【若木】絶望降りかかる怪鳥
広大野人
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シナリオID:2475
オープニング
「帝国魔導院……いや、名前ぐらいは私も聞いた事はあるけれど……それとガークハーグに何の関係が?」
植物の研究者であるトレイシーはシュナンからの説明に首を傾げた。
シュナンの故郷であり、帝国の都市の一つガークハーグを奪還する作戦は、都市に出現している黒い霧に阻まれ、中断している。
それを解決する為に帝国魔導院のクライス・アクバーという人物が何か動いているという。
「帝国としても黒い霧を何とかしたいというのはある。どうやら、研究の方が進んでいるみたいで、実験場の一つとしてガークハーグが選ばれたという経緯だ」
「ふーん。シュナンさんってただの商人じゃないと思っていたけど……何者なんだい?」
疑うような視線を自称帝国商人に向けるトレイシー。
先だってのコンラートとの面談の席を用意したのも彼だ。
「ただの商人だぜ。ガークハーグも故郷だしな」
「まぁ、いいよ。私としては研究が出来ればそれでいいから。それで、本題は?」
両肩を竦めたトレイシーの言葉にシュナンは深く頷くと、ガークハーグ周辺の地図を広げた。朱色の星印が点在している。
その意味をトレイシーは知っていた。その星印は成長した分身樹を意味しているからだ。
「ガークハーグで実験を行う為に、事前に分身樹を刈り取っておきたい。ただ闇雲に倒しているとキリがないから、選定しておきたいのだ」
「なるほどね。まぁ、分身樹の特性は分かっている訳だし、倒す事自体は容易か」
つまり、今回は後日行われるガークハーグでの実験の為の露払いという事だ。それも敵の情報は分かり切っている。冒険者にとってこれほど簡単な仕事は無いだろう……。
●
それは怪鳥と呼ぶに相応しい姿形をしていた。
鋭くなった先端に赤く光る瞳。流線型を描く長細い胴体の真ん中ほどから左右に翼のような物がのびているが、羽ばたく事がない分、余計に不気味である。
「なんだあれは……」
兵士の一人が大空を旋回する怪鳥に気が付いた。
旋回していると思ったら、突如、空中で静止する光景に、思わずゾッとする。およそ、生き物の動きには感じられなかったからだ。
「もしかしなくても、クリーパーじゃねぇか!」
「おいおい、あんな化け物が居るって聞いてねぇぞ!」
ただ空を飛んでいるのであれば害は無いが、そんな都合の良い話は無い。
案の定、兵士達に向かって急降下してきた。
「た、対空戦闘! 急げ!」
兵士達は大慌てで短弓に矢を番える。
狙いもそこそこに放たれた数本の矢は……一本も当たらなかった。
鳥とは思えない機動を描いて避けられたからだ。お返しとばかりに怪鳥が頭から弾みたいな物を撃って来た。
「う、うわぁ!」
慌てる兵士達の動きが幸運を招いた。
バランスを崩した兵士の持つ盾に弾が貫通しただけで済んだからだ。
「だ、ダメだ。手に負える相手じゃない!」
「拠点まで逃げろ!」
兵士達は必死になって逃げだす。
再び空高く上がった怪鳥は逃げ惑う兵士達をまるでからかうように飛び続けるのであった。
●
分身樹の討伐はさほど難しくは無い。
相手が動かない以上、遠距離攻撃の射程内までアタッカーを進ませ、それまでの間、囮役のタンクが戦線を支えればいいのだ。飛来する円種も直撃さえしなければ、大した脅威にもならない。
……はずだったのだが、討伐隊は思わぬ事態に進軍を止めた。
仮設の拠点でシュナンが頭を悩ます。
「クリーパーってのは、連携を取らないものじゃなかったのか?」
「一般的にはね。連携しているように見えているだけで、何の意図も無いと思うけど」
興味深そうに望遠鏡を覗き込んだままトレイシーが言う。
討伐隊の前に現れたのは怪鳥型のクリーパーだったのだ。空を自由に飛べるクリーパーなら、分身樹の根っこセンサーに引っ掛からない。休む時は分身樹の幹に乗ればいい。
