賢者と格闘魔導師
革酎
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シナリオID:2596
オープニング
秋が深まり始めたフィルエス大森林の、とある辺境の集落。
そこに、元帝国魔導院エスタル支部長クライス・アクバーがふらりと姿を見せた。かねてより噂にその名を聞き及んでいた、ひとりのエーテル研究家を訪ねる為である。
その人物の名は、フェアロス・アーラ・アスプロス。
かつて、シルトラース帝国軍の魔法研究に協力者として携わっていたことがある人物で、当然ながら帝国魔導院とも少なからず接触があったと見て間違い無い。
帝国崩壊時、帝都シルトラースを始めとして帝国内の都市はいずれも大打撃を被った。クライスが知るところだけでも、数多くの帝国魔導院所属の研究者が命を落としている。
そんな中にあって、フェアロスが健在なのはクライスにとっても不幸中の幸いだった。
フェアロスは帝国魔導院とはそこまで強い繋がりのあった人物ではなかったとも聞いているが、それでも帝国魔導院ゆかりの数少ない存命者であることは間違い無い。
会えばきっと、何らかの情報が得られる筈だ――クライスは半ば希望的観測に近しい思案を抱きつつ、フェアロスが住むフィルエス辺境集落内へと踏み込んでいった。
フェアロスの住居は、すぐに分かった。
地元でも有名な人物らしく、道行くエルフ集落民に尋ねれば、誰もが気さくに教えてくれた。
集落の奥の方へと足を向けると、そこそこ大きな木造の家屋が見えてきた。中から、元気な乳幼児の声が聞こえてくる。
玄関口で幾分控えめに呼びかけると、中から半獣人の娘が出てきた。
クライスの用向きを受けて、娘は一度奥へと引き込んだ。それからしばらくして、長身のエルフ男性が姿を見せた。
「私がフェアロスです。貴方はどちら様でしょう?」
「帝国魔導院エスタル支部の元支部長、クライス・アクバーと申します」
クライスが名乗ると、フェアロスは端正な面に僅かな緊張の色を萌した。
●龍脈の末端
挨拶もそこそこに、クライスは己が幽界樹打倒の為に動いていることを告げた。
「私が考えるに、幽界樹と帝国魔導院は無関係ではありません。しかし二年前の帝国崩壊の折り、魔導院所属の多くの魔導研究者達が命を落とし、生き残った者も行方不明になったり、或いは帝国過激派に身を寄せるなどしている為、上手く連絡が取れる者が非常に少ない」
だから少しでも帝国魔導院に関係がありそうな者を片っ端から探して廻っている、とクライスは説明した。
「関係があると申しましても、帝国に協力していた時期があるという程度でして、そこまで深く関わっていた訳ではありません」
申し訳無さそうにいうフェアロスに対し、クライスは問題無いとばかりにかぶりを振る。
「結構です。寧ろ広く浅く、各地の魔導院と関わっていたということの方が、今の私には重要なのです」
クライスの応えに、フェアロスは訝しげな表情を返した。
曰く、クライスとしてはフェアロスが訪れたことのある帝国魔導院支部名と、各支部の建屋の形状を出来る限り思い出して欲しいという。
クライス自身は帝都の本部とエスタル支部しか知らず、他の小都市の支部に関しては余り多くを知らない。その為、フェアロスの記憶を頼りたいということらしい。
「お望みとあらば、なるべく頑張って思い出す様にしますが……とても重要なことなのですか?」
「はい。幽界樹の出現位置と派遣ルートを探る為の基礎情報になり得ますので」
そういうことならと、フェアロスはクライスの頼みを引き受けることにした。
しかし思い出すには多少の時間を要する為、何日かの猶予が欲しい。クライスは何日でも待ちますと、小さく頷き返した。
翌日、フェアロス宅で家事を取り仕切ってる半獣人の娘ライラック・アーラが、血相を変えてフェアロスの研究室に飛び込んできた。
何事かと訊くと、ライラックはクライスが近隣のエーテル溜まり周辺で中型クリーパー数体と交戦状態に入った旨を告げた。
そういえば昨日の面会の際、クライスはこの周辺を走っている龍脈の末端について訊いてきた。そこでフェアロスは、件のエーテル溜まりの真下に龍脈の末端が到達している旨を答えた。
恐らくクライスは、自分自身の目でその龍脈の末端の状況を見に行ったのだろう。
