【帝国】セクシー大根(魅了付き)
韮瀬隈則
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シナリオID:1453
オープニング
『ぃやぁぁ~~~~んっ! えっちぃぃぃぃ!』
帝国南東部、鄙びた街道沿いにへばりつくように存在する、ちっぽけなちっぽけな農村。
いま収穫時期を迎えているその大根畑に、場違いな甘ったるい嬌声が響き渡る。
「……なっ! なんだ! こいつ大根か? クリーパーか!?」
当然おこる誰何の怒声だが、残念! それも甘い甘い嬌声に沈む運命だ。
『ぅふぅぅぅん☆ スッキねぇぇぇんんんっ! ……チョトダケヨー☆彡』
「……おふぅ!」
「大丈夫かっ! クソッ、これでも喰ら……あへっ」
「待て! コイツだけじゃない、この辺一帯の大根……がはっ!」
仲間を助けようと思ってか。
慌てて投石しようとした農民が、敵の投げキッスを喰らって腰が砕けアヘ顔で大暴投し、警告を発した別の農民にフレンドリーファイアをかます。
「ちょっと! なに自爆してンのよ! せっかく冒険者に収穫手伝わせてるンだから、ここで討伐を依頼しなさいよ!」
へっぴり腰で喚いているのは、隣村の冒険者ギルドから駆り出された受付の姉ェちゃんだろう。
そう。
この収穫期の大根畑には冒険者が居る。受付嬢も居る。依頼人こと農民も居て――。
『うふふふぅ~~ん』
『『『あっははぁぁぁんっ』』』
大根だかクリーパーだかよくわからない、周囲にタダならぬ妖気を放つ名状しがたきなにか達が居た。
●
事の次第はこうだ。
帝国崩壊の余波をなんとか凌いだ南東部クソド田舎のこの村は、都市同盟や辺境都市群との細々とした取引を命脈として、数少ない農産物である根菜類の収穫時期を迎えていた。
芋などは自らの糧に、大根は乾燥させてシャルガネ居住区の顧客に。
もうすぐ帝国の冬が来る。
冬支度の他にやらねばならぬ輸出品目の乾燥作業をまえに、限界集落寸前のこの農村は、隣村の冒険者ギルドを頼り、なんとか収穫の人手を確保したものである。
ほうぼうに岩塊やら窪地やらが入り乱れているものの、専用に確保されたほぼ300m四方ほどの大根畑。
今日と明日と明後日でこの畑を埋める大根を収穫し、洗って乾燥用の櫓にかけねばならぬ。数十名の村人総出、冒険者は受付嬢と送迎馬車の御者まで総出である。
――なにせその大根畑の一画に湧いたブツがブツだった。
「どこから湧いたんじゃろな、この巨大大根……」
農家の爺さんが、大根畑の中央を走る用水路と、そのわきに設営された天日乾燥用の櫓に引っ掛かった巨大大根を睨んで首をひねっている。
「隣村が育ててるっちゅうナントカ島大根が流れてきたんじゃねぇべか?」
「いンや、アレでもここまででかくはねぇべ?」
長身の人間の背丈ほどの大根と、相応に生い茂った大根葉である。
……もしかしなくても邪魔である。
「どうすべな?」
オラ達の手にはおえんぞ? と、農民は何か言いたげに冒険者の方を見る。
心得たとばかりに受付嬢が揉み手で冒険者をそのうち1株のほうに押しやって、思い出したように付け足した。
「作業スペースの問題もありまして、まず、周囲の大根を収穫いただくが宜しいかと、はい」
シャルガネ居住区向けの出荷では、姿漬けにする都合上、すんなりとしたまっすぐな形状が尊ばれると聞く。形良く抜くことができれば高く売れる。なのに、撤去作業で畑を踏み荒らしては報酬を減らされかねない。
受付嬢はまず、用水路を目詰まりさせている巨大大根の排除を冒険者に、周囲の普通サイズの大根を農民に任せ、自分はちゃっかり少し離れた収穫用の手押し車の横で応援態勢完了済だ。
「行くわよぉ……はぃっ! うんとこしょ! どっこいしょ!」
