【学乱】心に沁みる一番の薬

空色みなも

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シナリオID:1021

オープニング

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 一角が書物に埋もれた部屋は、いかにもそこが研究に従事する人物の根城であることを表しており。
 部屋のあちこちに並ぶ色とりどりの薬品が、その研究内容を示していた。

 ここは、リーンエス王国にあるパンクリアース学園。
 そこで医薬品の錬成を研究する教員、ジョウ・ヘッジングの部屋だ。

「先生……最近の噂、ご存じですか」
「ああ、勿論だ」
 物憂げな表情で問いかけた金髪の少女ルウ・エリオに、部屋の主たるジョウは厳かに頷いた。
 ジョウを先生と呼んだことから分かるように、ルウはジョウに学ぶパンクリアース学園の学生である。

「この頃、王国民の間で、先生の作る薬が危ないという噂が広がっているみたいです……」
「そのようだな……」
 いつになく元気のない声で告げるルウと、嘆息するジョウ。

「あれだろう。例えば、私の薬を飲んだ後に亡くなった者が何人もいる、だとか。エリオ君なら、こうした話の意味も理解できると思っているが――」
「はい……ですが、そうした噂で先生の薬に不安を感じてしまっている方々がいるのも、また事実です」
 ジョウが語った噂の内容も、ほんの一例に過ぎず、実際には様々な方向から悪評がまかれているようだ。
 そのせいかどうかはハッキリしないが、ルウの報告によると、ジョウの医薬品の普及が遅れてきているのは確からしい。

「考えたくはないが……この前の馬車襲撃といい、十中八九、裏で貴族派教師が糸を引いているのだろう」
 今、ジョウが籍を置くパンクリアース学園では、王党派と貴族派による勢力争いが勃発していた。
 どちらかといえば研究者肌であり、政治に関心が薄いジョウにしても、王党派貴族である以上は無関係ではいさせてもらえなかったようだ。

「こんなこと、放置してはいけないと思います。冒険者の方々に事態の解決を依頼しましょう、先生!」
「……なるほど、その必要がありそうだな」 
 力強く訴えかけたルウに、ジョウはふむ、と自らの顎を手で撫でる。
 馬車襲撃事件が解決されたように、冒険者に依頼すれば何かしら良い手立てが見つかるかもしれない。

「それで先生、不躾とは思いますが……ひとつお伺いしたいことが」
 ここでルウが再び声のトーンを落とす。
「先生の――いえ、私たちの作っている薬は、本当に安全、なんですよね?」
 ルウはジョウのことを信じているはずだ。
 しかし、こうした孤立無援ともいえる状況は、ルウの心にも不安の影を落としていたようだ。

「はは、当たり前だ――と言いたいところだが。薬に対して、万が一の危険もない、などと考えたら私たちは終わりだよ」
 ジョウはそうした不安を笑い飛ばすかのようにみせて、不意に真顔に戻る。
「毒も薄めれば薬になることがあるように、過ぎた薬は毒になる。薬と毒は表裏一体なんだ」
 そう言って遠い目をしたジョウの言葉は、実際に様々な薬品を扱った者としての経験からくる重みを感じさせた。

「それでも、私たちの薬で助けられる者は間違いなく存在しているはずだろう? さあ、冒険者へ依頼を出す準備を手伝ってくれ」
「……はい、先生!」
 固くなった空気をほぐすように、ジョウはあえて軽い調子でルウに指示を出す。
 返事をしたルウの声には、いつものような張りが取り戻されていた。

解説

●目的  ジョウの販売する医薬品に対して王国民にまかれた不信を払拭する方法を考え、実行すること。  結果として王国民の過剰な不安を取り除くことに成功すれば、その筋道は問われない。 ●状況  王国民にいつの間にか、ジョウの販売する医薬品が危険なものであるという噂が広がっていました。  ジョウはこれを、学園の貴族派教師による嫌がらせと踏んでいます。 ●人物  ▽ジョウ・ヘッジング  パンクリアース学園で、医療用の薬を様々な素材から合成する研究、錬成術に取り組み、学問として教えている教師。  出身は王党派貴族。  ▽ルウ・エリオ  ジョウに錬成術を教わるパンクリアース学園の生徒で、授恵者。  王党派貴族を実家に持つ。

