【大変動】このあくどい地上げ屋に報復を!
おおくまねこ
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シナリオID:722
オープニング
「ヘイ、オヤジ! このラーメンはどういうことだ!? 豚骨じゃなくて人骨が入ってんぞ!」
ガラの悪いホブゴブリンはぺっと白い骨を吐き出した。
言われてみれば確かに、人の指に見えなくもない。
「ふざけたことを言わないで! そんなもん入ってるわけないじゃない! あんたが自分で入れたんでしょ!」
店主の娘であるゴブリナは、二倍以上体格差があるホブゴブリンにも怯まずに食ってかかった。年は十才くらいだろうか。
「なんだと、このクソガキ!」
ホブゴブリンは胸ぐらを掴んでゴブリナを持ち上げた。
「やめてくれ! 娘には手を出さんでくれ!」
厨房から飛び出してきた店主ゴブリンはホブゴブリンに懇願した。
「断る! 生意気なガキには親に代わって教育してやらねえとな!」
ホブゴブリンは大きく拳を後ろに引いた。ゴブリナは思わず目を瞑った。
「そこまでにしておきなさい」
その時、ガラッと入り口の扉が開き、金色のスーツに身を包んだ悪趣味なピカピカゴブリンが店に入ってきた。成金ゴブリンが一喝すると、ホブゴブリンはゴブリナから手を離し、ピシッと姿勢を正した。
「へい、すみません、ドルスキーさん」
「直接手を上げるのはおよしなさいといつも言ってるでしょう。傷が残ってしまったらどうするんです。やるなら――」
そういって、ドルスキーは勢いよく机を蹴り、ホブゴブリンの食いかけのどんぶりと調味料の小瓶を根こそぎ床に落として割ってしまった。
「――こんな風に、店の物だけにしておきなさい。店のものが多少ひっくり返っただけなら『事故』で済みますからね」
「――ッ! あんた、なんてことすんのよ……!」
「やめなさい、ジーナ……!」
ドルスキーに殴りかかろうとするゴブリナを母ゴブリンは必死に抑える。
「さて、トマスさん。この店を私にお譲り頂きたいというお話、考えていただけましたか?」
さっきのホブゴブリンの言いがかりも、全てはこの男の差し金である。この男はいわゆる『地上げ屋』だ。この店の土地を高額で転売するアテがあるらしく、毎日お昼時に部下をけしかけて嫌がらせをしてくるのだ。
「この店は先代から受け継いだ儂の誇りじゃ! お前のような悪魔には死んでも譲らん!」
トマスの啖呵を聞き、ドルスキーは大げさな身振りで肩をすくめた。
「やれやれ……アナタも強情ですねえ。分かりました。ではまた明日改めましょう。アナタのお気持ちが変わるまで、何度でも通わせて頂きますからね。私もこの店の味が大好きなので。ほーほっほっほ」
部下を引き連れ、高笑いと共にドルスキーは帰っていった。
●市民からの依頼
ここはゴブリン自治区、ゴールディの街道の端っこにある宿場町ケルン。最近ようやく冒険者の店が出来たような片田舎だ。市民から広く依頼を募集していたのだが……。
「うーん。なんとも微妙な依頼が来てるな。『わるものをやっつけてくれ』、だそうだ」
冒険者ギルドのマスターは困惑した様子で一枚の依頼書をテーブルに置いた。そこには汚い字で
「ドルスキーをやっつけてください。わるいヤクザです」
と書かれていた。
「うーん……まあドルスキーってのは悪者っちゃあ悪者なんだが……別にお尋ね者じゃあねえからな……。バッサリやっちまうと逆にこっちがしょっぴかれちまう。が、ドルスキーの奴のやり口は俺も知ってる。狡賢い小悪党だよ」
マスターはドルスキーについて冒険者に語り始めた……。
ドルスキーという男は、いわゆる「地上げ屋」を生業としているヤクザ者だ。
めぼしい土地を見つけると、その土地を譲ってもらうよう持ち主に声をかける。そして買値の何倍もの値段で貴族や金持ちに売りつける。あるいは、最初から土地が欲しい貴族や金持ちに頼まれて土地の回収をやっている場合もある。
