【西局】西境の興廃この一戦に在り

弓月 蒼

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シナリオID:2397

オープニング

●西方辺境伯領防衛最前線

「やあ、また力を貸してくれるとは助かるよ、コーニッシュの黒槍」

「……売り出し中の傭兵を名指しで呼び出すとは、心底無茶な事をして下さる」

 ――――西方辺境伯領、領都外縁防衛線。司令部が置かれている大型の天幕の中。
 嘆息する『黒槍の守り人』ガレス・コーニッシュに、”護兵団隊長”ダルヴィン・ケルソーは笑みで応じてみせた。

 元々人を喰った所のある人物だったが、特に戦場ではその気風が強く出る。一癖二癖無ければ西の守護は務まらない。
 百歩譲って理解は出来ても、流石に身分や素性を隠したい身上で名指しを受けるとなれば放置する事も難しく。

「お? 何だ何だ北と西で美丈夫が揃ってイチャイチャしやがって、カァ――――ッ嫌だね騎士なんて奴あ!
 見目さえ良ければ男も女もお構いなしってか! 恐え恐え! 腐れ切ったドゥジンの祝福有れってんだ!!」

「ははは、面白い事を言うな『砂狼』。やっぱり牢獄に繋いでおいた方が良かったかい?」

「……? ……『砂狼』、シャムハーン・ラハマディ?」

 天幕へ入って来たのは頭に頭巾(ターバン)を巻いた、ダルヴィンより一回り程年上の褐色肌の男。
 その体躯は鍛え上げられており、軽薄そうな見た目と反し隙が無い。一歩退いたガレスに、視線が細く向き直る。

「ハハハ! 北まで名が通ってるとは光栄だ。『ブレイブファング傭兵団』……だっけか?
 北の主人に見限られて西の守護者に尻尾振りに来たかと思や、同業たあそこそこ骨があるじゃねえか」

「……何でも構わないが、伯を侮るのは止めて貰おう」

 揶揄する様な言い分に反し。その目に敵意は見られない。事情を確かめようと視線を戻せば此度の作戦の前線指揮官。
 ダルヴィンは天幕中央の机に既に周辺地図を広げ終えていた。その背に控える2人の授恵者。

 『黒槍』『砂狼』含めこれで5名。彼らだけが呼び付けられた事には当然意味がある。
 この先の戦い――――想定されるのは、太信党幹部との総力戦だ。防衛線は既に敷き終え、実質あとは襲撃待ちとなる。

「んあ? おいおいおい、それだけでこの仰々しい防衛線の状態か? 来るって保証はあんのかよ」

「無ければ態々君達を揃って雇ったりはしないよ。何せ冒険者も呼べるだけ呼んでいる。空振りだったら大赤字だ」

 肩を竦めて見せたダルヴィン。けれど無能に西境の守護者は務まらない。
 彼が来る、と言うからには“来る”のだろう。彼らに護兵団を含めて尚、不足と言えるだけの“大軍勢”が。

「――――となると、敵勢にも見込みが付いていると言う事でしょうか」

「あまり過信しないでくれよ。まあ、主力の目途はついている。“百鬼衆”と呼ばれる亜人(ゴブリン)の傭兵崩れ」

「……このひりつく感じ、それだけじゃねえよな。何が居る?」

「厄介な魔獣使いが1人雇われている。相手は1人だが……」

「オゥケイオゥケイ、この砂漠は俺の庭も同然だ。何が居るかは大体知ってるさ。
 で、何を連れて来た。『砂竜』か? 『砂鯨』か? ――――ああいや分かった。分かったが――――本気か?」

 『砂狼』の様に、一人理解の及んでいない『黒槍』が両者を見遣る。けれど一つ間違いないことがある。
 これは激戦になる。かつてない――――後背の、西方辺境伯領そのものを守る為の、決死の防衛戦に。

●黄金の塔の至る果て

 大砂蟲。金剛石の如き外骨格を持ち、鋼鉄をも容易に切り裂く牙と強酸の体液。
 幼虫で全長凡そ3~5m。成虫ともなれば10mを超える事もあるシラー砂漠最大級の魔獣の一種。

 その性質上、最も特徴的な部分はその巨体にも関わらず彼らは家族単位で生活し、仔を慈しみ育てると言う点だ。
 家長である雄を中心に、妻、仔で成るその集団は砂漠を生きる者にとって脅威そのものの代名詞であると言え。

 物理的に圧倒的強度を持つ外皮とその集団性、個体戦闘力を加味すれば砂漠における食物連鎖でも限りなく最上位に近い。
 唯一、砂漠の民にとって安心材料があるとすれば。家族で生活する都合上彼らの殆どは巣から外へ出る事がなく。

 命知らずな秘境冒険者などがその生息地に踏み入る事さえなければ、脅威として接する事そのものが少ない――――と言う。
 即ち、触らぬ神に祟り無しを地で行く存在であると言える訳なのだが。

「おお……おお……これが……!!」

 太信党幹部、ザスタファ・ザルムザーリは元王国貴族である。『太信党』党首ウザリの甘言に転がされ私財を投げ打ち。
 党幹部の地位を買ったと言われる人物である。結果、領は傾き身分は失うも”金”だけは残った。

 彼は非授恵者の貴族当主である。金はあっても力はない。神は彼を祝福しなかった。
 それ故に、ザスタファは金に拘泥した。如何に効率良く稼ぐかを只管我武者羅に積み上げ、積み上げ、積み上げ続けた。

 その結果積み上がった私財の塔は、けれど今脆くも崩れ去ろうとしている。
 祝福を与えてくれなかった神に代わり祝福をくれると言った『太信党』への投資は、一王国貴族が一生に稼ぐ額を超える。

 にも拘らず、彼は未だ唯の“一幹部”に過ぎず。党首ウザリは見知らぬ吸血鬼ばかりを重用し彼の献身を顧みる事は無い。
 結局は力だ。力だけがその人間と貴さを、素晴らしさを証明する。しかしザスタファには金しかなかった。

 ならば買えば良い。力を買えば。貴さを買えば。素晴らしさを買えば――――金の力で全てを見返せば良い。

「素晴らしい! 素晴らしい!! 『砂蟲使い』ラディスラーヴァ! そして『九十九鬼』のガランドゥーム!
 この大軍勢さえ居ればわしは無敵だ! おおおおシラーの神よ! 照覧あれ!! 今宵我がザルムザーリは伝説となる!!」

「キヒヒヒ……お褒めに預かり光栄さァ。久々の大仕事、精々愉しませて貰うからネェ」

「“……何でも 良い けど…… 金の分 だけは 働く よ”」

 実に四頭を数える巨大な魔獣。そしてその足元に集う百を数える亜人(ゴブリン)の蛮族達。
 それらを率いる亜人の王(ゴブリンロード)は一際小柄であり、まるで子供の様な体躯で大仰極まる直剣を抱いて頷く。

 魔獣を統べる仮面の男はそれらを冷め切った眼差しで見つめるも。くぐもった声でキヒヒ……と嗤う。
 何故、この様な大仰な魔獣を手繰る力を持つ個人が人の口に上がらないのか。何故、ザスタファの様な小物に雇われているのか。

 そんな疑問が浮かぶ理性も、冷徹な判断力も。消え行く私財と追い詰められた立場。
 自らの人生そのものを否定され続けている様な小太りの没落貴族には既に無い。そんなゆとりは、もはや砂漠の砂粒となり果てた。

 金、金、金、ただ金の力のみで結びついた烏合の衆。けれどその額が天を衝くまでに至ったならば。
 瓦礫の塔は果たして、人の絆を上回る程の偉業を為す物だろうか。それは――――未だ誰であろうと答えられる物ではない。

 唯一つだけ言える事が有るとすれば……それは――――
 ――――この戦いの果てに、勝敗と言う解答だけは歴然と示される。ただ、それだけの話である。

解説

vs大怪獣 ●戦場  開けた平原と砂漠の境界線。敵は砂漠側から迫って来る。  境界線上には防衛線として防壁が築かれており、魔法攻撃値300の【鉄壁】と同性能を持つ。 ●友軍 ・護兵団団長ダルヴィン・ケルソー  標準的な冒険者より一回り程格上の実力を持つシーフ。  特に回避能力が高く時間稼ぎはお手の物。ただし戦闘不能になったら作戦失敗。  物理攻撃・命中高めのシューターを2人身辺護衛に付けている。 ・『黒槍の守り人』ガレス・コーニッシュ   標準的な冒険者より若干格上程度の力量を持つウォーリア。  物理特化した能力を持っており、特に物理防御に関しては極めて頑健で丈夫。  強みを素直に伸ばしており機動力をスキルに依存しない。自前で回復可能と何かと器用。   ・『砂狼』シャムハーン・ラハマディ  外見年齢は30代中盤、標準的な冒険者より若干格上程度の力量を持つウォーリア。  対魔法に特化した装備で身を包む為、一般的な戦士より遥かに魔法に対する耐性が高い。  一方、重武装である為チャージングが尽きると機動力が一気に落ちる。 ●護兵団  友軍。総員100名が配備されている。非授恵者。  『青燕兵曹』が存在しない場合、ダルヴィンが全軍の指揮を執る。 ●ザスタファ・ザルムザーリ  外見年齢50歳程の小太りのおじさん。非授恵者。所在地不明。 ●『砂蟲使い』ラディスラーヴァ  知名度の一切無い謎の魔獣使い。支配対象は『大砂蟲』。所在地不明。 ●大砂蟲  金剛石の如き外骨格を持ち、鋼鉄をも容易に切り裂く牙と強酸の体液。  幼虫で全長凡そ3~5m。成虫ともなれば10mを超える事もあるシラー砂漠最大級の魔獣の一種。  戦場には合計4体存在しておりそれぞれ3m級×2、5m級×1,8m級×1で成る。 ●武装集団『百鬼衆』  ゴブリンの授恵者10人を中心に、非授恵者ゴブリンが90人集まった大規模な破落戸の集団。  授恵者10人中5人は冒険者に匹敵する実力を持ち、此度の指揮官は『九十九鬼』のガランドゥーム。  シューター4、ウォーリア6と言う物理偏重の脳筋集団だが、実戦経験豊富な為搦め手も用いる。 ●注意事項 ・誰を何処に配置する。何を中心として狙うなどの戦術は提案制です。 ・このシナリオでは、『青燕兵曹』の称号を持つPCがNPC部隊(約20名)に対し、  部隊規模での行動を依頼することが出来ます。(今回の場合、護兵団が相当)  但し依頼内容によっては部隊の了承を得られない場合もあります。

