【呪輪】彼の罪は誰が胸に
桃谷かな
コメント 22
シナリオID:1501
オープニング
小さな肩が震えている。
青褪めた顔で。小刻みに歯を打ち鳴らしながら、私を呼んだ。
抱き寄せてやりたかった。
なのに。
我慢しなさい、と。
大丈夫だから、と。
丸太と呼ぶにも頼りない、目の前に横たわるそれを離さないよう言い聞かせるしかできなかった。
沼の水は、この季節であっても既に冷たい。
――私が背に負っているはずの子は、もう暫く声をあげていない。
●
「お願いします。里を――救ってください」
ある日の夕刻、フィルエス大森林南東部にほど近い街の冒険者ギルドに一人のエルフの青年が現れた。
応対に出た職員がまず驚いたのは、彼の顔面や衣服を汚す夥しい量の血だ。偶然その場に居合わせたヒーラーが駆け寄り声を掛けたが、彼は首を横に振った。彼自身が流した血ではないのだろう。
「あなた、タルフネイリの里の方ですね? 一体なにが……」
彼の顔を見た職員が、とある氏族の名を口にする。タルフネイリとはフィルエス大森林南東部に住むエルフ氏族だ。ここ最近は枯死現象の被害を受けて猟場を失い、隣里のキウラと関係が悪化していたようだが――。
「……はい。私はイェオリと申します。どうか――至急、冒険者を手配していただけないでしょうか」
室内を見回し、そう口にした彼の手は小刻みに震えていた。その手に、顔に、べったりとこびりついた血を布で拭いてやりながら、職員は急ぎ詳細を聞き出そうとする。
「もう――もう終わりです。タルフネイリはもう崩壊してしまった。どうか……罪なき者たちをお助けください……」
●
かつて、タルフネイリを追放され、死したはずの少女がいた。
名はサリ。
「氏族に災いをもたらす者」と断ずるお告げのもと、母の手で命を刈られ、森の奥へと打ち捨てられた。
タルフネイリの住まう地がハイアルヴの“聖域”だと、その地を離れては巫女が力を失うなどと。
氏族の誰が言い出したのか、今や知る者はいない。
聖域を守りハイアルヴの庇護を受けることを氏族の使命だと、誇りだなどと。
いつから聞かされて来たのか、もはや記憶している者はいない。
ハイアルヴは時に氏族の危機を救い、時に命の選別を氏族に強いた。
養いきれぬほどの子を抱えた家。満足に動けぬ者を支える家。
そういった家には、ハイアルヴのお告げが下る。
嘘か実か。氏族を離れて生きることを知らぬ者たちが、それを論じたことはない。
サリは舞い戻り、タルフネイリと隣里キウラの者を害した。
いつかは、と。誰もが危惧していた未来だった。
『青の示指』フェンヌ・ダーニなる者が育んだ魔獣たちは森を荒し、タルフネイリの猟場は枯れ果てた。
氏族の糧は尽き、守り続けた聖域は彼らを救わない。
子を、友を、氏族に捧げてきた者たちの絶望は、それを強いた者たちへの怒りへと容易に変わっていった。
巫女。長。氏族を統べる者たち。
糾弾され、追い詰められた彼らが口にした事は、もはや狂気の沙汰と言えよう。
お告げだ。
「氏族に災いをもたらす」彼の者を討たねばならぬ。
お告げに背いた者たちを森は許さぬ。
森の怒りを鎮めよ。されば森は我らを救おう。
●
「――長らは、サリの母親と妹、妹の子らを連れ去りました。止めようとした父親と妹の夫を、私の前で打ち殺して」
連れ去られた者たちは、サリをおびき寄せるための餌にされるのだ。
イェオリの唇が震え、引き結ばれる。テーブルの一点をじっと見つめ続けたまま、彼は怒りと恐怖をない交ぜにして声を荒げた。
「狂っている! 何がハイアルヴだ! 何が聖域だ! 己らが王となれる世界を守っていただけではないのか!!」
木製のテーブルが音を立てて軋む。
助けてくれ。イェオリの形の良い唇が、小さくそれを吐き出した。
「これまでのことを思えば、サリは確かに里を監視しているように思います。今なにが起きているかも、既に気づいているかもしれません。……ですが、タルフネイリを恨む授恵者のサリに、家族の情を持ち出したところで通用すると思いますか? 全員まとめて殺されるだけです」
「それは……そうかもしれませんね……」
せめて、と。彼は言う。
「連れ去られた者たちを助けてください。サリの妹は身重です。甥姪はまだ1歳と5歳。……長らの地位を守るために、彼女らが犠牲になるなど――私はもう、受け容れられない。どうか……長らの狂気を止めてください」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
●依頼内容
・タルフネイリ氏族を害した授恵者・サリを誘い出すための人質として長らが連れ去った、彼女の母親、妹、甥、姪を救出してください。
・長ら一派は死なせないことが望まれます。また、彼らが二度とこのような凶行に及ばぬように事態を収拾できれば、成功度が上がります。
解説
マスターより
リプレイ
冒険者ギルドのテーブルには、俯き気味に両の瞼を閉じたエルフの青年、イェオリが座している。エルフの娘アーテミシアは緑の瞳に冷たい色を湛え、唇を歪めた。
「哀れ過ぎて……いや、哀れむのすら勿体ねえわ」
そう吐き捨てたアーテミシアに。イェオリはただ、耐えるような表情を浮かべて微動だにしない。
「今回は悪臭しかないな……厳しい環境ゆえに口減らしはやむを得なかったとはいえ、これはいただけない」
桃色髪を揺らしながら、ク・サーヤ・クッセーワが呟く。
口減らしを目的とした子殺しや姥捨て自体は、彼女の言う通り根絶が難しい問題だ。しかし、その中でもタルフネイリは最悪の結末を迎えてしまったと言える。
「拗れるのも行くところまでいっちまった感があるね。……イェオリ」
左の掌で額を覆い、日焼けした肌のエリザ・A・ミシャールが深い溜息をついた。
「……こうなる前に、動けなかったのかい」
(……頼むよ。アタシに同族へ武器を向けさせないでおくれ)
瞼を閉じて頭を振り、椅子に置いていた宿り木の長杖を取るエリザ。その後ろでは、緊張した面持ちのマリイ・パルティスが、白狼の首に大きなリボンを結び直していた。
「そうですね。……正直、遅すぎました。最悪の事態です」
鼻を寄せる白狼に額を当て、マリイはスッと立ち上がる。
「――でも。だからこそ、今止めなくては。でなければ、きっと全てを取りこぼしてしまいます」