受付嬢がどこかで聞きかじった音頭を取って、冒険者達と農民達、それぞれが目当ての大根葉を握りしめて力を込めた時――。
『ぁふん☆彡』
掛け声に変な声が混ざって、なんとなく空気が紫がかった桃色を帯びる。
が、残念なことに勢いづいてしまった動作は止まらない。
確実に厭な予感がギュンギュンするなか、周囲の普通サイズの大根が抜けた。
『ぃやぁぁぁん!』
『ばかぁぁぁん!』
「……へ?」
成人男性が発したと思えぬ嬌声に受付嬢が目をひン剥いてみれば、そこにはやたらと煽情的な形状の大根を手に、鼻血を大量に噴出して腰砕けとなった農家のおっさん達が。
『ンふぅぅぅん!』
痙攣しながらも握りしめ……いや、抱きかかえに移行した煽情的形状の大根が鳴くたび、おっさん達はゴフッと、また出血大サービスをかます。
(大根……よね? たぶん。やたらセクシーだけど……くそぅ)
負けたわ、アブラナ科に負けたわ。
謎の敗北感に苛まれている受付嬢は、だからちょっと、既にヤバい形状を晒しまくって用水路から引き揚げられた巨大大根への警報を発するのが遅れてしまった。
『ぃやぁぁ~~~~んっ! えっちぃぃぃぃ!』
●
そして冒頭に戻る。
冒険者によって無事、用水路から水揚げされた巨大大根1本は、皆様のご期待を裏切ることなく煽情的に妖しくも蠱惑的であり、そしてより強度に魅惑的な嬌声をあげ、農家のおっさん達と冒険者男子達を混乱せしめていたのである。
「えーと。ワタシとオバチャン達は、なんか厭ンな感触受けてるけど……野郎ども程じゃないかしら?」
受付嬢が、念の為と耳をふさぎながらオバチャン達を遠くに退避させる。
(嬌声の届く範囲――普通サイズは半径2mちょい、巨大サイズは半径10mほど……が地獄絵図。あ、でも、さっきデカいのが妖しい投げキッスしてたわ。推しのファンサ並みの距離だったわよ)
なんとか、できるかしらね? いや、しなきゃいけないんだけども!
受付嬢が頑張って状況をまとめているが、ここに残念なお知らせが。
もう一株の巨大大根が天日乾燥用の櫓に引っ掛かっていたのをお忘れである。
そしてそいつがコソコソと自ら乾燥櫓から足抜けを図っている途中なのである。
解説
マスターより
リプレイ
「ぐげぼっ!」
その時遅く、かの時早く。
さっそくナハシュがずっこけついでに用水にハマる。
『ぁはぁぁん!』
(何だアレ……何だコレ? こ……これは思春期ぶりの官能への目覚め!?)
いままで修羅場も経験しているだろうに、このナハシュ。初めて色気に触れたキッズの頃が如く、クソ狭い用水の水の中でいきなり腰が抜ける緊急事態である。俺はスレっ枯らしの流れ者よと自嘲するも、性的にフラットだからこそ突き刺さるものがある。……まぁ、大根なんだが。
はぁはぁと、漸く半身まで這い上がったナハシュ26歳児の大根への眼差しがとろりと艶を帯びているのは、酸欠状態だからということにしておきたい。
「な! ナハシュさんっ! 大丈夫ですかぁっ? 用水路も大丈夫ですか!」
ひぃぃ! と小さく悲鳴をあげて、ファーシル・クリスティアが駆け付け、ナハシュを用水路から引っ張り出す。
「用水路にもヒールって効くものでしょうか?」
鼻の下を極限まで伸ばし切ったナハシュから顔を背け、用水路の心配をするファーシルを誰が責められよう。農地はクソど田舎の生命線である。
『あへぇん☆彡』
そして彼女も気付く。
引き揚げられてゆらり……としなを作って蠢き立つこの巨大な大根。
なにを今更だが、確実にタダモノではない。
――ゆらぁん。
人型の大根の頭上に巨大な大根葉がゆらめく。
収穫期の畑と用水路。おせじにも頑強な足場ではなく、へっぴり腰のファーシルとナハシュは大ピンチ目前だ。
「アシュリー行きますっ! とぅッ!」
そこに少女の跳び蹴りからの木刀ブン回しが!
