待合室と薔薇の香りと

狐野径

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シナリオID:2107

オープニング

 リーンエス王国にあるカペル侯爵領の領都。
 領都を代表する建物と言える劇場。劇場の周りには広場や庭園がある。
 そのため、劇場の演目を楽しむ人はもちろん、庭園の植物目当てに散策する人たちもいる。そのため、劇場の周りは舞台があるかどうかに限らず、人が集まる。

 さて、その劇場前の広場沿いにラウンジ「ラウンジ・イリゼ」がある。
 舞台の時間を、誰かを待つ場所。
 建物の形状は周囲のものと変わらないとしても、窓辺を飾る植木や入り口を飾るものなどの置き方から、どこかお洒落な雰囲気が漂う。
 入り口はひっそりとしているけれども、舞台を意識してみると、心惹かれるものがある。それが何かというのは明言しづらいが、装飾品が舞台の演目をイメージしているように感じられる。

 店内は舞台を待つ特別な時間であり、くつろぎの空間である。スッと立ちやすい座席もあるが、ゆったりと過ごせそうな席もある。なお、バーカウンターがあり、カクテルや飲み物を入れる店主や店員の姿を見ることもできる。
 明かりは控えめで薄暗い。
 席に違いがあるのは演目の時間が気になる客もいれば、観劇の感想を言う人たちもいるからだ。さらに言えば、散策の時によって、のんびり過ごす人もいるだろう。

 店内に流れるのは落ち着いた雰囲気の音楽。ここで演奏されるのは、舞台の演目にかかわる音楽もあるし、客からのリクエストも受けるが、内容によっては断ることもある。場の雰囲気があるため、譲れないところもあった。

 なお、店内は薔薇の香りがふわりと漂う。
 それに加えておいしそうな料理や飲み物の香りも共演する。
 薔薇の香りも日によって違うという話もあるが、そこまで嗅ぎ分けができるかはわからない。香らせる薔薇の種類、天候によっても左右されるだろう。

 店名の話をするならば「イリゼ」は虹色の意味。
 舞台とかかわる食事や飲み物もあるため、舞台と人、時間と人をつなぐともとれる。
 また、店主の妻の名前という噂もある。店の命名についての真偽は不明。
 壮年に近い穏やかそうな店主に問えば答えてくれる。いや、答えているようで答えていないというのが本当のところだった。
 なぜ、答えてくれないのか――それが店の謎につながり面白いと思いませんか、という答え。
 その語る穏やかそうな、どこか茶目っ気を感じる店主の人柄もあり、つい、謎は謎のままでいいと考えたくなる。そこから、名前の推測をし、店主にいって本当のところを聞きたくなる。

 店主はバーカウンターでカクテルを作る。
 基本の物もあるけれども、頼めば人物や土地、物語や依頼(冒険者)をイメージしたカクテルを作ってくれる。
 アルコール分がないものでもオーダーは可能だ。例えば、子どもが好きな物語をイメージしたドリンクを親が頼むこともある。その時はアルコールが入っていない飲み物。なお、飲み物の内容よりも、その場で店主が作る姿というのもわくわくやドキドキにつながるかもしれない。

 ラウンジ・イリゼは今日も開店している。程よい人入りの中、様々な人が来る。
 あなたは誰かを待って居るのだろうか?
 それとも仲間と共に、ご飯を食べに来たのだろうか?
 それとも――……あなたは何をする?

