【PT】勇気の形(討伐)
DoLLer
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シナリオID:226
オープニング
冒険者たちの前で立ちそびえる丸太の防壁。高さ10メートル近くあるそれが村をすっかり覆い隠しており、のどかだった山間の景色は物々しい雰囲気に包まれていた。
「防壁は二重になっていて、扉の位置もずらしてあります。扉をくぐろうとすれば隊列は間延びし、上部の隙間から矢石が降り注ぎます。入るのも難しいし、出るのも難しい」
そう説明する青年は体中傷だらけだった。戦慣れした戦士のそれではなく、拷問を受けた人間のそれであるが、顔つきはまだ誠実さが見て取れた。
そんな彼が悔しさを手にした剣を握りしめる力に変えながら、ぽつりぽつりと説明を続けているのを見かねて、同行した兵士の一人が言葉を引き継いだ。
「侵略に失敗したアロシュナバラに関連するバルバロイが落ち延びて、ここを占拠した。そしてこの村の産業である材木を使って作ったのがあれだ。ものの一か月であそこまでやったんだ。脅された村人がどれだけのことをされたのか……決して君の罪ではないよ」
「いえ、もっと早く逃げ出していれば被害も少なかった。僕を救出したあの子も囚われることはなかったんです」
休む間もなく要塞化をする青年に、手を差し伸べてくれたのは仲の良い行商の娘だったらしい。冒険者ギルドに連絡をし、共に救出にあたったが、あの防壁に阻まれ、敗退。なんとしてでも助けたいと単身乗り込んだ行商の娘は青年と入れ替わるように囚われてしまった。
後悔と怒りはどれほどのものか。村人の屍の上で束ねた丸太が冒険者の屍を作り、大切な娘を奪う原因になったのだから。
「だから私たちがいるんだ。君の情報で内部の様子はよく知ることはできた。今度は失敗しない。だろう?」
兵士は極めて冷静に、そして力強くそう言った。
「……はい」
感情の波を何度も飲み込んで押さえつけ、青年は静かに頷き、もう一度剣を握りしめた。
「この紋具、お借りします」
「送られてきた研究所からは、人を選ぶ代わりに使える時はとにかく強力なんだそうだ……。十分注意してくれ。あいつらは我々で実験しているのかもしれない」
防壁破壊の為に辺境都市群から送られてきた逸品がこの『勇気の剣』だ。紋具というなら各種活動を補佐してくれる道具ではあるが、どのような効力をみせるのか兵士もよくわかっていないらしい。兵士はどんな効力のある道具かわからないものを預けることに懸念をもっていたようだが。
「必ず、必ず、僕があの罪を清算してみせます」
彼のそれが『勇気の剣』に適う想いだったのだろうか。
兵士が彼の願いを断ることはできなかった。
「勇気よ、僕に、力を」
青年が祈りを願いを、決死の想いを剣に込めると鞘越しに刀身が淡く輝いたのがみえた。
「……いける。あの防壁。壊してみせます」
彼はそう言うと飛び出していった。
「待て、おい! 作戦が……」
降り注ぐ矢をものともせず、青年は剣を振りかぶると、刀身はエーテルの煌めきを増していく。
沈んだ気持ちが、膿になっていた気持ちが、光に溶けていく。
今は、ただ、戦いに対する気持ちだけが青年のすべてだった。
「いけぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
青年の気合と共に、真っ赤な竜の息吹のごときエーテルが刀身から噴き出した。堅牢な扉は一瞬で吹き飛び、防壁に大きな傷をつけた。上に陣取り矢を放っていたバルバロイも足場を失い瓦礫と化した材木の上で絶命しているではないか。
そして続けざまの二の太刀で。命を、願いを阻んでいた防壁を、続いて吹き飛ばした。
「な、なんだ。これが紋具だって……? 神具の間違いだろう!? バケモノをよこしやがって!! もういい、下がれ。十分すぎる」
防壁が倒壊して起こる風に体を持っていかれそうになりながら、兵士はその威力に愕然としながら青年に必死に声をかける。だが、青年にとっては雑音ですらなかった。
行かなきゃ。
戦わなきゃ。
「うわぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
走った。ただ敵の為に。ただ打ち滅ぼすために。
単騎突入した青年を待ち受けた無数の刃が体に突き刺さろうとも。人質を前にされようとも。
罪を消し去る為に。
すべてを消し去る為に。
●
青年は自分で作った血だまりの中でまだ刃を振るっていた。一撃ごとにバルバロイを切り捨て吹き飛ばしていく姿は人間には見えなかった。
