雨蛙と毒混じる霧雨
椿油
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シナリオID:837
オープニング
――雨が、しとしと降る。毒を乗せて。
『ゲコッ』
『ゲゴッ』
蛙の鳴き声が雨音に混ざる。それだけならば、美しい景色に見えた。
『ゲゴァッ』
蛙が毒の煙を吐く。それはやがて、雨に混ざりいずれ毒の雨と化す。毒溜まりを踏んだ者も、いずれ……。
●という依頼をわざわざ持って帰ってきました
「エドゥノーグダンジョンにそんな地帯があったら危険だと思いませんか!? 私は間違いなく危険だと思ってます! はい!」
ここはドワーフ王国と辺境都市群の境にある冒険者ギルド。エドゥノーグのギルドほどダンジョンの依頼は無いが、脚力とタフネスに自信のある受付嬢リル=ウェンシーがこうしてたまにエドゥノーグの依頼を持ってきている。
「えーっと、具体的には以下の状況が予想されます! 小雨、霧雨、大雨、蛙とそれが吐く毒煙」
一番最後が一番危険な気もするが、蛙の詳細書を読み上げるリル。
「蛙は『コサメガエル』と『オオアメガエル』が確認されてますね、コサメガエルは取り巻きで、オオアメガエルがボスのようです! 毒煙を吐くのはオオアメガエルだけだそうですよ! あ、あともう一個書いてありました! ……『ゲドクガエル』? 解毒出来るんですかね? コレだけ食用って書いてあります」
エドゥノーグの数ある食用カエルの中の一匹らしいので、まあゲドクガエルが毒でないのは明らかでしょうと、リルは書類を広げる。
「私が思うに、毒を浴びてもゲドクガエル食べて解毒したらいいんじゃないでしょうか! ……あくまで推測ですけども。あ、それで目的は『オオアメガエルの排除』ですね! それが無ければただのカエルが鳴く降雨地帯なので!」
ダンジョンの降雨地帯の図をよく見ると、アジサイが咲いているのが描かれていた。
「ちなみにアジサイは毒がある物もあるそうなので、これは食べないで下さいね。念の為ですよっ!」
毒溜まりが出来る前に、何とかしにいった方がいいかもしれない。
解説
マスターより
リプレイ
「ダンジョンの中なのに雨が降るって不思議だね……」
トゥーリはこの謎の空間に皆が思っているであろう事を呟いた。
「ここは謎だらけだ……」
ダンジョンなのに、空。そして毒蛙。この蛙がいなければ、水路なり水耕栽培なり出来るのではないか、と思いながらフード付きマントを被るロイ・アウレアだった。
(蛙退治とか蛇にやらせりゃいいンだよ、ったく)
マントを羽織りながら、アーテミシアはとりあえずゲドクガエルから探してみる。勿論、取り巻きで毒も持たぬコサメガエルに用は無い。対オオアメガエル用だ。
「びしょ濡れ……てことは、帰ったらさすがに洗濯しなきゃなぁ」
ディレイン・オールドケイジは、この鬱陶しい雨にいささか気分が滅入っているようにも見えた。
(アジサイは毒もあるらしいですが、ゲドクガエルと一緒に食べると問題ないのでは……ハッ、ひょっとしてこれは名案では!?)
