坑道!空洞!行動!神具?
真柄 葉
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シナリオID:37
オープニング
ランタンがエーテルの淡い光を放ち、坑道を薄く照らしている。
奥からは規則正しく打たれる石の音と共に、何やら話声が聞こえてきた。
「ねぇ、兄貴ぃ。そろそろ休憩しましょうよー……」
「なぁに言ってんだ。まだ30分も経ってないだろうが」
「えぇっ!? まだ30分も経ってないんスかっ!? そんな、馬鹿な……」
わざとらしくつるはしを落っことす細身のドワーフ『ブーン』が、これまたわざとらしく絶望を演出しつつ膝をついた。
「正確には27分だな」
兄貴と呼ばれたちょっぴりぽっちゃり系なドワーフ『デニス』が、休まずつるはしを振り下ろす。
「こんな穴倉の中で正確に時間把握できる変態なんて兄貴位っスよ」
「そうそう、こんな穴倉で正確な時間……なんだって?」
「何でもないっス! さぁ、いっちょやりますか!」
落としたつるはしをさっさと拾い上げ、ブーンは岩を叩いた。
「あぁにぃきぃ……」
「ああん?」
「休憩しましょうよぉ……」
「あのなぁ、ブーン。まだ1時間も経ってねぇっての。せめて昼までがんばれや」
もう何度目かの泣き言に、デニスは振り向きもせず答える。
「休憩してくれたら、俺っちの秘蔵の一本開けるのになぁ」
「仕事終わったらな」
「そ、そういえば今日、新しい菓子焼いてきたんっスよ。おひとついかがっスか?」
「昼めしの後にな」
ブーンがいくら意外過ぎる特技をカミングアウトしつつ食い下がっても、取り付く島がない。
「ぐぬぬ……そ、そうだ兄貴。あの話の事なんっスけど、兄貴は詳しく聞きました?」
「あん? あの話?」
と、デニスの振り下ろすつるはしが止まった。
よし食いついたと、陰で拳を握りつつブーンが続ける。
「先月話題になった、西南西の坑道での話っスよ。覚えてるっスか?」
「んー……ああ、なんかよくわからんガスが出てきたって、あれか?」
「そうっスそうっス、その話っス」
「あの坑道なら、冒険者雇って封鎖するって話で片付いたんじゃなかったか?」
「そうそう、それで片が付いたんっスけど――」
結果、ブーンの思惑通り仕事は小休止となり、二人は噂話に花を咲かせた。
「あいっかわらず、ほんとかウソかわからん噂仕入れてくるのだけはうまいな」
「へっへへ。そんな褒めないでくださいよぉ」
「褒めてねぇよ」
デニスはわりと本気でブーンのヘルメットを殴りつける。
「へへ、それで続きなんっスけど――」
もうここまで話込めば休憩としては十分なのだが、ブーンは欲をかいた。
「何でも、その見つかった空洞の中に何か得体のしれないものがあって、それがガスを出してるんじゃないかって噂なんスよ」
このまま昼休みまで話を引っ張ってやろうと、ここからの話を完全に創作で進める。
「なんだ得体のしれないものって……ま、まさかクリーパーでもいんのか?」
「あぁ、違うっス! そんな物騒なもんじゃ無いらしいっス。なんか、お宝? みたいなそんなのがあるかもしれないって話っス……?」
だんだんと話を続けるのが苦しくなってきたのか、ブーンは歯切れの悪い言葉を続けた。
「お宝ぁ? レアな紋具かなんか? 流石の俺も謎のガス出す紋具なんて聞いた事――いや、ちょっと待て。それって、まさか神具なのか……?」
「寝具? そ、それっス! 間違いないっス!! きっと夜もぐっすりっス!!」
聞き慣れないワードが耳に飛び込んできたものの、ブーンも後戻りはできない。
グッと真剣な表情へと変わったデニスに調子を合わせつつ、更に話を盛っていった。
「行くぞ、ブーン」
あらかた話を盛り終えた後、デニスが音もなくスッと立ち上がった。
「へ? ど、どこにッスか……?」
「決まってんだろ。取りに行くんだよ」
「え……もしかして……」
「さっさとしろ。冒険者が来てからじゃ手遅れになっちまう」
「えっ……えぇぇっ!?」
有無を言わせぬデニスの迫力に、ブーンは凍り付く。
「あ、兄貴。考え直しませんか……? ほら、あそこは封鎖が決定してますし」
「安心しろ、分け前はくれてやる」
「そ、そういう事じゃなくてぇぇぇえええ!!」
