【想石】What is your Gem?
白葉うづき
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シナリオID:1908
オープニング
――『想いの宝石』。
それは、迷宮都市エドゥノーグのダンジョンに広がる、とある枝場に出る魔物が、人の強い想いを宝石として形にしたものだ。
ある時期から、これまで以上に地上の人間を飲み込むようになったその枝場では、『人の想いを宝石化する魔物』やそのほかの魔物がひしめいていた。通常、普通の人間は魔物に太刀打ちできず逃げるしかないが、その最中で想いが宝石化され、自分の想いが詰まった宝石を置き去りにしてしまうことも少なくない。
そして普通の人間は、その想いを失ってしまう。そうなれば、その宝石を破壊することで想いを取り戻すしかない。
今回、冒険者たちはギルドから、ダンジョンに飲み込まれた人々の『想いの宝石』を回収する依頼を受けている。ドロップした宝石とそれは通常見分けがつかないが、幸運なことにそれを置き去りにしたフロアと部屋が分かったらしい。枝場が形を変えない内にと、冒険者たちは迷宮の道を急いだ。
――そこに、青年がいた。
「あれ? なになに、皆どーしたの? オレはねー、宝石集めてた!」
七色に色付いた頭を揺らし、ヴィンツ・ラッテは目を丸くして首を傾げた。この騒動に並々ならぬ興味を持った青年は、最近何度もこのダンジョンに潜っているらしい。ふと見ると、部屋の隅に茶色く光沢のある魔物が転がっていた。
「それは俺が退治したー! ちょっと調べたいことあるから生きてはいるけどもう動けないと思うよ! あ、ここにあった宝石も全部回収した! なになに、何か言いたい顔してる! オレに教えて!」
●キミの宝石を教えて
一通り事情を説明すると、理解したというように青年は頷く。そして空間に手を当て、何もない場所から大きな袋を取り出した。それを開いて見せると、幾つもの宝石や貴金属が中できらめいていた。
「たぶんこの中にあるだろーね。けどどれかわかんないから全部渡すことになるよねー、うーん」
この量をすべて渡すというのは、それだけの時間と労力を無駄にさせることになる。渡すことは別に構わないけど、と言って青年は冒険者たちの顔をひとりひとり見ていき、ぱっと表情を明るくし立ち上がった。
「そうだ! ねえ、オレにキミたちの『想いの宝石』を見せてよ!」
冒険者ならば想いを奪われることはない。宝石化の魔物もそこにいるから。
「本当は欲しいし研究したいんだけどね。分析くらいは許してくれる? あ、もしくれたら代わりにオレの『想いの宝石』をあげるよ!」
そう言って取り出したのは小さな金色の宝石。内側に光の粒のようなものが散りばめられ、幾重にもカットされたようなその宝石を指先で摘まみ上げてみせた。潜るたびに創り出し、集めていたらしい。
「これはきっと、オレの何かを知りたいっていう探求心や好奇心の塊。多面的なカット、これはオレの興味が色んなものに向いていることを示しているのかな? 色はなんだろ、オレ知らないことは全部キラキラして見えるからこの色で、内側に星みたいなつぶつぶがあるのかも! それにこれ、ここでは金色だけど地上に出たり光が変わると色が変わるんだ。何色かはお楽しみ。
本当に面白いよね、この宝石は。しかも人が大切に想っていることを宝石化するなんて。勘違いしちゃいそうだけど……果たしてそれは、キラキラした想いだけを宝石化するのかな?」
上機嫌に話していたヴィンツは、ふとその両目を細める。
「例えば、憎しみの気持ちがあった。それは復讐をするのに大切な想いだ。それも宝石化するのかな? 何かの目的を為すために持っていなきゃいけない想いはきっと考えらんないくらい色々な色を持っているよ。それにオレたち授恵者は、『想いの宝石』が自分のどんな想いを宝石化したものなのかもわからないよね。恋する気持ちだと思ったら、実は別の気持ちが宝石化されてたり……なんて! ああ、本当に思考が収まらない! 楽しいなあ!」
青年はどこまでも楽しそうに笑う。周りには立ち上がった拍子に宝石や貴金属が散らばり、きらきらと輝いていた。
解説
マスターより
リプレイ
「へぇ……まーた風変わりなのが出て来たモンだよな」
