【豊穣】ハッシリ村の秋祭り!
椿油
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シナリオID:2518
オープニング
ハッシリ村。シラー砂漠近くにあり、リーンエス王国との中間地点でここ最近は少しずつ催しも増やしてきている。それも最近は全て村長ミルキーの提案であった。前村長キーオスの代からある有名な催しと言えば札の縁結びだが、それを夏季冬季の二季開催へと変えたのもミルキーである。
「それでさ、秋のお祭り一個増やそうと思うんだ。冒険者も招いて」
妻のソフィネに提案するミルキー。
「いいね、それでどんなお祭り?」
「収穫を祝うお祭りだ! その名も秋祭り!」
ミルキーはドンと胸を叩いた。
「……そのまんま過ぎない?」
ソフィネの疑問もありつつ、大体の催しの内容は決まった。酒を飲み(未成年はジュース)、美味しい肉を食べて秋の訪れを祝うのだ。勿論秋の野菜もたっぷりある。
「っていう感じなんだけど……肝心の肉が来なくてな?」
「え、お祭りの肝じゃない」
メインディッシュの肉の到着が遅れているとなると、野盗の仕業だろうか。二人は考える。そういえば秋のお祭りはもう一個あって、名を西の市と言う。その時にも元野盗・現授恵者であるダオシエが西の市に来ていたのをふと思い出した。
「……一応、調査してみるか? 肉食べたいし」
肉の無い秋祭りなんてただの酒飲みの集まりである。
「西の市も安全に開きたいものね……」
放っておけば、翌月開催予定の西の市にも影響を及ぼしかねないだろう。
結局また冒険者の世話になってしまうねと、二人は苦笑いするのだった。
解説
マスターより
リプレイ
「祭りに肉が無い? 原因は賊? ……行くぞフレイヤ、狩りの時間だ」
ベルク・オスマットは据わった目でフレイヤ・サンライズへと声をかける。愛馬のベルク=ターク号に座り、フレイヤに相乗りをとハンドサインを送った。
「なるほどね、宴の前に宴ってね☆りょ♪ やーっぱり、ド派手にやらないとね〜、どっか~んって☆」
宴の為の肉を奪われた怒りに燃えるベルクだが、フレイヤは面白そうだからと協力を申し出る。これは狩りだ。
「せっかくのお祭りなのにメインのお肉が来ないのは一大事だね……!」
アルマ・ヴァレンタインもお肉の無い祭りに焦りを覚え、黒アルパカと荷馬車を持参して来た。
「肉が無いと困りますよね……!」
エヴァン・ピオネロは黒汗馬を用意。アルマもエヴァンも相乗りできる余裕はある。
「もし良ければ、ミゼリアさん乗りますか?」
「あ、助かります……」
ミゼリア・L・ステュクスはエヴァンの馬へと相乗りした。
「それじゃあ行きましょうか」
シルク・メイプルリーフも黒汗馬の手綱を握り。
「んじゃ、出発?」
サイラスは借りた馬と荷馬車を走らせる。
――急げ。これは時間との勝負だ。
●逆走のち
隊商が本来通るはずであったルートを逆走していく冒険者一行。
「隠れやすそうな岩が点在してるのはもうちょっと先か……」
サイラスは地図を確認しながら、賊が隠れるとしたらそこであろうという目星を付けている。
「早く賊見つからないかな〜」
ベルクが《宗波》を行っている間、フレイヤは狩りの時間を楽しみに待ちつつ周囲を見渡していた。
「うーん、まだ何も見つからな――あっ!!」
《超視覚》を行使していたアルマが大声を出して指差した。岩陰に人影が――それも《透視》によるとぐったりとしたポーズに見えた。
「どうされました?」
シルクが降りて確認しに行く。斬りつけられたようで、肩を抑えながら唸っていた男は、隊商の者だと名乗った。
「肉を盗まれちまいまして……あいつら、俺達が走って来たコース逆走してどこに行くつもりなんだか!」
もしかしたら、隊商の人達はこうやって無理やり下ろされたのかもしれない。
「……急ぎましょう!」
エヴァンの声に応じ、アルマが《ヒール》で手当てしたのち、シルクは隊商の男を自分の荷馬車に乗せた。
「急いで取り戻しますからね」