分身樹単体でも攻撃手段は持っているが、怪鳥型クリーパーに攻撃する気はないのか、自身を傷つける可能性があるので、攻撃しないのか分からないが、沈黙したままだ。
結果、討伐隊が分身樹に近づく前に、怪鳥型のクリーパーが襲い掛かって来る構図だ。
こうなると囮役のタンクの負担は大きいし、アタッカーである遠距離職も空からの攻撃を警戒しなければならない。
「先に怪鳥型クリーパーを討伐すべきか……まぁ、予備隊として冒険者を数名雇っておいた意味はあった訳だ」
シュナンの台詞にエクエスは恨めしそうに空を見上げる。
この剣士には空を自由に飛び回る敵を攻撃する手段は無いのだ……いや、無い訳ではないが、この程度の戦場でエーテルを消費するのは勿体ない。
「私は引き続き、お二人の護衛ですね」
「拠点を無防備にする事はできないからね。私の『切札』も無くなったし」
トレイシーが苦笑を浮かべる。
もっとも、『神実』の苗木は幾本か残っているので生産しようと思えばできない事は無い。けれど、これらは今後の研究の為にあるのだ。もう、原苗が手に入らない以上、容易には使えない。
「という事で、冒険者達の出番だ。よろしく頼むぜ」
冒険者の面々に振り返りながらシュナンがそう呼び掛けるのであった。
解説
マスターより
リプレイ
悠々と空高く飛ぶクリーパーの姿を見上げ、ミア=リゼルがふと思った事を呟いていた。
「円種に注意しつつ、あの鳥さん達の数を減らさないといけませんね」
「なかなか簡単には進ませてくれないってわけね……」
そう答えたのはルベア・ベルニだ。
ガークハーグ奪還への道のりは遠い。
ミアは怪訝な表情を浮かべて、都市を覆う黒い霧に視線を変える。
「……もしかして、あのクリーパーも『分霊樹』の端末……なんてこと、ないですよね?」
少女が疑問に思うのも無理はない。それほどまでに嫌らしい組み合わせだからだ。
「当然、クリーパー自身にはそういう意思はないんだろうけど。トレイシーの見立てでも、全くの別物って話だし」
ルベアが両肩を竦める。
植物と鳥じゃ、全然違う訳だし、そこは……例の研究者の言葉、信じても良いだろうか。
空を見上げているのはエミリア・シバも一緒だった。
髪を除けながら、隣に並ぶエクエスに声を掛ける。
「ずっと空を飛んでるとかずるいわねぇ」
「はい。こっちは地面の上を走り回るだけですから……」
「前に見たエクエスちゃんの力を借りた夢の中のように、空を自由に走れるようなスキルでも開発できないかしらね」
落ちた時が怖いが、そんな力があれば便利だなと思う。
「その時は私も飛んでみたいです」
微笑むエクエスに、戦いの準備を終えたアルマ・ヴァレンタインがトトト……と小走りに駆け寄る。
「弾を撃ってきたり、急降下爆撃までしてくるとか、面倒そうな相手なら、尚更に飛びたいかも」
「反撃したい気持ちもありますけど……私は大人しくしておきます」
「トレイシーさんとシュナンさんの護りをお願いするよ。ボクたちで怪鳥をやっつけてくるねー」
「はい。任せて下さい」
エクエスは胸を張ってアルマからのお願いに応える。
いざとなったら光芒の力を発現させればいいのだが、極力、避けたい所だ。
そこへ、ミゼリア・L・ステュクスとラティア・ミゼリアが合流する。
「よびたいの、おしごと……がんばりますね。とうばつたいのみなさんとエクエスさんは……おんぞんしておいてください」
「出番……来ないままの方がよかったんですけど、そう都合よくはいかないですよね……」
今回、冒険者達は万が一の時の予備隊という位置付けだったからで、決して、面倒とかではなく、出番が無い事が、本来は一番良いのだ。
「わたし……まえに、でます。ひきよせれば、こちらにゆうりだと、おもいますので……」
そんな台詞に、一行の視線がラティアへと向く。
この度の戦い、シューターである彼女の力が求められているのだ。
屈んだ背が更に小さくなりながらラティアは答える。
