新人探索者ミアちゃんの冒険! とギルド長主催の宴

紀藤トキ

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シナリオID:1103

オープニング

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「ミアと言います。よろしくお願いいたします」

 ぺこりと頭を下げる、初々しいエルフの探索者。防具は店で揃えたらしいノービス級だが、剣だけは良い物を持っていた。

「人から貰った物なんですけど、良く切れるので多分ワザモノです」

 もともと村で魔獣の相手などをしていた経験があり、腕には自信があると言っている。幾つかのスキルも使えるようだ。

「ここは初めて来るので、ちょっと緊張していますけど。頑張りますね」

 今回の依頼目的は、オーガの角だ。下層のそこそこ低い場所から出る枝の先、山岳階層に現れるオーガを倒すとそこそこの確率でドロップする。滋養強壮の薬の材料になるらしい。普通のオーガより一回り大きなブラッドオーガの角はもっと良い物だとか。

「腕が鳴ります。さあ、早くいきましょう」

 目を輝かせている様子からするに、本当に楽しみなようだ。さて、彼女と一緒のパーティになった君達は――。

●
「つまり、今までのやり方だと今の授恵者の成長に追い付かないってことよねー、これは」

 探索支援ギルドの資料室にこもり、珍しくあれこれと書類を見ていたエフィミア・リリックは頭を抱えていた。気が利く職員が淹れていった珈琲(ダンジョン産)を手に、ぐぬぬと唸る。今の仕組みは100年近くかけて彼女達が作り上げてきたものだ。それなりにこだわりもあるので自らの手で壊すのは忍びない……、という側面もある。だが、問題は情緒的な感傷ではない。一か所に手を入れると他にも変えねばならない所がきっと出てくる。連鎖的に大改革が必要となる、のではないだろうか。

「しかも、一年前より今の方が成長速度速いじゃない? もっと変わってくるんだとしたら、小手先じゃ意味ないわよね」

 青銅級と鉄級の探索者記章は、前例を無視して解放している。以前のように熟練の職員が見極めてから試験を勧める余裕はなくなったし、今のところは問題なく回っているように見えた。なにせ、一年以上前には新人だけ横並びで8人そろう事などめったになかったのだ。パーティの中で育ってきた探索者が、先輩の推薦を受けたり。ずっと担当していた職員からの推薦を受けたり。今ではもっと手軽にチャレンジできる物に変わっている。

「まあ、幸い。人柄も悪い子は見てないけど。あー、昔の方が良かったって繰り返すどっかのお爺ちゃん(グレイオンス)みたくなるのはやだなあ」

 エルフ大森林の同族をさりげなくディスりつつ、エフィミアはしばらく頭を抱えていた。この街で育ったわけでは(ダンジョンの怖さを知ら)ない探索者がどんどん奥へ進めるようになる利点と弊害を考える。強さだけはボスを倒せても、仕掛けや罠には弱いのではないか。不文律で守られている相互扶助の精神は彼らに根付いているのか。ギルドが長年築いてきたダンジョン産品への信頼と価値がどう守られているのか周知は十分か。

「だってねえ。倒した敵の素材とか、許可なく持ってっても見つからなければセーフって思っちゃうかもだし……」

 今は、エフィミアの指示で相応に厳しく確認されている。けれども、これが横流しや私蔵に繋がれば、素材や価格の維持もままならなくなる。探索者ギルドのコントロールが効かなくなれば、どうなるだろうか。

「……まあ、150年前に戻るだけかもしれないわね」

 エフィミアが現役の冒険者だった頃。危険を冒して奥へと進み、死地を切り開いて素材を得る。情報は商人も探索者も秘蔵する。取引相手も自分で見極め、騙されないように気を張る日々。生き馬の目を抜くような世界だった。目利きが利かなければ持ち帰った素材の価値も運次第。あの頃の命の対価はとても安かった。そして探索者記章の制限もなく、どこまでも進むことが許されていた。生きるも死ぬも自分と仲間次第。

「あれはあれで楽しかったけどなあ。でも、あの頃の私は固定の仲間に恵まれていた。今の子達がそうとは限らない」

 以心伝心。少人数とはいえ、構成も斥候に戦士、神官戦士に魔法使いと鉄板だ。何度も死にかけて何度も生き延びて、当時としてはとんでもない速度でレベルを上げていった。まあ、今の探索者達と大差ない成長を得るために、一カ月も二か月もダンジョンに潜りっぱなしの戦いっぱなしだったのだが。

「鋼鉄級の解放、まだまだだと思ってたけど……。うーん、さすがにまだ無理か。でも。今のままの仕組みだと早晩、あの子たちの成長についていけなくなりそうだわ。ただ、どこを緩めれば良いのかな」

 そもそも、ビッグオウムとやらが普及した今ではエドゥノーグ固定の専業探索者はむしろ少数派だ。敵の情報を戦って覚えながら階層を進む、昔のような探索者はもういない。資料室に行けば先人の残した資料が豊富にあるし、新規の枝が出た時には熟練者がざっと確認して資料を作る。作ってからでなければ解放せず、手堅いが探索の歩みは遅い。そこを速度重視に変えるか?

 素材の取引は全てギルドを通している。新素材などは、価値がわかるまで二束三文になりがちだがそこを保証している。逆に、需要の高い素材も買い上げてしまい、市場への影響を許していない。授恵者が増えて供給量がはねあがっていても、基本的な部分ではカカオの時のようにはうまく受け入れられていないのだ。そこを変えるか?

 記章によって進める深度を制限し、予期せぬ障害に出会う危険を少なくする。代わりに、一獲千金や思いもよらぬ発見の機会を奪っているのかもしれない。そこを変えるか?

