【HN】新米授恵者と行く廃屋の豚人退治
夜帷かもめ
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シナリオID:946
オープニング
春の穏やかな日が窓から差し込んでいる。リオ・アリスタはこみ上げる眠気をぐっと飲み込んで、思い切り腰を伸ばした。座り通しの身体に血の気が巡る。薄く開いた窓からは農作業に精を出す村人らの声が聞こえていた。
「あ~あ、ヒマだなぁ!」
もう一度。今度は先ほどよりも大きな声で、リオは呟いた。アロシュナバラの冒険者ギルド――もとい、リオの家の納屋には彼女の他に誰もいない。アロシュナバラはもともと授恵者なんて一人もいない辺境の村である。今はリオが唯一の授恵者であり、登録冒険者であり、ギルドの受付嬢を兼ねていた。
とはいえ、先の騒乱が起こるまでは王国からも地方領主からも半ば放置されていた土地であり、特産物や授恵者の興味をそそるような遺跡や何かがあるわけでもない。人々は、授恵者に頼らずとも日々の暮らしを営んでいた。
それはつまり――リオが授恵者になったからといって特に需要があるという訳ではなく。
「私も仕事するか、どこか冒険に出たいなぁ」
この季節は農作業や採集の盛りである。天気は上々、先だっての雨も上がり今日は農作業日和だ。本来であれば、彼女も皆に交じって畑の手入れに駆り出されていた筈。あれこれとやるべき事は多いのだ。『ギルドを管理する』というお役目を仰せつかったリオはギルドを空けることも出来ずに毎日腐っていた。
「そんなに暇なら依頼がここに一つあるが」
「ふぇっ!?」
納屋の隅から声を掛けられ、リオは飛び上がる。
「随分と腑抜けているじゃないか」
「あ、あ……アンタはッ!?」
驚きのあまりに口調すらぞんざいになったリオを横目に、ため息を吐いたのはヘンリエッタだ。細身の男剣士といっても通用する風貌を持つ彼女は、だがしかし、先に述べたアロシュナバラの争乱を引き起こした首謀者である。授恵者らの活躍によって争乱は鎮圧され、首謀者たるヘンリエッタは王国の配下――今は冒険者ギルド付きの授恵者として内外の表に出ない仕事を受け持っていた。
アロシュナバラの、あるいはリオにとっての仇敵とも言えるヘンリエッタがこうして単身ギルドへやって来たのだから、リオとしては驚くのも無理はない。
「なにしに来たのよっ!」
帰れと言わんばかりの剣幕で詰め寄るリオに、ヘンリエッタは取り合わない。授恵者としても、それ以外の場数としても相手にするだけ馬鹿馬鹿しいほどの年季の差が二人の間にはあった。
「仕事の依頼だ、と言ったろう」
村の外にオークの小さな集団が近づいて来ているとヘンリエッタは続けた。
「私が自分で受けてもいいが、暇ならお前――行って来たらどうだ」
「言われなくてもアンタなんかの世話にはならないから!」
敵はどこ、と勢いよく飛び出していったリオの背中をヘンリエッタは見送って笑う。
「さて……いつ頃帰ってくることやら」
●
「あんなにたくさん居るなんて聞いてないけど!」
「言う前にお前が出ていったんだろう」
「うるさいっ」
憤懣遣る方ないといった様子でリオが帰ってきたのは、翌々日の早朝のことだった。常人の脚であればアロシュナバラの村から三日ほど。打ち捨てられた宿屋の跡地にオークの集団が陣取っているのを確認して彼女は戻って来たのだ。
管理する者がいなくなって破れ家となった宿屋に巣食っているのは十二体のオーク。アロシュナバラへの往来が少しずつ増えてきているのを察知し、略奪の為にどこからか集まってきたのだろう。
ヘンリエッタ程の技量があれば単身での殲滅も可能だろうが、つい数か月前に授恵者となったばかりで実戦経験の少ないリオにとっては荷が重い。手伝おうかと揶揄うヘンリエッタの声を遮って、リオは言った。