興味深そうな面持ちでナキルは宝石化の魔物を覗き込む。てらてらとした光沢に包まれたそれは四肢と呼ぶべき個所が損壊していたが、これでもまだ『宝石化』という特殊能力は有しているらしい。
「とりあえずは迷宮の気まぐれと捉えていいと思うよ」
「時期も気になるよな」
「人々の想いを感じ取ったとか? それも面白いね!」
ヴィンツ・ラッテと話しながらなおも観察するが、魔物であるという以上の情報は無いようだ。後ろから見ていたスフィカも興味深そうに瞳を瞬かせる。
「この魔物に触れれば宝石ができるんだ、不思議だねぇ……あ、ヴィンツさん久しぶり」
「悪戯娘さん! それとも冒険娘さんの方がいい?」
「あはは、どっちでもいいけど、一年以上ぶりに会うのがまさかダンジョンの中とは思わなかったよ!」
「キミとオレの縁だ、次に会うのはもっとすごい場所かも!」
「見慣れた顔がいると思ったら」
「視界に入ると思ったら従弟殿じゃないか」
ジュスト・ヴェルジーとローザリカ・L・ディオールが顔を見合わせる。お互い知り合いだが、ここに来て初めて居ることに気づいたらしい。
「けれどまぁ、理由はわかるよ。君の好きそうな話だよね」
「そう思ったのなら何でいるんだ。相当時間を持て余していたと見える」
「一般人にとっては一大事だと思ってね」
軽快に言葉を交わしながら、他の冒険者たちとも話を纏める。宝石を見せてほしいとのお願いに、反対する声は出なかった。
●
「まず俺がやってみよう」
好奇心に緩く笑みを浮かべ、キオルティスが進み出て魔物の前に立つ。しばらくすると宝石が目の前に転がり出た。
「わ、出た!」
見守っていたアステルが声を上げ、拾い上げたキオルティスは小さく笑う。
角を落とした長方形にカットされた宝石、青とも紫とも言えない青紫色。見た目よりも重く、不透明な光を鈍く反射していた。曲線と直線が入り混じったような、大理石を思わせる模様と金色の粒が薄らと浮かび、表面に虹色を映し出す。
「わー! さまざまな要素が入り混じってる!」
「この色は……俺にとっては中途半端、いや中庸……かな?」
「中庸?」
「青でもなく、赤にもなれていないから」
表面をなぞると、つるりとした感触が肌に残った。
「この模様は各地を転々とした足跡、かな? それともふわふわとして捕まえようのない所を表しているのかな」
「いっぱい旅してきたもんね」
「表面の虹色も、金の星も面白いね。もしかしたら、旅しながら歌で魂の欠片を交換し合った結果で……星はその人々かもしれない」
確固たる『自身』なんてモノは、音楽のような不変の魂ではない。今ここに存在する自分というものはこれまでの積み重ねであり、今もなお揺らぎ続けながら、それでも『自身』でしかない。
けれど、その様がきっと、美しい。
「う~ん……何だろう」
宝石を覗き込む。綺麗なモノが好きなお兄ちゃん。世界中を旅するのは、色んなものを見たりするためだ。綺麗なこと、そうじゃないこと、旅をする中で感じた空気を吸収して“自分”というものを形作っている――考えながら兄を見ると、綺麗な瞳と目が合った。
「これからも、今みたいな旅を続けて、色んな想いを見たいって……そんな感じ、かなぁ……?」
「面白いね」
再び石をなぞり、瞳を閉じる。
嗚呼。歌と旅、そしてアステルと自分。友人や仲間にまだ見ぬ誰か。
(全ては魂で繋がっている)
「次は私!」
楽しげな笑顔で魔物に近づき、アステルの宝石が生まれる。親指程の小さな玉石は蒼が主で、覗き込むと紫や碧が見えた。多面的なカットで、光を反射してキラキラと光っている。
「ルティスお兄ちゃん、綺麗なのできたよ!」
「こんな美しい宝石もあるんだね……アステルにピッタリだ」
青に見えるが、紫にも緑にもなり得る柔らかな色彩。穏やかなそれは彼女の優しさを感じる、そして優しさを与えてくれそうな石。
「柔らかめの石だね。これも色が混じってるように見えるなー……」
「そう? ふふふ」
(ルティスお兄ちゃんみたいな宝石)
これは大切で大好きな、兄への想いが結晶化したもの。
でも――いつか兄に大切な人が出来たら、おめでとうと言って離れなければならない。いつまでも甘えてはいられないのは、わかっている。