ところが、そのエーテル溜まりに程近い小集落のエルフが、恐怖に引きつった顔で慌てて逃げきた。ライラックが何事かと訊いたところ、その小集落が数体の中型クリーパーに襲撃されたらしい。
そして偶々、龍脈の末端を見に来ていたクライスが、小集落のエルフ達を助ける為に中型クリーパーの群れに挑みかかったということの様だ。
フェアロスはクライス程の人物ならば中型の一体や二体などは簡単に撃退出来るだろうと踏んでいたが、小集落のエルフ達を庇いながらでは実力が発揮出来ないかも知れぬと危惧した。
「あそこのエーテル溜まりは最近出来たばかり……まだ中型が生まれる様な段階ではない筈。恐らくは周辺を彷徨っていた中型の群れが、エーテル溜まりに呼び寄せられてしまったのでしょう……ライラック、念の為に冒険者ギルドに走って、助けてくれそうな冒険者を募ってきて下さい」
父の命を受けて、半獣人の娘は慌てて馬を駆り、近隣の町へと走った。
そしてフェアロス自身はクライスの後を追い、件のエーテル溜まりへと向かうことにした。
解説
マスターより
リプレイ
フィルエス大森林内の、とある辺境地域。
そこは大きな氏族集落とは無縁の、獣道や馬車道ばかりが走る奥深い緑の大海。いつもは静かな樹々の連なりの中、この日は常とは異なる騒がしげな響きが走っていた。
幾つも連なる馬蹄の音の端々に、魔術が炸裂する爆発音が混ざり始めた。
冒険者ギルドから借り受けた馬を走らせる五人の冒険者達は、元帝国魔導院エスタル支部長クライス・アクバーと森の賢者フェアロス・アーラ・アスプロスが三体の中型クリーパーを相手に廻して防戦に入っている深い森の一角へと馳せ参じた。
五人はそのまま、三体の中型クリーパーが暴れ狂う開けた一角へと突入してゆく。
最初に鞍上から飛び降りたのはナハティガル=ラーだ。その超人的な身のこなしで、クライスが背後に庇っているふたりの年若いエルフを両脇に抱えるや、信じ難い身のこなしで一気に離脱していった。
しかし避難させるべきエルフは、まだ他にも数名、戦闘区域内に取り残されている。
「早期に数を減らせば危険度は大分下がってウマ=アジとのお達し。もしもし亀よ、亀さんよとの啓示です」
相変わらず意味不明な台詞を放って戦闘に突入するフリーダ=ブロムヴィスト。しかし彼女の戦術行動には特段の問題も無く、素早く亀型クリーパーの真正面へと廻り、大声で怒鳴り散らしてその注意を引きつける。
普通にやっていれば有能な戦士なのだが、変な天啓とやらを口走る為、どこか色物チックな見られ方をしているのは、これもまたひとつの個性というべきか。
「父さん! そのワニ型は私が対処します!」
「何故、コルネがここに?」
フェアロスは愛用の杖を振るいながら愛娘コルネリウス・アーラの来着に心底驚いた様子だったが、実はコルネリウスも近隣の町で姉が冒険者ギルドに駆け込んできた際には、同じ様な反応を見せていた。
まさか自分が、父と姉からの依頼を受けることになろうとは、流石に思いもよらなかった。しかもこの戦いにクライスが絡んでいるというのだから、驚きは倍増だった。
父の過去を余り知らないコルネリウスとしては、クライスが関わってきたことに相当意外な思いを抱いたものだが、しかし今は目の前の敵に集中しなければならない。
「おうおう、中型が三体とは中々殺り甲斐のある依頼じゃねーか!」
ナハティガルに続いて鞍上から一気に跳躍したハヤト=ガラン=ヴォルファングが、蜥蜴型を相手に廻しているクライスの傍らへと絶妙なバランス感覚を発揮して着地。そこへ鉤爪の一撃が降りかかってきたが、ハヤトが躱すよりも早く、クライスの魔導障壁を纏った剛腕が鋭く弾き返した。
「守りは俺がやる。お前は徹底的に攻め切ってくれ」
「そいつぁありがてぇ……うるぁ! まずはテメェだ、蜥蜴野郎!」
クライスの言葉に頷き返しつつ、ハヤトは中段に構えた得物を振るって蜥蜴型との距離を一気に詰めた。
そのハヤトと入れ替わる格好で、最後に駆けつけてきたベルク・オスマットは、ワニ型と亀型の動向に注意を払いつつ、クライスの背中に呼び掛けた。
「これはクライス殿、フィルエス大森林まで態々……今回もまた、幽界樹に関わることでも?」
呑気に声をかけたのは、ベルクがクライスの実力をよく知っているからだ。クライスは庇護対象となる様な足枷さえ無ければ、単独で中型クリーパーを始末することが出来る実力の持ち主だ。