「よし。今日はここまでにしましょ。終ー了ー!」

 ぐでーっと机に突っ伏すると、見計らっていたらしい職員が淹れ直した珈琲に甘味を置いていく。疲れた脳に甘さが美味しい。脳に糖分を補給したことによって、良いアイデアが生まれる事も……。

「そうだ。あの子たちが実際何か不満があるか。こっそり聞きに行くのが良い気がするわ。こう、隠れて。変装とかして。いいアイデアじゃない?」

 自称新人探索者ミアちゃんの誕生である。なお、これまでにも似たような授恵者はちょくちょく誕生しているので、ギルド職員はまたはじまったな、と冷めた目で見るだけであった。

解説

新人授恵者ミアちゃんと共にオーガを倒しに行きましょう。 探索者としての生活に不安があるのか、ミアちゃんはしきりに皆さんに今の仕事の不安や不満を聞いてきます。 あと、探索支援ギルドを皆さんがどう思うのか、などにも興味があるようです。 探索支援ギルド長の事をどう思うのかは聞いてきません。不思議ですね! 二部構成なので今回はEX依頼です。アニエピカで出すのは初めてです。 なお、前半後半の比率はプレイングを見て変わります。 前半はミアちゃんとオーガ退治。彼女は戦士プレイをしているようで、よほどのことがない限りは魔法をぶっぱなしません。 なお、ミアちゃんの変装はちょっと目の良い人からすればバレバレです。本人はバレてないと思っていますが。 彼女が全員にバレたと理解した時点で「ミアちゃんと一緒のオーガ退治」ではなくなってしまうのでシナリオは失敗判定となります。 エフィミアさんは「ギルド長じゃないっすか(大声)」みたいな事があった場合でも、「あー、いま誰か何か言った?」みたいな雑なごまかしで「ばれてない! 良かった!」と思うようです。ちょろい。 オーガは特異個体のブラッドオーガも含めて戦士系脳筋です。2~5体程度でダンジョン内の山地階層を徘徊しています。でかいので隣接ヘクスまで棍棒が届く他、謎の闘気を飛ばしたりしてきます。 どれくらい戦ったら引き上げるかの目安指定があればそれに従います。ない場合はミアちゃんが「考え方が甘い!」と怒ります。 後半の打ち上げではミアちゃんはさっさと帰ってしまうのですが、入れ違いに現れたエフィミアさんが夕食兼宴会に誘ってきます。 探索支援ギルド長のおごりです。楽しく飲み食いしましょう。 この機会に言いたいことがあれば聞いてくれますし、なんか彼女も悩みを抱えているようですね。 また、宴の席で何か提案されたり要求されたりしても、すぐ答える事はありません。エフィミアさんは守りの思考の持ち主です。 ただ、彼女の脳内改善ストックの中にオプションとして増えるので、遠い将来にふらっと反映される事も無いとは言えないです。

マスターより

雑な変装で市井に紛れる探索支援ギルド長の依頼です。 たまに隠れてうろうろするよ、というのは設定に入れていたのですが、ようやくシナリオにできました。 エフィミアは雑草系なのでパッと見打たれ強く見えますが、メンタルそのものはあんまり強くないので適度に遊んであげてください。 皆様の優しいプレイングをお待ちしております。

リプレイ

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 冒険者ギルドにて顔合わせをしたときの、参加者たちの内心は見事に真っ二つであった。すなわち、ミアの正体に気づいた者と、気づかない者だ。しかし、気づいた者達もそれぞれの理由で言及することは無かったため、悲しい出来事は訪れなかった。

「ミア、僕も張り切っちゃうから、一緒に頑張ろうね」
「よろしくお願いします。ミアと呼んでください」

 ララベル・サン・ディーベルは気づかなかった派だ。なにせ疑いの心が欠片もない。初めての場所に行くのはわくわくするよね、と言われてミアは少し嬉しそうに同意した。一応その階層に足を運ぶのは初めてではあるらしい。同じく気づかぬ側のフリーダ=ブロムヴィストは、脳内に響く『謎の啓示』の助言にも懐疑的だった。
 
(啓示では「どうみてもギルド長です。本当にありがとうございました」とありますが……赤の他人では?)

 確かに髪の色や目の色や種族は同じだが、ギルド長ならばキャスターの筈。「魔法使いが前衛で剣を振るう訳はない、はっきりわかんだね」という啓示は特になかったが、何となくそんな判断を下している。とはいえ、疑う心無き清い節穴アイの持ち主ばかりではない。

(まあ、何か理由があるのじゃろうな)

 エフィミアの変装について、ク・サーヤ・クッセーワは見破ってはいたが、ことさらに言い立てるつもりはなかった。わざわざ変装するという事は、何か理由があるのだ。そして、自分と同じくらいに長生きした同族であれば、他人から簡単に推測できない理由を持つこともあろう。と、どこか優しい目でエフィミアの奇行を見守っている。

「冒険者に成りたてで、前衛、ですか……」

 種族どころか髪の色や目の色やスタイルが良い所までミアと似ているリディリディ・トゥラ・イェレミースは、内面的な差に少しばかり驚いていた。ちなみに彼女は節穴組である。自分は冒険者になったばかりの半年前は不安で、前線で敵と切り結ぶことなど考えた事も無かったのに凄いなあなどと、一見すれば賢そうな横顔を見せつつ子供並みの感想を抱いていた。

(まあ、今も不安はあるのですけれど……)

 主幹路を行く道中にこっそり見ていると、気づいたらしいミアが見つめ返してくる。

「どうかしましたか? 気が付いた事があったら何でも教えてください」

 同性で同じ種族ということもあり、普段より少しはリディリディの人見知りハードルも低い。

「あの……。少し、気になったのですが」

 何かと後ろに下がりがちなリディリディは当然のように後衛で、強力な魔法をぶっ放していくスタイルだ。前に出るのは危険でもあるのに、落ち着いていますね、と。そう賞賛すればミアはもにょもにょした顔をしていた。

