【死軍】大掃除の時間です

STANZA

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シナリオID:445

オープニング

 ゾンビとなって蘇った妻への執着を断ち切り、その魂を自由にしてやってほしい。
 少し前、ギルドにそんな依頼が持ち込まれた事は記憶にあるだろうか。

 依頼そのものは無事に解決を見たのだが、依頼を受けた冒険者の中に、何か悪意ある存在の関与を疑う者達がいた。
 彼等は独自に調査を進め、報告を受けたギルドでも資料の手配などを行っていたのだが――

「結論から言えば、こいつが黒幕です」
 ギルド職員が一枚の紙切れを差し出す。
 そこには、とある吸血鬼のプロフィールが書き込まれていた。
「元帝国貴族、ペテロ・カプリテス。まだ少年の頃に家が貴族同士の覇権争いに敗れ、仇敵のもとに奴隷まがいの待遇で売られたという経歴の持ち主です」
 その後の経緯は明らかではないが、現在はヤコブ配下の吸血鬼としてそれなりの地位を得ている様だ。
 例の依頼を出した貴族のボンボン――正確には、依頼を出したのはその家の執事であるが――と、ペテロとの繋がりは見付からなかった。
 だが、彼にとっては帝国貴族の全てが憎悪の対象であり、滅ぶべき存在だったのだろう。
 かのボンボンが生き残ったのは、偶然の出来事だった様だ。
 ヤコブからの指示で死者からの手紙を捏造する際に、ゾンビの身元を確認する中で彼の縁者を発見したのも偶然。
 その偶然を、ペテロは最大限に利用した。
「まあ一族の中でたった一人生き残った幸運を存分に噛み締めるが良い……といった所でしょうかね、吸血鬼の気持ちなど理解したくもありませんが」
 他にもそんな偶然があれば、彼は迷わず同じ事をしただろう。
 もし今より力を付ければ、偶然など待たず積極的に貴族狩りに乗り出すかもしれない。

「その前に、叩き潰して下さい」
 ギルド職員は言った。
「現在、奴は先日発見されたヤコブの拠点にいます」
 ついでに拠点そのものをぶっ壊してもいいし、略奪された品々を回収しても良いし、ヤコブのお気に入りを燃やしてもいい。
 それが今回の依頼だった。

解説

ヤコブ配下の吸血鬼、ペテロを倒して下さい。 それが達成出来れば後は自由に暴れて構いません。 ■ヤコブの拠点  大体の構造は判明している  目標(ペテロ)は宝物庫のひとつで見張りに当たっている  その宝物庫は最も近い入口(見張りのゾンビ2体あり)から2つの小部屋(雑用ゾンビ数体が内装工事などを行っている)と、それを繋ぐ通路を経て3つめ、最も奥の部屋  部屋の前には戦闘用のモブゾンビ6体 ■吸血鬼ペテロ  帝国貴族を憎悪する元帝国貴族  見た目は爽やかな青年だが中身は憎悪でドロドロ、ヤコブの命令以外は復讐しか眼中にない  腐っても吸血鬼なので、戦闘力はそれなり  範囲魔法とバステ付与が得意、足下には常に解除不能の【魔法の泥沼】を発生させている  初手で宝物庫に逃げ込み中から鍵をかけるが、扉は木製のため武器などで簡単に壊せる ■その他の敵 ・モブゾンビ  拠点の入口に2体、宝物庫の扉前に6体  勢いだけで蹴散らせる程度のただの障害物だが、耐久はそれなりにあるのでひたすら邪魔 ・雑用ゾンビ  戦闘力はほぼゼロ、戦う意志も与えられていない為、スルーOK ■宝物庫  ヤコブのコレクションのうち、何割かが収められている  その価値は恐らく本人にしかわからない  通常の視点から見れば、殆どが燃えるゴミか燃えないゴミ ※OPや解説で明記されていない部分の解釈はお任せします  設定や世界観の範囲内で、ご自由にお楽しみください

マスターより

初めまして、或いはいつもお世話になっております、もしかしたらお久しぶりかもしれません、STANZA(すたんざ)です。 死軍の落とし物とでも言いますか、プレイングで頂いたアイデアを漸く形に出来ました。 前回の「【死軍】愛しき妻よ」にご参加いただいた方も、そうでない方も、ただ暴れたいだけでも大丈夫。 前回を全く読んでいなくても問題ありません。 では、よろしくお願いします。