最早デニスは誰にも止められない。首筋を掴まれ引きずられていくブーンの絶叫だけが坑道に響き渡った。
●空洞
真っ赤。
もうそれとしか表現のしようがない程真っ赤に染まった空間を、二人はつるはしの柄で地面を探りながら進んでいた。
「あ、兄貴どこっスか!? もう帰りましょうよっ!!」
「馬鹿野郎! 神具見つけずに帰れるか!」
「うぎゃぁ!? なんか踏んだぁあ!!」
「うるせぇ。虫ぐらいそこら中にいらぁ!」
「ひぃ……もう嫌だぁ」
「泣き言吐くんじゃねぇ! 神具さえ手に入れば、こんな穴倉ともおさらばできるんだ、気合入れていけ!」
「あ、兄貴。ちょっと言いにくいんっスけど……実はこの話」
「さっさと足を動かせ! まずはこの空洞の大きさを調べるぞ!」
「いや、ですから、この話は――」
赤く染まった視界の中、二人はずんずんと奥へと進んでいった。
こぽっ――。
解説
マスターより
リプレイ
「――地の底に果てに現れた未知の洞。溜は淀んだ赤泥。果たしてこれは神が造りたもう神秘か、悪魔が造りし絶望か――。謎に包まれた空洞か。なんだか冒険の予感だねぇ。包まれてるのはガスだけど!」
ドヤっと目の前の光景をそう現したギド・フェルミ。
「誰がうまいこと言えと……。まぁ、これはどう見ても悪魔の仕業の方だろうね」
折角の吟遊詩人らしい詩も、したり顔で詠まれては台無しだと、ヨル・スレイマンは肩を竦めた。
「悪魔の仕業……じゃ、これは血の海……?」
目の前に広がる景色はお世辞にも神秘とは言い難い。ララベル・サン・ディーベルはごくりと喉を鳴らす。
「ひっ! これ、血なのか……?」
「なんじゃ、ギャメル殿は怖がりじゃの」
「な、何を言う。こんなものが怖いわけないだろ!」
じーっと見つめてくる河霧の貴婦人を毅然と見返すギャメル。足元から若干カタカタと音がしなくもないが立派に胸を張って見せた。
「ふむそうか。ならいいのじゃが……しかし不思議な景色じゃな。宝でもねむっていそうじゃ」
そう言うと、河霧の貴婦人は空洞を見下ろす。
「確かに。ここは未踏の空洞で、しかも謎のガスが発生してる。何かあるって疑いたくもなるな」
「宝かぁ。こりゃ調べてみる価値あるかな?」
「そうだな。いっそ潜ってみるか?」
宝なるワードに食いついた、ヨルとギドは二人してあれやこれやと計画を立て始めた。
「あのー」
楽しそうに話し込む一行に、声をかけたのはフリーダ=ブロムヴェストだった。
「ご歓談中の所、大変申し訳ないのですが、私達はここを塞ぎに来たのですよ?」
「そ、そうだそうだ! こんな恐ろしそうな――違う。不気味な――違う。奇妙な……うぅ、とにかく塞ぐぞ!」
フリーダに同調したギャメルはそそくさと道具を点検していく。
「――道具はよし。いつでも作業にかかれるぞ!」
「ありがとうございます。作業の前に安全確認の声かけをお願いしてもいいですか?」
「おう、任せろ!」
フリーダの願いに答えたギャメルは、肺に息をいっぱい吸い込むと、勢いよく喉を震わせた。
空洞に響き渡った大音量が次第に遠のき消えかけた、その時――。
――ふぇpjfヴぉりhq!?
「い、今のなんだ……!?」
まるで返事をするように聞こえた音に、ギャメルはびくりと肩を竦ませた。
「とても奇妙な音、いや声だったよ! もしかしてクリーパーかい!?」
期待と緊迫を孕んだ声でヨルが。
「うむ、わらわにも聞こえたのじゃ! これはきっと宝の番人である魔獣の鳴き声に違いないのじゃ!」
期待と確信に胸を張る河霧の貴婦人が。
「なんだって!? これはいよいよ、冒険感が半端無くなってきたじゃないか!」
期待と予感に胸躍るギドが。
我先にと入口から身を乗り出した。
「いやいや、落ち着いてくださいって……どう聞いても人の声でしょう」
「えっ、あれが人の声?」
「ええ、そう聞こえませんでしたか?」
戸惑うララベルにフリーダは当然だと問い返した。
「あ、あれをどう聞けば人の声に聞こえるんだ……?」
ララベルと同意見のギャメルも困惑して問いかける。
「おかしいですね。私には確かに人の声に聞こえたのですが」
逆になんで人の声に聞こえないのかと、フリーダが首を傾げた、その時再び。
――ふぉいえhふぉえwcdせw!
