【豊穣】近くて遠い収穫祭【再起】
馬車猪
コメント 20
シナリオID:2582
オープニング
収穫期になっているのに萎びていた芋と葉が、微かではあるが潤っている。
このまま変化するなら1日から数日後には畑全体が豊作そのものの姿に変わるだろう。
エーテル浄化者が緊張を解き、額の汗をぬぐって振り返る。
「ご苦労様」
応える代官は鷹揚態度でも身に纏う気配が強烈だ。
実力主義が国是の帝国の民には理解がし易すぎて、不満はいくらでもあるのに村長も村人も彼女が支配者だと認めてしまった。
●
「あざっしたー!」
エーテル浄化者の態度は儀式のときとは正反対に軽い。報酬が良かったのだ。
ほくほく顔で足取り軽く、しかし絶対に振り返らずに代官から離れて帰路につく。
「あの……」
戸惑う村長を、セニャの部下が穏やかだが有無を言わせぬ態度で下がらせる。
人払いが完璧であることを何度も確かめてから、腹心が主君に対してうなずいた。
「勘弁してよもう」
セニャの表情が崩れて泣き出す寸前だ。
つい数分前の支配者面と同一人物とは思えない。
「半壊した国に乗り込む時点で覚悟してたけど……」
面積あたりで実家の半分以下の予想収穫量が実際にはさらに下だった。
「ですがセニアーラ様、『豊穣の雫』が届けられていますので……」
気心の知れた腹心が、つい昔の呼び方をしてしまう。
「今はセニャよ。……そうね、『豊穣の雫』があるから今年の収穫はなんとかなりそうね」
セニャの表情がますます暗くなる。
「こんなご都合主義な魔法のアイテムを無償で提供できるにクーネ・ルウって何者よ」
食糧危機を克服するというのは巨大すぎる功績だ。
なのにクーネは無造作に功績を提供した。
「王国にもそういう部分はあったけど、帝国でも貴族や民には明かされていない情報があるみたいね」
(セニアーラ様!)
(ごめん。ありがとう)
慌ててテレパスに切り替える。
声にするには危険な内容だった。
(このままだと帝国上層の権力闘争に巻きこまれる可能性が……いえ、そうなるならまだマシかしら)
少し冷静さを取り戻したつもりだが実際はまだ混乱もしている。
(クーネ・ルウの方針が人間離れしている気がするのよ。ひょっとしたら中身も……)
セニャの思考が危険な方向に向かおうとしたとき、暖かな紅茶が用意される。
マジカルポケットに保存されていたものなので香りは豊かで温度も絶妙なままだ。
セニャは『豊穣の雫』を掲げる。
見た目は液体とエーテル石が入った緑色の小瓶だ。
小瓶には術式らしきものが記されてはいるが、専門知識のないセニャにはどんな内容かは分からない。
「今手元にある『豊穣の雫』を有効に使うなら開拓村1つに1つずつ……なのだけど」
言葉を声に出して考えをまとめる。
「エーテル浄化者を手配できないのよね」
ため息をつく代わりに紅茶を飲む。
「冒険者の皆さんが狩りに狩ったとはいえ、セニアーラ様の担当地域のほとんどはヴィント周辺とは比べものにならないくらいに危険ですから」
メイドは軽食の準備を整えながら遠慮のない意見を述べる。
エーテル浄化者も命は惜しい。
魔獣や荒っぽい住民がいる土地に出向くなら冒険者のような強力な護衛を欲しがる。そして冒険者が4人もいればエーテル浄化者がいなくても儀式ができてしまうのだ。
「冒険者に頼りきりにはなりたくなかったのだけど……」
紅茶を飲み干したセニャは、ため息をついて軽食にとりかかる。
疲れた体が、なかなか受け付けてくれなかった。
●
萎びた芋畑の近くを大柄ビヒモーが歩いている。
「うーっす!」
リットの雑な挨拶に村人の緊張が高まる。
彼はスラムから成り上がった立志伝寸前の人物であり、賊と害獣に対する容赦のなさで知られている。
「元気かおめーら! 畑からつまみぐいしてねーだろーなー?」
難民キャンプでは必死に開墾して生き延びていたこともあるので農業にもうるさい。
「こりゃぁ旦那」