もしターゲットが快諾すればそれで済む話だが、断った場合は首を縦に振るまでネチネチと執拗な嫌がらせが始まるのだ。しかもドルスキーというゴブリンは知能犯で、官憲が動かないギリギリのラインを攻めてくる。狙われた方はお気の毒というほかない。
冒険者の店のマスター(彼もゴブリンである)はドルスキーについて説明し終えると、溜め息をついた。
「とはいえ、奴の命が欲しいってならともかく、嫌がらせをやめさせたいってだけなら手はある。先に一発殴らせてからやり返すとか、証拠を押さえて官憲に突き出すとかな。あるいは、目には目をってことで、こっちもあいつの周りで嫌がらせをしてやるとかよ」
あまり上品ではない話だが、相手が相手なだけに仕方ないかもしれない。もしかすれば、もっとスマートなやり方もあるのかもしれないが。
「ってわけだが、この依頼、どうする? もし受けるって物好きがいるなら、俺に声をかけてくれ」
解説
マスターより
リプレイ
「差し入れです。どうぞ」
オゴスは公園のベンチで寝転がっていた、小汚いゴブリンの老人に声をかけた。
「失礼。あなたが『御用聞き』ですか?」
「いかにも。さて、何が聞きたい?」
オゴスの問いに老人は短く返答した後、むくりと起き上がって座り直した。
「ドルスキー一家と接触できる場所を教えて下さい。トマスさんのラーメン屋以外の場所でです。それともう一つ。ドルスキー一家のトマスの店以外での嫌がらせ手口を。どんな小道具を使ったかも知りたいです」
オゴスはそう問うと、小ぶりの宝石を一つ老人に差し出した。
「ほう……ドルスキー一家の……よかろう」
老人はニヤリと笑った。
●
オゴスが情報屋と接触した日の晩のこと。
「なんですって? うちのファミリーに入りたい方が?」
「はい、ドルスキー様。強面のホブゴブリンです。何でも授恵者だそうです。嘘じゃありません。私の目の前で光の弾を撃ちました。頭は悪そうでしたが、かえって使いやすいのではないかと」
「ほう! 授恵者!」
部下の報告に、ドルスキーはたちまち上機嫌になった。ドルスキー一家は未だ二十名余りで、人手はまだまだ必要だ。それに、ファミリーに授恵者はいない。戦闘向きの授恵者なら抗争でも暗殺でも幾らでも使い道があるし、喉から手が出るほど欲しい逸材だ。
「それは素晴らしい……! ぜひお会いしたいですね。すぐにここに連れて来なさい」
「そう仰ると思い、家の前で待たせています」
「手際が良いですね。流石はボナンザさんです。では、私の部屋までお連れしなさい。丁重にね」
若頭の労を労うと、早速ドルスキーは面接の準備を始めた。
「失礼しゃっす! オゴスです! よろしくっす!」
オゴスはゴンゴンと乱暴なノックをし、肩を揺らしてドルスキーの部屋に入った。そして、勧められていない椅子にドカッと腰かける。全て、脳筋ゴロツキの演技だ。
「ほっほっほ……元気のいい方ですね。私がドルスキーです。まずは我がファミリーに入りたい理由をお聞きしましょうか」
ドルスキーはニコニコと、オゴスに問いかけた。
「シボーリユウ! シボーリユウ!」
すると、ドルスキーの後ろにあった鳥籠に入っていた金色のオウムが声真似をした。こいつは彼のペットだろう。
「これからの時代、マフィアもインテリじゃねえといけませんや! 賢いボスの手足になりてえんです!」
「なるほど、私の知性に惹かれたと……それは光栄ですね」
ドルスキーはにっこりと微笑んだ。
(うまく行きそうですね……)
オゴスほっと胸を撫で下ろした。彼は情報屋にドルスキーのチンピラがたむろしている酒場を教えてもらい、チンピラに仲間に入れてくれと声をかけたのだ。
「アンタ、授恵者だろ? なら、すんなりドルスキーに会えると思うぜ」
情報屋のアドバイス通り、ドルスキーはオゴスには非常に好意的だった。
その後、希望する仕事や特技、将来の展望など、色々とドルスキーが質問してきたが、オゴスは怪しまれずに乗り切った。
「合格です。貴方には、明日からでもウチで働いてもらいましょう!」
「ありがとうございやす!」
●
オゴスがドルスキー一家に潜入する少し前。
