【鬼哭】鬼の哭く村
おおくまねこ
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シナリオID:2616
オープニング
ここは帝国南部の農村、ヒューロック村。
難民キャンプから戻ってきた帝国人達と、ゴールディから入植してきたゴブリン達が暮らす、豊とは言えないまでも平和な土地であった。
しかし、半月ほど前から、ゴブリンの住民達が突如凶暴化し、村人を攻撃したり、畑を荒らしたりといった狼藉を行うようになっていた。そしてついに、ゴブリン達は村の北にある鉄鉱山の坑道を占拠してしまったのだ。村人達はゴブリン達は『鬼に返ってしまった』のだと噂していた。
「クロード村長、坑道がゴブリンに占拠されちまった件ですが……交渉はまた失敗したんですか?」
「ああ。ゴブゴブ言いながら石を投げられてな……残念ながら、近づくこともできん」
「村長! あんたは授恵者だ。その気になれば、ゴブリン共を叩きのめせるんじゃないですか? もうやっちまって下さいよ!」
「そういうわけにもいかん。彼らも村人だし、こないだまでは真面目に働いていた連中だぞ。きっと病気か何かで……」
村長が血気に逸る村人をなだめようとすると、村人はしびれを切らしたように叫んだ。
「このままじゃ、共倒れだ! 村長、ゴブリン達を退治しちまいましょう! 奴らはやっぱり亜人だったんだ! 一声かけてくれりゃ、俺達はみんな、あんたの指揮に従います」
「駄目だ。ローガイン、もう少しだけ、待ってくれ。なんとか、解決の糸口を見つけてみせる」
「……分かりやした。あんたがそこまで言うなら。ですが、俺達もそろそろ我慢の限界ですぜ」
「ああ、分かっている」
クロードは渋い顔で、直訴に来た村人を見送った。その夜、クロードの家に、一体のゴブリンが尋ねてきた。彼はヘイヤー。ヒューロック村のゴブリンでただ一人「鬼に返らなかった」ゴブリンだ。
「ヘイヤー、坑道の様子はどうだ?」
「手に負えません。みんな、亜人になっちまったみてえだ。俺の言うことなんか、聞きやがらねえ。同族のよしみか、俺だけは攻撃はされませんが……」
ヘイヤーは溜息を吐いた。村人達のゴブリンへの悪感情は日に日に増加している。ヘイヤーは村人達を刺激しないよう、昼間は村長の家に隠れているのだ。ヘイヤーは村長と同様、同胞達の凶暴化を憂いていた。
「村長、なんとか村の連中を押しとどめてくれ。俺たちは、鬼じゃねえ!」
「分かっている。冒険者ギルドに依頼を出そうと思うんだ。難民キャンプで噂を聞いた。連中なら、ゴブリン達の鬼返り現象のことも解決してくれるかもしれない」
「そうか。そいつは妙案だな。ぜひやってくれ」
クロードの言葉に、ヘイヤーは久々の笑顔を浮かべた。
「苦労をかけるな、ヘイヤー」
「何、あんたほどじゃないさ。あんたはこの土地に流刑同然に送られてきた俺達ゴブリンを暖かく迎えてくれた。当時はゴーフルを恨んだもんだが……やってみれば、カタギの暮らしも悪くねえもんだな」
ヘイヤーは笑う。
「ところでヘイヤー、俺は字が書けないんだが……お前、書けるか?」
「……マジかよ。俺も書けねえぞ。ゴブリンの中に何人か文字が書ける奴はいたが、今は坑道で絶賛ストライキ中だ」
「困ったな……誰か文字の書ける奴がいないか村中を探してみるしかないな……望み薄だが……」
クロードは帝国から代官として任命された「領主」ではなく、住民の支持によりこの村を治めている暫定的な統治者に過ぎない。それゆえに村長なのに文字が書けないのであった。
