【竜盤】ドワーフ王国解放戦線

シグルラン
イェーイ☆冒険者のみんな~~! 盛り上がってるぅ~?
ってかマジ死ぬかと思ったんだケド、ギリギリのギリで生き延びた! マジ感謝!!!
キサキ・アカネ
その話を聞いた時は、本当に肝が冷えました……。
ですが、冒険者の皆様のおかげで、ようやくマミダ地域を解放することができましたね。本当に……本当にホッとしました。
シグルラン
だよね~~~! 最初はアタシら完全にキャパってたよね~~~!
けど! 今は! クソ邪竜もぶっコロできたし超サイコ~~~!! みんなホントにありがとね♪
キサキ・アカネ
気になることもありますが、これで私もシャルガネへ帰れます。冒険者の皆様も、本当にお疲れさまでした!
「【竜盤】決戦:ドワーフ王国解放戦線」リプレイと特別褒賞一覧が公開されました!
12月14日より事後シナリオもリリース予定です。
都市マミダの奪還にも成功し、これでマミダ地域にある15都市全てがドワーフ王国の手に戻ったことになる。
戦いが終結すれば、次に始まるのは――
「いえーい、チャン皆~! のんでるかーい!!」
酒盛りである。王国全土、至る所で火酒の香りとドワーフ達の乾杯の音頭が響き渡る。国王であるシグルランももちろん例にもれず、片手にジョッキ、片手にミラーボールを持って、ミラーボールが回らないので自分でぐるぐる回って辺りに輝きを振りまいていた。
「はぁ……」
キサキ・アカネも今回の邪竜との戦いに大きく貢献したとしてこの戦勝祝賀会という名の酒盛りにお呼ばれしたものの、料理の数とアルコール度数とテンションにはとてもついていけない。
冒険者が決戦中に洒落で話した竜田揚げは今日というこの場にふさわしいんじゃないかと早速振舞われているが。キサキは箸もつけていない。
「キサキっち~。竜田揚げ進んでないじゃん~? バイアーディスは倒したし、都市マミダも解放できたし、これで一件落着3150じゃん? Youもっとハジけちゃいなよ」
「シグルラン様がハジけ過ぎなんです! 復興のことや残ったメルトウォールの処遇もあります。どうしてそこまであっけらかんとできるんですか?」
冒険者の多大な貢献により勝利したものの、特にメルトウォールの急襲を受けた当時のドワーフ王国の戦い方は信じられないようなアバウトさだった。あれがもう少し緻密であれば、もう少し被害は少なかったのではないかとキサキは思わずにはいられない。
そんなキサキに対して、細かい多面体でつくられたミラーボールにシグルランは目を落とした。そこには顔が無数に映る。
「メルトウォールの処遇はもう決まってるよ」
捕虜となったメルトウォール構成員の処遇について、ドワーフ王国は既に基本的な方針を固めていた。
原則として、指揮官クラスは死刑。人類の一般構成員は鉱山労働などの自由刑か流刑、亜人は流刑か死刑、そして魔獣使いに率いられた魔獣類は殺処分。
バイアーディス討伐戦や都市マミダではメルトウォールとの一時的な共闘を認めたシグルランらドワーフ王国上層部も、それまでに多くの被害を出した彼らには厳しい処分を下した。それだけドワーフ王国も死者を積み重ね、失ったものは多かったのだ。
「――って言っても、最後にバイアーディスを倒すために戦ったのもいるわけだし。投降したのと最後まで抵抗したのでも変わるし? ブレ盛りメガ盛り(適切な対応がめっちゃ必要)だから、『このヒトは減刑する?』とか『この魔獣どうする?』とか、あちこちの都市の領主やら太守やらとソーダンしながら決めてかなきゃってカンジなんだよね。明日から地獄ロードだよ~」
それでも、いやだからこそ。シグルランは酒を煽った。
「たくさんの命が失われたからこそKP(乾杯)すんの」
クリエスター山脈は本来とかく厳しい環境だ。だからこそドワーフ達は地下王国を作ったのだし、命が軽い分だけ道具にこだわってきた。
「酒は強くなくっちゃ。こんなのじゃ酔えねーじゃん。ヤシオノシコミもってこーい!」
胸の中で滞った想いも、澱も、全部燃やし尽くしてくれるから。
ジョッキに残っていた火酒を飲み干すシグルランの横顔を見れば、キサキはそれ以上、怒ることなどできようはずもなかった。
「……そういえば、テンゼンや都市マミダに残されたアイオーンの記録を調べたところ、魔法陣の核として使われていた『エーテル石』は帝国東部から持ち込まれていたと判明したそうです」
「あの石、結局なんだったんだろね。わかりる?」
