【聖祭】肉肉肉ついでにお手伝い
岩岡志摩
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シナリオID:2706
オープニング
●聖霊節
聖霊節の由来は、ハーフリングの英雄、『ジド・ルウ』が、その身をエーテルと成して世界に穿たれた大穴を塞いだことによる。
その挺身は、微々たる効果しかもたらさなかったが、ジド・ルウに小さな神々が続いたことが、マテリアル界への大型クリーパーの侵入を激減させ、今日の平和の礎となった。
ジド・ルウの英雄的行為を称え、名を失った神々に祈りを捧げることから始まった聖霊節は、様々な土地の風習や営為と重なった結果、亡き祖先や、近しい人々への思いを捧げるようになった。
収穫祭を終え、冬に閉ざされた時節に祝い事がある、というのもヒトの営為としてちょうど良かったのだろう。
特別信仰心の無いものであっても、神殿や家庭でモミの木や柊を飾り立てて祈りを捧げたり、街をあげて催しを行ったり、厳しい冬の中でもとっておきのごちそうを食すこの時期は、収穫祭に続く特別な時期となる。
●食事会再び
今回話の舞台となるとは、とある山あいに存在する農村だ。
この村は秋に行われる収穫祭の時期、ある程度の収穫を確保するために、冒険者ギルド支部へエーテル浄化者や冒険者の派遣を要請したことがある。
その際はターミル族出身の少年ディノが、エーテル浄化者として冒険者達と共に村を訪れていた。
もともとターミル族はリザードマンの中でも特に農耕を重視し、浮遊農場の制作や普及に加え、ディズル湿地帯での兵站を担う重要な立ち位置にいる。
おそらくそういった要素がディノにも良い影響を与え、エーテル浄化者となる道がひらけたのかもしれない。
さらに収穫祭での冒険者達は豊穣の雫と呼ばれるものを使い、村の収穫量を増やすことに貢献していた。
その後開催された食事会においても、冒険者達の中から村人たちに料理を教える者も現れ、この村では料理の幅が広くなった。
こうした経緯もあって、この村で冒険者達は尊敬と感謝の対象となっており、村人達は今回の聖霊節に合わせて冒険者ギルド支部へ依頼を出してきた。
名目としては、収穫と料理のお礼として食事会を開くので、都合のつく冒険者達は参加してほしいというものだ。
応対した冒険者ギルド職員アルヒ・ラスカスは村からの依頼を受け、冒険者達への斡旋を始める。
そして依頼に応じた冒険者達がその村を訪れた時、不測の事態が発生する。
まず山で飢えていた獣達が、村で収穫した農作物に誘われたのか、村へ襲撃をかけてきた。
その獣達は野牛や猪が主で、ニワトリめいた二足歩行の鳥や、角が兜のように頭を包んでいる牛も加わっていたが、いずれも大きさが普通ではなかったので魔獣の類だろう。
村にとって幸運だったのは、依頼に応じた皆様が既に村に到着していたことだ。
依頼を斡旋したアルヒや、先の収穫祭でエーテル浄化者として収穫を手伝ったディノもその場に居合わせていたため、冒険者全員で獣達を倒しにかかる。
その結果、獣達は冒険者達によって村に入る手前で全て討ち取られた。
それまで頑丈な建物に避難していた村の住民達は、村を守ってくれた冒険者達に盛大な感謝を示し、村に来ていたギルド職員であるアルヒにある頼み事を持ち掛ける。
「村を救ってくれたことへ報酬を支払うのは当然です。ただ今回皆様が倒してくださった獣達は20頭あり、とれる肉の量も多いでしょう。倒したものを食さぬのは……」
アルヒは依頼人である村の要望を理解する。
「倒した獣達はこちらで食べて良いから、獣達から村を守った報酬を安くしてくれということですか」
「いえいえ。追加報酬を肉に変えていただければと」
依頼人とアルヒは同じような笑みをかわし、報酬について交渉を進めた結果、合意に至る。
「村を守ってくれてありがとう。条件付きだが報酬の増額と好きなだけ肉を持ち帰ることで話はついた」
アルヒは皆様冒険者に向け、報酬が増額されたことと条件について説明していく。
今回村を襲った獣達の肉も食事会で使う予定だが、量が多いので解体するのに時間がかかる。
そのため、村としては皆様には解体の手伝いをしてほしい。
作業に必要な道具や作業着はすべて村で用意する、とのこと。
解体した獣達の中で気になる素材があれば、持ち帰ってくれても構わない。
解体作業が苦手という冒険者には、食事会に出す料理の手伝いをお願いしたい。
もちろん皆様が知る料理を村人に教えるというのもアリだ。
解体や料理が苦手という冒険者には、解体や料理をする過程で出た生ごみを埋める作業を手伝ってほしい。
今の時期に村の外へ生ごみを放置すると、新たな獣が寄ってくる危険が高くなるので、埋める作業は必要になる。
いずれの作業でも、手伝ってくれた人には作業での汚れを落とすための風呂と、報酬の増額が用意される。
そこまで説明したところで、アルヒは食事会について触れる。
「食事会ではみんなで飲み食いして楽しく過ごしてくれればいい」
飲み物は主にリンゴやブドウと言った果実を絞ったジュースが主に提供されるが、希望すればワインや少量ながら蒸留酒も飲むことが出来る。
「村で用意される食事は今回も持ち帰ることもできるから、無理にその場で全て平らげる必要はないぞ」
持ち帰るために必要な容器の類は村で用意してくれる。
ただしあまり日持ちしない料理ばかりなので、早めに完食することをお勧めすると、アルヒは皆様に伝える。
今回の依頼で冒険者達に期待されている役割は、以下の2つ。
1つ目は、食事会に使う肉を用意するため、獣を解体すること。あるいは料理の手伝いや生じたごみを処理すること。
2つ目は、その後の食事会で、出される料理を可能な限り平らげること。
これが今回皆様にお願いしたい内容となる。
なおディノは獣達の解体作業を手伝った後、村にある畑に来年の豊穣を願う祈りを捧げるなど、できることをするつもりだ。
「どうかよろしく頼む」
「よろしくお願いします」
そう言ってアルヒとディノは、皆様へと頭を下げる。
思わぬ形で、今回皆様は報酬の増額と追加の食材や料理を手に入れる機会を得た。
既に村人たちは、今回の食事会に向け様々な準備を始めている。
なお前回の収穫祭と同様、皆様が同伴したペットに対しても、食事会では皆様へ提供するものとは別に、ペット用の食事も用意してくれるとのことだ。
皆様は、どう動きますか?