「いわゆる土地転がし……俺みたいな元百姓にはさっぱりわからんやつすね。土地自体がこう、高すぎて雲の上みたいな……とはいえ、困っているのは確かみたいすから、ココは一つ、いい感じに落としたいところ」
ジーナの依頼を引き受けた冒険者達の一人、マタリキー・T・ヒーローは屋敷の裏の雑木林から、ドルスキーの屋敷を観察していた。木製で、廊下は外から丸見え。ずいぶんと開放的な造りの屋敷だ。ドルスキーの趣味だろうか。
「さて、始めるっす」
ごろんと、マタリキーは躊躇なく雑木林で寝転がると、瞳を閉じて精神を集中した。すぽん。体から力を抜ける感覚がして、マタリキーの「魂」は肉体から解き放たれた。
「幽体離脱、成功っと」
魂だけとなったマタリキーはドルスキーの屋敷へとこっそり侵入した。授恵者でなければ自分の姿は見えないはずだから、この姿なら存分に「下見」ができる。館の構造や警備の配置、ドルスキーの金庫などの位置をチェックするのが狙いだ。
幸い、屋敷に授恵者はいなかったのでマタリキーの魂は好きなだけ屋敷を見学することができた。
「……あれ、怪しいっすね」
ドルスキーの私室の片隅にある、大きな金庫。重要書類などが入っているのならきっとあそこだろう。 例えば、土地転がしの委託先との契約書とか。
下見を十分に終えたマタリキーの魂は速やかに肉体へと戻っていった。
●
そして次の日。
「なかなかキレる悪党じゃない。分相応、引き際を理解してるのはいいことだわ」
ハッタがトマスの店でドルスキーを足止めしている頃イーヤ・レプルスはドルスキー一家の屋敷の前に来ていた。
イーヤは人格はともかく、ドルスキーの手際については高く評価していた。マフィアというと何でも暴力で解決しようとしがちだが、ドルスキーという男はなかなかに知能犯だ。放っておけば、手の付けられない大悪党になっていたかもしれない。
とはいえ、それもここで終わりだ。腕利きの冒険者グループに依頼が入った以上、彼の覇道はここで終了である。
「まぁ今回は運が悪かったって事ね」
イーヤはくすりと笑ったた。
「お前がイーヤか?」
「そうよ。トマスさんから聞いてませんか?」
玄関から出てきたチンピラは、正面から堂々とやってきたイーヤを値踏みするようにいやらしい視線を向けた。
「トマスの野郎が『いい女を送るから嫌がらせは勘弁してくれ』って連絡してきた時は何かと思ったが……へへへ、なかなかいい女じゃねえか」
舌なめずりをするチンピラゴブリン。ウサギの獣人であるイーヤの、豊満な体つきと獣人らしいエキゾチックな魅力は彼の好みだったらしい。
「よし、ついてきな。屋敷の中を案内してやる。お楽しみのその後だ、げへへ」
●
オゴスがドルスキー一家に潜入した翌日。
「ラーメン定食を。メンマ大盛りで頼む」
ふらりとトマスの店を訪れたハッタ・ムラムラは手近な席に腰かけると、おもむろにラーメンを注文した。時刻は昼の十時過ぎ。店はガラガラだった。
「ヘイ、お待ち!」
厨房からトマスの声が聞こえる。数分すると、ジーナがラーメン定食を持ってきた。
「お待ちどうさま!」
「ありがとう」
山盛りのメンマが乗ったラーメンと餃子、ライスを受け取ると、ハッタはラーメンをすすり始めた。
「うむ。うまい。昼にはやはり麺が一番だが、蕎麦ばかりではバランスが悪いからな」
ハッタは呟いた。彼は調和を良しとするGP教の僧侶であり、バランスを何よりも大切にしているのだ。
「ごきげんうるわしゅう」
「また、来てやったぜ。げへへ」
「!」
ガラっと店の扉を開け、入ってきたのはドルスキーと護衛のラオーシャだった。
「また来たのね! ドルスキー!」
「おやおや、常連客に対し、なんという口の利き方でしょう。親の顔が見たいですねえ。そんなことだから、この店はお昼なのにガラガラなのですよ」
「お客さんが減ってるのは、アンタたちのせいだろ……!」
ギロリと睨み付けるジーナの視線を、ドルスキーは鼻歌混じりで受け流した。
「ほっほっほ。まあいいでしょう。私は今大変機嫌がよいので許して差し上げますよ。トマスさん、担々麺を三人前頂けますか」
