【竜盤】ドワーフ王国解放戦線 決戦特設

キサキ・アカネ
本当に、彼を……信用して良かったのでしょうか。背に腹は代えられぬと言いますが、やはり……迷いがあります。
シグルラン
だよね~、わかるわかる。まさかアイツがドワーフ王国に来るなんてさ、絶対思わなかったじゃん? ケド、なんかウソついてるようには見えないんだよね~?
キサキ・アカネ
ええ。彼は嘘をついていませんし、私達に敵意もありません。エンパシーを使いましたから、わかります。
シグルラン
ええ!? キサキっち、いつの間に……。
キサキ・アカネ
……ともかく。対邪竜武器と魔法陣、冒険者の方々の協力があれば、きっとバイアーディスも討てます。気合を入れましょう、シグルラン。
シグルラン
うん! ついに決戦だね。絶対、ぜ~~~~ったい、あのクソ邪竜をぶっ殺す!!!
ドワーフ王国マミダ地域で、邪竜バイアーディス討伐戦が始まるようです――
(11月25日 【竜盤】決戦シナリオリリース予定!)
assignment【竜盤】ドワーフ王国解放戦線
【竜盤】ドワーフ王国解放戦線では、ドワーフ王国を襲撃する邪竜との戦いが描かれます。従来の気まぐれな散発的な襲撃とは違い、組織だった行動にドワーフ王国は浮足立つ中、冒険者ギルドが協力に応じます。
assignmentこれまでの流れ
(2021/11/24更新)
帝国が壊滅して間もなく、ドワーフ王国ではバイアーディスという巨大な力をもつ邪竜が活動を開始しました。バイアーディスはアイオーンと呼ばれるもう一匹の邪竜と共に、ドワーフたちから奪った土地で、バルバロイや魔獣などを従え「メルトウォール」という組織を作り上げました。
1221年晩夏、バイアーディスに率いられたメルトウォールがドワーフ王国のマミダ地域を急襲。全15都市のうち12都市が陥落するも、冒険者の活躍により多くの民衆が命を助けられ、避難しました。
ドワーフ王国は対邪竜武器の開発を経てマミダ地域での都市奪還作戦を本格的化。一方、マミダ地域の中心地である都市マミダからは、バイアーディスが住民もメルトウォールも問わず人々を虐殺し始めたという情報が入ります。
その後、ドワーフ王国により草原都市テンゼンの奪還が成功。アイオーンを討ち取り、同地で彼が構築していた魔法陣の存在が明らかになります。バイアーディスは自身を強化するため、魔法陣を用いて都市一つ分の生命を一度にエーテルに変換し、吸収しようとしていました。ドワーフ王国は改造した魔法陣と対邪竜武器、そして冒険者を切り札に、バイアーディス討伐と都市マミダ奪還を目指して動き始めます。
assignment決戦の概要
戦域1:テンゼン西の草原。バイアーディスの迎撃および足止め関連NPC:シグルラン
友軍:ドワーフ王国工兵隊、授恵者精鋭部隊/敵軍:バイアーディス、ワイバーン
戦域2:テンゼン防衛および改造魔法陣死守
関連NPC:キサキ・アカネ、魔術師
友軍:ドワーフ王国工兵隊、メルトウォール捕虜隊/敵軍:ワイバーン
戦域3:改造魔法陣および対邪竜武器による弱体化直後、バイアーディスに突撃
関連NPC:アダム
友軍:ドワーフ王国工兵隊、授恵者精鋭部隊/敵軍:バイアーディス
戦域4:都市マミダ奪還。蜂起したメルトウォールと共に敵軍掃討。住民避難誘導
友軍:辺境都市群シノビ部隊、マミダ駐留メルトウォール/敵軍:ワイバーン、ドラゴン
assignment決戦のスケジュール
2021年11月25日 決戦シナリオ「【竜盤】決戦:ドワーフ王国解放戦線」公開2021年12月2日 決戦シナリオ 出発
2021年12月13日 決戦シナリオ リプレイ公開
person_pin関連NPC
刀の製法を再発見し、その功績を持って若くして匠王の座に就いたドワーフ。性格のチャラさは生まれつきだが、鍛冶への情熱は深い。
《本連動での動き》