「……やはり人の声です! 何かを求めている……中に入って調べましょう!」
「えぇっ!?」
再び聞こえた声は悲鳴だとフリーダは言うのだが、他の5人にはさっぱり理解できない。
困惑する仲間の脇をすり抜け、正義感に突き動かされたフリーダは空洞へと足を踏み入れた。
●
「ここまではガスが上がってこないようですね」
入り口から一段下、棚状の鍾乳石の上でフリーダ達は準備を整えていた。
「触っても特に何もないけど、真っ赤だ」
ララベルが掬い上げたガスは、重さこそ感じないものの粘性を帯びていた。なにより触れたものが真っ赤に染まるのだ。
「こんな場所に本当に人がいるのかな」
ララベルはもう一度、赤の海を見つめる。どこからか風が吹き込んでいるのか、時折表面が波立つ程度だった。
「もし人がいるなら叫べば反応が返って来るのじゃ」
先ほどのギャメルに倣い、河霧の貴婦人は胸いっぱいに息を吸い込むと。
『入り口はこっちじゃ! 迷ってるなら戻ってくるのじゃー!』
空洞に響き渡る大音量で叫んだ。
「……今度は反応がないみたいだな」
「やっぱりさっきのあれは風か何かのいたずらだったんじゃ……」
木霊が消えても声は返ってこない。
ギャメルとララベルは、やはり気のせいでは? と思い始める。
「いえ、間違いありません。先ほど降りてきた啓示にも『その辺りにモ=ブが居ます』とありました」
しかし、そんな二人にフリーダが断言した。
「え? え? どういう事……?」
「啓示? モ=ブ? なんだそれ……?」
「啓示は啓示です。あと、意味はよくわかりません。わかりませんが何か居るのです。きっと」
一向に要領を得ないながらもフリーダの自信に満ちた表情に、二人はさらに困惑する。
「まぁ、居るって言うんなら一応調べた方がいいだろうな。ちょっと探ってみる」
そういうとギドが【探波】を使い、空洞内の様子を探りだした。
「……そこら中、鍾乳石が突き出してるな。足場も悪そうだ」
ギドは瞳を閉じてスキルがもたらす感覚に集中する。
「他に目ぼしいものは――ん?」
と、突如ギドが目を開いた。
「なんだ、どうした! 宝か!」
「空洞の中央に」
「中央に!」
期待に胸を高鳴らせヨルが復唱。
「窪みがある」
「窪み! まさかその中に!」
いよいよ高まってきた期待に、ヨルだけでなく他の皆も固唾を飲んだ。
「――違うわ、これ地底湖だ」
「地底湖かーい!」
思いっきり期待したのにこの結果。ヨルは思わず平手ツッコミを入れてしまう。
「なんだよ、めっちゃ期待したのに……」
落胆の色が濃いヨルは大きく肩を落とした。
「心配ないって、冒険はこれからだ。まだ探ってない場所もある。奥には何かあるかもしれないぞ?」
そんなヨルを励ましているのか、ツッコミを受けた腕を摩りながらギドが答える。
「うん、早く行こう! お宝もだけど、人がいるかもしれないんだ」
決意のこもったララベルの言葉に、皆は大きく頷いた。
ガスから身を護る為、できる限り服や防具を着込み対策を取った。
「先頭は俺が行く。【探波】を使いながらなら障害物にもぶつからない。後続は――」
「ローブで繋ぐのはどうだ? 端をこの鍾乳石に括り付けておけば万が一味方を見失っても戻ってこれるぞ」
「なるほど、いいな。それじゃ俺がロープの端を持って行こう」
ギャメルはギドにロープを渡し、反対の端を手近な鍾乳石に結び付けた。
「皆はロープを持ってついてきてくれ」
そう言ってギドはゆっくりと潜行していった。
●
視界のきかない中をロープだけを頼りに進んでいく。
「いてっ!」
「大丈夫か! 怪我をしたなら後で見せてくれ!」
「だ、大丈夫だ! ちょっと引っ掛けただけだ!」
ロープで繋がれているとはいえ互いの姿が見えない中では、声でやり取りするしかない。
「うぅ、念のために完全防備できる服をもってきててよかったぁ……全身真っ赤じゃ客前に立てなくなるところだったよ」
「ほう、ディーベル殿は店主殿なのじゃな」
「あ、うん。宿屋兼酒場をやってるんだ。今度よかったら来てよ」
「うむ! 奢ってもらいに行くのじゃ!」
「おご……う、うん、待ってるよ」
どこかぬけた空気もありつつ、一行は探索を続ける。
「ふぅ、これじゃ日が暮れてしまうな。このガスを除去できれば手っ取り早いんだがなぁ」
