【剣娘】シグモル火山は遠く
紀藤トキ
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シナリオID:2019
オープニング
「……気持ちは分かるけど、駄目よ」
前回の依頼で色々考える事と、一つだけに固執しなくても良い事を学習したマリーはたまに聞かれる前に意見を言うようになった。それがもう一品食べたい程度の可愛いお願いなら聞けもする。しかし、シグモル火山へ行きたいと意思を示したマリーには、エフィミアはさすがに首を振った。一つには、不安定な存在であるマリーを、自身の目の届くところから離すわけには行かないという保護責任者としての理由。エドゥノーグ内の事であれば、探索者ギルド長であるエフィミアの手も目も居るが、市外になると伝手も無い。もう一つの理由としては、マリーの仇である老人が、少し前にシグモル火山で見かけられたらしいという事もあった。
「偶然でも狙ってでも、あいつとバッタリ出会ったりしたら今のあなたじゃ太刀打ちできないわよ。無駄に死にたいわけじゃないでしょ?」
「ん。でも……、行きたい」
ブラン老人と離れたマリーは、自分がどういう存在であるかを改めて知った。というよりは冒険者ギルドから情報を取り寄せたエフィミアが知らせた。それまでも言葉の上では知っていたのだろうが、ホムンクルスが何なのかは当人も良く分かっていなかったらしい。一度死んだ存在の魂や肉体から作られた異形と聞いて、どこか納得するところはあったようだが。
「皇帝……、アルルカン、それとも皇帝? の、せいで、ブランが私をこうしたなら……」
マリーはそこまで考えてから言葉に詰まった。あまり波の立たない彼女の中に、怒りや憎しみという程に強い感情はない。しかし、新しい生き物にしてくれてありがとう等と言う感謝はもちろん欠片も無かった。言語化するならば、一言文句を言いたいというのが一番近い表現かもしれないが、じゃあどんな文句を言えばいいのかという所にまでは思い至っていない。
「その辺、自分でもわかっていないならなおさらね。多分、そのどっちもブランよりも強いし、相対してから何喋るか考えてる余裕は無いと思うわ。皆の邪魔にもなるでしょう?」
「……わかった。でも」
マリーはあまり言葉が回る方ではないし、もごもごしていれば難敵を前に邪魔だと言われれば確かにそうである。しかし、彼女の中の強さの基準は仇であるブランであり、あれより強い人間がそんなにいるのかという事は驚きだったらしい。
「あいつ、さすがに人間としては年を取り過ぎてるから身体にはガタ来てそうだしね。それに、剣の使い方も駄目。昔の方が良かったんじゃないかしら」
「え?」
またも、前者はマリーに理解が及ぶ理由だったが後者が疑問だった。100年以上生きた人間が老いて弱っていると言われれば、そういう事もあるのだろうとは思う。しかし、その100年以上磨いてきた剣の技というのは、前よりも強く日々進歩してきたものなのではないか。
「何を見て強いというかにもよるけど……。あなたの技を見せて貰った限りでは、相手が同格の剣使い相手にしか意味ないのよね。格下なら小手先の技とか要らないし、格上にはたぶん受けて返されるし。魔法使っていいなら今のアイツには負けないわよ、私」
マリーの身についている特殊な戦技はいずれも対人戦闘での読み合いに特化した物だった。得意は後の先。相手の攻撃を見てから対応した反撃を先に打ち込む。しかし先手を取れば取ったで予想外の角度から攻撃を打ち込んでくる。注視していても一瞬刃を見失うので、エーテル的な作用もあるのだろう。実際に稽古相手を務めた感じ、魔術師としては興味深い作用と言う気もするが、ダンジョン探索者としては実用性はないとも感じていた。
「相手の形が虫や蛇だったら無駄技術だし。人型でもサイズ違いのオーガや巨人でも無意味だし。そもそも迷宮だと先手必勝が常識だし。剣の距離で相手してもらえるってのが甘えだし……って、あなたにそんなこと言ってもしょうがないか……」
「……わかった、火山には行かない。日課する」
目をぱちくりさせてから、マリーは席を立った。腹芸などができる程に機微が発達していないので、彼女が分かったというからには納得したのだろう。日課、といっている素振りだのトレーニングをしに行ったのは、マリーなりになにか考えたのかもしれない。
「……言いたい事は伝わったかしらね。まあ、フィジカルが違い過ぎると技が役に立たないとは、分かったんだろうけど」