リディリディ・トゥラ・イェレミースはゲドクガエルの美味しそうな食べ方に気が付いてしまった。試したいと思いながらも、とりあえずマントを羽織る。
(地下空間にいて雨が降るなんて……いや、それより件の蛙を)
エイル・アーティライトは雨よりも毒蛙よりも、別の蛙に目を付けていた。
「こう雨が降ると厄介だな。さっさと片づけようぜ」
ケン・Z・ブラッドリーはオオアメガエルを探し始めた。
(そういや、何でコサメガエルは食えないんだ? 調べよ)
サイラスはなめし皮で出来た外套を被りつつ、調理用の鍋を持ってきた。
各々の思惑が交差しつつ、雨の中の蛙探し。
「カエルって割と増えやすいんだよね……」
もしかしたら、オオアメガエルの2匹が卵を産んでいるのではないかと思いつつ、トゥーリはオオアメガエルの鳴き声がしないか耳を澄ます。
「《エンライト》」
麻縄を靴に巻き、滑り止めにしながら、唱えたエンライトの視界を頼りに蛙を捜索するロイ。耳を澄ます。雨音の中に、たまに聞こえてくる蛙の鳴き声。
(ここはさっき通ったな)
《位置感覚》と《記憶力》を駆使しつつ、地図を埋めるかのように歩いて行くロイだった。
ザァザァと雨が降る。どう排出しているのかが気になるが、場所によっては常に水たまりがある。各々の位置を見失わないようにしつつ、蛙を探す。
「水たまりすげぇな……」
足元を注意しながら進むアーテミシア。すると、低めの鳴き声が聞こえた。
「ゲドッ」
「もしかしてコイツか、ゲドクガエルってヤツ?」
アーテミシアが一匹捕獲した蛙は、確かにゲドッと低く良い声で鳴いていた。
「ゲドッ……」
「ゲドッ……」
「ここにも数匹居ますね」
低い声で鳴く蛙が輪唱していた。エイルは持参した麻袋にゲドクガエルを入れつつ、アーテミシアの方にも探しに行き、生態環境を調べてみる事にした。
ゲドクガエルの居た地帯の傍には、アジサイが咲いている。
「おー、アジサイもある? じゃあついでに摘んでおくかぁ」
ディレインがアジサイも摘んで、麻袋に入れていく。
「オオアメガエルを倒したら、アジサイで巻いて食べてみましょう!」
リディリディがいささか興奮しているのに気づいたトゥーリは、
「え、ホントに食べるの?」
マジか、という感じの目で見つめていた。
ゲドッ。ゲドッ。低い声が袋の中に響く。ゲコッ。
「……ん? 今の声はゲドクガエルじゃねぇよな! どこにいる!?」
ケンは少し辺りを見回す。するとコサメガエルを見つけた。つまり、親玉がすぐ近くにいる。
「皆、足元気を付けてね!」
《レゾナンス・オブ・ヴァロー》と共に、トゥーリもいつでも戦闘態勢に入れるよう準備をした。
「取り巻きのお前らはあっち行ってろ!」
アーテミシアは本命を見つける前に、とりあえず一匹コサメガエルをぶん投げて排除した。これで、多少戦闘の鬱陶しさが楽になる。
「うわ、もう毒溜まりがある」
サイラスが毒溜まりを発見。近い。ロイがエンライトを近づけていくと、確かにそこにデカい蛙が2匹居た。オオアメガエルだ。
「居たな。つがいが揃って」
「ゲゴァッ」
「ゲゴァッ?」
さて戦闘だ。事前にゲドクガエルは5匹程度確保しているので、パーティの半分近くが毒にやられても大丈夫な計算になる。
「ごめんね。仕事なんだよ!」
つがいというのもあってか、トゥーリはいささか心苦しそうにオオアメガエルに言った。そしてトゥーリの提案で、メスから撃破する事になっていた。……どっちがメスだろうか。
「ゲゴァッ……」
「ゲゴァッ♪」
「こっちじゃない?」
少し軽めな鳴き声の方を指さすサイラス。確かにそっちの方が若干小さい。
「お前からだな! 行くぜ!」
ケンはダッと前進して《殺界》を発動し、メスのオオアメガエルを封じ込めた。こうしてしまえば移動阻害出来まい、という作戦だ。
「大人しくしててね!」
オスにはトゥーリが魔力媒介の槍から《光縛封》を放つ。光の結界に閉じ込められたオスのオオアメガエル、これで分離完了だ。
「ちゃんと当たれば良いんだが」
そしてロイは肉質を確認するのも踏まえつつ弓を構える。メスのオオアメガエルに《強射》を発射し、腹にグサリとダメージを与えていく。
「ゲゴァッ!!」
若干当たる瞬間にぶよんと音はしたが、確かに痛そうな感じの悲鳴の鳴き声が聞こえた。
「まぁまぁ通るな。次は別のも試してみよう」
「んーっと小さい方ね了解、《魔矢》!」
ディレインはターゲットの方へ視線を向け、祭刀を振りメスのオオアメガエルの頭に《魔矢》を放った。
