【北乱】龍脈の欺瞞
革酎
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シナリオID:2957
オープニング
某日、早朝。
元シルトラース帝国魔導院エスタル支部長クライス・アクバーは、フィルエス大森林に住まう森の賢者フェアロス・アーラ・アスプロスと共にエスト・ポーラ近郊のカナンフェと呼ばれる廃村へと姿を現した。
ふたりには十数名の人員が付き従っている。クライスが個人的に編成した、幽界樹対策調査隊の面々だ。
彼らはいずれも非授恵者ではあるが非常によく訓練されており、小型クリーパーならば一体程度を、集団戦術を駆使して撃破するだけの戦闘力が具わっている。
そんな彼らがクライスとフェアロスに率いられてカナンフェ廃村近くにまで足を運んだのは、ここに即時通信網構築用装置『龍逓架』が隠されているかどうかを確認する為であった。
「応援の冒険者は、もう間も無く到着するだろう。彼らとの合流を待って捜索に着手する」
クライスの指示を受けて、幽界樹対策調査隊員達は黙然と頷き返した。
カナンフェ廃村に龍逓架が持ち込まれている可能性があると判断したのは、フェアロスがこの廃村近くの岩山地下に龍脈接続ポイントとなり得るエーテル流が存在すると見抜いたからだ。
もし本当にメドゥの指先が龍逓架を用いて幽界分樹を出現させる意図があるならば、龍脈接続ポイントに近しい位置に龍逓架を持ち込んでおく必要がある。
この廃村は、龍逓架を秘匿するには最も適した場所といえるだろう。
但し、捜索すべきはこのカナンフェ廃村だけではない。エラトゥーン都市同盟の北部諸都市近郊には、他にも幾つか、龍脈接続ポイントとなり得る地下エーテル流が存在している。それらの周辺を全て捜索しなければ、龍逓架を発見するには至らない。
逆をいえば、それら龍脈接続ポイント近く全てを捜索し終えて、それでも龍逓架を発見することが出来なかったならば、メドゥの指先は単にはったりを仕掛けただけで、実際には幽界分樹を出現させる意図は無かったと判断することも出来る。
今回の捜索は、敵の思惑を知る為の確認作業でもあったのだ。
「彼らが幽界分樹を呼び寄せようとしているのかどうか……その本気度は未だ、見えませんね」
カナンフェ廃村の入り口付近で周囲をぐるりと見渡していたフェアロスが、何ともいえぬ表情で小さな吐息を漏らす。
戦術的にも、そして戦略的にも、エラトゥーン都市同盟北部諸都市内に幽界分樹を呼び寄せることが、果たしてメドゥの指先の思惑に適った行為であるのかどうか。
その辺りが今ひとつ、よく分からない。
クライスがリブラネスタの冒険者ギルドでこれまでの経緯を聞いた限りでは、今回の幽界分樹誘発脅迫はただのはったりだという推測に至っているのだが、事実はどうなのか。
その真偽を確かめる為にも、ここカナンフェ廃村での捜索が重要になってくる。
●仕組まれていた挟撃
少しだけ、時間を遡る。
メドゥの指先幹部『緑の人差し指』ラネンターカムは、近々カナンフェ廃村に龍逓架有無を探る為の捜索の手が入るであろうと踏んでいた。
「そろそろ潮時かのぅ……しかし、ただこちらの真意を見抜かれるだけでは、面白うないな」
深夜、カナンフェ廃村を下方に望む岩山の中腹で、ラネンターカムはふたつの巨影に指示を出し、麓付近へと潜伏させた。
いずれもフクロウの如き形状の頭を持つ巨大な熊――オウルベアのゾンビであった。
オウルベアは単体でも結構な強敵として認知されているが、それが二体も居る上に、アンデッドと化してその耐久力は大いに跳ね上がっていた。
「中と外……両方から攻められた場合、どう対処してくるのか。実力を見せて貰おうかえ」
ラネンターカムはカナンフェ廃村の内部にも、十数体の吸血屍を潜ませている。
もしも龍逓架捜索の人員がカナンフェ廃村内で調査を進めれば、まずはこれらの吸血屍と遭遇し、即座に戦闘に突入することになるだろう。