マスターより

 70度目まして。シリアス&ダークを身上に生きております弓月蒼です。  【西局】の戦いも大詰めを迎えつつあります。ということで、大怪獣のお時間です。  ダイナミックに、派手に、大雑把に、大物狩りは冒険者の醍醐味!と思われる方は  是非とも御参加頂けますと幸いです。一狩り行こうぜ!!!  尚、それはそれとして此度も結果次第で以後の【西局】戦線に悪影響を与える可能性があります。  どうぞあらかじめご了承ください。

リプレイ

●陣前にて烈に在り

 熱と砂を含んだ風が吹き抜ける最前線。ダルヴィン・ケルソーに声が掛かる。
 襲撃が近い。会話1つにせよそれ単一に時間を割いている暇は無いほどに。

「ダルヴィンさんは後方からの護兵団指揮に専念して頂けると嬉しいのですけど」

「おや。私は実戦経験も豊富だよ? 指揮に専念すればその分負荷が増える。自信はあるのかい」

「ダルヴィンちゃんは、敵への美味しい餌にはなると思うわ。でも万が一でもやられてしまうのはまずいのよね」

 だが、『青燕兵長』ザザ=ステルヴィナ、そして『青燕兵長』エミリア・シバ。
 冒険者として、この西方戦局における功績者として知られる両名の言とあっては流石に無碍に出来ない。

「確か君達は、共に此度の戦いで功績有りとされていたね。今の見解はその経験に基づく物かな?」

 砂漠での戦いは平地のそれとは異なる。足場は不安定でありどうしようが機動力が削がれる。
 となれば、盗賊(シーフ)に適正を持ち熟練の戦士でもあるダルヴィンの存在は無視出来ない程大きい筈だ。

 此処で敢えて下げる選択をするということは、純粋に彼ら、彼女らの負荷を上げる事に直結する、が――――

「ええ、敵は前衛に『大砂蟲』、随伴込みで浸透制圧。後方に指揮官なんて布陣だと想定される」

「――――と、なると。ダルヴィンちゃんが前線に出ていると囲まれかねないでしょう?
 出来れば変装なんかして、遠目で分からない様にして貰えると嬉しいのだけれど」

 その提案は、"あり得る"展開であり。例えダルヴィンが砂漠での戦闘になれていたとしても。
 そういった乱戦では"紛れ"がある事までを否定出来ない。という部分で3名の見解は一致していた。

 加えて、実の所。この両名が北方辺境伯麾下の騎士候補であることも。
 内偵を務める事もある彼は既に把握している。となれば、恐らく有り得るのだろう。"万が一"が。 

「変装。なるほど、そういう手もあるか……」

 西方辺境伯の片腕であり護兵団団長でもあるダルヴィンはこの戦いを通して一つの結論を得ている。
 "冒険者"は数年前より遥かに戦力水準が上がっている。伝聞での理解と実体験の間には大きな乖離が存在した。

 再興を余儀無くされる『帝国』はともかく。『王国』の各地で冒険者の取り込みが進む政策の大転換。
 その理由が浮き彫りと成る。実質、『同盟』一国の干渉下に在る、一戦局を左右する程の『武力』。

 詰まるところ今の冒険者の立ち位置は――――最早 "このままでは危険" なのだ。

「分かった。君達の申し出に従おう。私は後方より敵伏兵の所在把握に専念する。それで良いね」

 であればこそ。ダルヴィンはその危機感を信じる事にした。西方では強者に敬意を払うのは当たり前の事だ。
 己の立場や誇り(プライド)に縋って適切な判断が出来ない人間が生きていける程――――西境(この地)は甘くない。

 ――――

「無事に雇用先を見つけられたようで何より。貴方ほどの腕利きが失われるのはこの砂漠の損失ですからね」

「ハハハ、昨日の敵は今日の味方って奴だな。……んで、この忙しい時に何を買いに来やがった」

「ちょっとお知恵を借りたいことがありまして」

 『気が向いた分だけ仕事する』キーゼが掲げた蒸留酒の瓶へ視線を向け。
 口元だけ笑った『砂狼』シャムハーン・ラハマディが腰に挿した巻物(スクロール)を放って投げる。

「お見通しですか。いや、傭兵はそうでなくては」

「言ってろ。貸し借りなんてな早め早めに返すに限んだよ。
 何せ無料(タダ)より高価(たけ)え買い物は――」「――無いですからね」

 巻物(スクロール)の封を解けば、其処にはやや大雑把とは言え件の『大砂蟲』の生態が刻まれており。

(……縄張りには"身を隠せる低地を好み"一般に子を生む都合上、雌の方が雄より大きく成長する)

 可能性は考えていた物の、裏付けが取れた事は大きい。何せ敵は"大物"だけではない。
 "大型這者級"の質量を持った魔獣など相手取る数は少ない方が良いに決まっている。 
   
「――――余録なのですが、これ、"もし僕が声を掛けていなかったら"どうしていました?」

「高価く付くと分かってる対価を踏み倒せるなら踏み倒す。傭兵ってなあそういうもんだろ?」

 『砂狼』は凄腕だ。自らを下した生き証人など"居ない"に越した事はない。
 傭兵(彼ら)の生業は信用商売だが――――それは、雇用者と被雇用者との関係に限られる。

 優れた傭兵とは利に聡い物だ。賢く利用すれば絶対的費用対効果を約束するが。
 一方――――友軍が無能であれば一際早く切り捨てる。冒険者とは違う。それこそ強みとすら言える。

「……違いない」

 当然過ぎるほど当然だと、キーゼは頷いて見せた。感性と理性、両面から理解出来た。
 彼らはだからこそ、"利害を一致させれば心強い味方となる"のだから。

 ――――

「なるほど、となると……体躯の大きさが一つの指針になりそうだね」

 キーゼが持ち込んだ"とある筋からの情報"により。考え込んだダルヴィンに。
 『青燕兵曹』ジュスト・ヴェルジーが砂漠と陣地、その境界の地図を見つめる。

 高所、であれば近場に砂丘があるが、低所、となるとその近辺が相対的に位置が低い。
 
「少なくとも、私ならこの巨体は防壁の破壊に使います。そうすれば領都まで一直線ですから」

「そうだね。ただ、どうも『大砂蟲』は生態としては"待ち伏せて狩る"魔獣のようだ。
 道理でそのサイズ感に反して発見例が少ないとは思っていたけれど……」

「ですね。伏兵に徹されると極めて厄介な事は分かります。なので――――」

 防壁を破壊された上で歩兵に浸透されるのが展開としては最悪だと。
 ゼラルム・エルホワイトは"積極的に戦線を押し上げる"方策を推す。

 勿論その場合主力である"護兵団"そのものが前に出る為、必然指揮を取るダルヴィンも。
 防壁内に留まるよりは遥かに危険に晒される可能性は上がる訳だが……

「同感です。個体戦力は此方が有利。"打って出る"方が効率が良いでしょう」

 黒フードの傭兵が頷くと、ダルヴィンは小さく息を吐く。確かに、勝利を目指すならその通りだ。
 だが、今回の戦いは背後に領都を負う。状況上、勝てずとも負けなければ良い――――ことも、事実。

「ジュスト・ヴェルジー。君はどう思う」

 『青燕兵長』であり、古参の小隊長からの推挙も届いている人物の力量を見たいと。
 試すかのように振られたジュストの表情が一瞬固まるも、黙考の後言葉を絞り出す。

「何にせよ、この魔獣は大型です。本気で探せば見失うとも思い難い。
 小型の個体を極力引き付け、二番目に大型の個体を最優先で倒したい……ところですね」
 
「では、そうしよう」「ぶ……ちょ、えぇ!?」

 あっけらかんとそう告げたダルヴィンに。精一杯思考を回したジュストが明らかに呻くも。
 その若き護兵団長は片目を閉じて口だけで笑む。まあ、『王国』軍人など癖者に決まっている訳だが。

