カリギュラボタン
灰槻
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シナリオID:675
オープニング
カリギュラ効果、と言う物をご存じだろうか。
大仰な名前だがそう難しい話ではない。中身は単純、するなと言われるとしたくなる心理の事だ。それはどんな人間にも覚えがあるモノだろう。親に隠れて布団の中で事を為す人間など数え始めたらキリがない。
だがまあ、大抵の場合はそれまでだ。人間の生存本能と言うモノは良く出来ているから、本当に危険なモノに手を出す事はそうそうない。最悪手を出してしまったとしても、それを危険だと知る者が止めに入るのが世の常だ。線路で遊ぼうとした子供は親に泣きながら叩かれ、歩きながら携帯端末を弄る若者は老人に顔を真っ赤にして怒鳴られ、そうしてカリギュラ効果は恐怖心、或いは羞恥心という枷を得る。斯くて世は事も無し、それが現実の常識だ。
しかし。それは本当に危険なモノを、周りの誰かが見た事がある場合に限られる。
周りの誰もが見たことが無い危機に、人間の脳は対応しきれない。
そうなったとき、カリギュラ効果に突き動かされる人間達は――果たしてどうなってしまうのだろうか?
遺跡を中心に発展する都市では、そんな現象が日常茶飯事だ。
今日もまた、触れてはならないモノに――何も知らない住人が、手を掛ける。
*事件内容
――水上都市アキュアリスタの、一角にて。
「……何かしら、これ?」
いつも通りに起床し。朝の水汲みへと向かおうとしたアイリスの視界に、奇妙な物が映った。
壁から生えていたそれを最も端的に形容するなら、お椀状の物体、と言うのが正しいだろう。
だが奇妙なことに、その物体の底は綺麗な円形になっていた。そしてさらに不可解なことに――。
「さ、わ、る、な……?」
学の無い彼女にも分かるほど簡単な文字で。どぎつい原色の赤色で。夕陽が地に沈むことよりも簡潔に。
さわるな、と書かれていたのだ。
「えっと……」
アイリスはくるくると辺りを見回した。
彼女は都市の住民たちの中でも特に善良な小市民で、近隣の人々にもそれなりに顔を覚えられている。
咎められる事を恐れる必要など、到底有るはずも無いのだが――しかし、それでも辺りを見回してしまったのは。
彼女の中にある衝動と、それに対する疚しさが原因だったのだろう。
(お……押してみたい……!)
どうしようもなく触ってみたい。そしてあわよくば押してみたい。
明らかに押し込むことを前提に、壁から浮いているその姿。どう考えても、それ以外の目的が無いであろうフォルム。
それを見て押し込んでみたいと、そう考えない方が無理な話だ。
触るなといわれていても。いや、むしろそう言われてしまったからこそ。
「……」
ぽちっ。
そんな擬音が響く。
そして彼女の手から――。
「……え?」
押し込んだ感触が、消えた。
「い、いぎっ……!!!!」
右側から走る激痛。思考を塗りつぶす程の痛み。
道を塗りたくる赤色。ゆっくりと白んでいく意識。
(あ……う、そ……)
異常に気が付いて通行人たちが駆け寄ってくるが。
今まさに意識を手放そうとしている彼女に、それが伝わることは無い。
ただ彼女が見たのは――そう、一つだけ。
(やめ……て……!)