「私たちの村は、私たちで守る!」
●
「――ごめんね? 手伝ってもらっちゃって」
大見栄を切ったものの、リオ一人では戦力の不足はどうしようもない。恥を忍んで彼女は正式な依頼としてギルドへこの一件を報告した。たまたま近くに用があって依頼を受けたあなたは、アロシュナバラのギルドで子細の説明をリオから受けていた。
「もう宿屋の所有者とかもいなくなっちゃってるから、建物の被害とかは気にしなくて大丈夫」
一階には受付カウンターとキッチン、それに十メートル四方程度のホール。二階には客室が六部屋――三部屋ずつが廊下を隔てて向かい合ったタイプの何の変哲もない造りの宿屋にオークらは住み着いているらしい。
「とはいっても、もうほとんどボロボロでね」
辛うじて外観は残っているが、屋根も床も穴だらけなのが遠目にも見て取れたとリオは言う。今は宿屋を中心に周囲の旅人や獣を襲っているようだが、じきにアロシュナバラへも略奪にやってくるに違いない。このタイミングでしっかりと殲滅しておくことが重要だと彼女は強調して、説明を締めくくった。
解説
マスターより
リプレイ
「あ……ハリスさん」
「俺もいるぜ!」
「ハヤトさんも! なんか、手伝って貰ってごめんね……?」
「気にすんなって。まさかリオが授恵者に覚醒するとはな」
「あれほど恐ろしい思いをしたというのに、逃げずに立ち上がる。その志や立派です」
冒険者ギルドから発信された依頼に、いち早く興味を示したのはハリス・アル・ターミルとハヤト=ガラン=ヴォルファングの二人だった。アロシュナバラとの縁も浅からぬ彼らとリオは、数カ月来の顔見知りである。先輩授恵者として慣れぬ依頼に戸惑うリオをサポートし、実戦経験を積ませようと、彼らは考えていた。
「覚えているスキルは? ――なるほど」
ヒーラーとしてはエルゼリオ・レイノーラが先達である。リオが持つスキル、覚えられるがまだ所有していないスキル、これから覚えるスキルを整理しつつ、ヒーラーに求められる役割を教えていく。一ダースものオークが相手とあって彼自身も気負うところが無いではないが、豊富な実戦経験の引き出しをもとに油断なく準備を整えていった。
「うち、フリューいうさぁ。リオ――さん? よろしくね」
「まだ被害は少ないみたいだけど、周囲を略奪し始めたら大変だからね。ここでしっかり退治しよう!」
「はい、お二人もよろしくお願いしますっ!」
「硬い硬い。緊張してたら実力も出しきれないよ?」
「――単純な仕事、だからこそ。稼ぎたければそれなりの成果を出さないとね」
フリューリングスルフト=ティエラにララベル・サン・ディーベル、エルケ・シャルフも先達として、積極的にリオへと声を掛けていた。フリューやララベルはそれぞれバルバロイの武装蜂起を鎮圧する際に功があった授恵者の一人だが、直接にリオと顔を合わせるのはこれが初めてである。報告書の中でだけ知る恩人と言葉を交わし、リオは顔をほころばせた。
「オークが居るという件の宿屋はそろそろ見えてくるころでしょうか?」
グレイブ・ヤードが皆へと警戒を促す。街道沿いを進む間は別段の出来事も無く、無事にオークが占拠したという廃屋付近までたどり着くことが出来た。ここから先はオークの見張りが目を光らせているかもしれないと、授恵者たちも警戒を新たにする。
「オーク……ですか。やはり、名前を聞いて気分がいいものではありませんね」
花のかんばせにそぐわぬ深い皺を眉間に寄せ、呟いたのはリディリディ・トゥラ・イェレミースだ。一行の中で唯一のエルフである彼女もまた、種族間の確執の例外ではなく、森を無遠慮に破壊することが多いオークへ良い感情は持っていない。
「作戦とはいえ女性を囮に用いる無礼……今は平にご容赦を」