クロードとヘイヤーが村中を駆け回ったところ、一名だけ文字が書ける人物が見つかった。たまたま村に滞在中だったシャルガネの歩き巫女である。クロード達が依頼の代筆を頼むと、巫女は快諾してくれた。
「これでよし。依頼の手紙は旅のついでにギルドに届けておきますね」
「何から何まですまんな、巫女さん。良かったらこの村で俺と一緒に暮らさないか」
「嫌です」
クロードのラブコールを一蹴し、巫女はギルドへの依頼の手紙を持って旅立っていった。
「――あとは、冒険者の活躍に期待だね。あの女の、思い通りになんてさせない」
その翌日、冒険者ギルドにはクロードからの依頼が掲示された。
「ゴブリンの住民が凶暴化し、村の坑道を制圧してしまいました。なんとか穏便に事態の解決していただきたい。私は、村の住民達が以前のように手を取り合えることを望んでいます――ヒューロック村の村長クロード・ハーゲン」
解説
マスターより
リプレイ
ヒューロック村に着いた冒険者達は早速挨拶がてら、依頼人の村長の家へと向かった。
「村長のクロードだ。あんた達が冒険者だな。よく来てくれた。どうかよろしく頼む」
村長と簡単に自己紹介をした後、冒険者達は早速本題に入った。最初に口を開いたのはルイドだ。
「村長。早速だが依頼内容を確認したい。坑道やその周辺を占拠しているゴブリンを怪我させないようになんとかすればいいんだな?」
「ああ。彼らはこないだまで普通に生活していたゴブリンの村民だ。亜人種のゴブリンではないので、穏便に済ませてくれ。そして、俺はこの件でゴブリンとヒューマンの村人が分断されることを避けたいと考えている。説得の材料が欲しい。彼らが凶暴化した原因についても探ってもらいたい」
「分かった。じゃあ、もう少し詳しく話を聞かせてもらっていいか?」
ルイドの言葉に、クロードは頷き、「もう一人話を聞いてもらいたい奴がいる」といい残し、屋根裏へと登って行った。
「ヘイヤーだ。俺の兄弟たちの凶暴化の原因を突き止めてくれるそうだな。よろしく頼む」
クロードに呼ばれ、屋根裏部屋に隠れていたヘイヤーがやってきた。彼だけは、この村の中で唯一凶暴化の影響を免れているゴブリンらしい。
「よろしくな。あんたも、他の連中もみんなゴールディ出身だよな?」
ギャメルが尋ねると、ヘイヤーは頷いた。
「ああ、そうだよ。俺達は元々全員ゴールディ・マフィアだ。ドン・ゴーフルとの抗争に負けて強制的に移住させられたんだ。けど、ここの連中とはちゃんと仲良くしてたぜ。畑仕事はちゃんと覚えたし、野良の魔獣やクリーパーが時々襲ってくるから、用心棒みたいなポジションだった。……ゴールディに未練がねえわけじゃあないが、みんなここの生活は気に入ってたよ」
そこでモネタ・シャローニャが口を挟んだ。
「ふむ、村人との関係は良好だったと……。何か、ゴブリン達が村人に敵愾心を抱くような事件があったりはしなかったかい? クロード村長も心当たりがあれば答えて欲しい」
「ヘイヤーの言っていることは本当だ。そりゃ、一番最初の頃は多少ごたついたが、ヒューマンの村人とゴブリンの関係は良好だったことは俺が保証しよう。
この村の外は魔獣やクリーパーがうろついてるから、戦闘の心得がある集団ってのは、村人にとっても心強い存在だったんだ。文字の読み書きができるゴブリンもいたしな」
「なるほど、ならば怨恨の線は薄いか……となると、やっぱり外敵要因だろうな。実は、ゴブリンの凶暴化は他の所でも騒ぎになっていてね。レイウェストも動いているよ。この村にはまだ情報が回ってきてないみたいだが」
「そうなのか。そりゃ知らなかった」
モネタの言葉に、クロードとヘイヤーは目を丸くした。
「なあ、あんたたちの種族の内訳はどんな感じだ?」