そうだね。と応じたのはヘレン・ワーグナー。若草のような色の長い髪をかき上げ、眠たげな両目で天井を見上げた。
「どうしようもない人たちだけど……変わるなら最後のチャンスかな。けど、ちょっと作戦は考えないとだよねー」
うーん……と唸る彼女の傍らへ、イズル・M・ヴォルゴールが歩み寄る。紫瞳に映るヘレンの表情に何かを見ながら、顔を近づけて短く、告げた。
「殺すな」
顔は向けぬまま、息だけを吐いて応えるヘレン。相手は全員が非授恵者だ。不殺を条件とするならば、依頼の難易度は高いと言える。
「――で、五体満足で止めないと駄目か?」
場の空気に飽きたかのように、詰まらなそうな声をあげるアーテミシア。口ごもるイェオリに顔を向け、畳みかけるように言葉を投げた。
「そうだって言うなら、何割かは甘っちょろすぎるテメエ等が原因だな」
「甘さ……ではありません」
「あ? じゃあ何だってんだよ」
イェオリの目を覗き込む。アーテミシアは、どこか困ったような表情の裏に彼の本心を見た気がした。
「……ああ、そうか。合点がいったぜ」
彼は、命を奪わず長らの凶行を止めようとしている。だがそれは、彼らを救いたいという想いとイコールになるとは限らない。
「――テメェにとって都合の悪ィ結果にならねえように、せいぜい祈りでも捧げてやがれ!」
憤慨した声音で言い放ち、枯草色に塗ったマントを翻してギルドを出ていくアーテミシア。ヘレンがポツリ、と言葉を漏らす。
「そっか~……どうしようもない人たちでも、殺したら何言われるかわからないしね~」
冒険者たちがイェオリの依頼を受けて騒動を収めることができたなら。
その先、誰が里人を束ねる流れになるだろうか。
首尾よく長ら一派を鎮め、里人のもとで従属させるとすれば――足腕の一本や二本もぎ取ってくれと即答できない理由も見えよう。
「あんたも結局、正義の使者なんかじゃないってことだ」
沼までの道と目印が書き込まれた手書きの地図に目を落としたまま、海神・江流は何かを抑えるような声音でポツリとそう呟いた。
「……それでも、古い慣習から逃れるために里人を移住させようって言うなら、俺はあんたに手を貸そう。ただ、長たちが無事で済むかは状況と向こうの抵抗次第だ。過度な期待はしないでくれ」
「ええ……わかっています」
応えるイェオリの瞳を見遣って、江流は無言でひとつ頷いた。
「氏族に災いを齎す者――そうお告げがあったから、そう掟で決まっているから……なんて、下らない」
紫水晶のような瞳をイェオリに向け、他の冒険者たちとの会話を聞いていたリコリス・アデュラリアが、低く、冷たく言い放った。
(……勘違いも甚だしいですね)
怜悧な美貌の下で、静かに軽蔑する。この男だけの問題ではないから、今は何も言わないが。
「サリが、口減らしの実行者である母親や家族をどう思っているかわからない。……家族ですら、復讐の対象かもしれないよ」
金の瞳を翳らせて、キオルティスが言う。
「その時、母親は何をしたんだろうな。サリを傷つけたとしても、せめてもの親心で逃がしてやったんじゃないか……と思いたい」
イズルの脳裏に、大きく痛々しい傷跡を残したサリの顔が過った。あの日「お前があの村の巫女か」と問うたイズルに何故彼女が顔を顰めたのか、今なら理解できる。
「けど、サリが家族に危害を加えると思って行動したほうがいいね。妹さんは臨月だし、子どもたちも小さいんだ。一歩間違えれば……取返しのつかないことになる」
「……そうですね。気をつけましょう」
それぞれ得物を携え、ギルドを出ていくキオルティスとマリイ。エリザが億劫げに立ち上がり、ゴリラの背を叩いて促した。
「……ったく。面倒なことになっちまったよ。サリにしてもさ、タルフネイリのことなんか忘れて今頃どっかで静かに暮らしててくれないかね」
「……」
彼女が闇の中に消えていくのを、無言で見送るイェオリ。準備を整えた江流、ヘレン、イズル、リコリスもその場を去っていき、ギルドに静けさが戻った。
「さて……わらわも行くとしよう」
最後に歩み出したのは、ずっと黙って話を聞いていたサーヤだ。
憔悴しきったイェオリの視線の先で、彼女は顎に片手を当て、独特の香りを漂わせながらウンウンと深く頷いてみせる。
「わらわも旧弊に縛られたド田舎の出身、かつ追い出された身。そなたらタルフネイリの心情も、サリの心情も、よぉ~くわかる」
「そう、でしたか……」
臭いけれどな。と付け加えながら尊大な態度で話すサーヤから、イェオリはなぜか目が離せなかった。
「だがの。それは時代の変わり目から目を背ける理由にはならぬのだ。そなたらは、変わらねばならぬ」
長きを生きた彼女の言葉は、まるで冥き棘のように。
イェオリの胸を突き刺し、疼かせた。
●
「まあ話を聞いてよ、諸君……」
夜の枯れ森に、のんびりとした女の声が響く。
「私はサリを討伐したい。君たちの邪魔をするつもりもない。ギルドからサリ討伐のお達しも出てるからね。懸賞金が掛けられているんだよ。しばらく寝て暮らせるくらいのお金が出るの……」
サリの登場を待つ長派の里人たちの前に現れたのは、大太刀を腰に携えたヘレンだった。彼女の顔を知る者、知らない者ともに、濃い警戒の色をもって出迎える。
「そんな話は知らん。たとえそれが事実であろうとも、なぜお前は此処にいる? 誰から聞いたのだ」
(そっか、そう来るよねー……)
問われたヘレンは咄嗟に思考を巡らせ、それらしい創作話を堂々と口にし始める。
「サリの情報がないかと思って里に行ってみたんだよ。そうしたら、サリの家族がどうとか、沼がどうとか、大騒ぎになっていてね……」
目の前の男と話しながらも、長の姿を探した。皆似たような顔であるだけに見分けづらいが、服装や雰囲気は覚えている。
「江流さん、見えるかい?」
枯れ木の陰に潜み、キオルティスが小声で江流に問う。沼の南側は明るく、暗視をもたない江流の目にも、沼に沈められた4人の姿が確認できた。
「ああ。向かって左から母親、妹、姪だな。エアーライドで引き上げるなら端から……。キオルティスさんは姪を。そのすぐ後に俺が妹と甥を助ける」
「ならば、わらわは母親じゃな。キオルティス殿と同時に動くのがよかろうの」