「巨乳はっ! 大根であってもっ! この私が許さないんだよ! あと、仲間のピンチもね!」
大根の腰に蹴りの一撃、さらに木剣を喰らわせたアシュリー・ロックハートが高らかに宣言する。逆上する順番が逆な気がするが、まぁ、彼女なりに許せぬ巨悪の優先順位があるのだろう。破鎧砕でどついた部分が、大根の巨乳に見えないこともないあたりであったのも偶然ではあるまい。
「そう。巨乳かちっぱいか。……それが問題だ」
――っく!
と、効果音が目に見えるような苦悶の声をあげ、右腕を左手で押さえつけながら大根を睨む若めのイケオジ。カルフ・オルヴォ、152歳児。わきわきと何かを揉むような指の動きと垂れ流しの鼻血さえなければ、と、残念な限りである。
『やぁん★ ぁはぁん』
そんなダイナシを失血死に追い込まんと、大根が色気をふりまくのを一転! 太刀を即座に抜き放ち怒りの制裁を叩き込む。
「神聖なパイオツをキモい声で汚す根菜が! 興奮を嬌態で呼ぶ浅はかさよ……」
ファーシルとナハシュ、割り込んで立つアシュリーへ襲い掛かる大根の足先? を阻まんと振るう太刀筋も見事であるが、色々残念なことには変わりない。
「カフさん……雑魚は僕が」
カルフと背中合わせで畑を睨むセオ・ウルジオの声はあくまで穏やかで。
(師匠の背中を任せていただく。それが何より嬉しい……)
その平常心が生来ではなく、背中合わせという萌えシチュに浮かれる心を鎮めるためにマシマシで積んだ抵抗由来なだけなのは、この後すぐに明らかに。
華奢な躰で振り回した祭刀が普通サイズの癖にシナを作る大根を吹き飛ばし、奪われかけた足元の自由を取り戻す。師匠に纏わりつこうと蠢く存在などセオは許すわけにはいかない。
「大根がこんな食べ物とは知りませんでしたよ、カフさ……ぁああああんっ!?」
どうしたんですかその鼻血!
勿体ないですよその鼻血!
垂れ流すくらいなら僕が全て受け止めますよその鼻血!
カルフを振り返って案じた時点のセオのさわやかな笑顔が、今や発狂寸前の取り乱し様で、流石はダイナシの弟子である。
「ぅわぁぁ! 僕のカフさんがぁ!」
「だめぇえ! 農家のおっちゃんもぉぉ!」
『ぅふふん!』
裏返ったセオの叫びと大根の嬌声を上書きして、アシュリーの制止の絶叫が響き渡る。
よせばいいのに農家のおっちゃんが、まだ無事な大根を急いで収穫しちまおうとへっぴり腰で畑を這っていたのである。
「へぶしっ!」
案の定――。
盛大に鼻血と大根を噴き上げずっこけながらも大根を大暴投したおっちゃんに駆け寄り、こんな酷い目に合わせた怨敵を探せば、アシュリーの目に飛び込んできたのは今まさに、引っ掛かっていた乾燥櫓から半分足抜けしたもう一本の巨大大根の投げキッスであった。
●
「セオ君、光縛封持ってたよね? アレなんとかして。おっちゃん、お願いだからちょっとアレから離れてて。うん、ブン投げてくれた大根、私の頭にクリーンヒットして粉砕玉砕大根菜だったからね? ……収穫は遠くでやっててくれる? セクシーな奴は私達がなんとかするから? ね?」
アシュリーは、噛んで含めるような長台詞を一気にこなし、ついでに担いだおっちゃんを受付嬢が送迎する一輪車に押し込む。ぶっちゃけ、脱出を目論み身を捩る大根の痴態に内心それどころじゃない!
