【人馬】てめぇら全員、骨も残さず消えていけ
岩岡志摩
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シナリオID:1845
オープニング
帝国崩壊時に一度破壊し尽くされた村では、村に帰還したばかりの人々がどうにか冬を過ごそうと、不作の中でも努力を重ねていた。
そんな村人達を、支援する動きもある。
リーンエス王国にて、帝国難民キャンプの運営にも携わっていた貴族、フローラ・ウォレス伯爵もその1人だった。
ウォレス伯爵領のある王国北部もまた不作に悩まされていたが、何故かウォレス伯爵領では例年通りの収穫を保っている。
このため王国上層部はウォレス伯爵領に余力があると見なし、フローラ伯爵に帝国の人々の帰還や、帰還先での生活支援にも従事するよう命じていた。
ウォレス伯爵領から届けられる物資を受け、少なくともこの村では冬を越せる目途が立ったようだ。
しかし喜んでばかりもいられない。
最近になって、近隣ではケンタウロス達の襲撃が繰り返されるようになった。
ケンタウロス達は家畜や食料となるものを強奪していく。
「ケンタウロスは帝国だけでなく、周辺の国と地域で略奪をしてきた危険な亜人でもあるという話は本当のようですね」
フローラ伯爵は知識として、ケンタウロスのことを知っていた。
実際にフローラ伯爵自身も、食料を積んだ荷馬車をこの地まで輸送する際、ケンタウロスの襲撃を受けている。
その時は私兵団が護衛についており、数もこちらの方が多かったため略奪を免れたが、襲撃の頻度は確実に増している。
まるで「そこに生きていることが悪い」と言わんばかりに、ケンタウロス達は人々に容赦がない。
フローラ伯爵は続々と届いてくる情報に頭を痛めつつ、村を防衛するため冒険者ギルドに依頼を出す。
帰還したばかりで心苦しいが、村人達にはケンタウロスの脅威が去るまでの間、どこかへと避難してもらうことを視野に入れ始めたとき。
ついにフローラ伯爵が支援するこの村が、ケンタウロス達の襲撃を受けた。
●襲撃
馬蹄の響きをとどろかせ、ケンタウロスの群れが縦横無尽に村の中を駆け回る。
人々は必死に逃げ回り、なんとかその大半は避難できたが、残る人々は避難とは別の選択肢をとる。
彼らは人々を逃がすために、家畜と共に囮となってケンタウロス達の誘導を試みた。
「ふざけるな親父、勝手に死にに行くんじゃねぇ!」
「だめよ、あなた! あなたも一緒に逃げ――」
家族たちの怒号と制止を振り切り、残った人々は家族を逃がすため、農具を武器代わりにケンタウロス達へと走っていく。
「やめろこのくそ畜生ども! 俺の親父に手を出すなぁっ!」
残された家族は絶叫し、必死に手を伸ばすも届かない。
――どうか俺の分まで生きてくれ。
ある男は無造作に振るったケンタウロスの棍棒に弾き飛ばされ。
――今のうちに、逃げるんじゃ。
ある老人は両手を広げて背後にいる家族を庇う中、ケンタウロスの突進に跳ね飛ばされ。
――ママぁっ。
逃げ遅れた子供は、群がる多くのケンタウロス達の波に呑み込まれ。
全員殺された。
「よくも殺したな畜生! 殺してやる! てめえら全部、いつか殺してやる!」
近所の人々に引きずられながら、目の前で家族を殺された人々は血涙を流し、ケンタウロス達に容赦ない復讐を誓っていた。
村のあちこちでそんな光景が繰り広げられ、大切な人々の犠牲と引き換えに、残る人々は避難に成功した。
やがて避難した人々のところにも、ケンタウロス達が現れる。
現れたケンタウロス達を見て、避難した人々は自分達を最後まで守ろうとした者たちがどうなったかを理解する。