2人の傍で、サーヤが沼との距離や突入角度を検討し始める。リコリスは長らがこちらに気づいていないことを確認し、仲間たちに声をかけた。
「ウォーターウォークもかけておいたほうが良いでしょう。皆さん、こちらへ」
自身の周囲に仲間たちを集め、水上歩行の魔法をかける。万が一への備えだ。
「敵数23。沼の西で丸太をおさえているのが4人、ヘレンさんの周りに9人、西の奥に4人。沼の西に2人、東に2人、北やや西よりに2人います」
「木の上なんかには……居ないみたいだよ。枯れ木だから登れなさそうだ」
捜波を駆使して里人の数を探り、マークを付与したマリイとキオルティスがその位置を仲間たちに伝える。
サーヤと江流がエーテルをその身に張り巡らせ、瞬時に気配を消した。
エリザはじっと目を凝らしてヘレンと里人の様子を伺う。相手は非授恵者だ。相応に手加減しながら迅速に制圧するためには、誰を最初に狙うかの見定めが重要だった。
「まだかよ。さっさと伸しちまおうぜ」
「まあ待ちな、アーテミシア。あと、殺すんじゃないよ」
「わーってるよ依頼だからな」
小声で言い合うエリザとアーテミシアの視線の先で、ヘレンが不貞腐れたように頬を膨らませて騒いでいる。
「入れてくれないなら無理やり押しとおるからー。賞金かかってるしー。……あれ? もしかして長?」
ヘレンを威圧するかのように歩み出たのは、見覚えのある服装のエルフだった。アーテミシアが獰猛な視線を彼に向け、斧を握り直す。
「西の奥から出てきましたね。そちらには残り3人。巫女がいるかもしれません」
「丸太組は……あれか。コルデラと君も来てくれるなら心強い」
沼の西に視線を遣るマリイの横で、白狼とゴリラがイズルの傍に歩み寄った。彼らはサリの家族の命綱である丸太を守る役割だ。
「あーもう、そんなこと言うー?」
ひときわ大きく、ヘレンの声が響いた。
「武器をおろせー。手を挙げろー。さもないと長の命はないぞーー」
ヘレンが大太刀を抜き放つ。
それが合図だった。
エルフ達の怒号が響くと同時。十分に索敵と準備を終えた冒険者たちが、枯れ木の間を抜け各々の目標に向けて駆け出した。
踏み込んだヘレンが剣を手にした男に遮られ、鉄の盾を振るって打ち据える。悲鳴を上げる間もなく男が吹き飛び、無残に折れた腕を抱えて地面に転がった。
「おいマジかよ!? 脆すぎンだろ!?」
それを目の当たりにしたアーテミシアが、思わず驚愕の声を上げる。依頼ならば殺さない程度にとは冒険者の誰もが考えていたが、碌な訓練も積んでいない非授恵者の脆さは想像以上だった。攻撃の威力、当てる位置を慎重に選ばなければ、簡単に致命傷を与えてしまう。
(厄介だね。狙って殴るのが一番効率が良いってことかい?)
長を連れて逃げようとした男の胴に、エリザが軽く放り投げた長杖が衝突する。胃の中身をぶちまけながら苦悶の呻きを上げるエルフ。
「あああ面倒くせぇ!!! おいクソジジイ! 死ぬより後悔しながら死にやがれ!」
急前進したアーテミシアが、狼狽した長の横顔目掛けて殺気を放った。ぐるりと振り向き、恐怖の表情を浮かべながらも彼女に惹きつけられる長。斧を手に現れた全身鎧の新手に周囲の男たちが浮足立つも、長を置いて逃げることはできない。
「弓兵を先に!」
「ええ! さあ行きますよ。授恵者を甘くみないでください!」
沼の東で江流が射手2名に奇襲を仕掛け、両の得物で弓を斬り飛ばす。その声を聞き終わるより早く、マリイの魔弓が引き絞られた。
沼の西から姿を現し、ヘレンを狙っていた射手が金の瞳に映し出される。唸りをあげて飛んだ呪矢は彼の弓を易々と粉砕し、すぐ後ろにあった枯れ木を貫き幹に大穴を開けた。
「ひっ……!」
バキバキと音を立てて枯れ木が倒れる。腐りきった土が舞い、もう一人の射手が大きく咳き込んだ。
土埃を突っ切り、エリザが射手を殴り倒す。地面に落ちた弓を左足で踏み砕き、沼の中央を振り返って叫んだ。
「アタシらはギルドの授恵者だ! 依頼でアンタらを助けに来た!」
ガチガチと歯を打ち鳴らし、わずかにこちらを向いた3人に対して。母の背に負われた男児は微動だにしない。
(冗談じゃないよ! こんな馬鹿な奴らのために何で子どもが!)
確か1歳だ。その小さな体は、半ば以上が沼に沈んでいた。
「北の2人が動いてない!」
「私が行きます」
マークを付与した敵の気配からそれぞれの位置を探っていたキオルティスが、この騒ぎの中にあっても動かない沼の北の2人を怪しみ声を上げる。すぐさま反応したリコリスが沼の上を走って対岸に向かった。
暗闇から飛来した矢を鉄壁で弾き返し、自身と背後にいるサリの家族を守る。
「一つ人よりいいにおい、二つ不埒な悪臭三昧、三つ魅せるぞ最臭奥義。灯りを消すぞーい!」
高らかに響いたサーヤの声と同時、沼のほとりの焚火が閃光とともに爆裂し、消し飛んだ。
戦場が闇に包まれ、月明りが落ちる。アーテミシアが長の周囲の男たちを斧の背で吹っ飛ばし、マリイの矢が2本目の大樹を地面に横たわらせた。
丸太を押さえていたエルフ達から悲鳴が上がる。
サーヤがそちらへ視線を向けると、白狼に押し倒され仰向けに転がっている男がひとり。イズルに戦槌を突きつけられ、情けなく地面に尻をつけている男が3人。
その傍らでは、ゴリラが丸太を抱え込むようにして固定し、全体重をかけて地面に押さえつけていた。
「そのままでいてくれるなら、何もしない。ただし、丸太を動かしたら無事でいられるか、責任は取れない」
「ひっ……た、助けてくれ! 俺達は長にやれって言われたから――」
「……。本当にやらざるを得なかったのか?」
にじり寄りながらのイズルの言葉に、男は口ごもる。駆け寄ったエリザが男達の武器を蹴り飛ばして遠ざけた。
●
「長を捕まえたよー。巫女もでてこーい」
ヘレンの声が響くと同時、江流、キオルティス、サーヤの3人が動き出す。沼の西側でイズルが光球を浮かべ、水面を明るく照らした。
「北側、制圧しました」
鉄壁の向こう側から、宿り木の長杖を手にしたリコリスが顔を出す。
「丸太を確保したね。行くよ」
わずかにタイミングをずらし、キオルティスとサーヤが先に、江流が後に、風をまとって加速した。沼の手前で強く大地を蹴り、それぞれ片手を斜め下に伸ばして空を滑る。
(必ず、助けるから――!)