五人の冒険者達が駆けつけてきたところで、救うべきエルフ達はクライスの手から解放されたといえる。であれば、今のクライスは蜥蜴型を相手に廻して尚、雑談に応じるだけの余裕があるだろう。そして事実、クライスは敵の鋭い鉤爪を軽く捌きながらベルクにちらりと視線を流した。
「あちらにおられるアーラ殿が、今回ここを訪れた目的だ」
「なら後でじっくり、お話を伺わねば」
ベルクもまた、得物を鞘から引き抜いた。が、すぐに前へは出ない。今回は予備戦力としてやや後方に控え、戦況全体を俯瞰する役割だった。
●頼れる仲間達
それにしても、父フェアロスが後ろに控えていてくれるのがこれ程に有り難いと思うとは、コルネリウスにとっては初めての感覚だった。
勿論、家庭に於ける父親の頼もしさというものは今までにも十二分以上に感じ取っていたコルネリウスだが、冒険者或いは授恵者として戦場に立ち、その上でフェアロスの支えを受けるというのは今回が初めてだ。
フェアロスの回復支援、防御支援は一切の迷いも無ければ、タイミングのズレも無い。全てが適時、適宜に発揮され、欲しいと思ったところに確実に支援が入る。
アイコンタクトも無ければ、こちらから要請する訳でもない。常に全体の戦況を見極め、ここぞというところに的確且つ迅速に回復や防御、或いは敵への牽制等が計った様なタイミングで投入されるのだ。
もしこの敬愛する父親が敵だったらと思うと、それだけでゾッとする。
父フェアロスの戦術眼や勘所の鋭さは、壁エルフとして数多の修羅場を経験してきたコルネリウスでさえ舌を巻く程に完璧だった。
「今日は杖で殴る必要が無いので助かります」
「彼らの腕は、私から見ても折り紙付きですよ」
フェアロスとクライスの会話は単なる軽口に見えて、しかしその裏に熟練者同士の重みが横たわる。
ハヤトは蜥蜴型に疾風の如き連続攻撃を叩き込みながら、フェアロスの穏やかで、それでいて頼もし過ぎる程に頼もしい治癒師としての実力に内心で舌を巻いていた。
(うへぇ……何か話に聞いてたのと、ちょっとイメージ違うなぁ)
ハヤトの中では、コルネリウスとフェアロス本人に対してはいささか失礼ながら、例のアレが大きいという印象が一番強かったらしい。戦闘が終わればコルネリウスの義弟として挨拶に伺う腹積もりだが、どうしてもその視線は下半身に行ってしまう様な気がしていた。
同じ男として、例のアレがそんなに規格外のサイズなのかと、そんなことばかり気になっていた。
だが実際は、非常に有能な治癒師として自分達を助けてくれている。そのギャップが如何ともし難い。
「傭兵団長、手数が落ちているぞ」
「あぁ、悪ィ悪ィ……ちょっと要らんことに目が行っちまってた」
小集落のエルフ達を避難させていたナハティガルが、最後のひとりをクライスの背後から連れ出そうとした際に声をかけてきた。
ハヤトは今一度気を引き締め直して、目の前の敵に集中する。
その一方でナハティガルは小集落のエルフ達を全員、樹上の家屋内へと避難させた。絶対に屋外へは出ない様にと強くいい含め、戸締りも厳重にと念を押す。今から遠くへ避難するのは却って危険だと判断したナハティガルとコルネリウスは、屋内に閉じ籠ってじっとしていることで、肉体から放たれるエーテルの波動を少しでも抑えさせようと考えた訳だ。
クリーパーは基本的に、エーテルを狙って動く。今ここで冒険者達が派手に暴れ回ることでエーテル波動を盛大に撒き散らせば、自ずとクリーパー共は小集落の非力なエルフから注意が逸れる。その間に、この三体の敵を斃し切れば、それで良い。
発想としてはシンプルだが、恐怖に打ち震える非授恵者達を屋内に留め置くのは、意外と難しい。だからこそナハティガルやコルネリウスが圧倒的な力を誇示して、彼らに安心感を与える必要があった。
目下のところ、その方策は上手くいっている様だが。
ここで再び、フリーダが大声で怒鳴り上げた。亀型はエーテルを捕捉する感覚が妙に散漫らしく、目の前で大剣を振るっているフリーダが居るにも関わらず、時折他の冒険者に向かおうとすることがあった。
「長期戦になるのは覚悟していましたが、こうもあっちこっちに目移りされると良い迷惑です」
ナハティガルが漸く戦列に復帰出来そうなところで、フリーダも攻勢に出る構えに切り替えた。防戦一方では矢張りどうしても、敵の注意を引き続けるのは難しい。少々痛い目に遭わせて、フリーダ自身の存在感をアピールしなければならない。
