フィッシャーマン・ウォーズ~マダイの帰還

おおくまねこ

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シナリオID:2991

オープニング

●流れ着いたもの
 ここは、エラトゥーン都市同盟辺境の漁村、タトゥーラ。リブラネスタとエスト・ポーラが海の上でバチバチにやりあっていた頃、ここタトゥーラでも、静かに海戦が繰り広げられていた。

「みんな、漁師達が帰ってきたぞ!」
「おかしいな、なんかボロボロだぞ?」
 村人たちは漁から戻ってきた漁船団を見て驚いた。なんと船はそこら中に穴が開いており、ありあわせの材料で無理やり穴を塞いでいる状態だったのだ。漁師のリーダー・ジュゴンはボロボロの状態で、わずかに取れた小さな魚が入ったびくを村の長老に差し出した。

「すまん、長老。今日はこれだけしか獲れなかった……」
「いや、そんなことより、その船は一体どうしたんじゃ? おぬしらも傷だらけではないか!」
「漁をしてたら……化け物に襲われて……あれは、馬鹿みたいにデカい鯛と……骨の魚……だった……」
 漁師はそれだけ言うと、どさりと倒れた。恐るべきことに、漁師の背中には魚の骨……というよりも、『骨の魚』が突き刺さっていた。

「なんだ、こりゃ!? 魚の死体か!?」
「ジュゴンが倒れたぞ! 手当を急げ!」
 騒然となる村人たち。長老はゆっくりと船に歩み寄り、船の中に落ちていた大きな鱗を手に取ってわなわなと震えた。

「こ、この赤い鱗は……! 間違いない、『魔鯛(マダイ)』の鱗じゃ!」
「マダイ!? 知っているのか、長老!?」
「うむ、こいつは極めて凶暴なタイの魔獣じゃ……ずいぶん昔に伝説の漁師(フィッシャーマン)『マダイの騎士』に駆逐され、もうこの辺りには棲んでおらんはずなんじゃが……何か、潮目が変わるような出来事でもあったのか……?」

 都市同盟の田舎の村人達は、『魔鯛』は巨大水棲魔獣のゾンビ『グールクラーケン』から逃げ出してこの辺りの海域に流れ着いたことなど、知る由もなかった……。

●腕利き漁師、大募集
「というわけで、ギルドにお魚退治の依頼が出ましたよ!」
 ギルド職員は依頼書をバンバンと叩き、冒険者達に呼び掛けた。リブラネスタ近海の漁村で凶暴な魚の魔獣が出没しており、地元の漁師はとても困っているとのことだ。魚の魔獣、『魔鯛』は漁をしているとどこからともなく現れ、魚を奪って去っていくという。

「幸い死者はまだ出ていませんが、いつ沈む船が出るとも限りません。早急にこの魔獣を退治する必要があります。地元の漁師さんが船を出して下さるそうなので、彼と協力して魔獣を退治してください」

 魔獣は魚の匂いに敏感で、網にかかっている魚を探知しているという。ならば、「大漁」の状況を作ることができれば、冒険者に有利な状況で魔獣と交戦することができる可能性がある。今回は戦闘力はもちろんのこと、水泳や漁の腕前も魔獣との戦いのカギとなるかもしれない。