マリーの剣技は少なくともエフィミアには見破れていない。見破れてはいないのだが、見てから反応できるほどに基礎能力の差があるせいで一応の稽古相手として成立していた。アルルカンや皇帝が、剣だけ使った時のエフィミア以下という事は絶対にあるまい。
「でも、うーん。誰かちょっと話とか聞いてもらった方がいいわね。私といるだけじゃまた行き詰まりそう。剣の事は私はさっぱりだし……。また冒険者ギルドへあの子のケア……ってのもおかしいか。見守り……はもっと違うし。監視? 調査。そうね、あの子の現状を調査する依頼とか出そうかな。っていうか、私に話すのは無理でも冒険者としてなら話してくれる事もあるかもだし」
「ご自身で変装して行かなくても、一走りしますので書いてよこしてください」
ダンジョンに潜る依頼でもない内容を個人的に出すのに少し気後れしつつ、あれこれ考えている間にどうでも良いような気分になり始めたエフィミア。しかし、腰を上げたところでギルド長つきの職員に脱走を制止された。
解説
マスターより
リプレイ
上段に剣を構えて、振り下ろす。やや血色の悪い顔には汗一つ浮いていないが、ホムンクルスの少女は同じ動作を小半時ほど続けていた。小さく息を吐いて手を止めると。
「マリア君、頑張ってるね。調子はどうだい?」
「久し振りだね、マリアさん。調子はどう?」
「ん。普通」
機を窺っていたヨル・スレイマンとエルゼリオ・レイノーラが、同時に声を掛けて顔を見合わせた。続きを譲り合う間に別の1人が話しかける。
「マリアには初めて会うな。俺はシグルド・オルセン。見ての通りのエルフだ。エフィミアから剣について見るよう依頼を受けた」
「エフィミアから。分かった」
傷だらけの自分が怯えられるか恐れていたシグルドだが、傷への恐れはないらしい。
(ちゃんと、自分の骨格に合わせた型として身についているな。思ったよりもまともな教導者だったか?)
先ほどの型を見るだけでもわかる。しかし、基礎体力については危惧したとおり不足していそうだ。本来はもっと早く鋭い一撃なのだろう。
「まずは基礎体力、か。素振り以外にも走り込みや腕立て伏せなど、まずは筋肉をつけることだな」
彼女の剣技は、バランスよく鍛えねば無駄が出る物に見えた。授恵者である事も踏まえれば、格を上げても良い。ブランから指示された鍛錬方法を尋ね、シグルドの観点から幾つか提案を混ぜる。
「こういうのは長期的に見ないといけない。短期で強くなるなど、余程の化物かまともでない手段で得た力だろうからな」
「私は生まれてから、1年くらい」
化け物? と見上げられれば返答に困った。尋常の生物ではない事は間違いないが。
「そうやって身体を動かして技術を得たのならば、まともであろうさ」
「これは、最初からできた。でも、今より遅かった」
ひゅん、と剣を振り下ろしてから、当人は納得したように頷く。鍛錬場に立った少女の前に、今度はだわがすっと入り込んだ。
「独りの鍛錬も良いが、折角だ、手合わせを頼んでも?」
借りてきた木剣を手渡すと、頷いて手に取る。感触を確かめるように振り、盾と木剣を構えただわに対した。
「殺すつもりで来い。こちらも手は抜かない」
「ん」
実際に命のやり取りをするつもりは無いが、殺気を向けただわは、少女が動じないのに内心驚いた。実際に打ち込んでみれば、拍子を外され綺麗な一撃が飛んでくる。
(……なるほど、読みやすい)
嫌な所に必ず返ってくる反撃は、そうと分かれば予測も立てやすい。見え透いた罠は見破るようだが、作った弱点を利用すれば――。
「素直すぎるな」
「負けた」
剣を突きつけるとすぐに敗北を認めた。おそらく教本通りの戦いをしている。それに、勝利への執着心も薄い。
「ボクも剣術には少し覚えがあるんだ。――お相手願えるかな?」
行間でヨルと話が付いたらしく、エルゼリオが次に名乗りを上げる。腕のほどは、だわとの戦いで見た。技量だけなら、マリアはだわに勝るかもしれない。が、きっと今のままでは勝てないだろう。正眼に構え、先手を譲りながらそう思う。
(技量は十分。少し力は弱いかも。でも、この剣は空っぽだ)
勝ちに行く代わりに、エルゼリオは剣筋から伝わる物を読み取ろうとしていた。意志はあるのかもしれないが、剣にその心が乗っていない。手にするまでの努力や誇りも感じ取れない。それでいて、剣筋は鋭く受けに回っては勝ち難い。
「……参りました」
「お粗末さまでした?」