シルクが優しく声をかけると、隊商の男は力強い眼で頷いた。
逆走を続けているとなれば、全速力で飛ばせばそう逃がす事はない。途中で点々と落とされていた隊商の男達を拾い、《ヒール》等で処置をかけつつ行軍していると、幸いにも賊を乗せた荷馬車は――脱輪していた。
「あっ、あれは……」
ミゼリアが脱輪した荷馬車に気付く。そこには案の定、脱輪を直せないかと外に出て修理を試みようとしていた賊が3名。
「あれです、うちの荷物が乗ってるのは!」
シルクの荷馬車から隊商の男が肩を抑えながら指差した。
「……肉の匂いが……しない?」
《超嗅覚》をしていたミゼリアは違和感を感じていた。
●肉を取り戻せ
「ともかく倒すっきゃないな」
サイラスは馬から降りて《竜花琴》を取り出す。
「肉の恨みは怖いぞ……!」
ベルクが鬼の形相で睨みつけ、《暗爪刀「狐爪」》及び《 暗刺刀「狐牙」》を取り出し《狐の速駆け》で一気に間を詰めてから、切り裂きにかかる。
「ま、待て! 俺たちは……」
賊の一人が何かを言う前に出血した。
「えーいっ!!」
アルマは思いっきり《闘気槌3》を当てにかかる。
「だから聞けって!!」
賊が叫ぶ。
「話を聞きましょうか?」
シルクは一先ず聞く体勢に入った。
「ここにお前らが探してる肉はねぇ……脱輪したと分かってすぐ2人がかりで運びに行った!」
と、近くにある森の方角を指差した賊の一人。
「多分、本当の事を言っていると思います……肉の匂いがしないので」
ミゼリアの超嗅覚に肉の反応はない。
「同行して教会で働いてもらうなら私は許しますが」
「誰が教会で働くか! けっ!」
シルクはその対応を見て《白銀の旋棍》で叩く。どうやら更生の余地無しと見た。
「それなら急がなくては……あ、授恵者の方のようなので遠慮はしませんよ」
エヴァンから降り注ぐ《メテオライト3》が賊3人を襲う。いくら授恵者であろうと、賊は賊だ。そして意外にも弱かった。
「ん? もう弱ってるか?」
サイラスが《貫通衝撃射3》を放った時にはもう息絶え絶えであった。
「ゆ、許してくれぇ……どうか命だけは!」
「……どうしますか?」
ミゼリアは《漆黒の処刑剣》を賊の首元まで持って来て屠るか屠らないかを皆に尋ねた。
「賊の命より肉が優先だ」
ベルクはさっさと処理し、逃げた残りの賊2人を追いたいと宣言する。
「教会で働けば罪は許されるかもしれませんよ?」
シルクの最後のチャンスが賊に与えられる。
「――やってくれ」
ミゼリアはそう言った賊本人の意思を尊重し、一人を倒した。
「じゃあ残りの二人も焼いちゃうね~☆」
フレイヤの《爆炎》をもって前哨戦完了、森の方向へと馬車を走らせる。
●肉おいてけ
「ふぅ、ふぅ……もうちょっとだな」
「まさか脱輪するとは思わなかったが、ここまで来れば……」
人の足の速度は、馬ならばすぐに追いつける事ぐらい知っていただろうに。賊は徒歩だった。
「肉を返せ!!」
ベルクがベルク=ターク号の上から鬼の形相で叫ぶ。
「うわっ村の奴ら応援頼みやがったな!?」
そう賊が叫んだ直後、ベルクが馬から降りて即座に《フェザーステップ》込みの追撃を与える。肉には慎重に当たらぬよう心がけた。
「ぐはっ!!」
悶える賊。
「わ~ベルぴーつっよ~い♪」
フレイヤは馬を停止させつつ、自らが先頭に居たのでひとまず《フリーズボルト》を撃って足止めする。
「くっ、動けねぇ……!」
ギロリとベルクに睨まれ、続々と馬車が来たのに気づいた賊。
「分かった、分かった!! 殺したって何したっていい、最後に全て吐くから聞いてくれ! 俺達のカシラはただのバルバロイじゃねぇ、メドゥの指先様さ」
「メドゥの指先? 指先の奴が肉欲しがったん?」
サイラスの疑問には続けてこう答える賊。
「籠城してるのよぉ……来たる戦いに備えてな! だからそこら中から物資や食料を集めてる、何もあの村だけから奪おうってんじゃないさ、な、分かったか!?」
「メドゥの指先の名前は何ですか?」
エヴァンが問う。
「え、エーヴィヒ様だ」