村長がもみ手をしながら近づいて来る。
元犯罪者やちんぴらをある程度とはいえ統率して村人の真似事をさせられるだけあり、村長も脛に傷を持つ身だ。
「今日も食料で?」
「今日で今年の分は最後らしいぜ。そんな顔すんなよ。冒険者がなんとかしてくれるからよ。たぶん」
リットの頭ではエーテルがどうとか『豊穣の雫』がなんだとかは理解できない。
何もない場所でリットの命を救い人生を切り開く術を教えてくれた冒険者を信じているだけだ。
「代官のねーちゃんもいるしなんとかなるだろ。……最悪でもヴィントに逃げ帰ればいいんだから難民キャンプよりは気楽だぜ?」
後半の言葉は村長にだけ聞こえるような小声だ。
「正直、何考えているか分からない王国人よりあんたが上に立って欲しいんですがね」
それは野心と猜疑心を育てるための毒であり、村長の本音でもある。
「そーゆーのは冒険者に言えよ。俺じゃあ力が全然足りねーよ」
リットの反応は淡白だ。
代官の業務については知らないが、難民キャンプの維持に苦闘していた帝国貴族令嬢達を思い出せばどれほど苛酷かは容易に想像できる。
リットは、帝国の混乱がおさまるまで冒険者が仕官などできないことを知らなかった。
●
「帝国復興関連依頼です!」
冒険者ギルドに受付嬢の元気な声が響く。
「村を5つくらい回って『豊穣の雫』の儀式をする依頼です!」
簡単に言っているが実行には困難が伴う。
『豊穣の雫』はエーテル石を加工したものであり、エーテルが豊富なそれはクリーパーにとって大変魅力的だ。
「場所は帝国の田舎です!」
冒険者が魔獣の駆除を繰り返したので現時点では比較的安全ではある。
しかし危険地帯とも隣接していて、儀式を繰り返せばクリーパーが侵入してくる可能性もある。
「農家の人達も困っていると思います! 畑を回復してあげて、収穫祭を開けるようしてあげてください!」
妻帯者はもちろん女性が全く存在しない村があるほど治安が悪い。
畑復活の儀式、クリーパーの撃退、その他なんでもできる、やたらと自由度が高い依頼であった。
解説
マスターより
リプレイ
「化粧は落としちゃうよー」
アルマ・ヴァレンタインはセニャの言うことを聞くけど聞かない。
「この前もだけどセニャさんお疲れもーどみたいだし」
目のクマを隠している部分が特に濃い。
「無理矢理にげようとすると本とか書類とかに被害がでちゃうかもー」
ここは丘の砦にある代官の私室。
腹心2人もこの件に関してはアルマの味方だ。
「そーい!」
寝台に放り投げる。
シーツも布団も枕もアルマが取り替えたものであり品格と品質も大陸水準で一級品だ。
「そんな疲れが見える様子じゃ、かえって気を遣ってしまうわ。今回は私たちに任せてちょうだい」
ロゼットは私室には入らず、しかし遠慮なしで本音を伝える。
セニャは文句を言おうとして睡魔に負けた。
●
「中断はしない方がいいと思います……」
祈りの体勢のリディリディ・トゥラ・イェレミースは控えめなのに行動は強気だ。
優れた学識の持ちであり高位のキャスターでもあるので当然といえば当然だが。
「派手なのが来たわね」
アウレーリア・フォン・ネーベルベルクは空を見上げる。
大空と比べれば砂粒1つのように小さな鷲型クリーパーが、急降下にしては大したことのない速度で突っ込んでくる。
「上から敵襲よ」
仲間に伝える声に術をのせて発動させる。
重力場でも炎の檻でもない、初心者キャスターでも使える澱嵐だ。
しかしその数はなんと3。
高速で飛べても攻撃は白兵しかできない鷲は、稲妻うごめく空間複数に囲まれてその速度を実質半減させられた。
「今回は儀式要員のつもりでしたが」
フリーダ=ブロムヴィストは危険も意義も正確に認識した上でいつもの態度だ。
「引きつけますね」
態度は変わらなくても戦意は十分。
初撃は弾かれたが2度目での術が効果を顕す。
クリーパーはフリーダを攻撃しようとはしたが速度が落ちているので接触するので精一杯だ。