そして彼らの目を廃村内部に向けさせたところに、外から二体のオウルベアゾンビによる奇襲を仕掛ける。
内外双方からの挟み撃ち、という訳だ。
既にラネンターカムは独自の情報網を駆使し、カナンフェ廃村にクライスとフェアロスが捜索の為に訪れるであろうことを把握している。つまり、彼らの実力をその目で見届けてやろうという訳だ。
だが、帝国魔導院エスタル支部長を務めた経験は伊達ではないだろう。恐らくは、支援の冒険者を何人か雇い入れている筈だ。その点についても考慮しなければならない。
そこで、本来であれば一体で十分な戦力たり得るオウルベアゾンビを、わざわざ二体も都合したのだ。
オウルベアは群れを作らない為、その死骸をふたつも準備するのは中々に骨が折れたが、その苦労に見合うだけの情報は仕入れられるだろうと踏んでいる。
「クライス・アクバーとやら……うぬの力が如何程のものか、わしにも見せてくれい」
麓へと降りてゆく二体のオウルベアゾンビを悠然と眺めながら、ラネンターカムは静かにほくそ笑んだ。
解説
マスターより
リプレイ
エラトゥーン都市同盟内、エスト・ポーラ近郊の廃村カナンフェ。
住民が退去して既に十数年が経過しており、残されている家屋や周辺の畑地は荒れ放題だ。
朝陽が漸く上り切り、日中と呼べる明るさが廃村全体を照らし始めた時、元シルトラース帝国魔導院エスタル支部長クライス・アクバーとフィルエス大森林に住まう森の賢者フェアロス・アーラ・アスプロス、そしてこの両名が率いる幽界樹対策調査隊の面々は、応援に駆け付けてきた六人の冒険者達と共にカナンフェ廃村内へと足を踏み入れていった。
「よっしゃ! いっちょやってやんぜ!」
今回応援として加わった冒険者の中では唯一といって良い捜索スペシャリストのハヤト=ガラン=ヴォルファングは、ロゼットと肩を並べて先陣を切る形で、カナンフェの中央広場へと足を踏み入れていった。
「余り大きな廃村じゃなくて助かったわ。これならお昼までには大体片付きそうね」
張り切るハヤトの傍らで、ロゼットは幾分胸を撫で下ろしている。規模の大きな捜索地はそれだけ、人手も手間もかかる。もし仮に伏兵が潜んでいたら、分散した兵力に対しては痛打を加えられる可能性があった。
さて、捜索方法である。
今回クライスは端から順に捜索するのではなく、まずは中央からハヤトが四方八方に向けて大雑把に当たりを付けてゆくという方針を取った。細かな捜索は幽界樹対策調査隊員に任せようというのである。
勿論クライスやフェアロス、そして残りの冒険者達も手分けして捜索に当たるから、仮に敵が潜んでいたとしても幽界樹対策調査隊員だけが危機に晒されるという心配は無いだろう。
「龍逓架が仕込んであったらあったで、ダミーという可能性もあるけど……私達を釣り出すにしては、はったりの規模が大きいわね」
警戒を重ねつつ、担当する方面の廃屋内部を覗き込みながら、アウレーリア・フォン・ネーベルベルクが傍らのクライスに語り掛けた。
これに対しクライスは、敵の意図がどうにも読めないと小さく肩を竦める。既に話は龍逓架や幽界樹云々よりも、リブラネスタ対エスト・ポーラの同盟内戦に大きくすり替わってしまっている。結局メドゥの指先は何がしたかったのだろうか。
同様の疑念はフェアロスと、そしてその愛娘たるコルネリウス・アーラも抱いていた。
「私達が来るまで全くの手付かず……本当に幽界分樹の出現が怖いなら、エスト・ポーラから近いこの廃村をローヴィス市長が捜索しないというのは、矛盾を感じますね」
「目の付け所が良いですね。コルネもロモズ歩兵団長を務める様になってから、大局で物事を見ることが出来る様になってきたということでしょうか」
コルネリウスが口にした疑問を尤もだと肯定しつつ、フェアロスは自慢の娘の成長ぶりに目を細めた。彼女の洞察力と戦術眼は部隊を率いる立場の者としては十分以上に機能している。これまでは最前線で敵と直接渡り合う壁エルフとしての力量が顕著だったが、今後は集団戦を差配する部隊長としての頭脳も、その活躍が期待されてゆくことだろう。
