慈善の指は何を作る?

コースケ

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シナリオID:1978

オープニング

●リブラネスタの通りにて

「チャリティーバザーかあ……」

 ハーフリングのショップ店員、ポピー・アルルンは、オーナーから商店街の催しの手伝いを頼まれ、ぶつぶつ呟いていた。
 引き受けたのは王国の騒ぎ(恋眼)で店を開けていた手前断り辛かったのもあるが、バザーが盛況なら人も集まり、新しい出会いがあるのではと期待したからでもあった。故に、バザーは成功させなければならない!(にぎりこぶし)

「そうなると、人を集める目玉が欲しいわね……」

 考え込んでいると、気付けばポピーは冒険者の住居の多い辺りを歩いていた。そこである教会の前を通りがかったとき、日なたで刺繍をしているシスターの姿が目に入る。

「へぇ。見事なもんだね」

 遠目にもシスターの手並は見事で無駄がなく、美しい模様を布に刻んでいる。それは目利きに自信のあるポピーから見ても見事な作品だった。
 それを見たポピーの頭にアイデアが閃く。

「これだわ! 冒険者は戦闘以外にも一芸に秀でている子が多いし、物作りの得意な子にバザーに参加して貰えれば、良いものが並んで人も集まる筈!」

 思い立ったポピーは、そのまま中に入って教会の管理者にバザーの話を持ちかけ、協賛を取り付ける。

「次は出店してくれる人を集めなきゃね!」

 やることを決めたら必要なことの為に動くだけである。ポピーは教会を出ると、商店街の担当者に会うため走り出した。

●ポピーからのお誘い

「これに参加してくれる冒険者を探してるんだけど、良かったらどうかな?」

 ショップを訪れた冒険者は、ポピーから壁に張られた紙を示される。そこには下のように書かれていた。


『チャリティーバザーのお知らせ』
 テーマは「手作り」です。あなたも自慢の品を出品してみませんか?
 商店街と教会の協賛で、チャリティーバザーを行います。恵まれない方のため、参加して頂ける方を募集しています。
 収益は慈善活動に寄付されるため報酬はありませんが、昼にはお弁当、バザー終了後には、ささやかですが夕食を用意させて頂きます。


「沢山の人に来て貰いたいから、回りにも声かけといてね! よろしく頼むよ!」

 ポピーの圧に押されて頷く冒険者だったが、果たして参加するのだろうか。そんな事を考えていたあなたに気付き、ポピーがギラリと眼鏡を光らせた。

解説

●目的  リブラネスタの教会前の通りで行われるチャリティーバザーを成功させて下さい。  バザーに参加する。もしくは、お客として買い物を楽しむのでも構いません。どちらにしても、バザーが盛況であれば目的は達成されます(ポピーの出会いの結果は正否に関わりません) ●行動について  バザーに出店する場合には、テーマである「手作り」のものを出品して下さい。物作り系の汎用スキルを活かす機会として如何でしょうか? 勿論、スキルなしでの参加でも大丈夫です。  お客として買い物をする場合、品物はフレーバー的なものとなります(アイテムとして獲得出来ませんのでご了承下さい)  チャリティーなので報酬はありませんが、自分の都合に付き合わせたポピーから少しですがお小遣いが出ます(お客として参加した場合でも貰えますが、システム上分けることが出来ないので、何処か簡単な依頼の帰りとか自由に理由付けして貰って大丈夫です) ●その他  ポピーも適当な品(PCさんと被らないもの)を用意して出店します。

