【大変動】スネーク・オン・ザ・ウォーター
革酎
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シナリオID:801
オープニング
サウゼル大樹海は兎に角、暑い。
不快にまとわりつく湿気とむせ返る様な熱気が、容赦無く体力を削り取ってゆく。
この日、ゴールディから前線キャンプを経て大樹海内部へと足を踏み入れてきた冒険者達は、いつ現れるか分からない古ゴブリンや白い大蛇といった敵性生物だけではなく、熱中症や脱水症状の予防といった体調管理面に於いても、相当に神経を使わなければならなかった。
「しかし堪らん暑さだなぁ……この調子じゃ敵と戦う前に、頭がのぼせて倒れちまうぞ」
巨大な戦斧の切っ先を苔だらけの岩に押し付けながら、戦士アーギス・マーレイは幾分つらそうな表情で頭上の樹々を仰ぎ見た。
彼に同行する他の冒険者達も同様に渋い表情を浮かべている。いずれも体調に異変を来す程ではなかったが、それでもこの暑さにはすっかり閉口している様子だった。
「多分だけど、これだけ暑いってことは雨が近いんじゃないかな」
案内役として冒険者達を先導するブラックデスの若ゴブリンが、水筒の中身で喉を潤しながらアーギスに振り向いた。
地上付近の熱が上空で冷やされ、雨雲が発生するのはどの地域でも同じである。これだけの湿気が膨大な熱量を伴って上空に舞い上がり、高空で一気に冷やされれば、それは巨大な雨雲となって天を覆い尽くすだろう。
もうこの際、スコールでも何でも良いから早く降ってくれと願わずにはいられないアーギス。
しかし雨を待って足を止める訳にもいかない。冒険者達は更に歩を進めて敵の姿を求めた。
今回、アーギスを含む冒険者数名がサウゼル大樹海の比較的奥深いところまで足を延ばしてきたのは、前線キャンプの積極防衛策として、敵性勢力たる古ゴブリンや白い大蛇を討伐する為であった。
ドン・ゴーフルの命によって古ゴブリンを殺すことはご法度だが、白い大蛇は斃してしまっても構わない。古ゴブリンの多くは白い大蛇と連携して動いている為、大蛇だけでも排除してしまえば、前線キャンプに対する脅威は大いに減ずることが出来るというものである。
「よぉ、川が見えたぜ」
ブラックデスの若ゴブリンが、僅かに声を弾ませた。鬱蒼と茂る樹々の壁が急に姿を消し、緑色の川面が視界一杯に広がった。
水深は然程に深くない。せいぜい腰の辺りまでであろう。
「中州まで渡って、ひと休みといこうか」
アーギスの何気ない呟きに、若ゴブリンも他の冒険者達も漠然と頷き返す。
暑さの為に判断力が鈍っていたのは否めないが、今のこの状況で中州に足を止めるのは、実は決して得策ではなかった。
●濁流を滑る悪魔
中州は、数名の大人が腰を落ち着けることが出来る程度の面積しか無く、余り広いとはいえない。それでも足を水中に浸し、周囲から流れ込む水面特有の冷えた空気を味わうには、丁度良い休憩場所だった。
ところが、それぞれが持参した飲料で喉の渇きを癒し、再度の進軍に立ち上がろうとしたその時、思わぬ異変が生じた。
「拙い……鉄砲水だッ!」
若ゴブリンが上流を指差して叫んだ。
緑の川面をひっくり返す様な勢いで、上流から茶色い濁流が押し寄せてきたのである。この暑さだ、恐らく上流のどこかで局所的に豪雨が降り注いだのだろう。
中州で足止めを喰らっては対岸に渡れないばかりか、濁流に押し流されてしまう可能性もある。
「よし、急いで向こう岸に……」
そこまでいいかけたアーギスだったが、思わずあっと驚きの声を飛ばした。
白く巨大な物体が、濁流の波に身を委ねて猛然と突っ込んできたのである。
