『征竜の巫女』と水の迷い子

真柄 葉

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シナリオID:1577

オープニング

 ローレラウラ第四衛星都市『ケラエノ』
 数あるローレラウラの衛星都市の中でも、最も美しく、整然と整備された街並みが特徴的で、観光業を生業とする都市である。
 四季折々の姿を見せるローレラウラ湖を見ようとロスガリア大陸中から観光客が押し寄せ、夜には『真珠の首飾り』といわれる美しいローレラウラの夜景を楽しむ事が出来る。
 そんな観光の街ケラエノに、今一つの問題が持ち上がっていた。

「だから、何故目と鼻の先に敵がいるのを放置せねばならん!」
「そうだ! これほど街の近くに魚人(マーメイド)がいるなどと知られたらどうする。観光客は一斉に逃げ出すぞ!」
「だが、あのマーメイド、巫女殿が連れて来た魚人(マーメイド)との噂もあるぞ。もし仮にその噂が本当だとすれば、いたずらに手を出すわけには……」
「ではどうしろというのだ。放置して、もしこの街に近づくような事があれば……いや、もし観光客に被害が出るような事があれば、誰が責任を取るのだ!」
「それは……だが、あの小むす……いや、巫女殿の存在はこのローレラウラのプロパガンダとして必要なものだ。魚人(マーメイド)を害してへそを曲げられでもしたらどうするつもりだ」
「そんなもの、湖に帰ったとでもいえばいい。そもそも巫女殿と魚人(マーメイド)が繋がっているなど、噂の域を出ないのだろう?」
「それはそうだが、引き取るところを冒険者も見ているというぞ」
「また冒険者か……なんにでも首を突っ込む厄介者め」
「おい、口が過ぎるぞ」
「だが、巫女殿と魚人(マーメイド)の関係が公になっていない今しかチャンスはない。もし、巫女殿が敵と通じているなどと周知されれば、広告塔として利用しようとする我々の思惑は破綻する」
「……それは、そうだが」
「幸い巫女殿は北へと遠征中だ。今の内ならば秘密裏に――」

 街の議会は紛糾する――。

●

「ラールーゴー!」

 桟橋から釣り糸を垂れていた老人に向かって、小舟から手を振る人影があった。
「……うん、ヒルルクか?」
 老人が竿を置き立ち上がると、桟橋へと寄せてくる小舟からロープが投げつけられる。
 老人は投擲されたロープはロープを拾い上げ、ゆっくりと手繰り寄せた。

「久しぶりね、元気してた?」
 桟橋へと横付けされた小舟から、征竜の巫女ヒルルクが上がってくる。
「見ての通り何も変わらんよ。しかし、帰ってくるのはもう少し先ではなかったか? 随分早いな」
「えっと、その予定だったんだけど……なんとなく早く帰った方がいい気がしたのよね」
「なんとなく、か。それも征竜様のご指示というやつか?」
 首をかしげるヒルルクに、老人――ラルゴは問いかけた。
「そう言う訳じゃないんだけど……なんか、こー、そんな感じがしたのよ」
「曖昧だな。女の勘というやつか?」
「ううーーーん、どうなの?」
 ヒルルク自身なぜ戻った方がいいと思ったのかわからないので、説明のしようがない。
 だから、答えを待つラルゴに、ヒルルクが逆に問いかける始末。
「そんな事よりも、『アレ』はどうなっていますか」
 と、そんな二人の会話を割って、もう一人の上陸者、ローレラウラ水軍の軍服を隙無く纏う女性がラルゴへ問いかけた。
「『アレ』は……船の気配でも感じて、どこかへ行ったんじゃないか? ……というか、久しぶりに会った祖父への第一声がそれか? 流石に寂しいぞ、マヘリア」
 事務的に問いかけてくる女性――マヘリアの言葉に、ラルゴは肩を落とす。
「今は任務中です。不必要な問答はいたしません、閣下」
「だから閣下はよせと言ってるだろう。わしは退役した身だ。……しかし、相変わらず堅いのぉ、これじゃ嫁の貰い手が――」
「おほんっ!」
 お固い孫娘を見て溜息をつくラルゴに、マヘリアは抗議の咳払い。

「リンダも元気だった?」
 そんな二人が久々の再会を懐かしんでいる(?)中、ヒルルクはラルゴに寄り添う狼の頭をなでている。
 狼の名はリンダ。ラルゴの相棒にして、雌狼である彼女はヒルルクに撫でられるまま、気持ちよさそうに喉を鳴らしていた。
「まったく、リンダがわし以外に懐くとはな。マヘリアにさえ懐かないのに」
「む……。私はシューターではありません。動物との意思疎通が不得手なのは仕方がない事です」
「ヒルルクもシューターではないがな」
「む……」
 したり顔のラルゴをマヘリアが恨めしそうに睨み上げる。
「それでヒルルク、どうする? 『アレ』は湾内にいると思うが」
 そんな孫娘の視線をかわし、ラルゴはリンダと戯れるヒルルクに問いかけた。
「そうね。警戒されたのならしばらく出てこないだろうし、小屋で待たせてもらってもいい?」
「それは構わんが……下手をすれば数日出てこないぞ。それでもいいのか?」
「ええ、別にかまわないわ。今は特に急いでやるような事もないから」
「そうか。なら久しぶりにゆっくりしていけ。大したもてなしはできないが、猪くらいは獲ってきてやろう」
「それは楽しみね! それじゃお世話になるわ、ラルゴ」
 右手を差し出してくるヒルルクに、ラルゴは大きな手を重ねる。
「マヘリアはどうする。基地へ戻るか?」
「戻るわけにはいきません。私の任務は巫女様をお守りする事ですから」
「そうか。なら一緒に小屋へ泊るといい。手狭だが、荷物を放りだせば寝る場所くらいは作れるだろう」
「そうさせていただきます、閣下」
「だから、閣下は――」
 そんな他愛もない会話をかわしながら、三人は『アレ』の帰還を待つために、小屋へと引き上げていった。

●
「……皆異存はないという事でよいですな?」
 議長格の男が議員達を見渡す。誰もが沈黙を貫き、肯定の意を表していた。
「では、巫女殿が戻る前に作戦を完遂させましょう。あの老人には悪いですがローレラウラ全体の為です」
「しかし、あれだけこき下ろした冒険者を使うとはな」
「適任だろう? なにせ相手は人類の敵マーマン族だ」
「違いない」
 議会に笑いが漏れる。

 後日、ローレラウラ第四衛星都市ケラエノ議会から、冒険者ギルドへ依頼書が届いた。

『人類の生存圏に敵であるマーメイドが出没している。これを速やかに討伐し、人々の安寧を確保してくれ』

 それは誰から見ても、至極真っ当な依頼だった。
 こうして、冒険者にうってつけの依頼が、ローレラウラのギルドに並んだのだった――。

解説

●目的 街の近くに潜んでいるマーメイドを討伐してください。 ●場所 場所はケラエノ市街から数km離れた小さな湾。 引退した老軍人ラルゴが居を構える小屋周辺が舞台です。 湾はほぼ円形で大きさは直径200mほど。西側を砂浜、他は崖になっています。東側に湾の出入口があり幅は10m程と狭いです。 小屋は15㎡ほどの建物で、他に建物はありません。 小屋の東側が湾、それ以外は雑木林になっています。 ●人物 ヒルルク 征竜の巫女。 以前、救い出したマーメイドの少女を人知れずラルゴに匿ってもらっている。 マーメイドの少女 名前はまだない。複雑な事情を抱えているようで、湖(仲間の元)へと帰ろうとしない。 知性はあるが亜人である為、言葉は通じない。なぜかヒルルクだけには『ちょっとだけ』気を許している。 ラルゴ=ソルサリノ 元ローレラウラ水軍の軍人で、退役した老偉丈夫。 娘に紹介されたヒルルクの頼みにより、マーメイドの少女を庇護する。 マヘリア=ソルサリノ ラルゴの孫娘でヒルルクの世話役を任されている女性です。 現役のローレラウラ水軍軍人でもあります。 ●補足 皆様の行動によっては、ヒルルク達と戦闘になります。 ヒルルクはヒーラーとして一流以上の腕を持ち、巨大なハンマー(ヒーラー武器)で近接戦闘もこなします。 現在購入できるスキルは全て使えます。 少女に刃が向けられるのであれば、きっと全力で戦います。それが交友を結んだ相手であってもです。 ラルゴは既に60を超え軍を引退していますが、まだ現役でも十分に通用する一流のシューターです。特に遠距離射撃を得意としており、命中率に高補正がかかります。武器は弓を使います。 また、優れた戦術眼を持っており、高い統率力を発揮するでしょう。 さらに相棒の狼との連携攻撃も得意としています。 マヘリアは水上戦を得意とする軍人(ウォーリア)で槍を使います。任務の性質上、ヒルルクの敵対者はすべて敵とみなします。 特筆すべきはその操船術&船上戦闘術で、小型の船を手足の如く操り、揺れる船上では地上以上の戦闘能力を発揮します。 マーメイドの少女は湾のどこかにいます。基本的に人を敵と思っており、容赦なくマーマン特有の魔法を放ってきます。 【水槍】:【魔矢】と似た魔法で、水そのものを鋭い槍にして飛ばす。 【水震】:水面に50cm~1m程の波を起こす。 【水泡】:人を囲めるほどの大きな泡のバリアを作る。 等、魔法メインの戦いをすると思われます。