真剣勝負でなくとも、負けは負け。多少の悔しさを感じるエルゼリオと違い、少女には喜ぶ気配すら見えなかった。次にヨルがマリアの前へ立つ。
「君の剣を俺も見てみたい。俺とも軽く打ち合いをしない?」
「いいよ」
ヨルの剣は、だわやエルゼリオより我流に近い。後の先の戦い方は似ている筈だが、技を競えばきっと負ける。経験と発想の引き出しで、何とか良い勝負に持ち込めるだろうか。
(攻め技が無い訳ではない、か。ブラン氏を討つ為の最小限を教え込まれたのかな、と思ったけれど)
エフィミアが気にしていたのは『奥義』にあたる部分なのだろう。
「……ブラン氏が中途半端な教え方をしていたなら、君を戦士にしたい訳ではなかったかもしれないね」
「私はその為に、作られた」
願望めいた予測は、少女自身の迷いない言葉で否定された。強めに剣を弾いて距離を取る。
「シグモル火山に君が行きたいって思ったなら、それはきっと君が強く思うことに結びついている」
「私が、思う事?」
「ブラン氏のこと、心配している?」
「ブランの? それはない」
マリアは首を傾げた。理由について考える事は大事だと、剣を交わしつつヨルは語る。
「……長い勝負ですね。これで3人。よく体力が続く物です」
「お腹が空いたりは、しないのでしょうか……?」
呟いたAlexandra・Hexe・Claudiaとリディリディ・トゥラ・イェレミースは、剣で語る男達から一歩下がっていた。後で稽古をつけて貰おうと思っているAlexandraはともかく、リディリディは剣の扱いは専門外と自覚している。
(私ならば、どう戦いますかね……。まずは、距離を稼いで相手が動きにくくなるように?)
打ち合う様子を見ながらキャスターとしての戦い方を思考する。マリアはもし相手が自分であったら、応じて戦い方を変えるだろうか。
「……やはり、目を閉じて分かる物でもないですか」
横のAlexandraが試しに目をつぶり、耳に頼ってみれば、剣を振っているのか突いているのかも分からない。相対すれば肌で感じる物があるだろうかとも思う。格下の自分が目を閉じて対するなど、馬鹿にしているような申し出でも、あの少女ならば嫌がりはすまい。
●
確かに嫌がりはしなかったが、Alexandraは手加減下手なマリアに見事にのされていた。天を仰いできゅう、となっているAlexandraは多分とてもレアであろう。成り行きでAlexandraの様子を診つつ、リディリディは後の事に思いを馳せていた。
(話しかけるのは夕食の時、ですね。食事に集中してお仕事を忘れないようにしないと。いえ、私もギルドの仕事に慣れてきましたから大丈夫です)
なんなら先に少しお腹に入れておけば、などと考える彼女から少し離れて、マリア達も腰を下ろしていた。
「マリアさんは昔の事は何か想い出した? 昔聴いた音楽とか分かる?」
「前の人の?」
横笛で数曲吹き終えたエルゼリオの問いに、マリアは首を傾げる。シグルドは百年は前に失った家族を思い、死者の蘇生とは如何なる物かと思いを馳せた。
「そういや俺はホムンクルスには詳しくなかったんだが、一度死んでるんだったか」
「死んでるのは、私じゃない。私は生きてる」
「なるほど、死んだ者を甦らせる手段……って訳じゃないのか」
そんな便利な物がある筈はない。そう思えば納得もいった。
「……仇討ちでは死ぬかもしれない。けど、ボクは止めたりしない。ボクも同じ立場だったら同じ事をすると思うから」
「うん」
「案外君の仇討ちは、ブラン氏のためのものでもあるのかもしれないね」
「それはそう」
エルゼリオとヨルに仇討ちについて語られたマリアはそう定められたからそうする以上の想いは無いようだ。仇討ちと言う言葉の選び方すら、言われた物かもしれない。ならば自分を仇と伝えたブランの意図はどこにあるのだろう、とヨルは思う。
「――多分、仇討ちの後にキミの人生は再出発するんだと思う」
「私の、人生」
エルゼリオの言葉に不思議そうに返した彼女に、ヨルが用意してきたブーケを手渡す。約束していた綺麗な物だと伝えると、はっとしたように見つめた。
「私の、もの?」
「そうだよ」
「そう」
頷いたマリアは表情には出ずとも喜んでいるように思える。同じ無表情でも、隠しているだわとは違うのだろう。そこへ、視界の隅で、Alexandraが起き上がるのを見たシグルドが声を掛けた。
「……と、お呼びだぞ。楽しんでこい」
「ん、私を?」