「んー。まあ普通だな。ゴブリンが半分ぐらい。あとホブゴブリンとゴブリナが半々。ロードはいねえ。ちなみに俺は見ての通りゴブリンだ」
「そっか」
ギャメルは頷いた。ゴブリンは厳密には4種に分かれている。中でもヒューマンに近しい外見を持つゴブリン・ロードは『ゴブリンの貴種』とも呼ばれる特別なゴブリンで数は少ない。
「無事だったヘイヤーと、暴走したゴブリン、違いは何かしら……ヘイヤー、何か心当たりはある?」
ロゼットが尋ねると、ヘイヤーは首を縦に振った。
「たぶん……俺が授恵者だからだと思う。この村の授恵者は俺と、あとクロードだけだ」
「そう。ゴブリンの授恵者はあなただけなのね」
(ヒューマンは影響を受けていないなら、ゴブリンだけがかかる病気? いえ、毒や呪いという可能性もあるわね。授恵者は生命力が強いから耐えられたのかしら……)
ロゼットは様々な可能性を思案する。
「何か、原因に心当たりはあるかしら。変なものを食べたとか……帝国に来る前でもいいわ」
「いや、特に思い当たるフシはないな……。原因はさっぱり分からん。一月ぐらい前から少しずつゴブゴブいう奴が増えてきて……いつの間にかみんな亜人みたいになってたんだ」
ヘイヤーは深く溜息を吐いた。
●
村の事情についての質問を終えた冒険者は、今度は坑道についてクロード達に聞き取りを開始した。
「さて、坑道解放の作戦会議だな。クロード村長。まずは地図を用意したい。坑道の大まかな構造と注意点がありゃこれに書いてくれ」
ギャメルが村長に紙と筆記用具を渡すと、村長は申し訳なさそうに言った。。
「分かった。だが地図は書けるが、注意書きは書けんぞ。俺は文字が書けんのだ。国に認められた正式な代官じゃないからな」
「そうか……帝国ならそういうこともあるか。ん? 待てよ。じゃあギルドに出した依頼は誰か別のやつが書いたのか?」
「ああ。今正気の村人で文字が書ける奴はいないから、たまたま村にいた旅の巫女さんに頼んだんだよ」
「旅人だと? 一応そいつの特徴を聞いていいか?」
「ああ。はっきり覚えているぞ。美人だったしな」
ルイドの言葉にヘイヤーは頷いた。巫女はおかっぱのシャルガネ人で、水を出したり、怪我を治したりする魔法も使えたらしい。
「名前は『ユズリハ』と名乗っていた」
「そうか」
(授恵者か……この村にいたのは偶然か?)
誰も聞き覚えの無い名だった。今の帝国を一人で旅しているというのは多少腑に落ちない気はしたが、村の外まで探しに行くわけにもいかないので、冒険者達は話を進めた。そして……。
「これから坑道に行く準備をする。クロード、あんたもついてきてくれるとありがたい」
「ああ、分かった」
ルイドの言葉に、クロードは頷いた。
●
坑道に行く前に、モネタは村で少し聞き込みをした。村の中で怪しい奴がいないか、外から来たものなどについての情報を集める為だ。
「村に出入りしていたのは護衛付きの行商人と、村の様子を時々確認しにくる中央の帝国兵、それに旅の巫女ぐらいか……一番怪しいのは巫女だが、依頼の代筆をしているならこの村に悪意があるとは思えないな。ほっとけばいいわけだし」
また、村人に聞き込みをした時、モネタは奇妙なことに気付いた。村長のクロードは帝国難民キャンプ時代からこの村の人々と合流したそうだが、帝国崩壊以前の経歴を知る者は村に誰もいなかったのだ。
「怪しいといえば怪しいが、ゴブリンの件とは関係なさそうだな」
●
村での聞き込みを終えた後、ゴブリン達が占拠している坑道の近くへとやってきたギャメル、ルイド、モネタ、ロゼット、セリオスの五名に加え、村長のクロードを加えた六名だ。サイラスだけは村に残り、過激派たちが強硬手段に出ないように監視している。
