【魂禍】仮面の道化師アゾット
おおくまねこ
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シナリオID:1948
オープニング
深夜2時、リブラネスタ郊外にある貴族の邸宅の独房にて。
ドガァッ!
「わっ! なになに!?」
凄まじい轟音と共に、壁が打ち破られ、シャルルは驚いて目を覚ました。慌てて壁を見ると、そこには大きな穴が開けられている。穴の向こうには戦槌を担いだ覆面の竜人と、仮面をつけた道化師が立っていた。
「……! もしかして、アルルカン様?」
期待を込めて、シャルルは仮面の道化師へと問いかける。だがシャルルの予想に反し、男はアルルカンとは別人であった。
「やあ久しぶりだね、シャルル! 迎えに来たよ!」
「なんだ、アゾットか……」
シャルルはあからさまに落胆した。シャルルはアルルカンへの忠誠心は植え付けられているものの、彼の部下にまでは忠誠心は及んでいないのだ。道化師は芝居のように大袈裟な動作で肩を竦めると、シャルルに返答した。
「シグモル火山帯からエラトゥーン都市同盟まではるばる助けに来てやったというのに、随分な言い草だな、シャルル! だが許そう。人形のように美しい君の、その汚物を見るような視線もオツなものだ」
「変態め。これだから、アンタのこと嫌いなんだよ……」
二人がかみ合わないやり取りをしていると、戦槌の竜人が口を挟んだ。
「オイ。茶番ヲシテイル暇ナド無イゾ。コノガキヲ連レテ、サッサト此処ヲ出ヨウ」
●
牢からシャルルを連れ出した後、アゾット達は馬で街道を疾走していた。しかし突如としてアゾットは街道から外れ、森林に向かって進み始めた。
「オイ、ドコニ行ク気ダ!?」
「この先に古い神殿がある。とても風光明媚な遺跡だ。そこでしばらく待機しよう」
「ええー! 寄り道なんてしてる暇ないよ! 早くフラスコに戻ろうよ!」
「まあ待ちたまえ、シャルル。どうせなら君の親友ジャンヌも連れ帰りたい。遺跡で待っていればじきに彼女も現れるはずだ。2時間以内にジャンヌが来なければシャルルは大変な目に遭う、と書いた手紙を送ったからね」
「え、ジャンヌも来てくれるの? なら待つよ!」
シャルルはジャンヌが来ると聞き、上機嫌になった。だが、竜人の方は凄い剣幕でアゾットを怒鳴りつけた。
「おいアゾット、そんな話は聞いていないぞ! どういうつもりだ!? ジャンヌは冒険者ギルドに保護されているはずだ! 冒険者共がぞろぞろついてくるぞ!」
「落ち着き給え、謎の覆面リザードマン君。キャラが崩れているぞ」
「チッ」
竜人の舌打ちなど意に介さず、チチチ、と指を振ったアゾットはしたり顔で言った。
「だって、つまらないだろう? ただシャルルを攫って逃げるだけなんて。どうせアルルカン様に報告をするのならば、報告はエンターテイメントに満ちていなければ! アルルカン様が退屈のあまり欠伸をしてしまったらどうするのかね!? 追手との死闘! それこそが物語に花を添えるのだよ!」
「そうだね! アルルカン様も楽しい話の方が喜ぶかも! アゾットにしてはいいアイデアだよ!」
アゾットが馬に乗ったまま、両手を広げてそう主張するとシャルルもその意見に同意した。
「……付き合い切れん。いくら皇帝陛下の為とはいえ、これだから道化の派閥と組むのは気が進まんのだ……」
覆面のリザードマンは呆れた声で言った。
●
シャルルが誘拐されてから約1時間後。冒険者ギルドの総本山リブラネスタ直轄の冒険者の店、『踊る小熊亭』は騒然としていた。
「緊急の依頼です! ギルドで保護していたホムンクルスのシャルル君が脱走してしまいました! どうやら、あの子の脱走を外から手引きした連中がいる模様です! すぐに追いかけて下さい!」
