シャルガネでのんびり温泉旅行を
岩岡志摩
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シナリオID:2677
オープニング
その人物――ジェレムス・ローギリアンは主君イザベラ・カペルより、シャルガネ在住のとあるシノビへ書簡を届ける任務を帯びていた。
任務自体は滞りなく終わり、ある宿場町へと立ち寄ったところでジェレムスは追加の厳命があったことを思い出す。
――温泉地で休暇を取ってこい。
書簡を届けるのはあくまでも表向きの命令であり、休暇の方が本命と言えた。
今になってそれをジェレムスが思い出したのは、カペル侯爵家お抱えの『蒼玉騎士団』騎士団長としての職務が多忙だったことも一因だろう。
多忙の中でも部下には必ず休みをとらせているが、ジェレムス自身はそうでもないらしい。
主君からの厳命であればジェレムスも従うしかなく、今滞在している宿場町で休暇を取ることを決めた。
今の時期この宿場町は雪景色に包まれているが、もともと源泉かけ流しを謳う温泉地として知られている。
そして今、ジェレムスや護衛として雇った冒険者達が宿泊しているこの温泉旅館も、周辺で生産された地酒(白米酒)を豊富に取り揃えていることで知られている。
この旅館や宿場町で休暇を取るのも悪くないが――。
「どうせなら賑やかな方がいいな」
そう思ったジェレムスは護衛として雇った皆様にも声をかけていく。
――滞在している間の費用はすべて自分がもつから、一緒に温泉旅行を楽しまないか?
皆様からの回答を聞いたジェレムスは、今回同行していた冒険者ギルド職員アルヒ・ラスカスにも話を通す。
「私の方で必要な手続きを進めておきます」
アルヒは依頼主であるジェレムスの意思を尊重する方向で動き、いち早く冒険者ギルド支部へと戻っていく。
こうして皆様もジェレムスの休暇に付き合う形で、この宿場町でのひとときを楽しむことになった。
●今いる宿場町で楽しむことができる内容
皆様は、カペル侯爵家お抱えの『蒼玉騎士団』騎士団長ジェレムス・ローギリアンからの依頼に応じ、護衛としてジェレムスと一緒にシャルガネまで来ました。
護衛対象であるジェレムス任務は滞りなく完了し、帰還の最中に立ち寄った宿場町でジェレムスは、主君より温泉地で休暇を取るよう厳命されていたことを思い出します。
厳命には従わざるを得ないジェレムスは、今の滞在先がちょうど温泉地も兼ねた宿場町だったため、ここで休暇を取ることを決めました。
ただ自分一人で休暇を取るのは苦手だったのか、ジェレムスは皆様にも一緒にこの宿場町で温泉旅行を楽しんでみないかと声をかけてきました。
ジェレムスの話では、この宿場町の中で皆様は自由に過ごすことが可能で、費用はすべて自分がもつと確約しています。
ここから先は、今皆様が宿泊している温泉旅館と宿場町について楽しめることを説明します。
まずは温泉旅館。
この旅館には自前の温泉が敷地内に存在します。
源泉かけ流しで、露天風呂と室内風呂の両方があり、それぞれ大人数でも入る事ができる浴槽と、少人数で楽しめる浴槽があり、休憩所も完備されています。
続いて食事については、宴会場にて楽しむことができます。
用意される料理は蟹を使ったコース、牛肉を使ったコースの2通りあり、どちらかを選ぶことができます。