解説

●目的・目標  ラウンジ「ラウンジ・イリゼ」である日を過ごす。 ●ラウンジ「ラウンジ・イリゼ」  リーンエス王国にあるカペル侯爵領の領都、劇場前広場通りにある。  開店時間は昼ごはん時から、深夜帯まで。  店長は壮年、やせ型。白髪交じりの茶髪。ベストスーツである。  店長の妻はどういう人か不明。厨房にそれらしい年齢の女性がいるときがあるというけれども……?  なお、店員は若い女性が多いか男性もいる。どちらも、身長高めでこじゃれた雰囲気。  役者を目指している人やら、観劇好きでここで働いている人やら様々。  舞台の演目はただいまは冒険活劇。  昼の部と夜の部がある。  「ラウンジ」は複数の意味があるため、念のために言うならば「待合室」であり、くつろぎの場である。 ●料理や飲み物  地域の料理から、演目にちなんだ料理まで。  単品やセットもあります。  演目にちなんだメニューの最新作もある。過去の演目で常時食べられるものもある。  例えば、現在公演中の物はショートパスタと赤いスープ、恋愛ものをイメージしたのは二人以上で食べることができるスイーツと軽食のセットなど。  なお、飲み物はカクテルも提供できます。  飲み物については、酒だけでなくノンアルコールなジュース類、茶もあり、豊富です。 ●カクテル  カクテルはアルコール成分なしの物でも作ります。  依頼の内容をイメージする場合はプレイングにどういうイメージが記載いただく必要はあります。  基本的にプレイングの内容での作成になるということを、ご了承ください。 ●注意  公序良俗は気を付けてくださいませ。  未成年には「酒」は出せません。  いつものお願いになりますが、節度を持ってフリーアタックしてください。

マスターより

 こんにちは、狐野径です。  待合室であるラウンジが舞台のある一日です。  誰かを待って居るのか、それとも、たまたま寄ったのか……フリーアタックという記載があるため、自由です。  ラウンジにはどんな一日待って居るのでしょうか?  よろしくお願いします。

リプレイ

●まずは一名様
 ラウンジ・イリゼの扉が開く。
 漂うは、薔薇の香り、料理などの匂い、人々の声。

 海神・江流はカウンターの席に着いた。
 メニューを見て、店の人に「おすすめは?」と問う。
「そうですね。今の演目に合わせてこういったものがあります。それか、定番ですと――」
 江流の反応を見ながら、徐々に的を絞る。
 軽食のセットや季節の食材を揚げたもの、野菜と食べられる花もあしらったものなどがおすすめに並ぶ。
「では、これで」
「かしこまりました」
「飲み物はバイオレット・フィズ……」
 別れの酒だと思い出し、間を置き、
「いや、パルフェタムールで」
 と、告げた。
 壮年の紳士が一礼し、作り始めた。
 カクテルが作られる音を聞きつつ、ぼんやりと店の音を聴く。

●続いて五名様
 エル=バ=ノイアンはラウンジ・イリゼが近づくにつれて足の動きが鈍る。
 こじゃれた雰囲気が、ノイアンに問いかけるものがあった。
(俺が入っても大丈夫な場所か……??)
 心の中で自問自答後、慌てて髪を手櫛でまとめたり、襟を正す。
 それをシルヴィア・A・カペルはほほえましく見る。
 店の雰囲気を感じてどうにかしようというところだろうと想像できた。
 別にノイアンの恰好に違和感があるというわけでもないが、考えて気を遣うのは何かうれしい。
 同行していたギーゼラは歩調を落とすことなく、店を見据えている。
「あのお店ですね!」
 ギーゼラがシルヴィアに誘われて、喜んで参加したのは、そこには甘いものがあるからだ。そのため、ギーゼラの頭の中は、スイーツに対する期待でいっぱいだった。

 店の入り口でサイラスとガルシアが待っていた。
 ノイアンは見慣れた仲間が増えて安堵の気持ちが湧く。
「サイラスとガルシアも来ていたのか」
「料理も酒も楽しみだ」
 サイラスは飲み食いもあるけれども、土地柄を考えて情報収集もできればとも考える。
「大規模な戦い以外では久しぶりだな」
 というノイアンにガルシアは「その節はどうもお世話になりました」とあいさつをする。
 ノイアンは「お互い様だ」というと、
「今日はゆっくり話そう……近況報告もかねて」
 という。シルヴィアは「入ろうか」と促した。