 ――――

「では、一番大きな個体は極力こちらで引き付けます」

 『青燕兵曹』コルネリウス・アーラの第一声に、彼女の指揮下に置かれた護兵団員がどよめいた。
 至極当然と言えば当然だろう。幾ら西境を担う守りの要、護兵団と言ったとて。

 彼らは誰しも砂漠の恐ろしさを骨の髄に叩き込まれている。上、そうは見ない『大砂蟲』の成虫だ。
 1人2人でどうこうなる巨体ではない。それをこの森人(エルフ)の娘は"引き付ける"と宣う。

 正気の沙汰ではない、というのが、純軍人たる護兵団員達凡その総意であり――――

「……大砂蟲か。大分以前に遭遇した事があったな」

「あんまり、虫は好きじゃないんだけど……あたしは、小さいのを一匹引き付けておけばいいのね?」

 流石に誰か止めるだろうと言う推測は大いに梯子を外される。
 苦手と言いながら挑む気しかない『威風凜然』デイジー・ロックウェル、は百歩譲って仕方ないとして。

 交戦経験があると言いながら『銀の双刃鬼』ナハティガル=ラーは何故制止しないのか。
 彼らは歴戦の雄であるとは伝え聞いていたが。本来――――"そういう問題"ですらない筈だ。

「お、お前らあの陰気な黒い騎士崩れ野郎の姿見なかったか? そろそろ出陣だっつーの何処に居るんやら」

 そんな彼らの防衛陣地に通りがかった『砂狼』に、思い掛けず護兵団員らの一縷の望みが託されるが。
 勿論、傭兵である彼は"報酬通りの仕事"をするだけだ。それを見取りナハティガルが問を投げる。

「『砂狼』か……1つ聞きたいのだが、アンタは『魔獣使い』には詳しいのか?」

「お? そりゃそうだ。傭兵が手前えの命預けるもんの性質を知らねえなんてそりゃモグリだぜ」

「魔獣使いと魔獣とがどの程度まで繋がっていられるか、というのは分かるか」

「ん……練度次第、じゃあるが。真っ当な使い手なら、大体エーテルリンクとトントンだな」

 ――――となると、凡そ直線距離1km。戦場という単位で考えれば巨大と言える影響範囲だ。
 そうそう容易には逃れられまいと知れれば、護兵団員達も覚悟せざるを得ない。

「制御から外れる可能性は低い、か……責任重大ね。ま、やることはやるわ」

「ええ、相手にとって、不足は有りません」

 愛用の盾を構えたデイジーとコルネリウスの言は、退路はないのだと思い知るには十分過ぎた。

●シラーの大地は血に濡れて

 防壁を外側から見て回ると言う危険極まりない周辺偵察を敢行していた黒フードの傭兵。
 敵影は未だ視界に入って来ないが。奇襲なり暗殺なりあれば真っ先に狙われる位置だろう。

 実力に自信があろうが無茶が過ぎる。同道する友人との関係から否が応でも流石に理解が及んで来た。
 イヴェール・イリュジオンは、その姿を視界に入れて思わず大きく嘆息すると。

「何故固まってるのですか……」
 
 後背で身動き出来なくなっている『夜に咲く白月』レティシア・レインフィールを一瞥した。
 先の兵站拠点での戦いで何が有ったのか。詳しくは尋ねなかった物の。

 態々愛馬を引き連れてまで探していたのは明白にも関わらず、実際見つかると足が止まる。
 その時点で、彼女が死地に向いていない事は明らかだった訳だが……

「いえ、その……叱られてしまうのではないかと……」

「今更ではないですか?」

 仕方ない、とも。世話が焼ける、とも。思う所がないではないものの。
 まあ、貴族の淑女と言うは本来そういった物か……とも思えば、放ってもおけずぐいぐいと背中を押す。

 そんな友人の努力の結果として、黒フードの傭兵にも当然の様に気付かれた訳だが。

「……こんな危険な仕事を受けられるとは……と、本来は諌めるべきなのでしょうね」

「わ、私にも、貴族としての意地と誇りがあります! 民を護るのは私の責務でもあり――――」

「いいえ、西境を護るは西方辺境伯家です。レインフィール伯爵家が負うべき責の範疇ではない」

 ばっさりであり、ぐうの音も出ない正論に。レティシアが唇を噛んでじっと見遣る。
 思えば、前々からこういう人だった。騎士であった頃はもう少し柔らかに誤魔化していたが。

 この人は前からこういう人だったと思えば、想う事。話したい事は多々。無数にあれど――――

「……きっと沢山のものを背負っている貴方の力になり、守りたいと……そう思っては御迷惑ですか」

「自分にとって貴女は断じて護るべきものだと、御存知ありませんでしたか?」

 互いを守りたいと望む以上この問は無限に平行線だ。物言いたげなレティシアに、ガレスが俯き気味に笑う。
 それを遠目に見るイヴェールからすれば、互いの気持ちは全く同一の物に見える訳だが……

 そうしてふと視線を逸らせば、其処には一瞬前までは無かった尖塔が突き立っていた。
 一度二度瞬き。三度目になってそれが陽炎ではないと確信すると同時に、防衛陣地に鐘の音が鳴り響く。

 ――――

("巨大(おお)きい"―――――――!)

 天を衝く、という言葉がこれ程そぐう事もない。配下の護兵団員を連れて前線へ駆けたコルネリウス。
 その眼前百m先に在る『大砂蟲』推定8m級は視界を両断する程の巨体だ。

 砂を掻き分け跳ねる様に迫って来るその生命体は"砂漠"が迷彩になる故未だ受け止められるが。
 それが人間が単一で相対してどうにかなる存在でない事は、その質量感だけで十分理解出来た。

 巨大、それに見合う質量がある――――それだけだ。それだけで最早必要過剰なのだ。
 視界を真上へ上げた。距離感が正確に掴めないが、既に彼女と彼女の率いる兵達は"捕食圏だ"と確信する。

 『大砂蟲』の移動能力が高過ぎて随伴の亜人(ゴブリン)達が追いついてこれていない。

「ですが、此処は、通しません――――!!!」

 盾を構え。澱を練り上げ放つ獅子の咆哮(シーザーロア)が、この巨大生物にどれ程効くか。
 すり鉢状に生えた、人間大の生命など直ぐ様挽肉(ミンチ)にするだろう牙が頭上に見えた。

 爆ぜる様に周囲一体の砂が津波となって飛び散り――――それが、開戦の号砲となる。

「良いですか、戦線の拡大は敵に利し此方に不利です。
 あの大型『蟲』は明らかに囮です、決して戦線を上げず防衛線を維持して下さい」

 ゼラルムの声に、頭に纏布(ターバン)を被り砂色の外套を羽織ったダルヴィンが応じる。

「敵影、"亜人(ゴブリン)"の大部隊が戦場に広く展開している! 総員盾構え!
 訓練通り、落ち着いて受け流せば恐れる程の事はない……!」

 良く通る護兵団長の鼓舞に、浮足立っていた団員達の連携が劇的に改善されていく。
 積み重ねの成果だろう。護兵団の練度は非授恵者、と言う水準で見ればゼラルムにも分かる程に高い。

 見上げる程の『大砂蟲』の巨体。砂山を登り現れる小さな、けれど数え切れない程の敵影。
 ゼラルムが菫の杖を両手で握る。魔法使い(キャスター)は射程圏に敵が踏み込まねば戦力にならない。

「さぁてザザ殿。これはどう見る?」

「そうねジュストさん。まあ伏せてるんでしょ。子供を護る家族愛かしら」
 
 最前線で大暴れする8m級の『大砂蟲』以外の姿がない。3m位なら確かに砂丘の陥穽に隠れはする。
 だが――――それらを隠す意図が……いや、考えてみればそうとも言い切れない。

 体躯を持ち上げで暴れる8m級に視線を向ければどうしても視界は上へ向く。足場が疎かになる。
 或いは人より小柄な"亜人(ゴブリン)"に集中すると視線は下。短視野になり狭視界となる。

 恐らく『砂蟲使い』――――なる魔獣使いの仕業だろうが、上手い手口だ。
 何の対策も無ければ、3mや5mと言う巨体であろうと十分に"奇襲"が成立する。

 そう、何の対策も無ければ――――だ。

「でもね、私……隠し事探り当てるの(看破)って得意なのよね」

 ザザの視界には確かに、砂丘の下がゆっくりと陥没していく姿が映っていた。
 音も無く静かに。けれど確かに。砂漠の砂の迷彩に隠れてこそいたが――――ザザは見間違えない。

「右翼から『大砂蟲』! 全兵盾を構えて、来るわよ!!」

 ――――

 2体の3m級は砂の下を潜って現れた。出現地点は防壁の直前。
 本来であれば護兵団は総勢浮足立ち、其処を亜人(ゴブリン)達に押し潰されていたろう。
 
 それが――――戦場を俯瞰して(天眼で)見ていたジュストには手に取る様に理解出来た。
 理解出来た上で――――補足してしまえば。彼の天からの視点はもうこの敵影を逃さない。