●選択肢
食事会に至るまでの間、以下にある選択肢の中から村で行われる各作業のお手伝いをお願いいたします。
1:倒した獣(魔獣含む)の解体作業と肉を調理できる状態まで切り分けていく(その際に素材となるようなものがあれば、皆様の自由にしていい)。
2:食事会に向けた料理作りや会場の設営を手伝う。
3:解体作業や料理の過程で出た生ごみを、用意された穴まで運び埋めていく。
いずれの作業を行っても、その後食事会を楽しむことは共通となります。
聖霊節の由来は、ハーフリングの英雄、『ジド・ルウ』が、その身をエーテルと成して世界に穿たれた大穴を塞いだことによる。
その挺身は、微々たる効果しかもたらさなかったが、ジド・ルウに小さな神々が続いたことが、マテリアル界への大型クリーパーの侵入を激減させ、今日の平和の礎となった。
ジド・ルウの英雄的行為を称え、名を失った神々に祈りを捧げることから始まった聖霊節は、様々な土地の風習や営為と重なった結果、亡き祖先や、近しい人々への思いを捧げるようになった。
収穫祭を終え、冬に閉ざされた時節に祝い事がある、というのもヒトの営為としてちょうど良かったのだろう。
特別信仰心の無いものであっても、神殿や家庭でモミの木や柊を飾り立てて祈りを捧げたり、街をあげて催しを行ったり、厳しい冬の中でもとっておきのごちそうを食すこの時期は、収穫祭に続く特別な時期となる。
●食事会再び
今回話の舞台となるとは、とある山あいに存在する農村だ。
この村は秋に行われる収穫祭の時期、ある程度の収穫を確保するために、冒険者ギルド支部へエーテル浄化者や冒険者の派遣を要請したことがある。
その際はターミル族出身の少年ディノが、エーテル浄化者として冒険者達と共に村を訪れていた。
もともとターミル族はリザードマンの中でも特に農耕を重視し、浮遊農場の制作や普及に加え、ディズル湿地帯での兵站を担う重要な立ち位置にいる。
おそらくそういった要素がディノにも良い影響を与え、エーテル浄化者となる道がひらけたのかもしれない。
さらに収穫祭での冒険者達は豊穣の雫と呼ばれるものを使い、村の収穫量を増やすことに貢献していた。
その後開催された食事会においても、冒険者達の中から村人たちに料理を教える者も現れ、この村では料理の幅が広くなった。
こうした経緯もあって、この村で冒険者達は尊敬と感謝の対象となっており、村人達は今回の聖霊節に合わせて冒険者ギルド支部へ依頼を出してきた。
名目としては、収穫と料理のお礼として食事会を開くので、都合のつく冒険者達は参加してほしいというものだ。
応対した冒険者ギルド職員アルヒ・ラスカスは村からの依頼を受け、冒険者達への斡旋を始める。
そして依頼に応じた冒険者達がその村を訪れた時、不測の事態が発生する。
まず山で飢えていた獣達が、村で収穫した農作物に誘われたのか、村へ襲撃をかけてきた。
その獣達は野牛や猪が主で、ニワトリめいた二足歩行の鳥や、角が兜のように頭を包んでいる牛も加わっていたが、いずれも大きさが普通ではなかったので魔獣の類だろう。
村にとって幸運だったのは、依頼に応じた皆様が既に村に到着していたことだ。
依頼を斡旋したアルヒや、先の収穫祭でエーテル浄化者として収穫を手伝ったディノもその場に居合わせていたため、冒険者全員で獣達を倒しにかかる。
その結果、獣達は冒険者達によって村に入る手前で全て討ち取られた。
それまで頑丈な建物に避難していた村の住民達は、村を守ってくれた冒険者達に盛大な感謝を示し、村に来ていたギルド職員であるアルヒにある頼み事を持ち掛ける。
「村を救ってくれたことへ報酬を支払うのは当然です。ただ今回皆様が倒してくださった獣達は20頭あり、とれる肉の量も多いでしょう。倒したものを食さぬのは……」
アルヒは依頼人である村の要望を理解する。
「倒した獣達はこちらで食べて良いから、獣達から村を守った報酬を安くしてくれということですか」
「いえいえ。追加報酬を肉に変えていただければと」
依頼人とアルヒは同じような笑みをかわし、報酬について交渉を進めた結果、合意に至る。
「村を守ってくれてありがとう。条件付きだが報酬の増額と好きなだけ肉を持ち帰ることで話はついた」
アルヒは皆様冒険者に向け、報酬が増額されたことと条件について説明していく。
今回村を襲った獣達の肉も食事会で使う予定だが、量が多いので解体するのに時間がかかる。
そのため、村としては皆様には解体の手伝いをしてほしい。
作業に必要な道具や作業着はすべて村で用意する、とのこと。
解体した獣達の中で気になる素材があれば、持ち帰ってくれても構わない。
