【PT】砂海を泳ぐ
北上辰巳
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シナリオID:236
オープニング
「たす、助けてくれぇ!」
王国の北西部、寒々しい砂漠に悲痛な声が響き渡る。
着の身着のままと言わんばかりの軽装の男を追い回すのは、粗雑な武器で武装した蛮族たち。
弱者を、自分たちと同じ姿をした人間を追い回しながらも醜悪な笑みを浮かべる彼らが、善良な一市民ではあり得ぬことは、一目でわかることだろう。
アロシュナバラ砦占拠に始まったバルバロイの蜂起から、このような騒ぎは、時折見られる光景であった。
一つ、この『狩り』に他と違う点があったとするならば。
「……ん? おい、なんか地面が揺れてねぇか……?」
「いやお前、それって昨日飲んだ酒がまだ残ってるんじゃ……うおおあ!?」
地を裂き、突如現れる巨大な影。
バルバロイたちの真下から現れたソレは、軽口を叩いていたバルバロイの男の体を食いちぎり、一瞬にしてその命を奪ってしまう。
「あ、ああ……あああああ!?」
もとより殺されかけていた村人はもとより、一気に狩人の立場を追われたバルバロイが絶望の声を上げる。
彼も、ようやく気付いたのだ。
この狩りは、いつも通りの遊戯などではなく。
自分たちも獲物として、命を懸けねばならない闘争だということに。
●緊急出動
「仕事だ、冒険者諸君」
冒険者ギルドの一室、若いとも老いているとも言えぬ男の声で語りだしたリザードマンへと、集められた冒険者の注目が集まった。
「急な話だ、すぐに動ける者のみ集まってくれ。説明を終え次第、すぐさま向かってもらうことになる」
皮肉にも、先日の帝国崩壊、王国北西部の砂漠におけるバルバロイ蜂起などの影響か冒険者の数は多い。
その中のいくらかの者の関心が自分に向いたことを確認し、男は話を始める。
「場所はリーンエスの北西部アロシュナバラ、そこからさらに南西に進んだシラー砂漠により近い一帯だ」
リーンエス北西、アロシュナバラ。
冒険者たちの活躍によりバルバロイの暴挙を押しとどめている現状ではあるが、いまだ予断を許さず混乱が続く地域だ。
今回の話は、その地から逃げ延びた村人より伝えられたものであった。
「先んじて断ると、これはバルバロイたちのたくらみに関係のある話ではない……少なくとも、ギルドが判断する限りは、だが」
運よくバルバロイの最初の襲撃からは生き延び、逃げ出しながらも追い詰められた村人。
酷なことではあるが、アロシュナバラ砦を占拠された日から、そう珍しい話でもなかった。
事実、ギルドに保護された男が語る話の中で、新たに調査すべき新しい情報はなかったという……バルバロイに関しては。
「大きな蛇のような、地を泳ぐ怪物……クリーパーが砂漠より王国へと進出しているのだ」
曰く、虫のようないくつもの腕を持つ。
曰く、土の中を神出鬼没に泳ぎ回る。
曰く、巨大な礫のような何かを吐く。
怯え切った村人が伝えるソレは、突如バルバロイを襲撃し、一方的に蹂躙し彼らの肉を食い漁ったという。
「マテリアル界土着の生物としてはあまりに不自然な特徴の数々、まずクリーパーと判断して問題ないだろう……そして、そうなった場合、問題が一つある」
――そのクリーパーの大きさは、どれほどだろうか?