(本来はギルド長の方こそぶっ放すタイプだよね……)

 洞察力で正体を見破ったヨル・スレイマンは、同じ洞察力を活かして真実を語る事をやめていた。たぶん触れても誰も幸せにならない奴だな、と思っているのだろう。横を歩くナハシュはといえば、そもそも気が付いていない。というか探索支援ギルド長の顔を覚えていないので、ミアの正体など分かるはずもないのだ。その2人の少し前方で、金髪エルフ達は並んで歩きつつまだ話し込んでいた。

「やっぱり命の危険があるお仕事ですから、私は不安です……」
「そうですか。ちゃんと危険を認識しているのは良い事ですね」

 ミアはうんうんと頷いている。力を得たことで全能感に浸ってガンガン危険を冒すよりずっと良い、というのがミアの意見らしい。他には無いかと促されると、リディリディが考えてから言葉をつづけた。

「あとは、怪我とかをするとお仕事に出れない時期があるので、その間の生活も不安です」
「なるほど。でも、授恵者は生きてる限り怪我はサクッと治りますから大丈夫ですよ」
「いえ……その。怪我をしたら怖くてしばらくお仕事に出たくなくなるな……と」
「ああ、そういう……。確かに、身体の怪我は治ってもすぐに仕事を再開できるとは限りませんね」

 と、怖がっているリディリディの感覚は、エフィミアが遠い昔に置き去りにしてきたものであった。若い授恵者達の気持ちを理解するためにも、聞いてよかったと内心思う。

「ミアちゃん。新人なんだからあまり無理をするなよ」

 と、彼女に声を掛けたアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトの口調はややぎこちない。別に『強くて美人でナイスバディな』ミアの外見が好みだからと言う訳ではない。いやまあ見た目は悪くないのだが、アルベルトのストライクゾーンはそれに加えて『年齢が近い女』である。どの程度までが近い年齢と見なされるかは諸説あるが、少なくとも100歳以上離れていれば完全にアウトだろう。

(どういう理由で変装してるのかは知らないが、この機会にエフィミアさんに俺達授恵者の事を一人前と認めてもらうぜ……!)

 ミアの正体を見破っていたアルベルトは、あえて自称通りに新人として扱い先輩風を吹かそうという目論見であった。過保護に接することで、居心地の悪さを感じさせればなお良し。などと考えているのだが、もともと竹を割ったような性格の熱血漢である彼に演技は難しい。というわけで今日は何か怪しい棒読みの男と化している。

「ところで、今回の敵のオーガってのはどの程度の敵なんだぁ? この人数で厳しい相手かねぇ」
「あ……。そうですね。11人もいます、し」

 のんびりと尋ねるパヴェル・A・サムルガチェフに、そういえばとリディリディも言及する通り、今回のチームは大人数だ。オーガと戦った事があるメンバーはリディリディも含めて幾人かいる。その経験談を総合するに、オーガ自体は今の彼らにとってそこまでの脅威ではない、はずだ。

「啓示に拠れば、『序盤の強敵が経験値稼ぎに使われる、悲しいけどよくある話』だそうです。私達が成長したという事でしょう」
「でもブラッドオーガとか言う、ちょっと強そうなのもいるのよね。それはどうなの?」
「一回り位大柄で赤くて少し強いけれど、勝てない相手ではない……ってギルドの資料に書いてました」

 実際よりも心細げにエミリア・シバが言うと、ミアがそう答える。とってつけたような末尾に突っ込むことはなく、エミリアはミアの頭をなでこなでこした。

「偉いわね! ちゃんと調べているなんて、お姉さん感激よ」
「あ。うん。えと、ありがとう……、ございます?」

 撫でる勢いがあまってミアの首も揺れている。まあ、人数も上だし戦力面では不安がない、という事だろう。

●
 やがて、オーガが出る枝場に足を踏み入れる。主幹路から続く洞窟を抜けると、一気に景色が広がった。

「へえ、山岳地帯が丸ごとかよ。ほんと此処のダンジョンってなぁ色々あって飽きねえな」

 先頭を行くナハシュが感嘆の声を上げる。この枝場はパッと見れば現実の山岳と同じような見た目で、天井が空のように光る場所だ。主幹路をゆく間は必須だった明かりも、少なくとも今は要らない。長居してこの場所に偽りの夜が訪れるまで過ごすならば、また必要になるだろうが。

「撤退条件は、スキル8割くらいでいいかい?」
「そうですね。あとは不測の事態があればすぐに引き上げましょう」

 ヨルとフリーダが周囲の地形を観察しながら、先の相談をしている。

「泊まりの道具まではもってきてねぇし、適度に戦ったら戻るのが良いだろなぁ」
「帰路の事も考えると、進めるのは3時間ってとこだな」
「うんうん。全力を使い果たしては帰り道が危ないですしね」

 戦術眼持ちのパヴェルとアルベルトのひねり出した言葉に、ミアが嬉し気に同意した。

(なんか満足そうなのだ……)
(お眼鏡に叶ったってとこかな?)