マスターより

対戦相手は、『征竜の巫女』ヒルルクっ!? という事でいつもお世話になっております。真柄 葉と申します。 久しぶりに征竜の巫女メインのシナリオなのに、なんか大変な事になってます! 以前保護した訳ありマーメイドのその後のお話なのですが……さて。 依頼は『マーメイドの討伐』になっていますが、マーメイドを討伐しようとするとヒルルク達が立ちふさがるでしょう。どの様に対処するかは皆様にお任せします。 ガチ戦闘してもいいですし、搦め手を使ってマーメイドだけをおびき出したりするのも手でしょう。 双方ともに戦わずに済む方法もあるかもしれませんね。ほら、依頼は『討伐しろ』ってだけで、『死体を持ってこい』とは言われてませんし。 なお、皆様は現地に着くまでヒルルクとマヘリアがいる事を知りません。 一方、依頼書でラルゴの情報は詳しく、マーメイドの情報は大まか(他のマーメイドの戦闘スタイルから推察)に伝えられています。 作戦に必要なものがあれば議会が用意しますので、プレイングにて申し出てください。 質問があれば相談掲示板に「Q:」から始まる形で質問いただければ、ホリーがお答えいたします。 それでは、皆様のご参加お待ちしております!

リプレイ


「とてもいい所ですね。ローレラウラ一の観光名所というのも頷けます」

 ルアンナ・ミュラーは湖畔を歩きながら、秋色に染まるローレラウラ湖を楽しんでいた。
「ええ、豊かな水源と肥沃な地。『生命』が躍動する見事な土地です」
 共に歩くハリス・アル・ターミルもその光景に目を奪われている。
「これが観光だったらよかったのですけどね……」
 と、肩を落としたトーラ。折角の観光地ではあるが、遊びに来たわけではない。
「いってもマーメイド一匹だろ? こんだけのメンツ揃ってんだし余裕だろ」
「当然ですわ。最速で討伐の後、最速で打ち上げ会を催しましょう」
「おっ、いいね。のった!」
 しかし、依頼内容は至極簡単。それもあり、ナハシュとバンビは既に依頼後のお楽しみに想いを馳せていた。
「ローレラウラ湖に、マーメイド……かぁ」
「何か気になる事でも?」
 意気揚々と先を急ぐ二人とは対照的に、浮かない顔を見せるハーヴィにセツリが問いかける。
「そう言う訳ではないんだけど……ちょっと前に、この湖でマーメイドと関わる機会があってね」
「ふむ……討伐依頼でも受けましたか?」
「違う違う。その逆」
「逆?」
 と、ハーヴィは以前、偶然遭遇し助けたマーメイドの少女について語りだした。
「……え。あれって……マーメイド、だったんですか……?」
 そんなハーヴィの話を聞き、驚いたのはリディリディ・トゥラ・イェレミースだった。
「あ、そういえばリディリディさんも一緒だったね。って、気付いてなかったの!?」
「……はい。そうですか……マーメイド。むぅ……そうと気付いていれば……討伐しておくんでした……」
 悔しがるリディリディにハーヴィは苦笑い。
「面白い話だね。アタイにも聞かせてくれるかい?」
 そんな二人の話に、ルチル・プルメリア・グレイハーツが興味を持ち近づいてきた。
「詳しくっていっても別に……ああ、そうそう。その少女を見つけたのはヒルルクさんだったよ」
「ヒルルク? 何で征竜の巫女の名前が出るんだい」
 突然出た名前にルチルは骨面の中で眉を顰める。
「なんでって言われても、乗ってたからだけど……」
「その通りですわ。ヒルルク様がなんか見つけたからとりあえず助けとこみたいなノリで、同行していた俺達が手伝ったのですわ」
 と、ここでバンビが混じってきた。何を隠そう、このバンビ。当事者だったのである。
「かるっ!」
 そのノリの軽さにトーラは驚くが、あの子なら……と、納得してしまう。
「マーメイドなどという危険な種族を助けようとは、流石といいますか……相変わらず物好きですね」
「ですね。助けてどうするおつもりだったんでしょう」
 ハリスとルアンナの二人も話の輪に加わってきた。
「ヒルルクさんが保護するってなったはず。今どこに居るんだろう」
 と、二人の疑問に答えたハーヴィは湖を見た。
「ってか、そんな話するって事は、今回の討伐依頼のマーメイドって、そいつなのか?」
 なんとなくその話を聞いていたナハシュが、後ろ歩きしながら問いかける。
「いやいや、まさか。ふと思い出しただけだから、気にしないで……いいと思う?」
 ハーヴィは首を振り否定するも、どこか心の中で引っかかりを感じていた。

「おっと、見えて来た。どうやら、あれが目的地みたいだ」

 そんな時、先頭を歩いていた海神・江流が、前方に見えてきた崖を指さした――。

●
「……さて、問題はマーメイドがどこに居るかだな」
 眼の前には小さな湾。そして、湾を5m程の崖が囲っている。
 問題のマーメイドは湾の中に生息しているとの情報を得ているが、問題は湾のどこに居るかだ。江流は崖の隙間から覗き見る。
「それにしても……ずいぶん綺麗。といいますか、何もないですね」
 江流の横からルアンナも湾を覗き見るが、敵性種族が近くにいるとわりに、この辺り一帯に被害の跡は見られない。
「小屋の住人はマーメイドに気付いていない?」
「いや、それはないでしょう。依頼書では住人であるラルゴ殿はシューターとの事。であれば、索敵能力も高いはずです。これだけ至近にいる敵性種族に気付かない訳はない」
 首をかしげるハーヴィに、ハリスは応えた。
「近くに敵がいるのに、気にせず小屋で暮らす元軍人か……なんか明らかに訳ありだよな」
「わざわざこのような人里離れて所に独居しているとの事ですし、件のマーメイドとの関りはあると見るべきでしょうか」
 と、江流とセツリが小屋を見ながら考えを巡らせる。
「それを確かめるためにも、堂々と話を聞きに行けばいいのですわ。やましい事があるのでしたら、しょっ引くなり戦うなりすれば済む事」
「まぁまぁ、ちょっと落ち着きましょう! 元軍人さんがどのような思惑でここに住んでいるのかを探るのが一番じゃないですかね! 一先ず元軍人さんの様子を伺いつつ、マーメイドを探すのはどうですか?」
 と、崖の影から出ていこうとしたバンビの腕を掴んだトーラが皆に提案した。
「何はともあれ情報だね。偵察を出してみるか」
 そう言って、ルチルはローブに隠れていた相棒(ラト)を呼ぶ。
「ラト、気付かれないように、だ。いいね」
 ルチルの言葉をわかっているのか、ラトはこくりと頷くと小屋に向かって駆けていった――。

●
「なっ」
 ルチルが思わず声を上げそうになり自らの口に手を当てた。
「ど、どうしました。小屋で何かあったのですか……?」
 若干の動揺が見えるルチルに驚き、ハリスが声をかける。するとルチルはゆっくりと口を開き――。

「……ヒルルクがいる」

「はぁぁぁ――――むぐっ!?」
「しーしー! いや、俺もびっくりしたけど! 声を出しちゃダメだ!」
 信じられないとばかりに目を見開くトーラをの口を塞いだ江流だが、本人もかなり驚いている。
「なぜヒルルク様がここにいるのです。神出鬼没にも程がありますわ」
 バンビが小屋を見つめるが、崖の影からではその姿を拝めない。
「いや、まさか……そんなことって」
 まさかの人物の登場に、ハーヴィは愕然としていた。
「どうやら、ハーヴィくんの予想が的中してしまった。という事でしょうか」
 と、セツリがハーヴィの肩に手を添える。
 そう、ハーヴィが漠然と予感していたものは、ヒルルクの存在により確信となったのだ。
「つまり、なんだ。下手にマーメイドを殺せばヒルルクとの角が立ち、かといってここに居座られると街として迷惑って訳か……おいおい、楽な依頼だと思ったら、えらい面倒じゃねえか」
 ナハシュがげんなりと皆を見渡す。
 討伐対象は以前ヒルルクが庇護したというマーメイドの少女であり、もし敵対行動をとろうものなら、ヒルルクが間に入ってくることは容易に予想できる。

「……何を迷うんですか? 私達は……討伐の依頼を受けて……来たんですよ? 敵が目の前に……居るってわかってて、動かないのって……それって、依頼……放棄っていうんじゃ……ないんですか?」