またこれ以外にも追加で料理や酒を注文することは可能です。
酒につきましては、ジェレムスが密かに楽しみにしているコメ酒が提供されます。
またこの旅館では宴会場から程近い部屋で、絵ろうそくの絵付け体験を行っています。興味を持たれましたら予約なしで参加することができます。
既にジェレムスと皆様はこの温泉旅館での宿泊手続きを済ませており、全員にそれぞれ個室が用意されています。
個室でのんびり過ごすことも可能です。
続いてこの宿場町で楽しむことができる内容を説明します。
現在この宿場町は雪景色に包まれているため、散策する際は防寒対策をしっかりとりましょう。
旅館の外を走る道には絵ろうそくが入った雪灯籠が通り沿いに配され、その灯りを楽しむことができます。
雪灯籠が並ぶ道を少し進むと、ある広場が皆様を出迎えます。
その広場ではちょうどそば食い大会が催されていて、様々な人が入れ代わり立ち代わり挑戦しています。
そば食い大会は申し込めばいつでも参加が可能で、新そばを楽しむことができます。
さらに広場周囲には様々な屋台や食事処が立ち並んでいます。
野鳥の肉を使った焼き鳥や、干し魚のすり身や野菜を使った天ぷらを売る屋台が多いですが、煮物や美味な地酒を味わうことができる食事処も存在します。
土産物を扱う店も屋台や食事処がある同じ通り沿いにあり、取り扱う商品は重くなく、かさばらない木工品(小皿やアクセサリー等)が主になります。
ということで巻き込まれた冒険者の皆様。
皆様がこの宿場町で滞在する間、発生する費用はすべて依頼主のジェレムスが負担してくれます。
せっかくの機会なので、皆様もこの宿場町での温泉旅行を楽しんでみませんか?
解説
マスターより
リプレイ
とある宿場町で、サイラスをはじめ冒険者達はそれぞれの温泉旅行を始める。
「タダで温泉旅行……! さすが侯爵家は太っ腹ですね!」
費用はタダと聞いたエフィルミアの顔に笑みが浮かぶ。
「そういう事なら思いっきり楽しんじゃいましょう!」
そんなエフィルミアとは対照的に、ガルシアは少し緊張気味だ。
「温泉旅行、友人と呼んでくださる皆様と……」
ガルシアは少し葛藤していたが、気合を入れなおす。
「こんな私も、その……ちゃんと女の子らしい楽しみをしなければ。頑張ります」
一方ヴィナスは旅館から借りた防寒具で身を固め、外に出る。
旅館の外では、篝火や雪灯籠の列の発する明るい光が雪景色を照らしていた。
「温泉を楽しむ前に宿場町を少し散歩しよう」
ヴィナスは雪灯籠の光に導かれるように歩を進め、土産物店へと辿り着く。
「どういうものが多く売られているか、よく見ておこう」
ヴィナスは店の中にある木工品を見渡し、弟への土産として六華(雪のこと)の透かし彫りが施されているペンダントを探す。
「ご飯前だから見て回るのがメインかな」
土産物店で用事を済ませたヴィナスは、先程素通りした屋台を見て回ることにした。
●温泉
「せっかくなので露天風呂を楽しむとしようか」
海神 江流は旅館内にある露天風呂に向かうと、エル=バ=ノイアンも江流の後に続く。
「俺も折角だから露天を……。シャルガネ文化なのだし、江流から温泉の楽しみ方というものを教えてもらおう」
――ただ湯に浸かるだけではない何かが、温泉にはあるはずだ。
軽く髪を結わえたノイアンは、江流の話を聞きそんな推測を立てる。
ストレガ・L・リベルガストラは、今回の温泉旅行に意義を見いだしていた。