解体作業が苦手という冒険者には、食事会に出す料理の手伝いをお願いしたい。
もちろん皆様が知る料理を村人に教えるというのもアリだ。
解体や料理が苦手という冒険者には、解体や料理をする過程で出た生ごみを埋める作業を手伝ってほしい。
今の時期に村の外へ生ごみを放置すると、新たな獣が寄ってくる危険が高くなるので、埋める作業は必要になる。
いずれの作業でも、手伝ってくれた人には作業での汚れを落とすための風呂と、報酬の増額が用意される。
そこまで説明したところで、アルヒは食事会について触れる。
「食事会ではみんなで飲み食いして楽しく過ごしてくれればいい」
飲み物は主にリンゴやブドウと言った果実を絞ったジュースが主に提供されるが、希望すればワインや少量ながら蒸留酒も飲むことが出来る。
「村で用意される食事は今回も持ち帰ることもできるから、無理にその場で全て平らげる必要はないぞ」
持ち帰るために必要な容器の類は村で用意してくれる。
ただしあまり日持ちしない料理ばかりなので、早めに完食することをお勧めすると、アルヒは皆様に伝える。
今回の依頼で冒険者達に期待されている役割は、以下の2つ。
1つ目は、食事会に使う肉を用意するため、獣を解体すること。あるいは料理の手伝いや生じたごみを処理すること。
2つ目は、その後の食事会で、出される料理を可能な限り平らげること。
これが今回皆様にお願いしたい内容となる。
なおディノは獣達の解体作業を手伝った後、村にある畑に来年の豊穣を願う祈りを捧げるなど、できることをするつもりだ。
「どうかよろしく頼む」
「よろしくお願いします」
そう言ってアルヒとディノは、皆様へと頭を下げる。
思わぬ形で、今回皆様は報酬の増額と追加の食材や料理を手に入れる機会を得た。
既に村人たちは、今回の食事会に向け様々な準備を始めている。
なお前回の収穫祭と同様、皆様が同伴したペットに対しても、食事会では皆様へ提供するものとは別に、ペット用の食事も用意してくれるとのことだ。
皆様は、どう動きますか?
●選択肢
食事会に至るまでの間、以下にある選択肢の中から村で行われる各作業のお手伝いをお願いいたします。
1:倒した獣(魔獣含む)の解体作業と肉を調理できる状態まで切り分けていく(その際に素材となるようなものがあれば、皆様の自由にしていい)。
2:食事会に向けた料理作りや会場の設営を手伝う。
3:解体作業や料理の過程で出た生ごみを、用意された穴まで運び埋めていく。
いずれの作業を行っても、その後食事会を楽しむことは共通となります。
解説
●目標
村人達の作業を手伝い、食事会を楽しむ。
登場
ディノ
ディズル大湿原帯で暮らすリザードマン達の中でも、農耕が盛んなターミル族出身の授恵者で冒険者。
最近になってエーテル浄化者の素質があると見込まれ、現在は各地で活動している模様。
冒険者達には【蠱毒】事件以降、様々な形で助けられてきたことから、皆様冒険者を尊敬している。
皆様の指示に従う。汎用スキルはテレパス。
アルヒ・ラスカス
今回の増援。皆様の指示に従う。使用スキルはヒール、解呪。汎用スキルはテレパス。
村人達
今回の依頼主。以前の収穫祭で冒険者達の世話になり、今回はそのお礼を兼ねて食事会をする予定でいた。
無事解体作業が終われば、料理の幅が増える。
食材として牛肉、豚肉、鶏肉を取り揃えていたが、獣達の襲撃でさらに魔獣(二足歩行の鳥型魔獣や兜めいた角を持つ牛型魔獣)と獣達の肉も加わった。
料理は主に牛肉のワイン煮、豚肉の炭火焼き(特性のたれを絡めて焼いたもの)、鶏肉の串焼き(塩味を中心とした焼き鳥のような料理)に加え、冒険者達の教えを受けて完成させたシャルガネ料理の肉じゃが(豚肉と牛肉の両バージョン)、野菜と肉をバランスよく取れる炒めもの(豚肉メイン)やシチュー(鶏肉、牛肉メイン)が食べられる。
頼めば持ち帰り用の容器も提供してくれる。汎用スキル「マジカルポケット」を使うのも一つの手。
状況
とある山あいに存在する農村。
食事会を行うため冒険者達を招いたが、突如魔獣を含めた獣達の襲撃を受け、村に居合わせた冒険者達が獣達を全て倒し村を守った。
この結果、倒した獣や魔獣の肉も追加で手に入り、各作業で忙しくなった村は、追加報酬を払う形で作業の手伝いを皆様にお願いすることになった。
現地時刻は正午で快晴。気温はこの時期にしては暖かい。
一日の流れとしては、以下の通り。
1。まず村の各所で獣の解体作業。
2。回収できた肉を調理して食事会用の料理にする(ここまでの過程で出た生ごみを埋める)。
3。村の集会所で食事会。
肉料理だけでなく、頼めば野菜(ニンジン、ジャガイモが中心)料理も味わうことが出来る。
