【帝国】蟻の巣穴
紀藤トキ
コメント 18
シナリオID:977
オープニング
対王国の前線だったヴィントには常時2万の帝国軍が駐留していた。駐屯所は、彼らが訓練したり訓練したり訓練したりする場所だ。そこで訓練以外に何をしていたのかはアロイス・シュタイナーは知らない。というか、ヴィント市の外にあった帝国軍の駐屯所を、アロイスは見た事もなかった。帝国を襲った異変の前はヴァンセントラフ砦やヴィント市とは違う場所に配属されていたのだから当然だ。彼へ冒険者たちと共に偵察を行う指示が下ったのは、崩壊した駐屯所に悲しむことがない故かもしれなかった。
「事前の情報によると、その駐屯所は現在ダンジョンになっている……らしい」
ただの軍人であるアロイスにはダンジョンの発生理由など分からないのだが、冒険者ギルド側の資料によればエーテルが限度を超えて濃い土地がダンジョンになるらしい。いまやダンジョン化してしまった駐屯所には、敵対的な生物が出現しているそうだ。目撃報告によれば、その外見は昆虫型の亜人に似ていたらしい。
「一般には蟻型亜人などと呼ばれる奴だ。私も見た事は無いが、コボルトやオーク以上に理解しがたい生き物らしい」
ダンジョンと化した地ではもともと住んでいた生き物が変質することもあれば、どこからともなく何かが現れる事もある。そのどちらのケースであるかは分からないが、連中が巣を作っているという事は女王が存在するはずだと、冒険者ギルドの書類には書いてあった。蟻型亜人は女王を頂点とするコロニーを作るのだそうだ。たった半年で増えすぎている感はあるのだが、おそらくダンジョン化に伴う影響だろう。
「……正直に言えば、私はまったく知識が足りていない。冒険者ギルドがよこした資料以上にはわからないのでな……。そして、それは帝国軍全体を見てもそうだ」
蟻型亜人と戦った経験がある部隊は存在するらしいが、巣まで攻め入ったことがある訳ではない。そもそも、その時の群れと今回の群れの性質が同じとも限らない。
「現地の情報もそれほどない。駐屯所にもともとあった建物は簡易な物が多く、異変で多くが喪われている。重要な資料などは市内にあっただろうが……」
そう言って、アロイスは卓上に雑な地図を広げた。もともとの駐屯地は、簡易宿舎や倉庫などが立っていた一角と、訓練などに使われる幾つかの広場があったらしい。蟻の巣穴は広場跡に幾つか見受けられる。遠くから偵察隊が見た限り、少し縁が盛り上がった巣穴の周りには蟻が2体歩哨に立っているそうだ。穴は隣接する事は無く、それぞれの距離は最短で数十メートル程は離れているらしい。それら同士で連絡を取り合っているのかどうかはわからない。
「見張りはおそらく兵隊アリ、と呼ばれる奴だろう。作業や運搬をする蟻と、戦う蟻は役割分担している、らしい」
働きアリが戦えないわけではないのだが、槍っぽい物や盾っぽい物を持つ兵隊アリの方が強い。群れの規模によっては親衛隊蟻だとか魔法蟻が存在する事もあるそうだ。
「この働きアリは巣から出てその辺を単独でうろついているようだ。兵隊アリは何か起きない限りはだいたい巣の中にいるみたいだな」
何か起きた時というのは、報告によればたまに兵士が数体でクリーパーと戦っている事もあるという。その際のクリーパーの死骸には、刺された跡、切断された跡、砕かれた跡と、酸で溶かされた様なものがあった。兵隊アリは槍と盾で刺したり殴ったりはするだろう。切断については、大顎で噛みついたのかもしれない。酸については、冒険者ギルドによれば酸を吐く蟻がいる場合もある、そうだ。
「分かっている事は、大体そんな感じだな。あ。あともう一つ。蟻の巣は一般的にはさほど複雑な構造ではない、らしい。その事前調査もある程度できると良いな」
迷わせるような意図があることはない。ただし、枝分かれの数が多いことはありうる。下っ端のアロイスには分からないのだが、どうもヴィント攻略に際してはこの駐屯所を制圧する必要があるらしいのだ。この場合の制圧と言うのは、つまり女王を討ち取り蟻を駆逐すること。発生しているダンジョンを破壊する事だ。