理性ではわかっても、感情が認めたくなかった。
ケンタウロス達は、村の人々が身に着けていたと思しき道具や簡素な装飾品でその身を飾っていた。
それらはつい先程まで、自分達を守ってくれた大切な家族が身に着けていたものだ。
いずれも壊れ、あるいは血にまみれている。
目の前のケンタウロス達は、それらをコレクションのように。
あるいは人々に恐怖を与えようとでもいうのか、見せびらかす。
その中には、子供用らしき小さなぬいぐるみもあった。
ぬいぐるみは大きく切り裂かれ、誰かの血で黒ずんだ姿で、ケンタウロスの掲げる槍にぶら下がっている。
襲撃の一報を受け、村に駆けつけたフローラ伯爵はそれを見て、心の中で何かが切れた。
「ふざけるな」
誰かのかみしめる奥歯が、ぎりりと鳴る。
「そこまで人を踏みにじりたいのか」
弓を握りしめた腕より、弓の軋む音が鳴る。
それらの音は、フローラ伯爵が引き連れてきた、私兵団のものだった。
「今は人々を守る方が優先です。私達では倒せない相手や遺品を取り戻すことは『彼ら』に任せましょう」
常にない強い口調でフローラ伯爵は私兵団に人々の避難誘導と防衛を命じ、ケンタウロス達との攻防が始まる。
依頼に応じた冒険者達が、ギルド職員アルヒ・ラスカスと共に現場に到着したのは、そんな時だった。
●取り戻すために
駆けつけた皆様に対し、生き残った人達は口々に訴える。
「あいつらは私を逃してくれた夫と父の仇なの!」
ある人は夫と父親を奪われた。
「あのぬいぐるみを持っている奴は、逃げる途中で攫われた私の娘の仇よ!」
ある人は娘を奪われた。
「あの農具を持っている奴は、俺たちの親父を殺した仇だ!」
ある少年は、自分達を守ってくれた父を奪われた。
「あいつらは――」
「こいつは――」
人々が仇だと指し示すのは、この村を襲っているケンタウロス達『全て』。
悲しみも深かったが、それ以上に人々は全身で怒りを示している。
その理由は、大切な人々の命を奪ったケンタウロス達の一部が、死んだ人々の持ち物をコレクションのように見せびらかしているためだ。
恐らくは物々交換の足しにでもしようとする魂胆なのかもしれないが、大切な人達を奪われた人達からすれば、冗談じゃない。
「本当は私達の手で敵討ちがしたい! でも私達じゃあいつらを殺せない!」
自分達がケンタウロス達とまともに戦って勝てないことを、一般人である村人達は悔しがる。
だから村人達は、授恵者である皆様へと訴える。
「お願いだ! 俺達の家族の仇をとってくれ!」
「あんた達ならあいつらを倒せるんだろ!? あいつらをぶっ殺してくれ!」
襲われた恐怖はある。
ようやく戻ることのできた故郷の平穏や、家族を奪われた悲しみも大きい。
しかし今はそれ以上に、殺された大切な人達を侮辱するような真似をするケンタウロス達への怒りが勝っていた。
防戦を指揮するフローラ伯爵より現状を聞き出したアルヒは、皆様に状況を説明する。
「今は人々を守りながら防戦しているが、反撃には出られない状況のようだ」
フローラ伯爵の私兵団は全員一般人で、今の数ではケンタウロス達を食い止めるのが精いっぱいらしい。
フローラ伯爵から要請のあった任務はただ2つ。
1つ目は、私兵団たちが人々を守る間に、攻めこんできたケンタウロス達を倒し、犠牲となった人達の仇をとる。
2つ目は、ケンタウロス達が身に着けている遺品を回収し、遺族のもとへ届ける。
この2つだ。
そして今回は緊急かつ遺品は極力壊さずに敵だけを倒すという、困難を伴う任務であることを考慮し、フローラ伯爵からは報酬の増額が提示されているとアルヒは語る。
人々の怒りをケンタウロスに叩きつけ、敵討ちができるのは。