喋ってしまって良いのか、賊はおろおろしつつも白状した。
「――言い残す事はもう無いな?」
ベルクが睨む。
「お、おうよ……やっちゃってくれ……失敗してもどうせエーヴィヒ様に殺されるだけだからな……俺たちゃ下っ端だ」
その後は順当に処理された賊だった。
「戻るよー!」
「鮮度が落ちる前に届けなければ……」
アルマが黒アルパカにおやつを食べさせ、アルマと黒アルパカに相乗りしたミゼリア。
「じゃあ、マジカルポケットに入れておきますね……!」
エヴァンが《マジカルポケット》に肉の塊全てを収納しつつ。隊商の馬車の修理は後手に回りそうだが、とりあえず脱輪だけでも直しておくべきだろうか。アルマが森から出てすぐ脱輪を直し、そして急いで馬車を走らせた。
「今度は気を付けてね!」
「ありがとうございます!」
隊商の男達に治療は施した。後は彼らが馬車を何とかしてくれるだろう。そして出来れば無事だったと村の面々に顔を見せてやってほしいと願いつつ。
「後でちゃんとお礼しに伺いますのでー!」
隊商の男達はゆっくりと馬を走らせ始めた。
●秋祭り会場にて
一方、ハッシリ村。
「まだかなー」
ゴブリナの少女、ダオシエが入口から赤い手を額に当てて外を見ている。
「そろそろ祭りも始ま――あっ、何か聞こえないミル君?」
ソフィネが耳を澄ますと、蹄の音だ。一気に顔が明るくなるソフィネと村長ミルキー。
「帰って来たって事は、肉は何とかなったんだな!」
全速力で村に到着し、エヴァンがマジカルポケットから肉の包みを取り出す。
「どうぞ、新鮮なままですよ」
「ありがたい、これで祭りが始められる! それじゃあ……秋祭り、開催だ!!」
ミルキーは天高く拳を突き上げた。
焼かれる野菜、そして取り返したお肉。肉の匂いが充分ハッシリ村を包む頃、隊商の馬車が遅れてやってくる。
「旨そうだなー」
サイラスも肉をつまみ、柔らかく口の中で広がる味わいに満悦している。
「食べるか?」
ペットの大福に味付けのない肉を差し出すと、はむはむと食べていった。
「この度はありがとうございます」
隊商の隊長がまずシルクに頭を下げる。
「いえいえお礼なんて、依頼料は頂いてますんで……でもちょっとそのお肉美味しそうですね」
隊商の隊長はシルクに向かって、ニッコリ笑ってどうぞと肉を指した。
「無事に取り戻せて良かった、乾杯だ」
「かんぱ~い☆」
ベルクは酒を全種類持って来て、フレイヤは全ジュースを混ぜて物凄い色合いにして持って来た。
「肉も美味い!」
「おいし~♪」
アルマとエヴァンはお互い世話になっている村長夫婦へと挨拶しにいった。
「お招きありがとー! お祭り、たのしませてもらうね!」
「料理の手伝いとかも必要でしたらお任せください!」
「こちらこそありがとうな! 肉はまだ大丈夫だけど、一般のお客さんの分を焼く時に時間あったら来てくれるかな?」
ミルキーは嬉しそうに返事をしながら、肉を焼いていた。そしてエヴァンはアルマを抱っこしながら、アイーロニヴの所へ向かう。
「『ペアリング』大事に着けさせてもらってるよー」
「設営お疲れ様です。指輪、大切に着けてます」
アイーロニヴは鍛冶師、二人のペアリングを以前の祭りで作ってもらったのだ。
「……何よりだ」
ぶっきらぼうだが、続いている関係を見て作った甲斐があったのだろう、口元の笑みがアイーロニヴからこぼれた。
「果実、お菓子……お肉もこんなに、食べきれない……」
ミゼリアは嬉しい悲鳴を上げていた。お酒も少し飲みながら、食べ歩いていく。
「いい感じに盛り上がってきたなー」
サイラスは竜花琴をハープにしながら祭りに合うナチュラルな旋律を奏でる。
「これはシャルガネの酒だな」
「どこのお酒か分かるんだ、すっご~い♪」
ベルクは利き酒をしながら共に肉を食べつつフレイヤと談笑していた。
「何時来てもお祭りの賑やかさは良いですね……村の方々の笑顔を見るとホッとします」
「そうだね~」
エヴァンはジュースを手に持つアルマを膝に乗せながら己は果物を一口摘まみ、村を眺めていた。
●村の仕事
