澱喰らう岩漿は燃えゆ
一乃口
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シナリオID:2879
オープニング
それはよくある日常の、冒険譚の一幕である。
「よし、初の依頼だ気合入れていこうぜ!」
フィルエス大森林から南西にある集落からの依頼だった、駆け出しの冒険者3名は『作物を荒らす小型の魔獣を討伐して欲しい』と掲示された案件を引き受ける。
戦士と盗賊、術士と言う攻撃に自身を持つ3人は意気揚々と出立する。
作物を荒らす犬魔獣を追い立てるうちに、その群れがシグモル火山から降りて来た事を突き止め。
3人は山を登った。
すばしっこい魔獣を追っている内に山の深くへと進んだ。
「よし、これで片付いたか?」
「大した事なかったわね、それにしても――」
戦士の男と術士の少女の決定打が決まる。追い込み役として駆け回ったお目付け役は疲れたとぼやく。
さぁ、これで仕事はお終いだ。
林から始めた追い込みは、気付けば岩肌立ち並ぶ渓谷へと至っていた。
「それにしても、やけに暑いわね――」
帰ろうとした時に、その岩漿は満たされぬ腹を、渇きを、飢えを。
満たすモノを求めて這い出でる。
それは運悪く、崖の上――冒険者達の真上に存在した。
崖の上から滴る赤熱の流体――岩漿が、踏み出した術士の爪先を焼いた。
「きゃぁぁ!?」
焼ける、神経を焼く熱が喰らうように靴を焼き溶かす。
異変に気付いた2人が振り向き――頭上の崖からまるで太陽が溶け落ちたかのような光景に――眼が焼けるような炎熱を視る。
「この! バケモンが放しやがれ!」
その岩漿は術士を飲んだ、伸ばした手は救いを求めるように伸びる。
戦士の男は術士の名前を叫びながら、その剣を手に取って立ち向かい大剣を振り下ろした。
流動体の身体、術士を避けて振り下ろした切っ先は思った以上に容易くバケモノの身体を両断する。
「あっつ!?」
切った箇所から返り血のように跳ねた岩漿が戦士の身体に付着し、思わず後ずさった時に気付いた。
「剣が、抜けない――!?」
切っ先が、岩漿を纏って沈む。
「助……け」
「今助ける!!」
「まて! 迂闊に触――」
術士の声に、戦士は咄嗟に手を取ろうと伸ばし、盗賊は1人警戒を呼び掛けようとした。
グォォォォッ――!
岩漿が咆える――いや、喉は無い。口のように見える窪みからドロリとした岩漿がゴボッと跳ねた。
「う、うわぁ!?」
吹き出す岩漿が、戦士の身体に更に跳び身体に纏わり付く。
「なんだよこいつは!」
盗賊が2人の救出の為に駆け出した時、岩漿はその身体の一部を――腕を矢のように撃ち放った。
●
「……以上が、僕が見たすべてです」
沈痛な面持ちの盗賊が、冒険者ギルドへ報告を終える。
チームは彼を残して全滅した。
その時に起こった仔細を聴取し、敵の対策や能力を聞き取る仕事のなんと胃が痛むことか。
「わかりました……情報を持ち帰ってくださり、ありがとうございます」
魔獣の討伐、その依頼は成功で幕を閉じた。
だがその最中で遭遇した新たな敵生体の目撃情報、その有り様からクリーパーと見て掛かるべきだろう。
「至急、討伐の為に冒険者を募ります……貴方は、しっかり傷を癒してください」
「……はい、そう……します、必ずアイツを討伐してください」
盗賊の男は、右腕を失ったが生還した。
残された左手で悔しさのまま拳を握っていた、血が滲んで――床に滴る。
その背中を、眉間の皺を深く刻みながらアルタラは見送った。
その拳は静かに握り締められ――古傷の疼きを覚える。
(いえ、今は速い対処を――)
静かに首を振った、今は立ち止まって居る時間では無い。
可能な限り、早く討伐を成すべく依頼は掲示される。
解説
マスターより
リプレイ