「飛ぶ敵は逃がすと怖いしボク達が消耗しても危ないから出し惜しみなくいくよー!」
アルマの小さな体から放たれる気配の強さはこの地の住民を恐れさせる代官と同レベルだ。
それは威圧ではなく力添えをする方向で作用して、儀式の場にいる全員の能力を大きく上昇させる。
「護衛は俺が務める。皆は儀式に集中してくれ」
アルベルト・V・シュタールシュヴェーアトは巨大な両手剣を振り下ろす。
漆黒の刃は空振りではなく不可視の衝撃を飛ばす技だ。
通常時でも強力な打撃がアルマの術による強化と攻撃集中による強化の両方より凄まじい威力になる。
羽を1つ断つのも困難なはずの鷲が、肩から胸にかけて深い傷を刻まれた。
「なかなか強力ですね」
フリーダの発言には2つの意味がある。
中型クリーパーに有効な威力ということあり、怒り狂った敵がフリーダに激しく反撃してきたという意味でもある。
(畑を戦闘に巻き込めばなんの意味もありませんので、畑への被害は極力避ける様にしましょう)
希少な金属をふんだんに使った丸盾で受け流す。
アルベルトの得意が攻撃力ならフリーダは防御力だ。
防御に成功するだけでなく、防御成功時に発生した衝撃は骨や内臓にまで届かず防ぎきる。
「ようやく来たか。豊穣の儀も何だかよく分かンねえし退屈だったんだ」
アーテミシアは竜骨の戦槌を構えて鷲の頭に振り下ろす。
その手応えは激しく、頭蓋に新たなひびを入れ、脳にあたる部位に小さくない被害を与えた感触がある。
攻撃は1度では終わらない。
鷲がフリーダに執着していることを気にもせずに容赦なく戦槌を叩き込む。
アーテミシアはエルフらしく体型は優美であるのに動きの力強さはドワーフ戦士そのものだ。
敵が執着から抜け出す。
もともと状態異常への対抗は並以上にはあるのだ。状態異常から回復するための時間も短い。
斜め上へ飛んで即座に反転。高度を速度に足すことで猛加速し、盾を持たないアーテミシアを狙う。
戦槌は防御には向いていないがアーテミシアは籠手がある。
多数の曲面装甲からなる籠手を盾として扱い、力強い鉤爪を防いで拮抗する。
(これで決まればいいがよ)
アーテミシアは輪にしたロープを操り非常に大きな鳥を捕まえようとする。
最悪でも自身が重りになって逃亡を防ぐ策だが、冒険者の武器でもないそれは頑丈さも威力も使い易さも足りない。
「それならそれで構わねぇ。これだけデカけりゃ食いごたえがありそうだな。焼き鳥にして今日の晩飯に並べてやるぜ」
策から正攻法に切り替え、分厚い装甲で打撃を防ぎながら自身の打撃をぶつける。
武器の扱いがとても巧みで、非常に高い防御と強い攻撃力を兼ね備えていた。
「皆さん! 援護します!」
ダニエル・ヘリントンは冒険者としては新人だ。
しかし癒し手としての能力は万全だ。
複数種類の治癒術をほぼ同じタイミングで使うことで治療速度が異常なほどの域に到達している。
(完全に防いでいるのにこれほどのダメージが)
防いでも特別な頑丈さがなければ防御側にはダメージが残るのだ。
防御失敗時と比べれば小さなダメージではあるが、敵側の攻撃力が高ければ残るダメージも大きくなる。
(強い)
敵も味方もだ。
急速に強くなり続けるダニエルは、今後戦う事になるだろう強敵のことを思い無意識に力強い表情をしていた。
「そっちへ逃げたぞ!」
アーテミシアのスキルを振り切り鷲が飛ぶ。
これまで誰が冒険者を癒やしているか気付き、武装しているとはいえ冒険者前衛と比べれば脆そうなダニエルをまず殺そうとする。
アウレーリアの術が削るがまだ倒しきるには足りない。
「歪みが……なさすぎます!」
竜鱗の盾を前に、そのやや後ろに竜石の祭刀を構え、ダニエルは他者への治療を継続する。
敵から攻撃を受けても倒れてやるものかという覚悟と、それを実現するため積み上げた修練の結実だ。
もっとも、ダニエル以外にも冒険者が大勢いるので鷲は追いつかれ食い止められ各種武器と術で滅多打ちにされる。