ヤバい!
ヤバい!
なんなのあのプリケツ!
「嫌いじゃない嫌いじゃない……プリケツ、しゅき☆彡」
ぽ。と頬を染めたアシュリーの呟きに「待て!」とカルフから異議申し立てが。
「乳より尻よりふとももが好き! ……はっ? おれは何を……。とにかくだ、農家の気がかりを払拭せねば、何度でも大根を護りに近寄るだろう。――だから」
ふともも愛の主張で正気に戻ったのか、建設的な避難誘導が行われる。
「売り物にならん大根は買い取ろう。というわけで、金の代わりに仏に成ってもらおうか!?」
――逃がすかよ!
と凄絶に嗤い、巨大大根を救わんと櫓に向かう雑魚どもに振るう太刀筋の華麗さよ。
「そうだね! 足が生えちゃったやつを美味しくいただくのはスタッフの努めだもんね。ごっつぁんです☆」
やっとセオに魅了の影響を解いてもらったアシュリーも、本領発揮ともぞもぞ土から浮き出しかけた雑魚大根の葉を薙ぎ払う。一部の大根が「すんっ」となったのだが、何故だろう?
「うん。カフさん今日も格好いい☆彡 ……と、僕はね貴女に用があるんですよ?」
惚れ惚れと師匠を見守る眼差しが一転。
櫓に更に葉を絡めた巨大大根に歩み寄り、セオは自身と大根を六角柱に閉じ込める。
「けしからん躰に聞かせてもらいますよ、カフさんを誑かす不埒な悪行をね?」
●
「民に仇なす大根を許すわけにはいかないからな! 根菜の露出狂とは風情の無い……全裸勝負とは、所詮はアブラナ科の浅知恵よ」
ふっ。っと女戦士が鼻で笑う。
そんなガリーナ・ウォロフの装備はビキニ鎧なんだが。
アシュリーとセオとカルフが作った隙を、彼女が逃すはずがない。
戦況は主導権の確保で決まる。難しいことは分からないが戦士の本能がそう言っている。
『ぁは……』
「セクシー対決なら私は負けんぞ! 近くば寄って目にも見よ、だ」
『ゃぁ……』
「へっちな鎧? 見くびって貰っては困る。極限まで鍛えられた機能性は、乙女が柔肌に纏うことにより愛しさと切なさと強さを生み出す!」
『うふ……』
「……って鍛えた職人のおっちゃんが言ってた。刮目せよ! このパない喰いこみを!」
なんと! 次々と繰り出されるガリーナの口撃に、水路出身の巨大大根は舌戦で競り負けている。ガリーナがシーザーロアを脅威の成功率で叩き込む高度な囮戦術が炸裂しているわけだが、その実、ビキニ鎧のほうが全裸よりへっち☆彡だと主張しているだけかもしれない。
「それから……えーと、えーっと、バンビ?」
「どんな肥料をブチこんだらあんなデカブツに育つのかしら? エーテル波紋学において変態を生む仮説は寡聞にして存じませんもの、ただのクリーパーではございませんわね……って、もう一息です。もっと喰いこみイケますわよウォロフ様」
ガリーナがビキニ鎧をキツく己のわがままボディに喰いこませ、口撃のネタ切れを誤魔化しつつ機を伺っているのに、バンビは漸く気が付いた。
ままよ! と、鎧の露出度と強度をアピールするガリーナの陰で、ナハシュとバンビとファーシルを加え、都合4名が神の加護の淡い光に包まれる。
「渾身のレゾナンス・オブ・ヴァロー、がっつり付与出来ちゃいましたよ! ナハシュさん。バンビさんとガリーナさんも」