「いえ、少しも……むしろシグルラン様の方が詳しいかと思っていたのですが」
「儀式魔法に詳しいメンに聞いたらわかるのかな? スッゴイ武器作り放題になるとかならヤジヤバだけど、バイアーディスを見てるとヤバヤバのヤバ。やっぱ自分自身の手で作り上げていくのがキュンだよね」
ドワーフ王国最高の鍛冶師でもあるシグルランが全く知らないというのなら、あれは異国から秘匿してもたらされたものなのだろう。
エフレムほどの智者の手を借りなければ、解析も利用もできない未知の石。バイアーディスらは一体どのようにして、その存在に辿り着いたのだろうか。
「私たちがまだ知らない何かを知るためにも、まずエーテル石についてエフレムに聞いてみませんか」
「おっけまるー♪ よーし、エフレムに飲まして吐かせるかー」
シグルランはうきうきと新しい火酒を取り出したのであった。
(執筆:DoLLer)
●
「え、いない? マジ?」
魔術師が姿を消したという報告が届いたのは、シグルランが新しい火酒をすっかり空にした頃だった。
隣のキサキと思わず顔を見合わせる。
「挨拶もなしに、またどこかへ去ってしまったのでしょうか?」
「コミュ障すぎじゃね? あーあ、エーテル石のこと聞きたかったのにぃ~~」
とはいえ、帝国崩壊に関与したエフレムをいつまでもドワーフ王国に置くわけにはいかなかった。自ら去ったのであれば追う必要もない――が。
「それから、各監視塔に設置されていたエーテル石も消えております! 恐らく、魔術師殿がお持ちになったのではないかと……」
「ぬわぁにぃぃぃぃぃぃ~~~~~~~~っっっ!!??」
一気に酔いのさめたシグルランの怒号が、邪竜の咆哮のごとく響き渡った。
●
「邪竜たちは死んだのね。……まさか、あの男が出てくるなんて」
大騒ぎの宴会場を空から覗き見て、白いローブの女が独りごちた。
バイアーディスが真に力を得たならば、あの子をも超える眷属となっただろう。あの石まで与えたにもかかわらず、失敗するとは。
「けれど、あの石は使える」
「――左腕。オマエ、何してる」
かけられた声に地上を見れば、かつて大樹海で手を貸してやったゴブリンが居た。
「……オマエ。イダ様の敵、ダナ?」
その名を聞いて、女は嗤った。
帝国へと向きを変え、空を滑りながら。
「……生きて、いるのね?」
(執筆:桃谷かな)
assignment【竜盤】ドワーフ王国解放戦線
【竜盤】ドワーフ王国解放戦線では、ドワーフ王国を襲撃する邪竜との戦いが描かれます。従来の気まぐれな散発的な襲撃とは違い、組織だった行動にドワーフ王国は浮足立つ中、冒険者ギルドが協力に応じます。
assignmentこれまでの流れ
帝国が壊滅して間もなく、ドワーフ王国ではバイアーディスという巨大な力をもつ邪竜が活動を開始しました。バイアーディスはアイオーンと呼ばれるもう一匹の邪竜と共に、ドワーフたちから奪った土地で、バルバロイや魔獣などを従え「メルトウォール」という組織を作り上げました。
1221年晩夏、バイアーディスに率いられたメルトウォールがドワーフ王国のマミダ地域を急襲。全15都市のうち12都市が陥落するも、冒険者の活躍により多くの民衆が命を助けられ、避難しました。
ドワーフ王国は対邪竜武器の開発を経てマミダ地域での都市奪還作戦を本格的化。一方、マミダ地域の中心地である都市マミダからは、バイアーディスが住民もメルトウォールも問わず人々を虐殺し始めたという情報が入ります。
その後、ドワーフ王国により草原都市テンゼンの奪還が成功。アイオーンを討ち取り、同地で彼が構築していた魔法陣の存在が明らかになります。バイアーディスは自身を強化するため、魔法陣を用いて都市一つ分の生命を一度にエーテルに変換し、吸収しようとしていました。ドワーフ王国は改造した魔法陣と対邪竜武器、そして冒険者を切り札に、バイアーディス討伐と都市マミダ奪還を目指して動き始めます。
assignment結果
邪竜バイアーディスは打ち倒され、マミダ地域の中心地である都市マミダも奪還された。これによりマミダ地域の全15都市がドワーフ王国の手に戻り、未だ避難していた住民たちの帰還も始まりつつある。各都市の復興、生活の糧を失った住民たちの救済に加えてメルトウォール捕虜の処遇も決めねばならず、ドワーフ王国の上層部はすっかり忙殺されているようだ。
person_pin関連NPC
刀の製法を再発見し、その功績を持って若くして匠王の座に就いたドワーフ。性格のチャラさは生まれつきだが、鍛冶への情熱は深い。