「チッ……!」
トマスは舌打ちしながら担々麺を作り始めた。叩き出して大騒ぎされても面倒だし、ハッタに穏便に対応するように言い含められていたからだ。
「おやおや? ちょっと麺が伸びすぎじゃないでしょうか? この店はこんな雑な料理でお金を取るのですか?」
ドルスキーは半分ほど口にした後、案の定、料理にケチをつけ始めた。
「アンタ……ッ! いい加減に……!」
ジーナがドルスキーに殴りかかろうとしたその時だった。追加注文した杏仁豆腐を静かに食べていたハッタがスッと立ち上がり、二人の間に入った。
「大丈夫だから少し耐えて欲しい」
背中でこっそりジーナにサインを送ったハッタは、錫杖を床に打ち付けシャン、と金具を鳴らした。
「この店のラーメンは十分美味い。何故、そのような言いがかりをつけるのか」
ハッタは説法モードに突入した。この事態も想定していたので、服装も立派な袈裟姿である。
「いいか良く聞け、重要なのはバランスだ。お前達はマフィアだと見受けるが、たとえマフィアであっても、調和は守らねばならぬ。行き過ぎた暴力はさらなる暴力を呼び、いずれ己の身を……」
「はあ……」
ドルスキーは厄介な奴に絡まれたな、という顔をしながら、ハッタのありがたい説法を聞いていた。
(やれやれ。お坊さんのお話は長いですねえ……とはいえ、カタギの人間に手を上げると後々面倒です。適当に聞き流すとしましょう)
ドルスキーはそういう腹積もりだったが、彼の想像以上にハッタの説法は長かった。やがて、子分二人は、椅子に座ったまま居眠りを始めた。
●
「いよいよ、本番っすね」
マタリキーは再びドルスキーの屋敷へと来ていた。
ドルスキーはさっき子分と一緒に出ていったから暫くは戻らない。そして、中の連中の注意はオゴスとイーヤが引き付けてくれているはずだ。
今こそ千載一遇のチャンス。マタリキーは今度は生身のまま、ドルスキーの屋敷へと身を躍らせた。
常人離れした身体能力を駆使し、屋敷の塀に飛びつき、鋼の爪を喰い込ませる。そのままガシャガシャと塀をよじ登っていった。
「よいではないか~。よいではないか~。げへへ~」
「あぁん♪ お代官様、お戯れを~♪」
屋敷の居間では、芸者のコスプレをしたイーヤがチンピラに帯をぐるぐる回されていた。チンピラ達はお色気全開のイーヤに夢中になっており、マタリキーの侵入には全く気付いていない。
イーヤの方はチンピラ達の相手をしながらも廊下をこっそり通過するマタリキーにはしっかり気付いていたらしく、「早く行きなさい」とウインクしてきた。
「さて、次は大サービス。だるまさんが転んだで一番になった人にぱふぱふでもしてあげましょうか?」
「マジで!?」
イーヤの言葉に、ゴブリン達はおおおっと盛り上がった。あの様子なら、もうしばらくはゴブリン達はあそこから動かないだろう。
マタリキーはイーヤに軽く頭を下げると、ドルスキーの部屋へと急いだ。
●
「掃除でもなんでも、誠心誠意やらせていただきますね!」
「おう、しっかり頼むわ」
オゴスは若頭に従い、離れにある倉庫の掃除をしていた。イーヤが色仕掛けでチンピラ達の注意を引き付けてくれているが、この男はファミリーのNo.2だけあり、他の連中より賢かった。研修という名目だが、入ったばかりのオゴスをフリーにしないよう、見張っているのだろう。
(授恵者なのは本当のようだが……対立組織のスパイって可能性もあるしな)
実際、ボナンザはオゴスがスパイである可能性を捨てていなかった。ボスは無邪気に大喜びしていたが、組織のナンバー2という微妙な立場が若頭にオゴスを疑わせたのかもしれない。
(そろそろ、マタリキーさんが侵入してる頃ですね)
オゴスは太陽の角度で大雑把な時刻を測ると、一世一代のドジをかました。
「天井の汚れもアッシならちょちょいのちょい! エアーライド! ってあらぁ!?」
「ちょ、何やってやがる!?」
オゴスは飛行に失敗したフリをして、勢いよく倉庫の片隅に突っ込んだ。
ドンガラガッシャン!