「いえ、作戦として必要なことですから。私は喜んで囮になりましょう」
今回、授恵者たちはリディリディを囮としてオークを釣りだし、守りの薄くなった個体から個別撃破を狙う手筈で計画を立てていた。その矢面に立つリディリディにハリスが声を掛ける。
リディリディに向かうオークは、ハリスがそれを止める算段だ。互いに相手の技量を知っているからこそ、授恵者としての信頼があるからこその作戦である。
「緊張し過ぎんなよ、リオ? 仲間はみんな、誰も腕利きだからな」
安心して着いてこい。ハヤトが笑うと、リオも肩の荷が抜けたようにつられて笑った。
●
「完全に平野の吹きっ晒しというわけではないのね」
「これならうちらは結構近づけそうさぁ」
「そうね。油断せずいきましょ」
エルケとフリューは彼女たちだけに聞こえる小声で話し合う。視線の先には、暇そうに戸口を守っているオークの姿があった。
「ここからならひと呼吸で届くかな?」
「そうだな。敵は一階に六、二階に四。それと表と裏口にそれぞれ一匹ずつか」
戸口までの距離を目測で測るララベルに、捜波での索敵を終えたハヤトが新たに得た情報を共有した。彼ら二人はリディリディの魔法に合わせて、裏口から二階の敵へと一気に奇襲をかけるつもりでいる。機動力に長けた者同士、二人一組で隙を埋め合う運用はシンプルに強い。手信号で「突入準備完了」の合図を左方に展開したグレイブへと送ると、彼からも「正面準備ヨシ」の連絡があった。
「さて、駆除のお仕事しましょうか」
各員が準備を整えたことを確認し、グレイブは状況開始の連絡を同行者へと送った。建物正面に陣取ったリディリディが魔法の詠唱を開始したのが見える。その傍にはエルゼリオとハリス、それにリオが控えていた。大気を唸らせる魔力の奔流を感じ、表の戸口に立っていた歩哨オークが警戒の声を上げる。
「見張りの癖に――気を抜きすぎだよ?」
気が付いた時には、胸元から血に濡れた刃が生えていた。正面の攻勢と同調して音もなく忍び寄ったララベルが、背後からオークを一突きしたのだ。異常に気が付いた時にはもう遅い。分厚い肉の鎧を貫いて、細剣が亜人の血管を断ち切る。苦し気に苦悶の声を上げるオークが手にした斧を振り回すが、それは虚しくも空を切った。
「大したもんだ」
次いで距離を詰めたハヤトが、オークの足を払い、その腱を忍刀で切りつける。ブチリ――と嫌な音を立てて緑の血飛沫が舞った。力が抜けたように前へと倒れ込むオークは既に二人の敵ではない。首をハヤトが断ち切ると、さすがに耐久力に秀でたオークであっても成す術はなかった。
「急ごうか」
「ああ」
正面では味方が準備を進めているはずだ。合わせて内部に突入できるように、彼らは戸口の陰で息を整える。
愛用の杖をその手にしっかりと握り、いつもの通りに呪文を詠唱する。視線は真っすぐ敵へ向け、右脚を半歩引く。杖の先に集まった魔力は、オークを咢に掛けるその時を今か今かと待ちわびていた。リディリディの耳が、ピンと伸びる。
「――いきます!」
己の限界を超えた、彼女の全精力が爆炎となって豚人を襲う。射程外から不意を打って放たれた魔法は、崩れかけた廃屋の側壁をもろともに敵を焼く。上背の高いハリスが二人入るほどの大穴からは、敵襲に惑うオークの姿が見て取れた。
武器を構える間もなく正面の扉を警戒していたオークが塵となって消えたのを知り、敵襲を察知した豚人らは手に手に獲物を取って雄叫びを上げる。
壁の穴から、あるいは崩れかけた戸口から敵を目掛けて飛び出してくるオーク。その狙いは不倶戴天の敵、リディリディだ。
「きゃっ!?」
小盾を構えてカバーに入ったはずのリオが、その迫力に気圧されて腕ごと弾き飛ばされた。
「大丈夫ですか? ここは私が!」