「私としたことが、目的を果たさず終わる所でした。マリアさん、この後少し付き合って頂けますか」
「これを置いてきたら、いいよ」
ブーケを大事そうに抱えて、マリアは立ち上がる。ブランと離れてから、最低限の社会生活をできていないのではないかと危惧したAlexandraは、この後マリアに簡単な買い物をさせてみようと思っていた。
(金銭のやり取りを通じて、交流を覚えてもらう事。味の磨かれた糧食、美麗さや機能を備えた装飾品、五感に響く娯楽等の価値を理解し、やりとりをできれば……。彼らの話術は、客の側が多少つたなくとも興味を次へと繋いでくれましょう)
そうする事で、人らしい生き方に近づくのではないかとも思う。手始めに、甘味が良かろうと思った辺り、もしかしたら自分の経験を基にしているのかも知れなかった。
●
夕刻の少し前から、アルマ・ヴァレンタインとジュスト・ヴェルジーはエフィミアと話し込んでいた。リディリディもいるのだが、主役の登場までは食に集中するようだ。
「そうなんだー……。技は伝えたって言ってたのは、ちゃんとしてたんだね」
「ごめんね。仕事柄、見た事無いような奴だけ注意が行っちゃって」
マリアが謎の奥義以外の普通の攻撃なども習得していると聞いて、アルマは納得したように頷いた。ブランが見せていた土の壁を切り崩した一撃などもマリアは使えるようだが、エフィミアにとっては進歩していない技に思えたらしい。
「なんか浮世離れした事言ってたよ。反応も淡泊だったし?」
「そうでしょうね。息はしてるけど死んでるようなものだわ」
寿命を越えて棺桶に片足突っ込んでるみたい、とアルマが失礼な感想を言っても、エフィミアは苦笑するだけだった。
「ですが、マリア嬢は生きている。素養を活かし更に鍛錬を積めば、発展の余地はあるでしょう。剣の腕が落ちたブラン翁に追いつく事も叶うのでは?」
「……そうだといいけど。ホムンクルスってよく分からないから」
アンデッドであれば身体の成長や変化は見込めない。しかし食事もするし鍛錬で筋肉がつくようにも見える。
「まあ、色々試してみるしかないのかもね」
「んー、前よりマリアと仲良くなった? なら、ちょっとお願いがあるんだけど」
マリアを連れ出して年頃の女の子らしい事をさせてあげたいと思ったアルマは、抜け目なくエフィミアに財布役を依頼していた。
「いいわよ? ただ、あの子の稼ぎもそのままだから、ギルドに行けば引き出せると思うけどね」
「むむむ。人の奢りと、自分で買い食い、どっちがいいかなー? それも相談だねー」
楽し気にアルマが笑った所で、マリアが食堂に姿を現した。きょろきょろと辺りを見回し、エフィミアの姿を見つけて歩いて来る。それに気づいたリディリディが、きりりとした仕事向きの表情(本人評価)で口を開いた。
「あの、マリアさんは訓練をしていたようですが、他の方との稽古はどうでした?」
「難しかった」
「難しい……ですか?」
だわなどは戦う相手として難敵だった、と言う意味もあるのかもしれないが、剣を振る最中に色々と話をされてこんがらがったという方が大きかったらしい。
「えと、普段はあまり考えずに、剣を振っているのですか?」
「ん。この間、色々考えても良いと言われたけど。その時は考えてない」
「……あいつ、指示出し過ぎてたのかしらね」
エフィミアが杯を干しつつそんな事を言う。共に戦ったアルマが思い返してみても、周りを見て先を考えて行動するといった様子はそういえば無かったようにも思った。
「聞かれたことは、どう難しかったのだろう?」
ジュストに問われたマリアの手が止まる。考え込んだままの様子にそれならば、とジュストは自分の話を始めた。
「俺は魔法使いだから剣士とは違うかもしれないけれど、俺の師も頭の固いクソじ……老人でね。そこは君と同じようなものだ」
本人の意思とは関わりなく、魔法の適正がある子孫がジュストしかいなかった為に後継者に選ばれた。そう語ればマリアが視線を向けてくる。
「興味が出てきた?」
「少し」
頷いてジュストは話を続ける。指導は雑で相手任せの割に、出来なければ手ひどい叱責が飛んだと愚痴をこぼせば、マリアは首を傾げた。ブランは案外マシな指導者だったのか。
「師の事は殺したい程憎んでいるわけではないし、素直に敬愛できるわけでもない。ただ、無関心と言う訳ではないね」
むしろジュスト程に祖父を意識している魔術師はいないのではないかとまで思う。乗り越える壁、いつか自分へ向ける表情を変えたい。今更褒めて欲しいと言う程子供ではないにせよ、自分の存在と努力は認めさせたい。