奪われた大切な人々の持ち物を、取り戻すことができるのは。
皆様だけだ。
解説
マスターより
リプレイ
この日、この村を襲撃したケンタウロス(以下『兵』『槍兵』『弓兵』と略)を、冒険者達が迎撃する。
「失われた命は戻らないが、形ある思い出は取り返せる。これ以上は弄ばせねぇぞ」
アーシェル・G・クラインは村人達の命と遺族の想いを踏みにじり、遺品を身に纏う兵達に対し、戦意と怒りを静かに募らせる。
「バリケードを突破される前に倒すとしよう。遺品に当てないよう攻撃には慎重さが必要だな」
アーシェルは超視覚を駆使して周囲の状況を確認すると、チャージングを行使。
一瞬加速したアーシェルは、弓兵を守るように前に出た槍兵達との距離を詰め、闘気槌3をさらに行使する。
振り上げた竜鉄の大太刀が巨大な光塊を纏って振り下ろされ、槍兵達のみを叩き潰す。
槍兵達の肉がひしゃげ、骨の折れる異音が複数響いた。
「予想通り、脚や胴体に遺品をくっつける奴はいないようだな」
サイラスは兵達が身に着ける遺品の位置を視認してそう呟く。
「足折って進行速度落としたいし。腰に布とか足に何か巻いているとかなら脳天を砕こう」
バリケードの前に陣取ったサイラスは淡々と狙いを定めていき、周囲の仲間へこう呼びかける。
「閃光塗弾を使う。あんた達は少しの間視線を逸らしてくれないか?」
仲間達の反応を確認したところで、サイラスはこちらに迫る槍兵達に向け、閃光塗弾を投擲した。
やや遅れて缶が破裂して眩い閃光が出現し、光を見た槍兵達が目をおさえて失速する。
その間にサイラスは焔翼を行使。
自身の背に炎の翼めいたものが構築されてエーテルを噴射し、前方へと射出されたサイラスは肉薄した槍兵達に向け鳥獣戯を行使。
サイラスが過去に遭遇し、素材を回収したことのある存在の姿が顕現すると、前方にいた槍兵達に攻撃を加えて薙ぎ払い、槍兵達は狙われた箇所を裂かれ、血霧を噴出する。
「ケンタウロスは頼んだ。村人を安心させるよう堂々とな」
ロイ・アウレアはウォレス伯爵私兵団の兵士達に向け、人々の防衛を託すと村の南方より近づいてくる槍兵や弓兵へと目を向ける。
ロイの後方からは、避難することができた人々の嘆きと侵略者達への憤りの声がロイの耳にも届いてくる。
(彼ら私兵団の成長は喜びたいところだが……悲痛な思いをしている人々の前だ)
内心そう思ったロイは、村人達を守り抜いた後に彼らの成長を静かに喜ぼうと心に決める。
天眼スキルで敵味方の位置を把握すると兵達の真横へと回り込み、弓兵に向けロイは貫通衝撃射3を行使。
竜骨の強弓の弦が鳴り、エーテルを籠めて放たれた矢が弓兵達のただ中に吸い込まれ、破裂する。
その瞬間、直線状に衝撃波が解放されて弓兵達を薙ぎ払い、その身を引き裂かれた弓兵達が血飛沫をあげ転倒していく。
「あいつら戦利品でも得たつもりかよ?」
村の西側に存在する櫓の上で、ハヤト=ガラン=ヴォルファングは戦術眼や天眼を駆使して兵達の動向を把握すると、櫓の上から地面へと舞い降りる。
着地したところでハヤトは縮地を行使。
残像を置き去りにして、一気に兵達との距離を詰めたハヤトは付近にいた仲間達へ向け、声を張り上げる。
「今から閃光塗弾を投げるぜ! 俺がいる方角から視線を逸らすんだ!」
ハヤトの伝言が仲間達に浸透したところで、ハヤトは閃光塗弾を投擲する。
やや間をおいて、周囲が眩い光に包まれた。
強烈な光で眩惑された弓兵達に向け、ハヤトは勇牙嵐撃を行使。
「テメェらにかける慈悲はねぇ……」
宣告と共に一気に肉薄した弓兵に向け、焔雷獣の拳爪蹴牙と藍玄の忍刀が縦横から打ち込まれる。