ギルドの受付嬢が銅鑼を叩きながら大声で呼びかけると、飲み会をしていた冒険者達や、踊る小熊亭に宿泊していた冒険者達がぞろぞろと集まってきた。深夜なので近隣の住民は大迷惑だろうが、事態は一刻を争う。もしもギルドで保護していたシャルルが再びアルルカンの手に落ちてしまえば、冒険者ギルドのそのものの信用にも関わってくるからだ。
ジャンヌは受付嬢の背後に隠れたまま、張り詰めた表情で冒険者達の動向を注視している。
「今回の敵は帝国過激派・アルルカンの部下と思われる連中です。幸いにも、敵はジャンヌさんをおびき寄せる為に遺跡で待ち伏せをしているようです。しかし時間は余りありません。行ける人だけで構いません。ただちに現場に向かって下さい。ジャンヌさんも、今回は同行します。彼女の安全にも細心の注意を払って下さい」
明らかに罠である。受付嬢のみならず何人もの職員がジャンヌを止めたが、彼女は聞き入れなかったようだ。ジャンヌは受付嬢の背後から意を決したようにすっと前に出ると、宝石のように硬い意志を感じさせる眼差しで冒険者達に呼びかけた。
「シャルルは、私の、親友です。行くのは、怖いけれど……今度は、私が、連れ戻します。だから、力を貸して下さい」
解説
マスターより
リプレイ
「正直過激派など欠片も同胞等とは思っていないが、それでも帝国の名を冠していることに違いはないから帝国の汚名返上と禊のためにもできる限り救い出さんとな」
ベルク・オスマットは過激派の狼藉に怒り心頭だ。愛馬のベルク=タークも主の怒りに呼応しているのか、フンフン、と鼻息を荒くしている。
「まさか、態々こっちまで奪還にやって来るとはな……だが、ジャンヌまで欲張ったのが運の尽きだ」
バーネット・フォーサイスはエンライトの灯りで辺りを照らしていた。夜の遺跡ということもあり周囲はかなり暗いが、この灯りがあれば戦闘も可能だろう。
「ジャンヌ、シャルルを見つけても絶対に飛び出さないで下さいね」
リコリス・アデュラリアは予備の光源として持ち込んだランタンを下げ、注意深く周囲の様子を窺っている。今回は敵は明らかにこちらを誘っている。敵の奇襲や罠も十分警戒して然るべきだからだ。
そして、シャルル誘拐犯に指定された遺跡を探索すること約10分。冒険者達は遺跡の奥で待ち構えていた過激派グループと相対した。
●
「シャルル!」
シャルルが視界に入った瞬間、ジャンヌは叫んだ。だが、すぐさまシャルルの側にいた仮面の道化師と覆面の竜人、そして5体の異形がシャルルの前に立ちはだかり、ジャンヌの接近を阻む。
「ジャンヌ! やっぱり君も来たんだね。ボクはアルルカン様の所に戻る。命令を果たさなきゃいけないんだ。ジャンヌ、一緒に来てくれないなら、ちょっと乱暴な方法をとるよ」
シャルルは悲しげな表情でジャンヌに返事をした。その傍らにて、道化師は愉快そうに手を叩いた。
「ようこそ、ジャンヌ! そして冒険者諸君! 見ての通り、我々は敵だ! シャルルを連れ戻したくば我々から奪い返したまえ! 1分あげよう。それまでにシャルルを奪い返せなければ、この人形はこのままシグモルへと連れて行く」
敵のリーダーらしき仮面の道化師は早口でそう捲し立てると、馬鹿丁寧なお辞儀をした後にこう口にした。
「申し遅れた。私の名はアゾット。シルトラース帝国皇帝ヨゼフ様の忠実な部下だ。以後よろしく」
●
「胡散臭そうなヤツだな……そういうのはロコくらいで充分だぜ」
ナキルはぼやきながら蒼剣アルサリアを一閃し、ホムンクルスに向けて斬撃を飛ばした。魔獣の巨腕を持つホムンクルスは腕を盾にして剣の威力を殺し、致命傷を防いだ。ナキルはそのまま斬撃に追いつくようにダッシュして距離を詰め、ホムンクルスと対峙する。