(それまで一緒に居られるといいな。その後だって、幸せそうなお兄ちゃんを見守ってたい)
「どんな想いがこもっているか、聞いてもいいかな」
「えへへ……秘密!」
「俺が思うには、アステルの優しさと次へのステップに溢れてる気がするよ」
「ね、お兄ちゃん。……この宝石、貰ってくれる?」
突然の申し出にキオルティスは瞳を瞬かせる。
「君にぴったりなのに」
「ううん、綺麗すぎるもん。ルティスお兄ちゃんに似合いそうだから、貰ってくれる?」
しばらく妹と宝石を見て、兄は柔らかく微笑んで手を差し出す。小さな宝石をその手に渡すと、アステルは幸せそうに輝く瞳を細めた。
●
ルーンス・ラグネルが拾い上げた石は複雑な様相を呈していた。
透明な結晶、その内側に柱状の深い筋が並んでいた。中央に出来ている空洞には、異なる石が寄り添うように収まっている。――紫と黄に染まった、二つの水晶。
見ればわかる。これはきっと、にいさまの幸せを願う気持ち。
「ふんふん、なるほど。星ふたつって僕ってば解ってるぅ~」
「この水晶は星で人なんだ」
「そう! ひとつはにいさまで、もう一つの見当もついてるよ」
寄り添うように並ぶ紫黄水晶。片方は、彼が共に歩きたいと願っているあの人だ。
「にいさまってば本当に素敵ですごくてかっこよくて頭も良くて完璧超人だからね! にいさまが選ぶ人のどこに間違いがあるんだ、いいやないね!」
「その気持ちすっごくわかるよルーンスさん!」
深く共感したアステルもこくこくと頷き、ルーンスは瞳を細めて石を撫でる。
(アレにお互い振り回されて、僕には複雑な感情を持っていると思っていたのに。それでもずっと優しくしてくれた)
募る異母兄への畏敬の念と比例するよう、けれどシンプルな結論が実父に対しては既に出ていた。その時までの時間も少しずつ近付いてきている。
誰しもが敵であり、信じられるものも少なかっただろうあんな暗い場所の中で光っていた存在。
――その存在が創る世界を見守りたい。
「天空の双宝星抱く夜空をさらに覆って存在するけど、星から見えてない感がイイね。ますますデバガメ活動に身が入る」
「誰であっても邪魔は許さないと」
「そうだね。あと、これはお守りにするよ、ふっふっふ」
星を見守る石を握り、ルーンスは楽しげに笑みを浮かべた。
●
(私の想いの宝石、それは一体何を映し出すのでしょう)
アウレーリア・フォン・ネーベルベルクが魔物の前に立つ。
転がり出たのは小さな宝石だった。迷宮を照らす蝋燭や淡い光は、揺れるような紅を緩やかに映し出している。
「オレのと同じ性質を持つ宝石っぽいね。きっと外では違う色になるよ……ほら」
ヴィンツが小さなペンダントを掲げて光らせる。その光で宝石を照らすと、光を通した部分だけ鮮やかな翠が見えた。
よく見ると猫の目のように、宝石を横断する一筋の光も見える。観察を続ければ、その色も煌めきも時間を経るごとに変わっていくように見えた。
(これは、私が見てきたそのものだ)
石の瞳は陽炎のように移ろってはアウレーリアを覗き込んでいた。
彼女自身の揺らめきを反射するように、ゆらゆら。
(後悔も決意も、願いも呪いもみんなここにある)
思わず手を伸ばしそうになり――その手は自分に向かって伸びる。
(あぁ、この石は危険かも知れない)
鏡のように反射した想いが、感情が震えながら満ち、揺れていた紅はいつの間にか激しさを増していた。
温かな安らぎ、冷たい憐れみ。それと同時に、窓の外に見える光、それゆえに絶望を覚える籠の中。
火、炎、焔。
熱と、死が、故郷も軛も何もかもを嘗め尽くして、
――世界が崩れる瞬間、遥か遠くに眩い朝日を見た、気がした。
からん、と軽い音がして我に返る。
「赤だ」
転がった宝石を見つめていると、ヴィンツから愉しげな声が降った。
自分の左目は赤く――濡れていた。アウレーリアは小さく首を振る。
「お恥ずかしい様をお見せしました。……これを人手に渡らせるのはあんまりです、どうかご容赦を」
拾い上げた玉石を手の中に収める。
これは、忘れることも、誰にも渡すこともない、私だけの想い。
●
大切なものは思いつくけれど、果たして一番と言われれば何になるだろうか。
少しの期待を抱きながらジュストが魔物に向き合うと――宝石が二つ転がり出た。
「二個もある!」