マスターより

 お世話になっております、空色みなもです。  連動【学乱】でのリリースとなります。  パンクリアース学園の学生であるルウ・エリオが、引き続き学園で起こった動きに巻き込まれます。  関連NPCにルウ・エリオが紐づけられています。  相談掲示板では基本的に出発48時間前までに行われた質問に回答します。  人々を不安から救う皆さんのプレイングをお待ちしております。

リプレイ

●
 色彩豊かな薬品が並ぶ、ジョウ・ヘッジングに割り当てられた準備室に、五人の冒険者たちが集まっていた。

(正直に言えば、医療が政治に干渉するような立ち位置するのもどうかと思うが)
 サイラスはジョウの学園における立場に内心疑問を覚えつつも、仕事として依頼を受けたからには、相応の働きをするつもりだった。

「過去の診察? っていうか投薬の記録ある?」
「それはワタクシも知りたいでございますね」
 サイラスの問いに乗じて、ハリーヌ・ヨツユビが進み出る。
「薬を飲んだ後に亡くなった方が、どれくらいの期間を空けて亡くなったか。飲んだ時点で手遅れのような病状や老衰の状態でなかったか。それを調べてみたいのでございます」
 ハリーヌは流されている噂の一つに着目し、その真相を確かめておくつもりなのだ。
「そこに注目されるとは流石、冒険者の方は慧眼をお持ちです。私から説明してもいいのですが、実際にご確認されてみるのもいいでしょう」
 資料の束を取り出したジョウは、それを冒険者たちへと差し出す。
 医者が患者へ投薬を行った後につけていた経過観察を、情報収集のため手紙で送って貰っていたものだという。

「やはり……思った通りでございましたね」
 ハリーヌが資料を検めてみると、なるほど、たしかに服薬後の死亡事例は存在した。
 しかしそれは、服薬の後に死亡した、とは言えても、服薬のために死亡した、とは認められない事例ばかりであった。
 中でもハリーヌが指摘していた通り、そもそも重篤患者への投薬であったため、力及ばずそのまま病気で亡くなってしまったケースが事例のほとんどを占めている。
「それでも事実だけを切り抜けば、死亡事例があるのも嘘ではない。となれば、不安になるのが人の情、ということなのでしょう」
 ジョウもこうした心情について、一定の理解は示しているようだった。

「ただし、それは薬を飲んだ後に病が治った、からといって、薬のために治った、とは必ずしも言えないのと裏返しでもございます」
「はい、それは勿論です」
 ハリーヌにジョウが提示した資料が確かであれば、という但し書きは付くが、少なくともジョウは薬が病の治癒に与える影響について因果関係の確認を行なったうえで流通させているようだった。

「医薬品ってのは、一般人から見たら、よく分からない物、なんだよな」
 聴講生としてパンクリアース学園に出入りしている海神・江流が、ここで口を開く。
「医者や薬師に言われるがまま使ってしまう事って、不安の原因の一部になり得ると思うんだよ」
 江流の言葉には、薬を処方される患者の側が、より主体的に薬について理解を深められるようにする必要がある、との思いが込められていた。