ハリスの構えた三叉槍に光が宿る。彼の一突きごとに巨竜の爪が大地を抉り、オークの足を竦ませる。
「見ててね。祈雷は使い所が難しいスキルではあるけど――こうして味方と連携すれば!」
続いたのはエルゼリオだ。あらかじめエーテルの加護を自身に宿していた彼の呼び出す神の雷は、霧に惑うオークを断罪した。
「いやー……作戦通りではあるけれど、すごい敵意ね」
エルケは首を竦めつつ、オークの脇腹を切りつけた。赤く光る傷から無数の縛糸が生まれ出ると、その四肢を縛り付ける。動きを阻害されたオークは憎々し気に呪詛の声を上げるが、その視線は当のエルケを見てはいない。あくまで睨みつける先はエルフ。
本能に刻み込まれた敵意を目の当たりにし、彼女は嘆息する。自分に必要以上の注意が向かないのは仕事を進めるうえで好都合だが、全てのオークがリディリディに殺到するとやはりそれはそれで困る。側面を敵が突くことがないように、戦況をコントロールするのがエルケの役割だった。
「風より速く、陽よりも鮮烈に――疾く、疾く走れ!」
口から発した言葉は音となり、耳を通り抜けて脳髄へと擦りこまれる。フリューは自分自身を化かし、迷いなく敵陣へと斬り込んだ。
「早めに敵を減らしたいですね」
「任せて欲しいさぁ!」
後ろからはグレイブの声が聞こえる。
「身体の構造はオークも私たちとそう変わりませんよ」
そうして見ると、フリューにはオークの動きが手に取るように分かった。
「こっちや、こっち~」
関節の構造上、腕や脚の可動域には限りがある。その死角へ潜りこみ、更にその動きを絞るように身体の要所を切りつける。視界の端を動き回る赤い影に気を取られたオークは、視線とは別の方向からの一撃を受けてその身体を傾がせた。
「さすがに強靭ですね」
フリューにグレイブの連携攻撃をまともに受けて、なおも向かってくるオークは力任せの単純な攻撃とは言え、物量の多さもあって侮れない。回避、あるいは防御を組み合わせながら確実に一体一体を始末するべく、二人はリディリディの射程を意識しながら立ち回っていった。
「この数なら――」
「正面は、私にお任せを」
リディリディを守るハリスを、オークは超えることが出来なかった。足留めの澱嵐に殺界の組み合わせは、体力に任せて敵を踏みつぶそうと進軍するオークに対して抜群の効果を発揮していた。脚が重く、前へと身体が進まない。進まなければ、エルフの魔導士が放つ容赦の無い魔法を凌ぐことが出来ない。無理に進もうとすれば、竜人の戦士に行く手を阻まれる。
「ウオオォォ!」
追い込まれた豚人は、ギチギチと筋肉を軋ませて、斧をハリスへねじ込もうとする。
「む――防御も思考も疎かになるほどの怒気。強力ですが、故に脆い!」
盾を押し込む圧力が一層の力強さを増した。ハリスの身体がじり、と後退する。硬く固めた守りを貫いて、生命力が削られていく。彼でなければ、相当にエーテルを消耗するに違いない一撃を、だがハリスはそのタフネスで耐えきって見せた。
「味方が耐えている、今がチャンスだよ。リオ、見ててね!」
エルゼリオはリオと共に、リディリディやハリスから離れて側面へと展開していた。
「はいっ!」
ヒーラーならではの技を使いこなす、エルゼリオの動きはリオにとって良いお手本になる。
「雄牛の角の一撃――ってね」
その一突きはオークの脇腹を深々と抉った。魔力と筋力。その相乗効果を得てエルゼリオの刃はついにオークの心臓に届いた。ごふり、と血の塊を吐き出して、オークは絶命する。
「君がボスオーク、かな?」
宿屋の二階へ突入したララベルの前に、他の個体よりも体格の良いオークが飛び出してきた。先だって物音でその存在を察知していた彼は、出会い頭にその首筋や脇、脛など守りが薄い部分へと連撃を繰り出した。
「喰らえ……疾風三連突!」