それは10メートルにも達しようかという、白い大蛇だった。通常の大蛇と比べても、その大きさが際立っている。更に川の両岸にはいつの間にか、樹々の間に潜む様にして古ゴブリンの姿が見え隠れしていた。
冒険者達が中州でひと息入れている隙に、両岸から挟み込む格好で退路を塞いでしまっていた。
濁流はいよいよ、中州をも呑み込もうとしている。しかもその流れの中には、水中を自在に動き回る巨大な白い蛇の姿。
最悪だ――冒険者の誰もが内心で舌打ちを漏らした。
両岸には古ゴブリン、そして濁流の茶色い水面上には圧倒的な存在感を誇る白い大蛇。
敵を探し求めていたことには違いないが、まさかこれ程の最悪な状況で遭遇することになろうとは、誰も予想だにしていなかった。
解説
マスターより
リプレイ
上流からの濁流に乗って川面を滑る様に接近してくる巨大な白蛇。
その姿をじっと凝視しながら、バーネット・フォーサイスは全員を自身の周囲に呼び集めた。水上を駆け抜ける術式を素早く完成させる為である。
「こんな状況に陥らない様に、俺達がしっかり立ち回るべきだったんだがな……ちっと気が抜けてた。兎に角、ここから動くぞッ!」
迫り来る濁流に負けじと、大急ぎで次々と術式を完成させてゆくバーネット。その集中力は流石という他は無い。
「濁流か……ありゃあきちぃな。体力には自信があるとはいえ、こればかりは流石にしんどくなるな……よし、気張っていくぞ!」
バーネットによる術式の順番を待ちながら、ゴルバルティアは己の両頬を軽く打った。最後に放った台詞は、傍らで短弓を構えているセリオス・オーガストに向けられたものである。
そのセリオスは、ロイ・アウレアと共に両岸の樹々の裏側に隠れている古ゴブリンに対し威嚇射撃を次々と叩き込んでいた。これからいずれかの岸に逃れようというところで古ゴブリンに邪魔されたとあっては、堪ったものではない。少しでも敵の出足を鈍らせ、橋頭保を確保する為には今の段階から矢を次々と射続け、顔を出す隙も与えてはならない。
「あぁこれこれ、これです。こいつで命綱を頼みます」
オゴスだけはブラックデスの若ゴブリン達に意識を向けていた。
荷物の中からロープを取り出し、アーギス・マーレイと体を結び付ける様にと指示を出す。余裕があれば他の冒険者達にも結び付けて欲しいところではあったが、果たしてそこまでの時間があるかどうか。
「よし、良いぞ!」
バーネットが術式をひと通り完了させた。これで水上移動は可能となった。後は如何にして巨大な白蛇と古ゴブリン達に対処するか、であろう。
ところがバーネットが次なる対策として白蛇に足止めを仕掛けようとしても、肝心の敵の姿が見えない。茶色に染まる濁流の波の裏側に身を隠したものと思われる。
「オゴス、分かるか?」
冷静に自分自身を落ち着かせる様に、バーネットは努めて声のトーンを落として問いかけた。オゴスは素早く視線を走らせ、壁の様にそそり立つ波頭にエーテル波動を叩きつけた。
「上流、左手側です。この位置から迫ってくるとなると、元来た方の岸へ戻る方が安全ですね」
「俺にも見えた……蛇野郎、そこでしばらくじっとしてろ」
光り輝く球状の阻害波動が、濁流の中に隠れていた白蛇をその場で釘付けにした。濁流に乗って易々と接近し続けていた筈の白蛇は怒り狂った様にその場でのたうち回るが、バーネットの術式に囚われ、その地点から抜け出すことも叶わない。
「これでしばらくは置物か? 兎に角、退避するなら今だ。さっさと渡っちまおう」
いささか安堵感が漂うバーネットの声を受け、ロイは牽制の矢を放ちながら両岸の状況を素早く観察した。