「だからさ、患者さんに薬の履歴書みたいな物を作るようにしてあげたらどうかな?」
「……なるほど、そのような方法が」
 そして江流が行った提案に、ジョウが唸る。
 急に倒れて医者に担ぎ込まれた患者が、普段どんな薬を使っているか、そうした情報が重要になる場面もあるだろう、と江流は説く。
「そういう時に必要な情報がすぐに分かるように、今後、ジョウの薬を買った人にはその履歴を販売側が証明してあげるの」
 手帳とかだといいんじゃないかな、と江流は具体的な配布形態についても案を出す。
「ふむ……薬の販売価格を抑えるためにコストは多くかけられませんが、最初の一回に配って済むなら、なんとかなるかもしれませんね」
 それを聞いたジョウも実現に向け、前向きに構想を練り始めている。
「それがあれば、不安な人はその記録を医者に見せて確かめられるだろ?」
「そういう使い方であれば、患者本人が字を読めない者でも問題ない、ですね」
 江流のアイデアの一つ一つに、ジョウは感心していた。

「ジョウが医者や他の薬師に見られても構わない、ってスタンスで情報を提供することで、患者さんも安全を確認できるようになる」
 自らの持つ医学知識を生かし、江流は巧みな話術で自らの案をアピールする。

 分からないから不安。
 不安だから危険、効果が無いと思ってしまう。
 その悪循環を、断ち切るために。

「貴族派とか王党派とか関係なく誠実に薬は提供しているよって、裏付けにできたり、したり。少し時間はかかるけど、必ずジョウたちの助けになると思うよ」
「ありがとうございます。なんとか実現できるようにしてみましょう」
 江流に向け、ジョウは最後に大きく頷いた。

●
「私は犯人探しの方向で動いてみようと思う。噂をまく人が元気に活動していると堂々巡りだからね」
 やはり王党派貴族を実家に持ち、パンクリアース学園に在学中のシルヴィア・A・カペルは、出自や派閥を問わず学園生を家族のように思っている。
 それだけに、噂のために薬が忌避され、助からない命が生じるかもしれない可能性を許せなかった。

「ははあん、あん時の薬すね……ルウさんもジョウさんも大変すなあ。いやでも、ちょっと貴族派の人もやりすぎすね……?」
「お気遣いありがとうございます、マタリキーさん」
 同じく犯人確保のために動くつもりのマタリキー・T・ヒーローに、ルウ・エリオが頭を下げ、ショートの金髪を揺らす。
 その時はサイラスも共に居たが、マタリキーは以前にジョウの薬を輸送する馬車が襲撃される事件を解決しており、自身の守った薬が今度は風評被害を受けていると知って、ルウたちに同情を寄せていた。

「犯人として心当たりのある相手はいるかい?」
「怪しい者が多い、という意味で絞り切れない状態ですが……あの馬車襲撃から繋がるのであれば、貴族派教師の中でも特に過激な思想の持ち主の仕業かと」
 シルヴィアの問いに、ジョウからは頭の痛くなるような答えが返って来る。
 例外があり得るとはいえ、過激な貴族派教師の多くは、誰かしらに何かしらの嫌がらせを行っていると目されているとのこと。
 どの教師がジョウに対する妨害を受け持っているか特定するのは現段階では難しいだろう、というのがジョウの見立てだった。

「なるほどね……これも聞いておこうか、ジョウの薬で命が助かった、かつ、連絡が取りやすい人は居るかい?」
「それはおれも聞いておこうかね。特に貴族派で助かったのが居たら、その言葉とか欲しいよなと」
 シルヴィアは風評被害の払拭に使えそうな情報もジョウに尋ねておく。
 噂に対抗してポジティブキャンペーンを行うつもりのサイラスも、貴族派の中に味方にできそうな相手が居ないか確認を行う。
 いくら派閥が異なるとはいえ、命の恩人に対して悪く言える者もそういないのが人情であろう。
 王党派に対立するはずの貴族派の人間からも前向きな証言があると知れば、ジョウの薬の信用度は大きく上がるはずだ。

「じゃあ、後はそれぞれ配置につくすかね」
「皆さん、どうかよろしくお願いします!」
 マタリキーがよいしょと椅子から腰を上げたのを合図にしたかのように、ルウが改めて冒険者たちに頭を下げた。