「ゲゴァッ」
確実にメスの体力を削って行く。どうやらオスの方は怒っているようにも見えなくもない。だがオスは何も出来ない。《光縛封》によって、邪魔しようにも、ほぼ動けないのだ。
「無闇にでけえ図体しやがって……速攻で終わらせてやるぜ」
斧を脳天目掛けて振り回し、そのでかい図体に勢いよく《破脚砕》の重い一撃を与えたアーテミシア。
「ゲゴァッッ!!」
犬で言えばキャウンと鳴いた感じのメスの悲鳴が雨の中に響く。その頃、何にもできないからか、オスのイライラがだいぶ溜まっているようだ。
「んー、この分なら毒受けなそうかな?」
サイラスは、メスの足に片手半剣からの《鋭撃》を叩き込む。袋叩き作戦はオスからのヘイトが溜まるついでに……いよいよ、コサメガエル達の逆襲が始まった。
「ゲコッ!!」
「ゲコッ!!」
姉御に何しやがるとばかりに、ケンとサイラスにぴょんと引っ付いて邪魔しにかかるコサメガエル。
「うわっ、邪魔だどけっ!」
30cm近いコサメガエルがケンに引っ付く。オオアメガエル排除の邪魔だとブンブン振るがピッタリくっついている。
「逆襲が可愛いなぁ」
サイラスは毒すら使わないコサメガエルに割かし安心していた。コサメガエルが毒を使うのだったらそりゃ回復が必要になるが、コサメガエルの逆襲手段は引っ付く程度である。というわけで、引き続き戦闘続行。
「ゲゴァ……!!」
あまりにも自身が攻撃できないのもあってか、オスがかなりイライラしている。そろそろ爆発蛙になるんじゃなかろうか。
「邪魔してくるので倒しちゃいますね」
リディリディが杖を大きく振り《メテオライト2》を放ち、コサメガエルもろともメスのオオアメガエルに隕石の如き光弾のダメージを与える。だが意外とタフなコサメガエル、流石に一撃じゃまだ倒れない。
そしてエイルもコサメガエルに向かって杖を構え《魔矢》を撃つ。コサメガエルがかなり邪魔なので、とりあえず1匹でも減らせれば。
「先ほど草むらに投げた個体が戻ってこなければいいのですけれど」
ちなみにその草むらに投げた個体は今何をしているかというと、親玉達が大変な事になっているとも知らずにのんびりアジサイの近くでくつろいでいたのだった。
「ゲコッ?」
さて、《殺界》からのケンの目にもとまらぬ斬撃もあってかだいぶ体力が削れたように見えるメスのオオアメガエル。
「にしてもコサメガエルが倒れないって事は、まだ体力あるんじゃねぇかこのメス?」
ケンは疑問に思った。
「可能性はあるな。長期戦を覚悟しなければ」
ロイは見た目によらないのかもしれないと考えつつ。次の手番はケンだ。
「さっさとくたばれっ!!」
その大きな刀で《闘気槌2》を思いっきりメスの首の辺りに叩き込むケン。
「ゲゴァッ!!」
鈍い声が戦場に響いた。
「回復するね!」
トゥーリは《解呪2》を唱え、行動阻害を解除。ケンもサイラスも、ヌルヌルごと取れていささかスッキリした。……が、イライラしていたのはオスだけでは無かったようだ。
「ゲゴァッ!!」
メスの怒りを込めた低い声が響く。それと同時に、目の前にいたケンに毒を吐いた。
「俺かよ!」
何だこの蛙達、タフ過ぎないか。てっきりもうヘロヘロだと思っていたら、毒を吐く元気がまだメスにはあった。とりあえずケンは足元に撒かれた毒溜まりを避ける事にした。
「そう来るか。しばし耐えてくれ、早めに片づける」
ロイはメスをさっさと倒す為に《強射》の矢を頭に放つ。
「ゲゴァッ!!」
まだ倒れない。この依頼は雨や毒だけでなく、毒蛙達がタフというのも危険度の要因なのだろうかと気づいてきたのだった。
「んー、とりあえずメスをさっさと倒した方が良さそうだねぇ」
ディレインも再び祭刀から《魔矢》を頭に放つ。いい加減倒れてくれないだろうか。
「てめぇらパンチが足りねえんだ、パンチがよ!」
アーテミシアはメスの前まで前進し、早く倒れろと怒りの《強打2》を斧でメスの身体に狙って叩き込んだ。そこに出来ている毒溜まりは特に気にしていないらしい。
「ゲゴ…ァッ!!」
皆が頭や首に攻撃してくるものだから、フラフラしているメスのオオアメガエル。
「全員毒になる前に沈めるよ?」
サイラスは力を溜め、毒溜まりを避けつつその剣から《戦士の一断》を頭に勢いよく叩き込んだ。
「ゲゴァ……ッ」
すると《戦士の一断》が効いたのか、メスはコテンと倒れた。
「やったか!?」
ケンはガッツポーズを取る。
「それは失敗する台詞だ、やめておけ」
