ゲルダ・クライン:夢を、見たんです。 ナハティガル=ラー:……夢? ゲルダ・クライン:【神の祝福】を授からず、冒険者にもなっていなくて。学園で生活をしている夢でした。 ナハティガル=ラー:以前のように、か――。 ゲルダ・クライン:はい。不思議ですよね。少し前まではそれが普通だったのに、そこにナハティガル様がいなくて。……寂しいな、と。そう、感じたんです。 ゲルダ・クライン:ナハティガル様は、……もしわたしがいなくなったら、どうしますか? ナハティガル=ラー:……以前の生活に戻るだけだ。 ゲルダ・クライン:前の、生活―― ナハティガル=ラー:ああ。時間と共に記憶は薄れゆく。まずは声だ。そして顔。最後に匂い。確かに近くにあったはずの、隣にいて当然だった存在が、夢の中でしか思い出せなくなっていく。――それすらも、日が経つごとに薄れていくがな。 ゲルダ・クライン:……ジーナ様、みたいに? ナハティガル=ラー:そうだ。薄情だと感じるかもしれんが。――そんな存在が、また一人増えるだけだ。 ゲルダ・クライン:いいえ。きっと、そういうものなんです。……これからもナハティガル様のお傍にいられるように、がんばらないとですね。 ナハティガル=ラー:ああ。俺も、アンタがいなくなることを望んではいない。 ゲルダ・クライン:えへへ。……ごめんなさい、変なお話をしちゃいました。 ナハティガル=ラー:――いや、構わない。 ナハティガル=ラー:俺は、……以前のような地獄を、何かを失う痛みを、味わいたくはない。――だから、死ぬな……。 【担当VA】南原光香、油男
クロスボイス制作 南原光香納品 2023年02月12日 21時10分52秒