匠王として邪竜との戦いに指揮官として身を投じる。なお、指揮の腕はヤバたんという自負がある。
表の顔は、シャルガネ居住区の宿場街の女将頭。裏の顔はシノビの頭領であるという噂もあるが、実情は定かではない。
《本連動での動き》
シグルランの友人であり、そして邪竜とその周囲の不穏な動きをいち早く察知した情報提供者。兵士の指揮や各種運用に忙しいシグルランに代わって冒険者に協力を依頼したり、秘密の小径を整備するなどしてドワーフ王国に協働している。
王国第二の都市群「マミダ地域」を襲う邪竜。性格は好戦的で獰猛と本来の邪竜らしいところはあるが、ドワーフ達の命や財貨を奪うだけでなく逃がさないようにするなどの計画性も窺える。
《本連動での動き》(2021/11/24更新)
侵略者のトップであり、最大戦力。他者を殺害することでエーテルを収奪し、自身を強化する能力を持つ。メルトウォールを手駒としてマミダ地域各都市を掌握した後、魔法陣によりメルトウォールを含む全ての生命をエーテルと化して吸収しようとしていた。
王国第二の都市群「マミダ地域」を襲う邪竜。バイアーディスと違い冷静・知能が高いようで、メルトウォールと呼ばれる種族混成軍をまとめ上げている。
《本連動での動き》(2021/11/24更新)
メルトウォールの指揮官として各都市への侵略などを取りまとめ、バイアーディスのために魔法陣の構築を進めてきたが、テンゼンでの戦いでドワーフ王国に敗北。死亡した。
元メドゥの指先幹部『緑の親指』であり、現在はドン・ゴーフルの手下としてゴールディ最大のマフィア「ブラックデス」に所属している。リザードマンの血を引く小柄なゴブリンで、常にフードを被っている。
《本連動での動き》
ドン・ゴーフルの命で「稀代の智者」と称する魔術師を連れてドワーフ王国に現れた。その後もテンゼンに留まり、ドワーフ王国軍を助けている。
ドン・ゴーフルの命でアダムがドワーフ王国に連れてきた赤と黒の鱗をもつリザードマンの魔術師。「稀代の智者」であり、アイオーンがテンゼンに遺した魔法陣を即座に解析した。
《本連動での動き》
魔法陣を逆用し、バイアーディスへの強力な武器と化した。魔法陣を起動するための儀式も行うという。
menu_book関連用語・情報
邪竜
クリエスター山脈に生息する黒竜たちです。自らの領域である山脈に住まうドワーフたちを嫌ってか、執拗にドワーフ王国を襲います。
時には邪悪極まる漆黒の翼を有した竜人の姿となって単身でドワーフ王国を強襲していきますが、今回襲来したバイアーディスとアイオーンの2体はその中でも特異とされています。この2体の特異な点として、単独活動をする邪竜が二匹同時活動してること、ただ奪うだけでなく、その地を支配すること、アイオーンは特にバイアーディスを補佐し、またメルトウォールと呼ばれる軍団を指揮しているなどがあげられます。
メルトウォール
邪竜アイオーンによって統率されているメルトウォールは様々な種族、人類と異種族だけでなく、動物や魔獣といった括りまで共に過ごす理想郷を作り出すことを目的として活動する組織です。彼らはそれぞれの強みを生かした軍隊としてだけでなく、お互いの長所と短所を補い合うことで発揮できる力――そしてそれが可能な社会という、彼らにとっての理想の姿を体現して降伏を訴えてきます。
(2021/11/24追記)
都市テンゼンや近隣地域での敗北を経て捕虜となったメルトウォール兵は、バイアーディスが都市マミダで仲間を虐殺している事実や、アイオーンが構築していたものが「メルトウォールを含めた都市内全ての生命をエーテルに換え、バイアーディスを強化する魔法陣」であったことを知りました。他の都市でもドワーフ王国の勝利が相次ぎ、バイアーディスの行動に疑問を抱き投降した指揮官も現れました。邪竜に利用されていた事実を知った一部のメルトウォールの捕虜は、その命をかけてバイアーディス討伐戦に加わることを選択。都市マミダのメルトウォール軍は住民と手を結び、一斉蜂起による市外脱出を計画しています。