「計画変更だ。今から討伐開始とする。臨機応変に頼む。特に……彼は見境がなくなっているかもしれない。あんなものをこっちら向かって振り回されたらひとたまりもない」
兵士は沈痛な面持ちをしていた。
生活を便利にするという認識である触れ込みの紋具という形で、実際は神具とか思うような兵器を送り込まれた事への怒りもある。バルバロイのほかに対処しなければならなくなった存在の登場に混乱もある。疑念をいだきながらも青年を止められなかった後悔もある。
だが兵士はそれを数瞬、目を閉じて、抑え込むと冒険者に強い意志の目を見せた。
「それでも。バルバロイの駆逐が最優先だ。やつらは一度敗退したからこそ、この村を食らった。一度人を虐げた経験は、人肉の味を覚えた害獣と同じだ。また逃せば同じことをする」
青年がいま戦の狂気に飲まれているからこそ、兵士は冷徹にそう言った。
本当なら命を優先してやりたい。だがあの青年の力は人を恐怖させるのに十分な力だ。バルバロイがまた逃げ出す前に。またこのような青年が生み出される前にしなければならないこと。それを兵士は知っていた。
そしてその言葉には同時に「止む無くば彼を殺す事も辞すな」という意味も込められていた。
解説
マスターより
リプレイ
瓦礫の山を飛び越えながらレイヤ・ダライ=カホールは呟いた。血を流しながらも強引に突き破っていく青年の姿をみて、誰があの武器を称賛できるだろう。おそらく、後悔を勇気に変えるのだろうが、それは自暴自棄じゃないかとレイヤは感じていた。
「これ以上、悲しみを積み重ねないために……村人とバルバロイの間を分断させよう」
アリア・ティーダの願いに兵士は頷くと同時に、走った。
「大切な人のために身体を張ったんだね」
獣のような咆哮を上げて前進を止めない青年。刃がより深く突き刺さっても。
その目は遠目からしても正気にはみえなかった。目の前にいれば自分だって瓦礫の一つとして、吹き飛ばされるくらいの認識かもしれない。
でも。それでも。
「ボクも身体張るからね!」
アリアがヒールの詠唱と共に走り出した。それに合わせるようにして、アクティオンはバルバロイに矢を突き立てる。
「お前たちの逃げる場所はない」
弓を大きく引き絞ってもう一度矢を放ち、呻くバルバロイを物言わぬ骸にするとアリアはそれを乗り越えて青年に近づいていく。
威力の高い攻撃。矢を避けるには集中が必要だ。そうするとアリアより瓦礫の上に立つアクティオンに視線は集中し、また視界の外に動く兵士は極めて見えづらくなる。危険度の高いものから倒していくという鉄則をアクティオンは逆に利用していた。
「コロセ! コロセ!」
アクティオンに向けてバルバロイの一人が叫び突撃した。
が。
「お前たちの相手は、ここに、いるぞ!」
蒋・璃龍がそれを許さなかった。殺気のこもった一歩。下手に動いたものから狩るという意志のこもった瞳が、バルバロイ達の身動きを確実に鈍らせた。
アクティオンと璃龍の連携。数瞬のことだったかもしれない、数秒だったかもしれない。だが、そのほんの僅かな隙があればレイヤには十分だった。詠唱を終えて雷のカーテンがバルバロイの後方に広がる。
「分断カ! 構ウナ!! 魔法ヲ使ウトイウコトハ、行ッテホシクナイ証拠ダ」
「あら、わざわざ行けないようにしているのに、世話が焼けるわね」
アーケインにはバルバロイはもちろん、暴走した青年を先に進ませないようにとの意味も込めている。それがどちらも動くものだから仕方ない。アヴェラ・ウッチェロは口元に少しだけ微笑を浮かべると、エーテルの力を脚に込めて散乱する瓦礫に足をかけ、そして大きく跳躍した。
「ここを通るなら、私を倒してから」
アーケインを乗り越えようとするバルバロイの真っ正面に降り立ったアヴェラは振り向きざまにバルバロイの顎に得物を叩き込んだ。
「ヒロガ……」
「もう遅い……!」
指揮していたバルバロイにナハティガル=ラーが飛び込みざまに蹴りを入れた。
「大技ハ隙ガデカインダヨォ」
アヴェラの動きを見ていただけ、その反応は早かった。着地を狙っての一撃が叩き込まれようとしたが、ナハティガルにとってそんなものは十分織り込み済みだったし、授恵者に一般的な物理法則で対応しようという方が間違っている。
「……!?」
バルバロイの剣が沈んだのは、ナハティガルが先に蹴りを入れた別のバルバロイだった。
ナハティガル本体は蹴りを入れた次にはもうそれを踏み台にして空中を舞い。同士討ちとなったバルバロイの背後にいた。
「終わりだ」
ナハティガルの剣は落下の威力も合わせ、バルバロイの首筋から背中を切り裂いた。
