【CP】嵐の中で明日を見る
馬車猪
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シナリオID:1066
オープニング
「罠においこめー!!」
幼いエルフ達がのどかな森を駆け回っている。
特異個体コボルトや吸血鬼とクリーパーが蠢く戦場から遠く離れ、ここ数ヶ月で初めてのびのびと狩りをする。
「とったぞー!」
「血抜きいそげーっ!」
ここは人里離れた森。
狩人は寄りつかないらしく、警戒の薄い獣が獲り放題。
今日の昼食と夕食の分は既に確保し、今はお土産用の肉を調達している所だ。
「冒険者さんは猟しないのー?」
不思議そうに見上げてくる幼エルフに、冒険者は仕事中だからねと穏やかに言う。
強敵がいないとはいえ森は危険な場所だ。
特に、狩りが出来るとはいえまだまだ幼いエルフを守りながら引率するのはなかなかに骨が折れる。
はしゃぐ子供達を見守りながら、冒険者は必ず守り抜かねばと強く思うのだった。
●数日前。エルフの小集落にて
伝統的装束のエルフと、ダークスーツを着たコボルトが話し込んでいる。
「負ければ終わりじゃな」
冒険者と帝国軍が決戦に敗れたら、ヴァイセントラフ砦以外は亜人や吸血鬼に皆殺しにされかねない。
具体的には難民キャンプと近隣のエルフ小集落だ。
「ガキを逃がすなら大森林の手前までは送る。俺が手配出来るのはそこまでだ」
人類の一員として、種族が異なっても最低限の手助けはする。
ゴールディのマフィア幹部は見返りを求めず助けの手を伸ばす。
「助かるわい。……ああ、そうではなくじゃな」
「分かってるさ。負けたらアンタも俺も終わりだ。だから」
子供達を逃がした後は、勝利後のことを考えて動くしかない。
「難しいのぅ」
「そりゃぁな」
同時に苦笑い。
お互い、帝国奪還に協力するため大量の物資を北へ送った直後のこの状況だ。
部下の前では無理だが、愚痴の一言二言くらいは口にしたい。
「里の守りは薄くは出来んぞ」
名のあるコボルトや吸血鬼は冒険者や帝国軍が相手をするとはいえ、魔獣や害獣もエルフの隙をうかがっているのだ。
「冒険者だって余裕はないだろうしな」
例えば決戦に参加予定の冒険者の場合、大きな傷を負いかねない依頼は避けたがるかもしれない。
「ふむ」
長老は、見た目は若い顎に手をやった。
「子供達でも狩りは出来るんじゃよ」
「おい、数年待てばまともな戦力になるガキを戦わせるのは……」
眉間に皺を寄せるゴブリンに、エルフは得意気な表情を向ける。
「兎や鹿なら狩れるんじゃよ。大森林に向かう途中で狩りをさせるというのはどうじゃ」
猟の縄張りとか運送手段とかどうするつもりだと問い詰めたくなったが、マフィアが口を開く前に騒々しい音が外から聞こえて来た。
「長老! ヴァイセントラフ砦からビヒモーが到着しました。冒険者の方達もおられます!」
ゴブリンの頭の中で複数の要素が組み上がる。
「大森林へ逃げ込むのは最後の最後でいいだろ? コボルトや吸血鬼がいない場所まで子供エルフを引率するってのはどうだ」
「引率?」
エルフは戸惑い、はっと気付いた。
「狩りの練習という名目で肉を集めさせるという訳じゃな」
「万一のときは大森林までの食料に、そうならないなら戦勝祝いに砦へ送り付けて恩に着せるってな」
「悪じゃのぅ」
エルフもゴブリンも楽しげに笑って、冒険者に引率を依頼しにいくのであった。
●引率依頼
成り行きでついて来た冒険者ギルド職員が、無邪気な幼エルフ達に見つめられ浄化されそうになっていた。
大きく深呼吸をして心を落ち着かせる。
「既に説明をうけられたとは思いますが、改めて説明いたします」
幼いエルフ達十数名を預かり、平和な森の中で思う存分狩りをさせる依頼だ。
近くに綺麗な川が流れていて、天幕をいくつも晴れる野原もあるのでキャンプ引率依頼でもある。
「この依頼には他にも目的があります」
気配を消した幼エルフが、小さな花を職員の髪に挿しているのを職員は気付けない。
