【帝国】帝国奪還連動 枯朽の秋

エルナ・クルプファルツ
皆様で取り戻した【帝国南部鎮守都市ヴィント】にまた危機が迫っているそうですね! 奪還作戦で戦った、【天霧りに消ゆる幽界樹】の実に寄生されていたのと似た感じのクリーパーが、北から来ていると聞きました!
プラム
大変です。あの時御護りした難民の方々が、せっかく帝国に戻ってきていらっしゃるのに。何とかしないといけませんよね。
エルナ・クルプファルツ
難民の皆様と言えば、どうも作付けが上手くいかないって嘆いているそうです! 噂では、王国の北側の辺境伯領あたりまで不作っぽいとか! レイウェスト殿下は極北へ続くフェンガリ村へお出かけしたそうですから、お留守を守るバルディオン将軍は大変そうですね!
プラム
はい。将軍様の御命令で偵察に向かわれた軍人様も大勢いらっしゃるとか。そういえば、クリーパーとお一人で戦っていた女性に出会った、と仰っていましたけれど。
エルナ・クルプファルツ
ですね! 私も聞きました! なんでも、帝国の北の方から来た人じゃないかな、って騒ぎになってました!
プラム
あの厳しい冬を乗り越えた方がいらっしゃるのなら、素晴らしい事です。詳しいお話をお伺いできれば良いのですが。
帝国南部都市ヴィントに危機が迫っているようです――
(9月5日 【帝国】連動シナリオリリース開始!)
「随分と、寂しくなったものだ」
リーンエス王国の辺境伯領から来た援軍が引き上げたのも、余白が目立つ理由やもしれない。この一年で荒野と化した帝国はともかく、肥沃の地だった王国北部に凶作の兆しが出ているという。リザードマンたちも奪還作戦からほどなくしてディズル大湿地帯へと帰っていった。まだ多少なりと近辺に残っている他国者は、ゴールディのゴブリン位であろうか。ヴァイセントラフ砦の防衛からヴィントの奪還まで長らく助力をしてくれた彼らを、良く報いる事もなく見送ることになったのは残念な事ではあった。
「ヴィント市街の整理は、徐々に進んでおります。帰還希望者の受け入れも開始しました」
「重畳だ。今から住居の再建に尽力せよ。天幕では帝国の冬は越せぬ」
今はほとんど炊煙も立たぬ旧市街だが、区画整理ははじまっている。王国などに避難していた難民も、ヴィントや周辺へ少しづつ帰還していた。気がかりなのは、植え付けた作物の育ちが悪いらしいことだ。王国とはもともとの地力が違う帝国で、本格的な凶作ともなれば冬越しが厳しくなる。最悪の場合を見据えるなら、今から他国に支援の打診をしておくべきだろうか。そのような事を考えていたバルディオンの元に、妙な報告が上がってきたのはその時であった。
「謎の、女剣士?」
「はい。ヴィント北方の偵察隊が遭遇しました」
凶作の兆しと共にバルディオンの頭を痛めていたのが、ヴィントの北、帝都の南に存在するクリーパーの南下だ。奪還直後に比べ急増したクリーパーの目撃情報を総合すれば、大群が南へ移動しつつある恐れがあった。早期発見と警戒の為に巡回させていた偵察隊が接触したのは、クリーパーの小さな群れと単身渡りあっていた女性だという。それ自体は、強力な授恵者であれば不思議な事ではない。しかし。
「……宝剣マフダル。その女は北部鎮守都市オルセンのマフダル家が下賜された剣を持っていた、と」
征竜に対する北の守りを担ってきた『北部鎮守都市オルセン』は、王国に対する『南部鎮守都市ヴィント』と並ぶ帝国の軍事拠点だ。しかし、昨秋の帝国滅亡以後、連絡は途絶えている。極北との境界近くに存在するオルセンの冬は厳しく、バルディオンはかの都市がヴィント同様に滅んでいると覚悟をしていた。今、その所縁の剣を持つ者が現れたというのが、良い知らせであればよいのだが――。
「はい。偵察員に、自分は怪しいものでは無い、という証明であるかのように見せたとか」