背後もダメ、左右も兵士が取り囲み、布陣した場所は中からナハティガルが銀の風を巻き起こす。ほんの数秒の判断の遅れで、これが起こってしまったことにバルバロイは恐怖した。
「逃げる場所はない」
アンジェラは静かに、静かに一歩ずつ真正面から歩みだした。
袋のネズミというやつだ。だが、ケモノというのはこういう時に最後まで抵抗することをアンジェラは知っていた。だから手を抜かない。確実に仕留める事だけを頭において、急激な動きにも対応できるように滑らせるように歩を進めた。
「お前たちはケモノだ」
血まみれの村。腐った臭いがとまらない。
辺境に住み、その出自からバルバロイと呼ばれることもあったアンジェラは彼らの苦しみはわからないでもなかった。生まれた場所だけでその日暮らす食べ物にも苦慮し、豊かな地方への憧憬とは裏腹に突き立てられる差別。同じヒトだというのに。
だが、この青年の、奥にいる村人たちの悲しみを敷き詰めて居座る性根をヒトの所業とは言わない。
「お前たちはケモノなのだ」
決別するように、言い聞かせるようにアンジェラは言い放ち、そして斧を振り降ろした。
「ウウ、ウウ、ウワァァァァァァ」
前後左右。内すらも。逃げ場所を無くしたバルバロイに対してできることはただ一つ。逃げる事だけだった。がむしゃらに。ただ一心に。以前と同じように。すべてを投げ出して。
「させません」
一見、壁に向かっているように見えるが、そこから抜け出す道があることはリーリエ=V=ノイエエールデは知っていた。
「悲しい連鎖は止めなきゃならないんです」
人間の背後というものは本当に隙だらけだ。それは敵ではなくてすでに弱者のそれではあったが。
命を奪う事へのほんの少しの躊躇を自らの意志の力で抑え込み、リーリエは駆け始めると勢いのついた槍でバルバロイの足を砕いた。
「いや、イヤダ、クソゥ、クソォ」
逃げ場所を完全に失ったバルバロイ達は最後の奮戦を、最後の希望を見つけることすらできず、そのまま沈んでいった。
「その気持ちは村人もきっと同じだったはずです」
彼らもどこかで間違えたのだろう。それをなんとかしようとするから。村人を地獄に巻き込み、青年を変えてしまった。
リーリエはこの世を呪うバルバロイの断末魔に目を伏せた後、戦場へと振り返った。
●
「もう少し、もう少しだけ待って……」
力と力の勝負だ。
アリアは光縛封の力に集中した。青年を縛るそれはもう限界で、光の輪が歪み、無数のヒビが入っていてもなお。
「アアアアア!!!!」
封印がはじけ飛んだ。
それも仕方ない。だが、それだけで絶望するようなアリアではなかった。何としても助けるという意志からはいくつものアイデアが生まれていた。
青年が刃を振り上げた瞬間、アリアは両腕を顔の前で交差させて防御姿勢をとると輝甲を展開させた。
「待ってる人、いるんだろ。もう少しできてくれるはずだからさ。それまではボクが相手だ」
「それは無茶」
アリアの耳元で独特のイントネーションが響いた。
見上げれば輝く刃の向こう。太陽の影に隠れるように璃龍のアメジストのような瞳がきらりと輝いていた。
それと同時に鈍い音が響いた。
「壁を壊す一撃は相当な威力。アリアが鉄壁でも吹き飛ぶ。物理的に握れない状態を作る方が良い、です」
「いや、ほら……怪我しまくってるし、ボク達、授恵者だから手加減してあげないと腕を吹き飛ばしちゃうよ」
璃龍の薙ぎ払いを受けた青年の腕は青黒く染まっていた。骨折しているのは間違いないがそれでも剣は離さない。
「考えすぎ。ちぎれてない」
案ずるより産むがやすし。やってみなけりゃわからない。璃龍は「ほらね」と言いたげにちらりとアリアを見た。
「ウオオオオオ」
それでも青年は吼える。骨と筋繊維が断裂していても前に進もうとしてくる。
「バルバロイより紋具が厄介だな。厄介なものを押し付けてくれたものだ」
影から滑り込むように銀の風が巻き起こるとナハティガルがすくい上げるように再び青年の腕に双剣の柄を叩き込み、威力をそぐ。それでも止まらない。交差した腕でしばしの膠着が続く。
間近で見ると青年の変化がよくわかる。筋肉の張りが異常だ。そして目は血走り口元には泡が目立つ。そして寒気のするようなエーテル。
「エーテルに変調をきたしているのか……」
ステップアウトで離れたいがそれすら叶わないほどの圧力に、ナハティガルは自分の瞬発力を腕に込めて叫んだ。
「『力』に飲まれるな!!」
そうだ。これはエーテル。別の何かに染まっている状態だ。
その中から自我を取り戻させるようにナハティガルは叫んだ。