《本連動での動き》
邪竜バイアーディスとの戦いに指揮官として身を投じ、見事勝利した。
表の顔は、シャルガネ居住区の宿場街の女将頭。裏の顔はシノビの頭領であるという噂もあるが、実情は定かではない。
《本連動での動き》
シグルランの友人であり、そして邪竜とその周囲の不穏な動きをいち早く察知した情報提供者。ドワーフ王国の祝勝会に参加した後、シャルガネ居住区へ帰還したようだ。
王国第二の都市群「マミダ地域」を襲う邪竜。性格は好戦的で獰猛と本来の邪竜らしいところはあるが、ドワーフ達の命や財貨を奪うだけでなく逃がさないようにするなどの計画性も窺える。
《本連動での動き》
メルトウォールを率いてマミダ地域を占拠した邪竜。他者を殺害することでエーテルを収奪し、自身を強化する能力を持っていた。魔法陣を用いてより多くのエーテルを収奪しようと企むも、テンゼン西の草原で冒険者とドワーフ王国軍に討ち取られた。
王国第二の都市群「マミダ地域」を襲う邪竜。バイアーディスと違い冷静・知能が高いようで、メルトウォールと呼ばれる種族混成軍をまとめ上げている。
《本連動での動き》
メルトウォールの指揮官として各都市への侵略などを取りまとめ、バイアーディスのために魔法陣の構築を進めてきたが、テンゼンでの戦いでドワーフ王国に敗北。死亡した。
元メドゥの指先幹部『緑の親指』であり、現在はドン・ゴーフルの手下としてゴールディ最大のマフィア「ブラックデス」に所属している。リザードマンの血を引く小柄なゴブリンで、常にフードを被っている。
《本連動での動き》
ドン・ゴーフルの命で「稀代の智者」と称する魔術師を連れてドワーフ王国に現れた。邪竜バイアーディス討伐後はゴールディへ帰還したようだ。
ドン・ゴーフルの命でアダムがドワーフ王国に連れてきた赤と黒の鱗をもつリザードマンの魔術師。「稀代の智者」であり、アイオーンがテンゼンに遺した魔法陣を即座に解析した。
《本連動での動き》
魔法陣を逆用し、バイアーディスへの強力な武器と化した。邪竜バイアーディス討伐後はドワーフ王国を去ったようだ。
menu_book関連用語・情報
邪竜
クリエスター山脈に生息する黒竜たちです。自らの領域である山脈に住まうドワーフたちを嫌ってか、執拗にドワーフ王国を襲います。
時には邪悪極まる漆黒の翼を有した竜人の姿となって単身でドワーフ王国を強襲していきますが、今回襲来したバイアーディスとアイオーンの2体はその中でも特異とされています。この2体の特異な点として、単独活動をする邪竜が二匹同時活動してること、ただ奪うだけでなく、その地を支配すること、アイオーンは特にバイアーディスを補佐し、またメルトウォールと呼ばれる軍団を指揮しているなどがあげられます。
メルトウォール
邪竜アイオーンによって統率されているメルトウォールは様々な種族、人類と異種族だけでなく、動物や魔獣といった括りまで共に過ごす理想郷を作り出すことを目的として活動する組織です。彼らはそれぞれの強みを生かした軍隊としてだけでなく、お互いの長所と短所を補い合うことで発揮できる力――そしてそれが可能な社会という、彼らにとっての理想の姿を体現して降伏を訴えてきます。
(2021/11/24追記)
都市テンゼンや近隣地域での敗北を経て捕虜となったメルトウォール兵は、バイアーディスが都市マミダで仲間を虐殺している事実や、アイオーンが構築していたものが「メルトウォールを含めた都市内全ての生命をエーテルに換え、バイアーディスを強化する魔法陣」であったことを知りました。他の都市でもドワーフ王国の勝利が相次ぎ、バイアーディスの行動に疑問を抱き投降した指揮官も現れました。邪竜に利用されていた事実を知った一部のメルトウォールの捕虜は、その命をかけてバイアーディス討伐戦に加わることを選択。都市マミダのメルトウォール軍は住民と手を結び、一斉蜂起による市外脱出を計画しています。
マミダ地域
クリエスター山脈北東部における平野地域。帝国・辺境都市群へとつながる交易地もあり、ドワーフ王国の玄関口とも呼ばれる王国の第二都市群。中心地は、ドワーフ達が大好きな火酒の原料である農作物を育てる農業地帯であり、主要な醸造所が立ち並ぶ都市「マミダ」です。マミダを含め、15の都市が地域内に存在しています。
都市マミダ