「ゼラルム殿! デイジー嬢! 出番だ……!!」

「――――了解しました」

「ジュストの命令で出陣するのって何か釈然としないけど……! 分かったわ、任せて!」

 極力止めを刺さない様に、足を止める。それが2人の役割だ。
 防壁直前に出現された以上僅かでも浸透される訳には行かない。足止めも一朝一夕では行かないが……

「いいえ、もう一匹居る……!」

 声は前方、即ちダルヴィンの服装に良く似たヘソ出し戦衣で亜人(ゴブリン)達を捌いていたエミリアから上がった。
 そうだ。もしこの3m級の『大砂蟲』が"仔"であるなら"親"が随伴していない理由がない。

 確かな戦術眼でそれを危惧した彼女の警戒は的を射ていた。爆裂する砂埃と共に出現したのは5m級。
 大きさこそ8m級には劣るが――――周囲を睥睨するその挙動は本能のみの3m級とは明らかに異なる。

 何せ、周囲に無数に存在する授恵者らを"無視して"、その『大砂蟲』は明らかに――――
 "ダルヴィン"を偽装(フェイクカバー)しているエミリアへ向けて牙を剥いたのだから。

「――――やっと姿を見せましたね……!」

 銀色の髪が舞い、虹色の花弁が砂上に散る。彼女は"地の揺れ"や"異音"へじっと警戒を向けていた。
 故、誰より早くその出現を察し、駆けながらの獅子の咆哮(シーザーロア)でその矛先を捻じ曲げる。

 イヴェールが構えた『幻日』の虹剣(メモワール)がすり鉢状の牙を真っ向から受けると。
 大地を炸裂させてその姿は砂塵の向こうへ消える。だが、エミリアもまた一呼吸置く暇は無く。

「"疾――――"」

 剣戟は瞬きと瞬きの合間を縫って放たれ、それを間一髪で回避する。
 彼女が指揮する護兵団をすり抜け、瞬発力に優れる彼女を捉え兼ねない剣速。

 一目見て理解する。眼前の亜人(ゴブリン)……否、亜人の王(ゴブリンロード)は手練れだ。

「"……ん……人違い……ダルヴィン・ケルソーは何処……?"」

 辿々しく、ゴールディ訛りの滲む声。未だ子供の様に見える低身長。
 しかし扱いの難しい大太刀を携えたその授恵者は、淡々と、無感動に言葉を重ねようとし――――

「こいつは此処で引き付けるわ! 誰か急いで人を呼んで……!!」

 "手に余る"と確信したエミリアの言に、配下の護兵団が駆けていくのを確認しつつ両手で獲物を構える。
 
「――――"……『九十九鬼』のガランドゥーム……邪魔は……させない"」

 ――――

「……っ!」

(一撃が重い……! 回復してもジリ貧ですね、これは……)

 8m級と真っ向打ち合うコルネリウスは自分がジリジリ押されている事に気付いていた。
 麾下の兵には周囲、特に後背を警戒させているが、何せ敵は尋常でない巨体である。

 攻撃を惹きつけようとも振るわれる体躯に護兵団の団員達が吹き飛ばされて散る。
 どれほど鍛えようと所詮は非授恵者である彼らに特大の魔獣の戦場へ踏み込ませるのは無茶が過ぎた。

「――――通しませんと……言いました!!」

 擦り鉢めいた牙が降る。竜にでも踏まれたかの如き超重量。それを盾だけを縁に歯を食い縛り耐える。
 関節が軋み血が吹き出すも。痛みを噛み殺し稼いだ時は。10秒か――――20秒か――――

 ――――本来、防衛線を瓦解せしめる筈だった奇襲を捌かれた事で、戦いは大混戦へと雪崩込んでいた。
 これには戦力分散も去る事ながら、『大砂蟲』への十分以上の警戒が功を奏した結果とも言える。

 4体全ての『大砂蟲』を冒険者達が手分けし担当した結果として、戦線は膠着常態へ陥る。
 当然、より大型の個体になるにつれ質量が火力に転ずる為、コルネリウス、イヴェール両名は苦戦を禁じ得ないが。

 しかし事態は、"其処以外"から――――動く。

「よお腹黒治療師。景気はどうだい」

「依頼料分位は仕事をするつもりでしたが……これは明らかに赤字ですね」

 曲刀を構えたシャムハーンが放った獅子の咆哮(シーザーロア)で引き付けられた敵勢。
 問題は其処に混ざっていた2人の亜人(ゴブリン)が問題だ。巨大な『蟲』の動きに左右される戦場では。

 足を止めて迎撃に専念するキーゼの周囲には既に他の冒険者は居ない。乱戦故の孤立は彼に過剰な負荷を掛ける。
 自己回復と炸光矢を駆使してそれでも立ち回り得たのはその地力の高さ故だが、それもこの状態が永続していれば。

 何処かで必ず限界が訪れただろう。それを見越し割って入ったのは『砂狼』の慧眼である。

「他の地点は如何ですか。奇襲は防げた様ですが」

「――――良くはない、な。亜人(ゴブリン)の浸透が防げてねえ」

 何か数字らしき物を名乗っていた2人の亜人の戦士を一端シャムハーンへ預け、キーゼは只管に数を削る。
 敵の構成上護りに回り続ければ敗ける。黒の治療師と『砂狼』が防壁前で奮戦する――――地点と防壁の直線上。

「"キッキッキ、この『八十二鬼』のレッピーネ様の前に立つたァ運が無いぜお前ェ!"」

「いちいち名乗りを上げてくれるのは有り難いが……何かの模式美なのか?」

 弓を構えた亜人(ゴブリン)へ、揶揄する様な呟きが届くや否や矢の雨が降る。
 小物臭い言動と反し、その攻撃精度は決して悪く無い。何本かの矢がナハティガルの体躯を掠め血華を咲かせるが。

 全冒険者中最も敵陣奥まで踏み込んでいる彼は既に気付いていた。現在の戦運びは敵の目論見通りなのだろう。
 眼前の小鬼――――レッピーネの奥に更に3人の授恵者が矢を構え力を溜めている。

 狙いは味方中央。8m級を一人で抑えるコルネリウス。良く耐えてはいるが、その体躯は既に傷だらけだ。
 大型の削岩魔具の如き『大砂蟲』の牙は"足を止めて耐える"戦士と相性が悪い。

 自己回復でギリギリ保たせている状態で、3発射撃が加われば――――瓦解は免れない。

(――――チッ、合図の手段を用意しておくべきだったか……!)
 
 暗殺を狙うならば、必然敵陣に大きく踏み込む。彼が危機回避の手段を有していない事は痛恨と言えた。
 今更に割り込もうにも、レッピーネの照準はナハティガルを当分捉え続ける。逃げ切るのは容易ではない。

「"何だァ? 俺様から逃げられると思ってんのかァ?」

「――――当然だ」

 砂を蹴って駆け出すのと、視界の中の3人の射手の手元から矢が放たれるのはほぼ同時。
 放たれた三条の矢が、守勢に徹する森人(エルフ)の娘へと情け容赦なく降り注ぎ――――爆ぜた。

●蹂躙の足音

「"……良くかわす……ね"」

「お褒めに預かり光栄だわ……!」

 『九十九鬼』のガランドゥームは強かった。神眼法・改(回避補助)は尽き、尚見切り切れない。
 当然相手も手傷は負っているが、地の生命力差がある分形勢有利とは言い難い。何せ敵は見るからに戦士(ウォーリア)だ。

 エミリアの反撃は"軽い"。互いに決定打を欠いたまま幾許かの時が過ぎ――――

「援護に来たわ――――よ……!」

 中空に無数の光点。ザザの放った流星煌(メテオレイン)が大太刀を携えた亜人(ゴブリン)に突き刺さる。
 初めての有効打。体躯から毀れた鮮血をかわすと、いよいよ以て反撃開始――――とは、ならなかった。

「……え」

 視線はガランドゥームの遥か上を向く。其処には冗談としか思えない巨大な影が鎌首をもたげていた。
 一見すれば分かる。それは怒り狂う8m級『大砂蟲』。では、抑えは―――――

「"……時間稼ぎは……終わり"」

 ――――判断素早く、エミリアが投げ上げた閃光塗弾を。敵の挙動を探っていたダルヴィンは防壁後方より見て取るや。
 すぐさま踵を返すと、護衛の弓兵もまたそれに従い取って返す。事態は風雲急を告げていた。

「足は止めました、止めを!」

「良い加減――――倒れなさい……!」

「――――追撃、参ります!」

 ゼラルムが3m級『大砂蟲』の動きを縛り付け、戦闘への横やりを防ぐと。
 イヴェールの、光り輝く剣の一閃が近場で暴れる5m級、その穴の空いた外皮へと叩き込まれ。

 ダメ押しとばかりに馬を走らせた黒フードの傭兵が漆黒の槍を突き立てる。
 5mもの巨体がのたうつ度にばら撒かれる酸の体液は盾で防ごうと防ぎきれる量ではなく。

 守りに長けた戦士二人も相応の手傷を被っているが、その後方より響くは澄んだ歌声。

「天空(そら)は遥か 慈悲(いのり)等しく 癒し 生かし 救え 陽光(ひかり)の様に――――」
 
 範囲大回復(ハイパーヒーリングオーラ)で戦線を維持するレティシアによって、戦いは卒無く進む。
 幸い、周囲からレティシアへ向かって迫って来る亜人(ゴブリン)の雑兵は、ジュストが依頼した護兵団が捌いてくれている。