キオルティスの左手が少女の細い腕を掴んだ。
怪我をさせるかもしれないが、迷っている暇はない。瞬間的に強く引き、そのまま宙を駆けた。
「わらわに掴まるのじゃ! 臭いがの!」
攫うように水面から引き抜かれたサリの母親が、サーヤの身体にぶつかる勢いで抱え込まれる。
(背中の子は――!?)
両側が引き抜かれた泥飛沫の中、江流がサリの妹・キサに迫った。その背に負われた子の様子を確認することもできないまま、女の腕を掴む。左腕にずしんとかかる重みをものともせず、渾身の力で引き抜きながら沼の対岸に立った。
「そちらの陰へ。私はこれらを退かします」
沼の北側で待っていたリコリスが、枯れ木の陰へとシーフ達を誘導する。彼女は長杖を構えて周囲を警戒したまま、昏倒させた2人の男たちを沼の西側へと引きずっていった。
「大丈夫かい、レディ? さあ、これを使って」
目視でわかるほど激しく身体を震わせ、怯え切った瞳を向けるサリの姪・ファタの頬を、キオルティスが優しく撫でる。急いでマントを外し、冷え切った小さな身体をふわりと包んだ。
「これも臭うがの。できれば皆、濡れた服は脱ぐのじゃ」
同じくマントを外したサーヤが、サリの母であるルリにそれを与えて暖を取らせる。
「……む、娘、と孫……を……」
「救出済みじゃ。安心するがよいぞ」
そう答えたサーヤだが、不安がないわけではない。見れば、キサにマントを掛け終わった江流が男児を温めるように抱え、胸に片耳を当てたり鼻口の前に手を翳したりして生死を確認していた。
「ザ、ザハ……」
「大丈夫だ。生きてる」
キサが安堵の息を漏らしたのが、気配でわかる。江流は沼の周囲が制圧されつつあることを確認し、大声でマリイを呼んだ。毛布を抱えて白狼とともに現れた彼女は、江流から男児を受け取ると、負傷がないか確認しながら濡れた服を脱がせる。
「コルデラ、そこに丸くなって」
男児を心配そうに嗅いでいた白狼が、マリイの命で地面に腰を下ろす。くるりと身体を曲げて丸くなったところへ男児が置かれ、毛布が被せられた。
火の気のないこの場所では、ヒトや犬より高い狼の体温と暖かな毛皮が頼りだ。
「このまま温めましょう」
「わかった。ヴォルゴールさんも呼ぼう」
江流は沼の西にいたイズルに手を振って合図する。今は、少しでも医療知識のある者が傍についているべきだろう。
「腹の子も心配じゃ。わらわは沼の西の騒ぎを早急に鎮めてこよう」
イズルと入れ替わるように、サーヤが飛び出して行く。マリイはキサの服を脱がせてマントを羽織り直させ、白狼に抱かれた男児の様子も見ながら、枯れ木の森へとエーテルの波を走らせた。
「江流さん、ここは任せるよ。一刻の猶予もなさそうだからね」
ファタとルリをキサのそばに寄せて護りやすくしてから、キオルティスもまた沼の西へと向かっていく。
「臨月か。よく今まで耐えたな。痛みは?」
駆け付けたイズルの問いに、「少しだけ」と弱々しく答えるキサ。
「出ていけるようになったら、すぐに里へ戻ろう。里に産婆はいるか?」
この環境で万が一のことがあれば。いくらイズルでも、弱った母体と胎児を守り切れるほどの自信はない。自身のマントも外し、キサの腹に重ねた。そのまま、ザハの様子を見に移動する。幸い、4人とも命に別状はないようだ。
「大丈夫、もう怖くないからな」
江流が、震えの止まらないファタをマントごと抱き上げて擦っていた。
(この子の祖父と父親は……まさか目の前で?)
強く、奥歯を噛みしめる。
●
「あァ? テメェ、なに勝手に動いてやがる!」
逃げ出そうとした男の片足を踏み折って、うんざりした声をあげるアーテミシア。周囲には、手足を中心にどこかしらの骨を折られて呻く男たちが何人も転がっていた。
「声だお告げだって自分の頭で考えないから鈍るんだよ、このボンクラ共が」
ヘレンに羽交い締めにされた長の頬へ、エリザの平手打ちが飛ぶ。
「サリだって、声を聞いて動いてる。ハイアルヴの意思は、間違いなくエルフの存続とイコールなのかい? 長や巫女だけじゃないよ。アンタら、お告げだって言われりゃ何しても救われると思ってるんじゃないだろうね?」
「そなたらも同胞ならば理解できよう。我らは森の意思に沿い、森とともに生きる。その中で我らは、最善の道を征く」
長は恐れの色もみせず、静かに答えた。
「一緒にすんじゃねえよ」
「考えが足りなさすぎますね。そうまでして聖域とやらに縋ったところで、飢えて死ぬしか道はありませんよ」
低い声で唸り、枯れ木の幹に背中を預けるアーテミシア。リコリスは氷を思わせる目で長を一瞥してから、サーヤと共に里人達の負傷を見て回る。
「キミが巫女だね」
キオルティスは目を細め、長の後方からゆっくりと姿を現した長身の女と2人の男を冷たく見据えた。
「いかにも。どうやら身共の負けじゃのう、長よ」
引きずるほどの長衣の袖を上げ、女は口許を押さえて長を見る。氏族の顔を、薄気味悪く歪めながら。
「サリの家族はハイアルヴが一度認めた者たちだ。それをなぜ、今になってハイアルヴが殺し直せと言うんだい? それを実行すれば、森が再生するとでも言うのかな」
「わかっておろう、若者よ。今のタルフネイリに必要なものは、結果ではない。救いと絆じゃ」
「救いと絆って……」
ヘレンが呟き、小首を傾げた。
「サリを殺せば皆が救われるよーって嘘ついてガス抜きさせてあげれば氏族がまた団結できるとか、そういうこと? 意味わからないなー」
「兎も角、話の続きは里に戻ってからにしようか」
エリザが巫女を後ろ手に拘束し、供の男2人に武器を捨てさせた。
「そうだね……」
キオルティスは沼の北を振り返り、光球の下のマリイと視線を合わせる。頷き合い、彼は巫女のすぐ横の木陰へと顔を向けた。
「――キミは、何か言いたいことはないのかな? レディ」
キオルティスとマリイは、少し前からその気配に気づいていた。乱入するでもなく、じっとその場に留まり続けていた彼女の存在に。
「――ないわ。あなた達が代わりに訊いてくれたもの。本当に呆れたものでしょう?」
うふふ、と笑いながら現れたのは、大山猫を従えた金髪のエルフ。その声音に反して、巫女を見つめる彼女の目は研ぎ澄まされた刃物のように鋭い。
「随分、遅い登場ですね」
杖の先を向けて警戒するリコリスに、サリは「そうね」と応じる。
「あなた達が先にいたもの。私を警戒してるみたいだったし、それなりに痛めつけてくれそうだったから」
授恵者9人が見張っている中に飛び込むのは無理よ、と彼女は言った。エリザは右手に杖を握り直し、真っ直ぐにサリを見る。