辺鄙な場所だ、準備を終えた冒険者達がその紅く燃える岩漿の姿を捕捉すると状況は開始する。
如何に授恵者と言えども、満水の水袋を持ち僻地へ移動するのは相応の時間を課す。
既に幾つかの骸は岩漿に飲まれた後だ。
冒険者達からは遠く、響く唸りと共に灼熱が散る。
風に乗った肉の灼ける匂いに、リディリディ・トゥラ・イェレミースは少しだけ良い匂いがしたと思った。
「見付けました!」
ルアンナ・ミュラーが声を上げる。それぞれに外套や自身に持ち込んだ水を掛ける。
それが終われば、各々の間合いに応じた移動が始まる。
「身体が流体なら岩陰にも潜みやすいわ。気をつけて」
ロゼットは敵が潜伏する可能性を加味して、皆に注意を促して相手を見る。その周囲に身を隠すような岩は見えない拓けた荒野が空輝い瞳に映る。
所々灼け爛れ、窪んだ荒地。身を隠す岩場との距離は在る。
アルタラに後方支援を頼むと、動き出す前衛のサポートへ向かう。
「あれが敵か」
燃える岩漿をセリオス・オーガストの銀雪の瞳が捉える、射程内へと移動を終えれば、構えた竜骨の短弓を絞り一矢が放たれる。
矢に宿る蝕澱が、岩漿を貫いた。
短期決戦。
その撃破方針の為に、持ち味の機動性を見せるララベル・サン・ディーベルと、とばり纏う疾駆するミゼリア・L・ステュクス。
「これでも……喰らってろ!」
アーテミシアが駆ける最中、落ちていた骸を拾い上げると岩漿へ投げ付けた。
ドプリと、鈍い音を立てると骸は紅溶に沈む。揺らぐ姿はソレを飲み込む事に終始した。
「貴方はここで倒します」
グレイブ・ヤードは癒しの澱を纏いながら口にする。
岩漿に向け苦言を言う。落ちていた骸を外部へと片付ける事を考えていたが、状況的にそれを先にすることは難しいだろう。
岩漿に投げ込まれた――それが最後だ。
その次に掛けるつもりのモノは不運にも失念したようだ。
グォォ。
雄叫びのような音と共に岩漿が周囲に散り。その喉元を貫くようにセリオスの矢が刺さる。
「さぁ行け、もう一人の僕!!」
その間に距離を詰めたララベルの竜牙の細剣がその身体を三度切り裂く。
跳ねた流体はララベルの身に降り掛かって行く。
その身体に、水に濡れた外套にも流体は食い付いて行く。
入れ替わるようにミゼリア、アーテミシアが肉薄する。
「おらぁ!」
竜骨の戦槌の重い一撃が岩漿の頭部を叩き潰し、流体が跳ね飛ぶ。
「……」
静紅色瞳に静かな闘志を宿すミゼリアが岩漿の眼前に立つ。手にした漆黒の処刑剣を振るった一剣がその流体を薙ぐ。
その身に付着した熱に、ミゼリアは顔色一つ変えずに佇んだ。
後方から射程圏内に辿り着いた術士が2人。
「いきますねっ!」
ルアンナが竜石の杖を構え、氷の矢を岩漿に向けて放つ。
その一撃を受けて揺らぐ全形。
(油断できない相手ですね)
敵が『ひとの型』を保っている間に、リディリディは閃爆を岩漿を撃ち込む。
空間に破裂する澱の閃光が流体の蠢きを止める。
「これは……」
アーテミシアの外套に食い付いた流体、その淵は黒く変色を始める。
「これがホントの焼け石に水ってか。まあ無いよりゃマシだろ」
外套に付着した流体を見て、アーテミシアは不敵に笑う――熱は確かにその肌をチリチリと焼け付かせて居た。
――ォォ。
先刻よりも小さい煮沸のような音が鳴り、流体が辺りに散る。
近距離のミゼリアとアーテミシアに付着する流体が増え、熱の影響は体力を損耗させる。
「――!」
そしてララベルに付着した流体の熱が分身にダメージを与えた事で、その像が澱に還る。
「なんの、まだまだだよっ!」
ララベルは再び分身を岩漿へ向けて放つ。
流れるような動きで双短剣は三度剣閃を描き、返り血の様に流体を浴びた。
リディリディの魔術の影響を受けた岩漿は、動きを見せない。
「畳み掛けるなら今か」