 ミアの内心を洞察して、ストレガ・L・リベルガストラとナハシュが内心で呟く。枝場に入ってから、一同は警戒を増していた。捜波を持つシーフがちょうど4人。エミリアの言で前後左右を手分けして、敵の様子をこまめに探りながら進んでいく。加えて、エミリアとララベルは耳も澄ませていた。

「罠なんかあるかと思ったんだけど、見つからないね」
「オーガはあまり頭が良くないですし、そういうところに考えがいかないのでしょう」

 地図を書きながらつぶやいたヨルに、ミアが応じる。前後左右を偵察のエーテルを飛ばすシーフが緩く囲み、パヴェルとリディリディ、アルベルトが中央をゆっくり進んでいく。フリーダとストレガ、ヨルとミアも歩調を合わせてはいるが、いざ遭遇戦となれば一足先に動ける構えだ。

「うまい具合に待ち伏せできる場所があればよいのだけど」

 重戦士のアルベルトと火力砲台のリディリディ、パヴェルを万全に活かすならば、こちらが動くのではなく敵がやってくる形が望ましい。良い場所が見つかるのが先か、敵に出会うのが先か。運次第ではある。

「あ! いたよ。右側、3匹」
「こっちも感ありなのじゃ。左に3匹おるぞ」

 少し進んでは捜波、と言う繰り返しも幾度目か。敵の影を掴んだのは2つ同時だった。しかも数も同じだ。ララベルが耳をすませば、右側の敵は離れていく様子だという。左側の動きはわからない。今いる場所は20m四方程度とそれなりには広いので、交戦場所としては及第点だろう。

「なら、お姉さんが囮になって連れてくるわ。サーヤちゃん、後ろと代わってくれる?」
「心得たのじゃ」

 左側と後方の担当を入れ替えて、敵を釣り出してくる事となった。キャスターの火力を活かせる配置を考え、待ち伏せの形を作る。念のためにララベルは右側のオーガに備え、他の面々は迎え撃つ形をとった。その間にヨルがアルベルトへ堅甲を掛ける。

「私に触れるには、鈍すぎるわね」

 エミリアはひらりと棍棒を躱し、飛んできた深紅のエーテル弾的なものも避けつつ走ってきた。サーヤの確認通りに数は3匹。いずれも一般的なオーガのようだ。

「よっし、ミアちゃんは後ろに……」
「え、何か言いました?」

 アルベルトが声を掛けた時には、出足の速いサーヤとナハシュ、フリーダに混じってミアも駆けだしている。エミリアと合流して3対5。頭を抑えるには十分な戦力比ではある。ナハシュとエミリアが手にした得物を素早く閃かすと、オーガが怒りの声をあげた。

「動きを鈍らせるのじゃ。ほれ」

 サーヤが刃を振るうと、エーテルの糸が相手を絡め捕る。ちょっと粘ってる納豆のように思えるが気のせいだろう、たぶん。そこへミアが切り込むと、オーガの腕がすっぱり切り落とされた。

「今の吠え声であっちの3匹が気が付いたみたい。こっちに来るよ!」
「勢いに任せて押し切りましょう」

 ララベルの声に、フリーダが応じて毒の一撃を叩き込む。ストレガが氷弾を撃ち込むと、いらただしげにオーガが吠えた。振り回される棍棒2本を、フリーダが巧みな盾捌きで迎え撃つ。残る1体はミアを狙ったようだが空ぶった。ヨルが無銘の祭刀へ祈りをささげ、輝く刃をリディリディの愛用の杖へ宿らせた。

「リディリディ君、火力を後押しするよ」
「あ、はい。一気に行きますね」

 リディリディが選んだのはメテオライト。使用回数の限られたスキルは温存するつもりだったが、さっさと前の敵を片付けないと挟み撃ちになるのは怖い。同じ理由でパヴェルも光弾を撃ち込むと、まばゆい無数の輝きがオーガの頑健な肉体を一方的に叩きのめしていく。

「後ろ、来てないな?」
「大丈夫。まだ曲がり角の向こうだから!」

 ララベルの返事を聞いてから、アルベルトが一気に踏み込む。そのまま闘気の塊を敵の只中に炸裂させた。広範囲の大打撃三連発にはさすがのオーガも耐えきれずに崩れ落ちる。一息つく間もなく、一行は新手へと向き直りそのまま各個撃破の態勢に入った。三匹の新手がくるのと、こちらが進路を塞ぎにかかるのはほぼ同時。

「一匹はブラッドオーガですね」
「そいつは手ごわそうだな」

 肌色が赤く、確かに一回り大きい。フリーダの言葉に頷いて、アルベルトは再びチャージング込みで位置取りを整える。他の前衛も足を駆って新手に対するように陣取った。正面が重装甲の戦士、フットワークの軽いシーフは左右に分かれて待機。軽戦士のミアもシーフ側で待ちの構えだ。ヨルがパヴェルへ輝刃を掛けつつサイドヒールでフリーダの浅手を癒す。

「見るからに強敵なのだ。小細工をしておくのだ」
「ゴァア!」

 ストレガに魔錆を掛けられ、一声吠えたブラッドオーガが闘気をぶちかます。攻めの構えのアルベルトは体力にものを言わせて何とか耐えきった。フリーダもダメージを受けている。しかし、続くオーガ2匹の攻撃は危なげなく受け止めた。自分にブラッドオーガの注意を引くべく獅子の咆哮をぶつけながら、毒の一撃で切り返す。

「なるほど、『赤い角つきは3倍』と啓示が出ていましたが、せいぜい1.5倍ですね」
「防御は任せたッ!」

 アルベルトが吠え、渾身の一撃を放つ。鋭い太刀筋は鈍重な赤鬼の守りを抜けて深々と胸板を割った。しかし、敵もさるものでまだ戦意を失った様子はない。左右に分かれて相手の出方を待っていたナハシュとエミリア、ララベルはフェザーステップを駆使してヒットアンドアウェイを行った。エミリアはかなりの、ナハシュはそれなりの確率で回避できるだろうが、ララベルとサーヤはさっきの攻撃に巻き込まれれば手痛いダメージを受けかねない。