飲み物も果実水を中心として提供されるが、希望すればワインや少量ながら蒸留酒も味わうことが出来る。
皆様が希望すれば、ペット用の食事(草食動物には干し草や飼料、雑食の動物には動物用に調整した肉料理)も用意してくれる。
マスターより
収穫祭ではお世話になりました。
その時のお礼を兼ねた食事会ですが、思わぬ事態が発生したので報酬とやることが増えました。
選択肢の各手伝いですが、プレイングに「行う」と書けば実行されます。
料理は保存が効かないので皆様の手で食い尽くす(あるいは持ち帰る)ことができれば、村人達も喜びます。
ご不明な点がございましたら、出発36時間前まででしたらアルヒが答えられることは答えます。
以下は食事会会場となる集会所の簡易見取り図となります。皆様はどの位置からでもスタートできます。
↑北
ABCDEFGH
1口口口窓口口口口
2口卓 飲 卓卓窓
3窓 口
4口豚 豚 卓 扉
5口鶏 鶏 口
6口牛 牛 卓 口
7窓 扉
8口 新新 卓卓口
9口窓口口口口口口
口:建物の壁
豚:豚肉料理が置かれる場所。
鶏:鶏肉料理が出てくる場所。
牛:牛肉料理が置かれている場所。
新:冒険者達から教わった肉じゃがや炒め物、シチューが置かれた場所。
飲:飲み物が置かれている場所。酒と果実水、茶の類は揃えてある。
卓:皆様の席兼村人達との歓談場所。人数分のテーブルと椅子を用意してある。
リプレイ
●災い転じて
魔獣達の襲来という不測の事態が発生したものの、たまたま食事会名目で村に到着していた冒険者達によって村は守られ、食材となる肉を増やすことができた。
「本当にありがとうございます!」
村人達は村を守ってくれた冒険者達1人1人に盛大な感謝を示し、倒した魔獣の肉を有効活用するため、それぞれ作業を始める。
「大量の肉……いいじゃねぇか、居合わせて幸運だったぜ」
村を守り抜いたルイドは食材が増えたことを喜ぶ。
「少ないよりゃ多い方がいいよな、何事も」
そう言いながら、ルイドは倒した獣達を解体する作業に加わる。
「ま、とはいえ無駄にするのはよろしくねぇってのも分かるんで。とりあえず片っ端からやるか」
ルイドは村人達から作業着や道具一式を借りると、サバイバル知識スキルを活用して血抜きを始める。
「ひたすらに解体す。獣食さぬは失礼になるのだ」
ストレガ・L・リベルガストラも仕留めたイノシシを村人たちと一緒に吊り上げ、血抜きを行うと丹念に毛皮部分や中身を水で洗い流す。
既にストレガはアルヒ・ラスカスより借りた筆記用具と紙を使い、自身が倒した魔獣の姿を大まかに描写していた。
血抜きと洗浄を済ませたところで、ストレガは内臓部分を慎重に切り離し、肉の部位をさらに洗っていく。
「そちらの肉と内臓には熱湯をかけるのだ」
ストレガは解体した獣や部位に応じ、下処理の方法を変えるよう村人たちに指示を出す。
「こちらの肉は酒やタレに漬ける形で下処理を行うのだ。それ以外の肉は塩や香草漬けにして干しておくように」
肉についても、ストレガは早めに食べるものと、保存するものに応じて処理方法を調整している。
――持ち帰るにしても保存が効くようにするのが良いのだ。
ストレガは食事会が終わった後のことも考慮して、作業を進める。
「ストレガがいるから手は足りるかと思うんだが、できることがこれか後片付けくらいなんでな……っと」
そしてエル=バ=ノイアンも解体と調理の両面で、作業への支援を始める。
この頃にはルイドがサバイバル知識スキルに基づいた知識や技術も併用して獣を捌き、部位分けも進めるとともに、生ごみを可能な限り一か所へと集めていた。
集めた生ごみを村人達が運び出したところで、ノイアンも手伝いを申し出る。
「運搬の手伝いが必要なら引き受けるぞ」
ノイアンは持参した麻袋も駆使して生ごみとなった部位を集めると、マジカルポケットに収納して埋め立て場所まで運んでいく。
「皮と骨はトーテムを組んで干すのだ」
ストレガは残った部位についても、村人達に処理方法を指示していく。
一通り作業を進めたところで、ストレガはノイアンに頼みごとをする。
「今回調理は任せるのだ。私は血を落としてから参加するのだ」
「了解だ。ここから先はおれも調理に主軸を置こう」
ストレガからの要請を承諾したノイアンは、作業着や道具を村人達へ返却すると、調理場となった場所へ向かう。
その調理場では、既にヴィルヘルミナが肉の調理を進めていた。
予め作る予定だった料理に加え、今ヴィルヘルミナは固くて調理が難しい部位にも手を加え始めている。
「使いにくい部分は叩いてひき肉にして、香草などで臭み抜きを行ってください」