その時、廃村内の東寄り地点からディレイン・オールドケイジのやや間延びした声が響いた。
「おぉ~い……敵さんが居たよぉ」
コルネリウスとフェアロスが幽界樹対策調査隊員達と共に廃屋から飛び出すと、中央広場を挟んで反対側の路地に、数体のアンデッドと思しき影が視界に飛び込んできた。
ディレインが同伴した幽界樹対策調査隊員を後方に庇う一方で、アルベルト・V・シュタールシュヴェーアトが自慢の巨大な刃を振るって屍の群れを蹴散らしている最中だった。
「矢張り伏兵が居たか! しかし、こんな程度の数じゃ済まない筈だ! 皆も気を付けろ!」
アルベルトの圧倒的な破壊力を誇る漆黒の斬撃に対し、まるで怯む様子を見せないアンデッド共。その獰猛な姿勢や噛みつきかかろうとする動きから見て、吸血屍だと見て間違い無さそうだった。
すると、他の地点からも同様の騒ぎが巻き起こり始めた。
恐らく廃村内の各所に数体ずつ、吸血屍を待ち伏せの形で仕込ませておいたのだろう。
「私の炎で一掃するわ! 中央広場に誘い出してきて!」
アウレーリアが廃村内に自身の声を響き渡らせる。彼女の強力な攻撃魔法なら、吸血屍をまとめて始末することなど雑作も無い話だろう。
●偶然か、意図した挟撃か
この時、コルネリウスは違和感を覚えた。
待ち伏せか、或いは龍逓架を守る為の防衛戦力か――いずれにしても、カナンフェ廃村に潜んでいた吸血屍の数が少な過ぎると考えたのだ。
何か、ある。直感が、そう訴えてきた。
すると、その予測はすぐに形となって現れた。
ディレインが幽界樹対策調査隊員の面々を廃村の外側へと退避させ、外部に対する警戒に当たらせていたのだが、東側の岩山方面から、二体の巨影が接近してくるのが見えたとの報告が飛び込んできたのである。
「敵さんが居た時点で、ここに龍逓架があると踏んでたけど……外から追加戦力か。こいつぁ、どう見たら良いのかな?」
そんなことを呟きながら、ディレインはクライスとフェアロスに力を温存する様にと語り掛けているロゼットの肩を軽く叩いた。
「ここはロゼットちゃん達に任せて良いかな? おじさん、外がどうにも気になって」
「えぇ、勿論。そっちも気を付けてね」
頷き返すロゼットに笑顔で応じてから、ディレインはアルベルトとコルネリウスに向けて、一緒に来てくれと呼び掛けた。
そうして三人は東側の岩山の裾付近へと駆けた。
斜面を下りてくるのは、フクロウの頭部を持つ巨大な熊だ。しかしその足取りや生気の無い目つきから、アンデッドと見て良さそうだった。
「オウルベアゾンビ、という訳か……だが敵に不足は無い。叩き斬ってやるぜ!」
「一体は私が押さえます。その間にアルベルトさんとディレインさんでもう一体を仕留めて下さい」
戦術が決まったところで、ディレインが前衛ふたりの為に助力のエーテル発動態勢に入る。
直後、アルベルトとコルネリウスの体躯が淡い青光に覆われた。だが敵との距離はまだ少しばかり余裕があった。そこでディレインは続けて輝刃をふたりのそれぞれの得物に付与した。
これで後衛としての最初の仕事は、あらかた終えた。後は回復役としての役目を全うするだけだ。
やがて、ふたつの巨影が間合い内に踏み込んできた。
コルネリウスは右側のオウルベアゾンビに、そしてアルベルトとディレインは左側の個体へと走る。
このタイミングを測ったかの如き出現は明らかに、戦術的な意図を感じる。どこかに、吸血屍とオウルベアゾンビ共を放った何者かが影を潜め、こちらの戦いぶりを見物しているに違いない。
しかし今は兎も角も、出てきた敵を叩くだけだ。龍逓架の捜索は、その後で良い。
カナンフェ廃村内では、ハヤトが疾風の如き機動力を発揮して、あちこちに散っていた吸血屍を中央広場付近へと誘い出しつつある。