セリオスは弓を引き、強烈な一撃を動かぬ的となった岩漿へ叩き込んだ。
その全形が拉げるような一矢流体を貫く。
想定していた敵の攻撃は、今は無い。
後衛と敵の射線。その位置取りに気を留めながら、ロゼットも続くように魔矢を放つ。
確かにその一撃は流体を抉る、散る流体がミゼリアに付着してしまった。
(何か不気味ね)
その攻撃へ続くように、グレイブが手にした無銘祭祀刀に澱を纏い振り下ろす。
中心部を狙った一撃、重い流体は撥ねながら淀む。
本筋は『皆の盾』だが、動かぬ相手に手持無沙汰である必要もない――ミゼリアもまた処刑剣を振るう。
集中攻撃が続く。
グレイブとミゼリアが抉った場所を、ルアンナの氷の矢が本体に叩き付けられる。
その表面の一部が、黒く変色を始めた。
「……!」
本体を冷やすのは難しそうだと、考えて居たリディリディはその変色を見付けると再び澱の閃爆を叩き付ける。
「今度はここならどうだ!」
続いてアーテミシアの戦槌が岩漿の胸部を叩き、その流体が更に付着する。
「……っ!」
潰せた頭と違い、身体にメリ込んで止まった戦槌の手応えに。アーテミシアはどちらが有効打なのか判断し兼ねた。
ボトと、外套から流体が剥がれ落ちた。
そこで、アーテミシアは気付く。
「……冷えると取れる見たいだぜ」
ララベルはそのアーテミシアの外套で変色する流体を見て、水で濡らした外套の効果を確信した。
水の残量は充分にあった。
岩漿の動きは、リディリディの攻撃を受けその身体を淀ませている。
「閃爆が効いてます、私はこれで撃ち止めですが……」
「私が使えます!」
リディリディの宣言に、ルアンナが答えた。
相手の動きが鈍っている、その間に叩き切る。
後方に陣取るアルタラも、その動きを見守っていた。
サポートを軸に動くロゼットやミゼリアも、敵の動きが鈍った間は攻撃をし。
そして、アーテミシアが水袋を戦槌で叩き付け、岩漿の表皮は黒く変色し熱の勢いが陰る。
スタンは続いた。
閃爆を使い切ったルアンナは氷の矢を放つ、密集した場所では選択肢は限られた。
持ち込んだ水を用いた工夫で、岩漿の表面温度は下がり、じわじわと固形化して行った。
一定量を吹き散らしていた流体が、間近にいるミゼリアに届かなくなっていた。
●
冒険者達の攻撃はまだ続いていた。
「このっ」
ララベルの持つ短剣が岩漿に振るわれる、分身は使い切り今は本体による攻撃だ。
一閃が流体を抉り、残りの攻撃が黒化した表面に刃が止まってしまう。
「うわっ」
攻撃後の離脱を損ない、流体の付着をララベルは受ける。
「――!」
セリオスの放った矢が、ロゼットの魔矢が黒岩漿の皮膚に弾かれる。
「まさか、硬くなってる?」
熱で受けるダメージ量は減ったが、攻撃の手応えに不安を感じ始める。
敵の腕が不気味に蠢いた、リディリディは嫌な予感を覚える。
グンと振り上げられた腕が、その身に届く前にミゼリアの身体が岩漿を受け、焼けた匂いが辺りに散る。
「……ぅ」
射線をその身で塞いでいたミゼリアは、幾度かの攻撃を身を挺して遮っていた。
「しぶといですね」
グレイブが高めた澱みで黒岩漿を叩き付ける、これで打ち止めだ。
ミシ。
黒い表面に亀裂が入った。
「そこです!」
亀裂が入った個所に、ルアンナとリディリディの魔法が放たれ硬化した岩漿抉る。
アーテミシアは跳ねた流体を気にせず戦槌を叩き込み。
ダメージをモノともせず、ミゼリアも処刑剣を振るう。
そして、流体と黒化した黒岩漿の形状が、ぐちゃりと崩れ。
崩れて、黒岩漿の――その脚元にどぷりと沈んだ。
「……沈んだ?」
どうして。
リディリディは嫌な予感がした。
それは岩漿に対して、警戒心と共に戦術や状況を考察を経験が助けたからだろう。
「――!」