「シャルガネには度々来ている。単に楽しむ為でもあるが色んなものが研究対象になるのだ」
ストレガは旅館内にある施設や景観を確認しながら、途中出会った従業員にストレガは話を聞き出す。
「次は見聞資料として露天風呂に入り、身体の疲れを溶かしながら考察してみるのだ」
露天風呂に着いたストレガは、風呂の研究も兼ねて湯船につかり、その効能を確かめる。
従業員の話では、この湯には肌の状態をよくする効果があるようだ。
湯の中で肌の状態を確認したストレガは、医療・薬学スキルをもとに検証を進める。
「身体と精神の両面で衛生の向上になるから毎日湯に入るべきであるが、週1くらいは入浴すべきなのだ」
ストレガはゴールディに公衆浴場の普及ができないか思案する。
「そのためには水道の整備からか……薪を大量生産する技術からか……」
ストレガは課題を克服するため思考を巡らせる。
一方シルヴィア・A・カペルは、旅館より提供された浴衣に身を包むと髪を軽く結い、エフィルミアやガルシアと共に貸切風呂を利用する。
「い、いつもは身体を洗うだけしかしてなくて……お風呂を楽しむなんてしてきてないので」
ガルシアは気後れしつつも、一緒に入る人の背中を流す手伝いをしてから、浴槽へと身を沈める。
「うとうとしてしまうような心地良さがあるね」
湯船の中でシルヴィアはその温かさを満喫する。
浴槽に張られた湯は肌を滑らかにする効果を発揮し、その熱が体をほぐしていく。
「私やってみたかったんです! お風呂で景色見ながら、お酒飲むやつ!」
そう言ってエフィルミアが、予め旅館に頼んでおいた白米酒入りの徳利とお猪口を湯船の中に持ち込む。
「ささシルヴィ姉様、グイッとどうぞ! ガルシアさんもグイッといっちゃいましょー!」
エフィルミアはシルヴィアとガルシアにお猪口を渡すと、白米酒を注ぐ。
「温泉に浸かり雪景色を眺めながら白米酒を飲むのも悪くないかな」
程よい温度の白米酒は、シルヴィアが口に含めば、まっすぐに酒の味を伝えてくる。
「本で見たことあって憧れていたんですよねっ。私も今日は飲んじゃうぞー!」
エフィルミアが酒を飲むと、米の酒らしい甘い香りが鼻に抜け、じんわりと体の奥に酒精らしき熱が通る。
「学園生活はどうかな?」
雪が降る空を見上げていたシルヴィアは、エフィルミアやガルシアにパンクリアース学園での生活について尋ねる。
「学園生活は楽しいですよ! 王国の勉強は初めてのものも多くてっ。今年はもっと勉強頑張りたいですね」
エフィルミアは快活に答える一方、ガルシアはお猪口を両手で持ちながら、緊張している。
「学園生活……まだあまり慣れなくて……」
この人数で一緒に風呂へ入るのは初めてなのか、ガルシアはかなり緊張している。
「そ、その……部活の勧誘? に誘ってくれる方や、声をかけてくださる方もいるのですが……」
シルヴィアは聞き役に徹し、ガルシアは頑張って学園での日々を話しだす。
「その……こ、怖くて……まだちゃんと学生らしくなんて……」
話す中でガルシアはお猪口をあおり――酔いつぶれた。
「大丈夫かな?」
シルヴィアがガルシアを介抱する中、エフィルミアは「ふふふふふ、美味しー!」とさらに飲んでいる。
(温泉で暖まって、さらにほろ酔いになったシルヴィ姉様色っぽい! これはノイアンさんには見せられませんね……!)