「飛んでいる敵が相手だから、うまくやれればいいけど……何のための弓だ、って話になってしまいますから」
自信なさげな台詞と態度は彼女の性格を分かりやすく表しているのであった。
●
予め支援魔法を受けた冒険者達からの攻撃が先制となった。
「見晴らしが良いとはいえ、油断は禁物……」
しっかりと番えた矢にエーテルを込めながらラティアは狙いを定めて放つ。
矢は一直線に飛び、1体のクリーパーに直撃。強力な重力波を纏わりつかせた。
「これで少しは、当たり易くは……」
「それでも、十分よ」
続いてルベアが短弓を構えながら駆け抜けていく。
攻撃する為の距離を詰めた訳ではなく、回避に専念する事でクリーパーの攻撃を観察する為だ。
その動きを援護するようにエミリアが後ろに続きながら、注意深く大空を視る。
「ガークハーグの分霊樹から円種が飛んでくる範囲内だから、そちらも気を付けないとね」
「やっぱり、厄介な組み合わせかも……」
振り返る事なくルベアは応えた。
エミリアの言うように間違いなく円種は飛来するだろう。この一帯は確実に分霊樹の射程内だからだ。
「動かなければ円種に察知はされないけど、空を飛んでいるクリーパーには良い的よ」
だからこそ、脅威は早めに察知しておかなければならない。
冒険者達の様子に反応して、クリーパーが一斉に急降下しながら、弾丸のようなものをルベアに向かって射出する。
苦も無く全弾を躱された事に驚いたのか、急旋回して散開するクリーパーの1体にアルマが放った蜘蛛の糸のようなエーテルを撃つ。
「やっぱり、すばしっこいみたいだね」
空を自由に飛び回れるだけあって、背後を取られる可能性もあるのだ。
鳥とは思えない機動を描いてクリーパーが冒険者の頭上を飛び去る所で、ミアがエーテルの光を発する矢を放つ。
「この魔弓、使いこなせるでしょうか……弓をいじるのは初めてですから」
炸裂した矢の範囲はそれなりの広さを持つが、3体全てを巻き込むのは無理があったようだ。
再びエーテルを高めるミア。
「あまり動くようであれば、光縛封でも……」
もっとも、鳥ではない動きをするクリーパーなので、結界で囲んでも上昇して範囲外へ逃げられるけど。
戦闘の様子にアルマがミゼリアに声を掛ける。
「やっぱり、誘引役は必要みたいだね。回復のフォローはボクが入るから」
「はい……わたしが壁役に、なります」
黒縛の手枷を掲げて、ミゼリアが進み出た。
頭上を抑えているクリーパーの方が状況的には有利なのだ。だから、敢えて身を晒す事でクリーパーの注意をひければ、その分、仲間は攻撃に専念できるというもの。
「けんがとどくはんいに、おりてきてほしい、です……」
そんな願いが聞こえたのか、クリーパーが再び急降下してきた。
●
幾度かの攻防が続いた頃、突如として円種が飛来してきた。
「問題はこれからよね」
エミリアが視界の中に円種の姿を確認しつつ、改めてガークハーグの方角を見つめる。
まさか飛来するのが1体で終わりという事はないだろう。
「なるべく……ガークハーグに背を、向けない方が……いいでしょうか」
射撃攻撃を繰り返しているラティアが言った台詞に一同は頷く。
死角から飛んで来た円種が直撃したら、ただでは済まない以上、立ち回りには注意が必要だ。
「持ち上げられたら、またすぐに、落とします」
一度、囮となっていたミゼリアが掴まれそうになったのだが、ミゼリア自身の反撃とラティアの正確な攻撃によって、高く飛び上がられる前に大事には至らなかったからだ。
「あの、いちどで……こりたみたい……です」
ミゼリアの言う通り、クリーパーは冒険者を持ち上げるのは無理があったと認識したのか、それ以降は弾丸の射出や適当な大きさの岩を落としてくる程度だった。
「それだけ……ラティアさんの、こうげきがよくきいたか、と」
「そうね。けど、まだ何か仕掛けて来る可能性もあるから、ミゼリアちゃんも気を付けて」