おおまかな基準として、ヒューマンの成人男性を3人ほど並べたよりも体長が大きいクリーパーは『大型』と分類される。
授恵者10人分にも匹敵することのある中型クリーパーの、更なる上位存在。
地中に隠された体躯の大きさによっては、くだんのクリーパーがそれに該当する可能性も0ではないのだ。
「本来であれば、キチンとした部隊をギルド側が組むべきだが……はっきり言おう、人手が足りん」
帝国崩壊、アロシュナバラの陥落、増加するクリーパー……授恵者をはじめギルド側の戦力も増加してはいるが、確定していない大物に必要十分な人員を割く余裕がないというのが、ギルドの実情であった。
「だが、決して捨て置くことはできん。砂漠からやって来たのなら、さらにその先……人里に現れない保証はないのだからな」
よって、此処に冒険者たちへの依頼が言い渡される。
一つ、仮称『土蛇』と名付けられたクリーパーの確認。
一つ、可能であれば『土蛇』の撃退、あるいは討伐。
一つ、ギルドへの調査報告。たとえ、生き残りが僅かになったとしても。
●一時休戦
「はぁ……はぁ……くそっ、何人残ってる?」
「多分、俺ら2人だけだ……チクショウ、あのバケモノが食い散らかすせいで、誰が死んだかもよくわからねぇ!」
悲痛な表情で、男たちが言葉を交わす。
冷たい岩陰、身を寄せ合い、怯えながら隠れる彼らに、数刻前までのバルバロイとしての野蛮な勇ましさは残っていない。
逃げ切るのは、不可能だろう。
元々、好き勝手に脱走者を追い回していた身だ、自分たちのリーダーもこの事態を把握していないだろうし、知っていたとしても命がけで自分たちを助けるとは思えない。
逃れられない死が、すぐ傍まで迫っていると思うと、体の震えがどんどん強くなってくるのを感じる。
首筋には、冷たい刃物を突き付けられているかのような錯覚まで……いや待て。
「ッ、冒険者……!?」
気づいた時には遅かった、すぐ近くまで迫っていた冒険者に見つかった彼らは、武器を突き付けられあっさりと降伏する羽目になる。
――だが、これはチャンスなのではないか?
あのバケモノも、バルバロイをたらふく食ったせいか今はおとなしい。会話する余裕が、少しだけある。
「……なあ、あんた等。ちょっと、話を聞いてくれやしないか」
バケモノに生きたまま食われるか、奴をどうにかして目の前の人間に捕まって連れ去らわれるか。
どちらがマシかなど、考えるまでもなかった。
解説
マスターより
リプレイ
「俺らが知ってるのはこれで全部だよ。ギルドが聞いたっつう虫みたいな腕ってのは、多分その辺の……」
「小さなクリーパーか。蛇というか魚にも見えるが、これの親玉が件の巨大クリーパーだな」
説明の締めくくりにバルバロイが指し示すクリーパーの死骸を、ジル=クィネルが端的に評する。
「この数十倍のサイズ……そんな圧倒的なクリーパー、倒さないと危なすぎるわ」
戦意を喪失したとてバルバロイ、怯える男たちへも一定の警戒は解かぬまま一筋の汗を流すミツキ・アインホルン同様に、冒険者たちの間にも緊張が走る。
最低でも中型、より大きければ到底勝ち目のない怪物。
そのような存在のテリトリーに、今自分たちが立っているのだという寒気にも似た警戒は、バルバロイから彼らへも伝播していたのだった。
ごおごおと、地面の揺れと共に何かが動く音が響きだす。
「おっと、食後の休憩は終わりか? 蛇じゃなく魚でも食えはするだろうが、まず見つけない事にはな」
「思ったよりやばそうな敵だしね……油断すれば、あっという間に彼らの二の舞だろう」
ライラ・ペトラルカが動きの邪魔になる装備を外しながら、事切れたバルバロイたちの残骸に目をやる一方で、Есөнхумсは不敵な笑みを浮かべてみせる。
敵は強大だが、だから気になるのだ――どんな味なのだろうと。
とりわけ鋭い感覚を持った彼らは、バルバロイの語った奇襲を受けるわけにはいかないと油断なく地面の様子を伺う。
地中を蠢く音、それに伴い揺れる地面。
そこに偏りは無いか、源は何処かを、冒険者たちがその全てを持って探る。
並大抵の者であれば、それでもなおクリーパーの動きを探るのには不足であろう。しかし、此処に居る彼らは、エーテルの力を与えられた授恵者でもあるのだ。
「……見つけた! けど、これって……?」
はたして、己が感覚のみならずエーテルの波動をも撃ちだしていたエミリア・シバが地に潜む敵を探り当てる。
だが、月明かりに照らされた彼女の金眼は、警戒でも達成感でもなく、困惑に揺れていた。
自然と彼女が向けたその視線の先に、ライラやЕсөнхумс、ハーゼル・ライアード等の意識も向けられ、確かにそこに存在する巨大な生物に気づく。
「近くだが……こいつらが居た岩の真下辺りか?」
「……もう満腹で出てくる気が無いとかだと、それはそれで困るな」
バルバロイを顎で示しながら語るハーゼルへと、Есөнхумсがほのかに冗談めかしたトーンで答える。
ひとまず、自分達の真下からいきなり食いつかれる様子はない。
(けれど、どうして?)