忍刀で斬られ、籠手と具足に嵌められた爪牙で脚と身を穿たれた弓兵は鮮血を噴いて横転し、動かなくなる。
ハヤトの攻撃で眩惑された兵達に向け、トーラとヴィルヘルミナが距離を詰めていく。
「せっかく難民キャンプから戻って来たのに……!」
トーラは天眼で兵達の動きを確認しながら、今しがたハヤトが切り込んだ兵達に向け、最後の通告を行う。
「ここは苦労して取り返した場所なんです。それを奪おうとするなら、全力で抵抗させてもらいます」
トーラは亜人語適性スキルも駆使して、兵達の反応を確認するも、退くという様子は見られない。
それを見たヴィルヘルミナがチャージングを行使。
一瞬加速すると、そのまま兵達へと突っ込んでいく。
「殺せば殺される。相手にその番が巡ってきた……という事でしょう」
ヴィルヘルミナの声は、謳うように軽い。
――あるいは。討つ相手を尊重する価値もないとみなした、声。
そのまま兵達のただ中に飛び込んだヴィルヘルミナは、兵達の脚に向け薙ぎ払い3を行使。
「遺品の損害も考慮しないといけませんからね」
エーテルブレードでエーテル光を纏った水天一碧が真横へと一閃し、その剣閃を弓兵や槍兵の断たれた脚や血霧が彩った。
脚を断たれた兵達が次々と地面に転がり、瀕死の状態で痙攣する。
「これ以上被害は出させません。撃退します!」
トーラも撃退を宣告すると、疾風足を行使。
一瞬加速したトーラが残る弓兵へと肉薄するなり、トリプルファングを行使。
トーラの竜爪の剣とダマスカス鋼の短剣Reが交互に繰り出され、3連撃を浴びた弓兵は絶命し、血霧を撒いて倒れ、動かなくなる。
敵を撃破したヴィルヘルミナとトーラは、兵達が所持していた村人達の遺品を慎重に回収していった。
●回収
冒険者達は村の中央南寄りと南西部に兵達を釘づけにして、人々のもとに通さない。
「今回ばかりは派手に暴れ回るって気分じゃねーからよ。さっさと本気で殺らせて貰うぜ……」
ハヤトは残る槍兵達にそう告げると、槍兵が馬蹄を鳴らしてハヤトへと突いてくる。
「遺品回収は仲間に任せるとしよう。俺は徹底してテメェらの早期殲滅に注力するぜ」
これに対しハヤトは見切り2を行使。
槍の軌道を読み取ったハヤトは身を屈めて躱し、低い姿勢のまま槍兵の懐へと飛び込み勇牙嵐撃を行使。
ハヤトのローキックが槍兵の脚を襲い、それを受けた槍兵の脚が異音を発してへし折れた。
支えを失い体勢を崩した槍兵の喉元を、跳躍したハヤトの忍刀が裂き、さらに体を旋回したハヤトからの蹴りが、槍兵の頭を真横から打ち砕く。
その一撃で頭蓋が砕け、絶命した槍兵は血を迸らせて倒れる中を、ハヤトが着地する。
ここで槍兵達が叶わないと見たのか南へ逃走を図るも、トーラはホライゾナルジャンプを行使。
空を飛ぶと言われる歩行で槍兵を追い抜き、その前に回り込む。
「わたしの役目は敵の足止めと妨害。そして確実に敵を撃破するためのサポートです」
トーラは槍兵より高い機動力を見せつけながら、言外に「逃がしません」と槍兵達に告げる。
「……今更、命乞いなどする気もないでしょう?」
後を追ってきたヴィルヘルミナは答えを期待することなく、そんな問いを槍兵達に発する。
仮に兵達から命乞いがあったとしても、ヴィルヘルミナは受け入れる気もない。
その間にトーラが槍兵との距離を一気に詰める。
「懐に入ればこっちが有利です!」
そのままトーラは闘気槌3を行使。
竜爪の剣が光塊を纏って振り下ろされ、槍兵達のみを押し潰す。
既に損傷が蓄積していた槍兵達はその一撃で絶命し、倒れ伏す。
生き残った槍兵には、ヴィルヘルミナがその側面へと回り込むと、そのまま鋭撃2を行使。