ロイが思わず突っ込む。が……メスは倒れたまま動かない。元からだが、目も閉じている。そしてオスが激しく鳴く。
「……やった、っぽいんじゃない?」
ディレインは何となく察した。メスはもう、瀕死か討伐状態だろう。
一方の『草むらに投げた個体』のコサメガエルは。
「ゲコッ……!?」
親玉の死を感じたのか。何かいけない予感を感じたようだ。恐る恐る、予感を感じた方へ跳ねて行った。
「ゲコッ!!」
「ゲコッ!!」
「……ゲコッ!?」
「増えたんだが」
ロイが気づく。逆襲のコサメガエルが1匹増えていた。
「お前草むらに投げたはずだろ!」
毒溜まりの上でアーテミシアが怒鳴るも、姉御の死に気付いた元投げられたコサメガエルは怒りに燃えているように見えなくもなかった。そして、ケンとサイラスとアーテミシアに引っ付いたコサメガエル軍団。
「おいおいやめろって、さっきヌルヌル取れたばっかりなんだよ!」
ケンと、サイラスは二度目である。
「そりゃあ、おれに引っ付くよね。知ってた」
サイラスは半ば諦めの顔をしている。何たってメスへのトドメはサイラスだったのだ。最初からいたコサメガエルは怒りマックスだろう。
「てめぇもう一回草むらに戻ってろ! この!」
アーテミシアの必死な抵抗に反抗するコサメガエル。お前らがやったのかと張り付く、元投げられたコサメガエル。
「急いでオスを倒します」
リディリディは焦りながらも《超魔法》でエーテルの力を杖に込める。次に放つ攻撃はかなり強力となるだろう。
エイルは増えたコサメガエルの、先ほど攻撃した個体の片割れに杖を振り《魔矢》を放つ。
「戻って来てしまいましたか……ひとまず1匹減らして元の状態になれば」
コサメガエルは流石にオオアメガエルほどタフでは無いらしく、ケンにくっついていた個体を1匹倒せた。
「ありがとな! まだヌルヌルするけど助かったぜ」
さて、戦況の整理だ。ケンとアーテミシアは毒とヌルヌル、サイラスはヌルヌルのみ。オスには《光縛封》があったが、このタイミングで効果を切る事にしたようだ。コサメガエルは増えて減ってで、結局2匹である。
「解呪はゲドクガエルにしてもらうよ! いいよね?」
オスの方を倒してしまえばコサメガエルも散るだろう。トゥーリは発動していた《光縛封》を解除し、魔法攻撃をオスのオオアメガエルに集中させる。
「ゲゴァッ!!」
物理で殴るよりは多少効いたようだ。
「雨で流れてくれよ……とりあえずオスのお前の首から狩ってやる!!」
ケンはオスが跳ねられないよう、オスの後ろ足をターゲットに取るよう立ち回り、刀による《闘気槌2》を、ヌルヌルを仲間に与えたコサメガエルごと巻き込んで叩き込む。
「ゲゴァッ!!」
オスは毒を吐いた。幸い、ケンは後ろ足を狙いに行っていたので、前には誰もいない。
「早いうちに倒さないとな」
ロイはとにかくオスのオオアメガエルに弓を構え《強射》を射る。タフと分かった以上、コサメガエルの妨害より、《光縛封》が切れた事によって毒をさらに吐かれる方が心配だ。
「面倒だねぇこの蛙、雨もそうだけど。まぁまだ煙吐かないからマシかな」
ディレインはオスに煙を吐かれる前に、強めの《魔矢2》を放った。思っていたよりタフだ、すぐさま倒さねば危険極まりない。
「こんにゃろっ!!」
アーテミシアはオスの前に向かい斧の《強打2》でボコボコに殴っていく。全く毒溜まりを気にしていない。
「せめてこれでどうかね」
サイラスは剣から《紫電一閃》を放ち、早期決着を試みる。だがメスにあれだけかかったのだから、いささか不安ではあった。
「ゲコッ!!」
「ゲコッ!!」
まだ邪魔しに来るコサメガエル。絡みに来ない代わりに、オスのオオアメガエルの目の前を陣取った。
「それでは……行きます!」
《超魔法》によるチャージからの《魔矢2》を杖から放ったリディリディ。威力倍増した魔矢がオスのオオアメガエルの腹にボディブローの如く突き刺さった。
「ゲゴァッ……」
一瞬倒れそうになるオオアメガエル。
「やったか!?」
ケンがガッツポーズを取った……が、持ち直すオオアメガエル。
「だからそれは失敗する台詞だと言っただろう」
しかし、ロイはその倒れそうな様子から、あと少しだという感じを見て取れた。
「コサメガエルがやや鬱陶しいですが……」
エイルはとりあえず《メテオライト2》を浴びていた2匹のうち、生きている方に《魔矢》を放った。
「ゲコッ……」
ひっくり返るコサメガエル。これで残るはコサメガエルは1匹だ。
「これで終わりだッ!!」