「へえ……」
一つは雫の形をした黄色い宝石。もう一つも形は同じだが緑色をしていた。大きさはそれほどでもないが、両方ともずしりと感じる。
「薔薇の色だな」
「薔薇?」
ローザリカの言葉に改めて宝石を見つめる。傾けると確かに薔薇のような色とも、金色とも見えた。――ふと思い立ってエーテルを流してみると、黄色い宝石は緑、緑の宝石は黄色へ一瞬転じる。
「えー! 面白い!」
「君は不思議な宝石を創り出したな」
「そんなつもりはないんだけどな……?」
「……僕もやろう」
ジュストが首を捻っている最中、ローザリカは少し緊張した面持ちで魔物の前に立つ。転がり出たそれを急いで手の中へと閉じ込めた。
(見せるのも渡すのも異論はない)
大切なものもなく、むしろ何が宝石化するか興味が勝っていた。けれど、言い様もない不安がローザリカの心を苛んでいる。そっと手を開いてみると――大粒の薔薇色がそこにあった。
安堵からひとつ息を吐き、ヴィンツの手へと渡す。
「最初に見なくていいの?」
「いや、後で良い」
「じゃあ一緒に見ようか。痛いくらい鮮やかだね。重いけど脆い、たくさんカットされてキラキラだ」
ヴィンツが掌に乗せながら分析を初め、ローザリカと、ジュストもその宝石に視線を移す。
光を多く反射することで、確かに煌びやかさはあるけれど。
(奥底のものを隠しているみたいだ)
本当は見せたくない、例えば弱さを覆い隠すような。あちこちにぶつかって欠けた宝石は、それでも強くあろうと傷痕を誤魔化して見せている。
不意に角度が変わり、きらめきが揺れた。
「!」
花が見えた。
薔薇色の底に白い花がある。周りの色で色付き、淡い桃色に染まった花は、奥の方で静かに隠れるよう、宝物のように咲いていた。
「ロゼ?」
「……何でもない。君はどんな想いか見当がついたか?」
「そうだなぁ……」
ジュストは宝石を見つめる。これは……恐らく、熱の籠ったものだ。それでいて一つの色に留まらない少し捻くれた、自分以外に影響されているような――
ジュストの瞳はローザリカに向いていた。
そう。この色のような。
「二つあるのは、傍にあることが自然の形である。もしくはそうありたいという気持ちかな? 色合いも奥の方を見るほど深いし複雑だ」
「ごめん。楽しそうなとこ悪いけど、これはあげられないかも」
これは自分の知らないことを知っている宝石だ。だから。
「ロゼ、右と左、どっち?」
「は?」
「ほら、早く」
驚いたローザリカだが、思案するような素振りの後に右、と答える。開いた手の中の緑色を渡し、ジュストは満足そうに頷いた。
「……交換だ」
「え、……ああ、うん。喜んで」
「貰うばかりは性に合わない。どう扱ってもいいからな」
放るように投げて渡す。これで壊れても構わない。けれどジュストはしっかりと受け止め、小さく笑っていた。
ローザリカは渡された宝石を見つめる。それから指を添わせるよう、想いの結晶を手の中で握りしめた。
●
「おお、見て! こんな宝石が出来たよ!」
「まるーい! 綺麗なオレンジ色!」
「ね、めっちゃ丸い! これはこれで可愛いけど、ヴィンツさんみたいなカッコいいのが良かったー!」
宝石を手に取り、スフィカはわくわく顔を隠さないヴィンツに見せた。球と言っていいほど丸く、全体的にオレンジ色だが色彩にばらつきがある。
「ホントまん丸。平らなところでも押したらずっと転がっていきそー」
「障害物も跳ね飛ばしちゃいそうだね! 色はどう?」
「すごく好き。暖かみがあって、ほっとして」
言いながらスフィカは灯りにかざすよう、指先で宝石を摘んで眺める。端の方が黒っぽくなっていることに気付いた。
「昔、よく畑仕事終わりに見てた夕焼けがこんな感じだったかも。なんか懐かしー」
「大切な思い出?」
「そーなのかも……? オレンジが夕焼けなら、この黒いのは夜……?」
言いながら眉間に皺を寄せる。これを見ていると懐かしい気持ちと共に、少しだけ穴の開いたような……そう、寂しさや、言いしれないもやもやとしたものが溜まった。
「うちにもどういう想いでできたのかわかんないんだけど、こういうのでもいいの?」
「! くれるの!? もちろん! わーい!」
渡してしまうと、スフィカの心が軽くなったように感じた。嬉しさに宙返りをしたヴィンツは彼女に石をひとつ握らせる。