リプレイ

 クリア・バイライトの相棒、大鼬のヴィクトリアは見張りの死角から拠点内部にするりと入り込み、中の様子を瞳に映す。
 その視覚情報と自らが透視と超視覚で得た情報を元に、クリアは内部構造や敵の動きなどを把握、仲間に伝えた。

「んじゃ……あのおかっぱ(ヤコブ)が来る前にちゃっちゃとすましちまおうか」
 ケン・Z・ブラッドリーが鋼の大太刀を抜き放つ。
「出来るだけ騒ぎを起こさないように頼むぜ?」
「ああ、わかってるって」
 クリアの念押しに、ケンは不敵な笑みを浮かべた。
「騒ぐ暇も与えずに潰す、それで問題ねぇだろ?」
 彼が言うまでもなく、仲間の大半は既にそのつもりでいる様だ。
「大事の前の小事なのだ。まずは護衛になりえるゾンビを迅速に断つのだ」
「ふごふご……吸血鬼の拠点潰し、やってやるぜ。オレ様がやっつけて差し上げるぜっ!!」
 ストレガ・L・リベルガストラが鳴き、ブヒブヒが吠える。
「腐った奴なんて、動きに無理が祟っているよな。だから、さっさと潰していくぜっ!」
 物陰から飛び出したブヒブヒは入口を守るゾンビに鋼の斧を振り上げた。
 こんな所でスキルを使うのも勿体ない、集中攻撃で――まあ誰かが使ってくれるなら遠慮なく乗っかるけどな!
「では乗っかって貰いましょうか」
 セロンガード・シュタインドルフがラピッドショットで二体を同時に狙う。
 その刺激にゾンビが反応した時はもう、ケンが目の前に迫っていた。
 大太刀が横薙ぎに払われると、その頭上から振り下ろされたブヒブヒの斧が頭蓋を叩き潰す。
「こちとら、8人に只のゾンビ2体程度、止められると思うなよ」
 もう一体はクリアの重撃射で動きを鈍らせ、サイラスが鋼の大太刀を振り下ろす。
 トドメはストレガの魔矢(エーテルアロー2)と、リーズ・クラヴィエの鋼の牧杖による近接魔法の同時攻撃!
「本来はこういう使い方をするものではないのですが……!」
 目的が果たせればそれで良し!

 ただの死体に戻った二体のゾンビを目立たない場所に転がして、冒険者達は拠点内部に突入した。
 途中の部屋で作業をしていた雑用ゾンビは、彼等の姿を見て逃げるでもなく、それどころかまるで目に入っていないかの様に黙々と作業を続けていた。
「ここは良く分からんもんしかねぇよな……っていうか、ゴミ部屋かよ」
 どういう感覚しているんだかと、ブヒブヒが呟きながら駆け抜ける。
 相手が反応しないなら、ここの片付けは後回しでいい。
 無害なものに手を出して、自ら警報を鳴らす様な愚は犯さないのだ。

「この角を曲がった先だ」
 クリアは大鼬(ヴィクトリア)を先行させ、天井近くで鳴き声を上げさせる。
 扉を護るゾンビ達が気を取られた瞬間、クリアは貫通衝撃射を撃ち放った。
「何事だ!?」
 響き渡った吸血鬼(ペテロ)の声に被せる様にストレガが豪風を巻き起こし、セロンガードが炸光矢で無数の光破片を撒き散らす。
 ケンはチャージングで一気に突っ込み、殺界を展開した。
「ま……恨みはないけどこいつで成仏して(エーテルに還って)くれ」
 囚われた全ての敵に大太刀の一撃を見舞うが、その時にはもう吸血鬼の姿はなかった。
「逃げ足が早いのは小物の証拠だな」
 クリアが吐き捨てる様に呟く。
 復讐は別に悪いとも思わない。彼が行ったことにも特別感情を持ってはいない。
 しかし自分一人が悠々と裏で手を引いてるような、如何にもな貴族の振る舞いには怒りを禁じ得なかった。
「そこに閉じ籠もって、震えて待つが良いさ」
 クリアの目には、扉の向こうに逃げ込んだ吸血鬼の姿がはっきりと捉えられている。
 相手は自ら袋小路に飛び込んだも同然だった。
「邪魔だおらぁっ! 纏めてペシャンコにしてくれるわいっ!」
 チャージングで突っ込んだブヒブヒが攻撃集中からの闘気槌をぶちかます。
 そこに重なる様にサイラスの闘気槌が撃ち込まれ、ストレガのメテオライトが炸裂、それでも残ったものにはセロンガードが矢を打ち込み確実に動きを止めた。