お椀状の大きな蟲が、自分の腕を食べている光景だった。
*冒険者ギルドにて
「ま、またですか……」
届いた依頼に、ギルドの職員達は揃って溜息を吐いた。
一般向けの注意喚起は出していた筈なのに、それでもこうして事故が起きる。やはり人間はそう易々と成長出来ないという事なのか。
「取り合えず依頼は出しておきましょう。放置するわけにもいかないですし」
ともあれ何が起きたかは分かっている。
水上都市アキュアリスタは古代遺跡を中心に発展してきた都市だ。遺跡内部のエーテルの変容による影響は小さくない。
ここ数日問題になっていたのはその影響の一つ――とあるダンジョンギミックの、街中への出現だった。
その性質は単純。押すと魔物が飛び出すボタン、それだけだ。
飛び出す魔物は強くて中型程度で、ダンジョンに潜るような冒険者なら対応する事は難しくない。しかし厄介なことに、飛び出したそれは例外なく"人間の腕を食い千切ろうと"するのだ。
それは一般人にしてみれば十分過ぎる程の脅威で――ましてや街中に現れたともあれば、大惨事になる事は言うまでもない。
「はぁ……また義手屋が儲かりますね」
職員達は揃って二度目の溜息を吐いて、依頼板にその文書を並べたのだった。
――"緊急依頼『"腕喰い蟲"の鎮圧、並びに住民救助』"
解説
マスターより
リプレイ
「腕喰い蟲の数は3匹ですね。スイッチの方は……不定期に出現するようなので、此方では把握し切れていません。申し訳ないです」
「ありがとうございます、職員さん!」
「いいえ、こちらの不手際ですから。よろしくお願いします」
文書に書かれていなかった情報を確認し、トゥーリは即席のパーティーへと振り返り。
その快活な声音を遺憾なく発揮し、素早く情報共有を終えた。
そうして彼等は迅速に戦地へと向かう。
全てはより多くの人命を救う為に。
「皆、こっちだよ!」
「急ごう、明らかに出血量が多い!」
色濃く漂う血臭。近づけば一般人であっても噎せ返る程の血の匂いだ。トゥーリとライナ・フレイヴァルツの持つ人間離れした嗅覚からすれば、その発生源の特定は難しい事ではない。
彼女達は嗅覚に従って大通りから外れ、入り組んだ路地を抜けていった。
その先にあったのは。
「っ――ひどい……!」
腕を食いちぎられて呻く住民達と。
今まさに食いちぎった腕を捕食する異形の蟲達による――。
どうしようもない程に端的な、地獄だった。
「まずは人命救助ですね。パニックになっている方から落ち着かせていきましょう、出血が増えると厄介です」
「では、腕喰い蟲様には鋼鉄の壁を馳走して差し上げますわ。治療中に群れてこられては厄介でしょうし」
グレイブ・ヤードが眼が眩むほどの手際で治療体勢に入り、それと戦場を仕切るようにバンビのアイアンウォールが聳え立つ。それは即席ながらも十分な強度と威圧感を持った簡易救護所だ。住民の治療を間に合わせるだけの時間を稼ぐには十分だろう。
「じゃあ、私は被害に遭った人達を連れてくるね!」
「私もお手伝いします、一人でも多くの人を助けましょう!」
「では――アーケインテンペスト!」
「支援しますわ――アーケイン!」
トゥーリとフロマーシュ・ダイヤドロップが駆け出し、蟲の移動を妨害するように雷光渦巻く空間が生まれた。ライナとバンビの手によるものだ。これによって戦場は大きく二分された。
片方は今まさに血風渦巻く地獄が巻き起こる蟲の領域。
そしてもう片方は、その魔の手から人命を救い上げる人類の領域。
眼前に広がるその事実を以て、ついに蟲達は認識する。
稲光を走らせる空間。聳え立つ鋼鉄の壁。それらを成し遂げた、細く美しい腕の数々。
そう、それはつまり――。
――まだ食べられる腕がある。
「じゃ、行くぜ?」
その無機質な食欲を前に、ケン・Z・ブラッドリーは獰猛な笑みを浮かべた。
何にせよ斬り甲斐のある敵である事に間違いはあるまい、と。
そうして戦端は開かれた。
●住民救助
「大丈夫、大丈夫ですよ」
「っ……あぁぁぁ……!」
(痛みが激し過ぎて話が出来ない状態……)
グレイブは手早くそう判断し、話術によるパニックの抑圧を諦めた。
人間の脳は余りにも繊細で、強すぎる痛みは会話に割けるリソースを奪う。こういった非常時では、むしろ直接的な対応の方が優先される。
「力を貸してください、万物に宿るエーテルよ――リヴァーオブヴァイタル」
彼は暴れ回る被害者の心臓部に触れ、そうスキルを行使した。
それだけで傷口は瞬く間に塞がり、出血は徐々に落ち着いていく。
腕を再生するには至らない。失われたモノを復元する事は如何なる手段を以てしても不可能だ。また、パニックを落ち着かせることが出来なかったために、その出血量も多かった。後遺症が残る事は避けられないだろう――が。
(ぎりぎり……間に合いそうですね)
安静にしていれば助かる。
経験からそう直感し、彼は次の重傷者へと視線を向け――。
そして今まさに運ばれてきた重傷者を前に、彼の冷静さは崩れ去った。
「……多すぎる!」
1人なら、まだいい。リヴァーオブヴァイタルを行使すれば助けられるし、実際今まさに助かった。
だがもう1人となれば話が変わる。リヴァーオブヴァイタルを使い切ってしまったからだ。
重傷者のそれは腕を食いちぎられる程の傷。それ以外で助けるのは至難を極める。単独で助けられる限界を超えてしまう――!