落ちてきた円種を誘導しつつ、エミリアがそう言った直後の事だった。
新たな円種が飛来。
「っと、けっこう近くに落ちたかな」
アルマの横を掠めるように落ち跳ねて転がっていく円種。
直撃しなかったのは運が良かったからだ。すぐさま、ミアが庇うように進み出る。
「円種には光縛封が有効でした」
方向転換をしようとした円種を六角柱状の光檻で囲う。
奴等は空を飛べないので、効果時間が過ぎるまでは移動できないはずだ。
「この間に残りのクリーパーを倒しておきたい所です」
「残り2体ね。あまり弓は慣れないんだけど……そうも言ってられないよね」
仲間達からの執拗な攻撃でダメージを重ねていた1体のクリーパーを倒してルベアは再び矢を番える。
接近戦ができれば一番良いが、エアーライドの力は緊急時に使いたい為、遠距離攻撃で頑張るしかない。
緊急時が来ないようにと思った矢先、不自然な動きをするクリーパーを目で追う。逃げ去ってしまうかと思ったら、そうではなかった。
「あの1体の方……って、円種を掴んだの?」
ルベアの驚きは全員、同じだった。
エミリアが誘導した円種をクリーパーの1体が掴み、上昇しているのだ。
「えと……あのばあいは、どうしますか?」
ミゼリアが疑問の声を挙げる。仲間が連れ去られた時の事は考えていたが、この状況は想定していなかった。盾をしっかりと構えて備える。
「円種は強い衝撃で爆発するから……ちょっと厄介ね」
エミリアが答えつつ、魔法攻撃を続行。
合わせるようにラティアも狙いをつける。
「ここは落とされる前に……」
「やっぱり、そうよね」
「間に合わせましょう」
ルベアとミアの二人も、円種を掴んだクリーパーの機動に注視する。
纏まっていると爆発に巻き込まれる可能性もあるし、逆に散開すると相互のフォローやアルマからの支援に支障があるからだ。
「万が一、爆発した時に備えておくよ」
アルマは念の為にエーテルを集中させた。
面倒な事に円種は爆発すると身体に悪い影響を出す霧のような煙を発するからだ。
結果的には、アルマの備えは行使されなかった。冒険者達の集中攻撃でクリーパーを撃破、塵となって消えた事で掴まれていた円種は全く関係ない場所に叩きつけられ爆発したからだ。
「倒すと消えてしまうクリーパーなのですか……」
ミアが少し残念そうに呟く。
なにか情報が得られるかもしれないので調べようと思っていたからだ。
「生け捕りにはできそうに、ないかな」
苦笑を浮かべて応えるルベア。
その言葉にミゼリアも頷く。
最後の1体は降りてこないので盾を構えたまま、空を見上げた。
「また、壁役になります」
「もう大丈夫そうだから、ボクも攻撃に回ろうかな……焼き鳥にもならなそうだし」
思った以上に受けるダメージが少ない為、アルマがそう言った。
折角用意した調味料も、相手が消えてしまえば意味はない。
そこへ、ガークハーグの方から気配を感じたラティアが警戒の声を挙げた。
「また、飛んでくるよう、です……」
空気を強引に切り裂くような音を立て、円種が飛んでくる。
その軌道に――これまた予想もしない事が発生した。
最後に残っていた1体のクリーパーに円種が偶然にも直撃したからだ。大爆発を大空に咲かして、散っていく様は、ちょっとした花火のようにも見える。
「……なんだか、美味しい所、持っていかれたみたいね」
構えていた杖を降ろすエミリア。
戦いは何があるか分からない――というが、クリーパーにとってもまさかの出来事だっただろう。運次第で、このような結果もあるのだとクリーパーが身をもって教えてくれた訳だ。
●
結界に閉じ込めていた円種を最後に倒し、一行は拠点まで帰って来た。
戦闘の様子を望遠鏡で観察していたトレイシーが両手を広げて出迎える。
「お疲れ様だよ。植物も鳥も互いに利用し合っているけど、やっぱり、クリーパー同士ってのは上手くいかないもんだね」
「その口ぶり、最初から分かっていたんだ」
諦めたような口調でルベアが応える。