「オレの宝石あげる! キミの自由にして!」
「え、ありがとう!」
楽しげに揺れる青年に釣られるよう、スフィカも楽しそうに笑った。
●
「みんな、すげぇな……」
次々と生まれる綺麗な宝石を見ていたが、ついにナキルの番だ。何がどんな宝石になるのか、好奇心に瞳を輝かせて魔物の前に立つ。
――ごつごつと荒っぽく削られた岩石が、ごとりと落ちた。
「えー! 何それおもしろーい!」
「つか宝石じゃなくね……?」
戸惑いながらも岩を拾うと、思った通りかなり重い。拳骨ほどの岩はどこまでも岩に見えたが、よく見ると端の方に濃い藍色が見えた。なんだコレ。ああ、けれど。
「心当たりがねェ訳じゃないのが……」
「どんなの?」
「……いや、ワリィ」
ヴィンツが聞いてきたが、それを口に出したら戻れないような……何かが崩れるような予感がして軽く首を振る。
「つうかオレのは見ても何も、楽しくなさそうだぜ?」
「すっごい楽しい! これは間違いなく、キミの宝石だよ」
真っ直ぐな言葉に面を食らうも、待てよと思い直す。
「……やってみるか」
剣を構え岩に叩きつける。ガキン! と甲高い音はしたが、簡単には砕けそうになかった。
それから、皆が目的の宝石を受け取っている時もナキルは考え込む。何か近いような感覚が思い出せそうで、掴めない。
(あの時も……アイツがいると違うんだよな)
「ナキルさん、そろそろ行くよー!」
「あぁ、ワリィ」
岩を鞄に突っ込み、宝魔物へと歩み寄る。小さく礼の言葉を口にし、剣を振るってとどめを刺すと後ろで悲痛な叫び声が聞こえた。
(コレは土産話にもならねーかな)
青年に別れを告げ、迷宮を後にする。鞄の中では僅かに入っていたヒビから岩が割れ、別の輝きを見せていた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年02月19日 23時54分25秒 公開
相談掲示板
「ナキルだ、よろしくなーって 今回は特に相談する事は無さげか…? ●備考 ・自分の『想いの宝石』を結晶化する工程は省略して構いません …結晶化に苦戦するのもOKと言う事……。(マテ)」
確かに、自分の想いを……だから相談なしでもやれちゃいそーだね。 ってことでスフィカだよ、よろしくねー。
やあやあ、ヴィンツだよ!ダンジョンに潜ってのお仕事お疲れ様! オレは運がいいなぁ。授恵者の想いの宝石って大体回収されちゃうからあんまりじっくり見れたことないんだ。 見せてくれたら、キミたちのお目当ての宝石はちゃんと渡すから安心して! ふふ、意図しない想いが宝石化されても分からないのが最高にぞくぞくするよね。 それとも宝石を見たら、ああこの想いだって自分でわかったりするのかな? わくわくが止まらなーい!宙返りしたくなっちゃう!
相談して動きを合わせる必要はなさそうだけれど、同じ場所に居合わせたという縁で挨拶だけでもしておこうか。 というわけで、ジュストだ。 初見の方もそうでない方もよろしく頼むよ。 さて、自分では何が大切な想いかよくわかっていない所もあるし。 どんな宝石になるかは大いに気になるね。
アウレーリアです、どうぞ宜しく。 自分の心でさえも、どんな色や形になるのか分からないのね。 掘り当てるまでは誰も知らない、見たこともない想いの原石や感情の鉱脈が眠っているのかしら。 まさに宝石にするにはピッタリというわけね。
ローザリカだ、よろしく頼もう。 どんな宝石を見られるのかと思うと、弾むような心地になるのもわかる気がするよ。 ヴィンツ君の曲芸師張りの宙返りにも心惹かれるものがあるけどね?
「…確かに、宙返りも見てみたい気がするな…。 >アウレーリア なんか、すごい言葉だな…「感情の鉱脈」か…。 (PL:気付いたら締切間近でした。絡みとかは歓迎でプレぶん投げる予定ですが、なにかあれば遠慮なくー!ちなみに当方の予定は「出現したモノを割ろうと構える」までは予定に組んでます!たーーのしーー!(?!)」
ルーンス・ラグネル、よろしくね。 え、ヴィンツは気持ちが高揚すると三回転半宙返りして縄に飛び乗れちゃったりするの?っていう冗談はさておき、想いの宝石なら既存の宝石ではないし、楽しみだね。