「それはそれで、やり様はあるがのう」

 蝶のように舞う、とはいかないサーヤは難敵のブラッドオーガへは手を出さず、オーガへ毒の一撃を食らわせた。同様に考えたらしいミアも別のオーガに切り付けている。リディリディとパヴェルはまずブラッドオーガを倒すべきと踏んで、魔矢と魔弾を放った。ギリギリで初手を耐えたものの、ブラッドオーガは直後に毒が回って崩れ落ちる。残るオーガは袋叩きを受けてあっさりと倒された。

●
「やっぱり、待ち構える方が良さそうねえ。本格的にいい場所探そうかしら」
「敵がいる辺りに来たなら、その方がよいかもな」

 倒れたオーガの角を回収する間に、索敵役だったエミリアとナハシュが相談する。

「もう少し広い場所だとやりやすいんだがなぁ」
「うーん。だとしたら少し戻って左に行った先が広場になってる気がするね」

 さっきは見てから移動妨害を仕掛ける距離が足りなかった、とパヴェルが言えば、道中天眼で確認しつつ地図を書いていたヨルが候補地を挙げた。後始末を終えて向かってみると、さっきの場所より一回り程は大きな広場がある。あとは釣り役を志願したエミリアが良い感じに敵を見つけて釣ってこれるかどうか。

「あまり遠くまで探しに行ったら、待ってる皆が別の敵に見つかってさあ大変……、みたいな事にはならないかしら?」
「さっきあれだけ音を立てても次が来なかったからな。近場に新手はいない筈だ。心配ないぜ」

 自信ありげに答える戦術眼持ちのアルベルトに、なるほどと首肯してエミリアが出かけていく。それを見送って、一同は少し気を緩めた。飲み物を口にしたり、思い思いに休息をとる所へミアが話を聞きに行く。

「程よく稼げるし遊べることも多いから便利だよ。毎回違った色もあっておもしれえしな」
「うん。不満はないかな。ギルドの仕事はあまり理不尽じゃないし、ちゃんと儲かる」

 ナハシュとヨルは現状に大きな不満は無いと言った。ふむふむ、と頷いているミアの正体を知っているヨルは面白そうに言葉を繋ぐ。

「ダンジョンも嫌いではないしね。まだ見たことがないものをこの目で見るのは愉しい」
「深度の制限なんかも妥当だ。ただ記章持ってなくても実力があれば挑める仕組みは今後あった方がいいとは思うが」

 ナハシュが付け足した小さな提案に、ミアは小首をかしげる。

「記章が無くても、挑むのはできますよ。記章持ちのリーダーに話がつけばですけれど」
「っても、上の記章持ちに話をつける伝手が俺達にはないだろう?」

 パーティの中に一人でも記章持ちが居れば、その人間の責任で先へ進むことができる。ただ、現状では鋼鉄以上の記章持ちは授恵者が少なかった頃の探索者で、固定のパーティを作っている事がほとんどだ。探索者として育ってきた環境が違う彼らに、仲間として認められるのは難しいかもしれないのもまた事実。

「まあ、確かに……。現状だと難しいですね」
「僕も不満は、あんまりないんだけど、鉄記章の推薦が一緒に依頼行かないと出来ないのがちょっと……。知り合いの子推薦しにくくて」
「むむむ、その気持ちは分かりますけれど、同行して上層ボスを倒している場を確認してないと証明になりませんし……」

 青銅記章よりもその辺りの縛りは厳しい。友達と都合よく同じ依頼を受けられない時があるのが困った所ではある。あらかじめ参加者を決めておけるような依頼の仕組みができれば、解決するのだろうか。

「仕事に不満? ……ん。生きてるだけで十分だからな。俺は」

 次にミアが話しかけたパヴェルは、歳に似合わぬ達観した様子だ。聞けば、出身地のヴェルクリエでは競争が行き過ぎて辛い目もみたらしい。今の暮らしに不安は無いかと重ねて問えば、遠い目で答えを囁いた。

「強いて言えば『今は何をすべきか、見えなくなっちまったのが』不安ではある」
「何をすべきか? 目標といったものでしょうか」
「そうなのかもなぁ……」

 最初の頃は、強くなることその物や得られる報酬、勲章や二つ名のような目に見える評価に手を伸ばしていた。しかし、それは願うだけで届くとは限らない。そう思えば前のようにがむしゃらに欲しいという気持ちはなくなった。それでも、輝くような何かがほしい。

「……と、思ってたんだがなぁ。それも見失って闇雲に進んでいるだけかもしれねぇ」
「まだ、そんな悟ったことを言うには若すぎますよ? 世の中には楽しい事もあるもんです」
「そういうもんかねぇ」

 腕組みして、楽しい事とやらを考えてみる。人が楽しそうにしている事、ならば分からないでもない。

(他の旦那、嬢ちゃんらは喜怒哀楽でぶつかり合ったり、のびのび交際したり、恋したり、そういうのは……)

 羨ましいと思う一方、自分では届かぬ場所にあるような気がする。それもまた『輝く何か』なのだろうか。

「ちょっといいな、って思う事が何か思いつくんだったら。それを目標にしてみたらどうですか?」
「ああ……。気が向いたら、考えてみてもいいかもなぁ」
「そうですね、考えてみてくださいね」

 そう答えるミアに、今日初めて年上っぽい落ち着きが垣間見えた。いやいや、変装中なので見せちゃいけない奴だ。

「ダンジョンにはそれほど潜らない私なのだがダンジョン魔物やその産物には興味あるのだ」
「それは嬉しいですね。あ、いえ。同じ探索者としてですよ?」

 探究者であるストレガは、ストレートにダンジョンへの知的好奇心を口にした。例えば今だとどんな興味が? とミアが尋ねると、ストレガは頭飾りをひょいとずらして自身の角を露わにする。