怪しい。普通に考えれば、太守であり北方将軍であるマフダルが、自身の家名をつけて代々伝承している宝剣を手放すわけがない。バルディオンは一代で南方将軍の地位に駆け上がったが、北方将軍は、一族ぐるみでその座を保持している名家だ。あるいは、太守の縁者に貸与されたのかとも考えるが。
「当代の太守……、コンラート・マフダル北方将軍も確かハーフリングであったな」
「は。目撃された女性はヒューマンであったと報告されています」
帝国は能力主義で種族を問わぬとはいえ、婚姻とあれば同族同士が多くはなる。ハーフリングが多いマフダル家の縁者の中で、有力なヒューマンの授恵者はバルディオンの記憶には無かった。もしや、あの剣は廃墟と化したオルセンから野盗の類が盗んできたのか? しかし、オルセンがヴィントのようにクリーパーに制圧されていたのだとしたら、潜入できるだけの実力者がそうそう野に存在するとは思えない。
「いずれにせよ、話は聞いてみる必要がありそうだな。……救援は、冒険者ギルドに依頼したのか?」
「はい、授恵者の派遣が必要と判断しました」
「それで良い」
不安そうな部下へ、承諾の意を込めて頷く。クリーパー複数との交戦の場に介入するのであれば、帝国軍の一般兵を向けても力不足だろう。今の情勢であれば、協力関係を築いている冒険者ギルドに依頼するのが最も確実だ。
「さて……、得られるのは良い知らせか悪い知らせか。この折に殿下が御不在なのは、何の配剤であろうか」
レイウェストは、数日前に帝国北東部の極北にほど近い村落へ向かっている。征竜の住まう地を目指す、という彼の判断にバルディオンは是非を述べる立場にはない。ただ、オルセンの者たちがもしも存命であるならば、征竜に対話を求めるなどと聞けば反発も大きい筈だ。彼らは累代、征竜をこそ敵として備えてきた北の守護者なのだから。
執筆:紀藤トキ
assignment帝国奪還連動 枯朽の秋 特設ページ
「帝国奪還連動 枯朽の秋」は帝国中部より南下する『幽界樹の仔』クリーパーを打ち払い、帝国奪還を進める為の連動である。帝国の異変と関連して、王国北部辺境伯領までをも巻き込む不作の兆しが現れ、対策が必要な状況だ。
assignmentここまでの流れ
帝国南部鎮守都市ヴィントの確保に成功し、帝国奪還の端緒は成った。協力した各国軍は解散し、帝国の難民達の帰還も始まりつつある。だが、旧帝国領に安寧の日は遠い。
person_pin関連NPC
帝国南部の守りを任されているハーフビースト(猪)の将軍であり、ヴァイセントラフ砦守将。皇帝直々に見出した武人であり、元近衛騎士でもあるため個人の戦闘力は極めて高い。一兵卒から騎士、近衛騎士、将軍と出世したため、平民出身の兵士やハーフビーストの憧れの的。能力あれば取り立てられるという、インペリアルドリームを体現している。
《本連動での動き》
レイウェスト不在の中、南部鎮守都市ヴィントにおいて全体の指揮を執る。
クリーパーの群れと交戦していたところを発見された女剣士。帝国北部鎮守都市オルセンの太守が持つとされる宝剣を所持しているなど、謎が多い。
《本連動での動き》
現状では敵対的意識はないようだが……?
menu_book関連用語・情報
幽界樹の仔
ヴィント奪還作戦で現れた、幽界樹の実を植え付けられたクリーパー達の進化系。様々な外見、サイズのクリーパーに取り着いた実が発芽し、根を張っているように見える。
帝国北部鎮守都市「オルセン」
ヴィントと並ぶ帝国の軍事拠点。征竜に備える北の要として作られた都市であり、王国に向けたヴィントと同程度の戦力を擁していた。現在まで連絡が途絶しており、滅亡したものと思われていた。
帝国南部鎮守都市「ヴィント」
帝国滅亡に際してクリーパーに蹂躙された都市。初夏の奪還作戦において【天霧りに消ゆる幽界樹】の分樹の打倒に成功し、解放された。現在は廃墟の整理も進み、避難していた帝国民も少しづつ戻り始めている。