生来の性格も相まるが、気付いた時には『漿界』は冒険者達を襲う。
「!?」
その異常な音が広がって行くのをアーテミシアの耳は聞き取る、それまで敵の蠢く流体の音と混じっていた音だ。
蠢く流体の、音だと思って居た。
足元を、地中を喰い続けていた岩漿の身体は冒険者達の居る正面に広がり続け、足元から吹き出して来る。
尋常では無い熱量と共に。
吹き上がる熱はそのまま腕の形を取ると伸びてくる、その数は10を超えた。
「うわっ!?」
ララベルは吹き出す無数の流体をその身に幾つか受けるが、足場の残った場所まで跳躍で腕から逃れる。
振り向けば、グレイブとアーテミシア、ミゼリアはその流体の中に半身を――腕に掴まれ沈めていた。
「くそっ!」
セリオスはその状況を前に、この距離からでは攻撃に徹する他は無いと判断し、突出する岩漿の一部を矢で弾く。
「今助けに!」
踏み込もうとしたロゼットの眼に、吹き出してきた流体が飛ぶのが見えた。
「熱っ」
ボチャリとルアンナに付着したソレを見て。
「……くっ」
ロゼットは岩漿の接近の可能性を考慮し、ルアンナに付着した漿喰の除去を行った。
その瞳には焦りの色が見える。
岩漿の中に巻き込まれた3人の姿が、その眼には映っている。
「ぐぁっ」
その身を焼く灼熱と癒しの中でグレイブは熱に噎せる。
焼く痛みを伴おうともそれを無視して思考する、脚を取る岩漿に移動の阻害を感じた。
脚が動けぬ今、盾を喰われる可能性を除去すべく、グレイブは盾を影響の圏外へと投げた。
「……ありがとうございます」
付着した漿喰をロゼットに除去して貰ったルアンナは、その礼を言うと状況を見て次の手を迷う。
「!」
ミゼリアはグレイブやアーテミシアを救うべく、身体を動かそうとしていた。
進まぬ足を、影を纏って強引に進める。まだ、その手が届かないと判断すれば足元の岩漿へ処刑剣を叩き付け。
「……へん……」
手応えもだが、体力の許容量と熱に対する感覚。ダメージ量がミゼリアの思考を沈める。
「……う」
熱に、一度意識を溶かされたミゼリアは、再びその熱に焼かれる。
「この、髪が焦げるだろうが、クソが!」
こうなる前に鎧に施した澱を纏うアーテミシア。増加した生命、余裕がある内に足元の岩漿へ攻撃を叩き込む。
爆ぜた流体が、更にその髪を濡らしアーテミシアは舌打ちする。
熱い、熱気が迫って来る。
(これは、どうしたら……)
マズイ状況だと、リディリディは考察する。
攻撃をするべきか、仲間を救出するべきか――その間に岩漿の腕が伸び、ルアンナへ向かう。
「……!」
ミゼリアはその岩漿の動きに、身体を差し込み護るべく身体を動かそうとするが、それは叶わず。
仲間へと向かう驚異に対して、その瞳で見送るしかなかった。
「きゃぁっ」
熱の塊がルアンナの張った輝く澱の幕壁とぶつかり、溶熱を撒いて散る。
「不味いですね」
後列にまで及ぶ熱量。削られる体力を軽減すべく、アルタラがルアンナとリディリディへ癒しの術を掛けていく。
攻撃が散発的なのは、岩漿が攻撃よりも『捕まえた授恵者』に集中しているからだとリディリディは考察を得るが、解決策には結び付かなかった。
状況を打開すべく、冒険者達は攻撃を続ける。
その攻撃も――もう何度目になるか。
「まだ倒れないのか」
セリオスが放つ鋭い矢が、生え伸びる腕を射抜く。
その腕が、ダメージを受けて引っ込んだ時、リディリディは見付けて、見抜いた。
広がっているように見える岩漿は、その伸びた元へと少しずつ、緩やかに流れ込んでいる。
まるで捉えた獲物を引きずり込む、蟻地獄のような流れ方だった。
「もしかしたら――!」
魔矢をその中心へ向けて放った。
その魔矢は深く沈むと同時に、周囲に複数伸びた腕の本数が減った。
「皆さん、あの場所に攻撃を――!」
「あそこですね!」