「これまで報告された事のある女王蟻はだいたい巨大であまり動かないから、もしも居場所を調べておけるなら本番の前にそこまでのルートを確認しておきたくもある。ここまでの説明で分かると思うのだが、要求事項は多い。できる事とできない事の取捨選択は、現場判断で適宜行うべきだろう」
眉間にしわを寄せつつ、アロイスは概括した。
「以上を踏まえて、私はとりあえずひと当てしてみれば敵の能力が判明するのではないか、と思っている」
たどり着いた結論はタダの脳筋だった。彼なりに考えはしたのだ。上層部が作戦を立てる際に、どのような情報が必要になるか。まず最低限の所が敵の能力だろう、と。
「もちろん、提案があれば受け入れたい。集まってくれた面々の力量次第で別の方策も考えうると思う」
依頼を引き受けてくれる者がいればありがたい、とアロイスは言葉を締めた。
解説
マスターより
リプレイ
「これ以上見つからずに接近するのは、難しいかもしれないわ」
ミツキ・アインホルンがそう判断したのは、崩れた壁の影で巣穴からは直接見えない位置だ。この先に身を隠せる障害物はない。王国の密偵のように身を隠すのが得意な者ばかりであればもう少し詰められるだろうが、装備を固めた冒険者では難しかった。一同は遠目に蟻を観察するだけでわかる情報を、まずは確認する。
「どうやら蟻の巣は蟻塚型ではなく地下型のようですわね」
実際の蟻の巣に似るなら、どちらかの形状ではないかとバンビは事前に予測していた。その辺をうろつく作業アリのサイズは自分と大差ない。もしも彼らが平地に蟻塚を築くのであれば、遠くからも見える高さになろう。でも、駐屯地の奥の方が心なしか凸凹している気もするのは、中の空洞が後から拡張されて蟻塚化している結果かもしれない。ついで、トゥーリも分かったことを報告する。
「ときどき変な匂いはするけど、それに何かの役目があるのかはまだわからないかな」
彼女は接近する間、時折鼻をひくつかせていた。蟻がうろうろしている辺りに漂う匂いはあれど、蟻がそれを何かの道標としているのか、単に生物としての匂いを発しているだけなのかまでは今のところ判別がついていない。一つだけ、皆に分かったことはある。
「……蟻亜人って喋るんですね」
「見た目からすると、どこまで『亜人』なのか迷ってしまいましたが。コミュニケーションができるから亜人なのでしょうか」
驚いた様子のクローリカと、考え込むエルファリアと。蟻は時折ギチギチギイギイと音を発していて、別の個体がそれに返している様子もあったので、おそらくは会話が成立しているのだろうと推測は出来る。
「蟻に話す能力があるとして、ですが。声はどの程度大きくできるのでしょう」
「それによって距離とか変わってくるよね」
クローリカの疑問に、トゥーリも同調した。巣穴近くの見張りはもちろんだが、周囲でうろついている作業アリも斥候として機能しているはず。彼らが斃れる前に騒げば周囲のアリがどう動くか分からない。それを確かめるのも任務だった。
「ま、見てわかるのはその程度だな」
「あたしもそう思うわ。あとはやってみないとわからないよね」
ナハシュは飄々と、シャトンは慣れた様子でそう言って、雇い主の方を見た。アロイスの眉間の皺はタダの癖で、別に怒っている訳ではない。
「そうだな……。では、仕掛けてくれ」
「あ、範囲は知れているけど、ひとまず調べられる範囲は見てから仕掛けないとね」
ララベル・サン・ディーベルが一言断ってから、捜波を飛ばす。巣穴の地下を確認した際に、目を丸くした。
「入り口の下にいっぱい固まってるみたいだよ」
「……都市の門近くに詰め所があるような感じね」
ララベルの報告に、ミツキが納得したように言う。見張りの2匹に加えて、騒ぎが起きればすぐに出てくるだろう数が10匹程度控えているようだ。それ以外に、近場には作業アリが10体ほどうろついている。
「ここからどこまでうまくやれるかで、後の作戦の楽さが変わるわね」
「では、まずは近づいてみます」
ミツキの声を背景に、まずクローリカが隠れ場から踏み出した。
●
巣の近くの歩哨よりも先に、うろついている作業アリが彼女に気が付いたらしい。自分から手出しをせず、まずは様子を見る。