マスターより

 お世話になっております。コースケです。  物作り系のスキルを活かせる場として、「手作り」をテーマにしたチャリティーバザーを……というシナリオのリクエストを頂き、担当させて頂くことになりました。  確かにそういったスキルはあまり見ないですし、この機会に披露してみるのは如何でしょうか? 勿論、そういったスキルが無くても参加して頂いて大丈夫です(リクエスト主さんからもそういったスキル無しでの参加も可能との言葉を頂いています)  オープニングにポピーさんが出ていますが、リブラネスタ在住NPCで導入に良い立場だったので公式からお借りさせて頂いたものなので、PCさんは自由にバザーを楽しんで頂けたらと思います。  分かり辛い所などあれば、チャリティー運営の手伝いに駆り出されたオッターが答えます。 ※本業が立て込んでいるため執筆日数を多めに取らせて頂いております。  それでは、よろしければ参加お願いいたします。

リプレイ

●休日の朝
 通りに軽快な弦の音が響いていた。明るい音色は聞くものを誘う様に響き、気になった子供が通りを見回している。

「人が集まってる。あっちかな?」
「転ぶわよ?」

 子供に手を引かれた夫婦が角を曲がると行列が出来ており、先頭に立つ男女が楽器を弾いていた。
 やがて行列は教会前の通りに出る。そこには様々な出店が並んでいた。

「ようこそチャリティーバザーへ! 恵まれない人への寄付のついでに何か買っていってね! 冒険者も店を出してるから、掘り出し物もあるかもしれないよ!」

 ポピーが行列を誘導しながらバザーを紹介し、興味を持った人々が目に付いた店へ流れていく。

「お父さん、僕達も行こう!」

 先程の親子も興味を持ったようで、集客は順調な様だった。


●二重奏

『手作りのものが形あるものである必要はないよね?』

 華やかな装飾の擦弦楽器(ハーディングフェーレ)を弾いて人を集めたヴィナスが、同じく擦弦楽器(フィドル)を弾くシルヴィア・A(アルヴィン)・カペルに事前に提案したのは、自分達の演奏で寄付を集める事だった。

『この手が紡ぐ音楽もまた、俺達自身が『作る』ものだ』
『成程、確かに。音楽も『作る』ものだね』

 そんな経緯で人を集めたヴィナスとシルヴィアは、割り当てられたスペースで曲を弾き終え、一礼すると自分達の前にお気持ち箱を置く。

「俺達がチャリティーに出すのは音楽です。気に入ったらお気持ちだけ入れて欲しいな」
「勿論、強制じゃないし額もあなた達の好きにしていい」

 ヴィナスとシルヴィアの言葉に、観客たちから幾らかの貨幣が納められる。

「曲を頼むことは出来るかね?」

 多めの気持ちを納めた商人風の男に、ヴィナスとシルヴィアは笑顔で答えた。

「勿論!」


●おしゃれのお店
 おしゃれさんなスィーリーンは得意の手細工を活かし、アクセサリーを出品していた。
 磨いた石や木を材料に、指輪や腕輪、ブローチにペンダントといった装飾品が求めやすい価格で並んでいる。

「これは貴女が作ったの?」
「ええ。チャリティーということで張り切らせて貰いました」
「やっぱり! どれも貴方の身に付けているものと雰囲気が似ていたものだから、ずっと気になっていたの!」

 話しかけて来た女性は、自分に合うものを選んで欲しいと言う。

「そうですね……」

 スィーリーンは女性の服装と雰囲気から、磨いた緑色の石のブローチを選ぶ。

「貴女の瞳の色に近いですし、胸元に着ければ服の色を良く引き立てると思いますよ」
「ありがとう。自信が付いたわ!」

 女性が笑顔になるのを見て、スィーリーンにも笑顔が浮かんでいた。


●雑貨の店
 知識を探求するゴブリナのストレガ・L(ライブラ)・リベルガストラの店には、研究の過程で得られた様々な品物が並んでいた。のど飴、干肉、etc……。それらの内、最も客の目を惹いていたのはアクセサリーだった。
 スィーリーンのものとは対照的に、獣の骨や鳥の羽などで作られたアクセサリーは、主に男の子の視線を集めている。