「仕方ないね」
ダニエルは微かに息を吐いて苦笑する。
治癒術を使い切るまでに、鷲は翼を奪われ地面に墜ちた。
●
冒険者における美男美女率は高い。
その中でもリディリディは特に目立つ存在だ。
(そろそろですね。おなかがすきました)
独特な性格を知らない村人だけでなく、ある程度察しているリットからも熱い視線を向けられている。
アルマは言葉とも音楽ともとれる音を口から出している。
フリーダが何かに気づいて瞬きしているが浄化の儀式に影響はない。
同じく儀式に参加したダニエルは、万が一にも儀式が失敗しないよう徹底的に精神集中している。
「この地にエーテルの恵みがありますように……」
ロゼットはヒーラーらしいヒーラーだ。
シグモル火山帯の出身であり神官として厳しい教育を受けているので、効果はもちろん見た目の説得力が特に強い。
瓶の封を解く。
確かな力が宙に広がって、畑を癒やすための力として土と作物に吸い込まれた。
ロゼットは祈りを止めて立ち上がる。
村人に振り向き成功を宣言すると、混じりっけなしの喜びと感性が爆発した。
(豊穣の雫は使い捨てよね。使った後、ひとつ貰えればよかったのだけど)
代官も欲しがってはいたが全て帝国返還するつもりらしい。
(特別な技術だろうけど材料のエーテル石と比べれば普通。だから凄いともいえるわね)
ロゼットは小さな紙を取り出し、魔法知識と紋章知識を活かして『豊穣の雫』の外見を細かな部分まで正確に書き記した。
●
村人は混乱している。
いかにも帝国貴族という外見で、カリスマがあり話術にも長けたアルベルトがいきなりぶちかましたのだ。
「村の皆さん。セニャの国籍だが、セニャは俺の婚約者になった以上、帝国人として帝国に骨を埋める覚悟で来ているんだ。皆も受け入れてくれ」
「代官様の旦那だって?」
「国際結婚?」
(村の人達に不満の色が強いですね。『自由度の高い依頼ですが短縮要素は少なめです』という啓示は、何もしなくても事態が収まるということなのかそれとも……)
フリーダは表情はそのままに内心では深刻に考えている。
「話はセニャの婚約者の俺が聞く、意見があるなら遠慮なく話してくれ。セニャには俺がよく言って聞かせる」
男が上で女が下と解釈されてしまう。
侯爵としても侯爵領代官としてもまだ候補でしかないアルベルトと現役帝国代官セニャのどちらが偉いと見るかは人によって違うが、学も綺麗な経歴も持たない村人達はこういう理解をしてしまった。
アーテミシアが村人に意識を向けたのは少しの間だけだ。
中型クリーパーの死体が入る川は近くないので木に吊して内臓を取り除いて風に当てて冷やす。
「コイツは食えるかねえ。あンまり美味そうじゃねえな」
しかし食える。栄養にはなる。
セニャの部下が察して強い酒の小瓶と岩塩を持たせてくれたの楽しめるはずだ。
(大抵の奴はメシが食えて暖まれれば満足するけど、さて)
セニャに対する反発がどこから来ているか、調査しないと分からない。
「冬を越せるかの瀬戸際、神経をとがらせるのも仕方がないわ」
ロゼットは村人を宥めている。
(代官は十代半ばの少女でもあるのだから長い目で見てあげましょう)
村人達がセニャを舐めることになりかねないので、口には出さなかった。
フリーダはアルベルトの護衛のふりをしている。
(状況的にやむを得ない点を考慮しても不満が出るのは仕方ありません)
村人の不満を根気よく聞き取っているアルベルトの背後で、物わかりの良い貴族の甘い部下を装う。
「幸いこちらには代官様の婚約者もいる事ですし、住民からの要望とあれば聞いてくれる可能性は高いと思います」
村人はその気になっている。
本人の性格と価値観を知るフリーダは、アルベルトの目的が達成できる可能性はあっても村人の望みが叶う可能性は極小であるとほとんど確信を持っていた。
●
(急ぐべきではあるけど)