蛙達の横に立ち回り、オオアメガエルの前に陣取る取り巻きの1匹ごと《闘気槌2》を勢いよく叩き込んだケン。
すると、いよいよオスの方もコテンと倒れた。動かない。
「今度は、やったな!」
「みたいだな」
ロイも認めた。
「さて、結局終始これになってしまったが」
「ゲコッ……」
ロイは《強射》で残ったコサメガエル1匹も仕留めた。やや悲しい目をしていた気がした。
雨が少し強くなり始めている気がする。何とか、本格的な大雨が降る前に終わったようだ。
「さて……邪魔者はいなくなったし探すとしますか」
ゲドクガエルを狩りに行ったケン。見つける度に捕獲し、アジサイがあればそれも摘む。
「それじゃあ生食はちょっと、なので調理しましょうか」
「熱で消える毒とかもあるしなぁ」
大きな木の下で、《生活魔法》で調理するリディリディとサイラス。サイラスはコサメガエルとオオアメガエルも念の為調理する。
「……ねぇ、もう一回聞くけど、ホントに食べるの?」
探索前も聞いたが、トゥーリが改めてリディリディに聞く。
「食べますよ!」
リディリディはにっこりと笑いながら答えを返した。
「アジサイ使う?」
リディリディに念の為、紫色と青色両方のアジサイを手渡したサイラス。色でひょっとしたら毒の成分が違うかもしれない。
「ありがとうございます!」
木の下で焼き続けたゲドクガエルからは、香ばしい匂いが漂い始めていた。
「ゲドッ」
「ゲドッ……」
「耳を擽るような声だ……庭で飼えないものかな」
ロイは調理前のゲドクガエルのヴォイスを聞いていた。やけに低くて、揃って歌を奏でたら素晴らしい公演になりそうな声。
(もう少しゲドクガエルを探してみるか)
食べられてしまう子たちだけではなく、生でリアルな大合唱が聞きたい。この独特な声を探しに、ぶらりと雨の中散策してみる事にした。
「ゲドッ」
「ゲドッゲドッ」
「……ゲドッゲドッ」
(ゲドクガエルの合唱は聞いていて心地が良い……)
うっとりとゲドクガエルの声を聞くロイだった。
リディリディは焼いたゲドクガエルを二色のアジサイの葉で包んだ独創料理を完成させていた。
「焼きゲドクガエルのアジサイ包み、すごく美味しそうです! それじゃあ、いただきます」
まず青色のアジサイで包んだ方を一口。特に問題はない。続けて紫色のアジサイで包んだ方も食べてみる。
「ん~、蛙肉がアジサイでさっぱりして美味しいですね」
しばらく、アジサイとのハーモニーを堪能した。だが……
「おぇっ……」
少し経つと吐き気を感じたリディリディ。ゲドクガエルはアジサイの遅効性の毒には効果が無かったらしい。
「言わんこっちゃない……」
トゥーリが《解呪》してあげて、ようやくアジサイの毒は消えた。
「凄いフラフラしました……これがアジサイの毒なんですね……」
サイラスは他の蛙達と比べて、ゲドクガエルの解毒作用がどこにあるのかを調べてみる。
「ん? この臓器だけコサメにもオオアメにもないな。これかね解毒薬部分」
「成程、アジサイの毒には効果なし……ではお二人で、食べてみて下さい」
エイルはリディリディの治療風景を見つつ、ゲドクガエルをケンとアーテミシアに差し出した。
「あ、念の為アジサイを加熱したら毒消えるかとか試してみていいか? 解毒の効果時間も知りたいしな」
ケンも解毒作用に興味があるようだ。
「では蛙の毒の解毒、加熱アジサイの毒確認、毒あれば再解毒の手順でどうぞ」
まず蛙による毒を、焼きゲドクガエルで解毒する。食べると、蛙の毒はどうやら消えていったようだ。
「あれ見てると生食はダメっぽいよな」
リディリディの様子を思い出したケンは念の為、長めにアジサイを茹でてみて、食べてみる。するとアジサイの吐き気は発生しなかった。
「お、アジサイって茹でると平気なんだな!」
その間にアーテミシアは普通に焼きゲドクガエルをむしゃむしゃと食べていた。
「生はちょっと抵抗あったけど焼くと美味ぇな! 何か鶏肉みたいな食感がするぜ! ……って、わざわざアジサイ食べてみてるのかよ……」
トゥーリも横で頷いていた。
「だよね……」
「思ったより解毒作用が効きませんね……」
エイルはゲドクガエルの効果範囲が狭い事が発覚したついでに、オオアメガエルから毒の検体を丁寧に検出していた。
「検体を集めねば。繁殖には少し情報が足りませんが」
繁殖も視野に入れているらしい。そして、ゲドクガエルを捕獲中に、ふとある事に気づいた。ゲドクガエルはアジサイの近くにやたら居る事に。
(何か因果関係があるのでしょうか?)