焦りが身を焦がし始めた、その時のことだった。
「あ、あの! ライナ様と……私も、ヒールが使えます!」
「っ――連れてきてください!!」
「はい!」
重傷者を降ろしたフロマーシュがそう言った。
その言葉に思わず口調が強まる。回復量が少なくとも数を重ねれば助けられる、その一縷の望みがそうさせたのだ。
それは命を助けたいという強い想い。
――運命はそれに味方した。
「っ、連れてきましたっ!」
そこに居たのはライナと、トゥーリ。
「私もヒールが使えるよ! ヒーリングオーラも!!」
「っ――感謝します!」
「いや、これも役目だ! 安心しろ、見た限り他に重傷者はいない!」
「前線はバンビさん達が抑えてるから安心してね! ちゃんとこの人を助けよう!」
四人掛かりのヒールが重傷者の身を包む。
一つ一つの治癒はリヴァーオブヴァイタルにこそ及ばない。だが数を重ねた事で、その光の回復力は途轍もないモノになっていた。徐々に破断された腕の傷口は塞がれ、命の危険が無い程度までには回復していく。
「後は私のヒールで治します、お二人は蟲の討伐を!」
「分かったよ!」
「行ってくる!!」
グレイブの声を受け、二人は外へと駆け出した。
その後ろ姿を視界の端に捉えつつ、彼は再びヒールを行使する。
(何とか……助けられましたね)
その口端には安堵の笑みが浮かんでいた。
●鎮圧開始
時刻は戦闘開始まで巻き戻る。
「では行きますわ。アーケイン!」
戦端が開かれるや否や、深紫色の影が転がるように飛び出した。直後、フリーになっていた蟲Aに直撃する形で稲光が吹き荒れる。それらは蟲Aの脚部に纏わりついて痙攣させ、移動を封じ込めた。
その瞬間、腕を食べていた蟲Bの視線がバンビへと切り替わる。
「今の内ですわ! 負傷者の搬送を!!」
「分かったよ! 闘気槌!!」
「援護しますっ!! チャージングっ!!」
「私も続こう――フレイムゲイズ!」
その隙を突くように、トゥーリとフロマーシュが蟲Cへと突撃。それを後押しするようにライナの杖が光り輝く。
動けない蟲Aはその突撃を阻害できず、蟲Bはバンビに無我夢中。トゥーリの槌は何一つ不自由なく蟲Cを殴りつけ――腕を喰われていた住民を救いだした。
直後、フロマーシュの大楯が叩きこまれ、識別性の炎球が着弾する。その完璧な連携を前に、蟲Cは為す術も無く吹き飛ばされていった。
「この人は私が連れていくね!」
言うや否や駆けだすトゥーリ。担ぎ上げた男性の出血は激しく、最も近くに居たトゥーリが運ぶのはとても合理的で――それ故に、フロマーシュは決断を迫られた。
フロマーシュの役割は防御の要だ。今すぐにでもバンビ達に合流し、ヘイトを集めて戦線を支えなければならない。
だが、しかし――。
彼女の足元には、腕を食いちぎられて倒れた負傷者が、もう一人。