「ちなみに魔獣はタイに似た味でとても美味しいらしいです! 魚が好きな方は頑張って下さいね!」

解説

目標:魚の魔獣達を撃滅する。 舞台:エラトゥーン都市同盟近海 依頼人:地元の漁師一同 状況: 都市同盟の近海に凶暴な魚の魔獣の群れが出没するようになったため、漁師が困っている。 魔獣は魚を獲っていると横取りしに来る習性があるため、囮として普通の魚をたくさん獲ろう。戦いの後は魔獣も普通の魚も美味しくいただこう! ●漁船『フィッシャーマン・スピア号』 今回の作戦用に使用される改造漁船。木製だが金属板で補強してあり、数発なら魔獣の攻撃にも耐えられる。 ●敵 魔鯛 四体 真鯛の形をした魚の大型魔獣。全長約四メートル。主な攻撃方法は体当たりと噛みつき攻撃。噛みつきは木製の船をビスケットのように噛み砕くほど強力。鱗も板金鎧並みに硬い。 味は上質の真鯛と同じで、無駄になる部位はなく、美味。 気性は荒く、動くものは何でも餌とみなすが、ボーンフィッシュだけは友軍と認識する。 大漁の気配を察知すると、魚を横取りしようと突っ込んでくる。初撃は海底からの攻撃となるため、冒険者全員が船上・水上にいた場合は不意討ちになるが、浅瀬におびき出すことができれば海底からの不意打ちは不可能となる。 倒した後に残る鱗や肉・骨等は冒険者で山分けできる。 ボーンフィッシュ 8ユニット マダイと共生している魔獣。サイズは数十センチ。見た目は魚の骨だが、アンデッドではない。身がないので人間は食えないが、ペットのおやつとしては上質。 戦闘判定では7~8匹の群れ単位で一体のユニットとして扱う。骨の弾丸を一斉に飛ばして攻撃を行うが、射程は1へクス。 ●味方 ジュゴン クラス:フィッシャーマン LV28 『フィッシャーマン・スピア号』のオーナーである漁師。ハーフビースト(オットセイ)の授恵者。魔獣討伐作戦に同行し、船の操舵を担当する。武器はイカリと網(盾替わり)。クラスは自称。 ●称号「マダイの騎士」 卓越した漁の腕と戦闘力を持つ者に与えられる称号。かつて魔鯛をこの地から追い払った伝説の漁師にちなんでいる。

マスターより

こんにちは。おおくまねこです。今回は漁がテーマのリクエストシナリオです。暗黒面に堕ちた漁師は出てきません。魔鯛を見事打ち倒し、美味しく料理してやりましょう!

リプレイ

●魔鯛を食べに、いや、倒しに来ました
「漁師さん達の危機と聞いて馳せ参じました。穏やかな海を取り戻せるよう尽力致しますわ」
 海と漁を愛するエルフ、ネーヴェ・グラヌローザは張り切っていた。

「魔鯛か、漁が危険になり魚がとれなくなるのは深刻な問題だな。魚好きとしてもこの危機を見逃すわけにいかない。頑張って魔鯛を討伐しよう」
 アルフィー・リッパーは魚が好きだった。ゆえに海の平和を守るため、同志たちと共に尽力する所存だ。そして、あわよくば倒した魔鯛を美味しくいただくつもりである。

「魚型魔獣の撃破ですか。それにしても『マダイの騎士』というネーミングはまた独特ですね」
 そこはかとなく語呂がよい伝説の漁師の話を聞き、フリーダ=ブロムヴィストは唸った。
(啓示(ゆめ)によれば『コーホー煩(うるさ)い奴も暗黒卿も今回はいません』とのことですが、どういう事でしょうか?)
「何にせよこれ以上邪魔をされると漁師の方々の生活にも響きます。なんとか撃破しましょう」

「仕事しておいしいものが食える! 最高!」
 ディレイン・オールドケイジはこれから仕事とは思えないほどハイテンションだった。倒した魔獣は冒険者達で山分けしていいという。魔鯛(マダイ)はきっとその名の通り、上品な白身魚の味がするに違いない。
(なので真面目にやりますよ。おじさんはこれでもお仕事に対してはちゃんとやる派だからね)

「漁師様の安全のためにも、美味しいお魚さんのためにも、頑張りますね……!」
「漁師さん達の為にも、安心して漁が出来る様にしなくちゃ……それに、美味しい魚も楽しみたいから」
 ゲルダ・クラインとララベル・サン・ディーベルはにこっと笑った。

「おお、これはたのもしいな。そして、さてはみんな魚好きだな? 冒険者達よ、どうかマダイを倒してこの海の平和を取り戻してくれ!」
 漁師代表の獣人、ジュゴンはやる気に満ち溢れている冒険者達の姿にニヤリと笑った。

●作戦会議
 冒険者達はさっそく、船を出してくれるというジュゴンと共に作戦会議を始めた。
「キャスターである私とルアンナ殿が『ウォーターウォーク』をかけよう。これでだいぶ作戦の幅が広がるのだ」
「ですね。攻撃されると船が沈んじゃいますし」
 ストレガ・L・リベルガストラの言葉に、ルアンナ・ミュラーは頷いた。