幼くてもエルフはエルフ。特に森では強いのだ。
「現在、難民キャンプ周辺では食料が不足気味です」
戦いの準備と戦いに手一杯で、食料を育てる時間も集める時間もなかったのだ。
遊びと思って花を手に近づく幼エルフ達も、食料集めに忙殺されて遊んでいる時間がなかったほどだ。
「ですからここで可能な限り肉を集めてください。決戦の勝敗に関係なく、大変な量の食料が必要になるはずです」
いつの間にか重くなった髪に手を伸ばした職員が、十数人分の花に気付いて体をよろめかせる。
わー、と逃げ出す幼エルフは本当に楽しそうだ。
「とにかく、よろしくお願いいたします」
幼エルフ達に遊び相手と認定された職員は、心底疲れ果てているのにどこか楽しげだった。
解説
マスターより
リプレイ
夏の日差しを受けて緑の草木が瑞瑞しく光る。
幼子達は平和な森を満喫し、しかしたった十数人しかいないのに仲間割れの気配があった。
(うーむ、見慣れないのは苦手とかのしょーもない争いッスけど)
年齢の割に苦労もしたし苦労する人の助けもしてきたカーテン・オルテッドンドンは、見かけの幼さと聖職者としての経験を活かして子供達に潜り込む。
(1番は誰も怪我をすることなく無事に終えることッス。配慮しすぎは子供の方々に悪影響を与えるッス)
押し合い程度なら見逃し、拳が振るわれそうになる前に咳払いなどで注意を逸らしていた。
(なるほど)
参考になる、と内心頷きながらサマエラ=フォリウムは料理の準備を進めている。
「競いたいならキャンプ中の成果にしなさいな」
幼エルフ達はヴィノニスの姿を見て首を傾げる。
ハーフリングに会ったことがないほど、田舎中の田舎の幼子達であった。
「はいはーい♪ 皆良い子ですからはしゃぎすぎて迷子になっちゃ駄目ですよ? あまり離れないように!」
ザンカ・クジンは元気な引率のおねーさんとしか見えないはずなのに、幼エルフ達は本能的に何かを感じ取っている。
「悪い子は首刈帝に首を刈られてしまいますよ♪」
受け継がれてきた刃は、光の下で妖しく輝いて見えた。
●
「それじゃぁ、楽しい狩りの時間といきますか」
ケン・Z・ブラッドリーは見守りを止めて猟に加わる。
「こういった手に負えない獲物は狙うな。自分たちの力量以上を狙うのは生きるための狩りじゃないからな」
ダマスカス鋼の盾を構えたまま前進。
転がるようにして逃げてきた幼子の横を通過し、追って来た熊とぶつかる。
「もし、どうしようもなく戦うことになったらまず足を潰せ。うまくすれば逃げやすくなる」
大型クリーパーの首すら狩れそうな刃で熊の脚を狙う。
野生の熊が機敏に避けるが、それは脚を失えばこの場で死ななくても飢えて死ぬと分かっているからだ。
熊は焦り、攻防の動きが乱れる。
「そして周囲にあるものは何でも利用しろ」
命には替えられないと、育てば大量の燃料にも山の環境を維持する役にも立つ木を壊して熊とエルフの間に壁をつくる。
「そして、倒すときは覚悟を決めて一息に仕留めろ。躊躇は自分を危険に晒すだけだぞ」
首狩刀『SHIMADZU』を旋回させる。
強靱な毛と皮膚を切っ先が裂く。ケンの腕力と体格で支えられた斬撃が肉と骨と気道を切断する。
ひゅう、と漏れた断末魔が、狩りに慣れているはずの幼エルフを怯えさせた。
「浅くても森の中。視界に支障をきたし得るので、目も耳も、使えるならスキルも使って先に見つけるのです」
シューターであり狩りの心得もあるキリアン・フィッツジェラルドが熱心に教えている。
(熊となれば彼らが対峙するには流石に早すぎます。僕らが相手しましょう)
生身で野生動物を上回るほど強くなった冒険者でも、熊というのは油断出来ない相手だ。
戦闘用の装備を身につけ、複数で確実に仕留めるつもりで動く。
(2頭目ですか。鹿は全て食われたのでしょうか)
幼エルフが気付くまで数秒待って、その後すぐに穏やかな声で避難を指示する。
「この子を運んで下さいね」
エーテルリンクした栗鼠を渡すことで、仕事を与えると同時に監視役を同行させていた。