ヴィルヘルミナは今回得ることができた肉を可能な限り、料理へと可能すると決めていた。
自らも調理スキルを駆使して実践しながら、周囲の村人達にもそのやり方を教えていく。
「その後、細かくした野菜などと混ぜ合わせてこねて、固まりにしたものを焼きます」
粘りが出るまでよく混ぜ、叩きながら空気を抜き、ヴィルヘルミナは楕円形にまとめていく。
「調理では肉の臭みをとったり柔らかくしたりするのに薬草や香草各種を使うぞ」
ここでノイアンも作業に加わり、持参したハーブ塩を加えたものも作成していく。
「フライパンで焼くか、窯があれば容器に入れて焼くのも手ではありますが……」
「野菜も使えそうなら鉄串を使って串焼きにしよう。やはりバランスの良い食事は大事だからな……」
ヴィルヘルミナとノイアンは、互いに意見をかわしつつ、肉の焼き方や付け合わせる野菜を整えていく。
(……自分からそんな言葉が出てくるようになったとは驚きだが)
内心そう呟きつつも、ノイアンは料理を仕上げていく。
「誰かのために作るようになった……からかもしれないな」
ノイアンは自身の変化を肯定的にとらえていた。
「最初に蒸留酒で香りづけしながら焼くのも手ですね」
ひき肉を料理に仕上げる作業の中で、そのやり方を思いついたヴィルヘルミナは、村にある蒸留酒を一部分けてもらう。
「内臓はパテにするのも手ですが、香辛料はどの程度あるのか……」
ヴィルヘルミナは、内臓も料理にできないか思考を巡らせるとともに、村人たちに香辛料の在庫を聞いてみる。
「あまり捨てたくはないですね。使えるなら使ってしまいたい所ですが、内臓は臭み抜きが問題なので」
そう言いながらも、ヴィルヘルミナは村人達から集めた香辛料をもとに、パテを作っていく。
下処理を終えた内臓とひき肉状にした肉、そして切り刻んだ野菜や香辛料をよく混ぜると、ヴィルヘルミナは容器に詰め込み窯で熱を通していく。
ヴィルヘルミナはパテに火が通ったことを確認すると、全部を食事会に回さずに一部は一晩おいてから食べるよう村人達に助言する。
「出来立てでも美味しいですが、寝かせることで味が馴染み、さらに美味しくなります」
もちろんヴィルヘルミナも一部のパテを土産として持ち帰り、味を馴染ませるつもりでいた。
●いざ食事会
ヴィルヘルミナがまとめた生ごみを、ノイアンが麻袋に入れて運び出す。
この頃には解体作業に従事していたストレガやルイドも作業を終え、合流した。
「これも恵み。骨は煮込んで出汁にして良し。この脂はそのまま料理に使えるはずなのだ」
ストレガは解体現場で回収していた骨や脂を使い、別の料理を生み出そうとしていた。
「肉が増えた分野菜が大事なのでバランスをとってほしいのだ」
ストレガは自身が定めた命題と庖丁を駆使して、野菜や骨を使う料理も手掛けていた。
野菜炒めを作る傍ら、ストレガは根気強く灰汁抜きを続け、骨を出汁にしたシチューを完成させる。
「これで料理が全てそろいました」
ヴィルヘルミナも村人達と共に肉を焼き上げ、用意されたそれぞれのテーブルに並べていく。
やがて作業を終えた村人達やストレガ、ごみ処理に動いていたノイアンとルイドが戻ってきたところで、ヴィルヘルミナも席に着く。
そして誰からともなく、目の前に並べられた料理に手を伸ばし――。
村人達から、声が途絶えた。
思い思いの姿勢で、フォークを口にいれたまま、完全に静止している。
やや時間をおいて、村人達は笑顔を浮かべ、声が漏れていくと、村人達は冒険者たちに混じってフォークを動かし始め、やがて食事会場となった集会所は喧騒に包まれる。
「せっかくなんで一通り味わっておかねぇとな」
ルイドはまず飲み物が置かれたテーブルに向かう。
「酒は……ワインもらえるか?」
ルイドは複数あるワインをいくつか選び出すと、それぞれの料理があるテーブルを回り始める。
「飲み物に近いとこから豚、鶏、牛、新作と順次いくわ」
ルイドは豚肉料理から手を付け始めた。
豚肉料理は濃い味付けで、合わせて口にしたワインのやわらかくて丸みを帯びた味わいとよく合った。
色々とルイドが試した結果、脂身の少ない鶏肉料理にはなめらかな味わいのワインがよく合い、牛肉料理も渋みが効いたワインが一番相性がよいとわかる。
「比較的暖かいとはいえ、ワイン煮とかシチューとかは特に染み渡る気がするな」
――うん、やっぱどれもイケる。
一通り料理とワインの味を確かめたルイドは、ヴィルヘルミナやストレガ、そしてノイアンの作った料理も味わい始めた。
「残ったら、バックパックに入る分は持ち帰るとするか」
ルイドは持ち帰る料理に目星をつけ始めている頃、ノイアンは自分が作った料理と他の料理を食べ比べていた。