「暗いわね……転ばないように気を付けて」
「奥の方から物音がする。まだ遠いが……油断するな」
光球で坑道を照らしながら、棍棒と盾を構えたロゼットが先頭を歩いていた。二番手のセリオスはエーテルを耳に集中した状態で聞き耳を立て、奥の気配を探っている。最後尾には、カンテラを持ったクロードがついてきていた。
「……ん?」
セリオスは入口の方から動物の鳴き声が聞こえた気がし、振り向いた。すると、パタパタと音を立て、栗鼠が一匹坑道の外へと逃げ去っていった。
(リス? まさか……)
「すまん、少し待ってくれ」
セリオスは気になって坑道の外へと飛び出したが、栗鼠の気配はもう消えていた。仕方なく、セリオスはみなの元へと戻る。
「どうした? セリオス」
「俺達の後ろからリスがついてきていた。授恵者の監視だった可能性がある」
ルイドが問うと、セリオスは入口の方を指差した。
「ほう。目的は分からないけど、やはりゴブリン達の凶暴化は人為的なものなのかな?」
モネタは肩を竦めた。
●
「ゴブゴブ!」
ゴブリン達は冒険者に奇襲を仕掛けて来た。だが、ロゼッタは攻撃をきれいに躱し、盾でカウンターを叩き込んだ。きゅう、とうめき声をあげ、ゴブリンは意識を失う。ゴブリン達の奇襲はセリオスの『宗波』で筒抜けになっていたのだ。
(ゴブリン達の言葉……『バラバラ』だわ。症状? に一貫性がない……。どういうこと?)
亜人語適性を持つロゼットはゴブリン達の言語をしっかり聞き分けていた。どうやらゴブリン達の言語は、個体によってばらつきがあるようだ。ちゃんと意味のある言葉を話している個体もいれば、動物的な鳴き声としてゴブゴブ言ってるだけの個体もいる。
「全員、目を閉じろ!」
セリオスは閃光塗弾のピンを抜き、ゴブリン達の足元へと放った。白い閃光がゴブリン達の視界を塗りつぶし、ゴブリン達は悲鳴を上げた。
「今だ!」
ゴブリン達の混乱に乗じ、ギャメルとルイド、モネタの三名もゴブリン達へと踊りかかっていく。村長は最後尾で待機したまま、張り詰めた表情で戦いの様子を見守っている。
「怪我させてくれるなよ!」
「分かってる! 安心しろ! アンタを正気に返すためだ。堪忍な!」
クロードの嘆願にギャメルが答えながら、パンチを叩き込んだ。一撃でゴブリンを昏倒させ、ギャメルは溜息をつく。
「理性を失った同族を見るのは嫌なもんだぜ」
「勝ち目はないぞ。降伏しろ!」
「ゴブゴブ! ゴブゴブ!」
セリオスは降伏勧告をした。しかし、ゴブリン達はゴブゴブと唸るばかりで反応がない。徹底抗戦するつもりのようだ。
(言葉が通じていないようだな)
セリオスは嘆息し、ゴブリン達を細剣で相手をすることにした。殺すつもりはないため、柄や鞘を使っての交戦だ。
「奥の連中はボクに任せろ」
モネタは弓を引き、エーテルの矢をゴブリン達へと撃ち込んだ。だが、使ったスキルは殺傷力のない濃煙炸弾だ。モネタはゴブリン達が煙幕に包まれて混乱している隙を突き、素手でゴブリン達を昏倒させた。
ゴブリン達はみな元ゴールディのマフィアだったが、冒険者達と比較すれば戦闘の心得のない一般人と大差はない。ゴブリン達はあっと言う間に、冒険者達に制圧されてしまった。
●
「ふむ、凶暴化はしていたが……まるっきり獣になってしまっていたわけでもなさそうだ」
モネタはゴブリン達がいなくなった坑道の様子を見て言った。中には、松明やランタンなど、多少文明的に道具を使用した痕跡が残っていたのだ。
「人類に対し、ある種悪意悪心の類を抱きやすくなっているのかな?」
「クロード。ゴブリン達はこれで全員か?」