そう思いつつ、ゲドクガエルを麻袋に入れていく。
「まぁ、効果範囲が狭いにせよ解毒薬になるんじゃない?」
ディレインは受付嬢宛てにとゲドクガエルを捕獲しまくり、アジサイの葉を摘んでいた。解毒のサンプルになればという思いが詰まった夢の袋がゲドゲドと動いている。
(流石に生は受付嬢泣いちゃうかな)
しかしディレイン、ゲドクガエルを絞めるのはヌメヌメ的にも、やや抵抗があったのだった。
「さて、いただきまーす」
サイラスは調理したコサメガエルを食べる。肉質はやはり鶏肉のようで、美味しい。毒が無い蛙だから、これは食用ガエルにカウント出来そうだ。続けて、オオアメガエルを食べる。と同時に……嫌な物を感じた。
「うっ……」
そして、エイルの所へ急いで向かった。
「アーティライト、オオアメガエル食べたら毒になったっぽいからゲドクガエルくれない?」
顔色が悪い。まさかサイラスが、オオアメガエルを食べるとは思わなかったエイル。
「食べたんですか……」
「コサメガエルは調理したら意外とイケたよ? んー、オオアメガエルの毒は熱で消えないか」
サイラスは考える。熱しても消えない毒、それを解毒出来るのがゲドクガエルだけなのかもしれない。
――その後、ギルドには討伐報告と、オマケにゲドクガエルが大量に送られてきたという。
マスターコメント
ショートEX難しい 報酬:多い8 / 4〜8人
2021年05月24日 09時04分56秒 公開
参加者
トゥーリ
エイル・アーティライト
ケン・Z・ブラッドリー
- サイラス
アーテミシア
- イェレミース トゥラ リディリディ
ロイ・アウレア
ディレイン・オールドケイジ
相談掲示板
No.1
サイラスだ、よろしくなー とりあえず成立したね で、戦闘に関しては付与性能5〜10だけど 異常は50+(抵抗値-付与性能)×5=目標基準値だから、抵抗が20あれば付与されないでいいんだよね?多分? なら行ければ抵抗上げておけば普通に戦うだけになりそうだなぁ…いや本体の付与値別にあるよ?とか言われるとうん…だけど トラップ寄りでカバー出来ないと思うから余計に厄介だし。 参加者に合わせてゲドクガエル収集するかしないか、紫陽花があるから火力あるかもしれんしそっちに気を使うかとかかね?まず考える事は。 後は視界どうにかしないとあかんかね? 蛙だからサーマルだと微妙だし。後大雨対策としてテレパスとかあると便利かもね。俺はないけど
ディレイン・オールドケイジ、ヒーラーだ。よろしく。 カエルの能力がわかんないからねぇ。こっちの抵抗がいくつあれば100%くらわないかってのも正直わからん。 くらうこと前提でいくしかないんじゃない? まあ、ヒーラー的には、抵抗は高くしといてもらえるとありがたい。 「解呪」も「聖別」も、無条件でバッドステータス回復できるわけじゃなくて、回復判定の機会を提供するだけみたいだし。 ただ回数はあんまり多くないから、できれば行動阻害の回復に使いたいかな。 スリップのダメージはヒール系各種で補う方向で考えてる。
トゥーリだよ、みんなよろしくね! 雨がずっと降ってるダンジョンなんて不思議だねえ。 雨音でいろいろと聞き取りにくいのに加えて、足元も滑りやすくなってるかも…… 毒ガエルについては、抵抗はある程度でいいんじゃないかな…… 見えてる範囲だとスリップも行動阻害も効果値が低いし、こう、解呪で手数が取られちゃうのがもったいないような( ダメージ管理を重視しつつ、あとは今の時点で分かってない情報が無いか注意して対策を取っておくのがいい気がするなぁ。何と言っても、これ難しいってギルドの人が言ってたから……
シューターのロイ・アウレアです。皆さまヨロシク! 抵抗値は上げられるだけ上げてみようと思う。 後は接近せず倒すとして…足元の毒溜まりか 避けて歩けるようにバランス感覚を上げて後は…方向感覚が優先かな? 横8ヘクス縦10ヘクスなら、少なくとも歩いた場は覚えていけそうだ。 ゲドクガエルは見つけたら場所を覚えて、非常時に食べに戻る(…食べるのか) ん…バランスより記憶力を持った方が良いかな? まだ時間が有るので考えますね。