「見た目の防御力は硬そうですが、毒撃ならばある程度有効でしょうか」
短期決戦には向かないが、徐々に打撃を与える攻撃は防御の硬い相手には有効だ。ナハティガルが参戦してきたところで、フリーダは強打をも駆使して戦術転換を図ることにした。
尤も、ナハティガルは姿を消し、気配を隠しての参戦だ。前衛役は依然としてフリーダの役回りである。
だがそれは、フリーダの望むところでもあった。今回は徹底して守りを固めてきたフリーダなのだから、敵の攻撃を一手に引き受けてこそ、真骨頂といえるだろう。
●完全勝利
どうやら最初に斃せそうなのは、蜥蜴型の様だ。
であれば、ベルクはその間に他の二体が蜥蜴型の援護に廻らぬ様にと牽制しなければならない。人手が足り無さそうなのは、ワニ型を抑えているコルネリウスか。
コルネリウスも小集落のエルフ達が全員屋内へ避難したことで攻勢に切り替えつつあったが、まだ今は、ワニ型の防御力を削ぎ落したところで手が止まっている。敵の体力を削るにはもうひとり、攻め手が欲しいところであった。
そこへベルクが、タイミング良く参戦してきた。
その時、不意に蜥蜴型の頭部付近で眩い光が炸裂した。ハヤトが蜥蜴型の目元に閃光塗弾を叩きつけたのだ。クリーパーはエーテルに対しては敏感だが、視覚を持っているかどうかは正直、よく分からないところがある。今回ハヤトは目眩ましのつもりで投げつけたが、結果的には逆に一瞬の注意を引く結果となった。
が、それでも構わない。要は相手の意識がハヤトから逸れれば良いのである。
「うるぁ! とっととくたばりやがれ!」
防御の弱そうな部位に次々と刃を叩き込み、動きを封じる。そこへクライスの超絶的な破壊力を帯びた魔導障壁の蹴りが飛んできた。
蜥蜴型の胴部に、穴が空いた。その体内へ飛び込む格好でハヤトも一気に間合いを詰める。鋭い剣戟が外皮ではなく、大きく穿たれた胴部の内側から襲い掛かった。
轟音を響かせて崩れ落ちる蜥蜴型。
ここで戦局が俄かに冒険者側へと傾き始めた。
そしてクライスはワニ型へ、ハヤトは亀型へ。
コルネリウスは、クライスが魔導障壁を伴った拳をワニ型の脇腹へと叩き込んだ様子を見て、自身が仕掛けた破鎧砕が有効だったことを改めて知った。
更にベルクも背後からワニ型の足元を強襲。敵の動きが途端に鈍った。
「ありがとうございます、クライスさん。もしクライスさんが居て下さらなかったら、傷ついたひとが多く出たことでしょう」
「礼なら父君に。俺もアーラ師にエーテル溜まりの話を聞いていなかったら、彼らを救うことも出来なかったからな」
照れ隠しでもなければ、忖度でもない。クライスは本音で、フェアロスの助言が今回の救出劇に繋がったと応じた。コルネリウスは若干、こそばゆい気分だった。
「さて、さっさと仕留めようではないか、御両人」
ベルクに促され、コルネリウスも攻撃へと思考を切り替えた。
それから一分もしないうちに、ワニ型は沈黙した。
念の為に、とベルクはワニ型の首をも斬り落とす。変なタイミングで息を吹き返されては堪ったものではないだろう。
そしてほぼ同時に、亀型も決着の時を見ようとしていた。
フリーダとナハティガルで動きを封じ、ハヤトが縦横無尽に駆け巡って露出している四肢に攻撃を仕掛けるという戦術で徐々に打撃を加えつつあったのだが、フェアロスの支援で亀型の防御力が大幅に落ちたところで、フリーダとナハティガルも攻勢に転じたのである。
最初は硬い甲羅に手こずっていた冒険者達だったが、今ではその甲羅もあちこちが砕け、打撃が十分に通り始めている。
「一気に仕留め切るぞ」
それまで気配を殺しつつ攻撃を繰り出し続けていたナハティガルが、敵の注意を引くことも厭わずに必殺のコンビネーションを繰り出した。小型クリーパーならその半分の威力だけでも雲散霧消する程の威力が、亀型の頭部に襲い掛かる。
亀型クリーパーは堪らず、吠えた。爬虫類が吠えるというのは余りイメージには無いのだが、姿が爬虫類というだけで、この敵はクリーパーなのだ。どの様な行動を見せても決して不思議ではない。
そして遂に、斃れた。
守りの硬い厄介な敵ではあったが、下手に奇をてらわず、シンプルに敵の防御力と体力を削り続ける正攻法で挑んだのが吉と出た。
「どれ、こいつも念の為」
蜥蜴型の首を斬り落としていたベルクが、動かなくなった亀型の頭部にも手をかけた。