どちらを優先するのが正解なのか。一瞬の迷いが足を止め――。
「行ってこい、マーシュ!!」
「は――はいっ!」
ライナの掛け声が、その硬直を振り払った。
瞬時に負傷者を担ぎ、彼女は一目散に簡易救護所へと突撃していく。
その光景を視界の端に捉えながら、バンビは小さく呟いた。
「一先ずは三対三、ですわね」
ヘイトを引き受けた彼女は、持ち前の素早さを押し付けるように立ち回っていた。
要所要所で危うい場面はあるが、ケンによる支援もありある程度は安定している。
ライナの指示はそれを理解してのモノだった。
(さて……)
彼女は蟲の攻撃を引きつけながら、簡易救護所の方へと意識を向ける。
一人のヒーラーに3人もの重傷者に対応できる程のリソースは無い。遅かれ早かれ、ヒールが使える他メンバーが支援することは必要になるだろう。
となれば当然、あのスキルの切りどころは――。
「ライナ様っ! グレイブ様から、ヒーラーの人員が欲しいと要望がっ!」
「分かった、直ぐに向かう!!」
「私もヒールが使えるよっ! あっ、でも戦況は……?」
「大丈夫ですわ。まだとっておきがございますの」
出てきたばかりのトゥーリとフロマーシュ、蟲を牽制していたライナが救護所へと駆け戻っていく。
それを見たケンは僅かに眉を顰めた。
「おいおい、大丈夫か?」
蟲Aがアーケインから離脱していた。蟲Cも甲殻を焼かれたショックから立ち直り、虎視眈々と此方を狙っている。数もフロマーシュ達が抜けて三対二。確かに不利な状況だ。
しかしバンビの口元には、不敵な笑みが浮かんでいた。
「では――まずは一体」
バンビがそう呟くや否や――。
突進を始めた蟲Bの鼻先に、鋼鉄の壁が突き立った。
為す術も無く激突し、転倒するする蟲B。その脚は僅かに痙攣しており、軽い気絶に近い状態である事が伺える。
「あぁ、そりゃ良いぜ!」
そこに畳みかけられたのはケンの一撃。確かに蟲の甲殻は固く、単なる斬撃では有効なダメージにはなり得ない。が――仮に蟲が転倒し、その脆弱な腹部を晒していたとしたら?
言うまでも無く――それは致死の一撃となる。
「ピャァァァァァッッッ!!!」
甲高い悲鳴と共に、腕喰い蟲の1匹目が絶命した。
しかしそこに蟲Aが突撃する。狙いは勿論攻撃後の隙を晒していたケンだ。
鬼のような形相で突撃し、そのまま跳ねて圧し掛か――。
「らせる、訳が無いだろう!!」
蟲の狙いは見事に寸断された。
救護所から出たライナの爆炎が、空中の蟲Aへと直撃したのだ。
容赦なく熱され撃ち落された蟲A。そこに――。
「魔錆、ですわ」
「魔矢!」
バンビの脆化スキルと、容赦のない物理攻撃が降り注ぐ。
一瞬にして物理耐性を失った甲殻が砕け散り、程よく熱された中身が曝け出され――
「無拍子ッ!」
ケンの一閃がトドメになった。
これで二匹目。
しかし……三匹目はどうしているのだろうか?