しかし、ただ誘い集めるだけではこちらが包囲される恐れがある。そこでロゼットが一部の吸血屍共にエーテルで造り出した光の刃を叩きつけ、強引に軌道修正をかけた。
「それにしても、廃村内は吸血屍だけ? 誘導役が居ないのは、どうにも引っかかるな……
「或いは、この廃村はそこまで必死になって守る必要が無い、ということかも知れないわね」
小首を捻るロゼットに、アウレーリアは深く考え過ぎるなとかぶりを振った。
これまでに遭遇してきた敵には頭の切れる者が多かった所為か、少々疑心暗鬼になり過ぎている部分があるのかも知れない。
まずは兎に角、目の前の敵を確実に葬ること。あれこれ考えるのは、全てが片付いた後でも十分だろう。
「大体、こんなもんか!」
ハヤトが中央広場に集め切った吸血屍の数を読み始めた。獰猛な牙や爪を軽やかに躱しながら、それでも正確に敵の数をカウントするのは流石というべきだろう。
「全部で15体だな! 一発で決められるか?」
「余裕ね」
答えながら、アウレーリアは攻撃魔法発動の態勢に入った。
ハヤトは既に吸血屍の群れの中から退避し、驚くべき速さで魔法攻撃の範囲から逃れている。数体、吸血屍がアウレーリア目掛けて襲い掛かる構えを見せたが、それよりも早くロゼットが光の刃を飛ばして、力ずくで押し戻していた。
直後、巨大な火球が吸血屍の群れの頭上に出現し、そして落ちた。
凄まじいまでの爆風と灼熱の炎が中央広場で踊り狂い、そこにある物を全て焼き尽くす勢いを見せた。
●激闘、対オウルベアゾンビ
カナンフェ廃村の中央広場付近で、大地を震わせる程の爆音が響き渡った。
アウレーリアの攻撃魔法が炸裂したのだと誰もが理解したが、あの一撃で吸血屍の群れがほぼ壊滅したのは、次なる魔法攻撃が発動しなかったことからも容易に想像出来た。
であれば、二体のオウルベアゾンビへの迎撃戦に仲間達が駆けつけてくるのは確実だろう。
それにしても、呆れる程のタフなアンデッド共だ。
コルネリウスは今回、攻撃よりも防御に重点を置いていた為、一対一では防戦一方に追い込まれるのは仕方が無かったし、何より彼女自身そうなるであろうことは予測していた。
しかしアルベルトとディレインのコンビは、目の前の個体が異常な程に耐久力に優れている事実を、半ば驚きを以て認識せざるを得なかった。
接敵直後、稲妻の如き鋭い一撃を叩き込み、更には丸太をも叩き割る程の勢いで次々と刃を打ち込んでゆくものの、オウルベアゾンビはまるで斃れる気配を見せない。
いや、アルベルトの斬撃自体は確実に敵の耐久力を削り落としているのだが、未だ決定打に及んでいないというのが正確なところだろう。
その間、ディレインはアルベルトの為に治癒術を仕掛け、そして時折衝撃刃を飛ばして援護は加えているものの、長期戦になる可能性が脳裏をちらつき始めていた。
クライスとフェアロスが戦線に加われば一気呵成に斃し切ることも出来たかも知れないが、ロゼットが敢えてこのふたりに戦力温存を呼び掛けたのは、他にも敵が潜んでいる可能性を危惧したからだ。
勿論、杞憂に終わる可能性も十分にあったが、もしもロゼットの読みが当たっていれば、最後の局面で大事な戦力を投入出来なくなる。であれば、オウルベアゾンビ程度は自分達だけで対処すべきであろう。
「中々手強いな! だが俺達もそう簡単に斃されはしないぜ!」
何度目かになるアルベルトの鋭い斬撃がオウルベアゾンビを押し返した。
と、そこへカナンフェ廃村内からハヤトが飛び出してきた。それまでほとんど移動せず、その場にとどまって攻防を繰り返していたアルベルトとは異なり、ハヤトは縦横無尽の機動力を発揮する。
アルベルトとの攻防に慣れてしまっていたオウルベアゾンビは、ハヤトの足の速さにはついていけない。ハヤトが二度三度と左右から一気に駆け抜けざまに刃を振るうと、下半身の分厚い肉が簡単に切り裂かれた。
「お、敵さんの足が止まった……こりゃ、おじさんも攻めに廻って大丈夫かな?」
