カカオブームに沸くマザキヤだが、本領は小麦。
 ちょっと探せば、その系統が得意な店は沢山あった。

「くんくん……これはまた一段と上質な小麦と酵母の香り……」

 ポイントもそろそろ……ぴったりだ!

 エルシーは快くポイント交換の皿をゆずってくれた。
 すでに皿割りまつりで、参加賞をもらったのだという。

 いいおみやげができた。
 ミルルは満足げにお皿を抱きしめた。

●
 シャーリー・ブラウンは、街に出てみた。
 意中の相手にパンを贈る催しがあるというが。

 意中の相手。特に思い当たらない。
 将来の伴侶というのも――。

 シャーリーは、狼のグレイを見た。
 狩りや戦闘では力になってくれて、日常では癒やしてくれる。
 ……もはや伴侶といってもいいのでは?

「恋人への贈り物かい?」
 手近な店でチョコパンを頼んだら、そんなことを言われた。
「いえ――」
 さすがに恋人は言い過ぎだろう。
 グレイへと視線を送ると――。

「まさか狼に? チョコはダメだよ。下手すりゃ死んじまう!」
「えっ……そうですか……」

 しょんぼりした彼女を見かねて、店員はおすすめを教えてくれた。
 調味料やバターが少ない、シンプルなものがいいらしい。
 該当のパンをハートにカットして、売ってくれた。

「グレイ、あなたは私の拠り所です。
 ……今後ともよろしく」

 グレイがパンを食べ、嬉しそうに鼻先を寄せてくる。
 ことさら能力を使わずとも、真心は伝わった。

 他にも、丁寧に対応してくれるお店が何軒もあった。
 ふたりは、心おきなくパンまつりを楽しんだ。

●
 まつりも終わり、後片付けが始まった。
 人も少なくなった会場で、シャロンは、うずくまる人影を見つけた。

「大丈夫ですか?」

「親の顔より見たパンと皿。もう、十分だ……」
 スヴァンだった。
 まつりを満喫しきった表情は、満足感と膨満感の間で揺れていた。

マスターコメント

 マザキヤ 春のパンまつり&皿割りまつり、いかがでしたでしょうか。  皆様楽しいプレイングをお寄せくださり、こちらも楽しかったです。  お皿を実際に貰うシーンがない方も多いのですが、字数の都合です。  一応、皿割りをされた方は、皿割りまつり参加賞として。  お買い物をされた方はポイント達成の特典として称号付与しています。 (一部例外の方もいらっしゃいます)  付与理由を見て、色々想像していただければ幸いです。  想像だけじゃ足りない、もっとイベントの様子が知りたい?  キャラクターノベルで、ある程度対応は可能です。  もしよろしかったら、ご依頼くださいませ。(ダイマ)
イベントシナリオ

イベントシナリオ易しい 報酬:多い25 / 4〜25人

2021年02月13日 15時44分42秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. エルシー・サリバン

    エルシー・サリバンだよ。よろしくね。 割る理由は……失恋?でも無いような……だけど ウァーーンッ!ガシャガチャッンッ!って腹の底から叫んで割るね。 えへ❤気分すっきりだよ~。 その後はパンの食べ歩きとか、したいな。

  2. スヴァン=ウォルフ=ユーウェン

    特に意中の相手とかはいないんだが。 おいしいパンが仕事で食べられると聞いて………

  3. シャーリー・ブラウン

    意中の相手ですか… …グレイ(※狼)にパンを贈りましょうか。 シャーリーです。よろしくお願いします。

  4. ティラミス・ノーレッジ

    ティラミスだ、宜しく頼むぜ! おーなんだ?パンに皿割りに大盤振る舞いだな!

  5. ハッタ・ムラムラ

    ハッタだ。 世話になる。

  6. ロウトフェダー

    (めちゃくちゃ間違えちゃった……。) ロウトフェダーだ、よろしくな! 独り身の人には美味しいチョコパンを配って回る、モテモテさんやカップルには目の前で全力で皿を叩き割ってメンチ切る! なおペット愛は対象外とします。 (((ง'ω')و三 ง'ω')ڡ≡シュッシュッ

  7. アリシア・リターナー

    アリシアじゃ。すげえパロったオープニングに笑い転げておるぞ。 よろしゅう頼む。

  8. ギャメル

    ギャメルだぜ! よろしくなー。 白い便利なお皿がほしいっていう、不純なのか正当なのかわからねぇ動機で皿割りまつりに参戦だ! お皿を割るのはもったいねぇけど失敗作だしな。

  9. エシギ

    エシギです、よろしくお願いしますね。 お皿の処分の手伝いができればと思います。 意中の方やカップルの方はまぁよく分からないですが、叫びたいことはたくさんありますので。

  10. No.12

    ムラキヤ…パスコー… もしかしてムーンデリカとかウマパンとかあるのかな… 恋人は絶賛募集中の独り身ベルタークだよぐすん。 俺はパンをつっつくとしようかなあ。

  11. ミルル・マルル・ピスタチオ

    一部主婦層から絶大な支持を得る、うわさの「白いお皿」がいただけると聞いてっ さらに、お小遣いまで出してくれるなんてギルドさんも太っ腹ですねっ♪ 折角の機会です。 私好みのパンを探して、いっぱい食べて、食べて、食べて…回りたいのですが 小さなマイ胃袋が怨めしい……ぐすん。 というわけで、パンをシェアできる同行者さん大募集です! ひとまず「同行歓迎」と行動予定も出しておきますので、ご都合の合う方がいらっしゃいましたらぜひ♪

  12. エルシー・サリバン

    ミルルさん、一緒させて貰って良いかな? 色々なパンのシェアって聞いてから食いしん坊さんが止まらないんだよ(ムズムズ) せっかくの機会なので同じ種類でも店ごとに違う味を求めて食べ歩きたいな。

  13. ミルル・マルル・ピスタチオ

    >サリバン様 ぜひぜひ、ご一緒しましょう♪ 胃袋が2倍!とっても、心強いですっ♪♪ 感想の言い合いっこをしましょうね? そして、パンとは関係ありませんが、絵姿もおめでとうございます♪ ふふ。ふさふさ尻尾仲間ですねっ(ふりふり

  14. エルシー・サリバン

    ミルルさん、了承してくれて、ありがとうっ(絵姿へもありがとうです) 楽しみで尻尾が止まらなくて大変だよ~(尾を抱いて止め) 感想の言い合いっこだね、了解、こんな感じだよってメッセージさせてね。 色々なのを食べるんだ~~。

  15. アスティン・ヴェルライン

    俺はアスティン。よろしく。 んー…。とりあえず、作る側にでも回ってみようかな。 チョコパンは多分大量に出るだろうし。 あまり甘くないパンとか、総菜系のパン…。 ハーブを入れたお腹にやさしいパンとか…かな?

  16. イーヤ・レプリス

    ハーフビーストのイーヤよ、よろしく。 報酬に釣られて参加したけど、何をするか考えてなかったわね。 とりあえず皿でも割ろうかしら?

  17. シャーリー・ブラウン

    そろそろ出発ですね… 各自、悔いのないように。

  18. No.20

    (ふっと遠い目で空を見つめている) 皿を割ろう。 力いっぱい皿を割ろう。 全身全霊を込めて皿を割ろう。 アルマン・アルスターだ、よろしく。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0