「おとーさんあれ欲しい!」

 先程から店の前を動かない子供が指すのは、カラフルな羽飾りだった。だが、父親は母親の視線に何とか諦めさせようとしている。

「これに目を付けるとはお目が高いのだ。こんな風に衣服や鞄の装飾等にするといいのだ」

 ここは押すところと見たストレガは、羽飾りを自分の被る頭骨に飾り「カッコいいだろう?」と示してやる。

「おおー!!」

 羽飾り(カッコいいもの)と頭骨(カッコいいもの)の合体に、少年の目がキラキラしている。

「すみません、そろそろ行かないと……」
「奥方殿にはこういうのもあるのだ」

 子供を引っ張って行こうとする母親に、すかさずストレガは一冊の本を差し出す。

「流石に本なんて高価なものを買う余裕は……」
「閲覧するだけならタダなのだ。奥方殿の役に立つ料理も載っているから、必要なら紙に写していくといいのだ」
「いいんですか?」
「知識とは使われる為にあるのだ」

 頷くストレガに母親はページを開く。そこには冒険過程で得た料理のレシピや獣の解体術などが分かりやすく図解入りで載っており、母親の目はレシピに釘付けになっている。
 結局、親子は本のページを写し、頭骨と羽飾りを購入して行ったのだった。

「毎度ありなのだー」


●鞣し革の店

(寄進とは尊いものだ)

 黒いフード付マントの剣士、だわはそう考え、賑やかな通りを眺めながら頷いていた。
 そんなだわが出品しているのは、自ら狩った獣や魔獣の皮を鞣(なめ)して革にしたものとその細工品である。

「兄ちゃん、こりゃ何の革だい?」
「魔獣だ」

 簡潔な返事だが、職人風の男は気にした様子もなく並んだ革を吟味している。

「この値段なら掘り出し物(モン)だが……。これあんたがやったのか?」
「ああ。俺が狩ったものだ」

 男は成る程と頷くと、何点かの革をくれと言って代金を渡す。

「……(代金が)多いんだが」
「魔獣なんて腕の良い猟師か冒険者でもなけりゃ狩れねぇんだ。こんな安値で買ったらバチ当たらぁ。素直に受け取っときな」
「そうか。感謝する。これも寄進させて貰おう」
「欲がねぇなあ。まあいい。機会があればまた頼むぜ。仲間にも声かけとくから来たら相手してやってくれ」

 男の言葉通り、職人がやって来ては革を価格以上の値段で買って行くため、だわは予定より多くの寄進を集めることが出来た。


●小さなアトリエ
 フクシア・S(ステラ)・シュルツの店は、様々な絵が並べられていた。
 自宅の屋敷の庭に咲く花や故郷(シュルツ領)の風景など明るい雰囲気の絵が、紙だけでなく木の葉や木の板などにも描かれ、物珍しさに多くの人が足を止めていた。

「これ、何ていうお花?」

 絵を眺めていた女の子が指したのは、木の板に描かれた黄色い花だった。フクシアは屈んで女の子と視線を合わせ、微笑みながら質問に答える。

「この花はミモザというんですよ。丁度今の時期に咲く花で、小さな花が集まって優しい香りがするんです。貴女は、どんなお花が好きですか?」
「タンポポ! 丸くなったのをふーってするのが好き!」

 元気に答える女の子に、フクシアは紙と筆、絵の具を取り出すと、紙にギザギザの葉から伸びる長い茎を描き始める。
 そしてその先に開くのは……

「タンポポ!」
「ええ。綿毛も描きましょうね?」

 そう言って風になびく綿毛を描き加え、「すごい!」と繰り返す女の子に筆を渡す。

「お絵かきしていいの?」
「是非。一杯に綿毛を飛ばしましょう?」
「ありがとうお姉ちゃん!」

 拙いながらも一生懸命綿毛を描き加えていく女の子を母親らしい女性が止めようとするのに気付き、フクシアはそれを制して身振りで『そのままにさせてあげましょう』と伝える。
 女性は申し訳なさそうな顔で深々と頭を下げるが、フクシアは『いいんですよ』と笑顔を返した。