これだけの時間があれば、他の敵を狙っていたバンビを拘束することができても不思議はない。
その予測に震え、高速で場所を変えるバンビだったが、しかしその心配は杞憂だった。
「こっちですっ!!」
何故かその視線はフロマーシュへと釘付けられていたのだ。
蟲Cはフロマーシュへ向かって突撃し、そしてアーケインへと引っかかっていた。
その脚には稲光が纏わりつき、懸命に藻掻くも遅々とした速度でしか進めない。
「シーザーロア、ですっ」
ヘイト管理の結果だった。単純な知能しか持たない腕喰い蟲は、まんまと罠へと突撃してしまったのだ。そしてこうなれば結果は単純。突撃と拘束しか能の無い蟲にとって、アーケインの罠は致死の檻である。
「魔錆、ですわ」
「魔矢だよッ!」
「エーテルブレードォッ!」
「爆炎――トドメだッ!!」
圧巻なる集中砲火。
脆化された甲殻は当然ながらそれに耐えきれない。
最後の蟲は穿たれ、斬られ、そして轟音と共に――。
跡形もなく焼き尽くされた。
●戦後処理
「お疲れさまでした」
負傷者を救護施設にまで送り届けたのち、彼等は冒険者ギルドへと帰還した。
その道中、パーティーの仲間と話し合っていたことを思い返しながら、トゥーリは受付嬢に問いかける。
「二つ、聞きたいことがあります」
「……何でしょう?」
「まず、問題になっているボタンについて。注意喚起が、少しわかりにくいと思うんです」
さわるな、と簡潔な赤字。その文字だけでは何故という好奇心が沸き立ってしまうのも無理はない。
トゥーリ達はそう結論していた。
「モンスターが腕に噛みついている絵とかがあれば、何が起こるか分かって、ボタンを押す人も居なくなると思います」
トゥーリはそう提案した。
ギルドの受付嬢は何やら思案しているようだったが、その言葉に深く頷いた。
「そうですね。確かに文字だけでは分かりにくいです」
「……他人事みたいですね」
その受付嬢の回答に、グレイブが僅かに不快感を示す。
だがそれは、冒険者ギルド側にとっても悩みの種だった。
「依頼を、出していたんです」
「依頼?」
「冒険者というのは授恵者以外の方がなることも珍しくはありません。ギルドではそうした方々向けに、授恵者の皆様ほどの能力を必要としない依頼を用意するようになっていて……」
「あぁ……なるほど……」
ギルド制度の弊害だ。
品質にまで口を出せるほど、冒険者ギルドは強くない。成功度という形で目標を示すことは出来るが、それに従うかどうかは冒険者個人の意思次第。かといってあれだけあったボタンの全てに、絵を付けた厳重な注意喚起が出来る程の人手は無い訳で。
つまるところは不可抗力。責任の所在はどこにもなかった。
うーんと唸る一同。暫くして、グレイブがゆっくりと口を開く。
「……なら、善意の第三者を募ってみるのはどうでしょうか。勿論、無償で」
「む、無償で?」
受付嬢が首を傾げた。彼女にとって、その発想は相当に荒唐無稽なモノだったのだ。
「報酬が無いと、猶更に出来が悪くなる気がしますが」
「いいえ、この場合はその逆になると思います。今回の事件の原因は、報酬を手早く欲しかった一般人が手抜きをしたことが原因でしょうから。無償である事の弊害は中々人が集まらない事ですが、この場合は住民達にとっても死活問題です。それなりの人手は見込めるのではないでしょうか」
「…………」
受付嬢はぽかんと口を開けて思考停止する。
暫くその状態が続いたが、次の瞬間、彼女は猛然とメモを取り始めた。
さらさらという音が暫く響き、そしてまた唐突に止む。
「貴重なご意見、有難うございます!」
「いえ、全ては人命の為ですので」
そう謙遜するグレイブ。
その様子を感心したように眺めていた一同の中から、今度はバンビが声を上げた。
「さて、それでは次の話ですわ。勿論――報酬の」
「あっ……そうですね、ではその話に――」
その瞬間、バンビの手から目も止まらぬ速さで布袋が。
テーブルの上へドンッ、と。
「確か、綺麗に討伐した死体は高く売れるとの事ですわよね?」
「は……はい、そうですね。確認します」
口を開き、受付嬢は1m近いソレを取り出して。
――絶句した。