リディリディの声に、行動を決めたルアンナが先刻のお返しと言わんばかりの魔弾を、リディリディの示した地点を抉る。
この判断は窮地を切り拓く、可能性となるか。
攻撃を続ける事で、少しずつだが岩漿の勢いは衰えを見せる。
ララベルが空中を蹴ってその地点を剣先で抉った。
「喰らえ、旋風三連突き!! あっつ! あっつぅ!?」
飛び付着する熱が先ほどの比にならぬ熱量を以って食い付いて来る。
岩漿は中心部から下に前進していた為、ララベルの移動範囲には片足がギリギリ無事な足場を踏む事ができた。
「あそこだな」
セリオスは正確無比な鋭射でその場所を叩いた、離れていても届く熱量が、その頬から汗を落とした。
「ぐっ」
「いま癒しますっ!」
熱に悶えるララベル、攻撃後の移動がロゼットの近くだったのが幸いし、ロゼットが熱傷を癒す。
熱量が尋常では無い。距離のあるロゼットですらそう思うのだ視線の先には渦中に3人に向いた。
アーテミシアは残った水を自身に掛け、そしてミゼリアに掛けた。
防御手段と、回復手段があるアーテミシアでもキツい熱量だ、ミゼリアの状態は良くは無いだろう。
「おい、まだ寝るなよ? 行くぜ!」
「……はい」
水が蒸発する。
熱に蝕まれながらも、アーテミシアは熱に負けぬドワーフの意地を戦槌に乗せて振り下ろす。
ミゼリアは静かに処刑剣を大きく振り上げ、地を喰らう岩漿の腕を抉った。
纏わりついて居た岩漿の腕は、ダメージを相応に与えれば外れる。
「ぐっ」
グレイブの熱にやられるダメージが、回復量を越えつつある。
「この腕に攻撃を!」
グレイブの要請に。
「了解です!」
ルアンナとリディリディが応じ、魔弾と魔矢がそれぞれ叩き込まれる――グレイブは自身を掴んでいた腕から脱する事に成功した。
「最悪の場合、でしたが――」
今が最悪で無ければ、何時なのか――グレイブが澱を収束させ、源霊収束を岩漿の中心へ向かって放つ。
「食事にしてもマナーが悪すぎなんですよ、貴方は!」
無数の祈りのような言葉が刻まれた無銘祭祀刀は、爆発的な力で地を抉った。
バキ。
バキバキと地が音を上げて亀裂を生じさせる。
それと同時に、3人に纏わり付いていた岩漿は意識を失ったようにその身から離れて行く。
ずずずと一点に収束し流れ込むように。
「――やったのか?」
セリオスが、引いて行く熱量を感じて口にした。
●
「……なんにせよ、皆様が無事でなによりです」
熱でのダメージが深かったが、治癒の術を残していた一行の中から大事に至る者は出なかった。
皆の眼には、熱で溶けて抉れた地面が映っている。
岩漿が残した溶け爛れた地面だけが残っていた。
その中心には、一瞬小さな穴が残されていた。
逃げられたのか、それともその存在は消滅したのか。
深く深く小さな穴は、今は爛れた地面が冷えて割れた際の軋轢で潰れた後だった。
「……何も遺ってないわね」
もし遺品が残って居ればと、跡地を見たロゼットは寂しく口にする。
「ふたりの魂が迷わずマトリクス界へと至りますように……」
祈りは、果てし無く続く蒼天に静かに捧げられる。
マスターコメント
ショートシナリオR非常に難しい 報酬:多い8 / 4〜8人
2023年04月21日 10時01分12秒 公開
参加者
ルアンナ・ミュラー
アーテミシア
- イェレミース トゥラ リディリディ
グレイブ・ヤード
セリオス・オーガスト
ララベル・サン・ディーベル
ロゼット
ミゼリア・L・ステュクス
相談掲示板
少しばかり持久戦になるかと思い ヒーラー、グレイブ・ヤードです お手伝いまでに
数は揃ったか。ウォリアーのアーテミシアだ のんびりやってたらいつまで経っても終わりそうにねえなあ。 防御より火力集中させねえと駄目か
No.3