マミダ地域
クリエスター山脈北東部における平野地域。帝国・辺境都市群へとつながる交易地もあり、ドワーフ王国の玄関口とも呼ばれる王国の第二都市群。中心地は、ドワーフ達が大好きな火酒の原料である農作物を育てる農業地帯であり、主要な醸造所が立ち並ぶ都市「マミダ」です。マミダを含め、15の都市が地域内に存在しています。
都市マミダ(2021/11/24更新)
マミダ地域において一番大きな都市がマミダで、元は酒造で有名な都市でした。その有名さにあやかる形で、この平野部一帯もマミダ地域と名付けられました。
都市マミダは初期に邪竜バイアーディスとアイオーンが率いるメルトウォールによって支配された彼らの本拠地です。
バイアーディスはこの都市マミダの住民と、それを支配していたメルトウォールの者たちを虐殺し、自身を少しずつ強化していました。
対邪竜武器
1.バリスタ・レーヴァテイン
本体は縦に置いた大きな弩が三連結しているバリスタです。
主に非授恵者が先制攻撃や弾幕支援に使用する想定で製作されました。
たくさん詰められた小さな矢をカートリッジに収納し射出する散弾方式で、一つ一つの弩が、クロスした弦を用い射程と威力を増強しています。弦を引くのは重いものの横型装填が可能ですので、スムーズに矢をつがえることができるでしょう。
タコ足のようなキャスターで移動します。
(2021/11/24追記)
対バイアーディス戦では、邪竜に注入することで酩酊状態を引き起こす毒酒「竜殺酒ヤシオノシコミ」を塗布した矢を使用します。
2.バリスタ・リジル
バリスタ・レーヴァテインの機構をベースに、竜の鱗をも溶かす強烈な酸を格納した陶器製のカートリッジを射出するためにマイナーチェンジしたバリスタです。
カートリッジ内は二部屋に仕分けされており、スライムから採取した二種の酸(赤と緑が混ざった酸、青の酸)が別々に格納されています。
着弾の衝撃で仕分けが壊れ、二種類の酸が混合されて特製酸が合成される仕組みで、特製酸は物理防御を下げる効果・魔法防御を下げる効果があります。
矢頭は同じく柔らかい金属を用いて、着弾と同時にこの金属がへしゃげて対象に食いつく事で衝撃をあまさず伝え、特製酸を装甲に食いつかせる二種の役割を果たします。
またカートリッジの底には酸の飛散防止の傘展開機構がついており、酸のはじき返しを減らすなどの工夫が加えられ、酸を敵単体に確実に与えます。
二種類の酸を仕分けているのは、混ぜた状態では容器をも溶かしてしまうため。二つの容器は発射直前に束ねる必要があります。
3.投石器「轟かす者(フリスト)」
岩塊などを弾丸として使用するカタパルトで、主に非授恵者が遠距離攻撃をすることを目的として製作されました。
振り子式と絡繰り式を合わせて威力と射程を伸ばしていることが特徴で、さらに組み立て式にすることで多くの戦場まで運び運用できる攻城兵器としても使用できます。
組み立てには半日ほどかかります。
4.投石器「楯を壊すもの(ランドグリーズ)」
投石器「轟かす者(フリスト)」を小型化し、板バネや差動機構を組み込んだ絡繰りによる走破補助装置が組み込まれ、馬で牽いて移動できるようにしたものです。
その分威力や飛距離はかなり犠牲になっていますが、その匂いから酩酊状態を引き起こす「竜殺酒ヤシオノシコミ」を使用することで、特定の個体を狙うより、面に対して用いて敵隊を弱らせることもできるとし、問題をカバーしています。
「竜殺酒ヤシオノシコミ」は精製を長く続けたため助燃性があり、火を以て敵勢の侵攻を食い止めることができます。
匂いの拡散、また燃焼の危険があるため、手投げ弾などとしての使用はできません。
5.パイルバンカー「勝利を促す者(シグルドリーヴァ)」