バルバロイの話から真下を強く警戒していたエミリアの胸中に疑念は尽きない。
この状況で油断はできない。
自分たちを殺し食らう、それが敵の目的であるという思考はブレさせてはいけない。
そうでなければ彼女は致命的に出遅れていただろう。
「……!? 皆、あの岩から離れてっ!」
エーテルのマーキングが急に深く潜り、上昇する。
それが何を意味するか、何を意図しているのかにエミリアが気づくのが数秒遅れていれば、冒険者たちはあっさりとその命を落としていたに違いない。
「えっ……うおおおおおお!?」
バルバロイを挟み岩から最も遠い位置に立っていたウッド・B・ウードには、他の者に比べれば僅かに余裕があったのだろう。
仲間が言うのだからと、訳も分からず走り出した彼は見た。
響く轟音。大きな岩が、高く宙に舞う非現実的な光景。
地中から飛び出す巨大な影。
寸でのところで誰も潰さず着弾する岩弾が巻き上げる土煙の中。
「あ、アイツだ! あれが皆を食い殺した……!」
バルバロイが恐慌の中で指差すその姿に、誰ともなしにぽつりと零す。
丸い口に、ぐるりと並んだ短くも鋭い牙。
目の後ろに並ぶ、ぽっかりと空いた何かの孔の列。
そして、見上げるほどに長く大きなその体躯。
「――土蛇」
冒険者たちが求めた怪物は、明確な殺意を持って彼らの前に姿を表すのだった。
●
「く、くそっ! これだけいりゃあどうにか……!」
土蛇の奇襲を逃れ、最も余裕が無い様子の年若いバルバロイが斧を構え前進する。
が、その肩に馴れ馴れしくポンと置かれる手が一つ。
「まあまあ青年。そう先走る事もないであろう……というか今出ると巻き込まれるぞ」
「は、巻き込まれ……?」
どこか穏やかですらある口調でバルバロイを制止した仮面の男、ウォン・ジンユゥ。
砂漠を庭と呼ぶ自称最強である彼は、『彼女』が決めていた動きをきっちり覚えていたのだった。
「岩投げなんて意外と知恵があるのかしら……でも、貴方に全力でなんて戦わせないわよ!」
ミツキが放つエーテルの光球は、土蛇の長大な体を覆って余りある物量を持って敵の動きを阻害する。
授恵者である彼女でも連発は困難な大魔術は、しかし本来の住み家である砂漠からこの荒野に現れた土蛇には抜群の効果を発揮していた。
光を振り払おうと身を捩る土蛇の意識が、冒険者たちからわずかに逸らされる。
これは、奇襲で乱れた陣形を整える絶好の機会、上機嫌に笑うジンユゥから守りのエーテルを受けながらハーゼル等が獲物を構え走り出せば、ライラやジルはそれぞれの手段で攻撃を開始する。
「……よし、俺らはどうすればいい!」
「私たちより前に居なさい。後ろから刺されたくはないもの」
ミツキの妨害魔術からの迅速な展開。これほど強大な敵に対してここまでスムーズにそれを為せる事こそ、冒険者たちの技量を示す。
少なくとも戦力としては信用すべきだと判断したバルバロイたちも、ミツキの指示に従い、斧を持って突撃するのだった。
「よし、お主らは私と共に雑兵相手だ! 無理に戦う必要はない、互いに死角を守り生き延びる事を……いやこれマジで凄い数……」