●薬効の店
 イズル・M(エム)・ヴォルゴールは、石鹸と薬草酒を並べていた。
 石鹸は無香料の物もあるが、各種ハーブ入りのものもある。紙の素朴な包装が『手作り』のテーマによく馴染んでいた。

「定番はラベンダーだけど、ローズマリーはお肌に良いですよ。そっちのシナモンは血の巡りを良くするって言われてます」

 イズルの丁寧な説明に、若い女性が喜んで石鹸を買い求めていく。
 薬草酒は陶製の小さな瓶に、漬け込んだ物と年数を書いたラベルが張ってあるもので、醸造を行う家に生まれたイズルが自ら漬けたものだった。

「これは何の酒だい?」
「これは桑の葉酒です。整腸作用や太りすぎに効果がありますよ」
「……そうか」
「いいじゃない。貴方はもっと身体に気を使いなさい」

 立ち寄った夫婦の内、夫は求めているものと違ったのか反応は薄かったが、夫人は効能を聞き何本かの薬草酒を購入していく。

「柑橘系の皮やはちみつも入れてあるし、体に良いけど飲みにくい薬草とかを少しは取りやすくなってると思うんだけど」

 イズルは二人を見送った後、男性の反応を思い返す。おそらく、珍しい酒を期待したが薬草酒と聞いて苦いものだと思ったのだろう。体を壊しやすい酒飲みにこそ飲んで欲しいものであるが、その辺りは難しい所である。

(でも、こうして消費者に接して分かる事もあるし、改良して美味しい薬草酒が作れれば実家の名産にならないかな)


●祈りを繍う

「寄付の返礼に、おひとついかがですかー! 神殿で習う、無病息災の厄除けもありますよー!」

 街角の教会『プレイヤ』の管理者でありチャリティーバザーの協賛者のロゼットは、刺繍入りのハンカチを出品していた。
 大人向けの綺麗な草花や、子供向けの可愛い動物、神官らしく厄除けの聖印の刺繍もある。かって神殿に居た頃、清貧の教えに則って服の継ぎはぎや身のまわりの布を縫って身につけた技術で作成したものだった。

(寄付はありがたいけど、してくださった人にも形に残る満足を持って帰って欲しいからね。お互いのためになって欲しいわ)

 ロゼットは寄付を受ける人と寄付した人だけでなく、協力してくれた冒険者にも利があって欲しいと考えていた。
 そこへ、ポピーが飲み物とサンドイッチの入ったバスケットを持って現れる。

「アンタ達のお昼を貰ってきたよ。昼過ぎると人も増えるから今の内に食べときな」
「ありがとう。……お願いがあるんだけど、皆の様子を見に行きたいから少し代わって貰えないかしら?」

 ロゼットは了承したポピーからバスケットを受け取ると、冒険者達の店へ駆けだした。


●笑顔を
 最初に訪れたのはイズルの店。客足はまばらだが、その分じっくり説明が出来るため客は満足気に店を後にする。
 ロゼットは客足が途切れたのを見てサンドイッチとお茶を差し入れる。

「ありがとうございます。喋って喉が渇いていた所なので助かりました」
「良いタイミングだったみたいね。ところで、バザーに参加してどうだったかしら?」
「こうして自分の作った品を買って貰うのも刺激になりますね。領地や教会では得難い体験です」
「そう言って貰えると協賛した甲斐があったわ。午後からもよろしくね」


 フクシアの店に行くと、フクシアとの合作であるタンポポの絵を持った女の子が母親に手を引かれ帰っていくところだった。女の子は振り返っては笑顔で手を振っている。

「お疲れさま。喜んで貰えたみたいね」
「はい。絵はひとを癒やすもの、想いを投影するもの。または、足を運びづらい遠い地の様子を手元に映し心の旅が出来るもの。私はそう考えております」