「よう道化師、態々こっちまでやって来るたぁ、そっちの宮廷は随分と暇なんだな」
バーネットはホムンクルスの密集している場所に重力場を打ち込んだ。黒い渦がホムンクルスたちに重圧をかけ、ナキルと対峙している個体を含む3体のホムンクルスの動きが阻害された。
「あ、何人か見た事あるヤツもいる! ボクを騙した奴らだ! ジャンヌ! 君もきっと騙されてるよ!」
シャルルは改造ホムンクルス達の後ろから動かず、ジャンヌの動向を注意深く監視している。ジャンヌの居場所は冒険者の最後衛であるリコリス、そしてルアンナ・ミュラーの隣だ。そのまま突っ込むとまた捕縛されかねないので、冒険者達の出方を窺っているのだろう。
「さあ、人形共よ! 彼らをたっぷりともてなしてやるがいい!」
「シャアアアッ!」
5体の改造ホムンクルスは雄叫びを上げ、冒険者達へと襲い掛かった。重力場の影響を受けていた3体はナキルへ。残りの2体はアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトへと襲い掛かった。彼らは獣のように唸り声を上げるのみで、人間らしい知性は感じられなかった。
「速え! がっ!」
ナキルは1体の攻撃を回避したが、残る2体の攻撃を避けきれず、2体目の一撃で受けた時点で意識を失った。
「ぐっ……!」
アルベルトも2体の攻撃を受け、歯を食いしばる。あと3、4発ぐらいならなんとか耐えられそうだが。
(人類の盾たる帝国を名乗りながら守るべき人々を玩具にするとか、やっぱり征竜よりも優先して駆除すべき害獣だな奴らは)
ベルクは額に青筋を立てながら、ホムンクルスの1体へと突進した。事前に罠の有無は確認を済ませてある。舐められたことに、罠の類は一切なかった。向こうはよほど腕に自信があるか、あるいはイカレているかだろう。ベルクはすれ違いざまに鉤爪を一閃し、ナキルからすでに攻撃されていたホムンクルスに毒を打ちこんだ。
「シャルルは、返して、もらいます」
ジャンヌは怒りに満ちた目でアゾットを睨み付けると、ナキルと交戦していた3体のホムンクルスを光弾で撃ち抜いた。
「あのリザードマン……何のクラスや?」
サイラスは3体のホムンクルス達に向けて疑似召喚術を発動した。紅玉竜を再現したエーテルのワイバーンがホムンクルス達を襲い、1体がダウンした。サイラスは同時に、覆面のリザードマンの動向にも注意を払っている。肌は青色。体格からして恐らく男性。得物は戦槌のようだが、彼は後衛の位置から動く気配がない。
「こんな残酷な方法でホムンクルスなんて生み出して、貴方の上に居る皇帝は何がしたいの。世界征服でもするつもり?」
ルアンナはアゾットに怒りの目を向けながら、シャルルに向かってスタティックフィールドを飛ばした。
「さて、ヨゼフ皇帝の胸中など、末端の臣下である私には推し量れませぬ。ですが、世界征服! 皇帝陛下ならば、そのぐらいはやってのけると仰るでしょうな!」
「あっ、くそ! やったな!」
シャルルは回避に専念していた様子だが、稲妻が全身に絡みつき、動きが鈍ったようだ。
(シャルルちゃん、もしかして靴のサイズが合ってない? ギルドに裸足で拘束されてたのかしら? これはこちらにとっては幸運ね。ずいぶん前より遅いわ)
「ンじゃ、行くか……営利誘拐は裁判なしで死刑だ」
アーテミシアはホムンクルス達を迂回し、アゾットに向かって全速力で駆け出した。まだ距離が遠いが、あと数秒でアゾットに肉薄できるだろう。
「アゾット! 貴様の目的は何だ!」
アルベルトは自分に斬りかかってきたホムンクルス達に闘気の塊を叩きつけながら、アゾットへと叫んだ。ホムンクルス達は闘気に飲み込まれて縦にひしゃげ、深手を負った。