樹々や岩陰に隠れても尚、微かに覗いている古ゴブリンの得物や体の末端、或いは四肢。下生えの踏まれ具合や隠れやすい障害物の有無。
それらを総合し、どの地点に若ゴブリン達を上陸させるべきかをものの数秒で判断する。向かうべき地点は元の岸の下流方向、水草が頭を伸ばしている地点。
「セリオス、ゴルバルティア、あそこを目指せ!」
ロイの号令を受け、まずはゴルバルティアが元の岸へと駆け出す姿勢を見せた。が、その直前、セリオスは足止めを喰らっている白蛇に向けて光弾を叩き込む。光弾は白蛇の周囲で炸裂し、目隠しの煙幕をその一帯に漂わせた。
「ティア、援護する。先に行って古ゴブリン達を黙らせてくれ」
「あいよぉッ!」
セリオスの指示を受けて、ゴルバルティアは濁流にも負けない音量の雄叫びを放ちながら水上を一気に駆け抜け始めた。その間もセリオスは鏃を次々と川岸の樹々へ撃ち込み、古ゴブリンの迎撃を牽制し続けた。
ものの数秒で川岸への上陸を果たしたゴルバルティアは、次にセリオスの渡河を支援する為、樹々の裏側に隠れている古ゴブリン達に接近戦を仕掛け始めた。
「ほらほら、来なよッ! 私はここに居るぜぇッ!」
挑発的に叫ぶゴルバルティアだが、その戦闘スタイルはというと盾を前面に押し出した、完全なる防御態勢である。少なくとも、自分から積極的に古ゴブリンを傷つける意思は無かったのだが、古ゴブリン達は川岸ならば安全地帯だと思い込んでいた為か、容易に中州を脱出してきたゴルバルティアに対し、明らかに動揺している仕草を見せた。
●川岸上陸戦
ゴルバルティアが上陸した川岸先で古ゴブリンを引きつけ、反対側の岸に対してはロイが牽制射撃を仕掛け続けている一方で、濁流上の白蛇はバーネットによる懸命の足止めが効果的に機能している。
ブラックデスの若ゴブリンを中州から脱出させるのは、今しかない。
セリオスはアーギスとオゴスに振り向いた。
「よし、行くぞ。アーギス、オゴス、ふたりで若ゴブリン達を頼む」
「おうよ、任された」
軽い調子の笑顔を返すアーギス。その傍らでオゴスは、細い体型の若ゴブリンを左肩に担ぎ上げ、右手には魔導書を携えた。その強面から、若ゴブリン達からはもっと豪放な性格かと思われていたらしいオゴスだが、意外に丁寧な物腰で語るその口調には、用心棒時代から続けている心遣いの様なものが感じられる。
「大丈夫ですよ。ちゃんと岸までご案内して差し上げますから」
軽く微笑むオゴスに、若ゴブリンは命を預けたといった様子で小さく頷き返す。やがてセリオスが矢を放ちながら水面上を駆け始めた。そのすぐ後ろにアーギス、若ゴブリン、そしてオゴスの順で続いた。
ここでロイが対岸側への牽制から、渡河側の岸に対する射撃へと切り替えた。対岸側の古ゴブリン達は、この濁流を突っ切って中州まで仕掛けてくる気配は見えない。であれば、渡河側の岸に隠れる古ゴブリンだけを警戒すれば良い。
ロイの弓から次々と放たれる鏃は古ゴブリン達を樹々の裏側へと追い込み、その場に釘付けにした。
(煙幕は、使うまでも無いか)
古ゴブリン達の攻撃の手は完全に緩んでいる。濁流の中の白蛇がこうも簡単に足止めされるとは、思っても見なかったのだろう。最大の攻撃力を誇る怪物が一時的とはいえ、無力化されている。この事実に古ゴブリン達は戦局を見失っているに違いない。
セリオスが川面を走りながら、そしてロイが中州に残った状態で激しく鏃を雨あられと射続けたことにより、古ゴブリン達は反撃の暇すら与えられず、アーギスとオゴス、そして若ゴブリン達の上陸を許してしまった。
「どうだッ!?」