何度もスキルを使いつつ進むのは時間もかかるし精神力も削られる。普段明るく振舞うギドが珍しく弱音を吐いた。
「ふむ。なら一つ試していいのかのぅ?」
と、そんなギドを見かねたのか河霧の貴婦人が声をかける。
「貴婦人クン、何かいい案でも?」
「うむ。このガスも所詮は気体じゃろ? ならば【豪風】で吹き飛ばせるのではないかの?」
賢人らしい知的な提案に、一同、おぉ!っと声を上げた。
「このままじゃ正直きつい。試してくれると助かるな」
ガスの中の探索はギド一人に頼りきりになってしまっている。皆もギドの意見に反対はなかった。
「うむ! ではいくのじゃ!!」
皆の意を得て、河霧の貴婦人が詠唱を始める。
生れ出たエーテルが収束し、地面へと接触すると暴風を伴って爆発した。
暴風はガスを散し、一瞬で視界を広げる。
「おぉ、すごい!」
散らされたガスは一気に壁際へ。
「すごいですね!」
さらに吹かれて天井へ。
「やるじゃないか!」
さらにさらに飛ばされて、背後に回り。
ぼふぅ!
一周まわって冒険者達の背後から襲い掛かった。
●
「俺はここまでみたいだ……」
返りガスを盛大に浴びたギドが胸を押さえうずくまる。
「貴婦人様。大丈夫ですよ! 今ので空洞の全景を少しだけ把握出来ましたし!」
「そ、そうだな! 一瞬でも見えたのはすごいぞ!」
しょんもりと項垂れる河霧の貴婦人を気遣ってか、皆が次々に声をかけた。
「……あばよ、みんな……」
ついには地面へと伏してしまうギド。
「あれ、でも、さっきよりちょっとだけ薄くなってないかな……?」
と、ララベルが徐に手を伸ばした。
「やっぱり! 今ははっきり手の先が見えるよ!」
「本当ですね。これはきっと風に散らされて、ガスが薄まったのでしょう」
「という事は、何度も風を起こせば……」
ヨルの言葉を合図に、ギドを除く皆が一斉に河霧の貴婦人を見る。
「のじゃ?」
皆の視線に河霧の貴婦人はきょとんと首を傾げた。
「それじゃいくのじゃ! みな、壁際で待機じゃ! 絶対広い所に出てきてはダメなのじゃ! 危険なのじゃ! フリじゃないのじゃ!」
十分すぎる注意喚起を行った後、河霧の貴婦人は再び【豪風】を放った。
風は再び空洞内を暴れまわり、下部に溜まる。しかし、河霧の貴夫人はめげる事無く何度も【豪風】を放った。
何度目かの【豪風】の後、遂に空洞内がほぼクリアになる。
「はぁはぁ……ガスの除去、ヨシっ! なのじゃ!」
びしっと指を水平に突き出す独特のスタイルで完了を報告する河霧の貴婦人に、仲間から歓声が上がった。……一方。
「はい、スルーっと。うん、わかってた(ぐすっ)」
ずっと暖かいツッコミを待っていたギドは、最後まで報われる事は無かった――。
●
視界の開けた空洞の探索を始める冒険者達。声の主を探さなければならないし、ガスの発生源も突き止めなければならない。皆で手分けして捜索と探索に当たっていると――。
「なんだお前達!」
突然、赤に染まった鍾乳石だと思っていた岩が喋り出した。
「い、岩の化け物っ!?」
ギャメルが驚き悲鳴を上げる。
「さては宝を奪いに来たな!」
「いや兄貴、きっと冒険者っス……」
見た目は赤岩、声は人。実に奇妙なそれを前に皆は戦闘態勢をとった。
「待ってください。あの大きさとドスの利いた声……多分ドワーフの鉱夫ではないでしょうか。私が話をしてみます」
ずんぐりとした体躯に人語。確かに特徴はドワーフだ。フリーダは先頭に立ち皆の武器を下げさせた。
「私達はこの空洞の調査に来た者です。空洞を塞ぐよう依頼されてきましたが、中から人の声が聞こえましたので捜索していたのです。貴方達が『モ=ブ』……いえ、ドワーフの鉱夫ですね?」
フリーダはゆっくりと近づき話しかける。
「誰にも渡さんぞ、宝は俺のものだ!」
「いやいや兄貴。人の話聞きましょうよ……」
しかし、細い方はともかく太い方は全く耳を貸さない。
「宝がある。我々もそう思い探索してみましたが、残念ながら発見できませんでした」
しかし、フリーダはドワーフ達に根気よく探索した結果を話して聞かせた。
「そんな、はずは……」
「だから言ったじゃ無いっスか」
「いや、気を落とすのは早いよ?」
落胆するドワーフ達に、まだ終わりじゃないとヨルが声をかける。
「実はまだじっくり探せていない場所があるんだ」