今ノイアンが食しているのは自身が作った豚肉の串焼きで、加えた香草で肉の臭みを消し、炭火のよる丁寧な焼き加減で豚肉の甘みが引き出され、ふりかけたハーブ塩が串焼き全体の味を整えている。
一通り味わったところで、ノイアンは村より借りた容器に様々な料理をまとめ始める。
「持ち帰るにしても、早めに食べる必要はあるな」
自分も含め、仲間たちの作った料理はあまり日持ちしないことを、ノイアンは知っている。
「友人たちの土産になればいいが」
ノイアンはかくほした料理をマジカルポケットに収納しながら、帰還した後についても思案を巡らせる。
ヴィルヘルミナは、自身が作ったひき肉料理の味を確かめていた。
肉本来の味も素晴らしいが、一緒に混ぜ合わせた野菜も焼かれたことで甘味が強くなり、肉汁を利用したソースと相まって、噛むごとに奥深い味わいがヴィルヘルミナの口内に広がる。
「ペットの食事もありがたく受け取っておきます」
ヴィルヘルミナは同伴していた迷宮カカポの食べものを村人達からもらうと、早速迷宮カカポに分け与える。
迷宮カカポはヴィルヘルミナから食べ物をもらうと、くちばしを器用に使い食していく。
「残りはマジカルポケットに入れて持ち帰ることにしましょう」
食べきれないと判断したヴィルヘルミナは、持ち帰る予定の料理を選んでいくと、村より借りた容器にまとめていく。
そのままヴィルヘルミナは容器をマジカルポケットに収納した。
「食事は満遍なく頂くのだ」
ストレガは魔獣の肉より作成した料理を1つ1つ味わっていくと、先に自身が描いた魔獣の横に、その味を記載していく。
骨を出汁としたシチューは、ストレガがシンプルに仕上げたためか、素材の味をうまく引き出した滋養のあるものになっている。
「余れば勿論持ち帰るのだ」
そしてストレガもまた、村より借りた容器を使い残りそうな料理を集め始めた。
●ごちそうさまでした
獣達の襲来という不測の事態はあったものの、冒険者達との食事会は全員の腹と気持ちを満たすことができた。
「今回はありがとうございました」
ヴィルヘルミナは作成された料理の大半を手掛けていたが、食事会を設けてくれた村人達に礼を述べる。
「俺はできることをしたまでだ」
ノイアンは村人達から魔獣退治の礼を改めて言われるとそう応じ、確保できた料理と共に帰還していく。
「ありがとな、堪能させてもらったぜ」
持ち帰る分をしっかり確保できたルイドは、村人達に感謝を伝えて帰路に就いた。
「牛魔獣の骨兜は格好いいから土産に頂くのだ」
ストレガは村の許可を得たうえで、料理以外にも今回退治した牛型魔獣の骨兜を持ち帰ることにした。
皆様、今回は不測の事態から村を救ってくださりありがとうございました。
魔獣達の襲来という不測の事態が発生したものの、たまたま食事会名目で村に到着していた冒険者達によって村は守られ、食材となる肉を増やすことができた。
「本当にありがとうございます!」
村人達は村を守ってくれた冒険者達1人1人に盛大な感謝を示し、倒した魔獣の肉を有効活用するため、それぞれ作業を始める。
「大量の肉……いいじゃねぇか、居合わせて幸運だったぜ」
村を守り抜いたルイドは食材が増えたことを喜ぶ。
「少ないよりゃ多い方がいいよな、何事も」
そう言いながら、ルイドは倒した獣達を解体する作業に加わる。
「ま、とはいえ無駄にするのはよろしくねぇってのも分かるんで。とりあえず片っ端からやるか」
ルイドは村人達から作業着や道具一式を借りると、サバイバル知識スキルを活用して血抜きを始める。
「ひたすらに解体す。獣食さぬは失礼になるのだ」
ストレガ・L・リベルガストラも仕留めたイノシシを村人たちと一緒に吊り上げ、血抜きを行うと丹念に毛皮部分や中身を水で洗い流す。
既にストレガはアルヒ・ラスカスより借りた筆記用具と紙を使い、自身が倒した魔獣の姿を大まかに描写していた。
血抜きと洗浄を済ませたところで、ストレガは内臓部分を慎重に切り離し、肉の部位をさらに洗っていく。
「そちらの肉と内臓には熱湯をかけるのだ」
ストレガは解体した獣や部位に応じ、下処理の方法を変えるよう村人たちに指示を出す。
「こちらの肉は酒やタレに漬ける形で下処理を行うのだ。それ以外の肉は塩や香草漬けにして干しておくように」
肉についても、ストレガは早めに食べるものと、保存するものに応じて処理方法を調整している。
――持ち帰るにしても保存が効くようにするのが良いのだ。
ストレガは食事会が終わった後のことも考慮して、作業を進める。
「ストレガがいるから手は足りるかと思うんだが、できることがこれか後片付けくらいなんでな……っと」