バーネットの呼びかけに、ロイは左の親指を立てて頷く。中州に残っているのは、最早このふたりだけであった。
一方、渡河を終えた面々は川岸上の樹々の裏側に隠れて応戦して来る古ゴブリン達への対処に入る。既にゴルバルティアが防御を前面に押し立てた接近戦を仕掛けているが、彼女が相手をしているのは極一部だ。古ゴブリンの姿は他にも点在している。
「殺す訳にはいかないが、かといって無傷で返してやる程の余裕も無い。ある程度の手傷は我慢して貰おう」
「地の利は向こうにありますから、罠や誘導には警戒が必要ですが……折角このクソ暑い樹海で探し求めていた大蛇と出会えたんです。あちらの気が変わらぬ様、こちらもひと芝居打つ必要がありますね」
セリオスに対し、オゴスが意味ありげな笑みを送る。セリオスもオゴスの意図を咄嗟に理解し、口角を僅かに吊り上げた。
「確かにな。積極的防衛策の為に白蛇討伐を引き受けた以上、あの大物は仕留めて帰らないとな」
かくしてセリオスとオゴスは、アーギスに若ゴブリン達の護衛を任せる一方で、敢えて劣勢の雰囲気を装いながら濁流方面へと移動し、川面に直接触れられる位置に足場を変えた。
と、そこへゴルバルティアが合流してきた。古ゴブリン達は上陸したセリオスの鏃とオゴスの魔矢を相当に警戒しているらしく、ゴルバルティアとの接近戦で狙撃されるのを恐れて距離を取り始めているとの由。
「白蛇をやるなら、今が一番良いんじゃないか?」
ゴルバルティアの意見には、セリオスもオゴスも異論は無い。セリオスは中州に向けて素早く手信号を送り、白蛇討伐へと切り替える旨を伝えた。
「あっちは準備が整ったみたいだな」
「では白蛇を誘い出しながら、渡河戦と洒落込もう」
バーネットとロイは互いに頷き合い、川面へと滑り出す態勢を取った。同時に、白蛇が巨体をのたうち回らせてふたりに襲い掛かってくる。今度は足止めの必要は無い。寧ろ、接近戦へと持ち込む為に敢えて自由にしておく必要があった。
「よぅし、追いかけて来い」
先にバーネットが水上を走り、ロイがしんがりを務める。そのロイの背中に、白蛇は信じられない程の速度を発揮して迫りつつあった。
だがそれよりも早く、セリオスの放った重力波を伴う一撃が白蛇の牙を撃ち砕いた。その直後から、白蛇の動きが極端に鈍くなった。
セリオスのアシストを受けて、ロイとバーネットは川岸へと辿り着いた。
古ゴブリン達は冒険者達の種々様々な遠隔攻撃能力を警戒しているが、彼らが近づくことが出来なかったのはロイが放った煙幕が最大の理由である。ロイは川岸に上陸する寸前、光弾を放って古ゴブリン達の出足を鈍らせていたのである。
これで古ゴブリン達は当分の間、近づくことも出来なくなった。ここから先は事実上、対白蛇戦へと突入してゆく。
●奇妙な戦利品
突如、冒険者達の立つ川岸周辺に樹々の葉が渦を巻く様にして舞い上がり始めた。
それらの葉一枚一枚が異様に硬質化し、その縁がまるで刃物の如く鋭利に研ぎ澄まされている。白蛇の特殊能力のひとつであろうか。
「くぉぉぉっ……こいつぁ、なかなかキツいッ!」
盾を構え、自身の肉体に斬り付けられる面積を最小限に抑えたゴルバルティアだったが、それでも結構な打撃を全身に受けた。
白蛇は動きこそ鈍ってはいるものの、その攻撃力までが衰えた訳ではなかったのである。鋭利な葉の嵐が収まったかと思った次の瞬間には、白蛇はゴルバルティアの真正面にまで到達していた。
この時、ゴルバルティアと白蛇は一瞬、目が合った。その不気味な瞳孔がゴルバルティアの視線をがっちりと掴んで離さない。通常であればその恐ろしい凝視に全身が竦み上がっていただろうが、しかしゴルバルティアは耐えた。あらゆる意味で防御を徹底的に高めていたのが、功を奏した格好である。