バルバロイと合流したウッドの前で、未だ光に纏わりつかれる土蛇の体が震える。
生みだされるのは小さな蛇のクリーパー、七対の孔からぼとぼとと生まれるソレは、いかに弱い存在だろうとも楽観視は出来ぬ相手だ。
数百という仔蛇に押しつぶされ食われる自分を、ちらと想像してしまったウッドの膝が揺れる。
「……だが、それがどうした! ミツキ殿には土蛇の動きを止める役もある、こいつら相手の要はお前なのだぞウッド!」
しかし、その前に心を潰される事はあってはならない。
ウッドが手にする大剣にエーテルを纏わせ振り下ろせば、小さなクリーパーは次々に吹き飛ばされる。
そこにミツキも加われば、際限なく生まれる仔蛇と冒険者による殲滅速度はどうにか均衡する。
その様子を見やりながらも、油断なく弓を引き搾るのはジルだ。
「雑魚の方は問題なさそうだな……となると、やはり問題は親玉か!」
この一行唯一のシューターであり、最長の間合いを誇る彼の視野こそ、この戦場を最も広く認識しているのだろう。
故にこそ、その胸には焦燥の念が拭えない。
「ジルさん! 土蛇の様子はどうだ!」
「元気に光を振り払ってるよ! 砂の中を泳ぐから肌がかてぇのか? 大した傷を受けてるようには見えねぇ!」
「やはりか、僕にもそう見える!」
自分の矢もライラの魔術も、土蛇に有効打を与えているようには見えない。
巨体から想像できるタフネスを考えると、この調子ではどう考えてもこちらの体力が先に尽きる事だろう。
「硬いならまずは下ごしらえだな! 合わせろハーゼル!」
「まかせろ、腹だな!」
その前線では、接近したЕсөнхумсとハーゼルの攻撃が始まる。
破鎧砕と呼ばれる守りを崩すエーテルによる一撃が、土蛇の腹へと襲いかかり、確かにその体を蝕んでいく。
『ギ、ギギギィ……!』
「よっと! 効いてはいるみたいだけど……!」
そこにすかさず差し込まれるはエミリアの短剣による攻撃。
素早く距離を取り蛇を見上げれば、その円形の口からは苦悶の声が漏れ出す。
とはいえ、都度エーテルで弱めなければ攻撃が通らないのであれば、やはり厳しい戦いになるだろう。
『ギギギギ、ギシャァ!!』
「くぅっ!」
「まず、ユスンホム……いえ、ジンユゥさん!」
「分かってるわい!」
当然、土蛇とてただ殴られるだけではない。
土蛇が、鉄槌のごとき勢いで頭をЕсөнхумсへと振り下ろす。
ミツキの言葉を受けたジンユゥが回復のエーテルを飛ばすものの、巨体に叩き潰された彼女の傷は一度や二度の治療では追いつかない。
「……え、我の守りどこ行った? 我が最強すぎて効果反転したりした?」
「アンタの術はしっかり働いてくれてるよ……その上でコレだ!」
ジンユゥの治療しながらの軽口に答えるЕсөнхумсの口元が引きつる。
だが、だからこそ倒してみたいという闘志もまた彼女の中で燃え始める。
痛打を受けてなお折れぬЕсөнхумсはその槍を握り……。
その時、世界が爆ぜたような気がした。
●
ジンユゥが我に返った時、目の前には壁があった。
(――なんだ? いや、これがバルバロイたちの言っていた……!)