「……これ、どうやって倒したんですか?」
「企業秘密、ですわ。勿論私だけの力ではございませんが」
嫣然と笑みを浮かべるバンビの前には、僅か一撃で心臓部を貫かれた、途轍もなく綺麗な蟲の死体が。
「さて、おいくらになります?」
「……ちょっと、上に訊いてきますね」
その後パーティーで報酬を山分けし、その金額に笑みが浮かぶ。
住民の死者はゼロ。パーティーに損害も無し。既に傷を負ってしまった住民の将来にこそ不安は残るものの、その保障も死骸を売り払って潤う資金で出来るとのこと。つまり大体グッドエンド。
そうしてまた一つ、冒険者達は世を救ったのであった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2021年03月20日 06時22分53秒 公開
相談掲示板
何はともあれ被害は減らさないとですね ヒーラー、グレイブ・ヤードです。
敵と俺とどちらが早いか勝負ですわ。 ハイスピードキャスターのバンビですわ、よろしくしてくれてよくってよ。
腕を食いちぎる虫か…物騒な虫もいたものだ。 ライナ・フレイヴァルツ、キャスターだ。 どう倒すかということと、住民の注意喚起なども課題になりそうだ。 よろしく頼む。
ウォーリアのフロマーシュ・ダイヤドロップと申します。皆様よろしくお願いいたします! かなり危険な蟲なのですね… 街の人達だけでなく、皆様も守って参ります! 皆様を守る際も、相手の拘束には気をつけていきたい所です…!
先に救助を優先しますか? それとも討伐と並行しますか? 基本的に物理のようですので、光縛封を使えばそれなりに時間は稼げますが。
討伐と並行でよろしいのではないでしょうか? 住民がそこらへんにいるようでは討伐の邪魔ですし、さりとて避難優先では守り切れないことも考えられますので。
討伐と並行で良いように思える。が、 これから討伐を始める際に襲われている状況ならば、 まずは討伐よりも救助を優先が良いのではないだろうか。 どうしようもなく動けない体であるならば、避難ではなく護衛の必要が出てくるが…。 私の方で出来ることは、住民が逃げやすいように アーケインテンペストを用いて蟲と住民の間の位置に設置し、移動の妨害をしてみるとしよう。
では、少なくとも「今」被害のあった住民の方には私が動くとしましょう。 応急程度にはなるでしょうし・・・ >妨害 それは助かりますね。 救護している最中に邪魔をされるのはさすがにきついですから。
討伐と救助を平行して行うのですね、かしこまりましたっ。 私は皆様や町の方を襲う敵を、シーザーロアで引き付けていこうと思います。 衝撃刃での攻撃での妨害もしていく予定です。 ただ、敵に拘束されてしまうと、その後戦闘や救助が出来なくなってしまうので それを阻止したり、されないように立ち回らないといけませんね… 念のため、攻撃の際はエーテルブレードを使い、敵に近づかれないようにしていくつもりです。
トゥーリだよ、よろしく! 救助(手当て)を優先しつつ、討伐も並行する流れでいいとワタシも思うな。 逃げ遅れた人は例外なく腕を食べられちゃってる……これは早めに治して上げないとね。あとは敵の数が何匹いるか分からないぐらい?丁寧に探して倒し残しが無いようにしないとね!
一応解説にもありますけど、「街中」であることに気を付けたいですね。 逃げられるにしても、「荷馬車を吹っ飛ばして逃げる」とかやられたら二次被害三次被害と拡大しますから。 まずは取り囲むことから始めたほうがいいのかもしれません。 しかし、ダンジョンギミックが外に飛び出るとは・・・何か気になりますねぇ
とりあえず私は救護5割、誘導3割といったところですね。 戦闘は最低限というか補助回復程度です。 まずはパニックになりそうな場を抑えないといけないと思いますので・・・
私は救助と戦闘が半々くらい、でしょうか?お怪我をされた方をヒールでの治療もしていきますのでっ。 貫通系が有効、とありましたので、槍を装備して攻撃していきますっ! それから、念のため、逃げ遅れた人たちや蟲の捜索に看破と超聴覚を使っていく予定です。