「うっ、ウウウウウ、うるさい!! どけぇ!!!」
叫びと同時にナハティガルが吹き飛ばされた。
だがその一瞬、迷いが走ったことはナハティガルはしっかり見つけていた。やはり別の何かのエーテルが自我を阻害しているのに間違いない。
それを誰かに伝えようとする間もなく青年の一撃が薙ぎ払われるように襲ってくる。腕は璃龍とナハティガルの攻撃で相当に痛めつけられているのだろうか、地面から引きずるように振り回される剣。だが、それだけでも風が割れ、肌にビリビリとした衝撃を与えるほどの力が伝わってくる。
「……!」
目を閉じたか。青年が太陽の影にいたからか。
彼の顔が真っ暗になったようにみえたのは、一人ではなかった。
「戦は終わりました。言っても伝わらないとは思いますが。私の信奉する神はこう言います。『ケーキの空いた皿を叩き、足りないと言っても次のケーキは出てきません。感謝してごちそうさまという事で次のケーキは望めるのです』と」
構えた杖から放たれた魔霞の残滓を放ちながらレイヤは静かに言った。
その突然の霧に目元を奪われて、青年の一撃は空を切っていた。
「なぜケーキに例えているのかはわからんが、理にはかなっているな。だが言葉をかけるのはいい。暴走する自我とは別物の何かが関わっている。本来の自我の方を刺激してみる価値はある」
ナハティガルの言葉に一同はかける言葉を考えた。
「その剣よくないかも、です」
「やりたいことを見失っちゃダメだよ」
「結局それは自棄といえるでしょう。自分自身を壊すことと世界を壊す事を同一にしています。わたしには理解できませんが」
しかし、幾重にも重なった言葉は青年には届かない。
「自我というのはわからないが、本来あるだろう感情を呼び覚ませばいいのだろう?」
アンジェラはその様子を見てナハティガルに尋ねた。
「そういうことになるが……」
「これではどうだろうか」
アンジェラはすっと青年の懐に飛び込むと、抱きしめた。師のように、戦友のように。青年のはやる気持ちをなだめるように押しとどめる。
「敵はもういない。安心しろ」
やり場のない悲憤がまだ溢れる。
それでもアンジェラは確かに腕を振るい続けた青年に制止の時間を与えた。
「先は同じものが重なるとぶつかりあってダメになってしまったが、今度はどうかな」
瓦礫の上で全体を俯瞰していたアクティオンがぽつりとつぶやいたのは、アーケインが晴れたその向こうからアヴェラが一人の少女を連れてきたのを見せたからだ。
「彼に声を届けられるのは私たちじゃ無理みたい。できるのは貴方達だけ」
アヴェラにそう声をかけられた少女は歩み寄った。
顔は痣だらけ、腕もだらんと垂れたままの彼女がどれだけの仕打ちを受けてきたのか、理解するにはあまりある姿だった。それでも彼女は。目を輝かせて言った。
「待ってた」
青年が狂気に冒され、仲間である冒険者たちに刃を向けていたことは遠目から見てもわかっていた。それでもアヴェラのまかせたという言葉と、積もり積もった。ここに至るまでの長い時間に培われた思いが、その一言にこもっていた。
「ぁ……あ」
戸惑いの声。だが、体がまだ戦おうと反応するのをアンジェラはぐっと引き留める。
これ以上は怪我では済まない。気づいてくれ。戦いにまつわる感情をどうか収めてくれと願った。
「終わりです!」
それを止めたのは凛としたリーリエの声だった。
「これからは持つのは刃ではないですよ」
射すくめるような胆のこもった声に青年の瞳は濁った。狂気の炎が明らかに失われた。その隙を見て璃龍とナハティガルがそっと、そっと。剣を引き離した。
「お疲れ様」
それを見て、アヴェラは少女に肩を貸し、ゆっくり少女を青年の元に送り届けた。
お互いに傷だらけで、ともすれば立ってもいられない。そんなボロボロになりながらも冒険者たちに助けられながら再会できた二人は抱きしめあった。
「すまなかった」
心配をかけたことに。
自分の非力さに。それから。
「ありがとう」
冒険者たちの輪の中で、その言葉は響いた。
●
「人を選ぶが強力? どちらにしろ使えないというべきものだろう」
布で何重にも巻かれた紋具の剣を前にアクティオンは表情を変えずにそう言い捨てた。
「いえ、でも……防壁を打ち崩せたのは間違いありません。僕が……制御できなかった僕が悪いんです」
「そんなことない。リザードマン達がよく言う『魂の階梯』を上るという形而上の指標ですら、何をすればいいのか、どういうことに気をつけねばならないのか説明されている。研究所の怠慢だ」