「ここに集まるが良い。いいか、慌てるのが一番良くないのである」
ポコ・アルデバラッドは最も重要なことを間違えない。
「大丈夫。皆助け合って逃げるのであるぞ」
エルフの小集落から預けられた幼子の安全が最優先なのだ。
「熊さんは何も悪くないですが、今日は狩猟」
ザンカが駆ける。
背丈は数割増しでも筋肉と体重は10倍近い熊を目がけて高速で駆ける。
揺れる枝が頬を掠める。相討ちを警戒した熊が振るった爪が、鼻先すれすれを通過するがザンカは目を見開いたまま止まらない。
キリアンはエルフも冒険者も誤射しないよう注意した上で支援中だ。
魔弓から放たれた矢は、苛酷な森という環境を生きてきた熊を容易く貫き大きなダメージを与える。
威力も素晴らしいがそれ以上に射程が圧倒的で、弓に親しむ幼エルフ達が目をきらきらさせている。
「えい♪」
ザンカの刃が、首を半ばまで裂いて熊の命と思考を断ち割った。
血と汗と命の残滓が立ち上る巨体の至近で、ザンカのやる気が一気に下がる。
一撃必殺では足りない。目指すは首刈なのだ。
試しに首刈宝剣を振ってみるが、封印のせいで勢いが足りない。
「すっげー」
幼いエルフがはしゃぐがポコの盛り上がりは次元が違う。
「その武器は一体なんなのであるか? かっこいいであるなー!」
ポコは『鳥』。
正しきを見定める者にして書き残す者。
これほどの素材に触れて興奮しないなどあり得ない。
「これですか? ふふ~ん♪ これはですねっ!」
やる気が回復する。
「お姉さんのご先祖様が武神クジンリーネ様に下賜された家宝なんです♪ 今は封印されていて武器としては使い物にならないのですけど♪」
人名を全く理解していない幼エルフが興奮する。
ポコは五感から得た情報全てを己の脳に焼き付けようとする。
(たとえ伝説にならずとも……こうして今を戦う者について書いておきたいであるなあ)
ペンで書き留める速度を10倍にしても足らないと思うのは、初めてかもしれなかった。
●
自作の槍を担いで猪出没地帯に向かおうとした幼エルフが、ケンに後ろから抱え上げられてみゃーと鳴いた。
「いいか、獲物が大きくなったのなら相応の準備をして挑まないといけないぞ」
穏やかな笑顔が怖い。
涙目幼エルフは何度もうなずき、しかし槍を手放そうとせずケンに笑顔で怒られた。
「無理はするなッス。冒険者も下積み時代があったり地味な訓練してるッス。絵的なカッコよさは二の次で、実用性を追求するッスよ」
カーテンはヒールを使う前に懇懇と諭す。
医療と薬学に詳しいので傷口は消毒して止血もするが痛みは残す。
「猪の牙でぶすっと刺されたらこの程度じゃすまないッス。くれぐれも気を付けるッスよ!!」
ただうなずくだけでは許さない。
本心から納得したのを確認してようやく治癒術を使う。
「よく頑張ったッス」
厳しく接してから優しくすると、とても友好的になれた。
幼エルフ達は冒険者を凄いと思っている。
が、種族や年齢が違うと親近感の面では関係が薄くなりがちだ。
「やあやあ、君たちの先輩です。今日から暫くよろしく。頑張って沢山の獲物を狩りましょうね」
エルフで射手で少し年上のレラ・シュマリは、口を開く前から親近感を抱かれる。
「そしてお腹一杯になれる位お肉をゲットしましょう」
熊肉より猪肉の方が美味しいのだ。
小柄で華奢なレラに先導され、生まれ育った場所が少しずつ違うエルフが猪狩りの準備を始めた。
「2頭、注意力散漫。どちらも雄」
ホークアイで獲物を見つけて教え子に伝える。
「注意事項、復唱」
「れんけーじゅーし!」
「ひとりでとっしゅつだめ!」
「ものかげかくれてとおくから!」
「えーっとえっと、ばっくあたっく?」
最後の方はうろ覚えだが、年齢を考えれば上出来だ。
「いがみ合うより仲間同士で強力して上手く連携して狩ればより大物をゲット出来る確率が上がりますよ」
良く出来ましたと微笑んで、レラは戦闘能力がありそうな1頭を重撃射で射貫く。
2射目から当て易くなる。
3射目で仕留めたときには、もう1頭の猪は罠のある方向へと逃げだしていた。