 店内から薔薇の香りが広がる。
 ギーゼラが目を輝いた。
「フフフフフ、薔薇の香りがするオシャレな店内……店主のこだわりを感じる場所ですね」
 これは美味しいスイーツが出てくるに決まっているという理論に合致する。
 座席につくまで見える風景、匂いを堪能する。

 シルヴィアはカウンターに近寄ると、店主や厨房にいる女性、店員に声を掛ける。
 江流に気付いたけれども、視線が合わなかったので、声はかけないで席に戻向かった。

 座席についたノイアンたちは、メニューを眺める。
 あらかた決まったところで、第一弾の注文をする。
 サイラスはフルコースをイメージした内容。
 一口サイズのカプレーゼとワイン。そこから、前菜にカルパッチョとつながっていく。演目をイメージした料理があればそれをチョイス。店の売りでもあるのだし、せっかくなら大いに楽しむ。
 ギーゼラの目はスイーツにのみ向けられる。そこにも演目によって変わるスイーツもある。それも、定番メニューも気になる。
 まず、フルーツタルト、ミルフィーユ、ショートケーキとチョコレートケーキ、チーズケーキを頼む。飲み物は、甘いミルクティー。ミルクティー以外にもケーキなどにあう甘い飲み物もチェックする。次に何を頼むか目星をつけ、まず頼んだものを楽しむ準備。
 ガルシアは前菜に一口大のピタパンの上にフムスの盛り付け、ビーツのスープなど頼む。酒類もあるけれどもひとまずは、保留。
「せっかくシルヴィア様がお誘いくださったお食事なので、失礼の無いように、お酒もちゃんとしっかり楽しみたいと思います」
 酒に弱く、一口でも寝てしまうということがある。まずは食事を楽しみ、様子を見つつ。
 ノイアンはつまみ系から選んでいく。レンコンとエビのはさみ揚げに塩を添えて、カプレーゼサラダ、南瓜のグラタンなど。果物も豊富にあるため、タイミングを見て頼むことにした。
 シルヴィアは、公演中の演目に合わせた料理にする。
「ここはカクテルも作れるよ。オリジナルのね」
「イメージからカクテルを作ってもらえるのか……まぁ俺は飲めないからな……」
 ノイアンは集まっているメンバーを見て、サイラスに目を止めただけだった。
 自身が下戸であるし、未成年いるし、酒に弱い人がいる。
「ノンアルコールでも作れるよ」
 シルヴィアの言葉にノイアンとギーゼラが反応を示す。
「なら、考えてみよう」
 ノイアンは心が躍る気持ちだった。

 最初の料理と飲み物が来た時点で、乾杯となる。
 喉を潤した後、シルヴィアとノイアンが、
「ガルシア、元気そうでよかった」
「ガルシアもけがはもういいのか?」
 と問う。先日の戦いの時、大きなけがを負っていたからだ。
「怪我の心配ありがとうございます。もう傷はキレイに消えて後遺症などもありません。大丈夫ですよ」
「シグモルの戦いには行けなかったからな。皆が無事で戻ってきてくれてよかった」
 ノイアンは自身の近況を話し、他の人のも聞く。
 話は広がり、世界の情勢になる。冒険者こそ、各地を巡っているため、近況が情勢につながりやすい面もある。とはいえ、寄った街で見かけたものやどこかで聞いた流行など気軽な話にもなる。幅広い話が、川の流れのように進む。