『ギィ』
一声鳴くと、近場の作業アリが2体ほど動きを変えた。まだ巣穴にいる蟻に動きはない。
「……私が回避できる程度、ですね」
伸びてきた手を避け、切り返した。手ごたえは硬いが、切れぬほどでもない。クローリカは決して攻撃寄りのウォーリアではないのだが、ただ一撃で敵はひっくり返った。辛うじて即死はしていない。控えていたナハシュが一刺しすると息絶える。
『ギギィギィ』
近づいていた作業アリが再び鳴いた。
「来る……? あ、いや。来ない?」
様子を探っていたララベルが首をかしげる。作業アリは潮が引くように後退を始めていた。
「わ、待て!」
慌てて駆けだしたトゥーリが香水の瓶を投げつける。下がっていく蟻の一匹に中身が付着した。それと入れ替わりのように、巣穴側のアリが動き出す。
「……5秒? 10秒でしょうか? 鳴き声がしてすぐ動き出した感じですよね」
「なかなかの反応速度ですわ。とはいえ、オレに比べればまだまだ……」
指折り数えていたエルファリアが呟くと、対抗意識を刺激されたのかバンビが言い放つ。仕掛ける側の冒険者たちと違い、予期せぬ襲撃の筈なのにこの反応速度という事は、常に即応態勢でいるという事か。
「見た目だけじゃなく、そういう所も人っぽくないですね……」
「さっきの奴より皮膚は堅そうだし、隙間とか狙う方がいいかな?」
エルファリアの淡々とした評価に、ララベルが見てわかる情報を共有する。槍に盾を持った蟻が10匹、手の空いた蟻が2匹。見張り役だった個体も合流してこちらに向かってくるようだ。
「さて、先手必勝ですわよ!」
バンビがタイダルストリームをぶちかますと、巻き込まれた蟻がギチギチと鳴いた。まずはひと当て、敵の戦闘力を見るのが目的だ。走り出した蟻と、前に出た冒険者たちが接敵する。戦いが始まったのは巣穴から少し離れた場所となった。
●
槍を持つ蟻は決して弱くは無い。おそらく帝国の一般兵士では太刀打ちできないだろう。とはいえ、この場にいる冒険者たちは概ね、授恵者として一人前扱いされるレベルは超えている。10匹に対するにララベル、トゥーリ、クローリカとエルファリアの4名で十分支えられそうだと見たナハシュは、いつでも奇襲をできる構えのまま様子を伺った。
「アーノルド、じゃなくって2号。出番よ」
シャトンの声に応え、手元にいる鼠の分身が地を走る。暗視は残念ながらペットへの効果はない。とはいえ、壁歩きの特性はアーノルド自身が持っている。門番が居なくなった後の巣穴へもぐりこむのには支障がない。巣穴は意外と狭く、3人並べばそれで一杯になりそうだ。
「……へぇ。壁はつるっとしてて。もしかして固いのかしら」
残念ながら手触りまでは共有できないので、わかるのは見聞きできる感覚のみ。では、聴覚の方はと耳を澄ましてみた。
「ちょっと反響しててうるさいわね。でも、結構遠くから音がする……」
あまり奥に行けば暗がりで見えなくなってしまう。と、いうことは蟻自体は光がなくとも苦にならないのだろう。見える範囲に、ララベルが探知していた『詰め所』っぽい部屋があった。10匹も詰まっていたとすると人間ならストレスを感じそうな狭さだ。と、足音はほとんどしないのだが、ギィギィ言う声が聞こえてきた。
「奥から新手? やり過ごせればいいけど」
慌てて天井へ捕まり、見つからない事を祈る。1匹、2匹……。
「あ」
何匹目かの蟻が敵意を向けてきた途端、鼠の分身体は泡の如く消えた。身を潜めていた物陰から、まだ交戦中の仲間へ新手の到来を告げる。
「最初と同じくらい……が、2セットいるよ」
地下の様子を探ったララベルがそう警告した。人間であれば渋滞しそうなところを蟻の群れはするすると動く。
「では、手はず通り退却するわよ」
ミツキが荒れ狂う雷を巣穴の手前に置き、新手の足止めを行った。交戦場所がもう少し巣穴よりであれば、駆け寄って鉄の壁で塞ぐ手もあったのだが、とバンビが思案する。前衛陣は敵を良く止めているし、能力では圧倒してもいた。今のまま様子見で戦ってもあと数十秒あれば倒し切れる。
「でも、出直しなら出し惜しみはなしですわね」