 残るは吸血鬼のみ、周囲から援軍が現れる気配もなく、逃げ込んだ部屋には抜け道もない。
 クリアが内部の様子を詳細に報告してくれたお陰で、冒険者達はじっくりと計画を練りつつ、それぞれに想いを巡らせる余裕を持つ事が出来た。

(元帝国貴族ですか。それも復讐の憎悪に囚われたと)
 セロンガードにとって、その感情は決して縁のないものではない。
(明日は我が身です。親近感が無いわけではありません。同情も致します。辛かったでしょう。悲しかったでしょう。苦しかったでしょう)
 助けを求めても誰も助けてはくれなかったのだろう。何より誰も守れなかった。
 そして、強さを求めたのだろう。
 だからこそ――
「ここで終わらせて差し上げます」

「王国貴族を憎むあまり、王国とあまり仲が良くない帝国の人間を友朋とまで考えていたヤコブを親に持つにしては変わっていますね……」
 それほどまでに生前の憎しみが強かったのだろうと、リーズは想う。
「ですが、それで帝国の人間を襲うようなら、貴族ではありませんが帝国の人間として見逃せません」
 これ以上故郷の人々を悲しませ、傷付ける行為は。

「ヤコブに見逃してもらえた事は本当に幸運なのだ」
「そうか?」
 ストレガの呟きを聞いて、ケンが問いかける。
「そうなのだ。このように吸血鬼への討伐依頼が下るのだから」
「なるほど……ま、吸血鬼相手の経験が積めると思えばこれも悪くねぇか」
 現状では、まだあれ(ヤコブ)とまともにやり合える状況ではない。
 せいぜいこうやって嫌がらせでボロを出させるしかないというのは歯がゆいが、予行演習と思えばそれなりにやる気も出る。
 ヤコブの劣化版なのは残念だが、それも訓練と思えば難易度的にも丁度良いだろう。
「さぁ、楽しませてくれよ……吸血鬼」