 その間にサイラスの魚介を使ったパイと中途の口直しの冷たく甘いシャーベッド、肉料理のローストビーフが順番にやってくる。ガルシアのアンチョビバターソテー、ラム肉のミディアムステーキもやってくる。
 サイラスの頼んだローストビーフは期間限定もの。血の滴るローストビーフみたいな感じだけれども、赤いソースはもちろん血ではない。
「このソース何? 辛くなくて酸っぱいというほどでもなく? トマト?」
 サイラスはさっぱりとしたソースに首をかしげる。
 シルヴィアが頼んだショートパスタと共にある赤いスープも、熱々で辛そうな雰囲気が漂っていた。辛くはないし、適温だった。
「こっちもトマトかな。見た目の工夫というわけだね」
 ノイアンは南瓜のグラタンを食べながら、聞いた。シルヴィアのスープは辛そうな雰囲気はしていたけど、彼女は難なく食べていた謎は解けた。
 ガルシアは食べている物以外も興味がわく。
「種類が豊富で迷いますよね」
 定番ものもあるし、季節ものがある。
 その上、スイーツも豊富。
 食事だけでなくティータイムにもいい。季節ごとに来たくなる。
 定番ものを食べきったギーゼラの元に、期間限定系のスイーツがやってきた。
 冒険活劇の中にある甘い恋をイメージしたベリームース。
 大き目の平皿にベリーのムースがあり、その横に数種類のベリーが添えられている。お好みでかける柑橘系のさわやかなソースが入った小さな器が皿に座る。
「甘い恋をイメージした……でも、これを掛けると甘酸っぱい? 試しにかけてみて好みでなければやめましょうか……これはっ!?」
 ソースをかけたけれども、全く甘酸っぱくなかった。ソースのさわやかさが加わることで甘さが引き立っている。ソースは全部かけた。
「こちらは、定番系演目の……」
 ギーゼラは器に施されたストーリーを味わって食べていった。
 シルヴィアは皆がおいしそうに食べているのを見て、故郷を褒められているようで嬉しかった。酒だけなく、何か追加で頼もうと考えたとき、
「ギーゼラのスイーツ尽くしもよいね……私も季節のケーキとベリームースを頼もう」
 と、シルヴィアは決める。
 サイラスはデザートの甘いものはギーゼラからの情報を生かす。締めはコーヒーとクッキーの予定で。
 ノイアンは果物を頼み、大粒で甘いぶどうはギーゼラ用に皮をむいていた。

 話も料理も進んでいく。
「そういえば、恋人関係……どうかな、と?」
 不意にサイラスがはやし立てる意図で静かに、いう。
 本人は恋人を作ることがなくて楽と思っていた。
 それを聞き、ギーゼラがぼそりという。
「サイラスさんくらい固ければ、馬に蹴られてくらいじゃびくともしなさそうですけど、僕はか弱いヒーラーですから」
「え? おれ、馬に蹴られる?」
「恋愛にあれこれ言う人は馬に蹴られるんですよ」
 サイラスとギーゼラはちらりとシルヴィアとノイアンを見る。
 シルヴィアは「何を言い出すかと思えば」というと、この地方のワインのグラスを飲み干し、赤くなっているだろう頬をごまかす。恋人であるノイアンとの仲を聞かれているとわかるからこそ、落ち着きをなくすし、赤面する。
 なお、ガルシアは恋の話については聞く方に回る。想い人はいるけれども、話すということでもないし、恋の話はうまく話せるかどうかよくわかっていなかった。
 だから、デザートのイチゴのケーキを待つ。