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 パンクリアース学園の誇る大食堂は、人気の日替わり定食を目当てにしてか、今日も学生で賑わっていた。
「高貴な皆様方、ワタクシのような下賤の者がお声をかけることをお許しくださいませ」
 そんな学生グループの一団を呼び留め、目に涙を溜めたハリーヌが上目遣いで見上げていた。
「ワタクシ、とある貴族の主人の使いで参った者でございます。実は、ご主人の幼いお嬢様が重い病に臥せっておりまして……」
 もちろん、ハリーヌの語ったこの言葉は、建前というやつだ。
「コチラに薬の研究をなさっている高名な先生がいらっしゃると……良い薬なら持ち帰りたいのでございます、が。悪い噂を耳にいたしまして。その薬を飲んだ方々の記録を入手したものの、愚かなワタクシには理解できず」
 よよよと泣いてみせるハリーヌの本当の狙いは、学生たちにジョウの薬の記録を見せ、その安全性を広めること。

「聡明なる皆様、この薬はお嬢様の命を掬えるものでございますか!? どうか、このワタクシめにお情けを!」
 ハリーヌの迫真の演技を前に、学生たちも記録を受け取り目を通してくれた。
 そして学生の一団の中でも、特に理知的な雰囲気をまとった学生が代表して意見を述べた。
 少なくとも悪いものではないようだから、安心するといい、と。
 それを聞いたハリーヌは、別の意味で安堵の息をついたのだった。

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「よう、繁盛してるみたいだな?」
 町中で井戸端会議を見つけては薬で助かった人物の噂を流していたサイラスが、次に目を付けたのは。
 一曲を終え、投げ銭を集めていた吟遊詩人であった。
「おれ冒険者なんだけど、面白い冒険譚とか欲しくない? なに、駄賃はいらんよ」
 自慢話を広めて欲しいという体で、サイラスは吟遊詩人に無償で自身の経験を提供しようと申し出る。
 吟遊詩人も新鮮な飯の種がただで手に入るならと、この話に食いついてきた。

「ジョウ・ヘッジングってセンセが薬を作っているのは知ってる? その薬を運ぶ馬車が悪い奴らに襲撃される、っていう事件があったんだけどね?」
 サイラスが吟遊詩人を通して流そうとしたのは、メドゥの指先とみられる集団にジョウの薬を輸送する馬車が襲われた事件の存在であった。
 人の世を乱したいテロリストが妨害したい薬であるということは、逆説的にジョウは人のためになる薬を作っているのであるとの印象を広めるためだ。
 逆にジョウが危険な薬を作っているために潰されようとした、と事実が歪められて利用される可能性もあったので、そうなる前に悪い噂の芽を摘んでおきたかった、という狙いもある。

「馬車を守るおれたちの前に現れたのが、これが色とりどりの派手な五人でね?」
 サイラスは吟遊詩人が積極的に曲として扱いたくなるよう、戦闘の盛り上がりも克明に描写していく。
 自分ばかり目立つのもなんだから、と他の冒険者たちの様子を中心に教えたので、その中にはマタリキーの活躍も含まれていた。

(それにしても、なんで王党派側みたいな顔で冒険者が動いてんだろなー?)
 サイラスは仕事だからとジョウを手伝いながらも、国内政治に冒険者を動員する王国に疑問を覚えないこともなかった。
 王党派側の依頼ばかり冒険者ギルドに並ぶとしたら、貴族派教師が非合法な手段に頼ろうとしている、というのが大きな原因になっているとは思われるが。

「薬がセンセのもの、っていうのは忘れず歌ってよ」
 サイラスが念押ししてその場を立ち去ると、吟遊詩人は早速インスピレーションが湧いたのか、弦楽器をつま弾いて作曲にかかっているようだった。