「ファーシルちゃん! 有り難ぇ……有り難ぇ」
(ガリーナ挑発有り難う、ファーシルこれを待ってた)
既にナハシュは駆けだしている。
態勢が整えば魅了だけのアブラナ科など敵ではない。バンビは魔導書のお料理ページを開いて、どう料理をしてやろうかと献立メニューを組み立てる。
●
「えと、抵抗は気のせいです。でも身体能力の裏付けが自信を生みます。だから、その……頑張りましょう!」
ぐっ! と祭刀を腰だめに握りしめ、ファーシルは巨大大根に肉弾戦を挑み突撃してゆく。
『あっはぁあん』
「大丈夫だ。筋肉は裏切らない」
ファーシルを狙い投げられたキッスに割り込み庇い、その身に受けたガリーナのフレンドリーファイアはなんと、彼女自身へ炸裂する。
「ええ、波紋学も裏切らない」
同時にバンビはアーケインテンペストを放つ。周囲の大根をこれ以上に変態にされては困る。献立が番狂わせになってしまう。
「もちろん回避も裏切らない」
迫るファーシルを薙ぎ払うため大きく振るわれた大根葉。それが斜め上から伐採され、伐採され、伐採される。
ナハシュの機動力は縦横無尽。死角からの攻撃は更なる死角を作る布石――。
『ばかぁん☆彡』
ナハシュを狙い大根が嬌声をワントーン高めて落としにかかる。
「もっと可愛く言ってくれ」
『? ぃやんっ』
「もっと初恋の保母さんみたいに」
『!? こらぁ! ダメぇぇ』
「アヘ声舐めてんのか?」
『らめぇ……?』
「手足生えてるんだからダブルピースくらいしろよぉ! 男子の夢叶えろよぉ!」
ハァハァとナハシュの息が荒いが、パカ倫的にこれは性癖の暴走ではなく、連撃&攪乱のせいとしておきたい。
「デカブツの足元は氷嵐でも妨害しまくっています。凍み大根、という北国の伝統食が元ネタです。攪乱で回避も厳しいはず」
と、バンビはファーシルへコンビ打ちの打診。
「はいっ! 大胆に踏み込み、渾身の攻撃、流れるように退避。我が剣術『護気・幻耀剣』の基本は舞踏にも似た三拍子……」
敵が強いられているのは特殊攻撃の無駄打ちと近接の無駄打ち。仲間が引き受けてくれるだけで、こんなに心強い。だから臆してはダメだ。こんな根菜、料理してやるつもりで行こう!
「アン……」
ファーシルは大根の懐に潜り込む。
「どぅっっせいっ……」
祭刀が片腕を薙ぐ。
「とりゃぁああああっ!」
勢いを敢えて殺さず、ファーストダンスの終わりはカーテシーで。
「次はお説教にまいります。下品な嬌声より、渋いイケボのほうが腰にクるのです」
嗚呼……抵抗万全と思われたファーシルもダメだったよ。
追撃の爆炎を炸裂させながら、バンビがツッコむ。
「ファーシルさんは枯れ専でしたか……気が合いそうですね。大根もちょうどイイ感じに爆炎で乾燥できますし、良かったです」
……そして一番冷静と思われたバンビもダメかもしれない。
●
輝く六角柱のその中で。
「全部吐いて貰いましょうか?」
櫓に吊るされた大根をセオが問い詰めている。マニアックな緊縛なのが不安しかない。
「どこ住み? 出身は?」
ビシィ!
『ソコはオヘソぉ』
「こういう事に興味をもったのって?」
『ばかんッぅふん~』
バシィ!