「アンタに言いたいのは、『キウラを巻き込むな』ってことだけだ。気が済んだならもう行きな」
「キウラもエルフよ。この大森林の社会で生きるエルフ。無関係じゃないわ」
「面倒臭い女だね。タルフネイリの事情に関係がないって言ってるんだよ」
ウンザリ顔のエリザの傍で、ヘレンはサリをじっと見つめ、彼女の真意を探っていた。彼女が長らや家族に危害を加える可能性は、本当にないのだろうかと。
「やぁ、サリ……。この人達が救いようのない連中なのは分かったよ。だからこの人達をどうするかは里の人達に決めてもらおうって思うんだけど……どう?」
「里の……?」
サリは突然、我慢できないといった風に口端を歪め、噴き出した。
「ふふふ、ふふ……あぁ、可笑しい。あなた達、この人達を里に連れて帰るの? 袋叩きにされたりしないかしら? これからどうやって生きていくのかしら?」
憎悪。復讐。そんな感情よりも愉悦が勝るかのような表情で、サリは冒険者達に問う。その両目は気味が悪いほどに爛々と輝き、長から巫女へ、そして沼の北で彼女の様子を窺う家族へと視線が移された。
「あの人たちも可哀想。森に選ばれたと思っていたのに。私が選ばれなかったと思っていたのに。どんな気分かしら。男連中は死んだんでしょう? うふふ、可哀想。可哀想ね」
母と妹の、恐ろしいものを見るような目を。
サリは、笑みすら浮かべて見つめ返していた。
キサを庇うように立ち、沼の北でマリイが弓を取る。子どもたちを背に隠し、江流が刀の柄に手を掛けた。長と巫女をも後ろに下がらせ、冒険者たちは警戒の色を強める。
するとアーテミシアが樹の幹から背を離し、渋々といった様子でサリの前に立った。
「……だから回りくどいって言っただろ。さっさとやっちまえばこンな面倒なことしないで済んだんだぜ」
「そんなことないわ。私が一人や二人殺したところで、エルフは変わらないもの。何かを変えたいなら、全部壊さなきゃ」
「あんなゴミども、構うだけ時間の無駄だぜ。……もう行けよ。あいつらがゴネたって、最悪裸にひん剥いてスマキにしてキウラに手紙つきで放り込んでやりゃ考えも改まるだろ。そンでもダメなら、後はテメェの好きにしな」
「裸に? ふふ、素敵なアイデアね」
フン、と不機嫌に鼻を鳴らしたアーテミシアを、サリはしばらく興味深そうに眺めていた。しかし、本当にもう用はないのだろう。くるりと背を向け、大山猫とともに枯れ森へ歩いて行った。
「……待ってくれ」
サリを呼び止めたのは、イズルだった。サリの家族の容態を気にしながらも駆け寄ると、静かに両目を伏せた。
「事情を知らなかった。すまなかった」
警戒はしながらも、頭を下げる。
「でも、お前のやり方も良くない……と、俺は思う。里を襲撃したり他人を手にかけるのは、やっぱり感心しない。……それだけはわかってほしい」
イズルの言葉を、サリがどのように受け止めたのかはわからない。しかし、彼女は少し驚いたような、意外そうな表情で、彼を見つめていた。
「声は続いてる。あの人が死んでも、この森はまだ――」
彼女はどこか上の空で、どこか悲しみを帯びているようにも見えた。
やがてイズルを見、突き刺すような視線で里人達を見、ゆっくりと森の闇へと進んでいく。
「……謝れない人も大勢いるのに。あなた、きっと良い人ね」
●
「……お告げを利用してきた長や巫女も不愉快ですが。自分達はただの騙された被害者だと、勘違いをしていませんか」
長ら一派を連れ帰った里の真ん中で。
喧々囂々たる非難を長らにぶつける里人達へ、リコリスの軽蔑に満ちた一言が突き刺さった。
「今まで犠牲となった人々からすれば、盲目的にお告げに従い、彼らを庇いもせずに見殺しにしてきたのなら、同罪でしょう。一方的に長や巫女を責めるのは筋違いです」
「それは……」
ざわざわと、言い訳じみたざわめきが里人達の間に広がっていく。面と向かって言い返す者はおらずとも、誰かを責めずにはいられない。そんな空気が、タルフネイリには未だに漂っていた。
「しずまれ、しずまれい!」
マントをバサリと翻し、独特の香りとともに場を鎮めたのはサーヤだ。
「これまで口減らしはやむを得なかったやもしれん。が、皆も判断を長らに丸投げして被害者ぶるのは言語道断。双方痛み分けじゃ」
「ですが、この里を統べる者としての責任は……」
チラリと、マリイやイズル、エリザの治療を受けている長ら一派を一瞥して、年若げな青年が声を上げる。しかし、彼らの前に座した江流の厳しい目付きに圧され、言葉を呑み込んだ。
「あんたら双方の都合は知らんが、そんなモノ奪う側の都合でしかねぇよ。奪われた側が、あんたらには責任がないと言うと思うか? サリは無関係のエルフを殺した。それは許されることじゃないが、長や巫女に留まらずあんたら全員に怒りを向けたからそうしたんじゃないのか」
「まぁ、結局私達がどうしようが、里の人達に変わる気がないとねー……」
押し黙る里人達をぼんやりと眺めながら、ヘレンが独り言のように呟いた。キオルティスが頷き、どこか納得できない様子の里人達を穏やかに諭す。
「長たちだけを悪者にしたって、何も解決しないよ。キミ達には、これからのことを話し合ってほしいと思ってる」
江流はひとつ息を吐き、目の前のエルフ一人一人の目を見ながら言葉を続けた。
「自然は優しいだけじゃないなんて、森に生きるあんたらなら分かりきってる筈だろ。何故、古い風習に捕らわれて備えようとしない。何故、他者と協力して乗り越えようとしない。それが出来ない種族は滅びるべきだと受け入れる事すらできない事の方が自然の摂理に反してるんじゃないのか? ……これ以上はやめにしようや」
最後に、イェオリと目が合った。彼は膝の上で拳を握りしめると、立ち上がり、里人達のほうへと向き直る。
「――私達は、生きなければならない。里を捨て、新たな土地に新たな里を築きましょう」
ざわり、と。再びエルフ達の間に動揺が走った。
しかしそれは、森が枯れ始めた時からずっと、彼らの頭の隅に存在していた選択肢なのかもしれない。
そして今度はマリイが、黙したままの長ら一派へと向き直った。
「長きに渡り里を統べ、守り、時には心を鬼にする。家族を想う心を知っている貴方達がその決断をするのはきっと苦しかったでしょうね」
相変わらず威圧的な長と、諦観の色を浮かべながらも冷たい微笑を讃える巫女、そして項垂れる男たち全員へ、彼女は優しく微笑みかける。
「今、世界は大きく変化しています。苦しい変化も多く、大国が滅び森が枯れ、多くの人と手を取り合わなければ乗り越えられない事が沢山あります。氏族を、家族を守るために、お願いします。私達を信頼しろとは言いません。ただ、これからは――誰も殺さずに済む道を選んでくれませんか」