「何を当たり前の様にじっと睨んでやがる!」
不意に無数の光弾が宙を奔った。バーネットが仕掛けたこれらの光弾連射は、白蛇の丸太の様な胴を襲い、分厚い鱗を容赦無く抉り取ってゆく。
白蛇の意識が、今度はバーネットに向けられた。その隙を逃さず、オゴスがゴルバルティアの背後に素早く駆け寄り、彼女の肉体を蝕む無数の打撃を、自身の治癒術で素早く回復させた。
バーネットは尚も挑発するかの様に、今度は火炎弾を叩きつける術式を完成させた。炎を纏う巨弾が撃ち出され、宙空で派手に炸裂する。白蛇は回避出来ず、その威力をまともに浴びた。
だがこの攻撃は本命であると同時に、囮でもあった。バーネットは戦術眼を働かせ、最大火力で白蛇の注意を引きつけることでロイとセリオスの攻撃に対する警戒心を完全に奪い去っていた。
「さぁ来いよ。牙だろうが睨みだろうが、受けて立ってやる」
尚も挑発を続けるバーネット。その肉体は、うっすらと輝く光の防御膜で守られている。そのバーネットに対し白蛇が直線的な突進を仕掛けようとしたが、それよりも早くロイの鏃が真横から飛来し、白蛇の巨大な上顎を撃ち貫いていった。
その衝撃は白蛇の脳にも達したらしく、鎌首をもたげていた巨大な頭部がぐらりと左右に揺れた。
ここが勝負どころだと悟ったオゴスも魔矢を逆方向から脳天付近に叩き込む。縦に割れた爬虫類特有の瞳孔が焦点を失った様に、不意にぼやけた。白蛇はそのまま盛大に倒れ、尚も勢いが止まらぬ濁流に呑み込まれ、下流へと流されていった。
「……やったのか?」
茶色い流れの向こうへと押しやられてゆく白蛇の巨体を遠目に眺めながら、セリオスはぽつりと呟いた。そもそも深追いするつもりの無かったセリオスだが、あの様子では既に絶命しているだろう。
同時に、古ゴブリン達の視界を遮っていた煙幕が晴れてきた。古ゴブリン達は白蛇が倒されたことをまだ把握していない様子で、このまま戦闘を継続すべきかどうかを逡巡している。彼らは一様に敵意剥き出しで凶暴ではあるが、しかし戦局を見極める程度の理性は十分に残されている様だった。
ややあって、手近の古ゴブリンが得物を構えたまま、じわりと間合いを詰めようとした。が、それよりも早くロイが牽制の矢をその足元に撃ち込む。
「動くな!」
ロイの言葉は当然、古ゴブリン達に理解されることはない。
セリオスもロイと並んで弓を構え、威嚇射撃の態勢を取る。ふたりの圧倒的な破壊力と射程を恐れたのか、古ゴブリン達はひとり、またひとりと踵を返して、樹々の向こうへと消えていった。
否、全ての古ゴブリンが完全撤退していった訳ではなく、ロイ或いはセリオスの威嚇射撃を半ば流れ弾の様な形で浴びてしまったふたりの古ゴブリンが、足を引きずりながら少しずつ後退しようとしていた。
手負いの古ゴブリン達は獰猛な雄叫びを上げて威嚇してくるが、冒険者達は最早、戦う意思を持っていない。実際、ロイがセリオスに目線で促すと、セリオスは少し距離を取った位置から治癒を施術した。
ふたりの古ゴブリンの傷は見る間に癒され、まともに歩く程度に回復した。古ゴブリン達は驚きながらも、特段感謝する様子も見せず、慌てて逃げ去ってゆく。
「捕獲する必要は、ありませんでしたか?」
オゴスの問いに対し、ロイとセリオスは揃ってかぶりを振った。前線キャンプならいざ知らず、この大樹海奥地で古ゴブリンを生かしたまま連れて帰るのは物理的にも厳しい。ロイとセリオスの判断は妥当だったといえるだろう。
その時、古ゴブリン達が潜伏していた樹々の辺りから妙なものを見つけたと、ゴルバルティアとバーネットが声を上げた。