初撃はオークの手にした剣で弾かれた。だが、亜人の抵抗はそこまで。最初の一撃は陽動に過ぎない。ララベルの続く剣戟は、オークの肉を裂いた。
授恵者らの今回の目的として、リオに実地での場数を踏ませるといったものも含まれていた。既に三匹のボスオークを含め、大半の個体は無力化、あるいは討伐されている。残ったオークを確実に殲滅するに向けて、これまで後方に待機していたリオも戦列の前面に加わってオークと対峙していた。
「要するに、鍛えても手に入らない力は既に持ってるんだから。それをもっと磨き上げるよう心身を磨け、って事よね」
「実戦経験に勝るものは無いさぁ」
エルケやフリューに見守られながらリオはオークへ斬りかかる。輝腕やレゾナンス・オブ・ヴァローなど、豊富な支援効果を身を以って体感しながら、リオはヒーラーの担うべき役割を学んでいった。エルケの毒で行動が鈍っているオークは、経験が浅いリオでも十二分に立ち向かえるほどに弱っていた。
「これで――最後!」
慣れない戦闘で、玉の汗が額には滲んでいる。振り抜いた祭刀がオークの首を刎ねると、精魂尽きた様子でリオは座り込む。
「オークはもう一匹も残っていませんね」
リディリディも表情を和らげ、杖を下ろす。そこにはオークへの敵意を露わにした、先ほどまでの彼女の姿は無かった。廃屋となりかけていた宿屋は、彼女の魔法を受けて骨組みが辛うじて残っている程度に崩れてしまっていた。
早々に更地にするなどして、改めて管理をするようにした方がいいかもしれない。授恵者らがリオへと伝えると、疲れた表情ではあったが彼女もなんとかそれに頷いた。
●
オーク討伐を終えた一行は、アロシュナバラ村へと帰還する。そこには、リオの居ぬ間にギルドの留守を預かっていたヘンリエッタの姿があった。
「なんだ、無事に帰ってきたのか」
ハプニングが無く興ざめだと言った表情で鼻を鳴らすヘンリエッタに、リオが食って掛かる。
「お生憎様! あんたの力なんか借りなくたって、しっかりオーク討伐してきましたから!」
依頼票に『完了』の印を押すとギルド本部への郵便を手配する為に、リオはギルドから出ていく。そんな彼女の姿を見送りながら、ハヤトがヘンリエッタに声を掛けた。
「あんたの弟、見つかりそうかよ?」
「――さあな。何年も待った。ここで焦る必要はない」
表情一つ動かさずハヤトに答えるその横顔からは、彼女の内心を窺い知ることは出来ない。
「ところで」
アレは使い物になりそうか、と。今度は逆に、ヘンリエッタからハヤトやフリュー、エルゼリオへ問いかけがあった。手応えはあった、今後の経験次第だと授恵者らが請け負うと、彼女は静かに頷く。
「お前たちがそう言うなら――そうか」
つい先日も模擬戦で刃を交え、彼ら三人の技量はヘンリエッタとしても良く知っている。そんな授恵者らへ向けて、一言。
「鍛えてやれ」
そう言い残すと、彼女は手荷物をまとめて村を後にした。
「お疲れさまです」
本当にお嫌いなんですね、とグレイブが苦笑した。郵便を手配するリオは相変わらず渋い表情だ。答えない彼女に向け、グレイブは独り言めいた言葉を続ける。
「――何かあってから、もう取り返しがつかなくなってからではどうしようも無いんですよ」
だから、使えるものは使うべきだ。もう少し、したたかに生きた方がいい。そう告げたグレイブの表情は、フードに隠れてよく見えない。だが、その声音は確かにリオを案じる温かさがあった。どんな真意があってグレイブがリオに声を掛けたか、それは彼本人以外には知る由もない。
「特にヒーラーって、状況判断と即応が他人の命に直結するって言うじゃない?」
現状を理解し、適切に判断することがヒーラーに求められる場面は多い。今回のケースであれば、リオがヘンリエッタに素直に助力を頼むことが出来れば、村としての危険は確実に摘み取ることが出来ただろう。