「てめえ、何やってやがる! さっさと片付けろ!」
「へい! すみません!」
●
「この金庫の中身がたぶんそうっすね……」
マタリキーがドルスキーの金庫を『透視』すると、彼が予想した通り、書類がギッシリ詰まっているのが見えた。恐らく、土地転がしに関する委託先からの契約書も混ざっているだろう。それさえ掴めれば、ドルスキーの悪事の証拠の決定的な証拠にもなる。
流石に鍵は持っていない。となれば、この金庫は叩き壊すしかない。
マタリキーは鋼の爪を一閃し、金庫の扉を切り裂いた。
ガシャン! 凄まじい音が鳴ったが、誰も来なかった。チンピラ達はイーヤに夢中で音に気が付かなかったし、切れる若頭もオゴスの一計により、ここから離れた倉庫にいたからだ。
マタリキーは金庫から取り出した書類の束を掴むと、誰にも気づかれないまま、屋敷から出ていった。
●
「……こうして、長らく仲違いをしていた兄弟は夢枕に立ったGP神のお導きで手を取りあい――」
「……大変、良いお話ですが続きはまたの機会に……」
ハッタの説法がついに一時間を超えた時、いい加減痺れを切らしたドルスキーがハッタの話を遮った。
「おや、もうこんな時間か。すっかりラーメンが冷めてしまったな。悪いことをした」
すっとぼけるハッタ。もう足止めは十分だろう。
「いえいえ。お気になさらず。このお坊さんに免じて今日の所は引き上げますが、トマスさん、明日はもっとおいしいラーメンを頼みますよ」
すっかり毒気を抜かれたドルスキーは子分と共に帰っていった。そして、破壊され、カラになった金庫を見てドルスキーは絶叫するのだった……。
●エピローグ
「「お疲れ様でしたー!」」
冒険者達はトマスの店で打ち上げをしていた。マタリキーが持ち帰った書類の中にはこの店への嫌がらせの証拠だけではなく、ドルスキーの行っていた数々悪事の証拠がぎっちり詰まっていた。その書類一式をブラックデスにプレゼントしたところ、ドルスキーのトマスへの嫌がらせはピタリと止んだのだ。ついでに、ドルスキー一家の間抜けな有様もオゴスと接触した情報屋によって広められ、ドルスキーはマフィア界の笑いものになってしまったらしい。
「あいよ、ウチのお勧め、地鶏ラーメンだ! 今日は好きなだけ喰っていってくれ!」
「「いただきます!」」
オゴスは店長のお勧めをすすり、顔をほころばせた。
イーヤとマタリキ―もそれぞれトマスの料理を堪能している。ハッタはと言うと、今日は天津飯を食べていた。一昨日、昨日と麺類が続いたので今度は米料理を食べることでバランスを取っているらしい。
ラーメンを食べ終わった後、ハッタはジーナが物陰から自分に熱い視線を注いでいることに気付いた。
「お嬢さん、パンダが珍しいかな」
「は、はいっ! ごめんなさい!」
「謝らずともよい。君にはこれを授けよう」
ハッタはカバンから荒々しいジャイアントパンダの絵と、ハッタ直筆の筆文字で『商売繁盛』と描かれた一枚の木の板を取り出した。
「『絵パンダ』だ。玄関にでも飾るといい。店主の腕が良いのは十分に理解した。あとは祈って待てば良い」
「ありがとう! 大事にするよ!」
「あ。ハッタさん。どうでもいいけど絵パンダ買ったすよ。へへ」
「あ、私のと絵柄が違う!」
絵パンダを見せ合うジーナとマタリキ―を見て、冒険者達は微笑んだのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜6人
2021年03月30日 16時30分33秒 公開
相談掲示板
ハッタだ。世話になる。