ウォリアーのアーテミシアだ。よろしくな 毒はなあ…ゲドクガエルは当てになりそうにないし、スキルもそこまでアテに出来ないってなると食らう前に片付ける、がいいかねえ。
No.6
とりあえず火力振って速攻が無難かなと思うのよな。 あとゲドクガエルに関しては大きくなければ回収して使うとかもありだよね。アジサイはまあ、使いたければ毒になってるとかならあんまリスクにはならなそう 付与性能に関して、ルールだと付与性能=各スキルの【付与】+付与するキャラクターの【付与】 なんだよね。だから判断に困る
No.7
キャスターのリディリディです。 よ、よろしくお願いします・・・。 毒もそうなのですが、白煙も気を付けないといけませんね。 強度2の行動阻害なので危険だと思われますし・・・。
んーと? ゲドクガエルは積極的に探すことはしないで、運良く見つけられたら連れてこうか、くらいでってことかね。 カエルの生食は…ちょっと気がひけるけども…。 先に言ったとおり、バステ解除機会提供スキルは、毒より行動阻害に優先して使いたい。 その中でもリディリディちゃんが懸念してる強度2のほうね。 毒だまりについては、あまり散開せずに固まった方が、毒だまりができる範囲を最小限にできないかねえ。 あと、もしかして大雨になったら、鳴き声聞き取れないまますぐ横から毒吐かれたりしちゃうんかな。 聴覚スキルあれば対応できるかなあ… と、思いついたこと含めてぽんぽん言ってみる。
>火力振って速攻が無難 確かに…幸いにして弓だし、接近前に倒せるように火力極振りにして 周囲が毒だらけにされる前に倒せ…たら良いな。 白煙は……キャスターさんの豪風で飛ばすとか難しいでしょうかね? その他は、雨具としてフード付きのマントを装備するのと 成功を願い「青銅記章」を希望しようと思います。 これって自分に貰うのでも大丈夫ですよね?誰かお互いに推薦し合いますか?
キャスターのエイル・アーティライト。 よろしくお願いします。 ゲドクガエルに関しては毒に対し対策を用意出来るなら積極的に探す必要は無いようには思います。 ですが依頼とは別に効果の程などは気になるので見つけたら教えて下さい。食べますから。 2体いるなら1体に攻撃を集中させますか? 番なら互いに援護し連携を取りそうですから、それを断っておきたいです。
No.11
火力振ってくなら片方ずつが無難かと? 煙も毒も2体でやりながらくるから、一体にすれば多少ペース落ちるし 蛙食べるなら一応生は避けたいかなと。 皮と肉の間に寄生虫居る場合あるし
No.12
>白煙は……キャスターさんの豪風で飛ばすとか難しいでしょうかね? 豪風は範囲が1ヘクスなので、吹き飛ばすと白煙の対象も諸共に吹き飛ばす感じになると思います・・・。 あまり、おすすめはしないですね。前ラウンドに超魔法などで威力を上げていたら大変なことになりますし。 ゲドクガエルを食べるなら生活魔法を用意しておきましょうか。 焼く程度ならばそれを遣えば問題ないと思いますし。
>BS全般 これ……「付与」って書いてあったり、「毒溜まりにする」って書いてあったりで、対象が個人なのか場所なのかちょっとあやふやだね。場所が対象なら、白煙は豪風で吹き飛ばすの悪くないように思ったよ。もちろん、みんなには退いてもらった上で。 そうでもしないと、時間が掛かった場合に移動できる先がホントどこにもなくなりそう。 >ゲドクガエル とりあえず――食べるのは戦闘終わってからだよね? 戦闘中のBS解除はある程度解呪を持っていくよ。 下にも書いた通り、効果値1のスリップ(毎ターン10点ダメージ)ならほっといて他のダメージとまとめて回復した方がいい気がしてるけど。 >オオアメカエル 特に2体同時じゃないとダメみたいな感じもないし、片方集中攻撃でいいんじゃないかな!