ルイドがクロードに問うと、クロードは頷いた。
「ああ、ちゃんと全員揃っている。……よし、誰も死んでいないな。よくやってくれた」
冒険者達がクロードにゴブリンが全員揃っているのを確認すると、クロードは頷いた。冒険者達はゴブリン達を光縛呪で拘束した後、気絶したゴブリン達を外へと運び出した。
「そっちは成功した? 荷馬車持ってきたから、ゴブリン運ぶなら使っていいぞ」
冒険者達が坑道の入口に集まっていると、村人の監視に当たっていたサイラスがクロードの知らせを受け、荷馬車を引いてやってきた。
「サイラスか。村の連中の様子はどうだった?」
ルイドが尋ねると、サイラスが答えた。
「だいぶピリピリしてたが、世間話がてら、人口減少のデメリットとか解説しといたからしばらくは大丈夫だと思う。元々、仲は悪くなかったみたいやし」
「そうか」
「さて、ゴブリン起こす前にちょっと失礼……うーん、烙印とかは特にないな」
サイラスは気絶したゴブリンの一体の服を脱がせ、体を検分した。だが、呪いの紋章などの異常は見当たらない。ヘイヤーにも事前に確認したが、結果は同じだった。
「とりあえず、一人ここで起こしていいか?」
「待って。先に『解呪』をかけてみるわ」
ギャメルがヒールをかけようとすると、ロゼットが制止し、先に『真サルベーション』と『サルベーションオール』をかけた。その後、ギャメルがヒールをかけると、ゴブリンは意識を取り戻した。
「ううん……? あれ、俺は何を?」
「お。正気に戻ったみたいだな。サルベーションが効いたのかな?」
「うーん、まだなんとも言えないわ。抵抗力を高める魔法だから。サルベーション無しでもう一人起こしてみましょう」
「分かった」
ギャメルがヒールをかけてもう一人を介抱すると、そのゴブリンも正気に戻っていた。どうやらサルベーションとは関係なく、気絶から起こすと正気に戻るようだ。
「正気に戻ったようだな。あんた達はしばらく理性を失って暴れていたんだ。覚えているか? 少し俺達の話を聞いてくれ」
ルイドは起こしたゴブリン達に、村で起こったことの説明を始めた。クロードも同席していたため、ゴブリン達は首をかしげながらも、ルイド達の言葉を信じた。
●
「村長、ゴブリン達から坑道を奪い返したというのは本当か?」
「ゴブリン達が元に戻ったとも聞いたが」
全ての村人達が村長の家の前に集まっていた。セリオスは村人とゴブリンが喧嘩をしたら、いつでも割って入れるよう待機している。
冒険者達は村人に、推測を交えつつ、今分かっていることを説明した。
「見ての通りよ。彼らは正気を取り戻したわ」
「なんか迷惑かけちまったみたいだな。みんな、すまん!」
正気に戻ったゴブリン達は村人達に謝罪した。
「元に戻ったのは何よりだが……あれは一体何だったんだね? 先祖返りか?」
「また暴れ出したら困るぞ」
村人達は口々に疑問や不安を口にしている。すると、サイラスが口を開いた。
「とりあえず呪いの紋章みたいな分かりやすいものはなかった。呪いか、病気か……原因は不明。だが、俺達は状況的に人為的に誰かがこの村のゴブリンを攻撃した可能性は高いとみてる」
「なんだと?」
「ゴブリンの凶暴化はこの村だけじゃねえ。帝国のあちこちで起こってる。妙な話だろ。二国の政治が絡んだゴブリンだけに異常発生だぜ? 自然の摂理より、悪意ある人為だと考える方がしっくりこねぇか?」
ギャメルが口を挟んだ。
「し、しかし……」
「それについては、もう一つ状況証拠がある。坑道に入った時、俺達を監視している動物がいた。たぶん授恵者のペットだ。村を見張っていたのかもな」
セリオスがそう付け加えた。
「そ、そうなのか……」