そしてエル=バ=ノイアンも解体と調理の両面で、作業への支援を始める。
この頃にはルイドがサバイバル知識スキルに基づいた知識や技術も併用して獣を捌き、部位分けも進めるとともに、生ごみを可能な限り一か所へと集めていた。
集めた生ごみを村人達が運び出したところで、ノイアンも手伝いを申し出る。
「運搬の手伝いが必要なら引き受けるぞ」
ノイアンは持参した麻袋も駆使して生ごみとなった部位を集めると、マジカルポケットに収納して埋め立て場所まで運んでいく。
「皮と骨はトーテムを組んで干すのだ」
ストレガは残った部位についても、村人達に処理方法を指示していく。
一通り作業を進めたところで、ストレガはノイアンに頼みごとをする。
「今回調理は任せるのだ。私は血を落としてから参加するのだ」
「了解だ。ここから先はおれも調理に主軸を置こう」
ストレガからの要請を承諾したノイアンは、作業着や道具を村人達へ返却すると、調理場となった場所へ向かう。
その調理場では、既にヴィルヘルミナが肉の調理を進めていた。
予め作る予定だった料理に加え、今ヴィルヘルミナは固くて調理が難しい部位にも手を加え始めている。
「使いにくい部分は叩いてひき肉にして、香草などで臭み抜きを行ってください」
ヴィルヘルミナは今回得ることができた肉を可能な限り、料理へと可能すると決めていた。
自らも調理スキルを駆使して実践しながら、周囲の村人達にもそのやり方を教えていく。
「その後、細かくした野菜などと混ぜ合わせてこねて、固まりにしたものを焼きます」
粘りが出るまでよく混ぜ、叩きながら空気を抜き、ヴィルヘルミナは楕円形にまとめていく。
「調理では肉の臭みをとったり柔らかくしたりするのに薬草や香草各種を使うぞ」
ここでノイアンも作業に加わり、持参したハーブ塩を加えたものも作成していく。
「フライパンで焼くか、窯があれば容器に入れて焼くのも手ではありますが……」
「野菜も使えそうなら鉄串を使って串焼きにしよう。やはりバランスの良い食事は大事だからな……」
ヴィルヘルミナとノイアンは、互いに意見をかわしつつ、肉の焼き方や付け合わせる野菜を整えていく。
(……自分からそんな言葉が出てくるようになったとは驚きだが)
内心そう呟きつつも、ノイアンは料理を仕上げていく。
「誰かのために作るようになった……からかもしれないな」
ノイアンは自身の変化を肯定的にとらえていた。
「最初に蒸留酒で香りづけしながら焼くのも手ですね」
ひき肉を料理に仕上げる作業の中で、そのやり方を思いついたヴィルヘルミナは、村にある蒸留酒を一部分けてもらう。
「内臓はパテにするのも手ですが、香辛料はどの程度あるのか……」
ヴィルヘルミナは、内臓も料理にできないか思考を巡らせるとともに、村人たちに香辛料の在庫を聞いてみる。
「あまり捨てたくはないですね。使えるなら使ってしまいたい所ですが、内臓は臭み抜きが問題なので」
そう言いながらも、ヴィルヘルミナは村人達から集めた香辛料をもとに、パテを作っていく。
下処理を終えた内臓とひき肉状にした肉、そして切り刻んだ野菜や香辛料をよく混ぜると、ヴィルヘルミナは容器に詰め込み窯で熱を通していく。
ヴィルヘルミナはパテに火が通ったことを確認すると、全部を食事会に回さずに一部は一晩おいてから食べるよう村人達に助言する。
「出来立てでも美味しいですが、寝かせることで味が馴染み、さらに美味しくなります」
もちろんヴィルヘルミナも一部のパテを土産として持ち帰り、味を馴染ませるつもりでいた。
●いざ食事会
ヴィルヘルミナがまとめた生ごみを、ノイアンが麻袋に入れて運び出す。
この頃には解体作業に従事していたストレガやルイドも作業を終え、合流した。
「これも恵み。骨は煮込んで出汁にして良し。この脂はそのまま料理に使えるはずなのだ」
ストレガは解体現場で回収していた骨や脂を使い、別の料理を生み出そうとしていた。
「肉が増えた分野菜が大事なのでバランスをとってほしいのだ」
ストレガは自身が定めた命題と庖丁を駆使して、野菜や骨を使う料理も手掛けていた。
野菜炒めを作る傍ら、ストレガは根気強く灰汁抜きを続け、骨を出汁にしたシチューを完成させる。
「これで料理が全てそろいました」
ヴィルヘルミナも村人達と共に肉を焼き上げ、用意されたそれぞれのテーブルに並べていく。
やがて作業を終えた村人達やストレガ、ごみ処理に動いていたノイアンとルイドが戻ってきたところで、ヴィルヘルミナも席に着く。
そして誰からともなく、目の前に並べられた料理に手を伸ばし――。
村人達から、声が途絶えた。