●一名様、ご退席
 江流はシルヴィアがカウンター越しに会話をしていったあと、立ち去るのを感じた。
 今は、一人でいたいから対応に安堵する。
 江流が入ってきたときより客が増えたのか、ざわめきが流れる音楽に乗る。
 手元のグラスには、パルフェタムールの透き通る紫の液体。透明感のある紫は「あの娘」を思い出すのに十分だった。
「完全な愛、か」
 酒に付された言葉。
(愛とは無償で与え続けられるものをいう。「愛している」などといいう言葉ほど自分に似合わない言葉もないと思っていた)
 江流は自分がいつだって大切だったが、「あの娘」と出会った。
(少し前までは考えられなかったことだが、それでも今の気持ちを素直に口にするならば、そうなるのかもしれない)
 グラスを見つめ、口を付けた。
 料理を一口、含む。しばらく食べて、胃袋を満たした。
(愛……だとしても、無償で与え続けられる素地が自分にあったとして、それが相手にとってどうなのかはまた別の話……)
 酒を口に含み、そして、言葉と共に飲み込む。
(自分がちゃんと求められて、その期待に応えられているのか……)
 愛は誰かがいることで生じる動きだからこそ、難しい。
 江流は料理と酒を少しずつ進めた。
 はっきりとした答えは出ない。
 それも一つの答え。
 料理がなくなり、酒も飲み切った。
 店内のざわめきに身を浸す。
 心身の落ち着きが戻ると、会計を済ませ席を立つ。
 そして、仲間の方に挨拶に向かう。
 一緒にどうという話も上がるが、江流は、
「皆、いい夜を、な」
 と、店を後にした。

●カクテルやらなにやら
 一通り食べ終わったところで、シルヴィアがカクテルを頼みに行く。
 ノイアンの依頼である「吟遊詩人」をアルコールとノンアルコールで一杯ずつ。
 ノンアルコールでギーゼラ用に帝国イメージ、ガルシア用にフルーツをベースに。
 サイラスのは席を立つときにノイアンとサイラスが話していたことが浮かぶ。
「サイラスも何か作ってもらったらどうだ?」
「うーん、どーしよか? 面白そうではあるよね」
「鍛冶火とか?」
「なんか、すごいことになりそう?」
 そのため、アルコールでイメージカクテルを頼む。

 シルヴィアはカウンターで待ちながら、店内の様子を見る。
 仲間も、店内で飲食する人々も、話が弾んでいる。
 扉が開き、劇場からやってきた人たちの会話。
 音楽に乗り、漂う言葉。舞台の俳優、ストーリーのこと。近所の噂に国々の話。
 店員がカウンターに上がっているカクテル五人分を盆に載せた。
「席には運びますよ」

 ガルシアは食事も終わったし、シルヴィアが勧めてくれた飲み物だということでありがたく受け取る。
 ライチの実が添えられた赤い液体のグラス、どういうお酒がワクワクして口に含む。
「苦みと甘さがあって、フルーティーです」
 おいしいと飲んでいく。
 一口、二口……。
「見てくださいシルヴィア様! 飲んでも酔っぱらってすぐに倒れたりしてません! 私もお酒に強くなれました!!」
「ん?」
 シルヴィアが少し驚いた顔をした。
 ギーゼラはノンアルコールではないかと考えていたが黙っていた。本人が喜んでいるのだし。
 ギーゼラ自身も帝国イメージのカクテルを受け取る。酒は楽しめないけれども、ノンアルコールで楽しめるのは素晴らしいことだった。
「フフフフ、黒と赤とはしゃれてますねぇ」
 二層に分かれた液体を横から眺める。
「……甘くて僕好みです」
 ゆっくり味わって飲んだ。
 ノイアンは下戸であっても楽しめるということで、頼んだカクテルを受け取る。
 透明な青と白の二層に分かれた飲み物が入ったグラス。その上には果物とミントの葉が添えられている。
 マドラーで混ぜると色が水の中のような雰囲気になる。
 それを口に含むとさわやかな酸味と甘さが口に広がった。
 酒で同じものを作ってもらったシルヴィアも飲みながら「どうだろうか?」と問う。
「おいしい、不思議な味だ」
 シルヴィアは微笑みカクテルを飲んだ。
 サイラスは「赤いけど、黒い」とカクテルを受け取る。鍛冶をイメージしたのだろう。
「あ、結構来たけど、さっぱりしている。……聞いていい? ガルシアの分って?」
 サイラスの指摘にシルヴィアは慌てて席を立つ。
 酒ではないというべきか悩んでいる間に、ガルシアは雰囲気に酔い、目を回していた。