「ふむ。私の目的ですか。もちろんアルルカン様に人形達をお返しすることですが、今、この場においては戦いを楽しむことも目的ですね!」
アゾットが杖を振ると、空間に穴が空き、中から無数のナイフが飛び出した。ナイフはホムンクルス達をすり抜け、アルベルトに突き刺さる。激しく傷つけられたアルベルトはそのまま地面に倒れた。
「さて、まずは1人!」
「……どうやら、アルルカンは貴族喰と同レベルで悪趣味のようですね」
リコリスは吐き捨てるように呟くと、アゾットに向けて呪法強化を重ねがけした魔糸を飛ばした。エーテルの糸がアゾットの全身に纏わりつき、彼の動きを阻害する。
「ほう。そちらのレディはセンスがありませんな。アルルカン様と同じエルフなのに!」
アゾットがそう言い放つと、リコリスの眉が吊り上がった。
「コイツラ、カナリノ手練レダナ」
覆面のリザードマンは片言で呟き、改造ホムンクルス達へと癒しのエーテルを放出した。みるみるうちに3体の改造ホムンクルス達の傷が塞がり、サイラスに倒されたホムンクルスさえも立ち上がった。
●
「ここから先には行かせんぞ」
ベルクはナキルが抜けた穴を埋めるべく、ホムンクルスの1体へと斬りかかった。刃に乗せた毒がホムンクルスの肉体を蝕み、傷口からドス黒い血が噴き出した。
「いきなり2人やられたか……これはちょっとヤバいな」
前衛2人がすでにダウンしており、向こうにも回復役がいる。ここは敵の数を減らすべきだと判断したバーネットは、アルベルトに攻撃されたホムンクルス達を狙ってメテオライトを撃ち込んだ。すでに深手を負っていたホムンクルス達はバーネットの一撃で撃沈した。
「よし、あそこ空いてる! あれ、なんだこれ!? ぬぎぎ!」
シャルルはナキルが倒れた場所を狙い、一目散に駆け出した! だが、バーネットが仕掛けていた見えない重力場に阻まれ、その場でストップしてしまった。ジャンヌの元にはたどり着けなかった。
「シャルル! この効かん坊め!」
アゾットは肩を竦めると、また杖を一振りした。すると、巨大な振り子刃が虚空から出現し、今度はアーテミシアを襲った。
「ぐっ!」
刃は深々とアーテミシアの腹に食い込んだが、アーテミシアは強靭な精神力でアゾットの一撃に耐えて突進した。
「やるな! 私の『魔刃召喚』を食らっても、倒れ――」
「うるせえ、死ね!」
アーテミシアはアゾットの言葉を無視し、腹に盾を叩き込んで数十メートル後方へと吹き飛ばした。
「シャアッ!」
改造ホムンクルスの3体は重力場から逃れ、ベルクに襲い掛かろうとした。だが、ベルクは攻撃と同時に距離を取っていた為、追い付くことができなかった。
「お願い、起きて……!」
ジャンヌは懇願の共にナキルへとヒールをかけた。
「一瞬、意識飛んでたな……ありがとう、ジャンヌ」
血まみれのまま剣を握りなおし、ナキルは再び立ち上がった。
「シャルルちゃん! 戻ってきて!」
ルアンナはシャルルへとエーテルの糸を放った。エーテルの糸が絡みつき、シャルルの動きがさらに鈍った。
「あのリザードマンはヒーラーか……やり辛いな」
サイラスは再び3体のホムンクルス達に向けて紅の竜を放った。竜の炎がホムンクルスの全身を嘗め尽くし、今度は3体のホムンクルスが倒れた。
「ジャンヌ、ルアンナから離れないで下さい」
リコリスはこのままではアーテミシアが危ないと判断し、ランタンを持ったまま彼女の援護に向かった。アゾットはアーテミシアの吹き飛ばし攻撃により今孤立しており、ホムンクルス達も前衛がなんとか抑えている。この状況はアゾットを足止めするチャンスだと判断したのだ。なお、アゾットが吹き飛び、バーネットの光源からかなり離れてしまった為、リコリスがランタンを持ち込んでいたことも僥倖だった。
ズン!