否、これは壁ではない、地面だ。
優れた五感によりそれを認識したジンユゥは、この状況の元凶もすぐに導き出す。
音という認識すら遅れるクリーパーの絶叫。
轟音による平衡感覚の欠如により自分が倒れているのだと気づいた彼は、素早くその治療を済ませ起き上がる。
「くそ、全員か! 治療は……ウッドからか!?」
見れば、周りの仲間も似たような状況だ。
距離を取っていたせいか、後衛は膝をつく程度。だが、前線で武器を振るっていた者はジンユゥよりも大きな被害を受けたのか、地面に倒れた状態だ。
そして、その仲間に噛みつき始める仔蛇たち。
まずはウッドに薙ぎ払わせるべきかと思案するジンユゥは、同時により大きな問題が発生していることに気付いていた。
土蛇の姿が、何処にもない。
それはつまり。
「ライラ、ミツキッ! 雑な狙いで構わん、稲光だ! 奴が地に潜ったぞ!」
キャスターたちがどうにか土蛇のいた場所へ動きを阻害する稲光を展開するものの、前衛たちを守るに足るかは分からない。
ウッドが起き上がり、バルバロイも含めれば倒れているのは5人。
本人たちも自力で起き上がろうと藻掻いているが、ここに来て土蛇が荒らした柔らかい地面が彼らの動きを阻害する。
そこへ、土蛇が誰を喰らうまでもなく姿を見せる。
稲光により、離れた後衛を喰いに行けなくなった土蛇は、どこか先ほどより体が太くなったようにも見える。
それが泥吐き攻撃の前兆とわかっても、前衛たちが動くよりも、ジンユゥが治療を済ませるよりも、土蛇の攻撃の方が早いだろう。
瞬間、鎌首をもたげるクリーパーの首へ、白い糸束が命中する。
「よし、捕まえた……! ジルさん、頼む!」
「応、くらいやがれ!」
後方にいたライラは、土蛇が攻撃を受けることを嫌う箇所の存在に気付いていた。
ジルが射抜いた様々な場所の内、明らかに動揺したそこは、仔蛇が生まれる目の後ろの孔。
土蛇自体は巨体とはいえ、小さく狙いづらいその場所を、ライラの拘束が数瞬制止させる。
それだけの時間があれば十分、ジルがエーテルを込めて放つその矢は真っすぐに飛翔し、狙い通りに土蛇の孔を穿つ。
『ギボッ……! ギャギャギャィィィ!!』
奇しくもそれは、土蛇の絶叫と同様に感覚を乱す矢。
急所を撃たれエーテルに侵される土蛇が放つ泥弾は、動けぬ前衛たちを外しあらぬ方向へと着弾する。
今、土蛇は最大の好機を逃したのだ。
「ようし、よくやった! さあ、うぬらも礼をしてやれ!」
「ああ、あの穴を潰してやりゃいいんだな!」
「腕力が要りそうね……援護に回るわ!」
そして、ライラとジルが作り出した時間で、ジンユゥによる治療も完了する。
いの一番に駆け出すЕсөнхумсが土蛇に取り付けば、彼女は回復したバランス感覚を持ってクリーパーの巨体を登り、エミリアは正面から斬りかかり注意を引く。
ウッドとミツキは上手く手分けしながら仔蛇を掃討し、作られたスペースを駆けるのはハーゼルだ。
「ここで押し込む方が良さそうだ、一気に畳みかけよう!」
『ギャッ、ギギギ……!』
さらにはライラの放つ氷の矢のダメ押しも加わり、土蛇は大きく怯む。
その間に土蛇の頭へと登ったЕсөнхумсはにんまりと笑みを浮かべ、手に持った香水をどぼどぼと振りかけていく。
その後に振り上げられるのは火打石。
その火は小さいものだが、ここに来て新たな種類の攻撃を受けた土蛇は思わず頭上の彼女から逃れようと首を下げ……。
「これで……止めだ!」
目の前に晒された頭部へ振り下ろされるハーゼルの渾身の一撃を、無防備に受けることとなるのであった。
●
「――そして、諸君は土蛇の片目を潰し……」
「逃げられましたな! いや、いっそ清々しい程の逃走でしたぞ!」
結局、冒険者たちの攻撃を受けた土蛇は仔蛇を生み出す孔の多くと片目を奪われ、砂漠へと逃げ帰った。
ウッドの話を聞く職員の声は存外に明るい。