と、ヨルが指差したのは中央に湧き出る地底湖だった。
●
地底湖と呼ぶには随分と浅かった。冒険者達は膝程までしか水の無い湖を手探りで探す。
しばらく探索を続けていた時、ギャメルから「おい、ここを見てくれ!!」と、声が上がった。
皆は「まさか宝が」と急いで集まる。
「いや違う! ここから赤い泡が出てるんだ」
残念ながら宝ではないがギャメルが発見したのはガスの発生源らしき場所だった。
「結局宝はなしかぁ。結構期待したんだけどね」
ヨルが肩を落とす。湖の探索では、結局ガスの発生源以外何も発見できなかった。
「そう気を落とす事もないのじゃ」
と、河霧の貴婦人があの独特のポーズで泡を指差す。
「わらわも長いこと生きておるが、こんな奇妙なガスは見たことが無い。研究すればあたらしい薬剤や塗料として活用できるかもしれぬぞ?」
「うん? どういう事?」
河霧の貴婦人の話にヨルは首をひねった。
「わからぬか? これが宝じゃ。このガスで一商売打てば、一獲千金、大儲けじゃ!(たぶんの)」
と、最後に小声で付け加えた河霧の貴婦人は、「のぉ?」とドワーフ二人に流し目を送った。
●
ドワーフ達は冒険者へ感謝の言葉を述べると、そのまま街の方へと駆け戻っていった。依頼の修正とガス採集の手はずをするのだという。
「結局塞いでないが、依頼は成功でいいのか……?」
「ええ、最良の結果を得たのではないでしょうか」
ギャメルの疑問にフリーダが答える。
「そ、そうなのか。よかったぁ。オレ初めての依頼で緊張しっぱなしで――い、いや、無事成功して何よりだ」
「ええ、何よりですね」
全身真っ赤で表情は読み取れないが、きっと照れてるのであろうギャメルにフリーダは微笑みを返した。
一方、こちらでは――。
「なんだか色々な事があったけど、成功してよかったよ!」
ララベルが依頼後の達成感に浸っていた。
「くくっ」
「ぷぷっ」
「ア、アンタ達聞こえるだろうっ。くぷぷっ……」
そんなララベルの脇では、河霧の貴婦人、ヨル、そしてギドが何やら密談中。
「君が教えてあげなよ」
「わ、わらわは嫌なのじゃ!」
「いや流石にあのまま出るのはまずいだろう」
続密談中。
「えっと、みんなどうしたの……?」
そんな怪しい三人に流石に気付いたのかララベルが恐る恐る声をかけると。
「あー、その、なんだ。ちょっと言いにくいんだが――」
ギドが代表してララベルの背後を指さした。そこは――。
何処かで破れたのだろうズボン。
露わになった桃(隠喩)
真っ赤に染まった桃(隠喩)
「は……はわわわ!? 見ちゃダメェェ!!」
必死で桃(隠喩)を隠すララベルの絶叫が坑道内に響き渡ったのだった――。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2020年10月16日 15時59分06秒 公開
相談掲示板
やった!初依頼!って事でシーフやってるギドってもんだ、探索ならそこそこ出来る筈。よろしく頼むねー。 依頼自体は穴塞ぐだけで良いらしいが、せっかくやるなら良い成果を出したいなってところ。
ウォーリアのフリーダです。皆さんよろしくお願いします。 現在も謎のガスが噴出し続けているようですし、 仮にそのまま穴を塞いだしたとしても、 また同じようにガスが出てくる可能性はありそうですね。 個人的にはここでガスの流出を抑えてしまって憂いを絶っておきたいですね。 遭難者の存在については空洞を調査しているうちに見つかるとは思いますが、 仮に発見した場合の対応も考えておいた方が良いと思います。
僕はシーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、宜しくね! うんうん、原因とか元から断ちたいよね。
ヒーラーのギャメルだ。よろしくな。 坑道でガスが出るってのはよくある話だが、この赤いガスはだいぶ奇妙だな。 どっから出てんのかねぇ。
キャスターの貴婦人なのじゃ、よろしくなのじゃ。 みんな奥まで調べるつもりのようじゃのう。 鉱山に謎のガス…これはお宝の気配がするのじゃ。多分きっと絶対間違いないのじゃ。 うーん、何を用意したらいいじゃろう。明かりと、ガスを塞ぐのに役立つものと、ガスを散らす方法…。 毛布やマントでばっさばっさすればよいのじゃ?