 これまでの戦いで傷を負った者はいない。
 リーズは魔法防御に不安がありそうなケンとブヒブヒを淡い透明な光で包み、その防御性能を向上させる。
(魔術が得意そうな相手に癒し手は私一人。ふふふ、腕の見せ所ですね)
 ちょっと不謹慎かもしれないと思いつつ、ワクワクが止まらない。
 ケンが扉を蹴破り、冒険者達は雪崩を打って部屋に突入した。
「復讐するなら報復されることも勿論考えてるよなぁ、貴族サマ?」
 クリアが鋼の魔弓に矢を番え、吸血鬼に重撃射を打ち込んだ。
 もう裏で操る様な真似はさせない。この場に引きずり下ろして徹底的に叩きのめす。
「何だ貴様らは! この私を――」
「興味ないのだ」
 復讐のきっかけだとか貴族への憎悪だとか、そんなものは知らんと口上をぶった切り、ストレガが問答無用でマジックディソナンスを仕掛ける。
「呪術が得意な吸血鬼と聞いたのだ。私も得意なのだ。ゴブリンの呪術師ストレガなのだ」
 相手の口上は許さないが、自分の口上はきっちり聞かせるのがストレガスタイル。
 魔法の攻防を下げたところで、チャージングで魔法の泥沼を突破した蒋・璃龍が破鎧砕を打ち込む。
「物理防御も下げておきました、です」
 直後、反撃の範囲魔法が展開されるが、ケンは構わずチャージングで突っ込んで行った。
 まずは足を狙って一撃、それに意識が向いたら上半身を――
「甘いわ!」
 至近距離で光弾が炸裂、避ける間もなくケンの身体がずしりと重くなる。
 だがリーズがすささず解呪を実行、重圧から開放されたケンは再び大太刀を振り下ろした。
「さすがは腐っても没落貴族だな……生き汚ねぇ!!」
「バステなんていくらかけても無駄ですよ、私が片っ端から解除しますから」
 ケンとリーズに煽られ、吸血鬼は苛立ちを見せた。
「貴様らこそ、たった一人に八人がかりとは卑怯だぞ!」
「まあ仕事だしね?」
 吠える吸血鬼にサイラスが答える。
「卑怯とかどの口が言うかっていうのもあるし。まさか自分のした事忘れたとか言わないよね?」
 幻影であのボンボンやゾンビ妻の姿でも見せてやろうかと思ったけれど、サイラス自身「ああ、アレかぁー」程度のぼんやりした記憶しか残っていなかった。
「うんまあ本来君の復讐なんて好きにすればいいよ?」
 だって俺も興味ないし。でも依頼に乗った敵だから、死んで?
 衝撃刃、どーん!
 そこにチャージングかつ全力移動で突っ込んだブヒブヒが――
「こんなんで止まると思うかよっ!!」
「なっ、オークまで入り込んでいるだと!?」
 ぶちっ。
 ブヒブヒがキレた。
「誰がオークだっ! オレ様はブタのハーフビーストなんだよっ、間違えるなっ、ブヒぃいいいいいいいっ!!」
 体当たりをぶちかます勢いで強打を打ち込み、続けて怒涛の猛攻撃。
 だが闇雲に突っ込んだ所で勝てる相手ではないと頭を冷やし、防御重視に切り替えた所に足下から火炎が噴き上がった。
「だったら丸焼きにしてくれるわ!」
「だからオレ様はブタじゃ……いやブタ(のハーフビースト)だが! 食い物じゃねえ!」
 火柱は部屋全体に及び、冒険者達全員に大ダメージを与える。
 しかしリーズが間髪を入れずヒーリングオーラで全体回復、膝をつく者は誰もいなかった。
(ふふ、こんな時に全員に届くようにと考えた末の、この立ち位置です)
 吸血鬼にドヤ顔を向けるリーズ、それが癇に障ったのか、それとも単にヒーラーを真っ先に潰そうとしただけなのか、光線状の攻撃が一直線に飛んで来る。
 リーズは防御に徹し、瞬間的に自分を強化した。
 しかし、その一撃はブヒブヒの体を張ったカバリングで止められ、無防備な背後に回り込んだサイラスが背中に大太刀を振り下ろす。
「くっ」
 顔に焦りの色を滲ませた吸血鬼は、再び火柱を燃え立たせると、出口に向かって跳躍した。
 が、その身体にセロンガードが放った矢が突き刺さる。
 そこにはロープが結び付けられていた。
 本来は魔法の泥沼から吸血鬼を引っこ抜く為に考えたものだが、逃走防止にも使えそうだ。
「おいおい……何逃げようとしてんだよ元貴族」
 ケンが殺界を展開して吸血鬼の足を止め、直後にダメージを与える。
 そこから解き放たれても、ストレガの放ったフリーズボルトが逃亡を阻んだ。
 クリアが重撃射で動きを鈍らせた所にサイラスがチャージングで踏み込み、燃え上がるような眩い輝きと共に渾身の一撃を叩き込む。
「こいつで終いだ……なかなか楽しかったぜ吸血鬼……だけどその首狩らせてもらうぜ」
 ケンがチャージングの突進力を乗せ、予備動作を殆ど感じさせない動きで大太刀を打ち払う。
 骨が砕ける音がして、吸血鬼の首がねじ切れる様に落ちた。
「……エーテルに還り、安らかに眠れ」
 セロンガードの声が静寂の中に沁みた。


「回収するのってあったか? まぁ、食い物はなさそうだし、帰る……なんだ、あるのかよ?」
 戦いが終わり、傷の手当を終えると、冒険者達は窃盗団に名前を変えた――いや、盗まれた物を取り返すのだから、泥棒ではない……か?
「とにかく出来るだけ荒らして帰ろうぜ」
 ケンがどう見てもガラクタな何かを蹴り上げる。
「まあガラクタも少なくとも金属類は溶かしたり打ち直せば使えるものになるしね?」
 サイラスが拾い上げたそれは、小さな黄金像(キンキラのおかっぱ頭)。
「形はどうあれ、金は金だな」
 元は誰かの形見や思い出の品だったのかもしれないが、もう元には戻せないし、黄金として返しても争いの種になりかねない。
 本来の持ち主には――その人物の生死に関わらず、ヤコブ討伐の軍資金とする事で溜飲を下げて貰うしかなさそうだ。
 ざっくり見て回ったサイラスは、やがて興味を失った様にふらりと外に出て行った。
 どこかに隠し通路があるかもしれないと、作業ゾンビが働く部屋に堂々と入って行く。
(本命のものがそんな簡単に見つけられる場所に置く訳……どうだろなぁ、なんかそこまで厳重に隠すほど用心深いか分からんなぁ)
 作業ゾンビは侵入者に反応する事なく黙々と働き続けていた。
(変なところ性善説というか、正しい私に不幸なんて普通あるはずがない的な思考がありそうなんだよねぇ)
 ということは、通路も隠されていないかも?