キャスターのリディリディです。 よろしくお願いします・・・。 今回は単純な、とは言えそうにないですが戦闘の依頼ですね。 岩漿のクリーパーということですが、1~13ヘクスという射程が長いのは厄介ですね。 漿界による漿喰の吹き出し範囲が3ヘクスとはいえ、漿這がある限りどこからでも攻撃を仕掛けてきそうですし・・・。 アーテミシアさんの仰る通り、長期戦は避けたいところです。
ヒーラーのロゼットよ。火山帯からの依頼と聞いて。 時間の経過と共に、私たちからエーテルを吸収して、 射程と熱量(攻撃力?)を増やしていくクリーパーね。 水や氷によって、マグマを冷やせればエーテルの吸収量を 抑えられるのかしら…魔法とか、それこそ普通の水でも。 >漿喰 >サブかメインアクションを消費する事で1つ除去可能 これ、他人に付着した漿喰も除去できるのかしら。 付着物を取るのだから、同じ位置に居れば出来そうよね? クリーパーの強化と漿這を抑えるために、アリかな。
キャスターのルアンナです、よろしくお願いします! 近接攻撃がメインの方にとっては漿界で撒かれる溶岩はとても厄介ですよね。せめて地面にあるのだけでも冷やして固めてしまえれば行動がしやすくなると思うので、氷魔法を用意していきます。
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む 毎回まき散らすようだからかなり近接には厄介な相手だな 冷やすのもありだが召喚オブジェクトで先にへクスを埋めてしまえば防げたりするのだろうかと とりあえず長期戦を避けたいのは同意だから俺は火力とスリップダメージを持っていくつもりだ
>水で冷やす 緊急対策としても準備はしていいかもしれません。 完全ではなくても冷やすことで軽減できるかもしれませんし あるいはもっとシンプルに、「外套を濡らしておく」ことで少しばかり耐える時間を増やせるかもしれません 風を起こせれば熱気を他に逃がしたり、急冷させやすくなりますでしょうか? >フルアタック短期決戦仕様 それもいいかもしれませんね。 損傷覚悟で突っ込むつもりがあるのであれば、リジェネレーション他の準備をしましょう。
>召喚オブジェクトで防ぐ 個人的には、難しそうに思うわ。 説明を見る限り、召喚ではなく返り血のようなものだし。 それに敵も移動するから、1カ所のために単発の召喚で スキル枠を埋める方が、もったいないかなと。 >行動 私はヒーラーとしての回復行動の他に、皆に付着した漿喰を 除去してまわろうと思うわ。攻撃力のある人の番を、漿喰の 除去で消費するのは、ずるずると長期戦になってしまうし。 ヒーラーは2名の他に、後方にNPC枠のアルタラさんが付くから 数はあるし、攻撃に集中して短期撃破を目指す方針で良いと思う。 グレイブの外套を濡らす案は試させてもらうわね。
とりあえずオレもヒール持つから回復は後回しでもいいぞ。 破鎧砕くらいは持っておいた方がいいか… 冷やすにしてもアイテムで使えそうなのは水袋くらいか
>冷やせる? 確実性が高いのは水袋による準備、次点で汎用スキルのピュアウォーター(合計10L)や、生活魔法の水(数百CC)、かな? あとまぁ、緊急避難的に使える可能性があるのは「犬魔獣の骸」ですかね? 血液自体はなくても一回防ぐ程度の役には立つかもしれません。 >行動について あちらの行動パターンを考えるとロングアクションは悪手ですかね? とっとと取り付いて総攻撃のほうがよさそうですか
中々顔を出せなくてごめんね。 僕はシーフのララベル・サン・ディーベル、みんなよろしくね。 総攻撃の短期決戦狙い了解だよ、全力で攻撃に行ってみるね……僕、手数で勝負だから、漿喰が3つづつ付きそうなのが心配だけど、外套濡らしておくのや、水袋の対処試させて貰うね。