●
(悪い噂で不安を煽る……難民キャンプの依頼を思い出すね。前回の報告書を見るに、敵は荒事に慣れていない、お上品な貴族様らしい)
 悪評の出どころの調査に乗り出したシルヴィアは、女性三人が集まってジョウの薬について噂しているのを早々に見つけ、話題に興味を抱いた風を装って割って入った。
「薬が原因で亡くなった? どんな病気で、どんな薬を飲んだの?」
 シルヴィアが丁寧な作法で話しかけたものだから、女性たちはシルヴィアが急に現れたことを気にもせず、あれやこれやと噂の内容を教えてくれる。
「へえ、そんな話、誰から聞いたんだい?」
 シルヴィアが感心してみせると、知り合いの誰々が言っていた、などと懇切丁寧に説明して貰えた。
(噂と言うのは人から人へと伝わるもの。元凶に辿り着くまで、粘り強く上流へ遡らないとね)
 こうしてシルヴィアは、着実に噂の発信源へと調査の手を近づけていく。

「ジョウじるしの薬あるすよ~。いかがすか~?」
 マタリキーは田舎から出てきた農民が薬が効きすぎて余ったから、という設定で薬を売り歩いていた。
 なお販売する薬の薬効についてはジョウにあらかじめ確認し、素人が取り扱っても大丈夫な類のものにしている。
 するとマタリキーの思った通り、でもその薬は危ないって噂だよ、だなんて言い出す者が現れた。
「えっ!? でも効いたすよ? めちゃめちゃ効いたっす」
 マタリキーは初めて聞いた、とでも言うように大げさに目を丸くしてみせる。
「ははー、どこの誰がそんなこと言ってたんすか? ひょっとして、そのヒトの薬はもっと効くってことすか?」
 挑発的にニヤリと笑んでマタリキーが問うたものだから、噂を口にした者も、根拠として話の出どころを挙げてきた。
「あと副作用? 腹が痛いとき、お腹の動きを抑えたりする薬とか、普通のときに飲んだら便秘になるすよ。そういうもんす」
 こうなれば後はマタリキーの思う壺、薬の副作用を心配していた声に対しても、マタリキーは答えを用意してやる。
 田舎者ですら道理が分かっている、という顔をしてスラスラと述べたものだから、都会の人々もプライドを刺激されたのだろう。
 そんなことは実は最初から分かっていたんだけどね、とでも言い出しそうな顔をして、ジョウの薬を買い求めて来たのだった。

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「お金を貰って噂をばらまいていた、という人物の身元までは押さえたよ。流石に、その人物に依頼した相手は身元を隠していたようだったけれどね」
 シルヴィアはマタリキーから伝えられた情報を合わせた調査の結果を資料にまとめ、ジョウへ報告していた。
「まだ貴族派教師本人に届かないのは口惜しいけど」
「いえ、今回の事態を解決する分には、十分な成果と言えましょう」
 悔しがるシルヴィアに、ジョウはフォローを入れる。
 実行犯が判明したということは、この件についてこれ以上の被害が広がることを防げ、大元の貴族派教師についても牽制が可能な状態にある、ということだ。

「後、私はジョウの薬で救われた人に情報の発信を頼もうと思ってる――助けられない命を少しでも減らすために」
「それで、俺からもジョウ先生に頼みたいことがあるす」
 シルヴィアが決意を表明したところで、マタリキーがジョウへ依頼したことは――。

●
「正しい知識、というものは世にこれだけ求められているのだな……」
 会場にずらりと集まった群衆を前に、圧倒された様子でジョウが呟く。
 ジョウがマタリキーから頼まれたのは、実際に人々の前でジョウ本人が薬の解説をすることだった。
 その場には、シルヴィアの依頼により講演を引き受けた、ジョウの薬で命を救われた人々の姿もあった。

 ジョウの講義の後には、合わせて設えられた薬の販売所に、長蛇の列ができていた。
 聞けば、並んでいる人々は皆、これまで悪い噂でジョウの薬を買い求めるかどうか、悩んでいたのだという。
 このときジョウの薬を購入した人々には、その証明として江流が発案した薬の履歴書が配布された。