バンビが生み出した大量の光弾が降り注ぎ、手傷を負っていた前線の蟻がバタバタと倒れた。後方にいた2体のアリが大きく胸を膨らませる。
「また、酸を飛ばしてくるよ、気を付けて!」
ララベルが警告した。さきほどは前衛に引っかかるように広く拡散して降り注いだのだが、今度は軌道が違う。ミツキとバンビ、個人を狙った酸の弾丸だった。
「あっ」
「やりやがりましたわね」
2人とも当たってしまったが、エーテルバリアでしのいだミツキも、体力にはやや自信のあるバンビも1発でどうこうなるようなものでもない。アロイスの矢と2人の魔法、それにリピータークロスボウで参戦したシャトンが逆に討ち倒した。その頃にはダメージ系のスキルを解禁した前衛陣も勝利している。新手が巣穴から頭を見せた時点で、冒険者たちは逃げ出せる態勢だった。
●
兵隊蟻は深追いしてくる様子はなく、倒れた仲間の死骸近くまでやってきてから戻っていく。入れ替わりに作業アリが出て来て死骸を回収していくようだ。
「仲間を弔おうっていう訳じゃなさそうだが。あ、死ねば肉だと思ってるのか?」
ナハシュは気配を断ったまま、その様子を観察していた。吹き飛んだ肢を雑に拾っていく様子を見つつ、そんな感想を述べる。人間と同じような行動をとってはいるが、行動原理は異なるような気がした。
「おっと。まだ新手か……。別の入り口から来たって感じだな」
さらにしばし見ていると、地上を歩いて別の一隊がやってくるのが見えた。しかし、何やら作業中の蟻がギイギイ鳴くと元来た方角へ戻っていく。やはりコミュニケーションをとっているように思えた。まだナハシュの隠蔽に気づかれた様子はない。ついでとばかり、新手の兵士の後をつけることにした。
一方。他の面々は予定通り、再攻撃を仕掛ける算段だ。騒ぎを起こせばナハシュへの援護にもなるし、試行回数自体も多い方が良い。
「別の巣穴も同じような感じなのかな。目標を変えて、何度か試したいよね」
「あ、じゃあさっき逃げて行った蟻を追ってみる?」
地下の様子を視る事も踏まえてララベルがそう言うと、トゥーリがくんくんと匂いを嗅ぎながらそう言った。蟻たちは戦闘の前後に、匂いを吐く様子もあったのだが、それがどういう意味なのかは分からない。トゥーリの匂いを嫌がる様子もなかった。ただ、蟻の匂いと異なる香水の匂いを辿る事は問題なさそうだ。
「あたしも分身しばらく出せないし、今度は攻撃に加わるわよ。……そうだ、部位狙いが有効か試してみたいんだけど」
シャトンが言い、同じく弓手のアロイスへ相談を持ち掛けている。ミツキやバンビは弱体系の魔法の効きを試したいようだ。欲を言えば、酸を遠くへ飛ばしてくる個体の情報ももう少し集めたい。スキルに余裕があり、敵をあしらえている間は幾らでも実験をすべきだろう。
●
あれから3度、最初を含めれば4度、外周の巣穴に攻撃をかけた。50匹以上は倒した筈だ。わかったこととしては、どの巣穴も『詰め所』を持っている事だ。それと、近隣の2~3か所の巣穴は比較的浅い場所でつながっているらしい。一気に押し込んで増援が来る前にアイアンウォールで塞いでみた所、別の穴から出直してくる時間はそれほど長くなかった。
「そういえば、ゴブリナ草はあまり気にならないようでしたね」
クローリカは封鎖する前に火をつけたゴブリナ草を投げ込んだのだが、蟻へは人に与えるような影響はなかったようだ。
「兵隊蟻自体は手ごわくはないですね」
「ワタシたちにとってはね。でも、ちょっとやりにくくはあったかな」
クローリカが言うように、一人前の授恵者にとっては手ごわい相手ではない。が、身軽さが売りのトゥーリは巣穴の中で戦うとなると嫌な感触を覚えていた。人型の相手ではあるが、狼のような群れでの動きをしてくる。動きはとろいのに、狭い場所で追い込まれれば避けきれない気もした。
「あと、酸は嫌です」
エルファリアが顔をしかめる。ちょっと臭いし。鎧が弱る気もするのだ。後衛から酸を飛ばしてくる弓兵蟻の射程は杖並みで、蟻同士だと効かないのかそれとも気にしないのか、仲間を巻き込んでも撃ってくることがある。ただし、連発は出来ないようだった。