彼らは口を閉ざしたままだ。しかし、異を唱える者はひとりも現れない。
彼らの処遇は、里人らが決めることになるだろう。長と巫女は、まず間違いなくその地位を失うことになる。
それでも、彼らが――二つに割れたタルフネイリが過去と正しく向き合い、互いに歩み寄ることができれば、きっともう悲劇が起きることはない。マリイは、そう信じていた。
「やり直すつもりなら、犠牲者を忘れる事は許されません。もし再び間違えたのなら……今度は私が殺しに行きますので」
リコリスが見回した中には、両目に涙を浮かべている者もいた。
――子を、親を、友を捧げた罪と悲しみを、彼らはこれから永遠に背負っていくことだろう。
「里単位での大移動かい。責任重大だね。イェオリ」
「ええ。……移住先の選定から難航しそうではありますが。これからは氏族皆で力を合わせ、乗り越えていきます」
明朗に微笑って背中を叩いたエリザに、イェオリは苦笑しつつも真摯に頭を下げた。
「では、最古老の方々に事情を説明し、希望者の行き先が決まるまで預かって貰えるよう頼むのが妥当でしょう」
「森から離れたいやつがいれば、ギルドで移住先の心当たりがないか聞いてみよう。外の世界と関わるエルフなんて大勢いるんだから」
「そうだな。街で暮らすエルフだって珍しくはないし、古い慣習から逃れるための移住なら、そういう選択もあっていい筈だ」
リコリス、イズル、江流が助言し、これからの段取りを具体化していく。
イェオリらはそれを真剣な眼差しで聞きながら、方々へ出す使いの者を選定していった。
「――そンじゃ、帰るぜ」
そして場が落ち着いた頃。少し離れた草地で寝転んでいたアーテミシアが立ち上がり、大きく伸びをしてマントを翻す。
「仕事が終わった後にどうなろうが、死ぬほどどうでもいい。二度と面倒かけんじゃねえぞ」
深く、深く頭を下げる里人達に見送られ、冒険者達はゆっくりと里を後にする。
新たな命の誕生を告げる産声を、その背中で受け止めながら。
マスターコメント
ショートEX難しい 報酬:標準9 / 4〜10人
2021年11月10日 16時12分42秒 公開
相談掲示板
ウォリアーのアーテミシアだ。よろしくな … …… ……… なあ、なンでこれアイツ等生かしておかなきゃいけないンだ? 依頼の内容って家族を助けてくれってだけだろ?
ウォーリア―のヘレン―・・・・・・よろしzzz うーん、ここで死なせても寝ざめが……いつも通りだと思うけど、長らがここで死んでも村からまた同じ考えを持つ人達が出て……って感じで終わらないと思う……。長達の処遇は里の人達にでもしてもらう為にも生かしておく必要はあると思う。古い体制を里の人達もっと言えばサリの一族みたいに迫害されてきた人の手で破壊するためにも長達はここでは生かしておくのがいいんじゃないかな……。 ……まぁ、どの道追放されるか処刑されるかの道をたどりそうな気はするけど。
は、考察だけして何するか話してなかった……。 長の人達にサリ討伐にタダで協力させてほしいって言って潜入するのどうかなって考えてプレイング立ててるよ。人数的に気づかれないように長と巫女を探し出すのは現実的じゃなさそうだし。わざと捕まるフリとかするのもたのしそry有効そうかなって。てれぱしーとか使えば人員配置とか伝えられそう。
キャスターのリコリス・アデュラリアと申します。 ……よろしくお願いします。 今まで犠牲となった人々からすれば、巫女や長達にただ従い 彼らを庇いもせずに見殺しにしてきた人々も同罪だと思いますけどね。 その事から目を背け、今までの責任や罪を巫女や長達に全て押し付けるというのも なかなか不愉快……もとい、滑稽ですけど。 サリ討伐に加わるのも申し出る場合 懸念としてはエルフの氏族の多くは他種族に対して排他的である者は少なくないので 仮にその案を実行するのなら誰かエルフが代表者として申し出て 他種族はその仲間や護衛として振る舞う必要があるかと。 そして、サリが出現した場合は 不本意ながら彼女の家族以外も守る必要がありますけど サリをこの場で討伐するのか、撃退までとするのか決めておく必要もありますね。 私個人は、撃退に留めて良いと考えていますが。 あくまで今回受けた依頼は、彼女の家族の救出ですから。 今後の口減らしに関しては、有志が意見を述べれば充分でしょうか。 こういうものは意見を統一するよりも色々なものがあった方が良いでしょうし。
ヒーラーのイズル。よろしく。 外との交流が殆どない集落なら「口減らし」もわからないわけじゃない。 「森のお告げ」を使った独裁がまかり通りやすかったんだろう。 小さな集落や土地には大なり小なりその土地に根ざした慣習や因習ってのはある。 もちろん、王国や帝国にだってあるだろうしな。 俺が考察とか村に対する感じ方を長々話しても仕方ないからな、必要があったら話す。 とりあえず、今回の依頼の「家族を助ける」ってことなら、 ヘレンの作戦に乗るかは別にして、長と巫女に近づいて速攻で抑えたいのは賛成出来る。 敵は長と巫女に心酔してる感じなら、非授恵者だし押さえれば制圧も早くなりそうだ。 個人的にも森の意志については聞きたいしな。 ただ、非授恵者といっても剣と弓で攻撃バランスは割と良いと思う。 あと、長と巫女が戦闘に参加…はしないかもしれないが注意程度には気にしたほうが良いかもな。 家族の方は、助ける順番、または一気に助けるかどうかは相談したい。 家族が弓で狙われてる部分は、戦闘との兼ね合いもあるだろうしその時に話せればいい。 俺としては全員一遍に助けたいが、順番を決めなきゃいけないなら身重で子供背負ってるサリの妹から助けたい。 長くなったから、最初はここまでにしておく。
半死半生にして心へし折った方がいいンじゃねーの? まともな説得で言うこと聞くなら1回目の依頼で多少は自重してただろ。 これで説得で済むなら野盗だって説得で済ませられらぁ。 それと、オレは代表者ぜってーパスな。 弓矢で狙ってくるやつはシーザーロアを使えばこっちに引き寄せられるはずだ。チャージングで範囲に入れる程度の時間を稼いでくれればそっちはオレで何とか出来ると思うぜ。 で、サリ撃退する必要ないンじゃね? あれの家族助けるってンなら助けさせて、こっちがそれの手助けすれば人手も増えて楽できるぜ。