ヴィルヘルミナの刀が、威力を重視した鋭い一撃と化して斬り上げを見せる。
斬撃を浴びた槍兵が腹から胸にかけ、血霧を噴き上げて転倒し、息絶える。
(こちらにいるケンタウロスの始末は終わりました。そちらへ救援に向かいます)
敵の全滅を確認したヴィルヘルミナは、テレパスを介し村の中央にいるアーシェルに現在の状況と今後について伝達する。
(連絡感謝だぜ。こちらの方はもう少しで決着がつきそうだから、遺品を回収する人手のほうが必要だな)
ヴィルヘルミナよりテレパスを受けたアーシェルは、現状を簡潔に伝え短いやり取りの後、超視覚で戦場を見渡す。
「今のところ味方に重傷者はでていないのか。上出来だ」
アーシェルは当初アルヒ・ラスカスに重傷者の治療を頼んでいたが、重傷者がいないとアルヒより聞いたところで、眼前の戦闘に復帰する。
「ぶっちゃけ鳥獣戯は当てつけよ」
サイラスは先の攻撃が槍兵達への意趣返しだと告げる。
「殺した人間の持ち物を奪って飾る。遺品を使うというのなら自身が殺されて、使われても文句無いですよね?」
そう口にしたサイラスが弓兵に向ける視線は、冷めている。
「人々を踏みにじったケンタウロスに人権は御座いませんし? 一生道具として利用して差し上げます」
常にない口調で討滅を宣告したサイラスは、ドラゴンチャリオッツを行使。
全身をエーテル光で包み、サイラスはストライクラウンドを構え、その身を前方へと射出した。
サイラスが構えた盾から激突し、衝突音と共に発生した衝撃が弓兵を吹き飛ばして地面に叩きつける。
「遺品を壊さないよう常に留意だな」
アーシェルは遺品へ損傷を負わせないよう気を配りつつ、チャージングを行使。
一瞬加速したアーシェルは、サイラスが吹き飛ばした弓兵を射程に捉え、衝撃刃3を行使。
大太刀が勢いよく振り下ろされ、放たれた不可視の衝撃が弓兵に叩きつけられる。
肉体を貫く衝撃に身を裂かれた弓兵は血を噴いて倒れ、沈黙する。
「走れっ、抜けろ。これ以上の冒とくを許すな!」
その間にロイはエーテルリンク2を結んだ狼のルプスに遺品の回収を命じ、自身も遺品の回収に動く。
ルプスはロイの指示に良く応え、倒された兵達の周囲に散らばる遺品を咥えあげ、ロイのもとへ運び、ロイも自身の集めたものと一緒に遺品をバックパックやマジカルポケットに収納していく。
「遺品を使い煽る時点で知恵と『心』もあるんだな」
ロイは兵達が殺した人間の遺品で身を飾った行為をそう評する。
「……それが判り、煽る奴らに情けは不要」
そしてその行為は遺族達の心を傷つけた。
討つには十分な理由だとロイは判断し、残る槍兵に向け鋭射2を行使。
エーテルを収束させた矢が弦を鳴らして撃ち放たれ、槍兵の身を貫きその威力を炸裂させる。
射抜かれた槍兵はその一撃で生命を断たれ、血煙を撒いて倒れ動かなくなった。
●殲滅
敵を倒し遺品の回収を進めた冒険者達は、私兵団と交戦を続ける兵達の撃破へと移行する。
「久しぶりだな。戦いには慣れてきたか?」
ここでアーシェルは私兵団へと合流し、見知った顔の者達へ声をかける。
以前アーシェルは小都市ヴェルターゼン奪還戦において、私兵団と共同で戦ったことがある。
手短に私兵団と情報をやり取りした後、アーシェルはチャージングを行使して残る兵の1体へと肉薄する。
遺品に当てないよう注意しながら、アーシェルは強打3を行使。
威力を重視した一撃が大太刀より繰り出され、まともに斬撃を浴びた兵は胴を叩き斬られて絶命し、血霧を噴いて転倒する。
兵を倒したアーシェルは、テレパスを駆使してヴィルヘルミナと連絡を取る。
(残るケンタウロスはここにいる連中だけだ。逃すつもりはないだろう?)