「何だこれ……林檎の芯か?」
「妙だな。この辺に林檎の木なんて生えてたか?」
気持ち悪そうに摘み上げるゴルバルディアの傍らで、バーネットは不審げに唸る。だが、何かの意味があるかも知れないとして、取り敢えず持ち帰ることにした。
林檎の芯は全部で七つ。それぞれ別の袋に分けて保管し、若ゴブリンの背嚢に押し込んだ。
「さて、帰るか……何だか、いつの間にか涼しくなりましたね」
何ともいえぬ苦笑を浮かべるロイ。濁流の放つ水分なのか、或いは激闘の際に肝が冷えたのか。
いずれにせよ、ここに長居する理由は何も無かった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準5 / 4〜5人
2021年04月18日 19時07分03秒 公開
相談掲示板
どう戦えば良いのかが見えなくて、参加を迷ってたが バーネットさんが居るなら!と入った他力本願なロイ・アウレアです。(スマンッ!) 思いつく範囲だと、勝つよりどう逃げるか(生き残れればOK)なので 白蛇を抑え込む間に、片岸の古ゴブリン(数名)を纏めて足止めし逃げたいなぁ…とぼんやり考えてるよ。 白蛇の精神攻撃はジャマーで多少なりとも弱め(操られてるならそれも弱められないかな?) 戦闘後は弱った白蛇を盾にし時間稼ぎしつつ後退するのを今のところ考えてる。 一人で考えてるとこの辺りが限界なので、何か手が浮かんでたら聞かせて欲しい、よろしく!
実は特に腹案が有るわけでもなく、見切り発車で入ったバーネット・フォーサイスだ。 >方針 真っ向から戦ってもまぁ何とかなると思うが、いっそウォーターウォークも併用して さっさとどっちかの岸に向かうってのも有りだな。 中州を起点にして戦うのも時間制限があるし、アーケインなりで白蛇を足止めしておけば、 倒さないでも渡り切れるとは思う。 まぁ、波打つ濁流を足場にするから足元は安定はしないだろうが、 それでもそのまま濁流を渡るよりはマシだろう。
いやいや、お陰で入る踏ん切りが着いたし、セリオスさんも来てくれてる。 弓手が2名居るなら、中州から川岸の古ゴブリンを先に戦闘不能にするって手も行けないか? ウォーターウォークがあるなら、それこそ蛇は足止め程度にして…とか。 後1名来てくれたら具体的に詰めよう。
シーフのオゴスです。皆様、どうぞよろしくお願い致します。 用意できる武器は暗針、祭刀、魔導書です。 ひとまずは簡単な挨拶だけで失礼しますね。後でまた作戦の相談に伺います。
確定だね、オゴスさんよろしくお願いします! まだ個人で何が出来るかを考えてる状態で行動がブツ切れ、説明しようにも文章に纏めれないレベル…。 だが、話さないと進まないからともかく話すね。 濃煙炸弾は使おうと思ってるが上陸側に使うか対岸が援護してくるのを邪魔するのに使うか、中州から両岸までの距離がどれ位かが判らず、何を基準に考えたら良いか…と走してます。 蛇・古ゴブリン・同行者、この3点にどう手分け優先し動くのがベストなのか…人数がMAX5名なのも難易度に関わってるのだろうね。 アーギスさんを戦力として数えて良いなら、案内役2名の護衛をして貰って 2名が流されないようにロープで繋がって貰おうか…そうすれば流されてもロープを掴んで確保できるな…とか。 ウォーターウォークが有ればオレ達なら歩けるだろう、バランス感覚を付ければさらに安定、弓の命中もある程度は確保できるだろうな…とか。 ん…、思い浮かんだ点をタラタラと発してみた。 皆の考えも聞かせて貰えると考えを整理できて助かるのでお願いします。