No.14
毒を吐くのは「毒溜まりにする」なので、一種のオブジェクト設置型スキルと捉えています。その毒溜まりオブジェクトに触れるとスリップ効果のBSと捉えました。 トゥーリさんの仰るように毒は毒溜まりにするとはっきり記載ありますが、白煙は「目潰しとなる空間とする」といったような表記がないんですね。 と言っても、これもまた推測なので聞いてしまいましょう。 リル=ウェンシーさん 吐かれた白煙はその場所に残るものなのでしょうか?
はいリルです!情報のまとめが分かりづらくてすみません!(汗) 毒も同様なんですが、最低1ターンはその場所(ヘクス)に残るようです!白煙や毒がある場(ヘクス)に留まっているとBSが付与されますね。(対象:場所) ですが現場の雨のおかげで2ターン以上残る事は無いです! なので毒溜まりで移動先が無くなる心配はないみたいですよ!
まあ片方づつ火力を集中させるのが一番いいだろうぜ 両方削ってたら2体分の攻撃を食らう時間が長くなるからな。 毒フィールドが1Tまでしか残らねえならあンまり考えないでガン攻めでも良さそうだな。 白煙は衝撃波でも撃ってるみるか?
No.17
とりあえずガンガン行こうぜで片方ずつ確実に減らす、ゲドクガエルはいたら取る、コサメガエルはまあついでになぎ倒せれば?とかになるのかな? 爆発系、衝撃波とかなら吹き飛ばせそうだね。すぐ流れそうだけど んで青銅狙う人?何人おる? とりま行けるなら俺も狙う。推薦は別にいいかなと。
生で食べます。調理加工した場合に解毒作用が失われるのか分からないですから両方試したいので。 何かあったとしても私がしばらく寝込むだけですから問題ないです。 他に解毒作用があるのは全身なのか特定部位なのか、解毒出来る毒の種類の検証などもしたい ですが、場所が悪いので何匹か捕獲して持ち帰りますか。 食べるのが戦闘中か後になるかは状況次第です。 青銅は興味ありません。
おっとぉ…こりゃあ持ってくスキルの調整しないとだなあ。 魔矢を多めにしようかね。 確認と回答、ありがとさん。 もらえるものはもらっとこう、ってことで、俺は青銅希望しとこうかと。 カエルの肉って鶏肉に似てるんだったか。 …いや、うまいかどうかは、また別の話だよなあ…
No.20
次ラウンドには晴れるんですね。 ウェンシーさん、ありがとうございます。 移動場所に困るといったことはなさそうですね。 とはいえ、BSが付与されるとこちらは回復判定が成功するまで異常が残ってしまいますが。 青銅についてはすでに頂いているので、私は関係がなさそうです。 そろそろ行動を決めないといけませんね。 私も魔法は魔矢が主体になりそうですね・・・。 コサメガエルがどなたかの間近に迫りそうでしたら、メテオライトに切り替えるという形にします。
青銅? オレはいらねえぜ 白煙を衝撃波で飛ばす以外は接近して殴るだけだな
ヴァローして殴る! 解呪は行動阻害用に準備しておこうかな。 けっこう火力高めの人多そうだし、ワタシはヒール×2、解呪、反応強化を予定しているよ。 青銅の記章はもう持ってるから今回は大丈夫!
No.23
剣で行きますかねー。 チャージング闘気槌ヒール鋭撃辺りに紫電一断持ってってゴリ押すわー。異常は抵抗出来る事を祈っておく とりあえず料理持ってくわ後は天眼。超聴覚なんてない
火力モリモリ弓でバン・皆に合せ片方に攻撃集中・雨対策・方向感覚と記憶力で位置把握 ゲドクガエルは1-2匹確保しておく、……青銅記章希望っ、以上でプレを出します。 ん…難しいの理由は何処なんだろう? 蛙を見つけ難いのか、蛙の体力がバカ高いとか表面がヌルヌルでダメージが通らないとかかな?
顔出しがギリギリですまない ウォーリアーのケンだ 方針は了解したよ 難しい理由はカエルが見つけにくいってのがあるんじゃないか? 総数がわかってないんだし もらえるならもらいたいので青銅記章希望はだしておこうと思う