「お腹が一杯になればつまらない意識も無くなって仲良くなりますよ」
幼いエルフ達は、真剣な目で猪を待ち構えている。
(支援は……これで十分かな。教育は加減するのが大変だね)
レラはちらりとサマエラを見る。
同じことを考えていたようで、ほとんど同じ表情をしていた。
「やー!」
森育ちのエルフとしては年齢相応の矢が、若い猪を狙う。
命中率は4割程度。
矢が何本か刺さって血が頭に登った猪は、肉に血が流れ込んで今仕留めても多分あまり美味しくない。
(強敵を乗り越えた経験は人生の糧になる)
朱殷の盾と霊刀を使いたくなる気持ちを抑えつけ、サマエラは手を出さずに幼エルフ達を見守る。
(今日は仕留めるつもりはない)
幼エルフの食料を狙い忍び寄る兎をキャッチ&リリース。
若猪vs幼エルフとその罠という長時間の戦いを、ひらすら見守り続ける。
(熊との戦いを参考にしてくれたか)
エルフの村では兎相手の狩りしか知らなかった子供達が、自らより大きな猪相手に考えて戦っている。
気配に気付く。
仲間を助けに、新たな猪が気配と足音を殺して幼エルフ達に接近している。
(気付くセンスと危機感が欲しいところだが……まだ彼等には時間がある。今回は私がフォローしよう)
女神に祈りを捧げる。
唯一の信徒に応えて力を振るったかどうかは分からない。
確実なのは、祈りが光縛封の引き金になったということだけだ。
「いまのなにっ?」
「きばあぶないっ」
幼エルフ達が騒いでいる。
突如現れた六角柱の中に大きく強い猪2頭が封じられていることに、エルフ達は最後まで気づけない。
「血抜きまでしてしまうか」
何故なら、戦闘力で圧倒的に上回るサマエラ達が食肉に加工してしまうからだ。
(少年時代が長く続くのね)
感動が強すぎると表情に出ないことを、ヴィノニスは初めて知った。
「地形も植生も詳しくは分からない場所で気を抜いては駄目よ。3人か4人で組を作りなさい」
肉の調理にとりかかっている冒険者もいるので、1人で担当出来る数は少し多めになる。
「そうね、男女別にしましょう」
出身地別で組を作りそうになったので一旦ばらばらにさせる。
それで揉めない程度には、幼エルフ達は仲良くなっていた。
(成長途中の骨格に肌。ああ、なんて)
脂下がるなんて無作法はしない。少なくとも外見は。
「おねーちゃんこれみて!」
「僕のほーがじょうずにできたもんっ」
まるで狩りを覚えたての子猫のように、成果を手に報告してくる。
全て彼女の狙い通りだ。
(猪を単独で狩るのはまだ無理ね)
優しく褒めながら、育成方針について本気で悩んでいた。
エルフの幼女達が騒いでいる。
人懐っこい栗鼠が可愛らしくて、最初は食材としてみていた幼エルフも今は愛玩しようと夢中になっている。
栗鼠が巧みに小さな手を躱し、教師としての顔をしたキリアンの肩まで駆け上る。
「兎も猪も、畑を荒らす上に木をもダメにしかねない、言ってしまえば害獣となり得る存在。今狩る練習するのは将来のためになりますよ」
幼女達が怠けたためまだ無事な害獣を、最小限の痛みだけを与え1矢ずつで仕留める。
クリーパーでも魔獣でもないただの獣は大地の仔。敬意を決して忘れぬキリアンは、良い影響を幼いエルフ達へ与えていた。
ゴリラのうー君が、器用にハンドサインを使って子供達を誘導している。
遠くから良く見える斜面にいて、しかも体格が良いので非常に目立つ。
「遠くに行きすぎないようにの! 目印はここ!」
ポコが大声を出してもうー君の方が目立っているほどだ。
(子供は元気だのう。良い躾を受けていてもこれだからの)
ぎりぎりで組は維持されているが、興味をひくものがあれば好き勝手を始めてしまう。
(うー君、がんばるのだ)
ゴリラの戦闘力ではなく、知性と体格が最大の武器であった。
「余裕があるときは肉質考えて獲るッスよ」
カーテンは徐々に本格的な指導を始める。
「安全第一ッス。人数がいるなら後ろも警戒、肉質考えるのはその後で十分ッス」