「サイズと好きなプレイを自己紹介して」
『ソコなのョン……らめぇ』
時々混ざるラップ音は、使えない植物共感から直接躰……口に聞くことにした為だろう。
しばらく後、六角柱が消滅すると同時に、セオの重大情報が周囲にされた。
「成長点。葉の根元が、クリーパーと幽界樹の仔の融合ポイント、かつ弱点です! カフさん! ご愛読の官能インタビュー小説が尋問の参考になりましたよ!」
「消えろぉおおおおおおお!」
後半、愛読書曝露のあたりは、血の涙を噴出しながら櫓の大根に紫電一閃を放つカルフの怒声がかき消した。
●
「味の染み具合はどうかしら? シャルガネの風物詩、田楽焼きと田楽煮が美味しい季節なので、下拵えにも凝ったのですよ」
農道わき、櫓を日除け風避けにして、鍋釜を囲む円陣を組み野趣あふれる収穫の宴が繰り広げられていた。
「凍み大根の類は水で戻して出汁に浸すと、含めた出汁が噛むたびに口内にあふれて美味なのです。部位は水路の両脚部分を切干にしましたが、上手くできているでしょうか」
バンビがお浸しの小鉢を皆に回す。
やたら凝ったお品書きがついているが、クリーパー討伐と収穫の打ち上げパーティに獲物のフルコースをブチ込むあたり。巨大大根出没時点から画策していたとしか思えぬ、計画的犯行である。さすがバンビ、探求の徒。
「喰っちまって大丈夫なのか?」
ナハシュが味噌が香ばしい焼き大根の串を頬張る。
「焼くと甘みが増すので大丈夫ですよ? 部位は胴ですね」
いや味ではなく、と給仕のバンビにツッコむと代わりにアシュリーが補足する。
「報告書のスケッチは私が全面記録したよ! これは可食と味のレポートなの。食糧不足深刻だもん」
はふはふと火傷しそうな口を、バンビに差し出されたおろし蕎麦の清涼感で冷ます。
「空間爆砕で鬼おろし風になりました。胸より上の部位を使用したので、辛さとエグ味はマイルドでしょう?」
薬味の彩はナハシュさんが刻んだ葉の柔らかいところで……、とバンビが続けたところで、ガリーナとファーシルが櫓の影から円陣に加わりにやってくる。
「まだ残ってるだろうか? えーと、辛くないのがいいんだが」
ガリーナの手がもぞもぞとお胸のあたりを押さえている。
「田楽の甘口がありますよ。バター醤油を絡めているので味噌より甘いです。ましゅまろぷるん☆彡 みたいなやつは、向こうの鍋でポトフとミルク煮作ってますね。櫓の大根への隠し包丁はメテオライトが良い仕事を……」
「ぷるん! ……はぅぅ」
「柔らかいお胸ですもの、そりゃぁ囮やったらはみ出しますよ! えへへ、鎧にお胸詰め込み直すの手伝っちゃった☆」
ファーシルがご機嫌で「挑発も有効」って報告書に書かなきゃと、ポトフ鍋の前で報告書片手に思案中のカルフとセオ達を覗き込む。
「ここの件、報告しないと駄目か?」
鍋底大根をつつく手を止め、血涙流れる目でカルフはセオに懇願している。
「カフさん蔵書のへっち本を参考に真実を解き明かしたんですよ! 絶対に記載します、ってカフさん。その出血、大根に催淫効果が!?」
和気あいあい。収穫の宴はたけなわである。
――そして、この催淫効果発言。
(このウォーリア……へっちすぎる!)