青年はひどく申し訳なさそうにしており、重体の一歩手前だというのにアリアのヒールも他の人に使ってあげてくれと遠慮を続けていたからアクティオンはそう言ったのだった。
「後悔は必要だ。だが今この瞬間の出来事を受け入れずに次の階段を進めるはずもないだろう」
そんな遠慮などさっさと捨てろと言わんばかりにアクティオンは言うと、青年はまだ迷いながらもアリアのヒールを受け入れるようになった。
「良かったら解呪も試してみる? サウンドボマーで意識を引き付けようって考えていたけど試せなかったけど、感情の爆発って意味で叫ぶのもありかもだよ」
「ありがとうございます。でも、今からやらなくてはならないのは罪の清算ですから」
村人の解放を一通り終えて連れてきたアヴェラはその言葉をちょうど聞き、嘆息した。
「罪の清算なんてできるわけないわよ。過去がじっとして消えるなんて都合のいいことなんてないもの。できるのは……」
青年がどれほど暗い感情を燃え募らせていたかアヴェラは村人から聞いていた。
「あがくのよ」
真摯なアヴェラの瞳に青年はこくりと頷いた。
「こんな子に諭されるなんて僕はどんなに幼かったんだろう」
「わたしからみれば3歳児程度ね~」
目は全然笑わずにくすくす笑った後、アヴェラはさりげなく銀髪をかきあげてハーフリングの証をみせた。
「未来有望ってことですね」
恐縮しっぱなしの青年に明るく笑顔を向けたリーリエは剣の代わりにスコップを手渡した。
「過去あっての未来です。それと向き合うのもまた勇気の形だと思うんです。お墓を作って弔いませんか。アリアさんの提案みたいに気持ちを外に出して……」
村は荒らされ、死骸がさらされたままだ。
でももう恐ろしいケモノはいない。ヒトとして歩みだすための一歩はこのスコップから作り出せるのだ。
「はい」
頷いた青年の顔、そばにつく少女の顔は艱難辛苦も乗り越えて見せるという、決意で輝いていた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2020年11月25日 11時05分27秒 公開
相談掲示板
シューターのアクティオンです、よろしく。
レイヤ・ダライ=カホールです。 クラスはキャスター、よろしくお願いしますね。 今回は何やら混沌としてしまいました。 あの『勇気の剣』。ろくなものでななかったようですね。あんなものを寄こすとは…。 …まずはバルバロイの始末とそれが終わったら剣持つあの青年を…制圧しないと、ですね。 でも、殺すつもりで行かないと殺されそうな力です…。 わたしは…そうですね、今のところは バルバロイにアーケインインパクトを使って逃走を封じていこうと考えています。 あとは魔蝕とかで青年の能力を下げてみようかと思っています。
ファイターの、蒋・璃龍、です。よろしくお願いする、ます。 あの剣、よくないもので、ほとんど呪いの魔剣みたいなものだと思う、です バルバロイ優先しないとなのは、間違いないですけれど、そのあと、できるだけ怪我をさせないように青年を抑えたい、です バルバロイの逃走防止のために、殺界を使うつもり、です 殺界のバフ効果は、射程を1伸ばしたうえで、「この効果を有するスキルを使用した時、メインアクション、サブアクション、アクティブスキル(リアクションスキルを含む)が使用不能になる。 効果時間ラウンド中に射程内に侵入してきた対象、および射程内に存在している対象は、射程ヘクス内において(強行突破を成功させない限り)通過が不能となる。 また、ラウンド最後に射程内に存在しているすべての敵を対象に、通常攻撃を行うことができる。 ※【殺界】を発動させている者が複数存在している場合、攻撃順はINI判定の結果に従う。」なので、敵をまとめて範囲内にとどめて、移動妨害と、一気に攻撃予定、です あと、パッシブスキルのエーテルブレードで、武器射程をさらに+1するので、周囲2Hexの敵をまとめて捉えて攻撃する、ます ただ、序盤から使うと後で使えなくなるから、最初は破砕脚で行動阻害とかをメインにしながら、戦う予定、です 青年を何とかするときにも、破砕脚で動きを止めてから、武器を弾き飛ばすとかして、正気を取り戻してもらうのがよさそう?です
シーフのアヴェラよ。よろしくね 大きく分けてやらなきゃいけないことは三つね ①バルバロイの討伐 ②村人の救出 ③青年を抑える さすがに青年を放置はまずいと思うから、 ①に注力はしつつも、何人かは②と③へ割り当てという感じかしら。 ①と②が完了後、全員で③へ注力という流れになると思うわ。 彼の一撃はとても強力みたいだから、防御力の高い人と回復役の組み合わせで抑え込むか、回避が高い人が抑え込むかって感じかしら。 ひとまず、隠密が得意な私は②の村人救出に挙手させてもらうわ。