エリザだ……まあ、なんというか。 相変わらずという感想だね。 アーテミシアの言わんとすることは分かるがね。 そもそもの話としてこのテの問題ってタルフネイリに限った事じゃないんだよね。 アタシの祖もキウラへ逃げた連中と同じような境遇だったって話もあるし。 サリについては、今回は放置していていい気はするね。 敢えて討伐する必要を感じないし、なにより手が回らない。 邪魔さえしなければよいんじゃないか。 村長なり巫女に話を付ける代表者役は……やってもいい。 うまく出来るかは自信がないが、エルフ以外が名乗りを上げるよりはマシだろう。
出遅れすまんね。シーフの海神江流ですよと。 しかしまぁ、なんとも胸糞悪いお話です事。 俺はタルフネイリの里の民とは合流せずに、ハイディングして弓持って待ち構えてる連中をおさえに回ろうかな。 長や巫女が把握できない範囲で、サリが出てくる前に弓壊しちまうでもいいと思うし、事前に動く事が具合悪そうなら、調整はするよ。 エアーライドを用意しておくから、沼に飛んで家族を抱えて離脱するとかはできると思う。 この辺も直前までなりすましてあっちに紛れるなら、救出の手順は間違えないように打ち合わせしておきたいね。
遅くなってごめんね。 シーフのキオルティス。キオでもルティスでもお気軽に。宜しくね。 …んー とりあえず代表者の案は今まで見て来たタルフネイリの特性から言って ちょっと効き目は薄過ぎるかもしれない。 例えば代表者を作ったとしても、現状のピリピリムードの中で長や巫女に 会わせてくれる率って低いかな…と個人的には思うよ。 因みにサリの家族を助けるのにサリに任せず、俺たちも助けに入るのは 必須だと思う。サリがどういう心境なのか分からないって言うのが理由。 サリは口減らしに合った。それを実行したのは家族(母親)で… その存在をどう思ってるかはサリしか分からないよね。 もしかすると憎んでいるかもしれない、って考えると現状からサリの家族を サリ自身が助ける確率はどのくらいになるのか分からないし。 放っておいて構わないと唯一俺が思うのは、サリの眼中にあるのが元凶の タルフネイリの者たちを淘汰している時のみ…かな。 江流さんがエアーライドを用意するなら、俺も用意して行くよ。 なるべく少ない回数でサリの家族は助けたいしね。 母親は年齢、妹は身重、姪と甥は幼い…って考えると即時でも助けないと危ないかな、と。 …とりあえず長くなったので、これで切るね。
んーっと、私も代表者はエルフでも人間でも効き目無いと思ってるし、代表者とかは立てる必要ないんじゃないかな? 形式ばった形で交渉するとむしろ怪しまれるかもしれないって私は思ってるよー。 タルフネイリの人達はギルドの事よく知らないと思うんだ……だから、金で雇われた傭兵感を出して強気にサリ討伐に加えさせろって迫るの。で、もし拒否したら金が掛かってることを強調して大騒ぎして、それでも入れてもらえそうになかったら実力行使。サリの家族の救出は悟らせないよう、荒くれ者を演じながら暴れるって感じで。 すんなり入れてくれたら、配置報告、暴れる流れになったらその旨を皆にテレパスで伝えようかなって考えてるよー。 この依頼、長達と私たちの関係が初めから敵対だったら強引に突破するしかないけど、中立よりのぴりぴりした感じだから、そこを利用して目的遂行するのがいいんじゃないかなーって思うよー。
考えてみればあのジジィ共の処遇はサリの考え次第じゃねえかと思った あいつがジジィ共をブッコロしたいって言えばオレ達に止める権利はねえな。 ついでに言うとオレは止める気は無い 救助に関しては矢を放たれたら不味いし、口火はオレがシーザーロアで切ったほうがいいかな 注意を引けるのは一人だけだけど、気をそらす程度は出来るはずだ
まあ、氏族の者達との協力は代表者の有無も含めて希望者に任せます。 私個人は氏族と協力する気は皆無ですので、これ以上そちらの作戦に口出しをしません。 サリと巫女・長の扱いですが、これは別々に考えるべきかと。 理由としてはあくまで私達はサリではなく、イェオリから依頼を受けているからです。 つまり、サリではなく彼の希望を最優先して叶える義務があります。 そして彼からの希望、もとい依頼内容は 「人質の救出」「長達を死なせない(出来れば今後の凶行も阻止)」 こちらの二点になるので、これらの邪魔にならない範囲内であれば サリの扱いなどは私達の判断に任せて頂く形でも問題は無いでしょう。 それも踏まえて、私はサリに関しては上記二点の邪魔になるのであれば 討伐はせずとも撃退はすべきと考えていますね。 ……もっとも、今後の事も考えて 死なない程度に長達には危険を味わって頂く、という手もありますけど。
出遅れ感炸裂気味のサーヤであるがよろしく。 そもそもが排他的で有名なタルフネイリの連中が身内の恥すすぎによそ様の手を借りるとは 思えんがどうじゃろうかの? 強引に横槍ぶちかまして人質かっさらうほうがいいと思うがの。 サリは巫女側の敵であるのなら敵の敵は味方というから今回はほっといてもよかろうて。 むしろ横槍で長らを害するようなら阻んでやるくらいでええじゃろ。 リコリス殿の提案に魅力を感じるがそれはサリがこちらと共闘するという確約がなければ画餅 にすぎんじゃろう。長らの身の確保が依頼条件になっている以上そこは譲れんな。
確かに狂気を止めろって言われたけど五体満足でとは一言も言ってねえな。 とはいえ説得してみるなら止めねえよ。失敗したら肉体言語でオハナシにかかるけどな。 トチ狂ったバカをブン殴って正気に戻すのは昔からよくあるしな。 それでも駄目なら……そうだな、隣にもう一つ耳長の里があるし、スマキにしてそこに放り出すか。 ああ、あと殴りかかってくる連中は最低でも骨の一本や二本くらいはへし折って転がしとくぜ。 撃っていいのは撃たれる覚悟の有るやつだけだし。
まぁ、入れてもらえそうになかったら、賞金目当てであるのを強調しつつ押し入る……って方法がいいと思ったの。サリの家族を助けに来たの悟られてしまうと、最悪一人くらい殺されてしまうかもしれない……と思うの。長男とか殺したあの長達ならやりかねないなーって……。後は肝心の弓兵とかも隠れてるみたいだし、配置を確認する意味でもいいかなーって。 後はサリがどういうつもりで来るかわからないから、完全放置はできないかな……。最悪人質だと思ってた人達すらも恨んでいて殺すつもりかもしれないし、そうでなくても多分長側を虐殺する気はありそうだし。私は遭遇したらとりあえず殴っておくね。 事件後の説得なりげんこつタイムに関しては各々がやって、刺さるものがあればいいくらいの感じでいいんじゃないかな。私個人は里の人間達に言葉掛ける程度であとは彼ら自身で解決してもらうことにしようと思ってるよ。外から来た人達がいくら言ったり圧力加えて変えたところで多分またもとに戻るだろうなーって思ったから。