マミダ地域において一番大きな都市がマミダで、元は酒造で有名な都市でした。その有名さにあやかる形で、この平野部一帯もマミダ地域と名付けられました。
都市マミダは初期に邪竜バイアーディスとアイオーンが率いるメルトウォールによって支配された彼らの本拠地です。
バイアーディスはこの都市マミダの住民と、それを支配していたメルトウォールの者たちを虐殺し、自身を少しずつ強化していました。
対邪竜武器
1.バリスタ・レーヴァテイン
本体は縦に置いた大きな弩が三連結しているバリスタです。
主に非授恵者が先制攻撃や弾幕支援に使用する想定で製作されました。
たくさん詰められた小さな矢をカートリッジに収納し射出する散弾方式で、一つ一つの弩が、クロスした弦を用い射程と威力を増強しています。弦を引くのは重いものの横型装填が可能ですので、スムーズに矢をつがえることができるでしょう。
タコ足のようなキャスターで移動します。
(2021/11/24追記)
対バイアーディス戦では、邪竜に注入することで酩酊状態を引き起こす毒酒「竜殺酒ヤシオノシコミ」を塗布した矢を使用します。
2.バリスタ・リジル
バリスタ・レーヴァテインの機構をベースに、竜の鱗をも溶かす強烈な酸を格納した陶器製のカートリッジを射出するためにマイナーチェンジしたバリスタです。
カートリッジ内は二部屋に仕分けされており、スライムから採取した二種の酸(赤と緑が混ざった酸、青の酸)が別々に格納されています。
着弾の衝撃で仕分けが壊れ、二種類の酸が混合されて特製酸が合成される仕組みで、特製酸は物理防御を下げる効果・魔法防御を下げる効果があります。
矢頭は同じく柔らかい金属を用いて、着弾と同時にこの金属がへしゃげて対象に食いつく事で衝撃をあまさず伝え、特製酸を装甲に食いつかせる二種の役割を果たします。
またカートリッジの底には酸の飛散防止の傘展開機構がついており、酸のはじき返しを減らすなどの工夫が加えられ、酸を敵単体に確実に与えます。
二種類の酸を仕分けているのは、混ぜた状態では容器をも溶かしてしまうため。二つの容器は発射直前に束ねる必要があります。
3.投石器「轟かす者(フリスト)」
岩塊などを弾丸として使用するカタパルトで、主に非授恵者が遠距離攻撃をすることを目的として製作されました。
振り子式と絡繰り式を合わせて威力と射程を伸ばしていることが特徴で、さらに組み立て式にすることで多くの戦場まで運び運用できる攻城兵器としても使用できます。
組み立てには半日ほどかかります。
4.投石器「楯を壊すもの(ランドグリーズ)」
投石器「轟かす者(フリスト)」を小型化し、板バネや差動機構を組み込んだ絡繰りによる走破補助装置が組み込まれ、馬で牽いて移動できるようにしたものです。
その分威力や飛距離はかなり犠牲になっていますが、その匂いから酩酊状態を引き起こす「竜殺酒ヤシオノシコミ」を使用することで、特定の個体を狙うより、面に対して用いて敵隊を弱らせることもできるとし、問題をカバーしています。
「竜殺酒ヤシオノシコミ」は精製を長く続けたため助燃性があり、火を以て敵勢の侵攻を食い止めることができます。
匂いの拡散、また燃焼の危険があるため、手投げ弾などとしての使用はできません。
5.パイルバンカー「勝利を促す者(シグルドリーヴァ)」
投石器「楯を壊すもの(ランドグリーズ)」の牽引機能と土台をベースにバリスタ・レーヴァテインの機構を流用したものと、巨大な槍が設置されています。
槍は弦の反発を利用して突き出されますが飛んでいかないようにされており、大型生物に対する近接攻撃として用います。
槍は巻き上げによって再度利用可能で、機構を使わなくとも威力は落ちますが突撃槍としての利用も可能です。
また、接近して使用するため、馬を含めて防護がされています。
6.試作型チェーンソーブレード
ぐるぐる回るゴーレムの腕の機構を剣の刃部分に取り付けた武器。細かい刃で攻撃し、硬い鱗や、とても分厚い肉体に対して効果的に斬撃を与える。ただし、回る部品が壊れやすいため、一発勝負の短時間使用を想定しています。
主に授恵者のような強い攻撃ができない一般兵士の使用を主な目的としており、多少なりともダメージを与えることができると考えられています。授恵者でも使用可能です。
※これらの武器はどれも潤沢な数が生産されているわけではありませんが、従来のバリスタやカタパルトに加えて戦列に加わります。
主に邪竜バイアーディスとアイオーンに対しての使用を意図しています。