マタリキーす。ドルスキー一家をチョメする感じすね。 いや、チョメはしないんすけど。 地上げを止めるために一工夫が必要ってわけすね。 方法が定まってないのでそこから決める必要がありそうすけど、なにか妙案はあるすかね? こっちが悪に染まるのもあんまりよくない気がするすけど…… 案1.ドルスキーの雇い主を探す。あくどい方法で手に入れてるのが丸わかりで評判悪いなりと伝えることで元を断つ。 →案3.のような潜入調査がいりそう。 案2.ドルスキー一家を撃退・カチコミ・嫌がらせ仕返しなど。とんこつラーメン好きの常連さんとして義憤を主張など。 →いちばんマッスルな感じで楽そう。 案3.ドルスキー一家に忍びこみ調査。何か良くない証拠なりが見つかるようならそれをもとにゆすったり。 →一般人ばかりなので、汎用スキルを上手いこと使えば無難にさぐれそうな気がするす。 表で騒いでいる間に誰かがシノビコム、みたいなかんじ…とかどうすかね。
オゴスと申します。ホブゴブリンのシーフです。どうぞよろしくお願い致します。 集まった皆様との相談次第で、方針を決めようと思っておりました。 悪事に抵抗のない方やギャグっぽい雰囲気が好きな方が多ければ、嫌がらせ返し。 そうでなければ、真面目にドルスキーの悪事の証拠をつかもうかと。 案3.の潜入調査で、一家の下っ端に加えてほしいと頼んで堂々と入り込むのも面白いかもしれません。 マタリキーさんの案のように騒ぎを起こしてこっそり忍び込むのも、こちらの面が割れなくて良い手段かと。
一時的にではなく、永続的に嫌がらせを止めるだけの交渉に持ち込みたいところだな。 その意味ではマタリキーの挙げてくれた、ドルスキーの悪事を掴む、というのが最適だが…… 家に忍び込むというのはそれ自体が犯罪であるし、リスキーであることは否めない。 奴の性格的にも相応の備えはしてあるだろうし、やるとしたら綿密な計画を立てる必要があると考えている。 嫌がらせで言えば、狙い目としてはドルスキーの飼っているペットだろうか。 どんなペットをどのように飼っているのかは調べる必要があるだろうが、 それを掴んだ上で、例えば店へ来たタイミングで 「最近、飼い主が留守の間にペットが死んでしまうなんて、悲しいニュースも聞きますよね」的に牽制する、とかな。 個々人で、ちょっとした嫌がらせ返しをするのは、おれとしてはアリだと考えている。 但しそれをしてしまうと、オゴス案の「一家の下っ端に加えてほしいと頼む」的なアプローチは まず確実に怪しまれてしまうので、誰が何をするのかは丁寧に話し合っておきたいところだ。 マタリキーの言っている「こっちが悪に染まるのもあんまりよくない気がする」は同感。 この辺りのさじ加減も含めて、バランスの良い対処方法を練っていきたい。
イーヤよ、よろしく。 そうねぇ。 騒ぎ?を起こすなら、娼婦として屋敷に正面から入ろうかしら。 屋敷内部の意識を轢きつけるためにね。 飛び込み営業、だと少し警戒されるわね。 他にドルスキーに嫌がらせされてる方達に協力してもらって『いい女を送るから勘弁してくれ』って体で出向くとか。 本気で囮だけなら武器や怪しい物を持ち込まなければすぐ信用してくれるはずよ。 逆に何か持ち込むなら、私はマジカルポケットを覚えてるからツール類や証拠運搬も出来るわね。
勧善懲悪、というところでいうと、スケサンカクサンくらいの調べ物は許容したいマン、マタリキーです。 だいぶ案がでてきたすね。 >悪事を掴む 掴んだあとで、「匂わせ」で返すか、「雇い主」に直接あたりにいくか、というとこすかね。 個人的には雇い主に「つながりばれてますよ」と言いにいって釘を指してもらう、というのがいいのではないかなと思うす。 >イーヤさんの潜入方法 そうすね……たとえば、「支払いを踏み倒したドルスキー一門の人間がいる」と、文句を言いに往くのはどうすかね。 そしたら、内部のひとは「おいおい、誰だ?」ってお互いに睨み合いになるでしょうし、自分から言い出さないひともいるでしょうし。 イーヤさん一人だとアレなんで、俺が付いていくのもOKす。威圧あたりセットしてったらいい感じになりそうな気もするっす。 その間にオゴスさんなりが潜入シてたらいい感じになりそうな気がしたんすけど、いかがすかね?