投石器「楯を壊すもの(ランドグリーズ)」の牽引機能と土台をベースにバリスタ・レーヴァテインの機構を流用したものと、巨大な槍が設置されています。
槍は弦の反発を利用して突き出されますが飛んでいかないようにされており、大型生物に対する近接攻撃として用います。
槍は巻き上げによって再度利用可能で、機構を使わなくとも威力は落ちますが突撃槍としての利用も可能です。
また、接近して使用するため、馬を含めて防護がされています。
6.試作型チェーンソーブレード
ぐるぐる回るゴーレムの腕の機構を剣の刃部分に取り付けた武器。細かい刃で攻撃し、硬い鱗や、とても分厚い肉体に対して効果的に斬撃を与える。ただし、回る部品が壊れやすいため、一発勝負の短時間使用を想定しています。
主に授恵者のような強い攻撃ができない一般兵士の使用を主な目的としており、多少なりともダメージを与えることができると考えられています。授恵者でも使用可能です。
※これらの武器はどれも潤沢な数が生産されているわけではありませんが、従来のバリスタやカタパルトに加えて戦列に加わります。
主に邪竜バイアーディスとアイオーンに対しての使用を意図しています。
そのテンゼンにある監視塔の一つで、ドワーフ王国の『匠王』シグルランは頭を抱えていた。
「はぁ~~何が何だかサッパリだよね~~~! ぴえん超えてぱおんってカンジ~」
「学術都市に解析を依頼しても良いのですが……時間が掛かりそうですね」
『シャルガネ区の女将』キサキ・アカネもまた、塔内で作業するドワーフ達を見つめて溜息をもらす。
監視塔で冒険者達が見つけた魔法陣は、塔から連れ帰られた魔術師の証言により『都市内すべての生物を一度にエーテルに変え、バイアーディスに吸収させるためのもの』と判明。都市マミダほか、邪竜とメルトウォールに占拠された他の都市にも同様の計画があるらしい。
次の奪還目標は、バイアーディスが座す都市マミダだ。バイアーディス討伐の一助になるかもしれないと魔法陣の解析に乗り出したドワーフ王国だが、作業は難航。冒険者達が回収した資料や塔に残された物品を調べてはみたのだが、知識も技術も不足していた。
「う~~ん。ってかさ、対邪竜武器もあるし、もうパパッと攻めちゃってもよくね?」
「そうですね……魔法陣が役に立つとは限りませんから」
頷きつつも、キサキは一抹の不安を拭えずにいた。
都市マミダには何人かのシノビを送っている。彼の街では人間のみならず亜人や魔獣達――住民もメルトウォールも問わず、バイアーディスに虐殺され続けているという。バイアーディスが他者のエーテルを収奪する能力を持っているのだとすれば、その行為は恐らく、単に愉悦や食事を目的としたものではない。
――自身を、強化しているのだ。
都市マミダのメルトウォール軍は、彼らがそこを本拠地としているだけあって相当な兵力を有している。シノビの報告によれば、彼らは一度、幹部を中心にバイアーディスへの攻撃を試みた。しかし、バイアーディスはそれを、まるで赤子の手を捻るように返り討ちにしたという。
(――対邪竜武器は強力。けれど、もう一手。バイアーディスは既に、普通の邪竜ではないかもしれないのだから)
その時だ。
「……『匠王』シグルラン。と、シャルガネのキサキ。ダナ?」
「えっ? なになに~~!?」
「誰!?」
キサキが、気配に気づけなかった。
誰もいなかったはずの物陰からゆっくりと歩み出てきたのは、フードを目深に被った小柄なゴブリン。その衣服は、ところどころ赤く汚れていた。
「オレ、アダム。ドンの命令。稀代の智者……連れてキタ」
「アダム? ドン・ゴーフルの手下になっちゃったとかってゴブゴブのコト?」
フラフラと倒れ込んだ『元メドゥの指先幹部』アダムを、シグルランが抱き留める。
そして――アダムの視線の先で扉がゆっくりと開き、稀代の智者が姿を現した。
「エフレム……!?」