「まずは大漁を狙わなければいけませんから、最初は普通に船の上で漁をすることになるかと思いますが……獲っている間の不意打ちが怖いですわね。水揚げをしながら、船の進路はさり気なく浅瀬の方に向けて頂くのが宜しいかなと存じます。あとは……ジュゴン様、マダイを呼び寄せる為に骨の魚(ボーンフィッシュ)をお借りしてよろしいでしょうか?」
「おう、構わんぞ。食うとこもない魚だしな」
 ネーヴェが尋ねると、ジュゴンは快諾した。

●おいしい真鯛の食べ方
「魔鯛の調理方法ってのは、村に言い伝えとかあるのかい?」
「うむ。実は調理法自体は普通の真鯛と同じだ。ただ、とにかくデカいので、バラすのには大人数が必要だ」
「なるほど……ちなみにキミのおススメは?」
「しゃぶしゃぶだな。あら汁で切り身を煮るととても美味い。シャルガネの酒ともよく合うぞ」
「なるほど、それはおいしそうだ!」
 海に出る途中、ディレインはジュゴンと鯛料理トークに花を咲かせていた。その間、周囲を宗波で調査していたララベルはジュゴンに声をかける。

「ジュゴンさん、あっちの方に鳥山ができてるんだけど、行ってみない?」
「ああ、確かに。ちょうどいいな、あっちで獲ろう」
「こう見えて漁は得意ですの。魚獲りはお任せ下さいまし。沢山獲ってみせますわ!」
 村で借りてきた投網(とあみ)を手に、ネーヴェは微笑んだ。漁場についた冒険者達は網や釣り糸を海に投げ、漁を始めた(あまり漁が得意ではないアルフィーは宗波で奇襲を警戒し、ゲルダは座って英気を養っている)……。

●遭遇
「来ます……!」
 誰よりも早くソレに気が付いたのは、漁の達人であるネーヴェだった。潮の流れがわずかに変化し、魚の群れが逃げていく。海中から何か、巨大なものがこちらに近づいてくる。

「捜波に反応があった! あっちからも来る! すごいスピードだ! それも一体じゃない!」
 ララベルが叫んだ。彼のレーダーのような感覚は、こちらに近づいてくる無数の気配を捉えていた。
「ああ、確かに見えますね。とても大きな魚が突っ込んできます」
 しばらく遅れ、フリーダの眼は海中から来るマダイの姿を『透視』スキルでかろうじて捉えた。だが、徐々にマダイは深く潜っていき、すぐに見えなくなった。

「船に体当たりされると厄介なのだ。網と船はロープで繋いである。みんな、頼んだのだ」
「ウォーターウォークをかけます!」
 ストレガとルアンナは冒険者達にウォーターウォークをかけた。
「あれがマダイ……腕が鳴りますわね!」
 ネーヴェは精神を集中し、ウェイブ・オブ・インフィニティロアを解き放った。放たれたオーラを受けた冒険者達は船から飛び降り、マダイを浅瀬におびき寄せるべく、魚が獲れた網を持ったまま突っ走っていく。

「さぁ、こい、お前達の狙いはこっちだ!」
 マダイを置き去りにしないように慎重に速度をコントロールしながら、ララベルが叫ぶ。二体のマダイは冒険者達の持った大漁の魚介類に釣られ、コースを変更した。

●VSマダイ
 見事浅瀬にマダイとボーンフィッシュをおびき寄せることに成功した冒険者達は網から手を離し、臨戦態勢に入った。
「身がなるべく痛まないように……っと!」
 ララベルは水面を走り、あっという間にマダイの懐に潜り込んだララベルは、すれちがいざまに双剣でマダイを刺し貫いた。
「見た目は大きな鯛そのものだな。これは美味そうだ!」
 アルフィーはララベルと同じマダイに接近し、エーテルの糸を引っ掛けた。糸が身に絡まり、マダイは激しく暴れた。

「わあ! 大きな鯛ですね!」
 ゲルダは目を輝かせ、マダイへの距離を詰める。すると、マダイの周りをウロチョロしていたボーンフィッシュたちが一斉に冒険者達へと襲い掛かった!