 皆が思案する中、リディリディがぼそりと声を上げた。
 彼女はヒルルクの名が出た途端、態度を一変させた仲間達に困惑し、不信感をあらわにする。
「リディリディ殿の言う事はもっともです。マーメイドの危険性は我々ディズルの民もよく知っている。これを放置する事がどれほど危険かもです。そもそも、ヒルルク殿がいるからと言って、その個体が庇護したものとは限らないのではないですか?」
 と、リディリディの意見にハリスが同調を示した。
「そ、そうですよ! ヒルルクはバンビさんの言う様に神出鬼没な所がありますから、知り合いの元軍人さんに、たまたま会いに来ただけかもしれません!」
「いや……そう思いたいのはわかるけど、だいぶ無理があるんじゃないか。皆ももう確信しているんだろ? 今回の討伐対象はヒルルクの庇護したマーメイドだ」
 何処か取り繕うように言ったトーラに、江流は首を振る。
「……不確かなものは確かめればいいさ。ヒルルクはラトの姿を知っているからね。こちらに来るように仕向けてみる」
 じっと考えに耽っていたルチルが顔を上げ、再びラトとのリンクを繋いだ――。

●
「あれ、なんでこんな所にいるの?」
 ラトに誘われるままほいほいついてきたヒルルクは、崖の裏に身を潜めていた冒険者達に驚いた。
「……巫女殿、これはどういう事でしょうか」
 冒険者が10人も身を潜めているのだ。ヒルルクの護衛としてついてきた女軍人(マヘリア)は、警戒心を露わに腰のものに手をかける。
「えっと……どういう事?」
 と、護衛(マヘリア)のただならぬ気配を感じ、ヒルルクはルチルに問いかけた。
「ヒルルク、前置きは省いて聞くよ。ここで何をしているんだ」
「何って、友人に会いに来たんだけど?」
「その友人っていうのは、亜人の事ですか……?」
 なんでそんな事を聞くの、と首をかしげるヒルルクに、トーラが問いかけた。
「ええ、そうよ。あ、ハーヴィもリディもバンビいるじゃない。あなた達なら知ってるわよね。あの時の子よ」
 と、トーラの問いにヒルルクはハーヴィ達を見て答える。
「そうなんだね……やっぱり、あの子なんだ」
 しかし、ハーヴィをはじめ、皆は複雑な表情でヒルルクを見ていた。
「どうしたの……? なんか、皆怖いんだけど」
 皆の神妙な雰囲気に、ヒルルクは嫌な気配を感じ問いかける。
「……ヒルルクさん、マーメイドを……渡してください」
「……どういう事?」
「そのままの……意味です……私達は、マーメイド……討伐に、きました」
 真っ直ぐに瞳を射貫くリディリディの視線は、それが嘘や冗談でないことを物語っていた。
「……マーメイドは、危険な存在……です。一刻も早く、倒して、しまわないと――」
「待った。リディリディの言いたいことはわかる。だが、少し待ってはくれないかい」
 湾へと向かおうとしたリディリディをルチルが止めた。
「む……邪魔、するんですか……」
「そうじゃない。もう少し状況を整理させてほしいっていうだけだよ」
 そう言ってリディリディの手を離したルチルは、状況の整理を始めた――。

●
「依頼を受ける時にギルドで聞いたんですけど、マーメイドからはまだ人的被害は出ていないとの事でしたよ」
 ルチルのまとめを補足する様に、ルアンナが事前に聞いていた話を伝えた。
「という事は、まだやり様はあるって事だよね」
 ルアンナの情報にハーヴィは考える。もし人的被害が出ているのなら、問答無用に討伐となっただろうが、それが出ていない以上、手がないわけではない。
「穏便に済ませる方法……何かないかな」
 と、ハーヴィは皆を見渡した。
「穏便ねぇ……難しいとは思うが――例えば依頼主が単純に、ヒルルクが囲ってあるマーメイドだって知らなかったって線はないのか?」
 ハーヴィの問いナハシュが質問を重ねる。
「確かにその可能性はありますね。議会がここを調査したとは書かれていませんでしたから」
 答えたセツリが依頼書の内容を思い出す。依頼書には『マーメイドの討伐』としか記載されていなかった。もちろん、ギルドを通っているのだ、依頼として何ら不備はない。
「本当にそうでしょうか。軍人であるマヘリアさんがヒルルクの護衛をしているんです、やっぱり議会は全てを知っているんじゃないですか?」
 と、トーラがヒルルクの後ろに立つ人物に目を遣る。するとその人物(マヘリア)が口を開いた。
「それはどうだろうか。議会といってもケラエノの議会だろう? 私達ローレラウラ水軍は別の街(第一衛星都市エレクトラ)の所属だ。護衛の話が通っているかは正直な所わからない」
 しかし、マヘリアはトーラの予想を否定する。ヒルルクに護衛がついている事くらいは知っているかもしれないが、それが軍属であるかどうかは、所属の違うケラエノ議会では把握していない可能性があると。
「しかし、知っている可能性も否定できませんわ。もし仮に議会が全てを知っており、ヒルルク様が遠征中、これ幸いとマーメイドを討伐してしまおうなどと子供じみた魂胆を抱いた。なんてことはありませんの?」
 バンビが別の可能性を示唆すると、それにハリスが頷いた。
「私もバンビ殿の言に賛同を。ローレラウラには屈強な水軍が存在します。もし仮に対象が特異個体だとしても、高々一匹のマーメイド討伐に10名もの冒険者を使うでしょうか。これは何か迅速に、それも事を荒立てずに処理しないとならない理由があるのでは?」
 ハリスの意見に何人もの仲間達が頷く。

「……仮定の話で、依頼を……放棄するのは、間違ってる……と思います。そう言うのは……ギルドの、仕事です」
 話の流れが自分の思いとかけ離れていくのを感じ、リディリディは人知れず呟いた――。

●
「なぁ、ヒルルク」
「うん?」
 と、皆の意見を黙って聞いていた江流が口を開いた。
「観光都市であるケラエノに人を襲うかもしれないマーメイドが居ついている、そんな噂が内外に広がれば、街に及ぼす経済的打撃は計り知れない。議会がそれを嫌って討伐依頼を出してきたのはわかる」
 これまでの話を纏める江流の話に、ヒルルクは口を挟まず聞き入る。
「それに、これから冬になる。もし産業が失われ収入がなくなれば、路頭に迷う人も沢山出るだろう。そうなれば当然人死が出る。これは放置していい問題ではないし、俺はヒルルクがこの問題を無視できる人間ではないと思ってる」
「……何が言いたいの?」
「だから、ヒルルク。俺達に協力してもらえないか?」
 そういって、江流はヒルルクににこりと微笑んだ。

 ヒルルクは江流の提案を受け入れ、冒険者達と協力することを約束した。
「何はともあれ、そのマーメイドとやらに会ってみてからじゃねえの?」
「それはそうなんですけど……ヒルルク、そのマーメイドって呼べるんですか?」
 崖の上で欠伸をかみ殺すナハシュが提案に、トーラはヒルルクに問いかけた。
「どうかな。呼べば来るかもしれないけど、あなた達が居れば来ないかも」
「警戒はもっともですね。そもそも私達はマーメイドから見れば敵ですから」
 そう言ったヒルルクに、セツリが頷く。
「顔を合わせた事のある僕達が行ってもダメかな?」
 と、マーメイドと一応の面識があるハーヴィが問いかけた。
「ダメだと思う。多分だけど、マーメイドって人の顔を認識してないんじゃないかしら?」
「……確かに、こちらも魚人類(マーマンやマーメイド)の個体識別ができるかと言われれば難しいですからね。相手側から見た人間種もそうである可能性は高いです」
 ヒルルクの疑問にハリスが答える。ハリス自身、故郷で何度も魚人類(マーマンやマーメイド)と戦っているが、よほど個性的な成りをしていないと個体の判別は難しい。
「それじゃ、どうしてヒルルクの事はわかるんだい? 懐いてるって話じゃないか」
「別に懐いてないわよ。ただ、認識はされてるみたいだけどね」
「……それは征竜の巫女と認識しているということなのか?」
「さぁ?」
 ルチルが追加で問いかけるも、ヒルルクは首をひねった。

「お、あれじゃね?」

 と、突然崖の上のナハシュが湾を指さした。
 冒険者達は慌てて崖を登り湾を見る。
 丁度桟橋の先。距離にして50m程の場所に小さな顔が見えた。
「あ、ほんとだ! 確かにあの時のマーメイドの少女……のような気がするよ!」
 遠目という事もあるし相手がマーメイドだという事もあり、ハーヴィにも確信はないが、それは以前見た少女の面影を残しているようにも感じる。
「確かめればいいのですわ。どのみち、意思の疎通を図らない事には、こちらの思惑を飲ませることもできないのですし」
 ハーヴィと共に湾を見つめるバンビが、マーメイドに向かって手を振ってみるも、少女はじっとこちらを見つめ反応を示さない。
「話が出来れば早いんでしょうけど、亜人ですし言葉は通じないですよね」
「だろうな。身振り手振りでこっちの意志を伝えるしかねえんじゃないの?」
 ルアンナとナハシュがどう対応するべきかと話し合う――。

「……」
 皆が崖を登りマーメイドへ意識を向ける中、リディリディだけが一人桟橋へと走っていた。
 今いる所からでは届かない。だけど、場所を移せば――。
 リディリディは湾を囲む崖の影から出て砂浜を走る。足を取られて転びそうになりながらも懸命に走り――そして、捉えた。
 マーメイドもその動きを察知し向きを変え出方を伺うが、リディリディは手の内に小さなエーテルの塊を作り出すと、そのままマーメイドに向け射出した。

 穏やかな湾の水面を、魔弾が飛ぶ。

――バシュンッ!