スケサンカクサン……。ミトイエローモンの物語ですね。 俺はトビモンキーが好きです。 まずはドルスキーファミリーに下っ端希望として潜入しようかと。証拠を押さえて官憲に突き出す、ってのをひとまずメインに動きます。 資料検索かスリのスキルあたりを証拠探し用に使う予定です。 腕っぷし的にはイーヤさんは手練れですし、そういう意味では心配はしていませんが、何か俺でお役に立てることがあれば協力しましょう。 マタリキーさんがついていく場合、嬢の送迎役のような感じですか? この街にはブラックデス系列ファミリーの情報屋もいるらしいので、ドルスキーの屋敷やペットなど、直接乗り込んで調べるには難しいことは情報を買うのも手でしょうね。
承知した。 では全体としての大きな目的としては「ドルスキーの悪事を掴む」 手段としては「何らかの方法で屋敷に潜入しての、証拠探し」でいこうか。 であれば一連の行為が怪しまれないように、ドルスキーへの嫌がらせは無しとしたい。 水面下でおれたちが動いていることは、悟られないよう配慮したいところだ。 その上でおれはトマスの店に通う客を演じようかと思っている。 ドルスキーが嫌がらせにくるのは昼と分かっているので、会話をして時間を稼ごう。 その隙に、屋敷に潜り込めた者たちで調査を進めてもらえればと思う。
りょうかいっす。 そこまでハードな判定はされないとおもうんで、オゴスさんが下っ端入りするのも特に失敗しなそうな気がするっすね。……オゴスさん。顔がまあまあアレすし、授恵者すもんね。 OKす。そしたら、 ・オゴスさんは予め下っ端として潜り込んでおく ・昼にドルスキーたちの嫌がらせが向かうのを確認して、ハッタさんに対応してもらう ・その間にイーヤさんが娼婦として屋敷に正面から入ろうとする。ここで正面の注意をひく ・そのドタバタの間に俺も侵入してみる(オゴスさんもこの時点で調査に動く) ・得た情報を突き合わせて方針決定(できるだけ悪にはそまらずにお引取り願う方法をピックアップ) ・見つかった内容とあわせて店主と相談になるかもしれないが、 1.クリーン化を狙うブラックデスさんたちにお願いする 2.雇い主側にアプローチして契約解除を狙う 3.町中に噂を流すなりして影響力を下げる とかすかね。 個人的にはペットchanに罪はないので辛い目にあわせたくないすね。などと。
汎用スキルをながめてて、ふと、幽体離脱って結構いけるんじゃね?って気がしたので、持っていくことにするす。 事前の下見程度すけど、使えたら幸いかなと。 あとはハッピー男子のロマン、透視を持ち込んでみたっす。コレでいい情報が手に入るといいんすけど。
出発日を勘違いしてたわ。 あまり相談に乗れなくてごめんなさい。 流れはムラムラさん、ヒーローさんの纏めてくれた通りで異論は無いわ。 頑張ってドルスキーの残りを引き止めておくわ。 >幽体離脱 このスキルは他のスキルと併用できないから気をつけてね。 結構そういうするミスをする人を見かけるわ。
プレイング提出しました。 首尾良く依頼を達成できたら最後にトマスさんの店で食事したいですね。 >幽体離脱 効果的だと思います。 透視が併用できなくても、通常の知覚でわかることなら屋敷の様子がわかりますしね。 >2.雇い主側にアプローチして契約解除を狙う >3.町中に噂を流すなりして影響力を下げる 情報屋からお話を聞いた後、ドルスキー一家がお縄になったらその情報を広められないか、と追加報酬を提示し頼んでみます。 偽情報を流すのは情報屋の信頼に関わるので無理でしょうけれど、真実の情報ならばいけるかもしれない……と。 雇い主側への直接的なアプローチではありませんが、お上に目をつけられている面倒臭い地上げ屋に、わざわざ仕事を頼みたい方は減るでしょう。