鳥は植物の果実を食べて種を運ぶ。植物はより遠くに子孫を残す為、果実をつけて鳥に食べさせる。この動植物の関係はそのままクリーパーには適用されないだろうが……植物と鳥を模したクリーパーから予測していたようだ。
「不確定な事は言えない性分だからね」
「いかにも研究者らしいわ。それにしても、帝国魔導院も絡んできて、こないだの太守の事といい、段々話が大きくなってきてるわね……」
ガークハーグを奪還するのは良い事だろうけど、これから先が心配になる。
それに……とルベアは内心思う事があったが、それは口に出さなかった。そんな彼女の心境を感じたのか、ミアも心の中で思案する。
(『神実』の苗木……これさえなければと、考えてしまいますね……いえ、神実がなくとも……)
トレイシーが組織を抜けたのは、その後の経過を思えば、この研究者にとって幸運だっただろう。
そして、帝国に滞在しているトレイシーには、組織がどうなったかを知る術はない。
(いつか……『瞳』の事。聞いてみても良いのでしょうか……)
そこに、せんせいが目指したものの手掛かりがあるのかもしれないから。
シューターとしての役目を無事に終える事が出来、ラティアはホッとした様相で、エーテルを消耗したのもあり、座り込んでいた。
「なんとか『備え』には、なったようで……」
戦ってみて分かったが、やはり、空を抑えられているのは戦いにくい。
地上とは違い、簡単に回り込まれる以上、神経を使うのは当然といえば当然だ。
「お疲れさん。いやー、やっぱり準備は万全にしておいて正解だった」
冒険者達の依頼主であるシュナンが似合わない笑顔をみせた。
戦いの報告は聞いているはずなので、きっと安心しているのだろう。
「これで、ガークハーグに……近づけたのでしょうか?」
「あぁ。円種が発芽した『分身樹』は、残った連中で排除できるからな」
「そしたら、あとの障害は黒い霧ですか」
ラティアの言葉にシュナンは深く頷く。
「黒い霧の影響を退ける試作品が正常に作動すれば、ガークハーグを覆っている分霊樹との対決が待っている」
話を聞いていたミゼリアが街を覆っている黒い霧を見つめて呟いた。
「どのようなかたちを、しているの……でしょうか」
「そうだな。きっとバカでかい樹みたいな風に思っているが、誰も見た事ねぇしな」
後頭部を掻きながら答えるシュナン。
街は全滅しているのでその辺りの情報は無いのだ。
「じっけんが、せいこう……すると、いいですね」
「全くだ。ここまで来たんだからな……それに、悲願でもあるのさ。帝国民の」
ガークハーグの分霊樹を倒せたら、それは帝国にとって大きな成果となる。
各都市に出現している他の分霊樹も討伐できるからだ。
拠点の倉庫から食材を少し譲り受けてアルマが料理していた。
折角、調味料を持って来たのだから、このまま帰るのは勿体ない。
「良い匂いがしますね」
釣られた訳ではないがエクエスが即席で組んだかまどを覗き込んだ。
火に炙られた肉や野菜が良い音を発している。
「エクエスさん、前よりも元気みたい?」
「前から元気ですけど……そんな風に見えますか?」
首を傾げる剣士にアルマを大きく頷いた。
文字通り血の通っていないエーテルで造られたエクエスの身体から、どことなくエーテルが充実しているようにも思えた。調子の波というものがあるのか……あるいはもっと別の事なのだろうか。
その心当たりを――アルマが推測した。
「エミリアさんのおかげかな?」
「そうですね。きっと」
「あら、嬉しい事を言えるようになったのね、エクエスちゃん」
宝剣の鞘に触れるような姿勢からエミリアが剣士に絡みながら、そう言った。
クリーパーを取り逃がしたりして拠点が襲われていたら、エクエスが立ち向かっていただろう。その結果、エクエスはエーテルを消耗する事になる。
だから、ここで無駄なエーテルを使わなかったのは良い事なのだ。
「そのうち空を飛べるようになったら、一緒に飛びたいです」
「それは楽しみね」