 宝物庫に残ったストレガは、マジカルポケットの収納限界ぎりぎりサイズに縫い合わせた大きな袋を取り出し、目に付いた物を片っ端から放り込んで行く。
 期待した様な吸血鬼などに関する資料や事件証拠資料などは見当たらず、学術的な価値がありそうな物も見当たらない。
 殆どゴミかもしれないし、ヤコブの趣味でしかないかもしれないけれど。
「素人判断は禁物、見る人が見れば何かわかるかもしれないのだ」
 今後、吸血鬼という存在についての研究考察や対策など、誰かがやるきっかけになるかもしれないと思えばゴミも宝に見えて来る……かもしれない。
 誰がどう見てもゴミと判断された物でも、最低限記録だけは残しておこう。
 袋を閉じて丸ごとマジカルポケットに突っ込み、それでも入りきれないものは作業ゾンビから台車を引ったくり……
 予想外の事にウロウロオロオロし始めた作業ゾンビは、他の個体と共にその働きぶりをよく見てからきっちり倒すとしよう。
「何事も研究、記録なのだ」

 拠点にはどうやら他の冒険者達も来ているらしく、洞窟の奥の方から騒がしい物音が聞こえて来る。
 ゾンビや他の吸血鬼達はそちらの対処に手一杯の様で、相変わらず自分に与えられた命令のみに忠実な雑用ゾンビの他に通路には動くものの影もない。
 お陰で堂々と正面玄関らしき所まで行き着いたサイラスは、そこで見たくもないものを見てしまった。
 それは気取ったポーズを取り、陶酔の表情を浮かべた等身大の金のヤコブ像。
 いや、粗悪な金属に金色に見える塗料を塗りたくっただけのガラクタだ。
「溶かして再利用する価値もないわな」
 台座から蹴り落とすと、おかっぱ頭がもげて転がった。
 ヤコブがここに戻った時、恐らく真っ先に目にするのがこの有様だと思うと、少しは気分がスッキリした様な、やっぱりどうでもいい様な。

 仲間達が拠点潰しに興じる間、セロンガードとリーズは倒したゾンビ達を外に運び出し、丁寧に弔っていた。
「この人達も犠牲者ですものね」
 リーズの言葉にセロンガードは黙って頷く。
 事の経緯を考えると、このゾンビ達は全員曲がりなりにも帝国民である可能性が高い。
 全員を土に埋め、セロンガードは吸血鬼が眠る場所に持参したエールを振りかけた。
「貴族には口に合わないかもしれませんが、来世で慣れてください」
 それが正当な復讐の範囲内であったなら、自分も止める気になれなかったかもしれない。
 けれど彼はやりすぎてしまった。
 憎しみから解放するには、もう他に選べる手段が残されていなかった。
「どうか、安らかに」
 もう一本は、他の犠牲者達に。
 彼等にとっては、これは慣れ親しんだ味だろう。


 主不在の拠点を散々に荒らし回り、冒険者達は戦利品を手に帰途に就く。
 後はヤコブの次の動きを待つのみだった。

マスターコメント

ヤコブの拠点ぶっ潰し作戦、ご協力いただきありがとうございました。 思ったよりコメディ方面に傾きましたが、仕方ありませんねヤコブ絡みですから( では、お楽しみ頂ければ幸いです。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人

2021年01月14日 17時17分34秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. 蒋・璃龍

    ウォーリアの蒋・璃龍、です。よろしくお願いする、ます タフな取り巻きのゾンビと、魔法の泥沼を常時使用しているボスが相手で、しっかりダメージを出す攻撃手段を準備する必要がありそう、です とくに、魔法の泥沼はこの場合、術者中心、直径3ヘクスの範囲で、「【泥沼】が発生しているヘクスから移動する場合、移動力の消費が通常よりも2増加する。 必要な移動力が消費分に足りない場合は移動できない。」の効果が出るから、移動力を補助するスキルか、遠距離攻撃スキルがないと、まともに動けなくなりそう、です ワタシだと、移動スキルのチャージングと、遠距離攻撃スキルの衝撃刃を持っていくつもり、です