「たとえば鬼族とも言われるゴブリンとオーガとは近縁なのだ?」

 そうなのか、と問われれば多分違う。だが、違う証拠があるかと言われると無いのである。とすると、滋養強壮の薬になるらしいオーガの角の代わりにゴブリンの角を狙う愚か者もいるのではないか。

「世の中モノズキはいるものだから気をつけるのだ」
「そ、そうかしら、ね??」

 困惑した様子で答えるミアはちょっと素の喋りが出ていた。その後も雑談を交えつつ、合計でブラッドオーガを2匹とオーガを11匹退治したところで唯一の回復役だったヨルのスキルが残り僅かになる。まだ攻撃スキルは残っていたのだが、無理をする所でもないだろう。と言う訳で、一行は狩場を後にして地上への帰途に就いた。

●
 依頼を報告したあと、唐突に現れたギルド長の奢りでなし崩しに宴会が始まる。その姿は、どう見てもついさっきまでミアと名乗っていたエルフに見えたので、ナハシュが不思議そうに声を掛けた。

「なんでわざわざ着替えてきたんだ? イメチェンか?」
「え、なななんの事?」

 露骨に怪しい感じのエフィミアの応対に、苦笑しながらヨルが助け舟を出す。

「ところで今日の新人の子可愛かったね。冒険者は続けるのかな?」
「ん? 何言って……」
「ええ、あの子ね。ええ、多分そうじゃないかしら!」
「あ、ギルド長なのだ。こんばんは」

 適当に盛った皿を手に、ストレガが頭を下げた。挨拶の間に、不思議そうなナハシュを隅っこに連れて行ったヨルが事情を説明する。

(……探索ギルドの偉い人なんでしたっけ)

 そんな会話を聞いたリディリディが、フォークを置いて立ち上がって今日の奢りの礼を言った。エフィミアからは座ったままで良いと言われたが、リディリディにとって年長者を敬う事は大事なのだ。彼女が食を中断する程に。

「ちょっと待った! 私は年上と言ってもオルグレイほどでは……」
「でも、リリックさんは私の倍は生きていらっしゃるお年寄りですから」
「うっ」

 胸が痛む様子のエフィミアを他所に、さっぱりした様子でリディリディはテーブルへ戻る。最初に頼んだ5人前の肉料理は既に半分ほど消えていた。彼女と並ぶと少食に見えるが普通のペースで食べていたララベルが、思いついたように言う。

「そういえば、何か悩んでいるって聞いたよ。良かったら話してみてよ、皆で聞いたら解決策も出てくるかもしれないし」

 朗らかな声音に、エフィミアの気もほぐれたようだ。

「あ、いえね。皆に何か不満とかないかなーって」
「ふむふむ。そんなにダンジョンに潜らない私なので不満は今のところないのだ。しいていえば手厚いサポートなのだ」

 と言うストレガに、フリーダが小首をかしげる。

(うーん。啓示では『返答次第ではロ=スになります』と出ていますが……)

 少し考えてから、彼女も思う所を口にした。

「私からも強いて言うならば、現状の探索速度は遅いですね」
「遅いかしら? いえ、まあ確かに」

 問い返したエフィミアだが、思う所はあるのか同意する。彼女が現役だった100年前に比べて、横方向の探索は進んだが下方向の探索はさほど捗っていない。命大事に、という方針に従えばそうなるのは自明の理だ。

「エフィミアさん。いい加減に、俺達の事を一人前と認めてくれませんか!」

 ぐっと溜めたアルベルトの強い声に、エフィミアは向き直る。今日の戦果を考えて、エフィミアは笑顔で頷いた。

「鉄級11名でこれなら立派なものよ。あなた達はもう立派な一人前よ」

 上層の中ではかなり厳しい狩場でしっかり成果を上げているのだから、とエフィミアは言うのだが、アルベルトが望んでいるのはその程度の評価ではない。

「俺達の事をもっと信じてください。もっとダンジョンの奥まで挑戦させてください!」
「もっと奥へ……ってどういうこと?」
「鋼級を開放してください!」
「ああ、深層探索に特化した依頼とかは面白いかもしれませんね」

 頭を下げるアルベルトに、頷くフリーダ。しかし、話を聞いたエフィミアの返答は渋い。

「うーん。鋼級は中層ボスを倒すのが最低条件なのは知ってるわよね? ボス部屋のサイズ的に、10人程度でってことになるのだけど……」

 先日、中層の変異体と取り巻きを50人で掛かって辛うじて下した状況からは、まだ力不足ではないかとエフィミアは思っている。急いで先へと進みたい彼らの希望との認識違いは思ったよりも大きい。しかし、いずれ届かぬ頂きでも無いとは思うのだ。

「あなた達の今の成長ペースで見ても、しばらくは無理があるわ。今は中層の罠とかギミックに慣れておきなさい。こないだみたいな取り巻き付きの奴相手の戦い方とかは、中層ボスにも通じる物があるから」
「啓示でも『冒険してこその冒険者。当たり前だよなぁ?』と出ていますが……」
「それ、何か悪いヤツじゃないでしょうね?」

 フリーダの言葉に、エフィミアはジトっとした視線を返す。フリーダ的にもそこは分からない所ではあるのだが、今のところ実害はない、気がしていた。

「おねえさん的には無謀な冒険をしないのが良い冒険者だと思うのよね」
「そうね。生きてさえいれば大体の事は何とかなるもの」

 エミリアの声に風向きが変わったかと、ほっと息を吐いた様子で頷くエフィミア。しかし、ギルド周りの不満について話が及ぶと、エミリアは真面目な顔で言葉を続けた。

「強いて言うならアイテム関係の扱いは不満かしらね。自分で手に入れたものなら愛着がわくでしょうし、自分で使いたいって人多いんじゃないかしら?」
「そうね。昔は拾ったアイテムは全部自分のものだったし……、気持ちはわかるわ。私の武器とかも拾ったやつだしね」