ヒーラーのヨルだよ。宜しく。 んーーー、そうだね。何があるかは俺もちょっと気になるし、奥を目指すってんなら付き合おう。 ガスをなんとかするのはどうだろうな。ガス自体の性質にも寄るんだろうけど、それは実際見てみないとわからないし。 最悪は適当に穴を開けてガスを外に逃すしかない⋯⋯のかな(首を傾げつつ
ガスでほぼ周りが見えねえってのが厄介だな。暗視とかも役に立ちそうにないか。 ・杖や鞘で足元を確認しながら進む。 ・ロープで目印を作りながら進む。 くらいがオレに思いつくところだな。 店で売ってるロープの長さは1つ10m。ただ手持ちのGじゃ買えないとか、他の道具を持っていきたいとかもあるよな。
シーフのギドがいてくれるから、進む時の工夫は補助的な感じでも大丈夫そうかな? 探索能力すげぇ!
ギャメルクンは芋焼き会振りだな、一緒に仕事できてうれしいぜ。皆もよろしくよろしくー。 戦闘はなさそうだけど一応ジョブ纏め。【ウォーリア×1、シーフ×2、キャスター×1、ヒーラー×2】 ・探索 ガスで手を伸ばした程度の視界しか確保できないみたいだし、声掛けとかでお互いの安否確認は逐一したほうがいいかも。 地形の把握は俺が探波を持ってるからそれで把握できないかなーって思ってる。 目印作って進んでいくのが分かりやすそうだし賛成。 ・ガス 呼吸は問題ないらしいが吸ったら腹の中も真っ赤になってるんだろうか……。 一週間で色は抜けるらしいが浴びたくないヒトは汚れてもいい服とか肌出さないようにするとかしたらいいかも。 ガスを散らすのはどうしたらいいかね、空洞が結構な広さだし人力でやるのは骨が折れそうだ。穴開けて通気口増やすくらいしか今のところ思いつかないな…。 ・遭難者 ガスの出処探しついでにこっちも何とかしてやりたいがどうしようか? 着いた時にどんな状況になっているか分からないけど親方サンのほうは宝探ししたいみたいだし、説得が必要そうかなーって。
(フッ…戦闘能力なさすぎて依頼探しに苦労したぜって顔)
・探索 長めのロープ等があれば先頭の人の腹部に括り付けて、後続はそれを頼りに後を付いていく方法はどうでしょう? これなら先頭が迷子になっていない事と後続がロープから手を放していないという前提はありますが、 はぐれる可能性は大きく減ると思います。 目印を置く方法も良いとは思いますが、その場合どうやってガスがあってもわかるようにするかが考え所ですね。 ・ガス OP文を見る限りNPC2人は照明具としてランタンを所持しているようですので、恐らくガス自体に引火性等は無いものと思います。 ガスの除去については空気よりも重い性質があるようですので、空洞下部からガスを誘導できる通気口を作れると良いのですが、 そのために鉱山の専門家と思われるNPC2人に相談してみてはどうでしょう? うまく行けば空洞から外に流れる通気口を作ってくれるかもしれません。
ギドとはゴブゴブ亭で会ったな。 ジョブまとめありがとよ! 先頭のロープを後続が握っておけば、はぐれないし良い案だな! 目印は、出入口で固定したロープを持っていって、ある程度の位置になったら壁や地面に固定したり、別のロープとつなぎ合わせるイメージだぜ。 赤いガスの中で出入口さえわからなくなるのは、こ、怖ぇ……。 1本の長さに限りがあるのと、ロープをしっかり固定できるかってのがネックだな。