 授恵者に目覚める前の自分にとってそうであったように、購入した相手にもそうであれば良いとフクシアは想う。

「絵を飾ったり見る習慣が無い方にも、こうした機会に興味を持って頂けたら、少しだけ世界が広がるかもしれません」
「きっと広がると思うわ。あの子の目、輝いてたもの」

「お母さん、ミモザって知ってる?」
「知ってるわよ。ちょうど今頃花が咲く綺麗な花ね」
「ホント? 今度見に行きたい!」


 だわの店に行くと、店仕舞いをしている所だった。

「何かあった?」
「品が売り切れた。もっと多く用意できていれば良かったんだが……」
「気にしなくていいわ。チャリティーなんだし、あまり負担をかけるのは悪いもの。でも、盛況だった様で何よりだわ」
「ああ。寄進を多く集められたのは良かった」
「この街の人達に感謝ね。それじゃあ、私は次の店に行くわ」
「そうか……。ちょうど他の店も覗いて見たかったんだ。同行して良いだろうか?」

 ロゼットは勿論と頷き、だわと歩き出すのだった。


「こういう物もあるのか」

 ストレガの店でだわが手に取ったのは、各種の骨細工だった。自らも狩猟をするだわだが、獲物を余すことなく利用するストレガの姿勢には驚かされていた。
 ストレガは更に獣の脂肪を煮て固めた油が入った壺を取り出す。

「これを料理に使えばちょっとした罪の味なのだ。使いすぎ注意。料理だけでなく着火剤とかにも使えるのだ」
「そんなものもあるの?」

 ロゼットの問いにストレガは頷く。

「素材は余す事無く使われる事が獲物への供養なのだ」
「なるほど。バザーへの参加もその一環かしら?」
「うむ。素材も死蔵しては意味がないから助かったのだ。加えて売上が福祉に役立てられるなら一石が二鳥にも三鳥にもなるのだ」

 人の良き隣人であろうとするストレガにとって、チャリティーバザーは良い機会だった様だ。


 スィーリーンの店は、様々な年齢の客が並んでいた。品質だけでなく、子供からお年寄りに向けて作ったアクセサリーが好評らしい。

「スィーリーンのアクセサリーは綺麗に作ってあるわね。盛況みたいで何よりだわ」
「アクセサリーは着けるだけで気分を引き立ててくれますから。お客様が気に入ってくれたら嬉しいです」

 嬉しそうに笑うスィーリーンに、ロゼットも笑みを返す。
 その隣でだわは真剣な目で商品を眺めていた。髪飾りにペンダント、どちらが喜んでくれるだろうか。


●ささやかな夕食を

「チャリティーバザーの成功を祝って、かんぱーい!」

 ロゼットは教会(プレイヤ)を開放し、参加者を夕食に招いていた。
 豪勢な食事という訳ではないが、リブラネスタに近いフェアドゥキア平野の農作物は質が高く、港湾都市である事から海の幸も豊富で、春野菜や新鮮な魚介を使った料理が並んでいる。

「様々な場所を訪れましたけど、どの土地も美味しいものがあって良いですよね」
「そうね。私もここに来た頃は食材の豊かさに驚かされたわ」

 スィーリーンとロゼットがホクホクの揚げ芋に目を細め、フクシアとだわも揚げた春告魚(メバル)の甘酢あんかけに手を伸ばし、イズルは名産のワインを味わっている。
 ちなみに、ストレガによってどの料理も罪の味となっていた。