ファイターのアンジェラだ。よろしく頼む。 ……相手はバルバロイ、か。 青年の抑えが必要なら私が当たろう。 耐える事なら得意だ。
アリアだよ。ヒーラーだよっ。 アヴェロ氏の言う通り、3つの作戦を同時に進行させたいねぇ。 血なまぐさいのは好きではないとはいえ、引き受けたからには仕事の条件でもある、 バルバロイの殲滅も可能な限り達成したいし…。 ボクは余り足も速くないし、攻撃バフスキルを習得して。 兵隊さんたちと【バルバロイ討伐】に動こうかなっと取り敢えず。
>必要な行動 その三つ(バルバロイ討伐・村人救出・青年保護)で異論なく。 ただ、初手だけは可能な限りの戦力でバルバロイを叩くべきだと思います。 青年の暴走で敵はガタガタですが、まだ数の有利を取れている状況ではない。絶対に逃がさない、と考えれば最低でも1対1以上のマークは必要になるでしょう。 最初から手分けをしてしまうと、青年の存在とあちらが混乱してるということを差し引いても手が届かない可能性も出てくるかと。 >青年 さて、どうして止めたものか。敵味方の区別がついていないので、バルバロイがいなくなれば止まるというものでもないでしょうし。そしてあの威力、正直真正面から当たるべきかは迷うところ。 「敵味方の区別がつかない」なら「誰もいない」になれば止まりますかね? バルバロイ全滅、村人救出した上で青年から全力で距離を取る、とか。 まあ「敵がいないなら探しに行く」とか「村自体の破壊」までやりだすなら、その時は当たってでも止めざるを得ませんが……無尽蔵の力という訳でもないでしょうし、地形(防壁の残骸)相手に暴れてくれれば少しは体力も減るかもしれません。
>初手について まず、前提の「数の有利がとれていない」だけど、これは取れているわ。 バルバロイ:8人 青年:1人 私達:冒険者8人+兵士5人 もちろん兵士の方々の実力を考えて、という事ならそうかもしれないけど、でも少なくとも逃げないよう、マークして逃げ道を塞ぐことはできると思うわよ。 その上で、全員がバルバロイにあたるのは、リスクが高いと思うわ。 マークしていたからと言って、必ず敵の逃亡を阻めるとは限らないし、手前側への逃走ならともかく、奥へある程度逃げるのを防ぐのは難しいわ。奥へ逃げ込まれて人質を害されるリスクを考えると、先に村人の所へ行って何らかの対応(最低護衛がいる状態)にする必要があると思うわ。 そして、圧倒的な破壊力がある青年を放置していては、後衛への攻撃がありえる。また、バルバロイに意識を集中できないのは、より逃げやすくしてしまうと思うのよ。
ひとまずは…青年が敵と戦っている間に村人の方にいきたい、ですね。 しかし現状、入り口付近で戦闘が行われているので、そのままでは回り込めません。 シーフさんのエアーライドや壁歩きとかであればすぐ回り込めそうです、どうでしょうか? でも村人を連れ出すと考えると、壁をもう一か所壊すか…いっそこのまま戦うか。悩みどころですね。 >青年 村人を救出に行ったら連れ去ろうとしてるとか思って仕掛けてきそうな気もします。 先の人質の件も考えると村人もろとも斬られそうな…。時間稼ぎが必要ですね。 隙を見てフリーズボルトやアーケインインパクトを使って移動阻害していきます。
アヴェラさんのいう通り、作戦、3つが重要だと思う、ます >村人護衛 人手が減れば、その分倒すのも遅くなったり、逃げられやすくなるから、リスクも高まるけれど、全員で当たるとそれはそれで抜けられたときにどうするかのリスクがあって、どっちを優先したいかが多分人によってちょっと違うので、難しいところ、です 移動スキルで相手より素早く移動できるのであれば、ちょっと抜かれても対応可能だと思う、ます、から、移動スキル持ちの人が、村人とバルバロイの間の位置取りで戦うようにして、遠距離攻撃持ちの人が村人側に寄って遠くから攻撃しつつ護衛すれば、よさそうだと思う、ます >序盤、中盤、後半の動き 中盤は上に書いた通りの案がいいと思う、ます、けれど、初手をどうするか、どうやって村の奥側に行くかと、後半、バルバロイを倒した後は、区別して相談する必要があると思う、ます 序盤は、アクティオンさんの言う通り、いったん攻撃を全力で当てて、相手の動きを止めている間に、村人側に行く人が、移動できればと思う、ます 多分、青年とバルバロイが固まってるから、最初に、ワタシが殺界で動きを止めて、その隙に後ろに回ってもらえればと思う、ます、けれど、他にも、動きを止められるスキルとかがあれば、協力が欲しい、です でも、後半の青年を抑えるのにも必要なスキルだと思う、ます、から、回数次第で相談だと思う、です