「言われてる通り状況も不自然なんで、原因の有無を探るための時間をもらえねぇか? 気絶させりゃあ元に戻るみてえだから、もしまた暴れ出したら対処はできる。排除まではしないでくれ」
「識字率の低いこの村で、読み書きのできるゴブリンは貴重で、彼らから文字を学べば今後、救援の要請や村の発展に役立つはずよ。安易に排除しない方が皆の為になると思う」
ルイドとロゼットはゴブリンを排除しないよう、村人達を諭す。
「そういうわけだ。みんな、しばらく様子を見てくれんか?」
クロードが村人達に呼びかけると、村人達は頷いた。
こうして、ゴブリン達の凶暴化の根本的な原因こそ不明だったものの、冒険者達はヒューロック村の分断を阻止したのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準6 / 4〜8人
2022年12月04日 16時11分26秒 公開
相談掲示板
ウォーリア、ルイド。良しなに。 ・坑道奪還 こっちの目標はさほど難しくはねぇってことで、攻撃スキルを使わないようにだけ気を付けりゃ概ね大丈夫そうかね? 一般向けの汎用スキルや道具を使うなり、加減しながら殴るなり、その他何か試すなり、とりあえず気絶させりゃよしと。 念のため担架とヒールは持っとくわ。 ・住民説得 問題はこっちか。原因も分からねぇ以上、安易に安全性のアピールもできねぇしどうすっかな。 もし次再発した場合にどうするか、ってのが具体的に示せりゃそれがいいんだろうが……。 もうちょい考えるが、クロードとヘイヤーにゃ協力を仰ぎたい気持ち。
ヒーラーのギャメルだ。よろしく頼むぜ。 ゴブリン族の明日はどっちだー!? >坑道奪還 汎用スキルのヒュプノシスで眠らせるってのもできそうだが、オレ覚えてねぇんだよな。 オレにできそうなのは、手加減した攻撃で転ばせたりかな。 複雑な地形で地の利は相手にあるから、そのへんも気を付けていくか! >住民説得 ふわっとした雰囲気や感情だけの説得じゃ聴いてもらえそうにねぇよなぁ……。 うん! 具体的に示すの、良いと思うぜ! 現時点ではゴブリンの凶暴化の根本的な原因を取り除くことは不可能、ってあるけどよ……。 取り除くのはムリでも、旅の巫女の手がかりとかから原因がある現象だってことを証明できると良いかもな!
ヒーラーのロゼットよ。これで依頼は成立ね。よろしく。 >住民説得 原因が分かっていない以上、「これで大丈夫です」って説得は 難しそうね…。まず、暴走がゴブリン全体ではなくて、 帝国に移住したゴブリンだけに起きている症状であることを、 冒険者として説明することかな。 そういう情報は、まだ帝国の住人には伝わっていないでしょう。 ゴブリンの正体は、やっぱり悪い亜人なんだ!なんて思い込みは 防がないといけないわ。 説得とは少し違うけど、ゴブリンと共生する利益を説きましょうか。 この村は、住人の識字率が非常に低いと聞くわ。 だから読み書きのできるゴブリンに、文字を教えてもらいましょう。 読み書きは村の発展に繋がるし、もし次に同じことが起きても 冒険者ギルドへの依頼や、他所への救援を求めやすくなるはずよ。 そういう利益を説いて、ゴールディや帝国、冒険者が暴走の原因と 解決方法を見つけるまで、もう少し共生してもらえないかって。 今のところ、浮かぶのはこんな感じかな。また、考えてみるわ。 >坑道奪還 「スキルでの攻撃は禁止」は必要かな。 あと大人数への対処には道具「閃光塗弾」での目潰しも良さそう。 私はヒーラースキルに、「医療薬学」の技能も覚えているから 気絶させた後の手当や診断も、頑張らせてもらうわ。