「今日は楽しかったよ。本当にありがとう」
「こちらこそ、感謝しているよ」

 シルヴィアとヴィナスもワインの杯を掲げ互いを労う。一日中演奏と歌唱を行っていたが、充足して疲労も心地好い。

「そういえば君の擦弦楽器(ハーディングフェーレ)を見せて貰えないかな? 前から気になっていてね」

 シルヴィアはヴィナスから擦弦楽器(ハーディングフェーレ)を受け取ると、驚きに目を見開く。そして自分の擦弦楽器(フィドル)の表板を指す。

「ここを見て」

 そこには、太陽と花に囲まれた湖の焼印が刻まれていた。

「驚いたな……」

 ヴィナスは自分の擦弦楽器(ハーディングフェーレ)に目をやる。そこには月と鷹、勿忘草のエンブレムの焼印が刻まれている。それはとても良く似ていた。

「俺のはヴェルクリエの工房で作られたんだけど、互いに縁のある職人の作かもしれない」
「これはカペル領の若い職人が作ったものだけど、彼はヴェルクリエにある楽器工房で修業をしたと言っていた」
「なるほど。同じ工房に身を置いた職人同士の作品のようだね」
「そうか……不思議な縁だね」
「本当に不思議な縁だ。この工房の職人はそういう縁を音楽で紡いで欲しいのかもね」
「素敵な縁ね。昼間はあまり聴けなかったし、良ければ聴かせて貰えないかしら?」

 話を聞いていたロゼットがリクエストし、ヴィナスとシルヴィアが快く承諾する。
 その日は遅くまで教会に明かりが灯り、華やかな音色が優しく響くのだった。

マスターコメント

お待たせしました。 思いもよらないアイデアや商品に楽しく執筆させて頂きました。 その分字数が……でポピーさんのお店が入りきらず(目をそらす) 想定では被らなければアルパカ印のサシェ(想い人に贈ると破局するという噂がある)を販売しようと思っていたので、出会いの結果はお察しください。 チャリティーバザーの結果は十分な売上があったとして大成功になっております。 リプレイ、楽しんで頂ければ幸いです。 リクエストとご参加ありがとうございました!
ショートシナリオR

ショートシナリオR易しい 報酬:少ない8 / 4〜8人

2022年03月19日 08時45分48秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ロゼット

    ロゼットよ。リクエストさせてもらったわ。 戦闘に使える技能に比べて、何かを作る技能って種類は たくさんある割に、出番が少ないなと思ったのが切欠よ。 プロの職人を求めてる訳じゃないから、小物作りの趣味とか、 キャラの個性付けに技能は取った(あるいは取りたい)けど、 使う機会がないと思ってる人がいたら、どうかしら。 ちなみに私は「裁縫」を、刺繍を入れたモノを作ろうかなって。 他に、細工物や木工品、アクセサリーとか、例を出すなら。 とはいえ成立しないと始まらないから、客側または他の形で バザーに関わりたい人も、良かったら検討してちょうだい。

  2. No.2

    御機嫌よう、フクシアと申します。 これにて成立となりますね、よろしくお願い致します。 まだ何をするか、詳細は決まっていませんけれど、何か出品ができたらと思っております。

  3. スィーリーン

    スィーリーンと申します。よろしくお願いします。 アクセサリーを作って出品する予定です。

  4. イズル・M・ヴォルゴール

    イズル・M・ヴォルゴールです。よろしく。 まず、リクエスト主のロゼットさんに感謝を。 手作りのハーブの品物、石鹸と小瓶に入れた薬用酒を出店する予定です。

  5. ロゼット

    成立ね。参加ありがとう。 自由にやってもらって良いけど、何かアイデア出しに 困ることがあったら協力するからね。

  6. ヴィナス

    ヴィナスだよ、よろしくね。 お誘いしたシルヴィアと共同で出品するよ。 当日はよろしくね。

  7. ストレガ・L・リベルガストラ

    ストレガなのだ。宜しくなのだ。 料理研究の過程で得たもので何か出してみるつもりなのだ。 写本も出せると思うのだ。

  8. シルヴィア・A・カペル

    シルヴィアだ。今回はよろしくね。 ヴィナスと一緒に出品するよ。皆、良い一日を過ごせますように。

  9. だわ

    駆け込みですまん。だわと呼んでもらえれば。 革の何かを出品してみようと思う。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0