内心そんなことを考えていたようだが、空を見上げたエフィルミアはこう叫んだ。
「お月さまが2つあるー!」
「飲みすぎだよ」
ガルシアを休憩所に運び、戻ってきたシルヴィアはエフィルミアの介抱も始める。
一方江流やノイアンが浸かる露天風呂は静かだ。
豊富な湯量と適度な温度が、全身をほぐすように江流やノイアンの身を温める。
「シルヴィは来春学園卒業だけど、そしたら一緒に住むのか? あぁ、まだ婚約した訳じゃないんだっけ」
それまで景色を眺めていた江流は、ノイアンへと話を向ける。
「……婚約したわけではないな。俺はこの通り平民だし。それに、片づけないといけないこともある」
ノイアンの言う通り、解決すべき問題もある。
そのあたりは江流も察したようだ。
「仲が認められているとは言え、相手は貴族なんだし。キープなんてことにはならないだろうから、ちゃんと約束に出来るといいよな」
「……ああ。かけがえのない人は、譲れないからな」
ノイアンの決然とした言葉を聞き、江流はふと自身を顧みる。
――俺は、どうしたもんなのかなぁ。
この頃にはヴィナスも旅館に戻り、個室にある露天風呂を楽しんでいた。
(露天で個人風呂か……これはいい)
温まったところでヴィナスは部屋に戻り、白米酒を味わう。
(温泉でお酒は心惹かれるけど、シャルガネの白米酒は飲み慣れてないから、部屋で楽しむことにするよ)
濃厚でまろやかな味がヴィナスの舌に残り、白米酒らしい甘い香りが、ヴィナスの鼻を抜けていった。
●食事
温泉を楽しんだシルヴィア達は、宴会場へと向かう。
「も、申し訳ございません……お酒とても弱いのにお風呂で呑んでしまい」
シルヴィアに介抱され、回復したガルシアは介抱してくれたシルヴィアに詫びていた。
その途中シルヴィアは旅館に戻ったジェレムス・ローギリアンも誘い、共に宴会場へ到着する。
「お休みは大事ですよっ。休まないとお肌も荒れるし、クマも出来るし、髪もボサボサになっちゃうし! 死活問題です!」
既に回復していたエフィルミアは、ジェレムスに対ししっかり休むよう釘をさしていた。
ヴィナスも宴会場へ到着し、外では入れ違いとなったジェレムスに改めて挨拶すると、ノイアンやストレガも合流する。
江流は旅館と交渉し、調理場で料理を作っているようだ。
「その恰好、よく似合ってるよ」
シルヴィアは、浴衣と羽織を纏うノイアンを見て、素直な感想を口にする。
「ん? そうか……ありがとう。お前も似合って……」
シルヴィアの言葉にノイアンもそう答えようとして酒の香りに気づき、少しシルヴィアへと顔を近づける。
「……湯船で酒を飲むと危ない」
「とても心地良かったんだ。勿論程々の量にしたよ」
接近したノイアンに内心動揺しながら、シルヴィアはそう答えて感謝を示す。
「心配してくれてありがとう。気をつけるね」
やがて宴会場に各コースの料理が運ばれてきた。
「蟹は茹で蟹だろうか焼き蟹だろうか」
蟹コースを選んだストレガは調理方法が気になったが、茹で蟹と焼き蟹の両方が来た。
「身を丁寧に取って頂いていこう」
ストレガは器用に蟹の殻をむくと、その中身を口に運ぶ。
焼いた蟹は身の繊維が際立ち、香ばしさが増しており、茹でた蟹とは違う旨味がある。
「そういえば聞いたことあるのでやってみるのだ」
ストレガは胴の部分に残る蟹ミソを甲羅に移動させてから白米酒を注ぎ、従業員に頼んで必要な道具を揃える。
そしてストレガは道具を用いて、甲羅の中にある蟹ミソが混じる白米酒を加熱し、口に運ぶ。
「なるほど蟹味噌の風味が強くなり、酒に蟹の香ばしさが写る。癖の強い楽しみ方なのだ」
ストレガは試みが上手くいき、満足そうだ。
同じ蟹コースを選んだヴィナスは、茹でた蟹の身を口に入れる。
身に凝縮されたうま味が瑞々しさと共にヴィナスの舌に咲き、温かさを残して喉を通っていく。