えーと…ヘレンさんの意見も一理あるんだけど、タルフネイリ関連で 今までも動いていた俺たちが、急に賞金目当てで押し入るって言うのは 若干の無理が生じるかと思う。 それなら俺はサーヤさんが言うように強引に横槍を入れてしまった方が 良いんじゃないかな…とも。 サリの家族救助に関しては偶々そこに出食わしたから救助したまで… じゃダメなのかな?人道的な判断を置けば、誰が相手だろうが普通の 状態でないことは一見で分かる。 そこにはサリの在不在、タルフネイリの行動も関係ないよね? ただ。俺たちはタルフネイリ側が弓で狙ってるコトを知ってる。 だからこそのアーテミシアさんからのシーザーロアの申し出や 江流さんの事前行動なんじゃないのかな?異論は受け付けるよ。 サリさんに対しての懸念は初っ端にも言った通り。 ヘレンさんと同じくサリさんの感情がどうなっているかが分からない。 確実に長や巫女には復讐するだろうし、タルフネイリの民にもその 憎しみの矛先も向けると思う。 ただ、家族に関するサリさんの胸中は計り知れないよね。 憎んでいるのか。それとも思わず助けてしまうのか。 その点を踏まえて、サリさんが家族以外を傷付けるのは俺は止めない。 ただ、長と巫女に関しては致命傷にならないよう、配慮はするかな…。
「連れ去られた者たちを助けてください」って言うのが今回俺達が受けた依頼だから、 そこについても、そろそろ話し合いたいけどいいか? ・詳細な人数は不明ですが、弓や剣で武装した男を中心に20名はいるようです。 状況的に「周囲の木陰や暗闇に複数の男たちが隠れ、矢を向けています。」だから、最初に視認できる人数は数人かもしれない。 あと、「サリが家族を助けに現れたら丸太を引き」ってことだから、丸太を抑えてる人が見えてると仮定しておく。 サリの家族を助けに行く人がいるけど、空中からでも溺れてる人を助けるのは面倒そうだから、丸太を抑えてる人をなんとかできたらいいって考えてる。 多分、助けようとしたら、サリの家族に「動かないよう矢を向けて」いる連中が殺そうと屋を放つだろうかを抑えないといけないけど。 ・巫女と長も現場付近にいると思われます。 「思われます」って表現だからもしかしたら、最初は姿は見えず森影から見てる可能性があるそうかな。 逃げられないように行動しないといけないかも。 あと依頼人が「氏族の者を連れて移住先を探したいと思っている。」らしいから、 そこも考えないといけないところかもしれない。 村は前回の騒ぎで狩場を失ってるから、生活するには向かないだろうしね。 隣村にお願いするにも、無理は言えないし。 長いのに発言し直して申し訳ない。
サリについては、出てくるだろうけど、出てくるタイミングも出てきた後に家族にも敵意を向けるのかどうかもわからんからね。 いつ出てきてもいいように、俺たちの側の目的がブレないようにだけ固めておいて、各々が懸念と思われるところにカウンターを用意する感じしかないんじゃねぇかな。 サリの家族に向いている矢の全部を止めるのは難しいだろうから、事前に騒ぎにならない範囲で無力化しておきたい。ってのが先の俺の意図ではあるので。 そのうえで事態が動いちまった後は大立ち回りしちまった方が、連れ去られたサリの家族への注意を逸らせると思うんで、サリの乱入自体もそういう意図なら活用できる要素の1つだと思う。 俺らの依頼人からのオーダーは「連れ去られた者たちを助けてください」ってトコなんで、エアーライドでうまい具合にさらえたら、そのまま木々の間に入って家族を守る感じで。 ここについては、タルフネイリからもサリからも。ってとこでいいかな。 キオルティスさんもエアーライド準備してくれるって事だから、沼から引き揚げた後は合流して護衛についたほうが都合がよさそうに思うよ。 一時的な足場として丸太は使えた方が都合は良さそうだし、沼から抱えて連れ出すまではそこが命綱なのは間違いないから、イズルさんの動きはあてにさせてもらいたいな。
顔を出すのが大変遅くなってしまい申し訳ございません! ……難しい問題ですが、説得に関しては各々想うことやしたいことをぶつけてよさそうですね。一つの正解だけでは成り立たないかもしれませんし。 一応現段階では歩み寄る?とはちょっと違うかもですが、そんな感じでの方向での説得を試みたいとは思ってます。 救出を急いだ方が良さそうですし、説得よりも先にそちらをするようになるでしょうからある程度の衝突は免れませんししっかり対策はしておかねばですね! 先に出てますが、私も弓を中心に武器の破壊をしていこうかなとは思います。丸太の方も人が足りないようであれば狼に応援に行かせようかなと思います。 他にも思うことは多々ありますが、どれも憶測になってしまいますね。追い詰められた方はどんな行動をとってもおかしくないのでしょうから、心するようにはしておきたいですが……如何せん懸念が多いですね。
んー、まぁ試すだけ試させてほしい……かな。私の独断ってことでいいよ。無理そうなら強行突破って感じでいいと思うし。というのも、解説読む限り、隠れている里の人がいるというのが気がかりなんだ……。いきなり強行突破すると、こちらを黙らせるために隠れてる人がサリの家族を一人くらい射殺すとかしそうじゃないかなーって……。なので多少強引でも敵の大まかな位置は把握してから戦いたいかなーって……。 私も説得云々は各々ですればいいと思うけど、できるなら戦闘後がいいと思うよー。 戦闘に関しては、 丸太を掴んでるやつと潜んでるであろう弓兵の発見と排除、後はサリの撃退この3つは少なくとも抑えて、救出に臨まないといけない感じかな。 私は弓兵をしらみつぶしにしつつ、長と巫女も見つけようと思うよー。人質にでも取れれば多少動きは鈍らせられるかもしれないし。
私はメテオライトで武器破壊を試しつつ 必要に応じてアイアンウォールでサリの家族などを守る形になるかと。 サリに関しては、こちらの依頼の邪魔になる様子であれば攻撃を行います。
キャスターの方にはサリの家族にウォーターウォークを使用してもらえまいか。 そうすることで不測の事態が起きた際にも彼らがおぼれることはないと思うのじゃよ。 もっとも枠を消費する事なので、判断を強制する気はないがのう。