 ただ、それが原因の争いで探索者が死ぬような事もかつてはあったのだ、とエフィミアは言う。固定のパーティですらそうなのだから、依頼仲間と一期一会の今の形式では、アイテムの権利関係でもめることは間違いない。今回出た杖は使えるキャスターへ譲ってその代わりに次に剣が出たらウォーリアに、というような話もできないのだから。

「素材に限ったらどうかしら? 欲しい人は限られてるから、争いにはならないと思うのだけど」
「限られてるものこそ、まずいのだわ。例えば貴重な素材を自由に持ち帰れるようになったら、独占して素材の値段を釣り上げようとする奴が出てくるのよ」

 たとえば、今日のオーガでも。心臓を病んで滋養強壮の薬が必要な相手の足元を見れば、いくらでも金を出すだろう。それを狙ってオーガの出る狩場の入り口を閉鎖し、他の探索者を実力で排除する。そういう手合いは、今の仕組みでは儲けが出ないからエドゥノーグに進出していないだけで、世の中には大勢いる、とエフィミアは言った。

「そんな事は……、あるわね、きっと」

 無いとは言えない程度にエミリアは人間の悪意を知っている。オーガ程度ならば今日の階層以外、なんならダンジョンの外にも居るが、中には本当にダンジョンの中でしか見つからない魔物もいた。その素材の奪い合いとなれば、エスカレートして殺し合いに発展することもありえる。

「もちろん、依頼段階で持ち帰りを許す場合は別よ? ダンジョンアタックの迷宮コインとか」

 これは探索ギルドで交換以外の用途が無いアイテムだからこそできる話なのかもしれないが。

「ギルドを利用する限り、素材の扱いは任せているのだ。これはギルドが冒険者をバックアップするという保証の支払いなのだ」
「だからって、全部一律でこれは良い、これは駄目っていうのは乱暴な気がするのよね」

 ストレガは割り切った回答を返した。そこまで行かない程度の塩梅はないだろうか、とエミリアが思っていると、サーヤが人生の先輩臭を漂わせつつやってきた。

「何事にもルールは必要である。しかしルールが現実に合わない物であれば変えればいいのである」

 サーヤは一部の授恵者を選んで制限を取り払ってはどうかと提案した。特定の依頼だけで許可するのか、それとも特定の個人を優遇するのか。成長速度は全ての授恵者があがっているらしい。エフィミアにもその恩恵はあるし、ギルドの古株たちも以前より速いスピードで成長している。もしも素材の持ち帰りなどで実験的に特例枠を作るなら、功労者を対象とするのが自然だろうが、そうすると新人授恵者達への恩恵はないのが悩みどころだ。

「それとも、物によっては買い取りを許可するみたいな? 受付業務が増えるけど……」

 さすがにタダで持ち帰りを許可する訳には行かないが、原価での引き取りならばどうか。供給が豊富な食料であれば、現状でも良く見られる光景ではある。迷宮鼠は金銭よりもカエル渡しを好む場合もあるのだ。だが、ボス素材などの貴重品については、治安面からもやはり制限は必要だろうとエフィミアは思う。

「それに、他のギルド連中も、安定供給を崩す施策は嫌いそうだし……」
「いっぺんにすべてを変えるのではなく試験的に手探りするというのが開明的な老人の進言である」

 と、ドヤ顔で告げてから、サーヤは他の面々から離れて座った。悪臭は比較的抑えめだが、同席者への迷惑を考えたらしい。というか食べているつまみもちょっと匂いに癖があるラインナップだった。

(みんなから不満は聞けたし、内容もだいたい予想通りではあるけど、どうにも難しい事ばかりだわね……)

 エフィミアは難しい顔をしながら、ジョッキを傾ける。あまり食べてはいないが飲む方はだいぶ進んでいた。

「人の奢りで食う肉は美味い」
「その、……はい。美味しいですね」
「そっちの連中も、遠慮せずにもっと食えよな」

 と、皿が山積みになったテーブルから、ヨル、リディリディ、ナハシュが言う。

「うむ。特に遠慮はしていないのだ」

 食べながら、今日の記録を個人的な書面に残していたストレガは自分なりのペースで楽しんでいた。

「そうですね。ミア様はすぐ帰ってしまいましたが……」
「残念……。潜った感想とか、色々効きたかったのに」

 純なフリーダとララベルの言葉に、ナハシュの手が一瞬止まるも何事もなかったように飲食を再開した。対面ではヨルが笑っている。そんなやり取りを、カウンター席のパヴェルが穏やかな目で見つめていた。

マスターコメント

お疲れさまでした。オーガ、コンテンツ開始当初はパーティで1体と戦うような強敵だったのに……。 鋼級はちょーっとレベル上限的意味でも、まだ手が届かないのです。逆に言えば、世界の進捗次第ですかね。 称号裏書はなんか違うシナリオ形式ができればいいですね。グループノベル的なグループシナリオみたいな。 偉い人ー! なんかいい感じにできませんかー! 素材やらアイテムについては、そういう仕組みがいつかシステム的にできれば面白いかもしれませんが。 MMOでは友情が壊れる話とかも聞くので恐ろしいですね……。 少なくとも、一介のMSにレアアイテム出た出ないのジャッジを委ねない仕組みになって欲しいとは思います。 それ原因で喧嘩とか起きたらストレスで胃が死ぬ気がしますよ! (いずれも個人の感想です)
ショートEX