ロゼットは術で村人の治療を行う。
クリーパーに直接襲われた者はいないが、混乱で怪我をした者は結構な数いる。
「軽傷なら包帯を巻いてね」
他の村も儀式が必要だ。1つの村に留まり続けるのは不可能だった。
普通の馬を上回る速度で駆けている間も息の乱れはない。
「『豊穣の雫』が気前の良すぎる話だというのは分かるのよね……」
ロゼットが言葉を零す。
この地で出迎えたセニャが『豊穣の雫』に複雑な視線を向けていた。
(汚染された土地の浄化ではなく純粋に豊作をもたらすもので、帝国や王国、どこでも使えて代償も特に無いのでしょう。今は利用するしかないけれど、注意はしておいた方が良いかしら)
備えをせずに脅威に襲われるのが最悪の展開なのだ。杞憂で済むなら全く問題はない。
(どこも楽じゃないわよねぇ……)
同じく駆けているアウレーリアは、セニャと似たような立場にある家令のことを考える。
復興現場の担当者は疲労困憊だ。
実家に戻ったときはアウレーリアも過労で倒れる寸前の仕事量をこなしている。
(セニャに回される土地を見れば、『うち』がまだ割と恵まれている方だと分かる)
ある程度住民と人材が残ったネーベルベルクと、土地しか残っていない危険地域では難易度が違う。
(実際のところ、復興には身体が十あっても足りないのが現状。王国人だろうが何人だろうが、進んでやってくれる人がいるだけありがたい。理解できるのは皇子か貴族か文官だけでしょうけど)
大部分の人類は生活と生業のための知識しか持っていない。
あの村でも、筋の通った要望ならアウレーリアからセニャに伝えることを約束するつもりだったが、試しに聞いた要望が自身の欲望を叶えるための内容しかなかった。
(まぁ、多少強権的なのは私も人の事言えないから代官の気持ちは分かる)
アウレーリアはそう思うのと同時に、復興後は他者に引き渡す予定だから鞭を多用し飴を最低限にしているのかもと推測する。
(将来的に自治が可能な程度にも調整できるかどうか……)
アウレーリアは勘違いはしない。
セニャが動く帝国復興にかかわるのは我欲が6割で義理が3割。公益は1割にも満たないのだ。
●
「遅かったか!」
アルベルトが奥歯を噛みしめる。
儀式と鷲型クリーパーのどちらがきっかけになったのかは分からないが、2つの村でモグラの襲撃が発生した。
1つは近くにいた冒険者が倒し、もう1つは狼煙で知らされ急行したセニャによって倒した。
その結果が寝る前より顔色を青くした婚約者だ。
「セニャ! 大丈夫か!」
駆け寄り抱き上げようとするアルベルトを護衛が遮る。
「……セニャ、統治者として厳しさは当然必要だが、優しさも必要だ。セニャのやり方を否定しないが、剛柔合わせてやってみたらどうだ?」
「その分あなたの領地に剛くあたることになるわ。それは嫌でしょう?」
飴の数は限られていると、余裕のないセニャは本音を言ってしまう。
「おはなしすんだー? ならのせちゃうねー」
アルマはもう1人のメイドと協力してセニャを荷馬車に運び込む。
敷いているのは高級寝具ではなくただの毛布だが地面や床よりはずっとマシだ。
(セニャさんの実家とぜんぜんちがうねー)
敵の気配がなくなった村を見渡し、むぅと唸る。
土が痩せ、設備が貧弱で、何より農家の技術が未熟だ。
「農家初心者な村人さんに教えてくるねー」
友に大人しくしているよう目で伝え、アルマは荷馬車も黒アルパカも一時預けて村の中へ向かう。
(道具も少し持って来ているから使ってもらって農業のイロハ的なのもレクチャー……できるといいなあ)
難易度はとても高そうだ。
●
(村の方々からの様子ではリットさんに陣頭に欲しいようですが、リットさんはあまり意欲的ではなさそうですね。私のように活動的ではない性格ではないという理由でもなさそうです。良い経験になると思いますし、少し背中を押してあげるのも良いかもしれませんね。授恵者というのは利用されやすい人材でもあります。どんな風に自分が動かされるのかを学ぶ切欠となれば良いのです)