「おぅよ、大歓迎だ!」
ハヤトの応えを受けて、ディレインも攻撃に転じた。
既にアルベルトの斬撃でそれなりに耐久力は削り落としていたが、ここでハヤトの手数とディレインの祭刀が加わることで、この個体を完全に仕留め切ることが出来るだろう。
一方、コルネリウスの側にはロゼットとアウレーリアが加勢に飛び込んできた。
まずはロゼットだ。愛用の祭棍にエーテルを注ぎ込み、圧倒的な破壊力を一点に凝縮してオウルベアゾンビの脇腹へと打ち込む。
必殺のアークインパルスは、相当に効いたらしい。オウルベアゾンビはぐらりと上体が揺れた。
「一体相手に使うのはどうかと思うけど、大きいのをお見舞いするから退がって頂戴!」
アウレーリアからの呼びかけを受けて、コルネリウスとロゼットは一気に後退した。オウルベアゾンビは目の前のコルネリウスに追いすがろうとするも、アウレーリアが仕掛けた稲妻の帯に足を取られ、その場に釘付けになってしまった。
「これで仕留め切れなかったら、後は頼むわよ」
そう前置きを入れてから、アウレーリアは二発目の巨大火球を発動し、オウルベアゾンビに叩きつけた。
爆風が荒れ狂い、極熱波が周辺一帯を駆け巡る。
全身を焼かれたオウルベアゾンビは、それでも辛うじて立ち続けていた。が、既に動きが極端に鈍っている。斃すなら今だ。
「とどめよ、コルネリウス!」
「これで斃せない様でしたら、戦士やめます」
ロゼットとコルネリウスは左右から挟み込む形で迫り、それぞれの得物を振るった。
更にアウレーリアは光弾を雨の如く降らせ、遂にオウルベアゾンビの一体がその場に倒れ伏し、そして二度と動かなくなった。
そしてアルベルト、ディレイン、ハヤトの三人で対処に廻っていた側の個体も、やがて動かなくなった。
強敵二体を完全に斃し切ったと判断したところで、ディレインがやれやれとその場に座り込む。
「こいつぁ、くたびれたね……早く気楽に寝てられる様になって欲しいよ」
ここのところ睡眠時間が少々足りないとぼやくディレインだったが、
「まだ調査が終わってねぇだろう」
と、ハヤトが笑ってディレインの肩をバシバシと叩いた。
●龍逓架はここには無く
その後、カナンフェ廃村内での捜索が再開された。
が、結局龍逓架は発見されなかった。
「すぐ近くに接続ポイントになり得る場所があるというのに、それでも見つからないということは……」
眉間に皺を寄せながら、コルネリウスはフェアロスに振り向いた。
フェアロスは、はったりの公算が高い、と頷き返す。
「でもあの挟撃は、偶然に遭遇したという配置じゃなかったわね」
ロゼットが東にそびえる岩山に視線を流したが、こうなると敵の意図がますます分からない。
しかしアウレーリアは、異なる観測を示した。
「多分、様子見で測られたのかしら? 同盟を引っ掻き回す為だけの話だったとすれば、つまらない話ね」
だがその読みは、当たらずとも遠からずであろう。事実、エスト・ポーラは龍逓架捜索には全く関心を示していない。それが何よりの証拠だともいえる。
「他にも龍逓架を捜索して廻っている別動隊が居る。それらからの報告次第にもなるが、矢張りメドゥは同盟内には龍逓架を持ち込んではいなかっただろうな」
クライスは結論はまだ早いがとひと言断りを入れつつも、その様に半ば結論に近しい考えを示した。
今回の騒ぎは、或いはメドゥの指先が今後の布石として打っただけなのかも知れない。
であれば、この先更に面倒な事態が起こり得る。
それがいつになるのか――は、流石に誰にも分からなかった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2023年05月14日 01時19分00秒 公開
相談掲示板
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 俺は、オウルベアゾンビに向かうぜ!