「虫って頭を切り離しても生きてるのとかいるけれど……」
「あいつらはそこまで高性能ではないようでしたわ。いえ。どちらが上等か知れたもんじゃありませんが」
シャトンとアロイスが試したところ、頭を撃ち抜けば人間などと同様に動きは止まる。バンビはさらに踏み込んで腕や足を切り離したらどうなるかも試していた。部位が無くなればその分困るのは間違いない。が、両手が無くなると噛みついたり、射程こそ無いが酸を吐いたりしてくるのも面倒だった。槍で突きあう一般兵であればリーチの有利さが得られるかもしれないが、自分達だけなら武器は持たせたままの方が楽な可能性すらある。
「もしかしたら、痛みをあまり感じないのかもしれませんね?」
と告げたのは、自身も痛みを切り離せるエルファリアだ。えげつない部位狙いを受けても、痛みで動きが止まる様子がないのは、自分と同じだと思った。
「切り離すと言えば、巣穴そのものを潰すのは予想外だったわ」
二度目の襲撃で防衛戦力を全滅させた後、歩哨が立たなくなった。少なくともその時その場においては敵の急襲はおそらくないだろうと見たシャトンが慎重にアーノルド本体を送り込んだところ、途中で崩落していたのだ。守り切れないと見れば通路を捨てる事もあるらしい。
「巣のなかには一体何体の蟻がいるんでしょうかね?」
クローリカの疑問に対しては、誰も答える事ができなかった。あのあと数か所を見て回ったとはいえ、表層を撫でたに過ぎないのだ。ただ、手前の『詰め所』にいる蟻以外の敵は、さっきは出てこなかったようだとエルファリアとミツキは予測する。二度目の襲撃で最初程の数が出てこず、全滅したのがその証拠だろう。
「一度襲撃した場所と近い巣穴では、増援が少なくなりましたね」
「詰めていない敵は中心に近い別の巣穴から地表を歩いてくるようです。現れるまでの時間が一定でした」
襲撃の後、ララベルが時間を掛けて観察していると元通りになったので、奥から補充されはするのだろうが。戦闘中にすぐ駆けつけてくるような距離にいるのは、せいぜい兵隊30体と言ったところなのだろう。
「もしかしたら、巣穴と言うか通路の種類が違うのがある、かもしれないな」
「え。何かわかったの?」
聞き返すララベルに、ナハシュが増援できた蟻を追跡していくと、ちょっかいを出した巣穴よりも大きな巣穴があったという。ただ、今まで攻撃していた外周部の巣穴よりも奥に入った位置になる。皆が見つからずに行けるかと言えば、今回は難しそうだ。
「隠れて近づくんじゃなければ、ちょっと面倒だと思うが。どうする?」
「……まだ無事だが、皆消耗はしている。現状で得ている情報も十分貴重だからな。ここは引こう」
アロイスがそう判断したことで、冒険者たちは後退することとした。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2021年06月07日 11時47分06秒 公開
相談掲示板
キャスターのミツキ・アインホルンよ。よろしくね 蟻の能力と、巣の情報の確認ね。 ぱっと両方得る方法として思いつくのは 「巣の近くで蟻を襲撃して、交戦の中で能力の確認」 「その交戦で敵の目を集めている間に、潜入が得意なメンバーが潜入して巣の情報収集」 こんな感じかしら
エルファリアと言います、よろしく。 そうですね、巣の中を確認するにしても退路は確保しておきたいですし…… ただ、潜入の間中、戦い続けるのは無理だと思うので(数の差があるので力尽きる)、潜入がうまくいったらいったん撤退、一定時間か何か騒ぎが起こった(潜入組が発見された)場合に退路作りに再度アタック、って感じでしょうか。 潜入組が危険な橋を渡るやり方なので、素直に外での戦闘に集中して戦闘能力把握と割り切ってしまってもいいかもですけど。 相手の移動速度が分かれば、「騒ぎが起こってから兵隊が出てくるまでの時間」である程度の「中の広さ(≒中を移動するのにかかる時間)」ぐらいは分かるかもです。