アーシェルからの情報に、ヴィルヘルミナもテレパスで応じる。
(そのつもりです。これだけやって逃げられるほど世の中は甘くありません)
連絡を受けたヴィルヘルミナはテレパスでそう伝え、私兵団を救援するためチャージングを行使。
一陣の風と化して、残る兵達の群れへと疾走する。
「相手の特異個体がテレパス持ちならノイズを差し込むのも手ではありますが……」
残っているのは通常の兵のみと聞いたヴィルヘルミナは、その方策を却下すると兵達のただ中に飛び込み、薙ぎ払い3を行使。
光の刃を纏う青い刀身が真横に振り抜かれ、周囲にいた兵達の胴をその命ごと断ち切った。
まとめて宙に舞った兵の上半身は、血を撒いて地面に叩きつけられる。
「ケンタウロスがまだいるようですね。私も私兵団の応援に走ります」
ここでトーラも疾風足を行使して加速し、駆けつけてきた。
トーラは私兵団より残る兵達が遺品を所持していないと知り、残る兵達へ突撃していく。
「遺品を持っていないなら、残りの闘気槌で薙ぎ払いましょう!」
そのまま残る兵達の中へ突っ込んだトーラは闘気槌3を行使。
剣に纏わせた巨大な光塊が兵達へ叩きつけられ、肉と骨を打ち砕く異音が響き、血煙が舞い上がる。
敵わないとみたか、兵の1体が逃走に移るも、天眼や戦略眼を駆使したハヤトがそれを察知する。
「いまさらそれは許さねーぜ。テメェら散々好き勝手やってきただろうが」
行使した縮地で爆発的な脚力を見せ、兵の逃走先へと回り込んだハヤトは迅速に処理すべく、兵との距離を詰めていく。
「俺達がいたことを不運だと諦めるんだな。さっさと終わらせて貰うぜ」
一気に肉薄したハヤトは、宣告と共に勇牙嵐撃を行使。
跳んだハヤトから忍刀が吹き伸びて兵の喉を裂き、足に嵌めた爪牙が跳ね上がって兵の頭をかち割り、兵はのけぞった。
さらにハヤトの振り上げた脚が降下に転じて兵の顔面を撃ち抜き、兵は血を噴いて倒れ絶命する。
着地したハヤトの周囲には、いまだ息のある兵達が転がっていたが、サイラスが近づいて月紅で素早く喉を突き通し、手早く屠っていく。
「骨皮に……馬刺として食べて大丈夫ですかねぇこれ?」
兵を屠ったサイラスは、素材となりうるものが回収できるか調べていく。
「人体部分? ゴミにも程がありますよね」
サイラスにとって、興味があるのは馬の部分だけらしい。
「これを案山子にでも使うとか? 要らない」
兵をカカシ以下と評しつつ、サイラスは倒した兵達を村から少し離れた場所へ埋め始める。
兵の殲滅を確認した私兵団は、慌ただしく戦後処理を始める。
その中でロイは、仲間達やルプスと一緒に集めた遺品を避難した人達に見せ、返却先を探していた。
「貴方達を守った証です」
ロイは遺族が判明すると、その遺品をあえて修理せずにそのまま遺族へと引き渡す。
そしてロイは遺族と一緒に遺品の修理を行いながら、遺族達の話を聞く役に回った。
(気持ちを吐き出すことで、少しでも心を楽にできますように)
そう願いながら、ロイは遺族に寄り添う姿勢を見せ続ける。
そうした努力が実り、生き残った人達は徐々に落ち着きを取り戻していった。
●完了
戦後処理にも一定の目途がたち、冒険者達は残りの始末を私兵団に任せて村を後にする。
村が受けた被害は少なくないが、復興を任されたフローラ・ウォレス伯爵が上手くやるだろう。
生き残った人達も、いつか日常を取り戻すことができると信じたい。
(あなたたちには生きて欲しいからこそ、彼らは戦ったのだから)
ロイはそんな想いと共に、家族を逃がすため犠牲になった人達に向け、黙祷を捧げた。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:多い6 / 4〜6人
2022年02月02日 11時09分58秒 公開
相談掲示板
シーフのトーラです。 まずは襲撃を止めるため頑張りましょう!
ウォーリアのアーシェルだ。 よろしく頼む。 あと一人で成立だな。 最優先で撃破に向かいたいのはG4のケンタウロス、次はH3だろうか。 ヒーラーのアルヒにも冒険者達と共に戦ってもらえたら心強いな。 遺品を壊さないように範囲攻撃は避けた方がいいかと思ったが、単体攻撃だけだと一小隊を殲滅するのに時間がかかりそうだ。 識別範囲攻撃なら遺品に被害を出さずに済むだろうか?