思い思いの姿勢で、フォークを口にいれたまま、完全に静止している。
やや時間をおいて、村人達は笑顔を浮かべ、声が漏れていくと、村人達は冒険者たちに混じってフォークを動かし始め、やがて食事会場となった集会所は喧騒に包まれる。
「せっかくなんで一通り味わっておかねぇとな」
ルイドはまず飲み物が置かれたテーブルに向かう。
「酒は……ワインもらえるか?」
ルイドは複数あるワインをいくつか選び出すと、それぞれの料理があるテーブルを回り始める。
「飲み物に近いとこから豚、鶏、牛、新作と順次いくわ」
ルイドは豚肉料理から手を付け始めた。
豚肉料理は濃い味付けで、合わせて口にしたワインのやわらかくて丸みを帯びた味わいとよく合った。
色々とルイドが試した結果、脂身の少ない鶏肉料理にはなめらかな味わいのワインがよく合い、牛肉料理も渋みが効いたワインが一番相性がよいとわかる。
「比較的暖かいとはいえ、ワイン煮とかシチューとかは特に染み渡る気がするな」
――うん、やっぱどれもイケる。
一通り料理とワインの味を確かめたルイドは、ヴィルヘルミナやストレガ、そしてノイアンの作った料理も味わい始めた。
「残ったら、バックパックに入る分は持ち帰るとするか」
ルイドは持ち帰る料理に目星をつけ始めている頃、ノイアンは自分が作った料理と他の料理を食べ比べていた。
今ノイアンが食しているのは自身が作った豚肉の串焼きで、加えた香草で肉の臭みを消し、炭火のよる丁寧な焼き加減で豚肉の甘みが引き出され、ふりかけたハーブ塩が串焼き全体の味を整えている。
一通り味わったところで、ノイアンは村より借りた容器に様々な料理をまとめ始める。
「持ち帰るにしても、早めに食べる必要はあるな」
自分も含め、仲間たちの作った料理はあまり日持ちしないことを、ノイアンは知っている。
「友人たちの土産になればいいが」
ノイアンはかくほした料理をマジカルポケットに収納しながら、帰還した後についても思案を巡らせる。
ヴィルヘルミナは、自身が作ったひき肉料理の味を確かめていた。
肉本来の味も素晴らしいが、一緒に混ぜ合わせた野菜も焼かれたことで甘味が強くなり、肉汁を利用したソースと相まって、噛むごとに奥深い味わいがヴィルヘルミナの口内に広がる。
「ペットの食事もありがたく受け取っておきます」
ヴィルヘルミナは同伴していた迷宮カカポの食べものを村人達からもらうと、早速迷宮カカポに分け与える。
迷宮カカポはヴィルヘルミナから食べ物をもらうと、くちばしを器用に使い食していく。
「残りはマジカルポケットに入れて持ち帰ることにしましょう」
食べきれないと判断したヴィルヘルミナは、持ち帰る予定の料理を選んでいくと、村より借りた容器にまとめていく。
そのままヴィルヘルミナは容器をマジカルポケットに収納した。
「食事は満遍なく頂くのだ」
ストレガは魔獣の肉より作成した料理を1つ1つ味わっていくと、先に自身が描いた魔獣の横に、その味を記載していく。
骨を出汁としたシチューは、ストレガがシンプルに仕上げたためか、素材の味をうまく引き出した滋養のあるものになっている。
「余れば勿論持ち帰るのだ」
そしてストレガもまた、村より借りた容器を使い残りそうな料理を集め始めた。
●ごちそうさまでした
獣達の襲来という不測の事態はあったものの、冒険者達との食事会は全員の腹と気持ちを満たすことができた。
「今回はありがとうございました」
ヴィルヘルミナは作成された料理の大半を手掛けていたが、食事会を設けてくれた村人達に礼を述べる。
「俺はできることをしたまでだ」
ノイアンは村人達から魔獣退治の礼を改めて言われるとそう応じ、確保できた料理と共に帰還していく。
「ありがとな、堪能させてもらったぜ」
持ち帰る分をしっかり確保できたルイドは、村人達に感謝を伝えて帰路に就いた。
「牛魔獣の骨兜は格好いいから土産に頂くのだ」
ストレガは村の許可を得たうえで、料理以外にも今回退治した牛型魔獣の骨兜を持ち帰ることにした。
皆様、今回は不測の事態から村を救ってくださりありがとうございました。
マスターコメント
今回はご参加下さった皆様が、それぞれの形で村の手伝いや食事会に貢献されたので、大成功と判定いたしました。
改めてご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。
また機会がございましたらよろしくお願いいたします。
イベントシナリオ易しい 報酬:標準4 / 4〜25人
2023年01月06日 11時36分10秒 公開
大成功
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