 その奮戦もあってか、戦場全体を見渡しても最も火力が集中しているこの戦場ではさしもの『大砂蟲』も恐れるに足らず。
 5m級が体躯を横倒しにして痙攣を始めると、周囲の護兵団からも歓声が上がり――――けれど空に撃ちあがる光。

 見上げた先には怒り狂い荒ぶる8m級の姿。その挙動は今し方討ち果たした5m級とはまるで異なる。
 完全に野生に呑まれた、暴走そのもの。そして4人は正に連携して5m級を倒した直後だ。

 巨大な敵影が迫るのを、誰しもが呆然と見守る他は無く――――

 ――――

「――――っぶな。え、何あれ……?」

 3m級『大砂蟲』の単純極まる噛みつきを綺麗に避けたデイジーは、けれどその視線を空へ逸らされる。
 打ち上がった閃光塗弾は、稲妻の荒れ狂う空間(アーケイン)の中のジュスト、ザザ、デイジーからも見えた。

 彼ら、彼女らは生かさぬよう殺さぬようを意識しながら足止めに徹していたが。
 それでも仔蟲は一定の手傷を余儀なくされている。そこに来て分かり易く暴れる8m級が迫っている。

 あれが自由に動き回っていると言う事は、そこを抑えていたコルネリウスはどうなったのか。
 一瞬嫌な想像が過ぎるが、それより何より"誰も割り込めない"事がこの場合最大の問題だと言えた。

 ある意味で、止む無い話ではある。防衛線である防壁に一切頼らない選択をした以上。
 冒険者達は蟲の足止めに"過剰な"戦力分散をしている。

 本来、質量が最も軽い仔蟲であれば防壁を利用し、その耐久限界を測っても良かったろう。
 結果火力が削がれ、最も負荷が重く掛かる部分が折られた。と、なれば――――

「……、……。――――兵を下げよう」

 ジュストの戦術眼(め)が正しければ、戦線は未だ"防衛側優位"とは言えない。
 百鬼衆の主力メンバーは過半数が健在である。今共同戦線を持ち掛けた所で……是、とは応えまい。

 何せ8m級『大砂蟲』は明らかに"仔蟲を苛める"此方を敵と見ている。

「何で!? もう一押しじゃない!!」

「此処で犬死にして良い命なんて1つも無いからだ――――デイジー嬢、急げ!!」

 天眼も戦術眼も有さないデイジーには戦況が見えていない。だが、ジュストには察するに十分な情報が揃う。
 防壁前に展開された冒険者8名中、3名が足止めされ3名は遠く、そして2人で3m級と8m級は抑えきれない。

 瓦解だ。踵を返し駆け出したその背をすら削がんとする様に、上空から8mの巨体が牙を剥いて墜ちて来る。
 爆音、或いは轟音。爆砂の波を背に必死で駆ける。一分一秒とて――――猶予はない。

「こっちだ。防壁で暫く抑えが効く! まず距離を取って立て直すしか無い!」

「そうですね。少なくとも防壁越しに引き撃ちすれば暫く時間は稼げるでしょう」

「後は乗り越えて来る野郎共を逐一潰せば蟲が暴れてる間に逃げ切れるだろうぜ」

 一足早く退路を確保したダルヴィンはともかく。何故早々に防壁内側へ逃げ果せているのか。
 微妙に釈然としないキーゼとシャムハーンに引き込まれたジュストとデイジーは後背を見返す。

 其処は暴れ狂う8m級『大砂蟲』とそれを無視して防壁内への浸透を試みる『百鬼衆』の尖兵。
 その中を右翼より、騎馬で強行突破しつつある黒フードの傭兵とゼラルム、手と手を取り合う銀髪の淑女2名。

 更に左翼より、此方もどうにか部隊の体を保ち逃げ切りつつあるエミリアとザザと言う阿鼻叫喚であった。
 乱戦であり混戦ではあるが、状況がこうまで混沌としては一度退く他ない。何より士気が致命的だ。

「戦果は?」

「こちらは5m級討伐。亜人(ゴブリン)を20程」

「こっちは亜人(ゴブリン)10。授恵者1だな」

「私のところも同じ位ね。亜人(ゴブリン)10。授恵者1」

 イヴェール、シャムハーン、ザザらの言に頷いたダルヴィンは手勢に退却の準備を急がせる。
 5m級『大砂蟲』1体。亜人(ゴブリン)40~50。授恵者2名。各戦場の負荷を考えれば大戦果と言えよう。

 だが、それは勝利を意味しない。被害護兵団21名。行方不明冒険者2名。継戦は――――最早困難だ。

「……責任は私が取る。戦線を下げよう」

 ダルヴィンが苦渋の決断をする。この防衛線から戦線を下げれば領都が巻き込まれる。
 領民にも決して少なくはない犠牲が出るだろう。しかし、護兵団は西境守護の要である。

 ここで徒に消耗する訳には行かない。……それが、団長たる彼の責務ですらあるのだから。

 ――――

 ――――かくて。長きに渡る西局の乱、その領境の戦いにおいて。
 西方辺境伯麾下護兵団、及びその戦線に投下された冒険者達は此処に手痛い黒星を刻む事となる。

 幸い、戦闘不能となったコルネリウスは撤収時近場に居たらしいナハティガルに回収され一命を取り留めるも。
 対『太信党』戦線は遂に西方辺境伯領の境界線を超え、その内側へと雪崩れ込むこととなる。

 1222年8月――――『王国』西局の戦いは此処に、確かな佳境を迎えていた。

マスターコメント

 皆様お疲れさまでした。弓月 蒼と申します。   この度はご参加ありがとうございました。この様な結末に至りましたが如何でしたでしょうか。  此度は戦争と言うこともあり難しい戦いとなりました。  判定は『失敗』。経緯や原因については作中に記載させて頂いております。  各人攻撃の意思は十分であり、行動案も良く練られていました。  が、何処に火力を集中し、出来ない場合をどう事態を回避するのか。  こういった大規模戦闘では、戦術は平時より比重が大きい物です。 【西局】での戦いもいよいよ佳境。ご縁がありましたらまた次の機会にお会いしましょう。
ロングシナリオ

ロングシナリオ難しい 報酬:多い10 / 10〜10人

2022年08月23日 11時04分12秒 公開

失敗

相談掲示板

  1. ジュスト・V・ケレス

    キャスターのジュストだ、よろしく。 戦術云々やどこから手をつけるかは思いついてないから、ざっと所感だけ。 大砂蟲が合計4体、しかも全部3m以上で内1体は8m級かー……光縛封で閉じ込めも出来ないサイズだね。 百鬼衆に関しては数こそ多いけど、授恵者以外は護兵団でも対処できそうなのが救いかな。 それになんとなく大砂蟲は普通に百鬼衆も巻き込みそうな気がするんだよね。大きいし。 複数同時に使役しているなら個体ごとに活動範囲や進行方向だけ指定して、その範囲内や進路上に入り込んだ奴に襲い掛かるようにみたいなざっくりとしたオーダーなのかなぁと。 他の依頼では魔獣使いを倒して支配下から外れた魔獣は戦域離脱したけど、今回の大砂蟲が家族だったら支配関係なく家族のテリトリーに存在する異物は皆排除対象って認識されて結局襲ってくるかもしれないんだよね。 だから魔獣使いの場所を探って抑える場合、倒すというより命や何やらと引き換えに大砂蟲を退かせるよう脅しというか交渉する余地はあるかな? と思ったり。 ザスタファに関してはもしこの戦場に来ているとしたら勝手に死にそうな気もするから放置でも良いかなって。 捕縛してもあまり旨味がないというか、この戦場で構う程の価値はない気がして。 あとダルヴィン殿が戦闘不能になったら依頼は失敗だし、そうならないようフォローや、他友軍の配置なども考える必要がありそうなんだけど、この辺りはまだ考え中ということで。

  2. キーゼ

    『砂狼』が無事雇われていたようで一安心ですね。あれだけの手練れ、殺すには惜しいので。 …さて。そもそも明確な勝利条件がいまいち漠然としていないわけですが。 敗北条件の一つは既にジュスト氏が触れているもの。 後は部隊の潰走や防衛戦継続の困難、というところですかね? 逆に言えば勝利条件は敵の殲滅あるいは敗走、というところでしょうが。 ”どこまで敵の突破は許されるのか”というのもありますね。 敵の突破が許されない場合、近接勢の皆さんは防壁の向こうで敵に備えないといけないわけですから。 それと、防壁と言われているものが間断なく敷かれているのか、あるいは堰や塁のように飛び飛びで置かれているのか、でも話が変わりますか。 それと。大砂蟲…ちょっと形状が見えてこないのが厄介なんですよね。 普通に字面と状況からワーム系を想像しそうなのですが、外骨格を備える、となると、いわゆる昆虫系統か或いは節足系統か…前者後者で全く変わりますからね…誰か他シナリオで見かけた方います? それとこれ、強酸の体液らしいので、まあ敵集団の中で体液ぶちかますだけでも大変面白いことになるでしょうからね。 まあ、魔獣使いは一般的には戦場を見える位置にはいそうな気はしますね…エーテルリンクのような視界共有がなければ、ですが。 あとは匂いか何か…識別するためのギミックがある可能性は想定しておく必要がありますか。 僕がここを攻め込むなら、大砂蟲で一気に防壁食い散らかして、破ったところから武装集団を流れ込ませて、というのが一つ、ですかね。