リコリスの前方に鋼鉄の如き強度を持つ巨大な魔法の壁が生まれた。
「アーテミシア、この壁の影で回復を」
「チ、旗色ガ悪イナ」
覆面のリザードマンは再び癒しのエーテルを全身から放出した。すると、また3体のホムンクルス達が戦線に復帰した。
「あいつ、近づいてこんな……」
サイラスは覆面のリザードマンをチラリと見た後、3発目の鳥獣戯を放った。紅玉竜の炎に焼かれたホムンクルス達は、また戦闘不能となった。ちなみにシャルルも攻撃範囲にいたのだが、『今日は丸腰やしとりあえず放置でええやろ、回収目標やし』という判断で見逃された。
「危ないなあ、もう!」
シャルルは重力場に捕まったまま動けずにいた。ルアンナのスタティックフィールドとバーネットの重力場の二重の拘束により、身動きが取れなくなっているのだ。
「シャルル! 戻って来て! 誰か! シャルルを捕まえて!」
ジャンヌはシャルルへと必死に呼びかけながら、アルベルトにヒールをかけた。アルベルトはカッと目を見開き、剣を握りしめて立ち上がろうとしている。
「シャルルちゃん! もうあいつらの命令を聞かなくて良いんだよ、一緒に帰ろう?」
ルアンナはジャンヌを守れる位置を死守しながら、シャルルへと呼びかけた。ルアンナはさらにシャルルにフリーズボルトを撃ち込もうかと一瞬考えたが、命を奪いかねないので、攻撃目標は改造ホムンクルスにした。ルアンナのフリーズボルトを受けた個体はそのままダウンし、戦闘不能となった。
「チッ……!」
アーテミシアは一旦リコリスのアイアンウォールの陰に隠れ、自身にヒールをかけた。仮面を叩き割ってやるつもりだったが、あの道化の魔力は想定以上だ。1人で突っ込めばすぐに倒されてしまうだろう。
「恨みはないが、邪魔なので殺す」
範囲攻撃を撃ち尽くしたサイラスは回復役を潰すべく、覆面のリザードマンに混沌魔術で創り出した三頭五尾のドラゴンをけしかけた。覆面リザードマンは多頭竜が吐き出した瘴気のブレスをまともに浴びたが、まだまだ余力を残している様子だ。だが――。
「茶番ニ付キ合ウノハココマデダ。アゾット、後ハ自分デヤルガイイ」
覆面のリザードマンは自分の傷をヒールで完治させると、夜の闇へと身を躍らせた。
(え、逃げるの? まあ楽になるから別にいいけど)
●
「シャルル殿を確保した! みんな、退くぞ!」
ベルクは足止めを食らっていたシャルルを1発ぶん殴り、気絶させて担ぎ上げた。アゾットは未だ健在だが、改造ホムンクルスは既に全滅し、シャルルも確保できている。敵は1分とほざいていたが、こちらがそれに付き合う道理はない。数の上では有利だが、ベルク以外の前衛はみな立っているのがやっとの状態なのだ。アーテミシアと共にアゾットを抑えていた後衛のリコリスも、自分へのヒールでアゾットの攻撃に耐え、なんとか戦線離脱を拒否している状態である。
「笑えねぇピエロに需要は無いぜ……」
「アゾット! 貴様の好きにはさせん!」
アルベルトはナキルと並び、太刀の切っ先をアゾットへと向けた。ナキルは血まみれになりながらも殺界を展開し、アゾットをジャンヌに近づかせまいとしている。他の冒険者達もアゾットを睨み付けつつ、ジャンヌに後退を促していた。
「よかろう。1分にはまだ少し時間があるが、君達の健闘を称え、シャルルは預けておこう」
アゾットはそう告げると、空へと浮かび上がった。
「過激派の中でも随一の帝国の恥部であるアルルカンに伝えておけ、貴様は必ず我らが殺してヨゼフ共々澱みの底に沈めてくれるとな!」
「命を粗末に扱う人はすべて、私の敵です。今回はシャルルちゃんを連れ戻すのが目的なので深追いしませんが、次に会ったら全力で叩きのめします」
ベルクとルアンナは、上から冒険者達を見下ろすアゾットへと叫んだ。
「フフフ。伝えておくとも。では冒険者諸君。また戦場で会おう!」
アゾットは陽気に手を振ると、凄まじい速度で空へと消えていった。後に残ったのは、冒険者8名とジャンヌ、気絶しているシャルル。そして――使い捨てにされた改造ホムンクルス5体の亡骸だった。
「……」
「……あそこまで改造されては元に戻す事は不可能だったでしょう。ならばこれ以上、肉体と魂を弄ばれる前に倒す方が彼らの救いになったはずです」