ふむふむふむ、なるほどなるほどロープを使うのじゃな? 心配なら右手か左手でずっと壁に触れたまま進めば間違いないのじゃ。 あっ、今思いつ……ううん(咳払い) あえて、あえて黙っていたのじゃが、キャスターの「豪風」を使えば一時的にガスを散らして濃くなる方向を見定めたり、ガスが出なくなった後の後始末ができるのじゃ。 でも見えないまま壁や人のいる方へ範囲攻撃しまっては危ないかのう、広くて安全な方向を教えてくれる人が居たら嬉しいのじゃ。 教えてくれたら「壁際に行くのじゃ! 絶対に広い方へ行ってはダメなのじゃ! 絶対!広い方は!ダメなのじゃー!」と声をかけてから豪風を放つのじゃ。 これで発生地点がよく見えなくても安全じゃのう(うんうん)
>ロープ 良い案だと思う。フリーダ君が言うように、全員が持つことで、このメンバーからはぐれる者が出ないだけでも有用じゃないかな。 ガスの充満は「空洞」内部からだし、林立した鍾乳石があるから固定は上手くいきそうな気がしたよ。 全員1本ずつ、より安全に考えるなら数名が2本持っていけば、ギャメル君の言う目印も長さもそう問題ないんじゃないかな。どうだろ。 >豪風 へええ、魔法。キャスターってのはすごいね。 そしたら俺は通気口を空けるように頑張るくらいで大丈夫だろうか。上手くガスを誘導できたら心強いね。 >ドワーフ2名 そしたら、宝探しを手伝うていで穴を掘って貰って、通気口作りに一役買って貰うのはありかも? なんだかんだあちこち掘れば宝探し熱も落ち着くかもしれないし、まー案外宝もあるかもしれないよ? ちょっとわくわくシチャウナー。声をかけていいならやってみてもいい。
>ロープ はぐれないのはありがたいね…何本か結んだら、長さの問題も解決しそうだけど、それには予算がだよね(汗汗)。 >豪風 ガス散らせたらとは思ってたけど、長い棒を扇風機みたいに振り回すとかしか思いついてなかったから、使って貰えると凄く助かるな。 >ドワーフ2名の宝探しを手伝う 上手くのってくれて、通気口作成がはかどる良い案だと思う。 >ガスの噴出口 元々僕達空洞の封鎖に来たんだから、その道具を使えばまず噴出口を塞いで、更に洞窟も封鎖とか出来ないかな? 僕、ギドと違って今の所は戦闘系のシーフだから、スキル使わないで上手く動く方法考えてみるね。 後、肌出さない服、用意してこないとなぁ。
>業風 すごく良い案だと思う! ぜひお願いしたい! >ロープ そんじゃオレは3本のロープを用意しとく。 出入口で岩かなんかに固定するが、内部じゃロープ同士を繋ぐだけにしようと思う。手探りでやる作業だしな。簡単な方が良い。 空洞の最深部まで足りるかはわかんねぇが、ないよりは安心できると思うぜ。 >ドワーフ2人 ヨルがどんなこと言うのかも楽しみだが、ドワーフ騙すとあとが怖そうだ。 坑道のガスが邪魔なのはデニスも同じだろうから、上手いこと協力関係を結べたら心強いんじゃないか。 >噴出口 そっか、なるほど。塞ぐ道具の心配はしないで良さそうだな。
あっ、ごめんなっ! 誰もドワーフ騙すなんて言ってないよな。 オレの表現、微妙だったな。ごめん! OPでブーンがデニスを騙すってか、ホラ吹いたら本気にされて、結果的に騙しちゃった、ってことになってたから、そのイメージに引きずられたんだ。ごめんよー!