(どう見てもナハシュが艶っぽい)
(カフさん可愛い)(可愛い)(可愛い)
と憶測を呼び、全員、バンビにスポーツで発散可能か人体実験されたのは、まぁ蛇足である。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準7 / 4〜8人
2021年10月16日 15時02分30秒 公開
相談掲示板
シーフのナハシュだ。よろしく。 なんかこう、なんだ?意味わかんねえな! とりあえずデケえ大根の対応は当然として、そこらに居るチビ大根がさらに仲間を増やして大騒ぎみたいになんのがヤベエのかな。いやもう既に大騒ぎしてんだけど。 そこらの野菜全部マンドレイクになって良いなら殲滅戦でもいいし、そうでなけりゃ無事な野菜たちはこれ以上マンドレイク化しないよう、近場のチビ共を焼き払うか野菜を運び出してギルド員や農家の連中に保護してもらうのはありじゃねえかなと思ったぜ。
ヒーラーのファーシルです。よろしくお願いいたします。 農家の皆様のためにも必ずや討伐いたしましょうね(ぐっ 周囲に民家などの建物はないようですが、大根櫓を壊してしまうと農家の皆様の収穫作業に障りが出てしまいそうですし気を付けたいです。 ただ、そうなると櫓に引っかかっている二体目は降りてくるのを待った方がいいでしょうか? それと、ナハシュさんのおっしゃるように周囲の根菜類が暴れ出しては手に負えなくなりますし、農家の皆様の安全を確保した上で近くの野菜を収穫していただいた方がいいかもしれませんね。
ウォーリアのアシュリーだよ。よろしくね。 大根櫓は壊さないように、2体目は降りてくるのを待った方がいいかな、と私は思う。誰かが見張っておいたほうがいいかも。櫓から降りて離れたところを足止めして逃亡は阻止したいかな。 収穫を進める農家さんたちに危害が及ばないようガードしながら戦うね。収穫をしつつ巨大な大根と戦わないといけないのは大変だろうけれど頑張る! 農家出身の私なんだけど…植物については詳しくないんだ。ごめんね。 生長点って枝葉の先っぽの方にあるってのは聞いたことがあるけれど…根っこの場合はちょっと違ってきて…先っぽじゃなくて出っ張っているところが怪しいと思うんだ。
ウォーリアのカルフだ。よろしくな。 マンドレイク化した野菜は売り物に成らんだろうから殲滅させて貰うつもりだ。 倒してしまえば感染する勢いは弱まるだろう。 後は広げないよう、親玉の足止めをしつつ戦うつもりだ。 櫓に引っかかるのは後回し、先に降りてるのを倒し二体目は足抜け出来たら倒す流れでどうだ? NPCには一般人の保護と避難誘導を頼むで良いと思う。 生長点、大根の場合は葉と根の堺、芽が出る辺りだが おれには農業知識が無いんですぐには判らんだろうな。 年の功での知識はあるんで、戦ううちに気づく可能性はあるって程度だ。
ハイスピードキャスターのバンビですわ。 いつもどおりとく速やかに敵を排除いたしましょう。 そして大規模破壊できないのですわね。承知しました。時期的にそろそろおでんとか食べたいですわね。
引っかかってる2体目は降りて来てから倒すのに同じく賛成だな。それまでに1体目は倒しておきてえところか。NPCタチについても了解だ。 そんなら個人としては1体目の相手と足止めを優先、2体目が降りてくるまでに倒し終わったら周囲の雑魚ちらしに、2体目が降りてきたらそっちへ向かう感じで行くかな。 農業知識はなーーーー全くない。戦闘中気付けたらラッキーくらいなもんだ。頼んだぜ‥。
ひとまず、わたしも前に出て一体目の巨大大根に向かい、直接攻撃に参加する予定です。戦いながら治療活動もする感じで考えています。 一体目に近づいたら抵抗力を上げるレゾナンス・オブ・ヴァローを使用するつもりです(もし効果を受けたくないという方がいましたら、すみませんが注意してくださいね) わたしも農家の方の収穫のお手伝いはしたことがありますが、作物の知識はさっぱりなのでひたすら叩きますね・・・(ぐっ
こんにちはヒーラーのセオです 顔出し遅くなりましたっ 大根柵の大根は後まわし了解です! 早く抜け出してしまいそうなら 光縛封での足止め考えています あとは植物交感でなんで叫んでるのか、セクシーさの秘密を解き明かしたく思います! 解呪とヒールを積みつつ、闘気槌で戦いたいと思います よろしくお願い致しますね
こんばんは。ウォーリアのガリーナだよろしく頼む。 遅くなって済まない。作戦了解。