 直撃するかと思われた魔弾は、着弾する寸前でマーメイドが張った水泡に弾かれた。
「イェレミース様!」
 次弾を放とうとするリディリディの前に、バンビが滑り込む。
「まだ話し合いの途中ですわ。勝手はご遠慮ください」
 バンビはすぐさま二人の射線上に【アイアンウォール】を召喚する。
 そうしている内に、他の冒険者達もリディリディの元に駆け寄ってきた。
「……リディ、どういうつもり。そっちがその気ならわたしも考えがあるんだけど」
 冒険者達に囲まれても戦闘態勢を崩さないリディリディの前に、ヒルルクは歩み出ると【マジカルポケット】から巨槌を取り出した。
「……ヒルルクさんこそ、おかしい……ですよ。あれは……倒すべき……敵なんです」
 リディリディは杖を握りしめると、ヒルルクへと向ける。
「私は……依頼を受けて……ここに、来ました。街の人に、危険が……及ぶかもしれない……だから、マーメイドを……倒してって、頼まれたんです……」
 一触即発の雰囲気に、他の冒険者達は下手に手が出せない。
「皆さんも、変ですよ……なんで、ヒルルクさんの……縁者だと……倒さないんですか。街に……被害が出ても、いいんですか……?」
 リディリディは杖をヒルルクに向けながら、皆を見渡した。
「……確かに、リディリディさんの言ってることは正しい」
 と、誰もがリディリディの問いに言葉を返せない中、江流が前に出る。
「さっきも言ったけど、マーメイドが街の近くにいるっていう事実は、ケラエノにとって死活問題だと思う。だから、脅威の排除は必要だ」
「待ってよ! それだけで何の罪も犯してないマーメイドの少女の命を奪うの!?」
 淡々と語る江流に、ハーヴィが詰め寄った。
「命を奪うとは言っていない。排除が必要だと言っているんだ」
「排除……例えばマーメイドの居場所を移して事を丸く収めるという事でしょうか」
「不殺で行くのなら、それもいいね」
 セツリの質問に答えた江流は、改めて仲間達を見た。
「皆の意見はどうなんだろう」
 と、江流は仲間達を見渡した。
 依頼だから討伐は当然と手を上げるリディリディ。縁を結んだ者として保護を主張するハーヴィとバンビ。無益な殺生をせずに済むならとハリスやルアンナも保護側に回り、ヒルルクの意志を尊重するとトーラも保護を主張した。
 餅は餅屋に任せると、どちらの意志も示さないナハシュ。ルチルはヒルルクの覚悟次第だと言い、江流とセツリは一方の意見に流されてはいけないと中立の立場を示した。

 討伐せずに戻れば依頼は失敗。ギルドの信用にかかわる。
 しかし、討伐を試みれば、ヒルルクが立ちふさがるだろう。
 どちらに転んでも誰かが傷つく可能性がある。

 冒険者達はヒルルクを交え議論する――そんな時だった。

「なんだ、騒がしいな」

 次第に大きくなっていた声を聞きつけ、小屋からガタイのいい老人が姿を現した。

●
「……まぁ、無理だな」
 ラルゴと名乗った老人は、冒険者達の話を一通り聞いた後、きっぱりと否定した。
「なぜですか! 依頼を受けた側として、真意を聞くのは間違っていないと思います!」
 そんなラルゴにトーラが詰め寄る。
 トーラは議会がヒルルクの保護しているマーメイドだと知りつつ、ギルドに討伐の依頼を出したと考えていた。
「では聞くが、議会はなにか間違った事を依頼書に書いたか?」
「そ、それは……でも、必要な事を意図的に書いていないのはどうかと思います!」
「必要な事はマーメイドを討伐する事だ。それ以上でもそれ以下でもない」
 更に詰め寄ってくるトーラに、ラルゴは冷淡に答えた。
「ちょっと、ラルゴ。あなたまであの子を倒そうとか言うんじゃないでしょうね」
「わしは手を出さんぞ? そんな頼みは聞いてないしな」
 と、ヒルルクにまで詰め寄られたラルゴは、ちらりと孫娘(マヘリア)を見やるが、マヘリアは我関せずと静観を決め込んでいた。
「まぁ仮にお嬢ちゃんが議会に直談判に行こうが、追い返されるのがオチだろうな」
「どうしてわかるんですか! ヒルルクを連れて行けば、きっと話を聞いてくれますよ!」
 と、トーラはヒルルクの腕をグッと引き寄せた。
「やめとけやめとけ。議会の奴等も馬鹿じゃない。下手に突いてみろ、やれギルドは依頼を反故にしただの、やれやる気のない冒険者を寄こしただの、難癖などいくらでもつけようがある」
「……アタイはそうは思わないけどね」
 と、肩を竦めるラルゴにルチルが声を上げた。
「話の持って行きようはあると考えるよ。そもそもヒルルクはこのローレラウラにとって必要なピースだ。不興を買って出て行かれては困るんじゃないのかい?」
 ルチルはそう問いかけるも、ラルゴは無言で続きを要求する。
「さっきのヒルルクの眼は本気だった。彼女は何があってもマーメイドを守るだろう」
 ルチルはヒルルク、そして、相対したリディリディを見た。
「それならば、双方の話し合いをもって、別の落としどころを模索する事は出来ると思うがね」
「ふむ、例えば? と、議員でもないわしが聞いても仕方のない事かもしれんが、これでも長年ローレラウラの為に身を粉にしてきたからな。返事の予想くらいはできる」
 そう言うラルゴに、ルチルは頷き自らの考えを述べる。

「マーメイドの討伐を表向き成功したことにして、別の人里離れた場所への移転を提案するのさ」

「ふむ、裏取引か。悪くはないと思うが、どこへ移す? ここも十分人里離れた場所だぞ」
 ラルゴはルチルに問いつつ、小屋を指さした。
「それについては私に案があります」
 と、ラルゴの問いに答えたのはハリスだった。
「この場所ですらマーメイドの脅威が去らないというのであれば、いっそ市外へと搬送してはどうでしょう」
「市外? どこへ移すというんだ?」

「リブラネスタへ移送するのです」

 ハリスはリブラネスタへマーメイドを移送し、そこで保護すればケラエノ――ひいてはローレラウラに迷惑が掛からず、安全に保護できると考えた。
 敵性亜人を識る冒険者が多数おり、もし何か有事が起こればすぐに鎮圧が可能であると。
「リブラネスタ? はははっ!」
 しかし、ハリスの案を聞きラルゴは目を剥いた。そして、腹を抱えて笑った。
「はは……いや、すまん。だが、それは無理だろうな」
「……理由を聞かせていただいても?」
「理由なぞ簡単だ。もし、わしがリブラネスタの市長で、そんな提案をされればこういうな――」

「知らんがな」

 お茶目にウインク混じりでそう言ったラルゴに、冒険者達は一様に顔をしかめる。一人、リディリディだけはうんうんと頷いていたが。
「誰が好き好んで敵性亜人を懐に置く。海に放つのか? そんな事をすれば港は大混乱するぞ? いくら冒険者の頼みだからと言って市民の安全も顧みず受け入れるなら、そんな奴は市長失格だ。いいか? 人間にとって百害あって一利なし。アレはそう言うものだ」
 と、ラルゴはマーメイドの姿が見えなくなった湾を見る。
「移転と同時に人に害をなさないよう教化させればよろしいでしょう。ヒルルク様に懐くのです、不可能ではないのでは?」
 ラルゴに合わせ湾を見たバンビが問いかけた。
「やれるものならばやってみるといい。だが、噛みつかれて終わりだとわしは思うぞ」
 バンビに答えたラルゴの言葉にはやけに説得力がある。もしかすれば、ラルゴ自身試そうとして痛い目に遭ったのかもしれない。
「あの……もういいんじゃない、ですか? さっさと……倒してしまって……ギルドに報告すれば……お終いです」
 一向に結論の出ない話し合いに、リディリディがしびれを切らして声を上げる。
「リディ、悪いけどそれはさせないって言ってるでしょ」
「なぜです……? 征竜の巫女は、人類の……敵対者、なんですか……?」
「そういう話じゃないのよ」
 リディリディとヒルルクが再び対峙し、火花を散らした。
「おやめください! まだ話の結論が出ていない以上、実力行使は私が阻止させていただきます」
 そんな一触即発の二人の間にハリスが割って入る。
「そうだぜ。リディリディの言い分はわかるが、ちょっと落ち着け。解決の手立てはなにもぶっ殺す事だけじゃねえだろ。
 もちろんヒルルクもだ。そもそも他所のシマに危険物を置くのに、無許可でやったお前が悪い。話がこじれるのは当たり前だ。このじーさんの言う様に、誰も好き好んで懐に害獣なんて飼いたくもねえ」
 気持ちの高ぶった二人を前に、ナハシュは話を続けた。