 ガガガガガガガガ!
 海面を跳ね、矢の如く飛ぶ数十匹のボーンフィッシュ達。ゲルダ、ララベル、アルフィーはボーンフィッシュ達が放った骨の弾丸の脅威に晒された。ララベルとアルフィーは辛くも骨の弾丸を躱しきったが、ゲルダは骨の雨をモロに受けてしまった。

「大丈夫ですか? ゲルダさん」
 フリーダはゲルダに問いかけながら、海面を滑るように移動し、ゲルダに並んだ。
「はい、へっちゃらです!」
 数十発の骨の弾丸の直撃を受けたゲルダだったが、鎧に多少傷がついたものの、ほとんどダメージは受けていなかった。
「良かった。このままマダイ達を引き付けましょう」

「魔鯛が美味いのは見てわかるのだ。あの骨の方も実に興味深いのだ。あれがアンデッドではないのは驚異の生態。魔鯛と共に記録しなければ」
 ストレガはララベルと交戦中のマダイに向け、重力場を浴びせた。放たれた重圧は取り巻きのボーンフィッシュ達ごと、マダイの動きを拘束した。

「よし、ここまでは予定通りだね」
 ディレインはほくそ笑むと、マダイのすぐ近くに雷雲を呼び寄せた。

「「ウオオオオオオ!」」
 二匹のマダイは吠え、一体はララベルに突進した。しかし、もう一体はストレガの重力場のせいで思うように動けず、冒険者達と距離を詰めただけだった。ララベルはマダイの突進をひらりと躱した。

「水タイプの魔獣にはこれが効くんです! 雷の投げ槍(サンダーランス)!」
 ルアンナは手に雷の槍を生み出すと、アルフィーを襲ったマダイへと投擲した。槍はマダイの体に突き刺さり、内側からマダイの内臓を焼いた。
 バリリリリリリ!
 その直後、さらなる雷鳴が会場に轟いた。ディレインが呼び出した雷雲が破裂し、中に蓄えられていた電気がマダイにさらなる電撃を浴びせたのだ。
「おお! 水の上を走っている! それに雷を操るとは……まさに伝説の再来だ!」
 ジュゴンは冒険者達の戦闘に感嘆しつつ、冒険者達が手放した網をロープで船に回収していた。

「喰らえ、旋風三連撃!!」
「このまま畳みかけよう!」
 ララベルの刺突とアルフィーの強打が左右から挟みこむようにマダイを直撃した。硬い鱗が削れ、マダイの体から血が噴き出す。
「こっちですよ、マダイ!」
「私達が相手です!」
 ゲルダとフリーダはシーザーロアを連発し、二体のマダイに闘気を浴びせかける。うまいい具合に、マダイは二人に一体ずつ執着したようだ。
 ガガガガガガ!
 再びボーンフィッシュ達の骨の弾丸が冒険者達に放たれる。斜線上にいたのは、ゲルダとフリーダだった。しかし、パーティ内でも飛び抜けて頑丈な二人は、骨の弾丸の一斉射撃を受けてもびくともしなかった。

「スネアアンカー」
 ストレガは重力場に捉えているマダイにエーテルの錨を巻き付けた。
(これは移動阻害の呪いなのだ。だが、ここは海上。動けなくなれば、マダイは沈むのではないか?)
「ウオオオ!?」
 ストレガの予想通り、泳げなくなったマダイは海中にどんどん沈んでいった。が、沈んだことで逆に重力場から離れてしまい、マダイは海面に戻ってこようとしていた。

「タフですね! まずは骨のお魚を……!」
 ネーヴェはメテオライトを放った。光の雨がマダイと、ボーンフィッシュ達を貫き、ボーンフィッシュが海の藻屑となった。

「さて、船は死守しないとだね」
 ディレインはストレガを庇うように立つと、衝撃刃をマダイへと放った。

●
 バクンッ!
「おおうっ!?」
「きゃあああ!」
 なんと、フリーダとゲルダはマダイの口の中に飲み込まれてしまった!
「きゃー! ゲルダさん、フリーダさーん!」
 ルアンナは大慌てで空間爆砕を放った。すると、最後のボーンフィッシュ達の群れがまとめて吹き飛び、攻撃のショックでマダイ達はゲルダとフリーダをべっと吐き出した。

「今度はお前が料理される番だ!」
 猛スピードでマダイに接近したララベルの三連刺突がマダイの喉を貫く。ようやくマダイはばしゃん、と海に倒れこんだ。

「まさか食われるとは。でかい魔獣は要注意だな」
 アルフィーの放った衝撃波がマダイの額に穴を穿つ。ぐらり、と倒れたマダイは死んだ魚の目でぷかぷかと海を漂い始めた。
 かくして、ちょっと危険な一幕もあったものの、マダイ達は見事に冒険者達に討伐されたのであった。