ヒーラーのロゼットよ。よろしくね。 敵の襲撃が発生するタイミングにもよるけれど、 廃村の探索を始めて、吸血屍の襲撃を受けた時点で、 いったんクライスさんや調査隊の面々と合流して集結、 体制を整えた後でオウルベアの対応に人を分ける感じかな。 クライスさんやフェアロスさんは温存かしら。 PL視点では敵の総数は分かっているけど、 PC視線ではここに敵ボスが居ても不思議じゃないし。 私は、どちら相手でも良いけれどオウルベアにウォーリアや シーフをあてるなら、吸血屍の相手に前衛をしましょうか。 ディレインの希望も聞いた上で改めて。
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! 今回は調査メインってことでシーフは俺だけみてぇだからな、宗波は持ってくつもりだぜ。 オウルベアも厄介そーだが、強力なウォーリア二人がいるしな、先に吸血屍を引き付けといてアウレーリア達に魔法で一網打尽にして貰ってからそっちを片付けてからオウルベアへの増援に向かうことにすっかな。
ウォーリアのコルネリウスです、よろしくお願いします。 ハヤトさんの宗波、頼りにさせて頂きますね。 敵の襲撃はこちらが調査に集中している頃にくるのかなと思っていましたが、ハッキリと読めないですね。 吸血屍に目を向けさせてからオウルベアが時間差で来ると思うので、敵を察知したら合流し体制を整えて戦闘に入る流れで良いと思います。 調査隊の方々には戦闘中は吸血屍のサポートに回って頂くのが良いでしょうかね。 個人行動としては、私はアルベルトさんとは別のオウルベアに回ろうかと思います。
ヒーラーのディレイン・オールドケイジ、よろしく。 おじさんも、調査隊の面々は対吸血屍に含めていいと思う。 クライスさん達は面々への指示出しするのかねえ。 前衛はるにはロゼッタちゃんのほうが適任ぽいので、そっちはおまかせして、 おしさんはウォーリアふたりの補助にまわるとするかな。 吸血屍が片付いて他のみんなも対アウルベアに加わったなら全体の補助に切り替えるつもり。
キャスター、アウレーリアです。宜しく。 吸血屍が出現したら、下がりながら一か所にまとめて焼いてしまいたいところですが。 村の外からオウルベアがやってくるので、背中の警戒も必要なのですよね。 戦力的には吸血屍対応に二人もいれば十分だと思いますので、周辺索敵と対処はお願いします。 ウォーリアの方には、掃討完了までオウルベアに食い破られないよう抑えていただければと。 調査隊の面々は吸血屍でも良いですが、村の外に気を配ってもらっても良いかも知れません。 索敵なら目は多い方が良いでしょうし、囮に意識が向き過ぎては思うつぼですので。。 個人ではいつも通り、澱嵐で足止めしての範囲攻撃。 そちらが片付いたらオウルベア対応に回ります。
綺麗に分かれたかな。 PL視点だけど、アンデッドだけで裏もなさそうだから 戦闘に勝つこをメインに、シンプルに考えれば良いかな。 ・吸血屍側(掃討後、オウルベア戦に加勢含む) ロゼット ハヤト アウレーリア ・オウルベア側(時間経過で吸血屍側が加勢に) アルベルト コルネリウス ディレイン