「――と、俺は思っているんだけどね」
「私は、何もない」
マリアは少し居心地悪そうに、そう言った。自分に優しい人達から、ブランへ親愛の念があるか、あるいは敵意があるかと気遣われている事はマリアにも分かるが、掛けられる言葉に共感できないのだ。
「ブランの事は、あまり知らない。祖父で、殺さないといけないと言われたから、そうする」
意味を見出そうとすれば、自分ではない誰かの記憶が顔を出してくる。それは怖いともマリアは言う。恐怖を直視すれば強くなれると聞いたが、それでも怖い物は怖い。
「頑張って、考える」
「その、相談できるような……、友人と呼べるような人は居るでしょうか」
「分からないけど、たぶん、いない」
微妙な言い方を察せたリディリディは頷く。
「私も、フィルエス大森林に籠っていた頃には言葉しか知らなかったです。今は何人か、居る気がします」
それほど多くはないですよ、と言うリディリディにマリアは目で続きを促した。
「つまり。繋がりを持つというのは私にとって悪い事ではありませんでした……っていう事なんです。自分の話ですみません」
「繋がり。作ると後で困らない? 私がいなくなった後」
「……あまり考えた事はなかったです、けど。ふむ」
長寿のリディリディにとっては、逆のケースの方がありそうだが、マリアが考える理由は分からないではない。
「あ、ボクも聞いていいかな。ブランさんと二人旅のときはどんな生活してたのー?」
と、アルマが話の方向を変える。首を傾げたマリアに一つ一つ聞いていけば。
「……分かってはいたけど年頃の女の子の過ごし方じゃないっていうかー……」
「人間の若い女性の過ごし方はあまり分からないですけど、美味しい物を食べれないのは良くないです」
「うちの修行は大概酷いと思ってたが、衣食住全部は欠けなかったな……」
修験者か野生児か、と言ったサバイバル体験は女性陣からは酷く不評で、ジュストも天を仰いでいた。いつか美味しい物を作ったり、お洒落をしたり色々しよう、とアルマが言い、マリアは良く分かっていない顔でコクリと頷く。
「まあ、ダンジョンに月単位で潜りっぱなしだとそうなるわよね」
エフィミアだけは頷いていたが。ともあれ、この日の体験はマリアの心をまた波立たせ、考える事も増えたようだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年04月02日 07時30分55秒 公開
参加者
相談掲示板
キャスター、クラウディアです。よしなに。 ―…これは。 マリーさんは、活動を始めてから一銭も使っていない…? 恐らく皆さん、各々で何がしか思うところはあると思いますし。 幕間のひとときという位置づけのようですから、思うように振る舞うでもよさそうですね。 私は…少し、彼女に稽古でもつけてもらおうかな…。 操澱棍、未だ使い慣れているとは言い難いですし。
ヒーラーのヨル・スレイマン。宜しく頼むよ。 マリー君が元気そうで何より何より。 そうだね。だいたい自由に動いても良さそうな感じだ。 今のところは俺も自己訓練の時に行ってみようかな、と考えているよ。 打ち合いしてみたい気もするし、二、三話ができればいいとも。
キャスターのジュストだ、よろしく。 俺は2のタイミングで彼女と話したいことがあるかな。 それにエフィミア女史に聴きたいこともあるから、同席をお願い出来ないかと思っているよ。
No.4
キャスターのリディリディです。 よ、よろしくお願いします・・・。 えっと、私もタイミングを考えると2になるでしょうか・・・。 話す内容はまだ思いつきませんが、ご飯を食べながらだと何か思いつくかもしれません。
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー エフィミアさんも込みで2でお話でもしようかなーと思ってるよ
……、その。 1と2の間で、マリーさんを連れてちょっとした街遊び…なんていうのは。
ウォーリア、シグルド・オルセンだ。よろしく頼む。 俺はメインは1かな。2はどうするかは決めてないな。自己訓練の指南などができればと思っているよ。
顔出しがギリギリになってしまってゴメンなさい……!! ヒーラーのエルゼリオ・レイノーラです。どうぞヨロシクね。 ボクは1かな? もしくは1と2の間にマリーさんとお話する予定でいるよ。