  3. コルネリウス・アーラ

    ウォーリアのコルネリウスです、よろしくお願いします。 >勝利条件 ジュストさんやキーゼさんが触れてくださっている状況が失敗に繋がる認識は共通していますね。 防壁を破壊・突破されると駄目なのかと思っていましたが、防壁自体が飛び飛びの可能性も確かにあるのですね。 防壁前で抑えられれば勿論最善だとは思うのですが。 >大砂蟲 残念ながら、私は見た事がありませんね。 足の有無などでも狙う位置が変わって来てしまう気はしますが、ワーム系の生物が鎧をまとっているような姿…なのかなと想像していました。 ひとりで複数使役しているとなると一般的に考えれば詳細な指示を出すのは難しいとは思うのですが、大砂蟲が家族の場合、一体に指示を出せば連携や纏まって動いたり…などもあるのでしょうかね…? 敵陣の中で百鬼衆の巻き込みが出来れば非常に良いとは思うのですが。

  4. レティシア・R・クラティアス

    ごきげんよう。 ヒーラーのレティシア・レインフィールと申します。 皆様、よろしくお願い致します。 >勝利条件、敗北条件 私もジュスト様やキーゼ様が挙げて下さったようなものを認識しておりました。 防壁に関してはいくつかの形を想定した上で それに対応した各自の配置をご相談させて頂くのがよろしいかもしれません。 >大砂蟲 恐らくなのですけれど こちらの報告書(https://alpaca-connect.com/world/world0/scenario/485)に 遭遇された記録がございましたので、いくつかの情報を記載させて頂きますね。 『魔獣に含まれる大型昆虫。言うなれば超特大の砂漠芋虫。 全長は子供で3m。大人で5mを超える上、変異個体であれば10mに達する者もいるとか。 子供はともかく大人を真っ向相手にするのは、現在(当時)の冒険者の水準では極めて危険。 何で敵対種を感知しているのかは定かではないが、野生動物なので弱い者から狙う。 近接戦での物理攻撃力が高く子供でも尋常でなくタフだが、それ以外の能力はほどほど』 ・音か何か特定の振動を探知していると推測 ・砂中を移動する為、捜波で見失った ・砂上の移動速度は同じ環境ならば駱駝並 ・大人は巨体になるに従い徐々に遅くなる傾向にあるが子供のそれは遠慮を知らない あとは、私個人の推測となってしまうのですけれど 仔を慈しみ育てる家族なのであれば仮にその仔を撃破した場合 親が激昂し、一部能力向上や攻撃方法の変化 あとは魔獣使いの指示が通り辛くなるのでは、とは。

  5. ゼラルム・エルホワイト

    エルホワイトと申します。クラスはキャスター どうぞよろしくお願いいたします さて、まずは先に出ている事象から >勝利・敗北条件 所感になりますが 此度の敵の目的は「力を示す事」にあり、損得や戦略的な問題ではなくプライドや見栄の問題である、と推測します 即ち、防衛線を突破するのではなく我々をここで殲滅し、自尊心を取り戻す 或いは党首とやらに自身の有用性を示す事が目的である。と私は考えております 無論、先に挙げられていた護兵団団長の戦闘不能による作戦失敗は示されていますし、防壁の突破による防衛戦継続困難が失敗に繋がる可能性も十二分にございますので、この辺りを詰めていく事に異論はございません >防壁 これは、どうなのでしょうね 漠然と間断なく敷かれているものと考えておりましたが、その場合だと作戦中の境界間の移動に支障があるような・・・・・・ いえ、侵入を防ぐのが目的であればそれが正しいと言えばそうなのですが あとはそうですね。間断なく敷かれている場合、防壁自体の高さも気になる所です >大砂蟲 私も見たことはないですね・・・・・・過去の資料を漁ってもそれらしきワードも出てこないですし ただ、OP中に”実に四頭を数える巨大な魔獣。そしてその足元に〜”とあるのでこれが比喩表現でなければ足が存在する事になりそうですかね? となると昆虫型か節足型か・・・・・・ どちらにせよ、通常状態であれば敵味方を識別する程度は出来る様ですね ギミックなしで単純に操作指示を出しているのであれば、いつぞやの対アンデッドよろしくジャマーで精度低下もあり得そうではありますが

  6. ナハティガル=ラー

    すまん、書き損じた。 シーフのナハティガル=ラーだ。今回は宜しく頼む。 >勝利・敗北条件 護兵団団長が戦死すれば、敵軍にとっては大金星。俺達にとっては敗北。 それ以外では護兵団全体での人的・物的損害がどの程度になるかで変わって来る……という認識でいる。 >防壁 可能な限り破壊は阻止したい所だが(破壊された場合、修復に時間が掛かりそうではある)、作戦や戦況次第では一部破壊は止むを得ないかも知れん。 間断なく敷かれているのか、飛び飛びなのかは不明だが、一辺の長さはそれなりにある様に思う。 >大砂蟲 ――確か、大分以前に一度だけ交戦した事があった筈だ。(記憶を辿ってみる) 【いずれ旅立つ幻揺鏡】 https://alpaca-connect.com/world/world0/scenario/485 レティシアが上げてくれた報告書と同一だな。 芋蟲型の大型魔獣で、当時は逃げるだけで精一杯だったが――今戦ったとしたら、さて……。

  7. イヴェール・アーチボルト

    ウォーリアのイヴェール・イリュジオンです。 どうぞよろしくお願い致します(ぺこり) >大砂蟲 関連記録の記載ありがとうございます。 どこかで見た記憶はありましたが正確に覚えていなかったので助かりましたね…1年半くらい前の話となればよく覚えられていたと思いますが。 攻城兵器に等しいですから使い方としては個人にぶつけるよりは防壁にというのは順当な使い方な気がしますね… 砂中を潜行されたらこちらから発見するのは難しく、普通の手段では迎撃も出来ませんから砂漠の終わり、平原との境界線である防壁間近まで肉薄するのは容易でしょうし。 加えて数で一点突破を狙われたら短時間で防壁を破壊される恐れがありそうでしょうか? 防壁の長さにもよりますが、移動の手間など考えたらどこから来ても良いように始めから即応出来るように大砂蟲優先で対応する部隊がいてもいい気はします。 大人と子供で移動速度に違いがあるようですが、仔を慈しみ育てる、という事なら大人は仔の後を心配して付いてくる可能性があるでしょうか? その場合はまず子供が先に来るでしょうから特別指示の無い限りは大砂蟲がどこに来るか予測できるかも知れませんね。

  8. エミリア・シバ

    シーフのエミリアよ、よろしくね。 ごめんなさい、とりあえず取り急ぎな発言になってしまうけれど。 まず『青燕兵曹』の称号は一応持ってるわ。 作戦上必要がありそうなら使うわね >勝利・敗北条件 もう出ているけれど、殲滅でも敗走でも敵の攻勢が終わったらって感じじゃないかしらね。 >大砂蟲 情報を挙げてくれたお二人はありがとう。 時間が取れた時に読みに行かせていただくわ。 退かせるために魔獣使いの場所を探って抑えるような感じなら、おねえさん探しに行ってみようかしらとは少し思ったわね。

  9. キーゼ

    さて、お二人は情報提供感謝を >会敵 さて、そもそも防壁が最終防衛線かバリケード代わりに消耗させていいか、ですね。 まあ、防壁の規模と多さによっては歩兵を活かしきれないので、おそらく前者で防壁前会戦な気もしてますが。 その場合、戦場の広さも一つのネックですね。 防壁を破るだけなら魔獣をけしかけて壊すのが一番ですし。 或いはきっちり連携をとってくるなら。 魔獣1に対し歩兵を複数。魔獣による圧をかけこちらを牽制しつつ歩兵で蹂躙、というところですか。 魔獣専門を作るのはいいですが、ある程度乱戦も視野に入れるべきでしょうかね。 >砂蟲と魔獣使い 普通に操るなら、他でもよく見る、家族単位の長を利用してのクラウド型になるのでしょうが。 今回もその型かどうか、が一つの肝ですか。中核があるなら、そこをつき崩せばいいでしょうし。 あとは魔獣使いが隠れている或いは暗躍するなら、恐らく自身の護衛に一匹仕込む可能性もありますから、向かわれる方は気を付けてくださいね。

  10. デイジー・ロックウェル

    ウォーリアのデイジーよ!よろしくお願いするわ! 前回逃したシューター来そうかしらね?今度会ったら次こそ叩き斬るわ! 蟲、聞くからにデカいわね… マトモに攻撃通るか微妙かしら? 相手の攻撃受けるのも厳しそうだし、回避主体がいいのかしらね? で、蟲に意識集中してると、敵のシューターとかに狙い撃ちされそうで嫌ね…