ナハティガル=ラー。 不意討ち暗殺何でもござれのシーフだ。宜しく頼む。 やるべき事はアヴェラが挙げている3点で問題ないかと。 >初手 開始時点でバルバロイが青年に群がる形で入口近くに殺到している事から、 アクティオンや璃龍が言っているように、『バルバロイに攻撃する者』と『村人とバルバロイの間に割って入る者』に分かれた方が良いように思う。 割って入る者達はそのまま村人の元まで赴いて救助するのではなく(特に安全地帯らしき場所も無い為、移動するのは逆に危険と思われる)、 『村人とバルバロイの間の位置取りで戦う』という案にも賛成だ。 >青年 敵味方の区別がついていない訳だから、接近すれば攻撃されるのだろう。 気絶させるか、正気に戻す事が出来れば良いんだが…。 何れにしても、バルバロイが片付くまでは抑えが必須だな。 >担当 俺は何処でも構わない。 …が、取り敢えずは村人救出(護衛?)に手を挙げておく。 偏るようなら移動しよう。
>初手 >バルバロイと村人の壁 なるほど…確かに数で圧倒しても、最初から村人に向かっても バルバロイが逃走する可能性が上がるか…。 ならば、当初の表明をちょっと変更して初動は「兵隊さんと一緒にバルバロイを包囲(攻撃より足止め優先)」で行こうかなと。 >青年 剣の効果で攻撃力はとまれ、防御力はどうなんだろうねぇ…。 そりゃあ、最悪斬るしかないんだろうけど、それは最悪の場合で。 ここに来るまで剣を持ってても正常だったなら、 高ぶった感情が剣の効果の発動トリガーだったりしないかなぁ。 それこそ、無事村人を救出したことを証明出来たり その彼を逃した女の子とやらが生きてたら、 保護して呼びかけて貰ったら落ち着いたりしない…? 最も試すとしても、暴走して彼らに斬りかかる可能性も考慮して保護策が確実に 取れてからだけどっ。
>初手 そうね。確かに下手に逃がすより、中間に位置取りして、逃げて来たバルバロイを迎え撃った方がいいかもしれないわね。 そういう事なら、私は「壁歩き」で横から回り込んで、「疾風足」で迎え撃てるようにするわ。 >終盤、青年への対応 バルバロイを全滅させた後、私達がきちんと守りながらなら村人さん達を近づけて声をかけてもらうのもできそうね。 アリアさんの案、いいと思うわ。
>初手 バルバロイと村人の間で壁になりつつということであれば異論なく。 人質にされて逃げられる展開も避けられますし、青年とバルバロイの混戦状況を抜けられるならば、バルバロイが状況を理解できてないタイミングの方がやりやすいのも確かでしょうし。 こちらは遠距離手段もありますから、最初はバルバロイ狙い重視としましょうか。移動スキルとしては目立ったものはありませんが、バランス感覚はあるので倒壊した防壁も足場にしてはいけるかと。 弓持ちのバルバロイから狙っていった方が良いですかね…… >青年 防御については言及されていませんが……ただ、剣をもって突っ込んでいった時に「降り注ぐ矢をものともせず」だったのが気になります。 肉体が強化されているのか、刀身から出たエーテルが防御代わりになっていた(矢を吹き飛ばすなりした)のか。 無敵、などとは思いたくないですが、通常通りとは思わない方が良いかもしれません。 村人や話にあった娘に呼び掛けてもらう、というのは……村人たちの心境的にどうなのでしょうね。既に人質を巻き込んでしまっていますし、目にした時点では敵味方なく暴れている状態なわけですし。 身の安全確保も考えるなら、こちらも相当の覚悟がいるか、せめて移動ぐらいは止めたいですが。 煙幕での撹乱も考えましたが、すぐ吹き飛ばされる気も……
>青年 見た感じ防御行動は見られないので、気にはなりますね。 防御する必要がないのか、防御するという考えがないのか…。 後者のような気がしますね。オープニングに >単騎突入した青年を待ち受けた無数の刃が体に突き刺さろうとも。 と、あります。刺さってはいるようですね。その状態でなお戦闘を…。 …無力化したらすぐに回復させないと危険な状態かもしれないです。 無力化するなら剣か、もしくは剣を持つ手を攻撃してみるのもいいかもしれません。 最悪はその手ごと斬り落とす、ですかね。 …最悪の場合、少女がすでに死んでいるなんてのもあり得ます。 それこそ、人質になって青年の手で。…なんてのは悲観が過ぎますかね?