リコリスは亡骸を見下ろすジャンヌの頭を撫でた。
その後、冒険者達はすぐに隠していた馬車に乗り込み、シャルルとジャンヌを連れてリブラネスタへと引き返したのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:多い8 / 4〜8人
2022年02月27日 21時47分34秒 公開
相談掲示板
No.1
サイラスだ、よろしくなー 回避:180 抵抗:25 物理防御力:75 魔法防御力:37~8 生命力:200 かな?計算した感じシャルルのステは これ殺さん様にかつ改造ホムンクルス五体、高レベルキャスター(撤退まで10ラウンド)一体、ウォーリアかヒーラーか分からんのが1人を相手が準備万端な所行ってホムンクルス守りつつ相手すると。 おしゃべり得意な人とかならキャスターと会話して情報とるも追加? ざっくり考えると救助タイミングかなり厳しいかなと 火力抑えたりとかは前回もだけど、今回は妨害が高位のネームド達だし。道化師的に回収されそうなホムンクルスは「どう」したら盛り上がるか考えると尚更に
「ナキルだ、よろしくなっ! 前回、シャルルをらt…連れ出した面子が殆どだな?今回もよろしく頼むぜ。 >サイラス お、そんなカンジか……サンキューな、イメージしやすくなった。 >撤退まで10R 状況的に「11Rが発生する」のかしないのかで、警戒する項目も変わりそうだな……? ”シャルルの身柄を確保できなければ10R目で撤退する”…って割り切るのは”油断”に繋がるんじゃねーかと警戒しときたいな。って個人的な所感。 10R目でシャルルを「光縛封」見たいなので囲って置けると安泰そうだったが。 面子的に「移動力阻害」かな? アゾットの野郎は「殺界」みたいなスキルで足止めちまいたいトコだな…飛べるってなると、肝心なトコで射程外っての要警戒か。 >対シャルル 「シーザーロア」でタゲらせて隔離ってのも一つか…? 他の敵戦力を「面制圧できるキャスターが3人」居るってこっちの利点になると思うし そん時、シャルルが中に混じってるとぶっ放し難いもんな。 個人行動は、まだ考え中だな。 ネームド等がゴリ押しして退場するよーな気がしない点を考えると、改造ホムンクルスぶん殴るか……ま、ココは全体の流れ見ながら決めるぜ。」
キャスターのルアンナです、よろしくお願いします。 続投して参加されてる方が多いですね。 方針としては、シャルルちゃんとアゾットを引き離して一緒の場所にいさせない様にしつつ、時間を稼いでアゾットに諦めさせる感じでしょうか。リザードマンの戦士や他のホムンクルスもいますし、全員討伐は厳しそうですし。 アゾットは色々聞けばペラペラお喋りしてくれそうですね。出せるだけ情報を聞き出してみましょう。
ウォリアーのアーテミシアだ。オレは初だな。 …なンだ、概ね何時もの面子じゃねえか 引き離すンならドラゴンチャリオットでふっ飛ばしてそのスキに確保するのが一番ラクかな。 そこにたどり着くまで一工夫が要りそうだけど。 …ショージキ、あのタイプにベラベラ喋らせるのは思う壺ぽいンだよなぁ。 ああいう道化ヤローは無視するのが一番精神ダメージでかそうだけど。
キャスターのリコリス・アデュラリアと申します。 ……よろしくお願いします。 サイラスは情報、感謝します。 >アゾット撤退 11Rの発生の有無もですが、何故10R目固定で撤退するのかも気になりますね。 不利と悟った時点で撤退する方があちらも危険は少ないでしょう。 そうなると、10R目で行う理由があると考える必要もあるかと。 例えば、10R目に発動する罠が仕掛けられている可能性などですね。 あちらとしてはシャルルさえ確保出来れば最低限の目的は果たせるので 元々ギルドに保護され奪還が難しかったジャンヌも含め 神殿を破壊し生き埋めにしても構わない、ぐらいは考えていそうな気がしますけど。 >対シャルル 他の敵から引き離しつつ、今回も死なない程度にダメージを与える形になりそうですね。 【対象識別】付きの範囲攻撃で負傷度に応じて範囲から外す事も出来ますが 他の敵が近くに居ると確保時に妨害をされるでしょうから。 >会話 戦闘に支障が無い範囲内で各自の判断で情報を入手する方向で良さそうですが 注意点としてはこちらの情報は与えないようにする事でしょうか。 敢えて誤情報を握らせるのも手ではありますけど。 仮に会話で引き付けつつ何かしら行動を行うのであれば 相応に作戦を固める必要はありますね。 >回復 今回、ヒーラーが不在ですので自力での回復手段の用意が求められますね。 スキル構成上、用意が難しい者は早めに相談して頂く必要があるかと。
キャスターのバーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 >方針 基本的には、ジャンヌを守りつつ敵を分断して足止めし、そのまま各個撃破って所か? アゾットはキャスターだから兎も角として、改造ホムンクルスとかリザードマンは 近接が主体な可能性が高いし、キャスター勢のグラビティフィールド等で 敵の足並みを乱して連携やカバーを妨害し、その隙に1体ずつ集中攻撃で沈めるって感じで。 >アゾット 10Rってリミットも、どこから来てるか若干不透明だな。 時間的制約があるわけでもなさそうだし、強いて言うのなら、 手紙で2時間以内に来いって言ってた事くらいか? まぁ兎も角、退却するってんならそれで構わないが、 その時にそのままシャルルを連れていかれない様、早めにこっちで確保しておきたい所だ。 あとは、可能な限り戦闘中の会話で情報を引き出せたら御の字だな。
No.7
とりあえず遠距離攻撃メインにしてカバーとか兼任しつつ動こかと。 ドラチャリで飛ばしても死なない火力ではあるけど実回避360と考えるとフェイント込みでもめんどうかなと思うので。また火力高いとそのまま死ぬんだろうし物理なら275前後、魔法なら240くらいまでの火力でどうにかとなるとなー
ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 今回俺は、戦槌のリザードマンと改造ホムンクルス5体を相手しようかと思っているぜ。
●アゾット(キャスター) ●戦槌リザードマン アルベルト ●改造ホムンクルス軍団5体 アルベルト、ナキル ●シャルル 「ジャンヌは今回、こっちの味方で考えていいんだろうけど…前線に出して問題ねェんだっけか シャルルのヤツはどの道、ジャンヌに向かって行きそうだけども。 オレはとりあえず、ホムンクルスの頭数を減らしに行って、最終Rあたりに手を空けて アゾットのヤツを足止めに回るか…殺界あたりでどうにかなるだろう。」
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 我は改造ホムンクルスをメインに動こう。主に牽制に動くので隙ができたら潰してくれ。 ●アゾット(キャスター) ●戦槌リザードマン アルベルト ●改造ホムンクルス軍団5体 アルベルト、ナキル、ベルク ●シャルル
>方針 基本的な流れとしてはバーネットが纏めてくれた物で問題無いかと。 アゾットに関しては撃破を狙うよりも好きに動かれないよう 牽制を行うぐらいのつもりで居た方が良さそうですが。 そしてあくまで今回の依頼は「シャルルを奪還」ですから 確保さえ出来ていれば敵を無理に殲滅する必要はありませんね。 状況次第では【移動阻害】付与などで足止めを行い そのまま撤退する事も視野に入れても良いかもしれません。 >個人 他のキャスター陣の動き次第ではあるのですが 希望者が居なければ遠距離攻撃でのアゾット牽制に回ろうかと。 希望者が居た場合はホムンクルス対応に回り 全体攻撃で殲滅速度を上げる形になりますね。 その後はリザードマンかアゾットの内 人手が足りない方の加勢をする事になるかと。 ただ最終的な方針次第では行動が変わるかもしれません。
オレはリザードマンかアゾットかね キャスター相手はちと相性が悪いか アゾットの場合はベラベラ喋らせる前に叩き潰すつもりでいくぜ