成立助かる、あらためて良しなに頼むぜ。 >坑道奪還 ヒュプノシス、習得はできるんで俺の方で試してみようか。 戦闘中には使えねぇってことだが、奪還活動はやっぱ戦闘扱いになんのかな……ま、なった時点で加減して気絶させる形に切り替えりゃ大丈夫そうか。 地形警戒や目潰しもいいと思うわ、ここはサクッと終わらせてぇよな。 つーか、そうだ。気絶させりゃひとまずは元に戻るってのを直に住民に見せられたら説得し易くならねぇかね? 距離取って様子見してくれるだけでいいんで、何人か奪還に同行願えねぇかな。 次再発した時も、退治の前にまずはそこから試してもらえねぇかって感じで。それができる戦力自体はそれなりにありそうなんだよな、この村。 加えてなんか保険になりそうなもんがないか、考えてみるわ。 >住民説得 今回実際に依頼の手紙を出せたから冒険者が駆け付けられたわけで、識字率の面で貢献させるってのは確かにひとつ説き易いかもしれねぇ。 そこの話をクロードとかと擦り合わせる過程で、旅の巫女の存在にも繋げられるかね。 滞在中に何か言ってなかったか、住民含め軽く聞いておくか。原因があるかもって分かりゃ、それだけでも心証変わってくるよな。
シューターのモネタだ。遅ればせながらよろしく。 気絶で元に戻す、ってのはアリだな。こっちは濃煙炸弾を持っていくか。目つぶしにはなるだろう。 >住民説得 そもそもヘイヤーはなんで正気なのか、ってとこから探りたいが。 「自ら望んで帝国に移住したわけではないが」というあたりで、おそらくはかれも他のゴブリンと同じ経由で住んだのだろう。 ということは他の奴らと基本的な条件は同じだ。同じだということは、外部的な要因の差異があるはずで……それを見つければ、根本的解決は無理でも、説得のカードの一つになると思う。それも割と強い札に。
>ルイド >奪還に同行 頼むとしたら、村長のクロードさんかな。 授恵者らしいから安全なのと、住民への説得力を持つ意味で。 ゴブリンのヘイヤーは、今は疑いの目で見られそうだし。 >ゴブリンの暴走 他の依頼を見る感じ、帝国に移住したゴブリンでも暴走は 全員という訳ではないみたい。あと暴走の程度も、理性を失う レベルから、喧嘩っ早くなる程度と、異なるみたいね。 だからヘイヤーが特別って訳ではないと思うけど、何かしら、 暴走するゴブリンとは違う、条件や体質があるのかも。
おっ、人数が増えたな! 改めてよろしくー! ゴブリンに異変が起きだした半月前にいつもと違うことはなかったかも聞いてみてぇな。 全員がいっぺんにじゃなくて個人ごとにおかしくなってても、異変が起きた順番とかからも、何かわかることがあるかも! 旅の巫女をPC情報に落とし込むにはどうしたもんかな。 ヘイヤーに筆記系の手伝いを頼んで、代筆の件を引き出すとか? >気絶させれば元に戻るのを住人に見せる うん、良い案だと思うぜ! あえて狂暴なままのゴブリンを縛っておいて、住人の前で気絶させて正気に返るのを見てもらうのが安全そうだ。
No.8
サイラスだ、よろしくなー とりあえず坑道占拠してる方に関しては、暗視とか有ると良いかもなぁ、後ヒュプノシス戦闘時不可だけで無く射程1へクス未満と短いからその辺注意しようなーと。 暴走してないゴブリンの方はこの状況だとほっとくと危ないのかなー?と?物理的に排除したいひとに負い目あるから反撃し辛いのとでほっとくと殴られてそう。
No.9