「結局のところ、ルチルの言う様に、落としどころは移転だ。だからよ、もっと建設的な話をしようぜ」

●
 冒険者達は知恵を出し合った。『マーメイドの移転』という大筋は決まったが、問題は山積している。まずは移転場所の候補がない。そして、議会への説得――いや、譲歩を引き出す事も必要だ。
「ケラエノ以外の街も同様の反応をしますか?」
「まず間違いなくな」
 セツリの問いかけにラルゴは大きく頷いた。
 ローレラウラ湖にはケラエノ以外にも街が幾つもある。しかし、ここローレラウラ湖は長年マーマン族との覇権を争ってきた土地。流石にマーメイドの庇護に賛同する都市はないだろうとの事だった。

「ヒルルク殿。やはり、あの子と話が出来たりしないでしょうか。移ってもらうにしても納得してもらわない事には話が進みません」
「うーん……無理だと思うけど、やってみる?」
「是非に」
 ハリスに言われるままにヒルルクは桟橋に立った。そこで二度三度と手を打ち鳴らす。すると、湾の出入り口付近にマーメイドが顔をのぞかせた。
 しかし、ヒルルクの後ろにいる人間を警戒しているのだろう、マーメイドはそれ以上近付いてこようとはしない。
「……ね?」
「ふむ……これは一筋縄ではいきませんね」
 桟橋から戻ってきたヒルルクに、ハリスは大きくため息をついた。

「……」
「不満そうだな」
「不満……ですよ。そりゃ……」
 話の輪から外れ、砂浜に座り込んでいたリディリディに江流が声をかける。
「でも、俺達と敵対しない態度をとってくれたことには感謝してる」
「……13対1は、ちょっと不利、ですから」
「はは……ちょっと、ね」
 ムスッと湾を見つめているリディリディに、江流は苦笑しながらも小さく頭を下げた。

「マーメイドだし、やっぱり水辺を移動かな」
「ですね。でも、どうやって運びます? 下手に姿を見られればまた騒ぎになりますし」
 マーメイドを移転させるにしても、場所はもちろんの事、その移送手段も問題になる。
 ハーヴィとルアンナは、マーメイドの移動手段について話し合っていた。
「ちょっと窮屈かもしれないけど、大きな樽に水を張って船に乗せて――かな?」
「うーん、素直に乗りますか? あの子、だいぶ我儘っぽいですよ」
 そう言いつつルアンナは、湾の出口でこちらを伺っているマーメイドを見た。

「なぜマーメイドはヒルルクに懐くのですか」
 久しぶりに多くの人と言葉を交わした事が楽しいのか、上機嫌なラルゴにトーラが問いかけた。
「うーむ、詳しくはわからんが、ヒルルクが特別だからじゃないか?」
「……それはどういう意味ですか?」
 トーラは返ってきた答えに疑りの目を向ける。
「さぁな。それは、自分で考えるんだな」
 そんなトーラの視線を軽く受け流し、ラルゴは豪快に笑い飛ばした。

「議会の説得ねぇ……どうすっかな」
「下手を打てば、それこそあのマーメイドを殺さなくてはいけなくなりますわ。慎重に交渉しませんと」
 湾を囲む崖の上でナハシュとバンビが話し合っていた。
「まぁ、ヒルルクを前面に立てて、脅すしかねえだろうな」
「脅すというのは語弊がありますわ。理解を得る為に協議するのです」
「はは、どう違うのか俺にはわからねぇな」
 崖の上に寝転がったナハシュに呆れつつも、バンビは湾をじっと見つめた。

「本当はヒルルクがマーメイドに魅了なり洗脳なりされて、無理やり庇護させられている、とも考えたんだけどね」
「はぁ? わたしが洗脳?」
「どうやら杞憂だったようだ」
 肩を竦めるルチルに、ヒルルクが啞然と口を開ける。
「もし洗脳されてたらどうするつもりだったのよ」
「それならマーメイドを殺したさ。どちらが大事かと言われれば圧倒的にヒルルクの方だからね」
「むむ……」
 骨面の下で小さく笑うルチルに、ヒルルクは複雑な表情を浮かべていた。

●
 日が暮れた。

 散々に協議した結果、冒険者達が出した結論は、時間稼ぎだった。
 マーメイドの移転という方針は固まったが、その移転先が結局決まらない。
 そこで冒険者達は、移転先選定までの時間を稼ぐための策を巡らせた。
 まずヒルルクが議会へ赴き、事のあらましを説明する。そして、ヒルルク自らこの場所でマーメイドを保護すると約束する。もちろん、ヒルルクが小屋へ住み込み、見張るという条件付きだ。
 そして、その間にローレラウラ各都市に迷惑のかからない移転先を探し、マーメイドを移送する。

 冒険者達はヒルルクと共にこの案を議会へ持ち込んだ。
 対した議会は初め驚いていた様子だったが、驚くほどあっさりその提案を受け入れた。それも依頼の達成に関して追及しないと確約までしてだ。
 冒険者達は議会の反応を訝しみながらも、ラルゴの助言を思い出しそれ以上の要求はしなかった。
 こうして、一先ずの平穏は確保した。しかし、問題は何一つ解決していない。水の迷い子の行方は、今だ霧の中だった――。

マスターコメント

そうかあぁぁ、こう来ましたか!!! あ、皆様、ご参加ありがとうございました! いやぁ、こんな結末もあるかなとぼんやり考えていましたが、まさか現実となるとは。 マーメイドに対する皆様の優しさが光ったプレイングの数々でしたが、当の本人が極度のツンデレ(?)だった為、ご期待に添えず申し訳ありませんでした。 『目的達成』という面で成功とはいえない為、結果:普通となっております。 ただ、今後の展望的なものは見えたので、完全に失敗という訳でもありませんでした。 あのマーメイド、この後どうなっていくのでしょうか。真柄にもさっぱり先が読めません。 ヒルルクをずっとあの場所に置いてもおけないので、近々続編?をリリースしようかなと思います。その時はまたお力を貸していただければ嬉しく思います。 それからマーメイドへ名付けの提案もありがとうございました! 今すぐにという訳にはいきませんが、真柄の心の引き出しに大切にしまわせていただいております。 いずれお披露目できる機会が……あればいいなぁ。 ※称号の付与理由はヒルルクからの一言になってます!
ロングシナリオ

ロングシナリオ難しい 報酬:多い10 / 6〜10人

2021年11月12日 01時29分04秒 公開

普通

相談掲示板

  1. バンビ

    えーと、まあ、ハイスピードキャスターのバンビですわ。 えーとまあ、がちで退治するという方は挙手してください。 最速で亡き者に・・・(こら

  2. ハーヴィ

    キャスターのハーヴィだよ、よろしくね! 今回の討伐対象を見て、ヤな予感がしたんだ。これって前に助けた、あのマーメイドなんじゃないかって。 マーメイドは敵性種族で人間とは相容れないけど、ヒルルクさんとはちょっといい感じだった筈。 個人的には何とか倒さないで済むようにしたいな……。 マーメイド討伐したように偽装してローララウラの人達を納得させるのと同時に、マーメイドにも人間のいるトコへ近寄らないように伝えられたらいいのかな?

  3. No.3

    キャスターのリディリディです。 その・・・、よろしくお願いします。 今回はぼぼPL情報ありきなのでメタな発言を含む事、失礼しますね。 私は亜人ゴブリン、オークやオーガの討伐依頼と同じように討伐に赴きます。 前シナリオでこのマーメイドには関わりましたが、ギルドから討伐依頼が出たのですから。 ヒルルクさんと会っても態度が変わらない可能性が高いです。

  4. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    情報屋のルチルだ。よろしく。 ただの魚人討伐依頼ならいざ知らず、かつて別件で保護した相手でしかもヒルルクが面倒を見てる子となるとちょっと話が変わってくるね。 出発した時点ではヒルルクが絡んでいる事はわからないが、全員PL情報は落とし込まずに討伐する気持ちでプレイングを書いてもアレなんで全員分の意見は聞いておきたい。 個人的には、ヒルルクと戦いたくはないし無用な争いは避けたい。 エンパシーやらでマーメイドの意図する所を計りたい気持ちもある。 仲間内での争いも避けて話し合う時間が取れればと考えているよ。 とりあえず、討伐依頼とあっても偵察のためにペットを送るのは不自然ではないだろう。これで早めに状況を理解していこうと考えているさ。 >質問 前提として、聞きたいんだがいいか? Q:依頼書ではラルゴの扱いはどうなっている? 魚人を庇う敵対者として書かれているのか?それとも近場に居住している人間として書かれているのか?