>ジャンヌ そういや、ジャンヌには改造ホムンクルス軍団の相手をしてもらう感じで大丈夫か? キャスターだから多数相手は得意だろうし、攫われない為にも俺らの後方から 火力投射をしてもらった方が良いと思う。 >個人行動 俺の方はひとまず、グラビティフィールドとスネアージャベリンで近接系の敵を足止めした後、 改造ホムンクルス軍団相手に頭数を減らす事から始めるつもりだ。 あと、照明用のエンライトは用意しておく。
私はシャルルちゃんの妨害をしましょう。とにかく移動や回避を下げますね。 ●アゾット(キャスター) ●戦槌リザードマン アルベルト ●改造ホムンクルス軍団5体 アルベルト、ナキル、ベルク ●シャルル ルアンナ
No.15
アゾットは希望者いるし、リザードマン行こうか。 後ろから術放り込んでみよかと ●アゾット(キャスター) ●戦槌リザードマン アルベルト ●改造ホムンクルス軍団5体 アルベルト、ナキル、ベルク ●シャルル ルアンナ
では、そろそろ決めた方が良いでしょうから私はアゾットを担当しましょう。 >ジャンヌ 動き方としてバーネットが挙げた物が良さそうでしょうか。 私も配置的には後方になるので彼女にそう頼みつつ 想定外の動き等に備えておこうかと。 ●アゾット(キャスター) リコリス ●戦槌リザードマン アルベルト ●改造ホムンクルス軍団5体 アルベルト、ナキル、ベルク ●シャルル ルアンナ
「>ジャンヌ あぁ、オレもバーネットが言ってた流れで良いと思う。 後は実際に時間が来たときに「動けるように」連携が取れた方が良いだろうな リコリスが言う様に戦線離脱させるのも一つだと思う。ここに関しちゃ、早いタイミングで仕掛けると逆効果になるかもしれねーから、やるなら9Rか10Rだと思うけど。 シャルルも抵抗するかもだしな。 オレはホムンクルス集団をある程度抑えたらアゾットも殺界あたりで抑えようと思うし 一応、そっちにも名前を書いとくぜ。 リコリスが危なそうだったら、フォローしに行くぜ。」 ●アゾット(キャスター) リコリス、ナキル ●戦槌リザードマン アルベルト ●改造ホムンクルス軍団5体 アルベルト、ナキル、ベルク ●シャルル ルアンナ
なんか変だと思ったらサイラス抜けてるじゃねえーか オレは、殴る、だけだ(いつもの) ●アゾット(キャスター) リコリス、ナキル、アーテミシア ●戦槌リザードマン アルベルト、サイラス ●改造ホムンクルス軍団5体 アルベルト、ナキル、ベルク ●シャルル ルアンナ
No.19
あれ俺はぶられた?いやまあどうでもいいが とりあえず後衛の位置から必要に応じてカバーとかはジャンヌとか優先目に入れとく
「>アーテミシア マジだ、サンキューな! >サイラス オレも見落としてたけど、発言の後のリストに名前入って無かったみたいだしな……普通に見落とした、ワリー」
ん……? ああ、成程。 私はサイラスの発言にあった希望者纏めをそのまま書き写した(コピペ)した上で 自分の名前を追記したのですが、その時点でサイラスの名前が無かったわけですね。 失礼しました。 ジャンヌの戦線離脱させるのならナキルの言うように9Rか10Rが妥当でしょうね。 ホムンクルス殲滅までは最低でも抑えられるようにするつもりですが いざという時のフォローは有難いのでお願いします。 私の動きとしては呪法強化した魔糸3でのBS付与や魔弾2で牽制しつつ 状況次第ではアイアンウォールでジャンヌを守るつもりです。 もしシャルルに対してあまりにも攻撃が当たらないようであれば 隙を見てシャルルにも魔糸3での【回避低下:20%】を付与を試しましょう。 それと言い忘れていましたが、バーネットは照明用のエンライトの用意を感謝します。 一応予備として私の方でランタンと、あとは捕縛用のロープも用意しておきます。
「>リコリス あぁ、そのヘンのフォローは意識するぜ。 それまでに出来るだけホムンクルス連中は手傷を負わせるなりしておきたい所だな。 後はスキル面で「暗視」と「戦術眼」で撤退の流れとかも意識して行くぜ。 あとは、撤退時に少しくらいは役にたつかと思うから「閃光塗弾(効果A)」を使おうと思うぜ。」
直前ですまないが。 一応遺跡に罠がないか突入前に双波で確認しておくな。 >ジャンヌフォロー サイラス殿なら大丈夫だろうが一応我もフォローに入れるようにしておくつもりだ。