No.3
サイラスだ、これで成立。 爆破とかなければセーフやなかろか? というか範囲ないとちょっとお辛い。でも遺品壊さないようにってなると線や点の攻撃できる様なのか身につけてないところ(ぬいぐるみなら刺してる槍以外、農具持ってるなら)だから足とか狙いが良いんでなかろか?闘気槌?あれは識別でも面だから出し方に注意? あと倒したら回収してマジカルポケットとかにさっさとしまう予定。踏み荒らされそう。
ヴィルヘルミナです。今回はよろしくお願いします。 相手も弱くはありませんが、遺品の回収が曲者ですね。 薙ぎ払いとかで馬の脚辺りを狙えば…とは思いますが、転んだ時の衝撃で壊れる可能性も。 瞬殺でもしない限り暴れると思うので、もしもを気にしていたらキリがないのも事実ですが。
ロイ・アウレアです。よろしくお願いします。 鋭射とかで遺品のない側へ攻撃する事で破損を避ける様にしますね。 倒す優先は避難中の区画に近い順(G4→H3)で良いと思う。 図とかは細かい部分の読み込みが足りてないので、個人の動きは改めて考えます。
定員ですね。 よろしくお願いします! 遺品は範囲攻撃に巻き込まなければ大丈夫かと思いますけど、それより村の人に被害が出ないようにしないといけないので、状況によっては範囲攻撃も必要だと思います。 トリプルファングでの攻撃をメインに、状況によっては闘気槌の攻撃も出来るようにしておきますね。対象識別で遺品を外せるならそれも試してみようと思います。 それとケンタウロスの相手ですけど、3Hと4G、6Jと7Iがそれぞれ近いので、2組に分かれてそれぞれの相手をしてはどうでしょうか? とりあえずわたしは7Eからスタートして、7I、6Jのケンタウロスの迎撃に出ようと思います。
>範囲攻撃 確かに遺品の損傷ばかり気にかけて村を守れなかったら本末転倒だよな。 どんか風に放つかとかどこを攻撃するかの工夫が必要だが、薙ぎ払いや闘気槌での攻撃も試してみる価値はあるか。 もしも壊しちまった場合は討伐後に直せる物は直そうと思う。 >班分け トーラの案の二組に分かれて近いケンタウロス集団を相手にするのに賛成だ。 俺はF4からスタートしてG4の敵集団を極力早く撃破したいと思ってる。 ●3Hと4G対応 アーシェル ●6Jと7I対応 トーラ >スキル 識別範囲攻撃の闘気槌と単体攻撃の強打、惹き付け用にシーザーロアを持っていこうと思ってる。 >遺品 マジカルポケットはたくさん入りそうで心強い。 用意しやすいものだとバックパックがいいかもしれないな。
No.8
3H4G対応に行くわ。F3開始でG4撃破支援とH3の足止めとかになれば良いなと
>サイラス 対応する敵が同じだな。よろしく頼む。 積極的に攻めて可能な限り早く討伐を完了させようぜ。 >アルヒ 同行と重症者への回復は俺の方でプレに入れておく。 初めの配置はアルヒの判断に任せようと思うんだが、もしも指定した方がいいのなら言ってくれ。 (背後の事情で)午後になるとこちらを確認しにくくなる。 こまめに見るようにするが、確認が行き届かなかったらごめんな。 >テレパス この集団を撃破したとかアルヒの回復が欲しいとかの連絡は戦場の広さ的にテレパスで行けそうか? 必要なら俺の方で持っていくから、他にも持っていける奴がいたらありがたい。
では、私はI7とJ6の方を受け持ちますか。 テレパスはこちらも持っていきます。
3Hと4G側で後衛火力をさせて貰います。 テレパスは持たないと思うのでアーシェルさん経由で状況を聞かせて頂きたいです。 遺品は、身に着けてる、槍にぶら下がっている。なら 四つ足を狙い貫通衝撃射で引き倒して動きを止め、個別攻撃に入るね。 回収で、オレも大物用でマジポケ、小物用でバックパックを支度するが 出し入れが時間ロスに成る場合は ルプスに咥えて貰い戦域外に一時持ち出しして貰うよ。(※の瓦礫の裏へ隠すように搬送) 他の人の分も、遺品を拾えないなら合図、または自主的に戦場を走り回って自主回収します。 ●3Hと4G対応 アーシェル、サライラス、ロイ ●6Jと7I対応 トーラ、ヴィルヘルミナ
っと、言葉不足… 遺品を拾えないなら合図を下さい。無くても自主的に戦場を走り回って自主回収します。 >壊しちまった場合は討伐後に直せる物は直そうと思う。 同意、血塗れのもあるだろうから…品によっては村人と共に手を入れ綺麗にしたいな。
ヴィルヘルミナさんよろしくお願いします。 テレパスも助かります! 射程のある弓兵を先に無力化したいので、ホライゾナルジャンプでそちらに向かいますね。
取り急ぎで悪ぃ。 >テレパス 俺が用意出来るから頼ってくれ。 ヴィルヘルミナも持ってってくれてありがとな。 >遺品 バックパックに詰め込めるだけ詰め込んでく。 入り切らなかったら頼らせてくれ。
ギリギリになっちまってすまねぇな! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! 俺も●6Jと7I対応で動くからよ、宜しくな!!