何を基準に考えたら良いか…と"迷"走してます。 文を直すうち間違えて消してた。 濁点も足りなくて文章の切り替えが判り難いし、もっと読み返せ、オレ。 読み難くて申し訳ない…お茶して落ち着いて来ます。
とりあえず面子が揃って一安心だ。 >方針 今のところアーケインテンペスト改とスタティックフィールドで白蛇の足止めを考えているが、 その時に濃煙炸弾を白蛇の居る場所に使ってもらえたら、ほぼほぼ白蛇の行動を封じれないか? 移動が出来ず、射線も通らなければ殆ど置物と同じだろうし。 懸念としては白蛇の移動力が5以上ある場合だが、サイズが大きくなればなるほど 動きは鈍くなるって他所で書いてあったし、そんなに機敏な移動力は無いと思いたい。 足止めに関わる面子以外は先行して岸へと向かって、そこで橋頭堡を確保してもらえれば、 足止めしてた後続もある程度安定して渡河ができるとだろう。 >NPC マーレイは戦力として数えられるとはあるが、他の若ゴブリン二人に不安が残るし、 いっそ若ゴブリン二人の護衛にマーレイを充てるのが良いと思う。
白蛇や古ゴブリンの脅威を下げてから、なるべく早く対岸へ移動したいですね。 若ゴブリン二人の移動の補助もあると安心でしょうか。 ロイさんの命綱をつける案に賛成です。 この状況なら魔導書の射程で対岸の古ゴブリン排除をしましょうか。 致命傷にならない部位を狙うなどして、意図せず殺してしまわぬよう注意します。 ただ、敵は矢を利用しているので魔法の射程外にいる可能性も否めませんか……。 不利な足場で白蛇と積極的に接近戦をする気はありませんが、偶然近接の間合いになった際に縛糸刃を仕掛けることもできます。 エアーライドも濁流をこえるのに使えそうですが、対岸の距離が不明なのでウォーターウォークの方が安定しますね。 バーネットさん、よろしくお願いします。
満員だね、ありがたい。 作戦の提案ありがとう。 マーレイさんの件は同意、濃煙炸弾も有効利用して貰えて嬉しい。 濁流が弱い間に移動開始する前提=ウォーターウォークは無しかな? それなら、オレは濃煙炸弾→貫通衝撃射で古ゴブリン達を牽制するよ。 セリオスさんにも一緒に貫通連射して貰えたらスムーズに渡れそうだし 水から出てしまえば、橋頭堡の確保も出来るね。 (すまん、相変わらず日本語が変で直しました…)
オゴスさん、被った…すまん。(連投させて貰うね) 縛糸刃をして貰えれば、動きが大きくけん制出来るね。 もしウォーターウォークを掛けるなら+2ターン分の連携を考えたいな。
・・・ん、遅くなってすまんがシューターのセリオスだ、よろしく頼む まあ実際濁流が迫ってる以上とどまるのは下策だろうしな しいて言えば白蛇は物理以外にも特殊能力があるとあるからそれが懸念か 強行突破してでも対岸に渡ったほうがまた生存率が高そうだ 濃煙作弾ののち掃射して牽制は問題ないぞ。
リプレイを少し読んでたら、白蛇の特殊能力はジャマーで弱めることが出来る記述があったので1ターン目にジャマーを使おうと思う。 2ターン目以降は渡る岸側の古ゴブリンへ牽制(手足狙い)の貫通衝撃射。 >濃煙作弾ののち掃射して牽制は問題ない なので是非に、濃煙はセリオスさんにお願いします。 >オゴスさん アーギスさんへロープを渡して命綱とする役をお願いしても良いですか? >ゴルバルティアさん 予定してる動きは無いかな? 可能ならだが、1ターン目にドラゴンチャリオッツのような 白蛇の動きを牽制?するのを入れてくれると時間に猶予が出来そうだが、どうだろう? そのまま二人で若ゴブリン達を連れて川を渡り始めてくれれば オレとセリオスさんで援護できるだろうし、バーネットさんのフォローも出来る。 ……と、勝手に流れを作って話してすまん。 この後から出発時間まで、相談が厳しく成りそうなので 急ぎプレを書くように提案させて貰ったよ。 スキルやターンへの理解が足りてないかも知れないので、突っ込み歓迎です。