シューターのシャトン・アルジェントよ。 よろしくお願いするわね。 潜入ならあたしのネズミ(栗鼠)の分身体を使えば安定的に出来ると思うわ。 壁走りとか隠密とか使えば小型だから発見されにくいし、万一見つかっても敵意の視線だけで消えちゃうから攻撃を受ける心配もないわ。
ハイスピードキャスターのバンビですわ。 蟻の巣がどんな形態かにもよりますが、蟻塚なら地上部分の破壊、地下形態なら、水を 流し込んでしまうのも一つの手ですわね。 もちろんどちらも必要な物資の手配は効きませんが。 順当に行けばおびき寄せて戦闘とさっきも言った巣の形態の把握ができれば任務は達成だと考えられますわね。無理に内部まで押し込むことは基本的には避けたいですわ。
ウォーリアのクローリカです。 蟻の亜人という事は、巣の大きさにもよるでしょうが中にはかなりの数がいるでしょう。生身で探索に入るのは厳しそうです。 個人的な行動そしては、外にいる見張り蟻に喧嘩を売り、戦って能力を確認した後に退却しようと思っています。 あまり長く戦うとわらわら集まってきそうですし。
シーフのナハシュだ。よろしく。 ダンジョンっつうかでけえ蟻みてぇなもんだよなコレ。同じく基本外でのドンパチで連中の戦力を図るでいいと思う。 内部情報もそこまで複雑な造りじゃねえんなら、アルジェントの栗鼠が行ってくれりゃ十分な気がするしな。頼もしいぜ。
トゥーリだよ、よろしくね! 今回は能力と巣の情報を調査すればいいんだね。 巣の近くで交戦しつつ、その間にシャトンさんがペットで内部を調査する形かな? 調査中のシャトンさんって無防備になるのかな。その場合は一人は護衛についていた方が良さそうだね。
>内部調査はペットの分身体で ああ、それならほぼノーリスクですね。 こっちの戦力は外で戦うのに集中できますし。 となると、あと決めるべきは戦闘時の陣形とか、頃合ってところでどう逃げるかぐらいでしょうか。 普通こういう巣穴で戦うなら出口で出待ちでしょうけど、複数穴があるようなので、中で繋がってたり穴同士で連絡が取れるようならある程度やったら別の出入り口から回り込んできたりしそうですし……出待ちで何体か倒したら下手に粘らずに移動、また別の穴にしかける、みたいな感じですかね。 内部調査と合わせて、敵の反応(別の穴での戦闘情報が共有されてるか)でもある程度は構造が見て取れそうですし。
私もエルファリアさんの言う通り「ずっと戦い続けるのは無理だから一旦撤退」は賛成ね。 撤退を何度かするなら、アーケインテンペスト等で相手の足を鈍らせたりは任せて。 そしてシャトンさんの分身体は助かるわ。それなら安心ね 「出てくるまでの時間」で中の広さを確認は良いアイデアだと思うわ。 あと、ちょっと思ったのは、こちらの把握していない出入口がないか、私達の撤退後の戻るルートから確認できないかしら。 最初に(私達の把握している)穴から離れた所にいる個体を見つけて襲撃する必要があるけど。 こちらの交戦したのが戻るのを追跡するだけだからこちらならリスクは抑えられそう。 ただ、私自身は隠密はそこまで得手じゃないから、もしやってくれる人がいたらになってしまうけど……。
>こちらの把握していない出入口 敵が蟻だけにありそうな話ですわね。
エーテルリンクは1kmくらい離れても持続するから、戦闘と調査は分担してやろうと思うわ。 だから戦闘中の護衛は要らないわね。 調査中は巣から離れた位置で隠れて、巣の内部マップを作る感じでいくわね。 別段、完全に無防備になるって訳じゃないけど護衛があるとペットの視界に集中できるから、ありがたいわ。
>把握できてない穴の確認 帰る方向の確認ぐらいなら負担にならないので、特に反対はないです。 隠密行動は私もダメですけど。 そういえば、割と正攻法な調査になりそうなので、シュタイナーさんは普通についてきてもらっていい感じですかね。
>把握できていない穴の確認 成程な、出口が複数あったら確かに面倒くさそうだ。 やるならこっちでやっても良いぜ。隠密は程よく得意ではある。 >戦法 エルファリアが行ってるのできほんいいんじゃねえかと思うな。敵が集まり過ぎる前に程よく場所を移してぇもんだ。シュタイナーもこれならついてきてもらってもいいんじゃねえの?