>人質・少女 十分あり得ると思うよー。 既に犠牲になってるのって。 その遺体を見たら彼は絶望で止まるか、暴れるか。……自決するか。 いずれにせよあまりいい未来が見えないねぇ。 後は、本人に催眠術を使うとか、眠らせるとか…あくまで剣に操られてるなら、身体はそういうスキル効きやすいかなぁって。 他に青年を止めるいい案は無いもんかねぇ。 >バルバロイ討伐 >時間稼ぎ そういや、前述で「兵隊とボクで、バルバロイの足止めする」って、言ったけど。 人質救出できた際に、そっち参加してる方で、ボクに誰か救出完了を伝えてくれることを書いていただければ幸いだよー。 救出完了までは、足止め方位で、報告次第一気に殲滅にうつるから、さ?
>人質・少女 『本当は計12名いましたが4名は防壁の倒壊にまきこまれたり、青年の攻撃ですでに絶命しています。』 …との記載がある事から、最悪犠牲になっていてもおかしくは無いだろうな。 >青年 ヒーラーの【光縛封】でなら、3ラウンドの間は青年の動きを封じる事が可能かと。 その間にバルバロイを討伐出来れば、青年の対応も大分楽になると思う。 実際に使うかどうかは使い手のアリア次第だが、一考して貰えると助かる。<アリア >救出完了 村人を避難させる事ができる安全地帯がない為(移動させるのは逆に危険)、 戦闘が終わるまでは救出組…というか護衛組は『村人とバルバロイの間の位置取りで戦う』と言った感じになるな。 その為、戦闘終了(バルバロイ討伐&青年の無力化)が完了した時点で『救出完了』となる。
>個人行動 >光縛封 おっけー。じゃあ「光縛封」、習得していくよ。 上手く効かなかったらごめんっ。 それと…まだ表明で具体的に「青年対応」って言ってる方はいなかった…よね? 見逃しだったらごめんっ。 反面バルバロイ・人質対応は結構見るから…もしこのままなら、兵隊さんたちの 支援しつつ、ボクが青年の動向も見張れる様動いてみようと思う。 その場合は、まぁ、「輝甲」(自身の防御アップスキル)で体張るよ…! それと、一応「解呪」も持っていくけど…呪いかどうかは怪しいから…。 あくまで説得とかの際に補助で使うぐらいだと、思う。
>人質・少女 うん? ナハティガル君の言っている『本当は計12名いましたが4名は防壁の倒壊にまきこまれたり、青年の攻撃ですでに絶命しています。』はバルバロイのことですね? まあ村人の方も『人質とされていたものは青年が無茶をしたため死亡しています』とあるので、犠牲になっている可能性があるのは変わりませんが。 とはいえ、そうなっていたとしてそれに対して打てる手もなし。「そうでないことを願って」動くしかないでしょう。 >青年対応 バルバロイを倒した後については行動に入れています。まあ説得等ではなく、濃煙炸弾で煙にまけないかと、牽制・足止め狙いですが。 状況開始時点については見境なく暴れていると言っても近くにいるのはバルバロイなので、いきなり青年にアクションをかける必要は薄い気がします。バルバロイから致命傷を受けないように援護は必要かもしれませんが、それはバルバロイ殲滅ともつながりますしね。
>光縛封 そうして貰えると非常に助かる。宜しく頼む。<アリア >青年対応 現状ではアンジェラが手を挙げてくれているな。 >人質・少女 あ、すまん。勘違いしていた。 『本当は計12名いましたが~』はバルバロイの方だったか。 >行動 初手ではエアーライドで障害物を走破し、村人とバルバロイの間に割って入る。 それ以降はバルバロイの村人接近を阻止しつつ、バルバロイを攻撃。 バルバロイ掃討後は青年への対応に移る予定だ。
青年について対応するとは言ったが、大分初期だからな。 アリアが当たってくれるならそれで構わないぞ。 では、私は真っ直ぐバルバロイに当たっていこう。 シーザーロアとカバリングで前衛の者を守りながら斧で叩き斬る、だな。 そういえば、味方の兵士については特に何も言わないでいいだろうか。 バルバロイの逃走防止を頼んでおけば私達も助かる、とは思ったが。
間、空いてしまって申し訳ない、です 青年対応、ありがとう、です。ワタシはバルバロイ対応で、序盤の行動妨害と、バルバロイが逃げたり村人のほうに向かおうとしたときに、殺界を使う予定、です あと、青年の怪我の対応用に、ヒールも持っていく、ます。鎮圧後に使う予定、だけど、暴走中も危なさそうなら、ヒールで回復するつもり、です
>アンジェラ氏 >ナハティガル氏 のぁーっ、ごめんなさいっ。本当に見逃しちゃってて…。 お詫び、になるかは分からないけど、兵士さんへのお願いとヒールは 書いておきますっ。