 ギーゼラはカクテルを作ってもらいに行き、サイラスは静かに周囲に耳を傾ける。最近面倒なことが多いため、流行やらなにやら仕入れたい。
 ガルシアはテーブルに伏せて眠っている。
 周囲と乖離し、静寂がある。

 シルヴィアは場を慈しむように眺め、新たに作ってもらったカクテルを飲む。
「酔っているのか……と聞くのは野暮だな」
 ノイアンに声を掛けられシルヴィアは視線を動かす。
「ふふ、酔ってるかもしれないよ? 故郷で君とこうして飲めるなんて嬉しいよ」
 ノイアンは「確かに」と言い、ノンアルコールで作ってもらったカクテルを見た。
 シルヴィアが問う「場酔いしてないかい?」と。
「まぁ、俺は、そうだな、酔っているかもしれない」
「こっちを向いて、顔を見せて」
 シルヴィアはグラスを置き、ノイアンの顔を両手で挟むように向けていた。
「シルヴィア、領民の前だぞ」
 ノイアンの言葉に、シルヴィアは手を放し、肩を揺らす。
 カクテルを一口含むと「真面目なところも好きだな」と内心言う。
「今度は劇も見に行こう」
「ああ。おすすめのものがあれば」
「どれも、きっとおすすめだ」
 劇場に入る前に、ドレスコードを気にするノイアンをシルヴィアは想像して、微笑んだ。

 夜の闇が濃くなってくると、酔いも深くなる。
 適宜帰る者、時間を楽しむ者――。

マスターコメント

 ご参加ありがとうございます。  コース風料理も、つまみ系もセットも単品も、スイーツ尽くしもいいですね。  一般的な料理以外、あったらいいなで書いている部分ありますので、実際何で味ついているか……は不明です。でも、土地でとれたものなどを使い、大変おいしいものでございます!  なお、遠出しないとなかなか外食しないから、書いているほうが「いいなぁ」という気持ちでいっぱいになってました。ぼちぼち、新しい店に行ってみたい気がしまうが、大体同じ店に入るのですけどねぇ。  ラウンジ・イリゼにも行ってみたいですね。  ご縁があればお会いしましょう!
ショートシナリオR

ショートシナリオR易しい 報酬:無し6 / 4〜8人

2022年05月02日 02時56分30秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. シルヴィア・A・カペル

    リクエストさせて貰ったシルヴィアだ。 魅力的な依頼にして下さった狐野径さんに心からの感謝を。今回はよろしくね。 (ご参加どなたでもご自由に。素敵な一日になりますよう願いを込めて)

  2. エル=バ=ノイアン

    揃ったみたいだな、よかった ノイアンだ、よろしく頼む。シルヴィアも声をかけてくれてありがとう。 楽しい一日となるように。

  3. シルヴィア・A・カペル

    出発が確定して嬉しいよ。 皆、当日はよろしくね。 >お誘い 折角だから一緒に飲まないかい? 飲み物や食べ物は自由で、一緒に夕方のお洒落なラウンジの雰囲気を楽しむといった感じだ。 ▼ 【夕】 夕方のイリゼで、タグ参加者と 好きなものを飲食して楽しむ ▲ 予定が決まっている人や一人で飲みたい人もいるだろうし、もし良かったらで。検討是非よろしく頼むよ。

  4. ガルシア

    遅くなりました ガルシアです シルヴィア様とご一緒に飲ませていただきます

  5. ギーゼラ

    ギーゼラです。よろしくお願いします。 スイーツを食べつくそうと思います。 【夕】にも参加しますねぇ。

  6. シルヴィア・A・カペル

    ガルシアもギーゼラも【夕】に参加してくれてありがとう。とても嬉しいよ。 二人はまだお酒は飲めない年齢だけど、イリゼではノンアルコールのカクテルをお勧めさせてもらいたいな。楽しい一日にしよう。 もうすぐ出発だね。皆、現地ではよろしく。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0