パンと軽快な音を立てて手を合わすエミリアだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2022年10月02日 16時44分20秒 公開
相談掲示板
ヒーラー、ミア=リゼルです。引き続きよろしくお願いしま…… …【究石】は追いかけていませんでした。そちらはひとまずお休みを使って関連報告書をあたるとして… 今回は怪鳥…鳥…?浮遊クリーパーをなんとかして、分身樹も刈るお仕事ですね。 んん…あれです、今まで使ったことがなかったのですが、魔弓…使いこなせるかはともかくとして、そちらを持っていこうかと。
シューター、ラティア・ミゼリアです……よろしくお願いします。 途中参加になりますし、お邪魔かな、とも思ったんですが……足を引っ張ることだけはしないよう、頑張ります…… 職業柄、弓主体なので……攻撃する分には不自由しないと思います……
シーフのエミリアよ、よろしくね。 【究石】はおねえさんも参加してないから確認してこないとかしらね。 とりあえず、『怪鳥型クリーパー』は急降下してくることもあるけれど基本は浮遊しているみたいだから遠距離攻撃を持っていくべきかしらね? おねえさん一応魔法用装備は一応持てるからそれを持っていこうかしらって思っているわね。あんまり火力でないけれど。 『人程度なら軽々持ち上げられる』っていうやつは墜落ダメージを食らうって感じかしらね? (落ち始めた高度-衝突した高度)×20 だからよほど高いところじゃなければ平気かしらね? ※ワールドガイドから 高度1:地上から0mを超え、20mまでの高さ 高度2:地上から20mを超え、40mまでの高さ 以上のように高さが20mを超える毎に高度が1増えていきます。 あとは『円種』が飛来するようだから、その警戒のために超聴覚と超視覚あたりを持ってい行こうかと思うわ。 それと今回は分身樹の対象ンにしちゃっていいのかしら?
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー 翼を破壊しても落下しないみたいだから遠距離手段は必須?っぽいし 全体支援と回復に装備かスキルでかは未定だけど遠距離攻撃も用意していくねー あとはー…さすがに撃破後まで浮遊はしてないだろうから(しないよね…?) 倒した怪鳥型クリーパーが円種の弾除けに使えるか検証でもしてみようかなあと
誰かが捕まったら高い所まで連れていかれる前に攻撃すれば、バランスを崩して、掴んでいた人を離さないかな……と思ったんですけど、うまくやらないとその捕まってる人に当ててしまう危険もありますよね……どうしよう。
そうですね…では私は緊急時用に単体の回復と遠距離攻撃と…… ラティアさんの懸念は、対象識別系のスキルで解決したいと思います。私の手持ちは祈雷ですが…
……ウォーリアの、ミゼリアです。……よろしく、お願いします。 ええと……攻撃は、苦手なので……盾役としての、動きが、主になりそうですが…… 鳥の攻撃からの、壁になれたらと……思って……ます。 鳥が、突っついたり、掴もうとしたりして、降下してきた時を狙って……シーザーロアも、使ってみようかと……。 なんとなく、掴まれて持ち上げられそうな予感がしてますが……その時は、鳥攻撃で、落としていただけたら助かります……。一応、わたしも、掴まれた時は、高度1の内に落ちれるように、暴れてみるつもりです……。
とても遅くなってごめん。 シーフのルベアよ、宜しく。 遠距離攻撃は流石に必要そうね…。とりあえず短弓は持っていくつもり。 いつもの短剣もだけど。 これはちょっとやってみないとだけど……ホライゾナルで縦(高さ)の移動も出来るなら、急降下してきたタイミングあたりを狙って背中に飛び移れないかなって思うのよね。 そのためにはシーフ武器も必要だしね。 無理なら無理で素直に地上から鬱陶しがられそうに立ち回るつもり。