さて、出発も近づいて来たし、今出てる話の流れをまとめるわ。 勿論私の認識なので、誤りがあったら教えて欲しいわ。 また、完全な決定稿というわけでもないから、「こうした方が良い」や「こうしたい」等あれば遠慮なく言ってね A:内部捜索 シャトンさんの分身体が担当 護衛→完全無防備ではないので必須ではないが、居ると集中できて助かる B:蟻との交戦 目的:蟻の能力の確認、内部の広さの確認、把握していない出入口の確認 様々な情報を得るため、 ①分身体が入り込むのを支援するため、既知の入り口近くの個体を襲撃。監視の目を集める ②後続の兵隊の出てくる時間及び蟻の行軍速度を確認。(中の広さの測定に使う) ③何体か倒した辺りで撤退 ④私達の把握している穴から離れた所にいる個体を襲撃 ⑤適度に交戦した所で撤退。と見せかけ、隠密得意なメンバー(現在ナハシュさんが挙手)が追い、把握できてない穴に戻らないか確認。 ⑥以後も適度に襲撃→撤退で情報を集める ◆確認事項 ・シュタイナーさんの割り振り →わたしはついてきてもらうでいいと思うわ。A班でシャトンさんの護衛と情報整理サポートに回ってもらってもいいし、B班で一緒に交戦してもいいと思うわ ・B班の戦闘時の陣形 →あまりきっちり決める必要はないと思うけど、わたしは後衛ね。 ・撤退方法 →3回までなら「アーケインテンペスト改」と「スタティックフィールド」で私が足止めできるわ。他の人も手段用意してくれると助かるかしら →あと相手を遅くしてもこちらの移動力が低ければ追いつかれるから、そこは皆意識しておく必要があるわね
>蟻だけにありそうな話ですわね。 ……あっ、そういうことね。(気づいた顔)
よく説明読んだら、巣穴自体は駐屯書跡の訓練広場に複数あるみたいね。 内部が繋がってるかどうかは分からないらしいけど。 最初の襲撃次点ではあたしは宿舎跡とかの隠れ場所が多い場所に潜んで戦闘には参加しない形になるわね。 分身体の制限時間が1時間だから、それを過ぎたら隠蔽状態を維持したまま見えない死神でさくっと戦闘参加する形になるわね。
ナハシュ ……………!!!! なるほどな(言われて気付いた顔) 纏めありがとさん。分かり易くてとても助かる。 個人的には特に問題ねえなら先に述べた通り、戦闘の他④の巣穴に戻る奴を追う感じで考えておく。途中で発見されねえように隠蔽値を極力抑えた構成になるな。 把握してねえ入口の方に入って行った場合も、透視暗視探波辺りで多少調べられるようにはしておくつもりだ。 あとは①の把握している巣穴付近の敵襲撃と、④の把握している巣穴から離れた個体の襲撃は完全にタイプが違うものだと思うんだが、これに関しては全体的な襲撃→撤退を繰り返す中でランダムに行う、という認識で問題ねえか? 問題なけりゃそんな感じの書き方をするし、もし交互に行うとかなら合わせるぜ。
なんか調べたいことがいろいろ出てきちゃって、箇条書きにしたらとりとめもなくなっちゃった…… プレイングとしては陽動と戦闘を支援しつつ、回復特化にしておいたよ! 今回は持久戦になりそうなのでヴァローとかバフは無いけど、その分回復山盛りだから多少の傷は安心してね。 ◆調べたいものリスト(プレイング済み 1.働き蟻・兵隊蟻の能力 2.蟻が巣から離れる範囲 3.蟻が巣へ危機を伝達できる距離・方法 4.巣の内部構造(味方の探査に任せる 5.親衛隊・魔法・女王蟻など特殊個体の能力 6.蟻そのものや巣から回収できる素材類について 7.指揮官個体の有無 >①と④ ①をやってそのまま陽動ができたら④、あるいは④単独って思ってたかな? ①~⑤は時系列って捉えたよ!