冒険者の捕食を諦め逃走したのならば、暫くはリーンエスに近寄らないだろう。
「ところで、バルバロイたちですが……」
次に発言するのはミツキ。
ちゃっかり逃げようとしたバルバロイを捕縛した彼女が、彼らの処遇をギルドへ問う。
「まあ、強制労働あたりだろうな……君たちも処刑は望まないのだろう? 今回は危険な仕事を振ってしまったからな、そのくらいの意向は喜んで聞くさ」
そもそも重要視していないといった様子でバルバロイについて語る職員の様子に、冒険者たちはそれぞれホッとした表情になる。
なお、当人たちは死地を突破し燃え尽きたのか、気絶寸前でそれどころではない様子だ。
「ところで、姿が見えない者もいるが……」
「ええ、そうです……恐ろしい……!」
最後に、話を此処に居ない者への言及に変えた職員へ答えるのはライラ。
彼にとってはトラウマものの蛇たちであったが、Есөнхумсの舌にはなかなか合ったらしい。
「何匹か焼いてその場で食べた彼女は、あのゲテモノをバックパックにどんどん詰め込み……!」
『近くの村人にも分けてやろうぜ!』とどこぞへ去った彼女もピンピンしているとの事。
その様子を聞いたギルド側は苦笑いを浮かべるものの、被害が無ければそれでいいのだろう。
恐るべきクリーパーを退けた冒険者たちをねぎらう為、職員は皮袋に入った報酬を取り出すのであった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:多い8 / 4〜8人
2020年11月29日 11時59分55秒 公開
相談掲示板
おはよう、諸君! ウォーリアのウッド・B・ウードだ! 前衛盾役を得手としているよ。 よろしく頼みます!
キャスターのミツキよ。 スタティックフィールドやアーケインテンペストでの移動妨害、メテオライト等の範囲攻撃が使えるわ。 巨大クリーパーの妨害をしつつ、仔蛇を範囲攻撃で薙ぎ払おうと思うわ。 よろしくね。
力の求道者にしてヒーラーのウォン・ジンユゥである。 我は支援スキルで力を与えながら、うぬらの傷を癒して回ろう。 支援に用事がなければ殴りに行くが、敵が敵ゆえそのような事態になることはなかろうな。
キャスターのライラ。どうぞよろしく。 自分は魔法攻撃かな。単体攻撃の魔矢、範囲攻撃の氷嵐を使おうと思う。その他は僕も移動阻害系だね 土蛇の「土中潜行」が恐いな… 最初土蛇が隠蔽状態らしいから、看破を持っていくよ。
ウォーリアのハーゼル・ライアードだ、よろしく頼む。 盾役の特手もいるし、今回は攻撃よりのスキル構成でいこうかと思ってる。 思ったんだが、【土中潜行】って【超聴覚】で多少は見破れたりできそうか?思いつきだから根拠はあまりないが。
ウォーリアのユスだ 防衛寄りの前衛だ、よろしくな 超聴力いいかもな! 試す価値はあると思うぜ 絶叫っつーのは叫び自体に力があるのか?サウンドボムとかでかき消す、または、効果を抑えるとかは無理かな あとエラの破壊をすれば仔蛇の生み出す数とか抑えられるかもしれねぇな
お邪魔させていただくわね。おねえさんは、シーフのエミリアっていうわ、今回はよろしくね。 土竜叩きならぬ土蛇叩きになるわけね、下からぱくっと齧られちゃうのは嫌ねぇ。 おねえさんは、捜波と超聴覚を持っているから、確実に成功できるってわけじゃないけれど、マークなんかを狙ってみようと思うわ。 ただ、直接的な攻撃力はあんまりないから、そこらへんは得意な人にお任せになっちゃうけども。
なるほど、耳で索敵するわけですな! 音を出さずに地中を移動することはクリーパーとて困難でしょうし、これは心強い! 既にご提案いただいている看破とも合わされば、敵の位置を見破れそうですな! 仔蛇は際限なく生まれてくるというのが厄介ですな…… 私も後衛の方の盾になりつつ薙ぎ払いでこやつらを排除し続ける方が良いかな……?