  5. 海神 江流

    シーフの海神江流だよ。今回は宜しくね。 俺は、前回ってのには不参加。 『征竜の巫女』と水の迷い子 って依頼でいいのかな。 報告書ってPCが読めるって設定で良かったっけ?一応、読むだけ読んできた。 今回の依頼は『人類の生存圏に敵であるマーメイドが出没している。これを速やかに討伐し、人々の安寧を確保してくれ』 って事だけど「討伐」って対処がもう指定されてるからそれ以外の方法は依頼を受けた時点でNGなんじゃねーの?って個人的には思うんだが。 ここはホリーさんに確認したほうがいいか? 個人的な考えとしては、現地は観光地なんだろ? 人を襲うかもしれない亜人が観光地に居たら、それだけで現地住人の収入にダメージを与えかねないってのは十分理解できるし正当性もある。 「人々の安寧を確保」っていう依頼内容から考えると、討伐しないなら完全に排除するか、絶対に人間を襲わない亜人個体であると証明する必要はあると思うよ。 今の所、被害が出てる訳じゃないからヒルルク達との話し合いは余地はあってもいいと思う。 ただ、俺達は難民キャンプとかで散々コボルトもゴブリンも殺してるからな。 こいつだけ特別扱いで生かすなら、根拠と理由は絶対必要だ。 で、俺個人としては、 討伐以外の解決策をギルドが許容してくれるなら、それ以外の解決があってもいい。 ギルドが討伐以外許容できないなら、俺達が嘘言ってるのがバレるとギルド自体の信頼に関わる。 討伐した体を整えた上で退去していただく。のがギリギリの落とし所だと思う。

  6. 海神 江流

    Q:『人類の生存圏に敵であるマーメイドが出没している。これを速やかに討伐し、人々の安寧を確保してくれ』ってのが今回の依頼という事だけど、ギルド的に討伐以外の自体解決は許容できる? 例えば観光地からの完全放逐とか、件の亜人の危険性皆無の証明とか。

  7. 海神 江流

    前回の依頼は「『征竜の巫女』と繋がれた稚児」だったね。 思いっきりコピペ失敗してた。訂正してお詫びを(

  8. ハーヴィ

    >前回の依頼 『征竜の巫女』と繋がれた稚児 https://alpaca-connect.com/world/world0/scenario/892 前回のはこれだね。一応リンク貼っとくね。 PC視点でも、前にローレラウラでマーメイドを助けたこと、彼女をヒルルクさんが保護したことは把握してる。 だからローレラウラとマーメイドの単語が出て来た時点で既にヤな予感はしてるし、ヒルルクさんと会った瞬間にそこは確信に変わるかな。 まして僕は救出班だったんで、擁護する側に回ると思う。 エンパシーは使えれば一番良いんだろけど、アレって直接触れる必要があったよね。マーメイド、触らせてくれるかな……? 残留思念感応を持ってるけど、代わりに使えないだろうか。 でもって江流さんの言うことも尤もだと思うよ。 気持ちの上では、僕は生かしたいし逃したい。だけど特別扱いで生かすなら、根拠と理由は絶対必要。その辺は話し合いで詰めときたい。 ひとまずはホリーさんの回答待ちだね。

  9. トーラ

    シーフのトーラです。 よろしくお願いします! ハーヴィさんは報告書ありがとうございます! わたしとしては、事情を知らなければ普通に討伐に向かって、ヒルルクと言い合いになる(亜人を拾って来て! 返してきなさい!)かと思いますけど、最終的には話し合いで解決しようとしますし、力付くでどうにかしようとするのであれば、ヒルルクであれ皆さんであれ止めに入ります。 それで気になってるんですけど、そのマーメイドの子が征竜の巫女の保護下ということで容認されているのなら、それを伝えずに討伐依頼を出した議会の人は、依頼人として信用していいんでしょうか? わたしとしては、事情を聴けばいったん依頼を中止して、議会か冒険者ギルドに背景の確認をするのがいいと思うんですけど。

  10. バンビ

    実質前回の参加者はヒルルク様がマーメイドを保護して連れ帰って庇護下に置いていることを知っているわけですから、受ける時点で確認しそうなものですけれどね。 「討伐指定のマーメイドはヒルルクさんとこのもではないですよね」って。

  11. バンビ

    まちがって討伐してしまったら事故案件ですわ。

  12. ホリー・アッテンボロー

    ご質問ですね! えっと……。 Q1:依頼書ではラルゴの扱いはどうなっている? 魚人を庇う敵対者として書かれているのか?それとも近場に居住している人間として書かれているのか? A1:依頼書に記載されている『ラルゴ』さんの情報は、マーメイドの目撃情報のあった付近に一人で居住していると記載されていますね。接触できれば有用な情報を得られるかもしれないとの事から、詳細な経歴などを事前情報として提供したのではないでしょうか。 マーメイドとの関係は特に記載されていませんね(依頼書を見つつ Q2:『人類の生存圏に敵であるマーメイドが出没している。これを速やかに討伐し、人々の安寧を確保してくれ』ってのが今回の依頼という事だけど、ギルド的に討伐以外の自体解決は許容できる? 例えば観光地からの完全放逐とか、件の亜人の危険性皆無の証明とか。 A2:ギルドとしては依頼者様からの希望に沿った結果を提供する事を是としますので、『依頼者様の意向の沿う形』であれば、解決方法に口を挟む立場にはありません。ギルドとして信頼のおける皆さんにお仕事を斡旋しているわけですから、各々がよく考えられた解決方法で『依頼者の意に沿う形』の報告を期待しております。 一点、亜人種全般が人類に無害(危険性皆無)であるという話は私も聞いた事がありません。ですので、対象のマーメイドが無害と証明するのはかなり難しいのではないでしょうか。 以上です。ご参考になりましたか……? それ解釈が違う! とかであれば、ご遠慮なく質問してくださいね!

  13. ルアンナ・ミュラー

    キャスターのルアンナです、よろしくお願いします。 ヒルルクさんが保護している人魚さんをどうするか、ですね。 人魚さんはまだ誰も傷つけてはいませんし、私は討伐では無い方法での解決を望んでいます。 私は前回の依頼には参加していないので、救出云々の話は前回参加者の方から聞いたという事にしたいですね。 それにしても、依頼を出した人達はヒルルクさんがあの人魚さんを保護している事を知った上で討伐依頼を出しているんですよね…。 その事をヒルルクさんが知ったら激おこ案件では?

  14. ハリス・アル・ターミル

    ハリスと申します、どうぞ宜しく。 水の都にマーメイドとは、たしかに懸念要素ですね。 ここまでの大戦力があらば鎧袖一触でしょうが…。 (※PLは依頼を読みましたがコイツは一切の事情を知りません) >依頼への対応 マーメイドやマーマンはディズル沿岸部にも生息し、同胞が被害に遭うこともあります。 私としてはマーメイドを危険視する街の依頼は特に問題があるようには感じないかと。 よって特に追加の情報が無ければ依頼にある通り討伐を目的に尽力いたします。 ただ、精強な水軍を擁する筈のローレラウラにマーメイドが易々と浸透しているという点は やや腑に落ちないものを感じるかと思います。強靭な個体なのかと聞くかもしれませんね。 >ヒルルク殿 極北を巡る依頼にて何度か会話や人となりを見る機会を頂きました。 明確な悪意を以ての謀略や無意味に他者を傷つけるような行いをする方ではありません。 なので仮に彼女が我々を攻撃するような事があっても、私は反撃せず防御に徹します。 その上で状況を整理し話を聞こうとするかと。 >ラルガ殿、マヘリア殿 こちらとも戦う理由は全くありませんので、何が起きても反撃せず受けます。 >マーメイドに対して 当初は討伐しようとしますが、ヒルルク殿やラルガ殿、マヘリア殿が立ち塞がるならば一度 話し合うために攻撃を停止します。向こうから仕掛けてきた場合も回答が得られるまで放置 しましょう。仮にどなたかがマーメイドへ攻撃するならば射線を塞ぐ形で庇います。

  15. ナハシュ

    シーフのナハシュだ。今回はよろしく。 前回の報告書もありがとさん。同じくPCとしてその辺の事情は知らねえだろうが、依頼を受けた直後、もしくはマーメイド発見時にでも前回参加者から聞けばだいたい理解できるんじゃねえかとも思うぜ。明らかに覚えのあるマーメイドなんだろ? >依頼への対応 基本的に仕事は仕事だからな!特に何も言われなければ普通に討伐しようとすると思うぜ。 なんで出来れば現地で事前に情報をくれたら助かる。そうすれば「面倒な案件だ」と理解できるからな。 >落としどころについて 俺としては背景的にも「ヒルルクがいないこと前提」で出された依頼であり、本来ならあり得ない筈のものであるなら、ヒルルクを連れた上で議員共に依頼を取り下げさせるくらいしてもいいんじゃねえの?と思うが、意に沿う形となるとそうもいかねえのか。 海神のいう、討伐した体を整えた上で退去してもらうのが一番現実的だと思う。 >ヒルルクら マーメイドについて覚えがある奴がいるなら、まず対象がヒルルクの保護下にあるマーメイドかそうでないかを確認するのは不自然じゃねえと思うんだが、その過程でマーメイドより先にこの三人に接触することはできねえのかね。