リディリディはリットに好意を抱いている訳ではない。
が、好みの女性に少し丁寧に扱われるだけで勘違してしまうのがこの年代の男である。
「リットさんが上に立つ……、別に良いのではないでしょうか。『上に立つ』というと大袈裟かもしれませんが、村長があなたの方に率いてもらいたいという理由はわかるでしょう。実際に行うことは何が必要なのか村の人たちが意見をまとめてくれるでしょうから、そんなに難しいものではないと思いますよ」
リディリディの具体的な忠告と説明に、リットが徐々にその気になっていく。
「まあ儀式が終わったらこの村々も落ち着くでしょうから、機会を逃した訳ですが」
リットがずっこける。
しかし昨日までとは違い、出世を目指すという選択肢がリットの中にうまれていた。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年11月08日 10時31分04秒 公開
参加者
相談掲示板
ああ、揃ったか。ウォリアーのアーテミシアだ。 で、どうすンだ。儀式やるやつと敵をブッ飛ばす奴に分かれりゃいいのか? それならオレは敵の方へ行くけど
ヒーラーのロゼットよ。 北の村から時計回りにぐるっと巡回して、 最後に中央、丘のふもとにある村って感じかな? >どうする? そうね。アーテミシアの言うように、 儀式要員と護衛要員に分かれるのはどうかしら? 儀式の間は、集中で身動きが取りづらいようだし、 儀式に集中する人と、それを護衛する人に分ける感じで。 どちらかに希望者が偏るなら、足りない側に セニャや彼女の部下に参加をお願いするとか。 できれば、冒険者だけで完遂したくはあるけど。 とりあえず提案まで。 私は儀式要員、護衛要員、どちらでも構わないわ。
No.3
キャスターのリディリディです。 よろしくお願いします。 私は村の慰撫やリットさんの方にと思っていましたが、 ギルドからの依頼は儀式の成功になるのですね。 でしたら、儀式要員として向かいたいと思います。
ウォーリアのアルベルトだ。 よろしくな。 今回、俺は村の慰撫に向かうつもりだ。 俺の婚約者の件で村人の不満が溜まりつつあるみたいだからな。
状況がよく分かってないリットだ! よろしく!! 俺が分かることなら答えるけど、俺の分かることしか答えられないんでごめんなさい。
目的は「『豊穣の雫』の儀式を5回成功させること」だから、 儀式に必要な最低4人の授恵者と、儀式に寄ってきそうな クリーパーに対処してくれる護衛の人が、何人か欲しいと思う。 儀式は『豊穣の雫』を1つ誰かが持って、10分ぐらい豊作祈願の お祈りをする感じで完了するから、他のこともできると思うわ。 個人的には、冒険者は儀式か護衛のどちらかには参加して、 それ以外の「村の慰撫」や「NPCとの交流」は各自の自由に してもらったら良いんじゃないかなって思うけど…どうかしら。 強制はしないから、人が集まらないならNPCに要請するけど、 どうもセニャは疲労が溜まってるみたいだから、お休みして もらった方が良いのかな?とも思うわ。 >リディリディ 儀式は各村で10分だし、村を巡る間に慰撫も行うとか、 儀式の後でリットに会いに行くとかは可能じゃないかな。 >リット【質問】 「友軍」のうちセニャは、自動で村巡りに付いてくるのかしら。 なんだか、お疲れの様子だから気になって。 >>今の希望 ・儀式要員(最低4人、不足したらNPCに要請) リディリディ ロゼット ・護衛要員(儀式中の安全確保、クリーパー対応) アーテミシア
No.7