それは、かつて『語らずの智者』と呼ばれた白鱗のリザードマン。
亡国の皇子レイウェスト・バルダスの元護衛騎士にして、帝国を破滅させた裏切者。
「……何しに来た」
刀の柄に手を掛け、シグルランが低く問う。
智者 は、暫し沈黙のみを返した。そしてキサキが懐剣を抜かんとした頃、杖の先でゆっくりと――魔法陣を指し示す。
「……力を貸そう。其の石が魔法陣の核である筈」
エフレムが見た先には、邪竜たちが『エーテル石』と呼ぶ光る石が積まれていた。エフレムはそれに歩み寄ると、ブツブツと何事かを呟き始める。
「……石に刻まれた魔法を書き換えれば良い。魔法陣の術式も変更できよう」
「えっヤバ!? もう解析しちゃったってコト!?」
思わず警戒心を吹っ飛ばして驚くシグルラン。エフレムは抑揚のない声で続けた。
「……此の石は、生物より変換したエーテルを件の邪竜が受け容れられるようにその性質と流れを整えるもの。其れを書き換え、単にエーテルの“増幅”とすれば良い。いかに強大な邪竜であろうと、石の整流なしに都市一つ分のエーテルはすぐには吸収しきれまいな」
「吸収しきれないと、どうなるのですか」
気を許さぬまま、キサキが問う。
「器が成らぬままに極限までエーテルを詰め込んだならば、自我を失い暴走し、身はいずれ崩れよう」
「魔法陣のジュツシキ? を変えるってゆーのは?」
「生命 を奪い、エーテルに換えるは容易。なれど、増幅が可能であるならば生命 まで獲らずとも十分なエーテルは収集できるゆえ」
つまり。
人々の命を奪うことなく一部のエーテルのみを収集し、バイアーディスが吸収しきれない量にまで増幅する魔法陣を、エフレムならば実現できると言うのだ。
「……レイレイを裏切ったアンタが、なんで」
亡国の皇子のやつれた顔が、シグルランの脳裏を過る。しかし、エフレムの答えは。
「……拙は、殿下を裏切ってはおらぬ」
「ハァ? よくわかんないケド、じゃあなんでドワーフ王国を助けてくれるワケ?」
「拙は、殿下への支援のさらなる強化を望む」
「……そんなの、口約束にしかなんなくね?」
「それでもだ」
シグルランには、エフレムの真意が理解できない。
理解できないが、彼は魔法陣をシグルランの望む武器に変えられる。
それは対邪竜武器と並び、バイアーディスを確実に倒すための一手になるだろう。
シグルランとキサキは顔を見合わせ、逡巡する。
――帰還したシノビから、「都市マミダのメルトウォールと住民達が手を結び、一斉蜂起による市外脱出を計画している」との情報がもたらされたのは、その数分後のことだった。
●
近く、邪竜バイアーディスを討伐する。その噂は、テンゼンに捕らえられたメルトウォールの捕虜達にも漏れ聞こえていた。
「バイアーディス……! 俺達は一体、何のために……!!」
指揮官であった男が地面に拳を叩きつける。
人も、亜人も、魔獣ですらも共に暮らせる理想郷。それが実現できると、邪竜達は言った。マミダ地域を攻め落とすことは、新たな世界を築くための必要悪だと。その言葉を信じていた。盲信していた。それなのに。
彼らは知ってしまった。バイアーディスが都市マミダで仲間を殺している事実を。アイオーンがテンゼンの監視塔に築いていたものが何であるかを。
「私達が、甘かったのよ……」
呟いた女は、魔獣使い。彼らの部下も、仲間も。数え切れないほど命を落とした。同時に――彼らメルトウォールは罪なきドワーフ王国の民を殺し、街を奪った。
しかし邪竜達にとってメルトウォールは、仲間ですらなかった。用が済めばエーテルに換える、餌だったのだ。
「俺達の罪が消えることはない。部下達だけは見逃してもらいたいが……俺は死罪も受け入れよう。――ただ」
男が立ち上がる。周囲には、同じく捕らえられたメルトウォールの指揮官達が集まっていた。
「バイアーディスだけは、必ず道連れにする。『匠王』シグルランに使いを出せ」
執筆:アルパカコネクト運営