  11. ジュスト・V・ケレス

    交戦情報提供ありがとう、成功・失敗条件に関してはナハティガル殿が挙げてくれている内容と同じような認識だったな。 >会敵 防壁は最終防衛線、防壁前で乱戦状態で会敵するイメージだったね。 大砂蟲の運用に関しては主に防壁の突破、そこに百鬼衆をの一部を追随させて大砂蟲の相手をする戦力の横っ面を叩くなり後ろから刺すなりしてくるんじゃないかって。デイジー嬢も触れてくれているが、シューターも控えているなら狙い放題だろうし。 乱戦を想定した上で、どう動くか、友軍にどう動いて貰うか、かなぁ。 >砂蟲と魔獣使い 魔獣使いの魔獣使役方法は報告書によってそれぞれなんだけど、太信党所属の魔獣使いは鈴のような楽器というか術具を使っていたよ。 死霊術士のゾンビ使役の場合ジャマーが有用だったりするけど、精神感応とはまた別種のスキル体系なら効果は出ないかも。 今回使用しているのが一家族と仮定するなら、その中核は家長である雄だよね。 小さな子の方が倒し易そうだけど、親は激昂して脅威度が上がり易そうなのがなんとも。 魔獣使いの制御から外れる可能性もあって、ヘイトを寄せて行動を誘導し易くなるというメリットもありそうだけど危険度が上昇して下手したら手を付けられなくなるっていうのがデメリットかな。 個人的には家長である雄から優先して倒すのが良い気がするけど……虫や動物って雌の方が大きいことがあるから、一番大きいのが雄とは限らないよね? 判別難しいなら5m級もしくは8m級から優先して討伐、かな。 ただ、子どもの方が先に攻め込んで来たら放置するわけにもいかないから対応はしなきゃいけないと思うけど。

  12. コルネリウス・アーラ

    情報提供ありがとうございます。大分イメージが付きやすくなりました。 >会敵 私も防壁は最終防衛線というイメージでいますね。 大砂蟲の対応にある程度手を割くのであれば、護兵団の方々にはそこを刺されないようにフォローをして頂く方が宜しいでしょうかね…? 『青燕兵曹』の称号を持つ方も私含めて複数人いらっしゃいますし、活用できそうならばしていきたいですね。 >砂蟲と魔獣使い 振動を探知するならばある程度の誘導は出来そうですけれど、かなり厄介な動きをするのですね。 雌雄の区別が一目でつくといいのですけど、芋虫さんだと解らない気もするのと、子供を先に撃破した場合のデメリットの可能性は、少し不安が強いかなと思います。 ジュストさんの挙げてくださっている方針なら、砂蟲の子供と思われる3m級ものが前に出てきてしまった場合にはシーザーロアなどで直に引き付けを行う方が良いでしょうか。

  13. レティシア・R・クラティアス

    >会敵 確かに、防壁は最終防衛線として扱い 基本的には防壁前で戦闘を行う形となりますでしょうか。 出来れば『百鬼衆』の非授恵者は範囲攻撃や護兵団の皆様で対応しつつ 授恵者を早期の内に撃破し、大砂蟲に専念出来る方を増やせるのが理想的ではございますが。 今回の要であるダルヴィン様については 積極的に前へ出て頂くよりも後方で指揮を執って頂くのがよろしいかもしれません。 >砂蟲と魔獣使い ジュスト様、情報感謝致します。 術具破壊……は、状況次第ではございますけれど もし大砂蟲の撤退を試みるのであれば基本的には避けた方がよろしいでしょうか。 撃破される場合、ジュスト様やコルネリウス様が仰るように 5m級か8m級を優先しつつ、3m級は引き付けを行う事に異論はございません。 >ザスタファ様 ジュスト様が少し触れておられましたけれど 彼の身柄確保の優先度は確かに低めとなりますでしょうか。 仮に戦場にいらっしゃる場合は護衛も兼ねて魔獣使いの方と共に居られる気は致します。 その場合、依頼失敗の件や此度敵対された事から シャムハーン様のお姿をご覧になった際 優先して狙うようご指示される可能性もあるのではないかと存じます。

  14. ザザ=ステルヴィナ

    キャスターのザザ=ステルヴィナよ。どうぞよろしくね。 >会敵 防壁を最終防衛線として、私達は防壁前で迎え撃つ形で良いと思うわ。 今回はダルヴィンさんを討ち獲られたら作戦失敗になってしまうし、彼と護衛のシューター2名には後方から護兵団の指揮と、敵シューターや『砂蟲使い』の現在地特定に専念して頂くのも手かと。 >百鬼衆 レティシアさんが仰っているように、非授恵者に関しては範囲攻撃や護兵団で対応する方向で賛成よ。 >敵の布陣 砂蟲で防壁破壊。その隙に百鬼衆(ウォーリア)が斬り込み、後方から百鬼衆(シューター)が援護射撃。更に後方(砂蟲にエーテルが届く範囲)に砂蟲使い。 ……多分、こんなカンジになるわよね。 百鬼衆はダルヴィンさんを優先的に狙って来そう。

  15. キーゼ

    >砂狼 彼に関しては、性格上僕が一番相性いいでしょうからね。 元々声をかけるつもりで同域行動しようと思ってましたので。 >団長 敵の狙いを絞れるなら、利用しない手はないですよね···これは

  16. ゼラルム・エルホワイト

    成程。情報提供ありがとうございます 参考になりました >大砂蟲  >3m級 3m級を引き付けつつ5・8m級を先に排除する、という方針に異論はございません また足止め、という点のみであればこちらで【行動不能】が行使可能ですが如何いたしましょう? 砂中潜行時は攻撃が届かない可能性が高い点と、集団で行動するとは限らない為不安要素が多く、また同時に攻撃判定が発生する以上攻撃された、という名目でこちらにヘイトが向くやもしれませんが >百鬼衆 おおよそ異論はございません 一応こちらの方でも範囲攻撃を活性化済みですので、乱戦時のサブ火力程度にはなれるかと >団長 前に出ていただくかどうかはともかくとして、敵から見えやすい位置で戦っていただくのが良いかもしれませんね 敵の戦力が多く釣れるならそれに越した事はないですし ただし対ウォーリア戦での事故が怖いので相手はこちらである程度選ぶ必要性は出てくるでしょうが

  17. イヴェール・アーチボルト

    >大砂蟲 術具破壊は成功したとして、その後の砂蟲の動きが読めないので避けたくはあるかも知れません。 狙うにしても魔獣使い本人の強さが情報が無さ過ぎて未知数というのもありますが… 撃破を目指すなら私も5m級と8m級優先で良いと思います。 3m級の討伐を遅らせる方針に沿うならシーザーロアで惹きつける対象は3m級になるのですが、そこにウォーリアを2人当ててしまうのは迷うところですね… 現在の冒険者なら3m級は対応が容易そうと思えば自由にさせると被害がより大きくなりそうな大人の砂蟲に対し優先して使うのもいいかも知れません。 まぁ物理特化と思われますが、攻撃手段が鋼鉄も切り裂く牙という事でかなり強力な物理と思われるので防御力の低い方が狙われるの避ける為というのもありますが…弱い人を優先して狙う習性があるそうですし。 後は外皮は物理的に驚異的な強度のようですし、物理では歯が立たなそうなので魔法で削る感じになりそうですね。 物理は外皮の隙間を狙うか、口の中とかでしょうか?

  18. エミリア・シバ

    これまた取り急ぎになってしまって申し訳ないのだけれど。 >団長 前回の発言で魔獣使いを探すかも的なことを言ったけれど、 団長ちゃんの傍で戦うことにして、彼が危険になったらプリズムシャドウで位置を入れ替えたり、そもそも初めからフェイクカバーで団長ちゃんの姿になって代わりに囮を引きうけるなんてこともできると思うわ。

  19. ジュスト・V・ケレス

    >護兵団団長 安全面に配慮するなら護兵団の指揮と、敵シューター対処や『砂蟲使い』の現在地特定に専念して貰うで良いと思う。 ただ敵を惹きつけたり、行動を誘導するには一番の適任でもあるんだよね。 だからエミリア殿が挙げてくれた中だとフェイクカバーで団長を演じて前に出て貰うのは効果的ではないかと思った。 かなり危険度が高い動きにはなるけれど……。 >百鬼衆 範囲攻撃や護兵団で対応するので異存はないよ。 上記で触れている団長(偽)で誘導できるなら範囲攻撃で対処し易くなるし。 >大砂蟲 大砂蟲(小)が姿を現していて、距離があまり離れていないならアーケインストリームで同時に動きを鈍らせることは可能だよ。 あと大型討伐には火力の高い魔弾で装甲を傷つけるか、もしくは移動阻害を付与できるスネアージャベリンか物防を低下させるアシッドブリットを持っていくことで近接対応する人達が多少戦い易くはなるかもしれない。 >自行動 大砂蟲対応を主眼に置こうと考えてるけれど、小さい奴らの牽制と大型の対処、どちらにスキルと行動を割くかは考え中。

  20. レティシア・R・クラティアス

    >ダルヴィン様 基本的な方針としてはジュスト様が纏めて下さったものでよろしいかと存じます。 フェイクカバー使用のご判断はエミリア様にお任せ致しますが 実行される際、護兵団の皆様の混乱防止の為に事前の情報周知や 本物のダルヴィン様には変装のお願いが必要となりますでしょうか。 >シャムハーン様 キーゼ様が同行されるとの事でしたが 彼への指示も行われるという認識でよろしかったでしょうか? 仮に行われない場合、ある程度は彼へのお願い もとい提案の方針を決める必要がございますね。 >ガレス様 物理特化、特に物理防御に優れていらっしゃるので 同じく物理に偏っていらっしゃる『百鬼衆』の授恵者は勿論 大砂蟲の足止めにも能力的には適任ではありますけれど……。 ただ細かなスキル調整のお願いは難しそうですので 万全を期すのであればシーザーロアが無くても問題の無い 『百鬼衆』の授恵者対応をお願いするのがよろしいかもしれません。 勿論、状況次第では大砂蟲対応の助力を願う必要もございますが……。 あと、前回の戦いでは冒険者側で用意した黒汗馬に騎乗されておりましたが もし今回も必要そうでしたら私の方でご用意をさせて頂きましょうか……?