「シェアして食べて両方楽しむのもいいかもしれないね」
蟹料理を一通り味わうと、ヴィナスは牛肉コースを選んだ仲間達に視線を向ける。
(特に江流はシャルガネの出身だから、出てくる料理に馴染みがあるのか聞いてみるのも面白そう)
ヴィナスがそんな期待に応えるように、江流が底の浅い鍋を抱えて宴会場に現れる。
「冬にシャルガネで牛肉っつったら……すき焼きだろ」
江流は仲間達の前にすき焼き入りの鍋を置く。
「醤油と砂糖で甘辛く味付けた牛肉を、野菜と一緒に鍋で煮たり焼いたりする料理なんだが……」
「スキヤキ……」
江流の説明を聞くノイアンは、興味深そうに鍋を見つめる。
「それが江流おすすめのスキヤキなんだね。食べてみたいな」
シルヴィアも江流にそう頼むと、エフィルミアも挙手する。
「すき焼きを食べてみます! 蟹もつまみつつメインはすき焼きで!」
それを受け江流は白い湯気をあげる野菜や肉を取り出し、仲間達の皿へ盛りつけていく。
「味付けや肉を入れるタイミングとか具材のチョイスとか。結構、各人のこだわりが出る料理なんだよな」
江流の場合は先にネギと牛肉を焼き、巴屋の高級醤油を駆使して旨味を整えている。
「ひとつの大きな鍋からそれぞれ取って、皆で食べるのか。良い文化だ」
ノイアンは江流から皿を受け取りながら、シャルガネ文化の良さを褒める。
「あと、王国の方だと馴染まないだろうけど、溶いた生卵を絡めて熱を冷まして食べたりするな」
すき焼きを仲間達の皿に盛りつけながら、江流は美味しい食べ方を伝授する。
「生卵を絡めるのかい? 珍しい料理だね」
その食べ方は知らなかったのか、シルヴィアは軽く目を見張る。
「溶き卵をそのまま……!?」
ノイアンも驚いていたが、どこか納得していた。
――さすがシャルガネ文化。フグといいサシミといい、東方人は食に対する熱意がすごい。
ノイアンがシャルガネ文化に敬意を抱く中、江流は順番にすき焼きを配る。
「甘じょっぱく煮込んだ具材を生卵につけて食べるのだとか?」
エフィルミアは美味しい食べ方を江流より教わっている。
「特に濃い目の味付けのときはそれで味を調節するといい。ほかは白菜とかしらたき、豆腐が定番かな?」
「お、美味しそうじゃないですか!」
エフィルミアは目を輝かせ、江流より渡されたすき焼きを口に運ぶ。
牛肉の甘い肉汁とう旨味が口の中でほどけ、野菜にも甘めの味付けが染み込んでいて、美味を伝えてくる。
「あとは米と茶があれば俺は文句ないね」
一通り配り終えた江流も、自分の分を食べ始める。
「うん、とても美味しい。葱が良い風味を出している」
江流の食べ方を見様見真似で実行していたシルヴィアは、肉と共に食したネギの味も一緒に楽しむ。
「食材の旨みが染み出した煮汁もおいしい。江流の言う通り、米が欲しくなるな」
ある程度江流の食事が進んだところで、ガルシアは江流へと近づく。
「あ、あの……どうでしょうか? 似合っていますか?」
今のガルシアは旅館に頼み、用意してもらった着物に着替えていた。
「似合っていると思うぞ」
江流の返事を聞いたガルシアがそのまま江流の隣に座ると、シルヴィアが追加で注文した蟹料理も運ばれてくる。
「……カニ、ですか? カニは食べたことがあるのですが……」
シルヴィアに勧められ、ガルシアは殻が剥かれて薄い湯気が立ち上る蟹の身を口に入れる。
新鮮なせいか、程よい弾力と濃い風味を伴う旨さにガルシアの顔が驚きにかわる。
「甲羅酒も楽しむよ」
エフィルミアやガルシアの様子を確認しながら、シルヴィアも蟹の甲羅へ白米酒を注ぎ、その味を楽しむ。
(働きすぎのジェレムスさんをそっと労っておこうね)
江流が視線を向けた先では、ヴィナスとジェレムスが白米酒の話で盛り上がっていた。