「エリオ君、やはり私は思うよ……教育というのは、全ての人々にあまねく必要なものである、と」
「先生……」
 ジョウがぽつりと漏らした言葉を拾って、ルウも思わざるを得なかった。
 パンクリアース学園を取り巻く現状を――。

マスターコメント

 お疲れ様でした。空色みなもです。  このたびは当シナリオにご参加頂き、誠にありがとうございました!  皆さんのおかげで、王国民の間に広がりつつあった薬に対する過剰な不安は取り除かれ、正しい知識をもとに判断しよう、という機運が高まりました。  薬への不安からくる服薬拒否で助かるべき命が助からなくなる、という事態も生まれかけていたでしょうが、それも未然に防がれたことと思います。  また皆さんにシナリオ参加して頂けるのを心よりお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜8人

2021年06月17日 02時46分42秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ハリーヌ・ヨツユビ

    さて…どなたかいらっしゃると良いでございますね…。 しかし、お薬の安全性でございますか。いささか難しそうなお話でございますねぇ。 薬を飲んだ後に亡くなった方がいる、というのは何となくナンセンスなお話に聞こえるでございます。 が、それだけを聞けば不安になる方もいらっしゃるでございましょう。 そうでございますね… 先生が、薬を飲んだ方々の病状やご年齢など詳しい記録を残しておいでなら、亡くなった方々が薬のせいで亡くなったのではないとわかるかもしれないでございますが…

  2. No.2

    サイラスだ、よろしくなー まあ成立する様に祈ってプレ書いとくくらいか まあ個人的な行動としてネガキャンにポジキャン返しとこうかなと。というか噂の対処だからねぇ

  3. ハリーヌ・ヨツユビ

    サイラス様、よろしくお願いいたします! ワタクシもプレイングを出しておくでございますよ!

  4. マタリキー・T・ヒーロー

    うす、こんにちはす。これで成立……すかね。色々かたづけてから、またこっちに顔を出そうと思うす。 つか、またルウさん、えらい目にあってるんすね……。

  5. シルヴィア・A・カペル

    シルヴィアだ。ギリギリでの参加だけどよろしく頼むよ。依頼の成立を願おう。 >個人行動 サイラスが言ってくれているように、噂をプラスに置き換えるのと……犯人探しかな。噂を払拭しようとしても、噂を撒く人が元気に活動していると堂々巡りだからね。ジョウに心当たりのある貴族派教師について聞いて学園を調べてみたいと思うよ。 噂をプラスに置き換えることについては、ジョウの薬で救われた人に積極的に発信してもらうのと、その手伝いをする、かな。 私もプレイングを書いておくよ。

  6. シルヴィア・A・カペル

    マタリキーが参加してくれたから依頼成立だね。皆、改めてよろしく。

  7. マタリキー・T・ヒーロー

    あーはーん。なるほど、あの時のアレっすね……薬を狙われたりしていたやつ……。 噂を反転させるの、どうするすかねえ。 シルヴィア先輩がおっしゃる通り、こう、噂の根を断ちにいくのはよさそうす。 悪い噂をばらまけるくらいなんで、良い感じに誘導できたらよさそうすけど……うーん。 そうすね。俺は、薬師のセンセは腕を売る仕事だと思うす。 真実も信頼も腕があってこそ。なんで、センセがいい感じのお人だってことが伝わるようにしつつ、ワンチャン悪い噂を発信してるひとがいたら、その人と舌戦でもしてほしいなあと思ったす。 なんつーか、知識とかでなくて、こう、薬師らしい態度……みたいなもんで、信頼を得られたらなあ、っていう。 話の流れ次第では毒見薬くらいは全然するすけど……とま! そんな感じでどうかなあと。

  8. 海神 江流

    ギリギリの参加で失礼。 シーフの海神江流だよ。今回は宜しくね。 風評被害?っていうのかな。 ちょっと相手にしなきゃならないモノが大きい気がするけど、不安=わからないこと だと思うんで、そのへんを払拭する方法を提案してみようかと思うよ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0