ショートEX普通 報酬:標準10 / 7〜10人

2021年07月10日 11時03分49秒 公開

成功

相談掲示板

  1. ストレガ・L・リベルガストラ

    (新人というには無理があるのだ…) キャスター、ストレガなのだ。よろしくなのだ。 敵は脳筋、近接範囲までなら中遠距離を保てば安全に倒せると思うのだ。 フリーズボルトとアーケイン、あと範囲攻撃とデバフを1、2個もっていくのだ。

  2. No.2

    キャスターのリディリディです・・・。 よ、よろしくお願いします。 そうですね、私たちキャスター陣は距離を保っての魔法を放つという常套手段となると思います。 私は自身の魔法攻撃が上がるもの・・・、それと攻撃魔法をいくつか用意していきます。

  3. フリーダ=ブロムヴィスト

    ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 相手は全員脳筋ですし、基本的には前衛が抑えている間に遠距離攻撃で叩けば、 特に苦戦する要素はないかと思います。 こちらは盾役としての行動を考えています。

  4. ヨル・スレイマン

    ヒーラーのヨル・スレイマン。宜しくね。 そんな重めに考える必要は無いかもだけど、『2〜5体が徘徊してる』ということは、固まっているわけでないんだね。戦ってる最中に後ろから別隊がきた、みたいなことはあるかもしれない。 事前にしっかり索敵しておくくらいで良いかもだけど、念のために後衛の後ろに前衛できる誰かつくのも良いかもしれない。 個人の動きは考え中だけど、人数が多いからね。魔法攻撃系のバフとか持って俺が後衛の後ろについても良いかもしれないな。要らないっぽければ前衛付近で回復多めにします。 >撤退目安 とりあえず、全員の回復手段が尽きるくらいには撤退した方がいいと思うかな⋯⋯。

  5. パヴェル・A・サムルガチェフ

    キャスターのパヴェルだ。 宜しくたのむぜぇ。 俺としちゃぁ広範囲の弱体でお前さんらの鼓舞が出来れば良いと思ってる。 細けぇ所は合わせるからよ、出来る事があったら言ってくれよなぁ。

  6. エミリア・シバ

    シーフのエミリアよ、よろしくね。 ふと、これ質問すべきなのかしらね場所って『下層』でなくて『上層』じゃないのかしらって…。 とりあえず、索敵に関しては、シーフが数人いるし、前後左右の各方向に捜波飛ばしながら慎重に進むとかすれば奇襲対策にならないかしらね? んー地形が山岳というのが相手の『謎の闘気を飛ばしたり』というの以上の射線が確保できるかと言うのがちょっと怖いわねぇ。 キャスターの遠距離を生かせる地形とか見つけて待ち構えるとかしてもいいのかしら?と少し思ったわ。 後は、始めは少数の集団を狙うことで、オーガの強さを調べたりすると、より安全に戦えるかしらって思ったわ。 >撤退目安 スキルを目安に考えるのは賛成。 おねえさん的には、地上に帰るまでが探索だと思うので、スキルが尽きる前には帰り始めたいわねぇと思ったわね。

  7. アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト

    ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 俺は前線で剣を振るうつもりでいるぜ。 後は『新人探索者のミアちゃん』を過保護なくらいに庇って、誰に対してとは言わないが「過保護なまでに扱われる気持ち」をわかってもらおうかなと思っている。 >撤退タイミング 俺もスキルの残りで判断することに賛成だな

  8. ク・サーヤ・クッセーワ

    シーフのサーヤである。よろしくじゃよ。 撤退タイミングはスキル残量で問題ないのじゃよ。 ただし、オーガは最低半分くらいは狩りたいところじゃのう。

  9. ララベル・サン・ディーベル

    僕は、シーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、よろしくね!

  10. エフィミア・リリック

    こんにちは。 ふむふむ、今回はオーガ退治に行くのね? がんばってね! (すみませんすみません上層の誤記です)

  11. ヨル・スレイマン

    素材集めみたいだね。ご期待に添えるよう頑張るよ。 (誤記修正ありがとうございます!) >奇襲対策 捜波使う人がいるなら心強いな。良いと思う。 初めは少数の集団狙いも、個人的にも助かるところは多いな。 地形も、ある程度此方が戦いやすいところに誘い出したりしてみてもいいかもしれないね。この辺りは無理なく、できたらいいなくらいかなーと個人的には思ったけど。 索敵厚めなら後ろじゃなくて隊真ん中くらいにいることにする。バフと回復主体は変わらず。 >撤退目安 じゃあ全体スキル8割使用時くらいかな。敵最低半分も併せておいてもいいと思う。 問題なければ俺のとこに書いておくよ。

  12. ナハシュ

    すげえ遅刻した!!すまねえな!!!シーフのナハシュだ。よろしく。 捜波での探索や少数の奴から狙っていくのも異論はない。山岳地帯なら見えにくい場所は多いだろうしな。地形把握もしておくなら探波を持って行ってもいい。 撤退もスキルを目安で了解だ。その辺は任せる。 戦闘は遠距離も盾役も揃ってるからな!なんか程よく上手くやるぜ。

  13. エミリア・シバ

    んーと、ナハシュちゃんは捜歯に乗ってくれてありがとう。 サーヤちゃんやララベルちゃんにも特に異論がなければ、「慎重に進むために奇襲対策も兼ねて分担して前後左右の各方向に捜波で索敵しながら進む」的なことをプレに入れておこうかと思うのだけれど、大丈夫かしら? おねえさんは先頭の場合は近接攻撃しかないからそれでトリプルファングでのH&Aになると思うわ。

  14. ララベル・サン・ディーベル

    反応遅くてごめんね。 大丈夫だよ、僕も捜波持って行って警戒しつつ進むようにするね(後、超聴覚も)。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0