●マダイでパーティ!
「なるほど。骨に見えたのは外骨格だったのか。カブトムシみたいな構造の魚なのだ」
 ボーンフィッシュを真っ二つにし、内臓を《あらた》めたストレガは感心した。
(あとで煮込んでみよう。出汁にでもなるかもしれないのだ)

「おじさんはおじさんだからさあ、酒もほしかったんだよなあ。悩んだ末に持ってきたのがこちら」
 ディレインは持ってきたエールと赤ワインをテーブルの上に置いた。
(手持ちに白ワインがなかったんだよねえ、残念なことに。でもま、試してみるしかないでしょってことで)

「さあ、倒したマダイで料理です!」
 エプロンをギュっとしめ、微笑むルアンナ。冒険者達はこれから、倒したマダイを調理することにした。魔鯛討伐を祝い、村中をあげてパーティをするらしい。

「獲れたて新鮮なお魚ですよ! 美味しくない訳ないじゃないですかー♪ お刺身やカルパッチョもいいですし、オリーブオイルで野菜とアヒージョにしても美味しいですよ♪」

「これだけの巨体なのだ。手分けして全部作ればいいのだ。とりあえず鱗を落として三枚に卸そうか」
 ルアンナの言葉に頷くストレガ。
「あっ、鱗落としと三枚卸しなら私がお手伝いしますよ! 力仕事ならお任せあれ!」
「ではお願いするのだ。ぶつ切りにするにはきっと硬すぎるのだ。節を狙うといいのだ。身は切り身にして、アラは甘辛く煮込んで汁にする。食事の後は骨を砕いて肥料にする。鱗はアクセサリーの材料にしても良いだろう。とても硬いので、防具にも使えるかもしれないのだ」
 ストレガはてきぱきと、ゲルダや漁師に指示を出していた。

「どんな生き物でも最後は食べてくようしてやらねーとな。鍋は持ってきた。炒め物と煮物は任せてくれ」
 自前の鍋を掲げ、アルフィーはドンと胸を張った。

「さて、お楽しみの前には、料理できない分、食卓の準備くらいはしますかね」
「私も準備のお手伝いをしましょう」
 ディレインとフリーダは村を回り、テーブルや椅子などを運びこみ、パーティの準備に従事していた。

●
 そして、数時間後……冒険者達の獲ってきたきたマダイや囮の魚介類はバイキング形式で立食パーティの料理として提供されることになった。村から借りてきたテーブルの上には、たくさんの海の幸の料理が所せましと並び、芳醇な香りを漂わせている。

「そして、たくさんの酒瓶と果実ジュース……これこそおじさんが求めていたものだ」
 村人から提供された酒類にディレインもニッコリだ。
「お仕事の成功にかんぱーい」
「「かんぱーい!」」
 ディレインの音頭取りで、お魚パーティが始まった。

「魔鯛はどんな味がするのでしょうか? 楽しみですね♪」
肉と同じぐらい魚が好きなゲルダはとてもわくわくしている。煮ても焼いても魚は好きなのである。
「おいしいっ!」
 ゲルダは優雅なテーブルマナーを崩さないまま、密かにもりもりと魚料理をおかわりした。

「噂通り、凄く美味しい♪ 全部試してみよっと♪」
 ララベルもご機嫌でマダイの料理を取り集めている。

「できたぞネーヴェ。マダイのムニエルとあら汁に、おまけのホタテの醤油焼きだ」
 アルフィーは自作の料理の数々をまずネーヴェの前に置いた。
「まあ、おいしそう♪ いただきます」
 ネーヴェはマダイのムニエルを食し、指で「OK」サインを出した。
「よかった。白身の魚は何にしてもやっぱり美味しいな」
 自分の分を一口食べ、アルフィーも顔を綻ばせた。
「アーテルも気に入りましたか?」
「にゃー」
 切り身を少し分けてもらい、上機嫌に鳴く猫(アーテル)。だが、アーテルは椅子の上によじ登り、おかわりをせしめようと、ネーヴェとアルフィーの皿を虎視眈々と狙っていた……。