「……で、主犯はメドゥの指先のエーヴィヒって奴なんだって? そうか、近隣にも被害が出てるんだろうな……」
ミルキーは祭りを楽しむ者達を眺めながら、呟いた。
(何か、手立てを考えておいた方がいいかもな)
授恵者であるソフィネとダオシエに目線を自然と向けていたミルキー。恐らく、妻とこの可愛い村の仲間の手を借りる時がまた来てしまうのかもしれない、と憂いつつ肉を焼いていた。
「ミル君、どうしたの? 顔暗いよ」
ソフィネがミルキーの頬をつつく。ソフィネにはその表情はお見通しだった。
「いやー、それがな? ……どうも襲撃した奴らの事、ちょっと気になっててさ」
「分かる、分かるよその気持ち。でも、今は祭りを楽しもう?」
微笑むソフィネを見て、ミルキーは思い直したように明るい瞳で再び肉を焼き始めた。
「……そうだな!」
後に、村から依頼を出す必要が出て来るかもしれない。
その事は頭の隅に投げ飛ばし、無事に秋祭りは最後までやり遂げる事が出来たのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ易しい 報酬:少ない7 / 4〜10人
2022年10月16日 22時34分01秒 公開
参加者
- メイプルリーフ シルク
- サイラス
ベルク・オスマット
アルマ・ヴァレンタイン
エヴァン・ピオネロ
フレイヤ・サンライズ
ミゼリア・L・ステュクス
相談掲示板
キャスターのエヴァンです。よろしくお願いします。 開示情報のお陰で、隊商の居る方向は絞れますので入れ違いは無さそうですね。 こう言う時に役立つ、捜す系や早く移動するスキルは特に持って無いので 超聴力・視覚・嗅覚のどれか1つを支度して、馬で駆け足で向おうと思ってます。 もし肉が奪われた後でしたら、取戻して運ぶのにも必要でしょうから 残りの1枠は緊急用でマジポケに…しようかな? 詳しい事はまだ考え中です。 隊商の方々とお肉の無事も確認したら、秋祭りを思いっきり楽しませて頂きますね。 (読み難かったので手直しました。)
No.3
シスターシルクです。 もしかしたら馬車が壊れて難儀してるかもなので荷馬車と馬を連れてさかのぼって行けば大丈夫ですよね。探索系は・・・・・・お任せします
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー ボクも超感覚系の汎用とかケガしてるかもなので回復魔法と 馬車が壊れてたときの修理orバラして回収用に職人道具と荷馬車も準備していくね 同じく隊商さんたちとお肉の無事を確認したらお祭りを楽しむつもりだよー
ウォーリアの、ミゼリア……です。よろしく、おねがいします……ね。 わたしも、超嗅覚で、おにくのにおいをたどりながら、探しに行こうかと、おもって……ます。 馬は……もし、使おうとおもったら、プレイングに「馬を使う」と書いておけばよい……でしょうか。アイテムに、馬が、見当たらなくて……。 いろいろぶじにかいけつしたら、わたしも、お祭りをたのしもうかと、おもい……ます。
ミゼリアさんへ 馬は以前のダンジョンアタックのメダルで入手できる品ですので手持ちには無しですね。 ぼくのプレイングに馬の無い方と相乗り可と記しますので、もし宜しければご一緒下さい。 アルマさんからも黒アルパカ引きの荷馬車に乗って貰う事も出来ると伝言を預かってます。 解決してみんなでお祭りを楽しみましょうね。
わ……ありがとう、ございます。あいのり……うれしい、です。 黒あるぱかさんが、引っぱってくれる馬車も……すごく、のってみたい……です……。 ええと……行きは、エヴァンさんの、お馬さんに、あいのりさせていただいて……帰りは、アルマさんの、荷馬車にのせていただいても、よい……でしょうか……。
あと1日ちょっとで出発になったねー 乗り合い歓迎で書いてるからミゼリアさんもどうぞどうぞだよー
遅くなってすまない、シーフのベルクだ。 とりあえず我はフレイヤと行動する予定で、黒汗馬と荷馬車を持っていく予定だ。