  21. レティシア・R・クラティアス

    (言い忘れがございましたので追記させて頂きました……!) >戦場 そういえば、前回に引き続き今回も特に注意事項としてはございませんが 此度の戦場は開けた平原と砂漠の境界線ですので砂漠まで移動される可能性がある方は 『バランス感覚』等で対策をされた方がよろしいかもしれません。 最初の戦いでは「対策無しの場合、命中、回避、移動に地形補正が掛かります」と 注意事項がございましたし……。 >個人 此度の戦いでは私も含めてヒーラーは二名と少なめですので 思い切ってスキルは回復特化させて頂く事を検討しております。 特性は『ハウリング・オブ・ブルーフレア』に『ハイパーヒーリングオーラ』で 前者の使用タイミングは開戦と同時か あるいは敵の非授恵者をある程度撃破し 敵授恵者や大砂蟲にある程度戦力集中出来る状況になり次第のどちらかになるかと。 配置としては悩ましいのですけれど 少なくとも同じヒーラーであるキーゼ様とは違う場所を担当し ある程度は広範囲をカバー出来るような立ち位置を意識する形を予定しております。 ただ流石にそのような動きを単独で行うと主に敵シューターの標的となりそうですので 似たような動きの方とご同行させて頂けると有難く存じます。

  22. キーゼ

    >砂狼 提案というより、相互利用体制の構築、ですかね。 まあウォーリアですから砂蟲と相性はあまり良くないですからね。 うまく動いてもらえるようこちらは手を尽くしますよ

  23. コルネリウス・アーラ

    >護兵団団長 こちらについては現状出ている案で異論ありません。 >戦場 レティシアさんが注意喚起をありがとうごじます。そういえばそうでしたね。 大砂蟲の影響で足元がより不安定になるかもしれませんし、スキルの1枠はバランス感覚は持って行こうと思います。 >大砂蟲 そうですねぇ、ウォーリアは分散した方が良さそうでしたら3m級はウォーリア1名が1体を引き付け、もう1体は移動阻害やジュストさんの仰っているスキルなどを使用して頂き足止め…としたほうが良いでしょうか? その場合は、私は5m級か8m級の抑えが必要な方に回ろうかと考えています。 攻撃の方法については、イヴェールさんの仰っているイメージが私もありますね。物理ですと動きが早い分外皮の隙間が狙い辛い可能性もありますので、状況を見つつ口内など攻撃が通りそうな部分を狙っていく方が良さそうに思います。 >ガレスさん お馬さんは、ガレスさんが騎乗される場合レティシアさんにご用意をお願い出来たら助かりますね。

  24. デイジー・ロックウェル

    〉担当 蟲を分担するのは了解よ、そうね… 倒さない前提なら、あたしは小さいの一匹相手にするわ! 回避高めにして、回避に専念すれば…… なんとかなる…かしら??

  25. エミリア・シバ

    >護兵団団長 もちろん提案した以上危険は承知なので、反対の方がいらっしゃらなければフェイクカバーでジュストちゃんの団長(偽)作戦をやらせていただくわね。 『青燕兵曹』で護衛団を借りて、相手から見やすいように前に出て、百鬼衆の非授恵者の対処を指揮しながら、範囲で効率よく狙えるように集めるような立ち回りを狙ってみるわね。 あとはレティシアちゃんの件ももっともではあるので、情報の周知などはプレに盛り込んで混んでおくわ。 >ガレスちゃん 現状の方針で動いてもらうに依存なしね。 お馬さんに関しては、前の実績があるなら乗ってもらうのも大丈夫じゃないかしら。 >大砂蟲 現状出ているもの以外だと、使う方がいるかはわからないけれど、スリップなんかの継続ダメージを与える系のBSとかもいくらか有用なのかしら?と思ったのと。 そういえばこの子達倒したら死体残る感じよね魔獣だし。 そうなると小さい子はともかく大きい子は、撃破した場所によっては地味に邪魔な遮蔽物になりそうよねと少しだけ思ったわね。

  26. ジュスト・V・ケレス

    さて、明日出発だね。 悩んだけどアーケインストリームで大砂蟲(小)や百鬼衆の侵攻抑制、スネアージャベリンで大砂蟲(大)の移動力を下げて対応し易い状況を作ろうかな。 足場の不安定さはレティシア嬢も指摘してくれているから移動に時間かかるかもしれないので優先順をつけておくと、距離が近い方から対応、同時だったらまずは小や数が多い方の足止めをしてから大きい方の支援をしに行く予定。 >デイジー嬢 回避に注力できるような環境を提供できるよう尽力はさせて貰うよ。 >レティシア嬢 俺も広範囲をカバーする予定なのとシューターに狙われるのが怖いので『青燕兵曹』の称号を使って護兵団の一部にフォローして貰うつもりだったので、動き的に問題なければ同行しましょうか? >ガレス殿 騎乗した方がポテンシャルをより発揮できるならレティシア嬢にお任せしたく。

  27. イヴェール・アーチボルト

    >大砂蟲 5m級か8m級の一方の抑えをコルネリウスさんがして下さるならもう一方は私が対応しましょうか。 今回は回避に寄せたのでその分脆くなりますが…まぁ当たらなければ問題ないはず…? よく考えれば口内以外にも生物的に外皮に覆われてると考え難い狙える部位があるにはありますが…ちょっと狙うのは嫌ですね… 近接戦を挑むに当たって後は強酸の体液にも注意が必要ですよね。 返り血はそのままスリップダメージに繋がりますし、物防低下の効果がある可能性がありますし。 >ガレスさん 基本は百鬼衆の対応優先で良いと思います。 馬についてはレティシアさんが宜しければ乗って頂いた方が不測の事態にも対応し易くなるでしょうか? 私とかは大砂蟲への対応に掛かりっきりになりますので、大砂蟲に有効な攻撃が可能なキャスターの方達を直接守ったりは出来ないでしょうから、可能なら気にして貰えたら助かりそうですが… ちょっと仕事が多いでしょうか?

  28. ナハティガル=ラー

    >護兵団団長 基本的には後方で護兵団の指揮を執りつつ、護衛のシューター2名と共に敵シューター&『砂蟲使い』の所在地特定に専念してもらう……という認識で良いだろうか? エミリアがフェイクカバーで団長に変装するのなら、護兵団員が混乱しないように戦闘開始前に周知しておいた方が良いかも知れない。 >個人 俺は百鬼衆(授恵者)を始末しつつ、『砂蟲使い』の所在地が特定され次第討伐or捕縛に向かおうかと。 戦況次第では大砂蟲にも対応予定だ。

  29. ザザ=ステルヴィナ

    >担当 私も非授恵者百鬼衆と大砂蟲の対応に当たらせて頂くわ。 ジュストさんとは可能な限り被らないよう、【アーケインストリーム】を大砂蟲×3が出現した座標に召喚予定よ。 敵密集地点には【メテオライト】等の範囲魔法を、大砂蟲単体に対しては【魔弾2】での攻撃を考えているわ。 >青燕兵曹 私も権限は持っているけれど、今回はダルウィンさんにお任せしようかと。 >黒汗馬 前回ガレスさんが黒汗馬に騎乗した時とは違って、今回は至近距離で大砂蟲3体が暴れている点が心配ね。 戦闘用に訓練された馬ではないし、興奮して予期せぬ挙動を取る危険性もあるかと。

  30. レティシア・R・クラティアス

    >ジュスト様 お声掛け感謝致します。 ご一緒させて頂けるのでしたら大変心強く存じます。 私も主に回復の方で援護をさせて頂きますね。 >ガレス様 今回の騎乗に関しては利点と懸念点 どちらが勝るか彼が一番判断が可能でしょうから 百鬼衆の対応も含めてそちらのご判断も私の方でお願いをさせて頂きますね。 キャスターの方の護衛に関してはそれに限定せず 守りが薄い、あるいは戦況が不利な所への援護をお願いするのがよろしいかもしれません。 そのような形でよろしければ、こちらも私の方で対応をさせて頂きます。

  31. ゼラルム・エルホワイト

    >担当 スタンブラストとスネアージャベリンを活性化 私個人は上記スキルでの3m個体の足止めや【執着】付与個体の移動阻害、魔蝕・錆での討伐支援が主になるかと

  32. ジュスト・V・ケレス

    俺もアーケインの位置はザザ殿と被らないよう気をつけるね。 ゼラルム殿がスネアージャベリンで3m級の足止めをしてくれるなら、俺は真空間爆砕で8m級を周囲に百鬼衆がいればそいつらごと纏めて攻撃することにしよう。 >ガレス殿への要請 護衛に限定するのは確かに勿体ないから守りが薄い、あるいは戦況が不利な所への援護に動いて貰うのは全く問題ない。 レティシア嬢からそのように伝えて頂けるのなら是非。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0