彼らの言葉を真摯に受け入れたリオは、既に一人前の冒険者の顔をしていた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 6〜8人
2021年06月12日 19時00分17秒 公開
参加者
相談掲示板
ヒーラー。グレイブ・ヤードです。 何はともあれ、面倒ごとは片づけるに限りますね
ハリスと申します、どうぞ宜しく。 リオ殿はお久しぶりですね。お元気そうで何よりです。 >状況 所有者なしの廃屋に12体のオークが詰めているとのこと。 敵は全て物理型、弓など遠隔攻撃の手段は確認されていないようです。 これを速やかに殲滅し、村への略奪の可能性を潰さねばなりません。 オークは速度に優れぬ上に場所が平原の街道沿いということですから、こちらが 敢えて見逃すようなことをしなければまず討ち漏らす事はないかと思われます。 問題になるのは敵にそれなりの数があることと、敵の体力と筋力、そして抵抗力が 高いことでしょうか。それなりの火力がなければ強引に距離を詰められる可能性も。 アーケインテンペスト等、付与判定がいる魔法も振り払われるやもしれませんね。 さらに体力半分以下で行動速度及び物理攻撃・物理耐性・抵抗力が増大します。 処理に手間取れば反撃が怖い。高火力で一気に始末すべきかと。 また、エルフの方々に並ならぬ憎悪を抱いている様子。この中でエルフは今の所は リディリディ殿のみですが、用心して動くに越したことはないでしょう。 逆を言えば非常に誘引力の高い囮になれる上に、合理より憎悪が勝つのか防御力も 下がるようですし、リディリディ殿の範囲魔法など相当効き目が良さそうです。 彼女への進撃を押し止める手段さえあれば、敵の行動は読みやすくなるでしょう。 >作戦 以上を踏まえて起案させていただきますと… 1:家屋を半包囲し範囲魔法でまとめて焼却し不意打ち 2:エルフの方々が囮となって敵を誘引、殺界他足止めスキルでこれを捕縛 3:範囲魔法攻撃で殲滅 以上のような流れは如何かと。
No.3
キャスターのリディリディです。 よろしくお願いします。 オークですか。 エルフへの憎悪とありますが、エルフである私からしても宿怨のある相手です。 是非殲滅してしまいましょう。 ターミルさんもおっしゃってる通り、廃屋ごと魔法で壊してしまおうと思います。 アーケインテンペストですが、あれは澱嵐、稲妻を召喚するもので、抵抗は関係なく威力を発揮するもののはずです。 廃屋に魔法を放った後でもアーケインの召喚は間に合うでしょう。 オークを殲滅できるのであれば、囮となるのは問題ありません。 廃屋への魔法は正面から行うこととします。
おーっす! ゴブリンのシーフ、ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! リオは元気にしてたか? そーいや、授恵者に覚醒したんだってな♪ 今回は俺達がいりゃオークの数十匹くれぇなんてこたぁねーから大船に乗ったつもりで経験積みの為に頑張れよ! あとはリディが狙われ易いくれーだろーし俺はいつも通り暴れさせて貰うぜ♪
思うのですが、我々がやりすぎるというのも相当に問題なのでは…? どういう経験を積ませるかも考えないといけないのではと思うのです。 新米だからこそ、自分で考える力も必要なのかなと思うのですよ。 我々は何かあった時のサポート、補助などを考えるとしても。 私はそこまで彼女を知りませんが、どういう性格傾向なのかでやりたいことも変わってくるかなあと思うのです