「こういうものひとつ取っても奥深い。特に酒は馴染みがなかったので、こういうのを知るのは楽しいですね」
――シャルガネと一口に言っても広いですから。
ヴィナスはジェレムスからお勧めの地酒を教えてもらい、礼を述べる。
「締めはお蕎麦! 味わい尽くしちゃいますよー!」
エフィルミアの楽しげな声が響く中、再び酔いが回ったガルシアにシルヴィアはそっと水を渡し、宴の時間は賑やかに過ぎていく。
●土産
食事を終えたストレガは防寒具を着込んで外に出ると、広場や周囲の探索を始める。
「日々美味いものを食べる為に研究を怠らないのだ」
ストレガはこの宿場町にある酒や調味料、乾物や漬物を土産として持ち帰る気でいる。
「蕎麦も持ち帰れるなら頂こう」
――調味料があればなんとかなる。
ストレガが目当ての物を購入していく中、土産物店ではノイアンとシルヴィアがジェレムスと共に品を選んでいた。
「折角来たのだから、土産を何か買って行ってはどうだろう」
ノイアンは、デフォルメされた様々な動物の木彫り人形を指し示し、ジェレムスに購入を進める。
「きっとお祖母様達も喜ぶよ」
シルヴィアもノイアンの意見に賛同すると、自身が購入した木製の徳利とぐい呑みのセットをジェレムスに贈る。
「これは――」
贈られたものに目を見張り、ジェレムスが礼を述べたところで、シルヴィアは言った。
「お祖母様に休暇を厳命されたのは働き過ぎだからだろう。今日くらいはゆっくり休んで貰いたい」
ジェレムスは何も言わずに首を垂れることで、承諾の意思をシルヴィアに返す。
「……俺自身は別にかわいいものが好きだというわけではないぞ」
そう言いながらもノイアンは、魚を咥えた熊の木彫り人形を購入していた。
●終
その後冒険者達とジェレムスは、宿場町での温泉旅行を楽しみ、共に帰還した。
――このひと時が、皆様にとって楽しい思い出となりますように。
マスターコメント
ショートシナリオR易しい 報酬:標準8 / 4〜8人
2023年01月02日 23時11分16秒 公開
相談掲示板
リクエスト主のシルヴィアだ。 担当して下さったMSさんと、参加してくれた皆に心からの感謝を。今回はよろしくね。 蟹・牛肉・蕎麦。地酒もあるシャルガネ旅行だ。 ゆるりと羽根を伸ばそう。
ヴィナスだよ、よろしくね。 のんびり楽しむよ。
シルヴィ姉様お誘いありがとうございます! エフィルミアですっ。よろしくお願いします! 蟹に牛肉に蕎麦…うぅ今だけ胃が三つくらい欲しい…! 私あれやりたいです!温泉でお猪口でお酒のむやつ! 雪景色の温泉でお酒飲むとか最高だと思うのですけど、女性陣の皆さんどうでしょうか?
>エフィ 雪景色の中、温泉に浸かりながら白米酒を飲む……それは素敵だね。私は勿論OKだよ。一緒に入ろう。
っとと、アルヒに確認させてもらいたい。 Q1.宴会場になるか食事処になるかわからないけれど、屋台にいるジェレムスを食事に誘っても良いかな?
アルヒ・ラスカスだ。今回はよろしく頼む。 シルヴィア殿も今回はよろしく。 Q1:宴会場になるか食事処になるかわからないけれど、屋台にいるジェレムスを食事に誘っても良いかな? A1: ジェレムス殿を誘って別の場所で何かをする、一緒に食事するなど大概のことは大丈夫だ。
アルヒ、早速の回答ありがとう。参考にさせてもらうね。 この依頼の手続きをしてくれている事にも感謝を。改めて今回もよろしく頼むよ。
ノイアンだ。やはりシャルガネはいいな…よろしく頼む。顔出しできていなかったので、ひとまず挨拶だけですまないが、今夜中には行動をまとめておきたい。
ガルシアです >エフィルミア お、温泉でお酒ですか………わ、私もしたいですが………その…() エフィルミア様やシルヴィア様と一緒に入りたいとは思っているのですが… い、いぇ、一口くらいならきっと大丈夫です!ご一緒します!!()