>方針 なんとなく纏めてみたが、こんな感じでいいか? ・中州から岸に渡る事を優先し、ウォーターウォークを使って水上移動 ・白蛇をスキル等で足止めしているうちに、白蛇から遠い側の岸を目指す ・足止め役以外は先行して岸を目指し、橋頭保を確保して後続の渡河地点を確保 ・全員岸に渡ったら本格的な迎撃を開始 ・マーレイには案内役二人を護衛してもらう 問題無ければ、俺の方でプレには入れておく。 >個人行動 よくよく考えたら、ウォーターウォークを最初に使ったら、 アーケインテンペスト改とスタティックフィールドはどっちかしか使えんな…… ひとまず、ウォーターウォークは皆が纏まっている最初のうちに掛けて、 白蛇にはスタティックフィールドによる移動阻害を付与。 次のターンでアーケインを設置し移動を封じよう。 後はメテオライト2とかストーンブラスト2で範囲攻撃をばら撒く位だな。
<方針 問題ないと思う。まとめご苦労様だ <濃煙 了解した。では最初にこちらは濃煙で。 ただ狙う場所は白蛇のいるところだと思うんだが、OPを見る限り最初濁流の中にいるような気もするので濃煙はきくのだろうか MSよりからだと既に中洲上にいるともとれるが
遅くなったぜ ウォーリアのゴルバルティアだ 前衛としてカバーメインで動くぜ
>ロープ ふふふ。発言のタイミングが被るのって、相談あるあるですよね。 アーギスさんへロープを渡す件も了解です。 俺達を含め全員をロープで結ぶのは重量で流されにくくなりますが動きづらくもなりそうですし、一長一短ですね……。 >方針 バーネットさん、纏めをありがとうございます。 内容にも異論はありません。プレイングへの記載も助かります。 >白蛇の位置 あ、これはどうなのでしょうね。 濁流の茶色い水面上には圧倒的な存在感を誇る白い大蛇、とあるので最初の時点ではまだ水中にいるものだと解釈していました。 白蛇は中州で戦うことになる敵、という意味合いかと。 >前衛 ウォーリアの方がいてくれると動きやすいです。 カバーよろしくお願い致します。
皆さま、個人の都合で急がせて申し訳ない。 方針ありがとう、問題ない! 合せて出来る事を纏めてプレにするね。 濃煙は水面でも中州でも、アーケインテンペスト改の位置に張るつもりだったよ。 (要はバーネットさんに合せ使用する。勘違いしてたら突っ込みヨロシク) ゴルバルティアさん前衛ヨロシク! オゴスさん、現場でどれだけ時間があるか判らないので、4人で繋がるか否かを含め担当にお任せします。 (発言被りに理解をありがとう!) オレも濃煙を支度して、非常事態には古ゴブリンとオレ達の間に張る。 本格的な迎撃ではグラヴィティボルトで白蛇には殺さない程度に弱って頂くね。
大蛇が最初から中州に上がっている場合でも、再度濁流に潜り込んで襲いかかってくるってのもありそうですね。 捜波を持っていきます。
<アーケインテンペスト改のあと 了解した。ではそのようにしておこう。 二発あるからもう一発はロイに合わせて濃煙の壁を作るようにするか
報告だけ 渡る側の岸に隠れてる古ゴブリンが居ないかチェックする用に バランス感覚を超視覚に変更しました。 川の上でのウォーターウォークはこれで3-4度目?なのでプレ対応で何とかしてみました。 では、中州で会おう!