狩りには加わらないカーテンではあるが、ヒールと治療技術で何度もエルフの面倒を見ているので慕われている。
「うんっ!」
「はいっ!!」
素直に従う子供達の後ろから猪が忍び寄る。
ため息をついたカーテンが、戦槌を輝かせて一撃で仕留めていた。
●
特大の鍋の中に特大の熊肉が浮かんでいる。
アクも浮いてはいるがこれでも十分少ない。最初はアクも臭いも本当に酷かったのだ。
ザンカは日陰でも厳しい熱に耐え、アクを処理し山菜とキノコを加えてゴールディ産の香辛料で味を調節する。
一段落したときには、太陽の角度がかなり傾いていた。
「うん♪ いい出来です♪」
血抜きと処理を全力で頑張った甲斐があったようだ。
昼寝中のビヒモーが目を覚まし、呼んでいないのに幼エルフ達が集まるほど良い匂いだ。
「こんなに獲ったのか。すごいであるなぁー、きっと腕の良い狩人になろうぞ」
ポコはまず褒める。
「食事の前に血抜きを済ますである」
それが奪った命に対する最低限の誠意だ。
食事を楽しむのも、仲良くなったともだちと遊ぶのも仕事を済ませてからだ。
「最初に順番を考えるんだ。みんな一緒ではなく、平行して別の作業を進めたよいときもある」
サマエラは熱していたフライパンを、十分注意するよう伝えてから渡す。
おっかなびっくりフライパンを使う幼エルフが、段々こつを掴んで新鮮な兎肉を受け取っては焼くことを始める。
「下処理も重要な仕事だ」
地味な仕事をする子供に寄り添い、手が汚れるのを厭わず同じ仕事をする。
(雰囲気を良好に保つのも大変な仕事だな)
子育て中の親への敬意を抱いてしまうサマエラであった。
「いただきまーす!!」
そう唱和してから1時間以上経った。
吐き出す無作法者はいなくても、膨らんだお腹を抱えて反省する子は半数に達した。
ビヒモーが立ち上がる。
非常に重い、塩が限界まで詰め込まれた大型壺を壊さないように押す。
「分かっているわ」
男の子に対するときより愛想が悪く、しかしヴィノニスの食料の扱い方は非常に丁寧だ。
ヴィノニスは客観的にみれば孤児院の敬虔なシスターなのだ。
幼い少年の、少し骨や筋が浮く腰付きや太ももや二の腕のラインをこっそり観賞しているのを差し引いても……差し引いたらほんの少しだけ問題ありかもしれない。
「今回だけは節約は考えないで。時間と質優先よ」
子供を指導するのには慣れているので手際が良い。
「塩漬け肉も干し肉も、あなた達のご飯にはならないかもしれないけど里の評価に繋がるの」
これは子供の教育のための仕事ではない。
ヴィントでの決戦の勝敗がどうなっても、エルフの里が人類のために使う物資をつくる仕事だ。
「がんばりましょう」
言葉ではなく態度。
態度は行動であり実績。
高い目標であるヴィノニス達冒険者を目指し、エルフとしてはまだまだ幼い少年少女が精一杯頑張っていた。
●
大森林から派遣された護衛は、大型の荷台にみっしり載せられた保存食を見て驚愕した。
えへんと得意気に胸を張る幼エルフ達からは、困難な仕事をやり遂げた自信が感じられた。
「確かに引き継ぎました」
護衛達の礼は、本心からの敬意が込められていた。
マスターコメント
ショートシナリオ易しい 報酬:標準8 / 6〜8人
2021年07月03日 11時34分57秒 公開
相談掲示板
シューターのポコである! 宜しく頼むであるぞ。 (背の低いハーフリングが胸を張っている) 幼いエルフ達を守りながら一緒に狩りを行う、という感じになるであろうかな。 数が多い故班わけをするかは悩ましいところであるが、もしもの時に戦闘と避難に分かれるならまとまった方がいいかもしれぬかのう。 兎は任せてしまっても良さそうであるが、熊が出ると厄介ではある。 猪も率先して先に倒しておけるととっても安心! という感じではあるが。