はいはい、エルケ・シャルフよ。 何でもするけど一応クラスはシーフね、宜しくお願いするわ。 状況……としては割とシンプルなものよね、これ。 ご本人も乗り気のようだからエルフの…… えーと、イェレミースさんに目立って貰ってそれを補助というのは鉄板なんでしょうけど。 後はそのまま叩き潰して、相手が変わった動きを見せたら適宜対応で行けそう。 >リオさん関係 ……で、うん。その上でより多く報酬や見返rゲフンゴフンよりよい仕事ぶりを求めるなら 彼女にも何か有意な経験を、っていうのはその通りよね。 ……しっかりこっそりフォローしつつ、彼女から見て適度に怖い思いでもして貰うとか?
僕はシーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、よろしくね!
シーフのフリュー言うさぁ、よろしくね! 作戦の流れはターミルさんが提案してくれたのでうちも良いと思う。 で、えぇと、リオさんに経験を。という話が出てるんだね。 うんうん、そうだなぁ。戦い方やヒール、支援などのタイミングのアドバイス係と1~2人つけて。 敵2体VS教える方1~2名とリオさん。 って、状況を作り、それを維持して他殲滅していく形とかはどうやろか?
No.9
そ、そうですね。 すみません。相手がオークとはいえ、知らず力が入っていたようです・・・。 依頼者さんが解決できないというのは問題ですもんね・・・。 2体ほど残すのですね。 対象識別の魔法を使用すればそこは問題ないと思います。
どのようなスタイルを好むかでも変わるでしょうね。 支援・回復を主とした後方型・・・オーソドックスですね。 中距離で自己回復を主とした不沈・盾型もありますね。 自己回復を重視して前線で暴れまわる型になるのもありでしょう。 いえまぁ、最後はちょっとあれですけど、回復量が高ければ十分成立するんですよねこれ。 ・・・「仲間」が居るなら確実に止めといた方が良いでしょうけど。 あくまで個人で突っ走りかねないことを考えると >残す そうですねぇ、体験は必要そうですね。 「他の人の頼り方」についても教えたほうがよくないですかね? 助けてもらい方といいましょうか、そういったものもあったほうがよさそうです。 (OPから「思う所はあっても有用なら利用してやる位のしたたかさを覚えるといいのかなと思ったりします」
>リオ殿の経験 ええ、それも重要な要素であることは承知しております。 ただ、少し気になる点として…戦況とはその時々に応じ様々に変化していくもの。 そして往々にして、常に自身に都合のいいようには成りえない。 敵を2体残しそこで支援を受けつつ戦っていただけばたしかに安全でしょう。 しかしそれは不自然に優位かつ緊張感のないものになってしまう可能性はあるかと。 極論、訓練で人形を殴るのとさして違いはありません。敵が木製か肉製か程度かと。 真に戦士としての訓練を積むのであれば、例え思うように動けずとも変化する実戦の 状況に身を置くことこそ肝要ではないかと考える次第です。 ですので、個人的にはオークとの戦闘で前線に随伴して頂き、彼女の現状のスキルで 行える補助や回復といったヒーラーの基礎的な部分を振るって頂くのが良いかとは。 グレイブ殿が仰るスタイルの違いに関しては、もう少し戦場に慣れてから考えても 遅くはないかと思われます。どちらにせよ基本ができていなければやりようもなく。 そして確かに、「他者の頼りかた」については是非とも知っていただきたいですね! 自身の危機を知らせるだけではなく、好機と見る事象を臆さず迷わず周囲に伝える。 そういった要素も重要ですが、こればかりは一人では訓練すらも行えないもの。 戦闘の中で「こちらに遠慮せず支援を要請したり自己判断での回復・支援を行う」。 こういった形で経験を積んで頂くというのは如何でしょうか?