んー、「冒険者の合計レベルが30もあれば十二分に鎮圧が可能。」と「ゴブリン達を倒すだけなら正直一人二人でも十分なレベルですが、問題はその先にあるため、難易度は「難しい」としました。」 と書いてあるんで俺は戦闘より村側いよか?あんまり交渉系強くは無いが戦力十分やろし、村人の前で気絶させるならその前にやってみたい事は出来るし、村人暴走した時のカバーと事前に何か仕込むとか聞き込みに回ろかと。 とりま訂正せずに連投になるがごめんなー
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえず最近の依頼通り殺さないようにどうにかしないといけないようだな 今回は坑道だから音響が響きそうだからサウンドボマーででかい音を聞かせて気絶させるでもいいとは思う。戦闘中は使えないが相手がこっちに気づいて無ければ閃光塗料弾の光と合わせ使えれば光と爆音で気絶には追い込めるのではとは思う。 相手が明かりを持てるから明かりをたどれば居場所も特定できるだろうしな まあ今回は事後のケアもしっかりしないとダメそうだが。ギャメルやロゼットの言う通り、何かが原因で暴走してると説明が必要そうだな
明日が出発ね。 坑道には「エンライト」を持ち込むわ。暗視でも良いけど、 戦力差はあるから不意はつかなくても大丈夫かと思って。 気絶後に一応の束縛で「光縛呪」を、怪我人にはヒールかけるわ。 住人への説得には、自分で挙げた村の識字率のことを使うつもり。 ギャメルが言ってる、正気に戻ったゴブリンへの聞き取りや、 ヘイヤーだけが正気のままだった理由、違いも知りたいところね。 >サウンドボマー うーん…大丈夫とは思うけど、衝撃で落盤、とか不安かな。 驚かせるならともかく、気絶するほどの大音量は心配があるわ。 鎮圧自体の難易度は「易しい」と思うから、程々で良いかなって。 >戦闘不参加 まあ可能かな。ただ人口から見て、暴走ゴブリンは30人ぐらいは いるはずだから、正気に戻ったゴブリンの誘導や管理、手当てにも 人手はあった方が良いかな、とも思うわ。 >旅の巫女 何とも言えないけど、今回は私は関わらないかな。
村長に坑道のだいたいの構造と注意点を紙に書いてくれるよう頼むぜ。 今正気の住民は字が書けないこと、手紙の代筆者がいることを知るきっかけ作りだな。 ゴブリン同士じゃ襲ってこねぇって話だから 畑のゴブ住民の隙をついて、気絶させずに拘束ってのを試みるつもりだ。 坑道奪還にも参加する。オレもエンライトでパーッと明るくいくぜ! 現時点では情報不足でオレの推測やハッタリも混じると思うが、少なくともヒューロック村の住民が分断しねぇ方向に話を持っていきたい。 実利やトラブル回避を重視した説得になりそう。 実力主義の帝国や他の土地でも、以前からゴブリン住人は多少はいるはずなのに、そっちの凶暴化の話は特に確認されてねぇよな。 それなのに何故か「皇子とドンの取引で帝国に連れて来られたゴブリンの凶暴化が最近になって頻発している」って状況の不自然さを強調してみる。
>戦闘不参加 俺も問題ねぇと思う、先のため村で対応進めてもらえるのは助かるわ。 奪還後に情報擦り合わせるプレイングも入れておくか。 >奪還 光縛呪とヒールは俺も用意しておくな。 同行・気絶での対応を見せることへの意見もありがたい。 そんじゃ同行はクロードに頼んで、光縛呪か抵抗されるなら通常のロープで拘束したやつを見てもらうわ。 ゴブリンへの聞き取りも手伝うぜ、手がかりありゃ説得に織り込んでいけるな。 >説得 次回があったらまずは気絶を頼む、ってのと。 この一連が解決するまでは念のため、紋具なんかは管理をもう少し考えてもいいかもしれねぇな、ってのと。 あと、無事穏便な形でまとまった場合に過激派だったやつらの立場がねぇような気もしたんで、そこに軽くフォロー入れておくわ。