三体の中型クリーパーは、無事に撃退が為った。
「……それにしても、これら三体がここへ来たのは、本当に偶然でしょうか?」
何者かの仕込みかとも疑ったフリーダだったが、流石にそれは考え過ぎだった。
●戦い終えて
三体の中型クリーパーを討伐した後、コルネリウスは当該の小集落民達に、このままここで生活するのは危険だと触れて廻った。
すぐ近くにエーテル溜まりがある様な場所での生活は、流石に恐ろしい。その事実は小集落民達もすぐに理解した様で、早いうちに他所へ移ると頷き返していた。
一方、ベルクはクライスがフェアロス宅を訪れた目的を聞き、今回は帝国過激派絡みではなかったことを改めて知った。その上で彼女は、クライスが望む情報を絵図にしてはどうかと提案した。
「何なら我が、お手伝いをしても良い。何故そんなことが出来るかというと……」
ベルクはゴールディでの生活で得た技術の一環だと苦笑を漏らした。
裏社会では似顔絵や風景画、地図の書き起こしなどの需要が少なからずあるらしい。尤も、何の需要かは、ここではいえなかったが。
「相手から聞いた特徴を、僅かな情報からでも描き起こすのは裏じゃ重宝される技能のひとつですからね」
「そうか、では折角だから頼むことにしよう」
クライスはベルクを伴い、改めてフェアロスに依頼の件を申し入れた。
丁度その時ハヤトがクライスの下半身に意識を奪われつつ、自己紹介をしているところだった。
「コルネさんからは義理の弟として可愛がってもらってまっす!」
ところがそのハヤトはコルネリウスに耳を引っ張られて、どこかへ連れ去られた。恐らく、変なところばっかり見るんじゃないと、裏で説教されていたのだろう。
しかしながら元凶は、何かにつけて『父さんの方が大きい』と吹聴して廻っていたコルネリウス自身だ。そのうち彼女も、フェアロスから大目玉を喰らうだろうが、それはまた、別の話。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜5人
2022年11月15日 10時55分45秒 公開
相談掲示板
ウォーリアのコルネリウスです、よろしくお願いします。ええっと、私の父さんからの依頼…ですね。取り急ぎ。 大まかに、集落エルフを護りを中心にする方と、攻勢をかける方で分かれつつ動ければ良いかなと。 父さんがどのように動くか解らないのですけれど、ヒーラーなのでサポートはお願いできるかも…と思います。
シーフのナハティガル=ラーだ。――今回は宜しく頼む。 >初動 まずはクライスが庇っている数名の非授恵者エルフを保護。集落内に避難させると同時に、他の集落民も家屋内へと避難誘導した方が良いかもしれんな。 とりあえず、問題なければ俺は避難誘導の方に周ろうかと思う。 避難に目途が着いたらクリーパーへの攻撃に加勢するつもりだ。
>初動 そうですね、クライスさんの行動も自由が利きませんし保護は優先事項ですから、ナハティガルさんの仰ってくださるように避難誘導を行うのが良いと思います。 私はどこへ回っても大丈夫なのですが、ひとまず避難が無事に終わるまで敵の抑えを行います。
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 我は敵の抑えの補助に回ろうと思う。 所為牽制と攪乱だな。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 >行動 基本的にはシーザーロアで注意を引く形を取る予定です。 幸い今回はウォーリアは2名ですし、それぞれ1体ずつ確保した上で残った敵1体を早期に撃破、 後は前衛が抑えつつ各個撃破で問題なく行けると思います。 あと、見た目が亀っぽいのは恐らく長期戦になるでしょうから、 早期撃破する対象は蜥蜴かワニのどちらかが良いかもしれません。
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! んじゃ、俺はまずは蜥蜴を速攻撃破する形でアタッカーとして動くことにすんぜ!!
アタッカーと抑えで3名+父さんもいますから、私も避難誘導に周って安全確保を早急に行ってから合流しようかな、と思っています。 もし最初から抑え側に回ったほうが良い、というご意見あれば仰って頂ければそのようにしますね。