  2. リーズ・クラヴィエ

    ヒーラーのリーズ・クラヴィエです。よろしくお願いしますね。 バステ付与も得意とのことですし、そちらも移動阻害系のものであれば更に移動が厳しくなりそうですね。 バステ解除スキルいずれかと範囲は心もとないですが範囲回復ができる【ヒーリングオーラ】は持っていくつもりです。

  3. No.3

    サイラスだ、よろしくなー とりまウォーリアなんで壁にはなれんね。キャスター系の服使えば多少は持つかな?程度。スキルも蒋さんと同じくチャージング持ち込むかなと。資金の都合で接近戦のものがメインだし。 なんで持ち込むアクション系は自分用に一応ヒール、遠距離一つ、チャージング、範囲系ひとつかな?と

  4. ブヒブヒ

    オレ様、ウォーリアーの、ブヒブヒだぜ。 よろしくだぜ。 オレ様も、チャージング持っているから、突っ込むことは出来るな。

  5. ストレガ・L・リベルガストラ

    ん、キャスターのストレガなのだ。よろしくなのだ。 こちらもバステに特化したものなのだ。ヤコブを射程に捉えたらマジックディソナンスをかけるのだ。 宝物庫内であれば逃げられる事は、なさそうなのだ?一応もう一つはフリーズボルトでいこうと思うのだ。

  6. ブヒブヒ

    ヤコブは留守だぜ。 代わりに別の吸血鬼がいるがな。

  7. ストレガ・L・リベルガストラ

    Oh,素で名前間違えたのだ。 とまれぺテロにはそんな感じ。あとは攻撃系のアクションとヒールなのだ。

  8. リーズ・クラヴィエ

    できる限り他の人が攻撃に専念できるよう回復重視にはするつもりですが、敵の攻撃力によっては厳しい可能性はありますからね…… 枠と資金に余裕のある方にヒールを持ってきてもらえるのは助かります。 全体の方針として決めるのはゾンビの扱いくらいでしょうか。 とは言っても特に問題ややりたいことがないのであれば、ペテロと戦う前に邪魔になりそうな戦闘ゾンビは倒しておく、でいいかなと思いました。

  9. 蒋・璃龍

    装備とスキル、調整して魔法防御をちょっと上げてきた、です >ゾンビ 先に倒しておいた方がよさそう、です。でも、耐久は高いみたいだから、まとめて範囲攻撃とかをして、できるだけ時間をかけずに早く倒したほうがよさそうだと思う、ます。 あとは、一応、防御低下用のスキルも持っていくので、ボス用の回数を残して、ゾンビにも積極的に使っていくつもり、です

  10. クリア・バイライト

    シューターのクリア・バイライトだ、よろしくな。 ペテロとやり合う前にゾンビの掃討をするのは賛成だ。時間をかけちまうと壁になるとわかってるゾンビも利用されるだろうしな。 入口前の2体だけでも騒ぎを起こさず倒せりゃ奇襲性なんかもあがるかもな。報連相なんてしねえだろうし。 スキルの方は範囲と単体、ヒールも枠が空いてるから入れるぜ。宝物庫内で戦うなら射程から逃れられることはなさそうだし、こっちは移動力はあまり考えない方向にしとく

  11. ブヒブヒ

    そうか、吸血鬼にゾンビが合流すると、もれなくゾンビが盾になるんだったぜ。 だったら、INIと攻撃力上げて先に潰したほうがいいか。

  12. リーズ・クラヴィエ

    ペテロは宝物庫の中に逃げ込むとのことなので時間がかかっても問題はないと思いますが、時間をかける理由もありませんしゾンビは早めに倒したいですね。 私もゾンビ戦は微力ですが近接魔法攻撃で攻撃に参加する予定です。 相手のBS付与の種類が分からないので、念のため抵抗を上げてきました。 私さえBS付与で動きを止められなければ【解呪2】で回復できるので、あちらの付与がよほど高くない限りBS関連はこれで対応できるかと思います。

  13. セロンガード・シュタインドルフ

    大変申し訳ありません、 遅れましたシューターのセロンガードです。 拠点の入口にいる2体には《ラピッドショット》を、残りの6体には《炸光矢》をこれでもかってくらい撃ち込むつもりでございます。 一応予備でヒールも積みました。

  14. ケン・Z・ブラッドリー

    顔出しができなくてすまん ウォーリアーのケンだ 作戦は了解した 入り口のゾンビへは突っ込んでの殺界で一気に攻めるようにしよう あとは旧受け突き倒して宝物をこわしていこうかな

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0