  16. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    征竜の巫女が人魚を保護している事は噂になっているようだから、噂経由で知っててもおかしくはないがやはり当事者ではないのでね。 事前に人魚の正体について疑念に感じている事を共有してもらえれば助かる。 >エンパシー その辺りのデメリットは理解している。 一番懐かれてるヒルルクの協力を得ようと思ってたんだが。後残留思念感応を取得していないつもりで話していた。(持っていた) ハーヴィが人魚に対して残留思念感応を使いたいならそっちに任せようと思う。 >ホリー 回答ありがとう。 これで敵側に強力なシューターがいる事前提で敵からの偵察を警戒する理由はなさそうだね。 普通の討伐依頼と同じ感覚で偵察ができるな。

  17. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    >落とし所 アタイも、ヒルルク達との戦闘を避けたいなら討伐したように現場を適度に荒らして倒した事にし、新しい隠れ家を提供するのが最も妥当と考えている。 人魚に害がない事を確認したらここを着地点として目指すつもりだ。 特別視か。現状人の味を覚えているのでなく、ヒルルクとの間にしこりを作ってまで討伐を果たす事が最適と思えない。 アタイ自身、確認を取っても心底信用する事はないだろう。だから彼女だけ特別視している意識はなかったね。 (生かすために納得の行く理由について、一緒に考えるのは難しいかもです) さて、既に指摘されているがこの依頼、依頼主である議会が冒険者へ情報の隠匿を行っているんだよな。 冒険者には討伐対象がヒルルクの保護している人魚と気づかれずに、ヒルルクには保護している人魚が討伐される事を気づかれずに。 町の利益を考えての根性は認めるが、先に不義理したのはあっちだからね。素直に依頼内容に従う気にはならないさ。 依頼主側の目論見は我々がヒルルク達と鉢合わせした時点で潰えてるし、この状況は利用してやろうかと。 ヒルルクを議会に連れて依頼取り下げの譲歩でもいいが、ここは「現場に偶然居合わせたヒルルクと戦闘になった上で討伐した」事にして「無断で人魚を殺されて怒り心頭のヒルルク」を矢面に交渉へ持ち込むのはよさそうじゃないか? 新しい隠れ家予定地でもいいし、そもそもローレラウラから出した方がいいなら移動手段でもいいし、こちらでなんとかなりそうなら貸し一つでもいい。 他にいい案があれば教えてもらえると助かる。

  18. セツリ

    申し訳ありません、顔出しが少し遅れました。 ヒーラーのセツリと言います、よろしくお願いします。 >基本スタンス 私は件のマーメイド保護の件はしりませんし(報告書でなら確認できるとしても現実的に全件を把握してるものでもないと考えています)、ギルドに出された依頼そのものに不当性もない(既に言及されているので割愛)ので、討伐前提で現地に向かうことにはなります。 前回の参加者や、その話を知っている方の懸念を聞いた上でどうするか、となると……ヒルルク君の保護した個体なのか確認する(「征竜の巫女との敵対」はそれなりに意味を持つと考えます)ぐらいの手間は了解、でしょうか。 亜人との戦闘は自分自身経験はあります。倒したことも、落としどころをうまく探ったこともあるので「絶対殲滅」とは言いませんが……「このマーメイドは保護しなければならない」と主張する理由はない、ですね。 >落としどころ まず、依頼主側が「不義理」といいますが、ヒルルク君は議会(街の責任者)に保護の件、了解を得ているのでしょうか(OP見る限り、「連れてきたという噂」「事実であれば退治でへそを曲げられては困る」であって、噂レベルの話と議会側の損得勘定の話) であれば「そも勝手に街の近くで亜人を保護するのはどうなんだ」と言われると、心情的にはともかく「義理を通しているか」で糾弾は難しいかな、と。 あくまでもヒルルク君と敵対したくないでいくならば、議会を責めるよりもヒルルク君が改めて議会に話をすべきのような……何かあった時の「責任」も含めて。 勿論、その諸々を省略して「倒したことにする」という体裁作りも一つの回答とは思います。

  19. ハーヴィ

    まずホリーさんは解答ありがとう。 >エンパシー ルチルさんの言う通り、ヒルルクさんの協力を得られればイケるかも。出来れば残留思念感応と両方出来ればベスト? とりあえず僕の方で残留思念感応は持ってくよ。エンパシーに関してはルチルさんに一任するね。 >依頼への認識と対応 マーメイドがヒルルクさんと関わりあるかも、って話は僕から最初にみんなへさせて貰うね。 個々の心情はどうあれ、厄介な依頼、って印象を最初にみんなに抱かせたい。 その後は偵察とかを通して確信を得られれば、スムーズに擁護側へ回れると思う。 >落としどころ 保護の件は……ヒルルクさんは、議会の了承は得てない気がするね。 ただ、「巫女殿が敵と通じているなどと周知されれば、広告塔として利用しようとする我々の思惑は破綻する」とあるから、ヒルルクさんが改めて話を通そうとしたところで、議会が首を縦に振らない可能性もあるかなって。話し方次第だとは思うけど。 個人的にはマーメイドに新しい隠れ家を提供するのを目標としつつ、ルチルさん提案の交渉案は良さそうかなって思うけど…… 「巫女が敵と通じている」と議会以外の人達に思わせない工夫は要るかな。大事にしたら周囲にバレる気がするよ。そうなると議会がヒルルクさんを広告塔として扱えなくなるから、交渉そのものが成り立たなくなると思う。 あとは場所なり移動手段なりを引き出す為に、どういう言い回しで交渉するのが良いか、かな。

  20. 海神 江流

    ホリーさん、助言まで含めてくれてありがとう。 大いに参考になった。 現時点ではヒルルクがここまでは独断で進めてたが故の調整不足が原因で色々噴出しちまった感じが濃厚かね。 まぁ、俺とて率先して刃を交えたい訳じゃないんだけど、穏便に収めるなら、彼女にも一仕事して貰わないと進まなそうだね。 何かが起こりそうになった時に、彼女がどうにかできるって言い切れないとセツリさんの言うあたりが厳しい。 取り敢えず、ハーヴィさんが事前に情報共有してくれるなら、その前提で動こう。 プレイングで認識。状況把握に取られる部分が減るだろうから助かる。 ただ、依頼人を正攻法で頷かせるのは厳しそうだ。 スッキリしねぇとこだけど、討伐した。と見せてちゃんと隔離するのがこの場の対処としては丸いんだが、脇が甘いところがあると後日また同じ事態を招いちまうか。 それを防ぐために今挙がってる懸念点は出来れば全部潰してかかりたいとこだから、ルチルさんの言ってるような交渉を絡めつつ、ちゃんと隔離できる手段を用意する必要があるってとこかな。討伐しないならな。 ちと考えがまとまりきってなくてすまね。 取り敢えず、今時点の確認ってことで。

  21. バンビ

    前回の事情を知るものとしてそういう可能性があると情報共有したいと思いますわ。 ヒルルク様が極北から戻って居る事も(ここにいることまで知っているかどうかは不明)あるていどは把握しているので、連絡を取ってみたいと思います。 その辺も含めてそのなんとかいう情報提供者の人も含めて情報を集めてこれも共有したいと思いますわ。

  22. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    依頼主との交渉について、意見ありがとう。 懸念点についてだが、先ずこの件について公にするつもりはないし、そのつもりで発言した覚えもない。 依頼主である議会、依頼に参加した冒険者、そして人魚を保護する側のヒルルクと海軍父娘、この間から外部に話が波及するほどの大事にする気はないと言っておくよ。 まあ、人魚の保護について議会に話を通していなかったヒルルクもヒルルクだが、この場合の不義理はヒルルクに黙って人魚を討伐しようとした事ではなく、冒険者を利用しようと敢えて真実を隠して依頼を出した事を指して言った。 まあ交渉についてはヒルルクの存在を矢面に立たせようと思うから「不義理」より「町を出て行くくらいにヒルルクが怒っている」事を主眼に置こうと考えているがね。 個人的に、やはり「ローレラウラの人類生活域に人魚はいない」という事にしておいた方がいいんだ。 そして依頼人が敵か味方かわからない人魚の存在を許容させるのは非常に困難だろう。この町とマーマンの争いはかなり根深いものらしいからね。 勿論、その分「倒されたはずの人魚」が新たな問題を起こさないようにきっちり懸念点を潰しておくのは同意だ。 議会側には「人魚は討伐した」と言う事を前提にした上での案だが、 ・「町の人々に内緒で密かに人魚を弔う地が欲しい」という名目で転居地を確保する ・「議会とは意見が合わないようだから町を出て行く」という名目で人魚ごとお引越し 辺りか。町を出て行くとなるとヒルルクの意見次第だからあまり現実的ではないが…。 >エンパシー 了解した。各々で持ち込んで試してみよう。