「うん、おいしいですね。そういえばストレガさん。さっき煮込んでいたボーンフィッシュはどうなったんですか?」
 フリーダはストレガの調理したマダイの刺身をつつきながら、ストレガに尋ねた。
「うむ……ボーンフィッシュは不味くて出せなかったのだ……標本の分以外はもはや肥料にするしかあるまい」
 ストレガは少し残念そうに言った。

「お前達こそ、伝説の『マダイの騎士』の再来だ! 村を救った英雄として、代々語り継ぐとしよう!」

 ちょっと酒が入ったジュゴンは冒険者達にそう告げ、ワハハと笑った。こうして、凶暴な魔魚・魔鯛は冒険者達においしく食べられ、村には平和が戻ったのだった。

マスターコメント

おいしくマダイを撃破することができました! お疲れ様でした! 個人的には鯛のしゃぶしゃぶが食べてみたいです。称号は「マダイの騎士」を一律で付与いたしました。「漁」スキルがない方もおられるんですが、倒したマダイも魚なので、一応漁ということで。
ショートシナリオR

ショートシナリオR普通 報酬:多い8 / 4〜8人

2023年06月08日 13時20分50秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ディレイン・オールドケイジ

    ディレイン・オールドケイジ、ヒーラーだよよろしく。 まあ美味しい魚に釣られたよね。 でも釣る技量はないんだなあこれが。 大漁になれば向こうから来てくれるみたいだけど、その辺はジュゴン船長にお願いすればなんとかなるのかな? どうにかして浅瀬に誘き寄せて、不意打ちを避けたいところだよね。

  2. ルアンナ・ミュラー

    キャスターのルアンナです、今回はお集まり頂きありがとうございます♪ 頑張ってお魚ゲットしましょうね! ウォーターウォークで海面を歩けばそのまま浅瀬まで連れていけたり…?

  3. ネーヴェ・グラヌローザ

    ヒーラーのネーヴェ・グラヌローザと申します。 漁師さん達の危機と聞いて馳せ参じました。穏やかな海を取り戻せるよう尽力致します。 漁は得意ですので、魚獲りはお任せ下さいまし。沢山獲ってみせますわ! 最初は普通に漁をして大漁を狙わなければいけませんから、個人的には魚を水揚げする場所としての船はやはり必要かなと考えております。 魔鯛が誘われて来たら、網を持ったまま浅瀬に向かって船を動かして頂くのが良さそうでしょうか。それと捜波の活用でしょうかね。 転落した時の為にウォーターウォークもあれば尚良しだと思います。 後は……ルアンナ様の案をお借りして、魚を持ったまま浅瀬に向かって走って行く人×複数人、みたいな状況を作る、とかですかね……?

  4. ストレガ・L・リベルガストラ

    ストレガなのだ。よろしくなのだ。 漁はともかく調理ならおまかせあれ。 ウォーターウォークは私も持っていくのだ。 浅瀬に引き寄せた後足止めする為の術としてスネアとグラビティを使用するのだ。

  5. ゲルダ・クライン

    ゲルダです。よろしくお願いしますね。 お魚さん……!! どんなお料理でもとっても美味しいですよね……っ(わくわく 魚釣りもお料理も人並みですが、食べることでしたら任せてください! えへへ。 ウォーターウォーク、大変助かります! それでは、わたしは浅瀬に引き寄せられたマダイさんを「シーザーロア」で惹きつけますね。 回数もちょうど4回ですので、1匹1回……逃がさないように付与を高めの構成で挑みたいと思いますっ

  6. アルフィー・リッパー

    アルフィー・リッパーだ。よろしくな 魔鯛か、どんな味がするんだろうな(わくわく) 俺は捜波で対象の捜索はできるかな(うーんと考えながら) あと料理は得意だからそっちも頑張るぞ。

  7. ディレイン・オールドケイジ

    んじゃ、おじさんも魚持って浅瀬に向かいますかね。 スネアやシーザーロアで足止めしてくれたところに祈雷を置いたらいい感じかな?

  8. ララベル・サン・ディーベル

    遅くなってごめんなさい、僕は、ララベル・サン・ディーベル。 みんな、宜しくね! 漁スキルで魚を捕って、それで誘き寄せてから、浅瀬に誘導してみるね。 ウォーターウォークは凄く助かるよ、ありがとう。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0