マークが上手く行けば相当難易度変わるな…確実ではないかもしれないけど、期待させてもらうよ。 【仔蛇】は一定数以下ならバルバロイに投げてしまっても問題なさそうだが…一度後手に回ってしまったらかにり痛手になるだろうしな…。 いっそ一人くらいは【仔蛇】退治をメイン、余裕があれば【土蛇】への攻撃に加わるみたいな前提で動いた方が良いか?
>ハーゼルさん そういう意味なら、私は基本【仔蛇】退治中心ね。 サブアクションで二回ほど【土蛇】をするけど、基本メインアクションの攻撃は【仔蛇】に回すわ。 とはいえ、範囲攻撃も回数に限りはあるから、早めに大元を落とす必要があるけど……。
我は担当しては【土蛇】となるな。 束縛対策のサルベーションと解呪を持っていくから、自力で解除できぬ者は我が面倒を見てくれる。 回復も然り、我自身も判断基準を設けるが、もし自主的に回復を受けたくば声掛けや合図を寄越すがよい。優先しよう。
オレはとりあえず【土蛇】担当で行くかな カバリングとかで仲間を守りつつ、破鎧砕とか破脚砕とかで弱体化させて戦うって感じかな 回復は助かるぜ!もちろん、出来る限りは避けるが、いざという時は頼むぜ! 担当 【土蛇】 ・ウォン(ヒーラー) ・ユス(ウォーリア) 【仔蛇】 ・ウッド(ウォーリア) ・ミツキ(キャスター)
『仔蛇』対応> 僕も範囲攻撃で退治には回れるけど、既に十分かな? 【土蛇】に行こうか 仔蛇はバルバロイ2人に頼むにも丁度よさそうだね。戦力になるかはともかく。 【土蛇】の方に魔矢やフリーズボルトで、ユスさんの言うようにエラ破壊を狙ってみようと思うよ ウォンさん> 僕、生命的に危ない気がするから、自分でもヒールとエーテルバリアを積んでいくけど なるべくウォンさんの回復が届く範囲にいようかと思ってた所で… お世話になるかもです。 自分の初動は「音などに注意しつつ土蛇の気配を探る→看破できれば声や指差しで味方に知らせる」感じにするつもり。 エミリアさんが索敵して下さるそうだから、それに協力する形になるかな 【土蛇】 ・ウォン(ヒーラー) ・ユス(ウォーリア) ・ライラ(キャスター) 【仔蛇】 ・ウッド(ウォーリア) ・ミツキ(キャスター)
おお、まとめかたじけない! バルバロイの生き残りにも仔蛇退治なら頼めそうですな。 ミツキ殿に数の処理をお願いしつつ、 私も攻撃が届く範囲で叩いて参りましょう。
まとめありがとう、マーク頑張ってみるわね! おねえさんは数叩くのは向いてないし、集中するためも含めて攻撃面も威力は出ないけれど土蛇に集中かしらね。 マークができたらクロックポジションあたりで、土蛇の移動状況なんかを声に出して伝えようと思うわ。 【土蛇】 ・ウォン(ヒーラー) ・ユス(ウォーリア) ・ライラ(キャスター) ・エイリア(シーフ) 【仔蛇】 ・ウッド(ウォーリア) ・ミツキ(キャスター)
まとめありがとう、非常に助かる。 【仔蛇】対策はバルバロイを足せば十分な戦力になると思うから、俺も【土蛇】に回らせてもらうよ。 スキルは【破鎧砕】で積極的に物防を下げるのを狙っていこうと思う。あとどの程度効果があるかはわからないが、【破脚砕】も一応選択肢には入れて行動するつもりだ。 それと焼け石に水だとは思うけど、一応【超聴覚】もつけていく。 【土蛇】 ・ウォン(ヒーラー) ・ユス(ウォーリア) ・ライラ(キャスター) ・エイリア(シーフ) ・ハーゼル(ウォーリア) 【仔蛇】 ・ウッド(ウォーリア) ・ミツキ(キャスター)
シューターのジルだ。 遅くなってすまない。 仔蛇はバルバロイもいるしでたりてそうだから、【土蛇】に回るようにする。 後方から射撃牽制をしていくつもりだ。
おう!あと少しだな! 現地でもよろしくな!!