ロゼットさんはありがとうございます。 なるほど・・・。 わかりました。 それでは、私は儀式の後にリットさんに会いに行くようにします。 余裕があれば村の様子も見に来ますが、よく考えれば私は慰撫することには向いていないかもしれませんね・・・。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 >担当 それではこちらは護衛要員として動こうと思いますが、 人数によっては儀式要員に動く事も視野に入れようかと。 その後の行動についてはまだ未定です。
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー >担当 どちらか決めちゃったほうが早そうだしボクは儀式の方にまわるねー 終わったあとは田んぼ…じゃなかった畑の様子を見に行こうかなと
【回答】代官のねーちゃんに、何をどう言うかによるんじゃねーかな。
慰撫するのに原因連れて行ったら逆効果じゃねーの? アレが頭下げてサーセンとでも言えば多少は効くかもしれねーけど、ぜってーやらねえだろうし根本的な解決にゃならねーだろ それなら部下の方がマシだな
俺は、基本は護衛要員として動くことにするぜ。 各村で儀式が終わった後で村人を慰撫しようかな 俺は、セニャは休んでもらうつもりでいたぜ(かなり疲れてるみたいだしな)
ヒーラーのダニエル・ヘリントンです よろしくお願いします 今回、僕は護衛要員として皆さんの回復に努めたいと思います
ならセニャには友軍の要請はせず、休んでもらいましょうか。 素直に休んでくれる性格か、ちょっと分からないけれど 縁のある人からの言葉か、上手く理由を付ければ休んでくれるかな。 >>今の希望 ・儀式要員(最低4人、不足したらNPCに要請) リディリディ ロゼット アルマ ・護衛要員(儀式中の安全確保、クリーパー対応) アーテミシア フリーダ アルベルト ダニエル 今はこうね。儀式要員が4人に満たない場合は、 セニャの部下か、リットに助っ人をお願いしないといけないわね。 あと敵のうち、鷲型クリーパーは儀式要員を優先して狙って きそうだから、護衛要員の人には対処をお願いしたいわ。
顔出しが遅くなりました、キャスターのアウレーリアです。 目下、儀式要員が不足気味ですか。 私が入るのが一番素直ですが、護衛要員が近接に偏っていそうなのが懸念材料。 一体だけとは言え、飛行する敵がいるなら射撃要員が護衛にいた方が良いのかも。 今の希望者で対空はちょっと、という感じでしたら護衛に回ります。 あと、私も帝国出身なので慰撫には参加しますね。 ただ宥めるだけじゃなく、セニャの印象改善まで出来ると良いのですが。
>ロゼットさん セニャには俺から休むように伝えてみるよ。 >ネーデルベルクさん 俺は『衝撃刃4』を持っていくつもりだから、一応対空は可能なはずだぜ
一応、もし儀式要員が4人に満たない場合は、 リットに助っ人をお願いするようにしておきましょうか。 アウレーリアは判断に迷ったら、自分の希望で選べるように。 対空戦になりそうな鷲型クリーパーは、気にはなってたから。 リディリディはリットに会いに行くようだから、 儀式で一緒になっても損にはならないかなって。
オレも一応衝撃刃は持つか。3までしかねえけどな 後はまあ、どうにかこうにかやりようはあるぜ。割と賭けではあるけど オレは護衛に専念するから他のことは任せるわ
>編成 それでしたらこちらは儀式要員に変更することにします。 衝撃刃もあるにはありますが、キャスターが護衛にいた方が選択肢は多いでしょうし。
>編制 承知いたしました、それでは私が代替で護衛に入ります。 衝撃刃の支援は大いに歓迎です。射程に限りがあることでしょうから、引き寄せて叩きましょう。 BS耐性が高いようですが、一応行動不能での墜落も狙うだけ狙ってみようかと思います。 >>今の希望 ・儀式要員(最低4人、不足したらNPCに要請) リディリディ ロゼット アルマ フリーダ ・護衛要員(儀式中の安全確保、クリーパー対応) アーテミシア アルベルト ダニエル アウレーリア