>ロープ 俺も予算で買えるだけ持っていくね。 >業風 おぉ力技!キャスターってすごいんだな。 よろしく頼むぜ。撃つときは探波で空間把握して上手いこと皆を誘導できるようやってみるね。 >ドワーフ2人 2人がどこで騙されたと感じるかわからんし、こっちも上手いこと利用しようとしてる訳だから、ギャメルクンの懸念もわかるよ! 俺も宝探しは面白そうだしほんとにあったらいいなーって思ってるからそう言う感じで純粋な気持ちで協力頼めば大丈夫じゃないかな、多分! >噴出口 道具は貸してもらえたら借りちまおう。 それと噴出口が変な場所にあったら嫌だなってふと思ったり。 天井とか高い位置にあった時は壁歩きで何とかなりそうだが、中央に謎の水たまりもあるみたいだし水中とかにあったりしたらどう塞いだらいいかね。
ロープは1本は持っていけるので買っておくよ。 2本はどうかな、できそうだったら。ギャメル君に渡すようにしておけばいいかな? どれくらい深く探索したか感覚でわかるのもありがたい。 >ドワーフ2人 そうなんだよね! 心象の懸念は仕方ない。 きちんと協力関係を結べるならそれがベストだと思うので、じゃあダメそうだったらちょっとひと押しする程度に留めておこう。ありがとうね。 >噴出口 水たまり、どんなもんなんだろうね。 浅かったり小さいならもう水たまりごと塞いでしまえばいいと思うし、広範囲なら穴を開けて水を逃すようなことも必要だろうか。底まで泳いで塞ぐ⋯⋯⋯⋯のはきっとすごい大変だよね。 ま、あんまりやばいところにあるなら一旦引いて報告に留めることになるんじゃないか。 ガスの噴出に関係なく、余裕があればちょっと調べてみておきたいとは思ってるよ。
>ドワーフ 良かった。そう言ってもらえてありがてぇ。 ヨルはしゃべりが得意そうだし、きっと上手くいくぜ! 最初オレたちはドワーフがいるのをしらねぇって状況だけど、不特定の相手に向けての安全確保の声かけとかしとくか? 「これから空洞を封鎖します」的なことを叫ぶとか。 >ロープ オレの分と仲間が貸してくれたロープを結び合わせ、ガスの空洞に入る前に鍾乳石に縛り付ける。ロープは先頭を進む者に渡す。 って感じでどうだ? けど途中で長さが足りなくなった時の対応が難しいもんだな。悩んでる。 >水たまり 排水路みたいな溝を掘って、それで水が抜けりゃ行動しやすいだろうな。
あっ、僕もロープ買って持っていくから、継ぎ足しに使ってね…ちょっとお金使い過ぎちゃって、持ってけて1本か2本だけど(頬掻き掻き)。
>ロープ ではではわらわもロープを1本持って、ギャメル殿に渡すと書いておくのじゃ。 迷子は入口に戻って大声で呼んであげれば安心じゃな。 >ガス ではではフェルミ殿や他の皆の言葉に従って、安全な方向へ豪風を使う事にするのじゃ。 5mくらいが危ない範囲になるから絶対に広い方へは行かないようにするのじゃ。絶対なのじゃ。 みな笹船に乗ったつもりで安心しておくといいじゃろう。もし効果なかったらマントでばっさばっさしておくのじゃ。 >ドワーフ わらわ達は宝が目的ではないのじゃから、そこを説明すればきっと大丈夫なのじゃ。 うーんでももしかしたら、もしかしたら宝があるかもしれないのう。 楽しみじゃのう、山分けにしようって言ったら怒られるかのう。 ちょっとくらいはおすそ分け欲しいところじゃのう(うんうん)
>ロープ ごめんなさい。言った本人が言うのもあれなのですが、 手持ちのお金が無いので準備できなさそうな感じです。 空洞の広さはサッカーコート程度という事ですから、おおよそ90m~120m程といった所でしょうか? 中央には水たまりがあるようですので極端に広いわけでもなさそうですから、 ある程度進んだところで大声で声をかけてみたり、ギド様の探波を利用する等で、 何らかのリアクションから大体の方向を見極められるのではないでしょうか?
ロープを貸してくれてありがとう! これで目印の縄もだいぶ長くできそうだぜ。 所持金や持ち込める道具には限りがあるから、ロープを用意できなくても気にするこたぁねぇって! 出発は明日の昼頃か。 初依頼、緊張するぜ。
ロープ持った!空洞に進入する前にギャメルクンに渡しておくな。 誘導探索任されたぜ。 そうだなぁ、あんまりにも難儀な場所にあったらあまり手を出さないほうがいいかもな。>噴射口 プレイングは送信済みだけどまだまだ手直しできるから、何かあったら言ってくれ。 …そういえば今回、ボケたりツッコんだりでも成果が上がるらしい不思議だな。 俺は現地でちょっと小ボケするからだれか突っ込んでくれたら嬉しいぜ(チラッ)