  23. セツリ

    >議会との交渉 >>不義理云々 とりあえず、あくまで冒険者側のスタンスとして素直に依頼に従うかどうかの心情的要素として「利用しようとしたこと」が「不義理」に当たるから、(口八丁含みの)うまく事を収める方向で動こう……という認識で良いでしょうか? 実際に議会側に不義理だという指摘を行わない方向(今の「退治はしたが、事情を知らなかったとはいえそれで巫女が怒った」という話の持っていき方)であれば特に異論はありません。 ヒルルク君にそういった交渉に協力することを納得してもらうのには、「そもそもちゃんと話をつけてなかったのが問題」ということでヒルルク君側にも問題はあった、というところを出していく感じでしょうか。

  24. トーラ

    ハーヴィさんとバンビさんは情報共有ありがとうございます! 聞いたものとして行動させてもらいますね。 >不義理 確かに指摘しても、とぼけられたらこちらの立場が悪くなるだけですね。 ギルドや議会に確認をしに行くのはやめておきます。 落とし所についてですけど、ヒルルクが街の観光の協力をして、その代わりに人魚の移動、もしくは隠蔽を議会に持ちかけれないでしょうか? 議会としては人魚の討伐より、街の近くに人魚がいることと、征竜の巫女を街の観光に使いたいことを重視しているようですし、条件次第で目を瞑って貰えるんじゃないかと思うんです。 討伐を装うのはこの先発覚する恐れがあるのと、そうなった時にわたしたちだけでなくギルドの信用まで落としてしまうので、最後の手段にしたいです。 その場合、議会の狙いをPC情報に落としこむことが必要になりますけど、それはラルゴさんやマヘリアさんに話を聞いたり、最終手段として忍び込むとか…? あとヒルルクの説得も必要になりますね。

  25. ルアンナ・ミュラー

    ハーヴィさんとバンビさんの情報共有はありがたいですね、前回の内容を聞いたという体で行動します。 なんとか誤魔化したり隠したりできないかって方向でしたけど、トーラさんの言うように双方にプラスになる提案ができれば穏便に進められそうですね。

  26. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    >不義理 ああ、糾弾の材料として使うわけでなく今回の件を交渉で済ませたい個人的な理由付けとして認識してくれて構わない。 >議会との交渉 人魚を倒した事にしない方向で行くなら「行き違いがあったから改めて話がしたい」と、表面上は冷静な態度で交渉に持って行く事を提案する。 依頼の履行を保留にしている訳だから、下手に感情的になっている態度を見せるとこちらが不利になりかねないからね。 あくまでこっち…というか人魚を保護しようとするヒルルク側は、不手際や相手の事情も飲み込んだ上で冷静に議会へ当たってる事にした方がいい。 議会を丸め込む事ができたなら人魚の移転先について、今度こそ住民に気づかれないような場所の選出や工作もできるから隠し通せる可能性はより高くなると思う。 交渉の段階でも人魚を倒した事にするを最終手段で残しておくなら、初めに「ヒルルクが人魚討伐依頼の詳細を知った(討伐できたかは言わない)」事にして様子を伺う手もありか。 議会の思惑については、人魚の詳細を黙っていた事、ヒルルクが極北遠征で長期不在となっている間に依頼を出した事を踏まえて、ヒルルクのご機嫌を伺いつつ人魚を排除しようとしていたという辺りまでは連想しようと思っていた。 まあ、内部事情をある程度知ってそうなラルゴやマヘリアに聞いたり、他の手段で思惑を掴むのもいい手だと思うよ。 >ヒルルクの説得 人魚を死なせるのは本意ではないだろうし、またこういう事態を引き起こさないためにも落とし所をつけるのに協力して欲しい…と脇の甘さを指摘しつつ説くつもりだ。

  27. セツリ

    >倒したことにしない交渉 ギルド自体が討伐の依頼を受けつけているところがなんとも、ですね。依頼そのものの正当性は問題ない訳ですし。 まあ確かにその上で「倒したという嘘」をつくのも問題と言えば問題なのですが……議会側も基本的には冒険者に懐疑的なのがOP中に見て取れるので、「討伐はしたか、していないのか」の確認を最初に持ってこられると苦しそうというか。 個人的には、出方を窺うよりも決め打ちの方が良いように思いますし、その上でなら「倒した前提」でないと議会としても話を聞く意義が薄いのではないかな、と。 マーメイドの生存が絶対にバレないのか、というのは難しいところですが、いずれにせよ湾内に残らないのであれば別のどこかで目撃されることがあっても「同じ個体である」という証拠さえなければしらばっくれることもできないでしょうか。 このあたり、向こうの意図を糾弾できない(証拠がない)ことの意趣返しになりますが。

  28. トーラ

    >議会への対応 討伐の対象がヒルルクが保護している人魚であることと、ヒルルクが力付くでも阻止しようとする気なことを伝えて、このまま討伐するとヒルルクの不興を買うので判断を仰ぎに来た。…ということでどうでしょうか? 征竜の巫女と揉めているということになれば、観光への影響は人魚以上のマイナスになりかねませんし、それは議会も望まないでしょうから。 その上で、ヒルルクの観光への協力と議会の譲歩を持ちかける方向で行けたらと思ってます。 観光への協力についてのヒルルクの説得ですけど、わたしもやりますね。 脇が甘いのは確かなんですけど、冒険者の提案で保護することになったのと、ヒルルクも極北への道案内などで忙しかったのですし、その点を理解した上でヒルルクに出来ることを提案してみるつもりです。

  29. バンビ

    ただまあ、ヒルルク様はいずれこの地を去る身のお方ですから、 なんらかの恒久的な処置が必要ですわ。 すくなくともマーマンは一様人類の敵という扱いですから、きちんと教育して名誉人類に列するとかする必要があるかもしれませんわ。 そうでなければ今後も常にヒルルク様の庇護が必要になります。 まさか今更海へお帰りするわけにもいきませんし。

  30. ハリス・アル・ターミル

    >交渉事 ……皆様がかなり考え抜かれているようですから、私が言えることがほぼありませんね!(← ならばそれはそれ、話し合いの前段階で誰も傷つかぬよう盾役に専念できるというものです。 >マーメイドの移動先 存在が知れた以上はここに留まるのはどちらにとっても危険かと思われます。 議会としては不安分子を抱え込むことで全体の弱みになりますから良い顔はしないでしょう。 交渉の余地はあるにしても彼等も一枚岩ではありませんから、一部が専横に走る可能性も。 ヒルルク殿としても、今回の一件がどう転ぶにしても抱いた不信感はそう拭えるものでなく。 バンビ殿も仰っていますが、何れここを去る上に常に一緒にいられるわけでもないヒルルク殿 がマーメイドを守り続けることは難しい。 ではどうするかについてですが、要するに不測の事態に陥っても対処が容易かつ確実であれば 問題はない。とはいえ軍の施設に勾留するようなやり方ではヒルルク殿は納得しますまい。 ある程度自由に動き回れ、かつ暴れ始めても対処可能な環境といえば、一定以上の実力のある 冒険者が常に大勢いるような環境……即ち我々冒険者の総合的な拠点であるリブラネスタなど 如何でしょう?あそこならば特殊なマーメイドの存在も他と比すれば受け入れられやすい筈。 万が一暴走するようなことがあっても即座に鎮圧できますから、恐れることもない。 まあどうやって運ぶのかという問題もありますが…。

  31. ハーヴィ

    暫く顔出せなくてごめんね。 議会への対応は、トーラさんの言うものが穏便で良さそう。マーメイドを倒した、って嘘吐かなくて済むし。 で、マーメイドの移動先として、ハリスさんのリブラネスタ案は良い感じだと思うな。何かあっても冒険者が抑えてくれる、っていうのは大いにプラスだと思う。 それこそ議会への交渉時に、マーメイド運搬用にローレラウラ水軍の船を借りることを交渉してみるとか? リブラネスタまでは距離あるし、陸路はちょっと大変そう。水路が無難かなって。

  32. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    >交渉内容 ・人魚を討伐せず事態を収める方向 ・表向きは討伐依頼を遂行した事にし、人魚のリブラネスタ移転を提案 ・移動に水軍の協力を要請 ・メリットとしてヒルルクが観光に協力する事を提示 大まかにこんな感じかね。 リブラネスタへの移転は別口での交渉も必要になるが…あのヴィルジニア女史なら打算込みで引き受けてもらえる目はあるね。

  33. トーラ

    ルチルさん分かりやすいまとめありがとうございます! それに添って行動だしておきますね。もしかしたら明日は確認できないかもしれないので…。

  34. トーラ

    行動は議会への提案とヒルルクへの説得が主になったので、リブラネスタへの移動はお願いしますね!

  35. ハーヴィ

    ルチルさんはまとめありがと。とっても分かりやすくて助かる。 僕の行動は最初の情報共有と、後は主にマーメイドを見つけたり意思疎通を試みたりする感じの内容になったよ。ほぼマーメイド絡みだと思ってくれて構わないかな。 議会への交渉は他の人達にお任せする形になっちゃうけど、大丈夫かな? 船に関しては、万一、議会の方から水軍の協力が得られなかった場合に、マヘリアさんやラルゴさんの伝手で探せないかはお話するつもり。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0