どうも、シューターのキリアン・フィッツジェラルドと申します。 OPでの記述とは裏腹に、僕としては猟をしに来ました( とはいえ幼エルフ達は兎狩りが精いっぱいでしょうし、彼らの身の安全を保障するという意味では冒険者の職務を全うする次第です。 汎用スキルは、浅い部分とはいえ場所が森林であるのと、熊や猪の鳴き声を聞き取る為にも超聴覚とサーマルアイを持っていこうと思っています。 あと、捜波を使う事で何かが居るというのが分かるだけでも大きいですね。
ごきげんよう♪ クジンと申します♪ しがないウォーリアーではありますがよろしくお願い致しますね♪
ゴブリン、ヒーラー。サマエラだ。 よろしく頼む。 班分けについては、別集落同士だと上手くいっていない場合があるとのことで、 そこの見極めのためにも、ある程度纏まって行動させて、 連携の様子を見てみても、良いかもしれないな。 獲物は……そうだな、兎は任せて、熊はこちらで対処で良いと思う。 猪は罠に掛かり易く、OPから子らも罠は扱えそうな様子なので、 危うい時には私達が介入する、という前提で行動できるならば、 経験のためにいくらか任せてみるのも、良さそうだろうか。
シューターのレラ・シュマリと申します。 よろしくお願いします。 良い狩りのお手伝いが出来るといいですね。
ヴィノニスよ。みなさん、よろしくね? >班分け 基本的にはサマエラさんが挙げてくれてる方向で、事前に見極めする方針で問題ないと思うわ。 でも、せっかくの機会ですもの。 連携や護衛に問題がない範囲なら、なるべく集落ごとにまとまるんじゃなくて集落間でも交流ができるといいんじゃないかと思うの。何と言っても、エルフの人生って長いですから。
かしこまりました♪ お姉さんも異論ありません♪ 熊はこちら対処、うさぎちゃんと猪は子供達の安全に気を付けながら任せる、って感じですね!
ああ、上手くいっていない組み合わせが分かったならば、 その後に仲を取り持ってみるのは、私も賛成だ。 どうしても無理そうなら致し方ないが、共に過ごせる相手は、多いに越したことないものな。 一応の戦闘面も、 私は前衛として、万一にも子らに被害が及ばぬよう、壁になろうと思う。 念のため、ヒールなども所持しておく予定だ。
新しい参加者のカーテンッス。 禍根を残すと大変になるッスネ。
賑やかになってきたであるな! 宜しく頼むである。 大まかな流れも異論ないである。 ふむふむふむふむ。そうしたら我は幼エルフの様子見メインで動くようにしておこうかの。 通常時は狩りをする子らの観察、万一遠くへ行ってしまう子がいれば戻す。 熊が出た場合は避難誘導優先、問題なければ遠距離から攻撃支援。 ふふ、集落間交流も賛成であるよ。仲良きことは良いことである故。 できる限りは声かけもしてみる所存である。
ふふ♪ 仲良くなるに越したことはありませんものね♪ そちらも異論有りません♪ お姉さんも子供達には注意を払うようにいたしましょう♪
滑り込みになったが、ウォーリアーのケンだ よろしくな 子供らが対応できるのは対応してもらうって感じで問題ないかな 兎は子供らに隙に狩らせて、猪は手助けしながらある程度子供らにも対応してもらい、熊の相手はこちらに任せてもらい、大きい動物との戦い方を見て学んでもらうって感じになるのかな? まぁ、ウォーリアー・ヒーラー・キャスター・シューターとまんべんなく人員そろってるしよっぽどのことがなけりゃ大丈夫だろう
前回申したサーマルアイですが、それを取り下げて狩猟スキルにします。 狩猟スキル込みなら、上手い具合に対猪の罠作成を教授出来そうですし、何よりサーマルアイですと誤射が怖いので…… 熊の相手というのを抜きにしても、超聴覚で獲物の気配を感じ取り、危険なり何なり伝えるといった連携の手本も見せようとも思ってます。
満員御礼にて向かえるか、ありがたい。 あらためて、よろしく頼む。 ああ、狩猟面はケンの挙げた感じになるかと思う。 子らにも、先にそのように伝えておこうか。 汎用スキルは悩むが……潜んだ獣などを見落とさないように、看破と、 あとは数日かかるとのことで、日常面で使える調理でも持とう。 調理の手伝いなどを頼む形でも、子らに交流を促せたらと思う。