ヒーラーのエルゼリオ・レイノーラです。顔出しが遅くなってゴメンね! 今回は宜しく! >作戦 廃屋を範囲魔法で焼却して不意討ち⇒慌てて外に出て来たオークを迎え撃つ …って認識で良いのかな? その場合、ハリスさんの殺界でオークが足止めされてる隙に包囲⇒祈雷2を設置する事を考えてるよ。 >リオの経験 リオってヒーラーとしての実戦経験はあるんだっけ? もし無いなら、お膳立て無しでも実践に挑むのは貴重な経験になると思う! ボクも同じヒーラーだし、戦闘中は彼女に随伴してスキルの使い方とか、 立ち回りとか、色々とサポート出来ればと思っていたり。
>残すなどについて 努力目標、という程度でもいいのではないでしょうか? 少なくても今回、「いろんな人と合同で依頼を行う」という経験が積めれば最低限依頼人の目的には合致しそうですし 我々が「声かけ」「協力」を重視するように立ち回れば多少なりとも身につくこともあるでしょうしね
時間も差し迫って参りましたね。一旦纏めさせていただこうかと。 >作戦 予めリオ殿には自身及び味方の危険や好機などをこちらに積極的に伝えるよう指示 状況変化の激しい前線付近に随伴→支援・回復を軸とした立ち回り 冒険者の基本でありヒーラーには特に重要となる連携・協力を学んでもらう狙い 1:リディリディ殿が家屋ごと範囲魔法で巻き込み先手を取る 2:ハリスが近づいてくるオークの一団を殺界で足止め 3:範囲攻撃で殲滅しつつ縛りきれないオークを遊撃担当及びリオが処理 4:敵が半端に残る、逃げるようなら追撃→リオ殿の訓練に活用 このような流れを想定しております。 問題なければ私のプレイングに若干簡略化し記載致します。 ご意見や不備などがあればご指摘頂ければ。
おっと、気付いたらもう今晩には……ね。 基本的な流れに関してはハリス君が纏めている形で問題無いと思うわ。 単純に数が多いからこちらの思惑通りに動いてくれない相手も出て来るでしょうけど、 頭の中身がそれ以上に単純だから、しっかり遊撃担当が動いて行けば大丈夫でしょう。 私は逃走や側面への迂回を妨害しつつ、ちょっといい装備な相手に毒など打ち込んでみようかと。 リオさんに関しては……言われてみればヒーラーとしても駆け出しな訳だし、 前衛としても後衛としても立ち回れる特性をどう活かすか考えて貰う切欠にする、くらいで良いのかもね。 レイノーラさんみたいな同業の先達の言葉、っていうのは説得力があって良いんじゃないかしら。
>作戦 0番になりそうですが、「廃屋周辺を一度周囲を回ってオークを確認次第適宜撃破を行う」があってもいいと思います。 全てが宿の中にいるとは限りませんし、環境的に食料他調達の為に出ている可能性は高いでしょう。 宿はあくまでねぐらでしょうし、廃屋化してるのに食料の貯蔵があると思えませんからね。 後ろから襲われないようにはしたほうが良いかと。
わ、ハリスさんまとめありがとう! その流れで問題ないと思うさぁ、記載の方よろしくお願いします(ぺこり頭を下げる) うちは戦うスタイル的に遊撃になるかな ヤードさんのは周辺警戒と索敵って事だよね、捜波・改持ってるから超聴覚と合わせて索敵もしてみるね